(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
インジケータが、ウッドタイプゴルフクラブヘッドボディのトウ縁またはそれに近い区域からウッドタイプゴルフクラブヘッドボディのヒール縁またはそれに近い区域まで、かつゴルフクラブヘッドの打球サーフェスの前縁またはそれに近い区域からゴルフクラブヘッドの後縁またはそれに近い区域まで延びる、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
ウッドタイプゴルフクラブヘッドボディが少なくとも部分的に第一の材料から形成され、インジケータが少なくとも部分的に、第一の材料とは異なる第二の材料から形成されている、請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
第一の材料が、炭素繊維複合材料、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、マグネシウムおよびマグネシウム合金の少なくとも一つを含む、請求項9記載のゴルフクラブヘッド。
インジケータが、ウッドタイプゴルフクラブヘッドボディのトウ縁またはそれに近い区域からウッドタイプゴルフクラブヘッドボディのヒール縁またはそれに近い区域まで、かつウッドタイプゴルフクラブヘッドボディの打球部分またはそれに近い区域からウッドタイプゴルフクラブヘッドの後縁またはそれに近い区域まで延びる、請求項15記載のゴルフクラブヘッド。
インジケータが、ゴルフクラブヘッドがボールアドレスの向きでその設計ライ角に向けられたときゴルフクラブヘッドの重心と概して垂直に整合するハブ部分を含む、請求項13記載のゴルフクラブヘッド。
【発明を実施するための形態】
【0017】
詳細な説明
以下の詳細な説明および添付図面が本開示の例のゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブの特徴を開示する。
【0018】
I. 本開示の実例としてのゴルフクラブヘッド、ゴルフクラブおよび方法の概説
上記のように、本開示の局面はアイアンタイプゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブに関する。本開示の少なくともいくつかの実例としての局面のアイアンタイプゴルフクラブヘッドは、(a)アイアンタイプゴルフクラブヘッドボディ、(b)打球フェース、(c)場合によっては、打球フェースから後方にゴルフクラブヘッドボディの周辺区域の少なくとも一部分に沿って延びる周囲重量配分部材を含む、打球フェースとは反対側の後面、および(d)ゴルフクラブヘッドボディの特定の領域を指示する多脚ブリッジ部材を含み得る。
【0019】
本開示の局面にしたがって、多脚ブリッジ部材はゴルフクラブヘッドボディの重心位置を指示し得る。したがって、本開示のそのような局面にしたがって、各ゴルフクラブヘッドボディが異なる重心を有するゴルフクラブのセットにおいて、各ゴルフクラブヘッドボディの多脚ブリッジ部材は、セット中の各特定のゴルフクラブヘッドボディの異なる重心位置を反映するために、異なる(たとえば異なるように成形されている)場合がある。たとえば、ピッチングウェッジのゴルフクラブヘッドボディの重心位置は5番アイアンのゴルフクラブヘッドボディの重心位置とは異なる場合があるため、ピッチングウェッジの多脚ブリッジ部材は、5番アイアン上の多脚ブリッジ部材によって指示される位置とは異なる位置を指示する。
【0020】
本開示の局面にしたがって、多脚ブリッジ部材そのものが少なくとも部分的にゴルフクラブヘッドボディの重心位置に影響する場合がある。たとえば、多脚ブリッジ部材の重量がゴルフクラブヘッドボディの重心位置に影響し得る。さらに、多脚ブリッジ部材は、クラブヘッドボディの残り部分に対して異なる重量、異なる密度、異なる重量配分および/または異なる他の重量配分特性を有し得る。したがって、本開示のそのような局面にしたがって、多脚ブリッジ部材は、クラブヘッドボディの重心を変えるように配向および/または成形されてもよい。換言するならば、ゴルフクラブヘッドボディの特定の重心を提供するために、多脚ブリッジ部材の向きおよび/または形状を制御することができる。以下に記載するように、ゴルフクラブヘッドボディの特定の重心を提供することは有利であり得る。
【0021】
本開示のいくつかの局面にしたがって、「ロング」アイアンタイプゴルフクラブ(すなわち、相対的に低いロフト度を有するアイアン、たとえば3番アイアン)における多脚ブリッジ部材は、クラブヘッドボディのトウよりもヒールに近い(すなわちホーゼルに近い)ゴルフクラブヘッドボディの重心を提供するように成形される場合がある。そのような構成は、ホーゼルからゴルフクラブヘッドボディの重心までの距離を減らす。重心がよりホーゼルに近いため、ゴルファーは、ゴルフクラブヘッドボディをより速く、より容易に回転させることができる(たとえば、開いたクラブフェース位置から閉じたクラブフェース位置まで)。したがって、そのような構成は、ゴルフボールに「ドロー」弾道を付与することにおいてゴルファーを支援することができる。たとえば、「ドロー」とは、右利きのゴルファーの場合、ゴルフボールが「右から左」の弾道を示すゴルフショットである。「ドロー」の場合のボールの飛びは、バックスピンがより少なく、したがって、ボールは、ひとたび着地すると、より遠く転がる傾向にある。また、「ドロー」は、より低いボールの飛びを示す傾向にある。「ドロー」のこれらの局面(すなわち、より少ないバックスピン、より遠くまでのロールおよびより低いボールの飛び)は、ゴルファーによって打たれたときゴルフボールが移動する距離を増す傾向にある。したがって、ゴルフクラブヘッドボディの重心をヒールの近くに提供することは、ゴルフショットの距離を増すことができ、それが、「ロング」アイアンにおいて特に役立つ場合がある。
【0022】
本開示のいくつかの他の局面にしたがって、「ショート」アイアンタイプゴルフクラブ(すなわち、相対的に高いロフト度を有するアイアン、たとえば9番アイアン、ウェッジなど)における多脚ブリッジ部材は、クラブヘッドボディのヒールよりもトウに近いゴルフクラブヘッドボディの重心を提供するように成形される場合がある。そのような構成は、ホーゼルからゴルフクラブヘッドボディの重心までの距離を増す。重心がよりホーゼルから離れているため、ゴルファーは、ゴルフクラブヘッドボディをそれほど速く、または容易に回転させることができない場合がある(たとえば、開いたクラブフェース位置から閉じたクラブフェース位置まで)。したがって、ゴルフショットの安定性が増す場合がある。したがって、そのような構成は、ゴルフボールに「フェード」弾道を付与することにおいてゴルファーを支援することができる。たとえば、「フェード」とは、右利きのゴルファーの場合、ゴルフボールが「左から右」の弾道を示すゴルフショットである。「フェード」の場合のボールの飛びは、バックスピンがより多く、したがって、ボールは、ひとたび着地すると、あまり転がらない傾向にある。また、「フェード」は、より高いボールの飛びを示す傾向にある。「フェード」のこれらの局面(すなわち、より多いバックスピン、より少ないロールおよびより高いボールの飛び)は、ボールの転がりを止める傾向にある。したがって、ゴルフクラブヘッドボディの重心をトウの近くに提供することは、ボールがグリーンに着地したとき、ボールの転がりを止めることにおいてゴルファーを支援することができ、それが、「ショート」アイアンにおいて特に役立つ場合がある。
【0023】
本開示のいくつかの他の局面にしたがって、「ミドル」アイアンタイプゴルフクラブ(すなわち、相対的に中間的なロフト度を有するアイアン、たとえば5番アイアン)における多脚ブリッジ部材は、概してクラブヘッドボディの中心に近いゴルフクラブヘッドボディの重心を提供するように成形される場合がある。そのような構成は、ホーゼルからゴルフクラブヘッドボディの重心までの相対的に中間的な距離を作り出すことができる。重心がホーゼルから相対的に中間的な距離にある(たとえば、ゴルフクラブヘッドボディの中心に近い)ため、「ミドル」アイアンは、上記「ロング」および「ショート」アイアンそれぞれからのいくらかの特性(たとえば、より遠くまでの距離およびより良好なボールコントロール)を有し得るが、同じ程度には有しない場合もある。
【0024】
本開示のさらなる局面は、たとえば上記タイプのゴルフクラブヘッドを含むアイアンタイプゴルフクラブ構造に関する。このようなアイアンタイプゴルフクラブ構造はさらに、クラブヘッドに取り付けられた(場合によっては、別個のホーゼル部材またはクラブヘッドおよび/またはシャフトの一つまたは複数の一部として提供されたホーゼル部材を介して)シャフト部材、シャフト部材に取り付けられたグリップまたはハンドル部材、さらなるウェイト部材、メダル、振動減衰構造などの一つまたは複数を含む場合がある。
【0025】
本開示のなおさらなる局面は、本開示の例のアイアンタイプゴルフクラブヘッドおよびアイアンタイプゴルフクラブ構造を製造する方法に関する。このような方法は、たとえば、以下の工程、すなわち(a)上記様々なタイプのゴルフクラブヘッドボディ(上記様々な構造、特徴および/または配設のいずれかまたはすべてを含む)を、たとえば製造または他のやり方で構築すること、ゴルフクラブヘッドボディを第三者供給源から得ることなどによって提供する工程、(b)シャフト部材をゴルフクラブヘッドボディと係合させる工程、および(c)グリップ部材をシャフト部材と係合させる工程の一つまたは複数を任意の所望の順序および/または組み合わせで含む場合がある。
【0026】
本開示のさらに他の局面は、ウッドタイプゴルフクラブヘッドボディを有するゴルフクラブヘッドに関する。ゴルフクラブヘッドはまた、ウッドタイプゴルフクラブヘッドボディのソール部分に形成されたインジケータを含む場合がある。少なくともいくつかの例において、インジケータは、ゴルフクラブヘッドがその設計ライ角およびボールアドレスの向きに向けられたときにゴルフクラブヘッドの重心から垂直に下方に配置され、重心位置の視覚的指示を提供するハブを含む場合がある。いくつかの様相において、インジケータはさらに、ハブからゴルフクラブヘッドボディの周囲に向けて外方に延びる複数の脚部を含み得る。少なくともいくつかの例において、脚部は、ハブからゴルフクラブヘッドの周囲まで延びるにつれて先細りし得る。本開示のいくつかの様相において、ゴルフクラブヘッドの重心を移動または調節するために、インジケータまたはその部分は、ゴルフクラブヘッドの残り部分を構成する材料(またはゴルフクラブヘッドの大部分を構成する材料)よりも重いまたは高密度である材料で形成され得る。
【0027】
本開示のさらなる局面は、少なくともソール部分、トップ部分、トウ縁、ヒール縁、打球部分および後縁を含むウッドタイプゴルフクラブヘッドボディを含み得る、ゴルフクラブヘッドに関する。ゴルフクラブヘッドはさらに、ゴルフクラブヘッドの重心を指示しウッドタイプゴルフクラブヘッドボディ中に形成されたインジケータを含む場合がある。いくつかの例において、インジケータは、概してクラブヘッドの重心と整合しているハブおよびハブからゴルフの周囲に向けて外方に延びる複数の脚部を含む場合がある。いくつかの様相において、インジケータは、クラブヘッドボディのソール部分に形成される場合がある。
【0028】
本開示のさらに他の局面は、少なくともヒール縁、トウ縁および打球フェースを含むウッドタイプゴルフクラブヘッドボディを含むゴルフクラブヘッドに関する。少なくともいくつかの例において、ゴルフクラブヘッドは、クラブヘッドボディに接続され、ゴルフクラブヘッドの重心の視覚的指示を提供するインジケータを含む、ソールプレートを含む場合があり、インジケータは、ゴルフクラブヘッドがその設計ライ角およびボールアドレスの向きに向けられたとき重心と垂直に概して整合するハブ部分を含む。いくつかの様相において、ソールプレートは、重心の一般的区域を指示する複数の凹みを含む場合がある。さらに他の例において、ソールプレートインジケータは、ゴルフクラブヘッドの重心と概して整合しているハブを含む場合がある。
【0029】
上記で提供された本開示の様々な実例としての局面の概説を提供したところで、以下、本開示のゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッド構造の様々な具体例のより詳細な説明を提供する。
【0030】
II. 本開示の実例としてのゴルフクラブヘッド、ゴルフクラブ構造および方法の詳細な説明
以下の詳細な説明および添付図面が本開示の様々な実例としてのゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッド構造を説明する。同じ参照番号が一つより多い図面に見られる場合、その参照番号は、本明細書および図面において同じまたは類似パーツを指すために全体に亘り一貫して使用される。
【0031】
以下、
図1〜4Bに示す実例としてのゴルフクラブ構造に関して本開示のアイアンタイプゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブ構造のより具体的な例および特徴を詳細に説明する。
【0032】
図1は概して、本開示のアイアンタイプゴルフクラブ100およびゴルフクラブヘッドボディ102の例を示す。この例のゴルフクラブ構造100全体は、ゴルフクラブヘッドボディ102に加えて、ホーゼル領域104、ホーゼル領域104に受けられる、および/または挿入されるシャフト部材106およびシャフト部材106に取り付けられるグリップまたはハンドル部材(図示せず)を含む。場合によっては、必要に応じて、外部ホーゼル領域104が除かれる場合があり、シャフト部材106はヘッド部材102に直接挿入される、および/または他のやり方で取り付けられてもよい(たとえば、クラブヘッドボディ102のトップに提供された開口に通して、内部ホーゼル部材(たとえば、クラブヘッドボディ102によって画定された内部チャンバ内に提供された)に通して、など)。ホーゼル部材104は、クラブヘッド構造102の一部として一体に形成されてもよく、または別個に形成され、それと係合してもよい(たとえば、接着剤またはセメントによって、溶接、ろう付け、はんだ付けまたは他の融着技術によって、機械的コネクタなどによって)。本開示を逸脱することなく、従来のホーゼルおよびアイアンタイプクラブヘッド構造へのその組み込みが使用される場合がある。
【0033】
本開示を逸脱することなく、シャフト部材106は、当技術分野において公知であり、かつ使用されている従来のやり方を含む任意の適切なまたは所望のやり方でクラブヘッドボディ102に受けられる、それと係合する、および/またはそれに取り付けられる場合がある。より具体的な例として、シャフト部材106は、ホーゼル部材104を介して、および/またはクラブヘッド構造102に直接、たとえば接着剤、セメント、溶接、はんだ付け、機械的コネクタ(たとえばねじ、保定要素など)などによって、クラブヘッドボディ102中にまたはクラブヘッドボディ102を通って延びるシャフト受けスリーブまたは要素を介してなど、クラブヘッド構造102と係合し得る。必要に応じて、シャフト106は、ヘッド上で一つのシャフトと別のシャフトとの容易な交換を可能にするために、機械的コネクタを使用して解放可能なやり方でヘッド102に接続される場合がある。
【0034】
シャフト部材106はまた、当技術分野において公知であり、かつ使用されている従来の材料を含む任意の適切なまたは所望の材料、たとえばグラファイト系材料、複合材料または他の非金属材料、鋼材料(ステンレス鋼を含む)、アルミニウム材料、他の金属合金材料、ポリマー材料、種々の材料の組み合わせなどから作られてもよい。また、グリップまたはハンドル部材(図示せず)は、当技術分野において公知であり、かつ使用されている従来のやり方を含む任意の適切なまたは所望のやり方で、たとえば、接着剤またはセメントを使用して、溶接、はんだ付け、ろう付けなどによって、機械的コネクタ(たとえばねじ、保定要素など)を介してなど、シャフト部材106に取り付けられる、それと係合する、および/またはそれから延びる場合がある。別の例として、必要に応じて、グリップまたはハンドル部材(図示せず)は、シャフト部材106と一体のワンピース構造として一体に形成されてもよい。さらには、本開示を逸脱することなく、任意の所望のグリップまたはハンドル部材材料、たとえばゴム材料、皮革材料、中に埋め込まれたコードまたは他の布材料を含むゴムまたは他の材料、ポリマー材料などが使用されてもよい。
【0035】
本開示を逸脱することなく、クラブヘッドボディ102そのものもまた、任意の適切なまたは所望のやり方で、および/または、任意の適切なまたは所望の材料から、たとえば当技術分野において公知であり、かつ使用されている従来の材料から、および/または従来のやり方で構築される場合がある。たとえば、
図1に示す実例としての構造において、クラブヘッドボディ102は、打球フェース部材102a(打球フェース部材102aと一体に形成された打球フェースプレート102bまたはフレーム部材に取り付けられて、フレーム部材と共に打球フェース部材102a全体を構成する打球フェースプレート102bを含む)を含む。この図示される例のクラブヘッドボディ102はさらに、トップまたはクラウン部分102cおよびソール部分102dを含む。クラブヘッドボディ102および/またはその様々なパーツは、鍛造、鋳造、成形によって、および/または当技術分野において一般的であり、かつ公知である技術およびプロセスを含む他の技術およびプロセスを使用して作られる場合がある。
【0036】
本開示を逸脱することなく、多種多様な全体的クラブヘッド構造が可能である。たとえば、必要に応じて、上記クラブヘッドボディ102の様々な個々のパーツのいくつかまたはすべては、一緒に接続される(たとえば、接着剤またはセメントによって、溶接、はんだ付け、ろう付けまたは他の融着技術によって、機械的コネクタなどによって)多数の部片から作られてもよい。様々なパーツ(たとえばトップ部分102c、ソール部分102dなど)は、当技術分野において従来から公知であり、かつ使用されている材料、たとえば軽金属材料を含む金属材料、複合材料、ポリマー材料などを含む任意の所望の材料および様々な材料の組み合わせから作られてもよい。
【0037】
本開示を逸脱することなく、本開示の例のゴルフクラブヘッド構造102の寸法および/または他の特性は有意に異なる場合がある。たとえば、任意のアイアンタイプクラブヘッド、たとえばアイアンタイプハイブリッドクラブ、ドライビングアイアン、0〜10番アイアン、ウェッジ(たとえばピッチングウェッジ、ロブウェッジ、ギャップウェッジ、サンドウェッジなど)、チッピングクラブなどが提供され得る。
【0038】
図2A〜Fは、本開示の例のゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッドボディに含まれ得る実例としての特徴および構造を示す。
図2A〜Cに見られるように、ゴルフクラブヘッドボディ102は周囲重量配分部材202を含み得る。
図2E〜Fに示すように、周囲重量配分部材202は、打球フェース102aから後方に、ゴルフクラブヘッドボディ102の周辺区域の少なくとも一部分に沿って延びる場合がある。
【0039】
さらに、本開示の局面にしたがって、ゴルフクラブヘッドボディ102は、ゴルフクラブヘッドボディの重心(参照番号205でシンボル的に指定)を指示する多脚ブリッジ部材204を含む場合がある。本開示のいくつかの局面にしたがって、
図2A〜Cに見られるように、多脚ブリッジ部材204は、ゴルフクラブヘッドボディ102の周囲重量配分部材202の一部分である場合か、または周囲重量配分部材202に取り付けられる別個の要素(たとえば、周囲重量配分部材と同じまたは異なる材料でできている)である場合のいずれかである。たとえば、多脚ブリッジ部材204が周囲重量配分部材202の一部分である第一の場合には、ゴルフクラブヘッドボディ102の製造中、多脚ブリッジ部材204を含むゴルフクラブヘッドボディは成形されることができる(たとえば型の中で)。多脚ブリッジ部材204がゴルフクラブヘッドボディ102に取り付けられる別個の要素である第二の場合には、ゴルフクラブヘッドボディ102の製造中または製造後(たとえばクラブフィッティング中)、多脚ブリッジ部材204はクラブヘッドボディ102に選択的に取り付けられることができる。たとえば、多脚ブリッジ部材204は、接着剤、セメント、溶接、はんだ付け、機械的コネクタ(たとえばねじ、保定要素、スナップ嵌めなど)などを含む多様な方法でクラブヘッドボディに取り付けられることもできる。必要に応じて、多脚ブリッジ部材204は、多脚ブリッジ部材204と別の多脚ブリッジ部材との容易な交換を可能にするために、機械的コネクタを使用して解放可能なやり方でクラブヘッドボディ102に取り付けられる場合がある。このような態様においては、工具を使用して、交換可能な多脚ブリッジ部材204をクラブヘッドボディ102に取り付けたり、および/またはそれから解放したりする場合があることが留意される。いずれの場合でも、多脚ブリッジ部材204のこのような構造は、少なくとも、周囲重量配分部材202の上部、下部または側部に沿って配置される場合があり、周囲重量配分部材202の上部、下部または側部の少なくとも一つの実質的部分を形成する場合がある。
【0040】
図示される態様において、多脚ブリッジ部材204は、クラブヘッドボディ102の後部分中、キャビティ206の上に延びている。さらに、図示される態様に見られるように、多脚ブリッジ部材204は「星」形を有し、その「星」の「中心」(すなわち、本明細書においては「ハブ」とも呼ぶ、「星」の脚部が集まる点)から六つの脚部が周囲重量配分部材202まで展開している。したがって、図示するように、多脚ブリッジ部材204は、周囲重量配分部材202と六つの接点を有し、さらに、周囲重量配分部材202の上部、下部および側部それぞれと接する。したがって、見てとれるように、多脚ブリッジ部材204は、ゴルフクラブヘッドボディ102のヒールからトウまで、またクラウン部分からソール部分まで延びている。「星」の「中心」(すなわち、脚部が集まる点)はゴルフクラブヘッドボディの重心205の上に配置されている。さらには、本開示の少なくともいくつかの局面にしたがって、脚部が周囲重量配分部材202から「星」の「中心」に向かって延びるにつれ、脚部は、ゴルフクラブヘッドボディ102のフェースから離れるように延びる。このようにして、「星」の「中心」は多脚ブリッジ部材204の頂点を画定する。したがって、そのような態様においては、頂点が少なくとも一般にゴルフクラブヘッドボディの重心205の位置を識別する。
【0041】
本開示のいくつかの局面にしたがって、「星」の「中心」または「星」の頂点はゴルフクラブヘッドボディの重心205の正確な位置を指示する。これは、ゴルファーが、セット中の各ゴルフクラブボディの重心位置を実際に見ることを可能にする(たとえば練習中)。したがって、ゴルファーは、ゴルフクラブを使用するとき(たとえばラウンド中)、セット中の各ゴルフクラブボディの重心が正しい(すなわち、正しい位置にある)ことを知る。
【0042】
本開示のいくつかの局面にしたがって、各ゴルフクラブヘッドボディが異なる重心位置を有するゴルフクラブのセットにおいて、セット中の各ゴルフクラブヘッドボディ102の多脚ブリッジ部材204は、セット中の各特定のゴルフクラブヘッドボディの異なる重心位置を反映するために、異なるもの(たとえば異なるように成形された要素)である場合がある。たとえば、
図2A〜Cは、そのようなゴルフクラブのセットのゴルフクラブヘッドボディを示す。
図2Aは、「ロング」アイアン(たとえば3番アイアン)のゴルフクラブヘッドボディ102の実例としての態様であり、
図2Bは、「ミドル」アイアン(たとえば5番アイアン)のゴルフクラブヘッドボディ102の実例としての態様であり、そして
図2Cは、「ショート」アイアン(たとえば9番アイアン)のゴルフクラブヘッドボディ102の実例としての態様である。
図2A、2Bおよび2Cを比較することによって見てとれるように、異なるゴルフクラブヘッドボディはそれぞれが異なる重心位置205を有し、さらに、多脚ブリッジ部材204は、異なるゴルフクラブヘッドボディそれぞれの重心205の異なる位置を反映するように成形されている。
図2Dは、本開示の実例としての態様のゴルフクラブのセットにおける多脚ブリッジ部材204の「中心」または頂点の位置の全体的な漸変を概略的に示す。
図2Dに示す概略的描画は、原寸に比例せず、その代わり単に、本開示の一つの態様の場合の重心位置の一般的な漸変の感じを読者に与えるために使用されていることに留意されたい。
図2Dに見られるように、漸変は、2番アイアン(クラブヘッドボディのセットに対して低いロフト度を有するクラブヘッドボディの一つ)として開始し、このとき重心205は概してクラブヘッドボディ102の下寄りヒール端の近くに位置している。漸変は、下寄りヒールからクラブヘッドボディ102の上寄りトウに向かって継続し、最後に、漸変は、ピッチングウェッジ(クラブヘッドボディのセットに対して高いロフト度を有するクラブヘッドボディの一つ)として終了し、このとき重心205は概してクラブヘッドボディ102の上寄りトウ端の近くに位置している。このようにして、各ゴルフクラブヘッドボディの多脚ブリッジ部材204は、ゴルフクラブのセット中の各特定のゴルフクラブヘッドボディ102の異なる重心を反映する。当然、これは、本開示のゴルフクラブのセットの単に一つの実例としての態様であり、本開示のゴルフクラブの他のセットは、他のクラブ、たとえばサンドウェッジ、ロブウェッジ、ハイブリッドアイアンなどを含む場合があることに留意されたい。さらには、本開示を逸脱することなく、重心の他の所望の漸変または配設が提供される場合があることに留意されたい。
【0043】
本開示のいくつかの局面にしたがって、多脚ブリッジ部材204の形状は、クラブヘッドボディ102の重心位置を単に指示することに加え、クラブヘッドボディ102の重心を変える(たとえば移動させる)ために使用することもできる。たとえば、多脚ブリッジ部材の重量配分特性(重量、密度など)により、多脚ブリッジ部材204の形状がゴルフクラブヘッドボディ102の重量を再配分し(多脚ブリッジ部材204なしのゴルフクラブヘッドボディに比較して)、それにより、クラブヘッドボディの重心205を移動させる。したがって、多脚ブリッジ部材204は、クラブヘッドの重心205の特徴を制御するように選択的に成形され、必要ならば、クラブヘッドボディ102に選択的に取り付けられることができる。
【0044】
たとえば、多脚ブリッジ部材204の形状に依存して、クラブヘッドボディの重心位置は垂直方向および水平方向の両方向に調節され得る。たとえば、多脚ブリッジ部材204が含まれるクラブヘッドボディ102に対して、多脚ブリッジ部材204は、「星」の「中心」がよりゴルフクラブヘッドボディ102のヒール、トウ、クラウン部分、ソール部分などに近くなるように成形されることもできる。さらには、多脚ブリッジ部材204の様々な部分を変化させてクラブヘッドボディ102の重心に影響することもできる。たとえば、脚部は、所望の重心配置を達成するために、長さが異なる(たとえば、「星」の「中心」に対してトウ側の脚部が「星」の「中心」に対してヒール側の脚部よりも長い)、幅を広められる、または狭められる、より厚くまたはより薄くされる、異なるように先細りする(すなわち、一端が相対的に幅広であり、他端が比較的狭い)、対称または非対称である(たとえば「星」の「中心」に対して)ことなどができる。代替的または追加的に、「星」の「中心」は、直径をより大きくまたはより小さくする、より厚くまたはより薄くすることなどができる。
【0045】
さらには、本開示のいくつかの局面にしたがって、多脚ブリッジ部材204は、周囲重量配分部材202(または周囲重量配分部材202の少なくともいくつかの部分)またはクラブヘッドボディ102の他の部分とは異なる重量、異なる密度、異なる重量配分および/または異なる他の重量配分特性を有してもよい。たとえば、多脚ブリッジ部材204は、ゴルフクラブヘッドの他のパーツに比較して重くされてもよい(たとえば、ゴルフクラブヘッドボディ102の他のパーツとは異なる材料で多脚ブリッジ部材204を形成することにより、または、計量された質量、たとえば鉛またはタングステン含有材料などを多脚ブリッジ部材204に含めることにより)。さらには、多脚ブリッジ部材204の様々な区分または部分(たとえば、一つまたは複数の脚部、同じ脚部の異なる部分、「星」の「中心」など)が、互いに、および/または周囲重量配分部材202(または周囲重量配分部材202の少なくともいくつかの部分)またはクラブヘッドボディ102の他の部分とは、異なる重量、異なる密度、異なる重量配分および/または異なる他の重量配分特性を有する(たとえば、上記のようなやり方でより重くまたはより軽くされる)場合がある。いくつかの様相において、より高い慣性モーメントを提供するために、クラブヘッドに関連する重量の移動、すなわち、多脚ブリッジ部材および/または周囲重量配分部材の使用が、重心をクラブのフェースから離す場合がある。これは、クラブヘッドをより容易に「返す」または閉じることを可能にする場合がある。
【0046】
それにもかかわらず、本開示のいくつかの他の局面にしたがって、多脚ブリッジ部材204は、周囲重量配分部材202またはクラブヘッドボディ102の他の部分と同じ重量配分特性(重量、密度など)を有してもよい。さらには、周囲重量配分部材202の様々な区分または部分がまた、周囲重量配分部材202の他の区分または部分とは、異なる重量、異なる密度、異なる重量配分および/または異なる他の重量配分特性を有してもよいことに留意されたい。たとえば、周囲重量配分部材202のクラウン部分は周囲重量配分部材202のソール部分よりも低密度であってもよい。多脚ブリッジ部材204(またはその部分)が周囲重量配分部材202(または、少なくとも、周囲重量配分部材202の部分)またはクラブヘッドボディ102の他の部分と、同じ重量、密度、重量配分および/または他の重量配分特性を有するのか、あるいは異なる重量、密度、重量配分および/または他の重量配分特性を有するのかにかかわらず、多脚ブリッジ部材204はなお、クラブヘッドの重心205の特徴を制御するように選択的に成形されることができる。
【0047】
たとえば、上述したように、
図2A〜Cは、異なるように成形されたいくつかの多脚ブリッジ部材204を含む、クラブヘッドの重心205の異なる位置を示す。
図2Aに示す様相において、多脚ブリッジ部材204の形状は、「星」の「中心」がクラブヘッドボディの下寄りヒール領域中にあり、したがって、その下寄りヒール領域中で脚部が「星」の「中心」に向かって集まるような形状である。したがって、図示される態様における多脚ブリッジ部材204の形状は、多脚ブリッジ部材204の質量および重量をヒールの近くに集中させる。したがって、この様相の重心205は、よりクラブヘッドボディのヒールに近い(たとえば、トウよりもヒールに近い)。対照的に、
図2Cに示すように、多脚ブリッジ部材204の形状は、「星」の「中心」がクラブヘッドボディの上寄りトウ領域中にあり、したがって、その上寄りトウ領域中で脚部が「星」の「中心」に向かって集まるような形状である。したがって、図示される態様における多脚ブリッジ部材204の形状は、多脚ブリッジ部材204の質量および重量をトウの近くに集中させる。したがって、この様相の重心は、よりクラブヘッドボディ102のトウに近い(たとえば、ヒールよりもトウに近い)。
【0048】
クラブヘッドボディの重心205のこれらの様々な位置が、ゴルフクラブによって打たれたゴルフボールの弾道およびボールの飛びに影響することができる。したがって、多脚ブリッジ部材204(たとえば重量配分された多脚ブリッジ部材)を選択的に成形することが、所望の特性を有するゴルフクラブのセットを作り出すことができることが理解されよう。たとえば、
図2Aの多脚ブリッジ部材の形状は、ホーゼルから重心までの距離を減らす。したがって、そのようなゴルフクラブのセットの「ロング」アイアンは、重心がホーゼルに近いクラブヘッドボディを有する。したがって、上述したように、そのような「ロング」アイアンは、ゴルフボールに「ドロー」弾道を付与することにおいてゴルファーを支援することができ、したがって、「ドロー」ショットの特性(すなわち、より少ないバックスピン、より遠くまでのロールおよびより低いボールの飛び)を提供し、それが、ゴルファーによって打たれたときゴルフボールが移動する距離を増す傾向を示す。逆に、
図2Cの多脚ブリッジ部材の形状は、ホーゼルから重心205までの距離を増す。したがって、そのようなゴルフクラブのセットの「ショート」アイアンは、重心205がトウに近いクラブヘッドボディを有する。したがって、上述したように、そのような「ショート」アイアンは、ゴルフボールに「フェード」弾道を付与することにおいてゴルファーを支援することができ、したがって、「フェード」ショットの特性(すなわち、より多いバックスピン、より少ないロールおよびより高いボールの飛び)を提供し、それが、高められたボールコントロールを提供する(たとえば、グリーン上でボールを止める)傾向を示す。追加的または代替的に、クラブの後付近に(すなわちフェースから離して)配置された重心は、より高い、またはより浮き上がるショット、および/またはより右から左への弾道を有するショットを提供することを支援する場合がある。
【0049】
上述したように、本開示のゴルフクラブヘッドの重量配分特徴は、クラブヘッドの重心の水平位置(ゴルフクラブがボールアドレスの位置で向けられる水平位置)を制御することに限定されない。それどころか、必要に応じて、本開示のゴルフクラブヘッド構造の少なくともいくつかの例においては、垂直方向の重心もまた同様に選択的に制御され得る。クラブヘッドのクラウン区域における重量を増すと(たとえば、より多くの重量を、よりクラウン部分に近い多脚ブリッジ部材204の脚部に提供することによって)、ゴルフクラブヘッドにおいてより高い重心が生じ、それが、たとえば強風条件におけるプレーの場合、より風を切り裂く(boring)ようなボール弾道を提供して、より「ランニング」なショットを提供したり、および/または一般に過度に高く上がる飛びを生じさせるスイング欠点を補正することに役立ったりすることができる。逆に、クラブヘッドのソール区域における重量を増すと(たとえば、より多くの重量を、よりソール部分に近い多脚ブリッジ部材204の脚部に提供することによって)、ゴルフクラブヘッドにおいてより低い重心が生じ、それが、より浮き上がるゴルフボール弾道を提供して、それが、ゴルファーがボールを空中に浮かせることに役立つことができる。
【0050】
本開示のいくつかの局面にしたがって、多脚ブリッジ部材204は、ゴルフクラブヘッドボディ102のフェースから離れて延びるように成形されることができる。たとえば、
図2Eに示すように、多脚ブリッジ部材204は、ゴルフクラブヘッドボディ102のフェースから離れるように、ゴルフクラブヘッドボディ102のヒール、トウ、ソール部分およびクラウン部分から延びる場合がある。
図2Fは、多脚ブリッジ部材204が、ゴルフクラブヘッドボディ102のフェースから離れるように周囲重量配分部材202から(すなわち、図示される態様においてはゴルフクラブヘッドボディ102のヒール、トウ、ソール部分およびクラウン部分から)延び、ゴルフクラブヘッドボディ102のフェースの後面に接しない、そのような態様の断面図を示す。多脚ブリッジ部材204を、ゴルフクラブヘッドボディ102のフェースから離れて延びるように成形することにより、ゴルフクラブヘッドボディ102の重心を移動させてゴルフクラブヘッドボディ102のフェースから離すことができる。したがって、クラブヘッドボディ102の重心を中心とする慣性モーメント(MOI)が増す。そのような増大したMOIは、たとえば、ミスヒットに応答してゴルフクラブヘッドボディがねじれる量を減らすことにより、「ミスヒット」(すなわち、ゴルフボールがクラブヘッドボディ102の中心の外で打たれるショット)に対してより多くの「寛容さ」を提供することができる。多脚ブリッジ部材204を、ゴルフクラブヘッドボディ102のフェースから離して延ばし、それによって、より多くの質量、ひいてはクラブヘッドボディ102の重心を移動させてフェースから離すように成形する別の利点は、そのような構成がより高いボールの飛びを生じさせることができることである。
【0051】
上述したように、多脚ブリッジ部材204をゴルフクラブヘッドボディ102のフェースから離して配置するそのような態様において、多脚ブリッジ部材204は、クラブヘッド205の重心よりも上の空間中の点に配置された「星」の「中心」または「星」の頂点によって重心を指示する。したがって、
図2A〜Cに見られるような角度からまっすぐに見ると、多脚ブリッジ部材204は重心205を指示する。当然、本開示のいくつかの他の局面にしたがって、多脚ブリッジ部材204は、頂点を作り出すことなくキャビティ206をまっすぐ横切って延びるように成形されることもできるし、またはクラブヘッドボディ102の後面に向かう方向に傾けられることさえもできる。
【0052】
したがって、多脚ブリッジ部材204を選択的に成形することがゴルフクラブヘッドの重心に影響するということが理解されよう。このようにして、多脚ブリッジ部材204が特定のやり方で成形されると、多脚ブリッジ部材204は、ゴルフクラブヘッドボディ102の重量配分を変化させて、クラブヘッドボディの重心205を所望の位置に移動させる。さらには、本開示の局面にしたがって、多脚ブリッジ部材204は、ゴルフクラブヘッドボディの正確な重心位置を指示すること、また、必要に応じて、クラブヘッドボディの重心205を所望の位置に移動させるために、選択的に成形され、必要ならば、クラブヘッドボディ102に選択的に取り付けられて、ゴルフクラブヘッドボディ102の重量を移動させることのいずれもができるということが理解されよう。
【0053】
さらに、
図2Dに概略的に示される態様は、本開示の一つの態様のゴルフクラブのセットの過程にわたる重心位置の一つの漸変を示すが、これは、本開示の範囲内で他の漸変または変化が考えられないことを示唆するものではないことが留意される。事実、本開示を逸脱することなく、他の所望の漸変または配設が提供される場合がある。たとえば、特定のゴルファーのスイングまたは傾向により良く適合するために、クラブフィッティング中、様々な多脚ブリッジ部材204が異なるやり方で(たとえば、「ロング」アイアンにおけるトウから「ショート」アイアンにおけるヒールまで)クラブヘッドボディ102に選択的に取り付けられることもできる。たとえば、クラブフィッティング中、特定のゴルファーのスイング、傾向、特性などを分析するために、クラブフィッタは、スイングおよび/またはスイングの間中のゴルファーの体のいずれかを肉眼で観察、スイングおよび/またはスイングの間中のゴルファーの体を録画および再生(たとえばスローモーションまたはリアルタイム)、スイングの特定の局面の計測、たとえばスイングの間中(たとえば、テイクバック時、ダウンスイング中、インパクト時、フォロースルー中など)のクラブヘッドおよび/またはシャフトの角度、スイングの間中のクラブヘッドの速度または加速度など、スイングのコンピュータ解析、たとえば上述の計測および録画のコンピュータ解析などをはじめとする、多様な技術も使用することができる。クラブフィッタは、特定のゴルファーのスイングまたは傾向を分析すると(たとえば上記やり方で)、ゴルファーのスイングの少なくとも一つの特徴の分析に基づいて、特定のゴルファーが所望の結果を達成することをより良く支援するようなやり方で、多脚ブリッジ部材204をクラブヘッドボディ102に選択的に取り付けることもできる。場合によっては、クラブヘッドボディは、上記のような交換可能である多脚ブリッジ部材204を含み得る。したがって、クラブフィッタは、特定のゴルファーが所望の結果を達成することをより良く支援するために、既存の交換可能な多脚ブリッジ部材204を他の交換可能な多脚ブリッジ部材204と交換してもよい。たとえば、ゴルファーが「スライス」させる傾向を有するならば、クラブフィッタは、より多くの質量をヒールに提供する交換可能な多脚ブリッジ部材204を使用し得る。逆に、ゴルファーがゴルフボールを「フック」させる傾向を有するならば、クラブフィッタは、より多くの質量をトウに提供する交換可能な多脚ブリッジ部材204を使用し得る。
【0054】
当然、多脚ブリッジ部材は「星」のような形を有する必要はなく、代わりに、多脚ブリッジ部材の他の態様を使用することもできる。事実、本開示の真意を逸脱することなく、多脚ブリッジ部材は多種多様な形態をとり得る。たとえば、本開示のいくつかの局面にしたがって、「星」形の代わりに、「クモ」または「風車」形の多脚ブリッジ部材を使用することもできる。
【0055】
図3A〜Cは、本開示のゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッドボディに含まれ得るそのような実例としての構造を示す。
図3A〜Cに見られるように、各ゴルフクラブヘッドボディ102は、周囲重量配分部材302(上記の周囲重量配分部材に類似)および多脚ブリッジ部材インジケータ304を含む。
図3A〜Cに示す態様は、上記態様に類似しており、したがって、簡潔さのために、ここでは繰り返さない。しかし、多脚ブリッジ部材インジケータ304の脚部の少なくとも一つが、「クモの脚」または「風車の羽根」に似るカーブした形状を示すということに留意されたい。本開示のいくつかの局面にしたがって、脚部のカーブは、多脚ブリッジ部材304全体を通して均一であってもよく、あるいは、脚部のいくつかまたはすべてが異なる程度のカーブを有することもできる。
【0056】
さらに、前記態様に関して上述したように、本開示のいくつかの局面にしたがって、各ゴルフクラブヘッドボディが異なる重心位置を有するゴルフクラブのセットにおいて、各ゴルフクラブヘッドボディ102の多脚ブリッジ部材304は、セット中の各特定のゴルフクラブヘッドボディの異なる重心位置を反映するために、異なる(たとえば異なるように成形された要素)場合がある。
図3A〜Cは、そのようなゴルフクラブのセットのゴルフクラブヘッドボディを示す。
図3Aは、「ロング」アイアン(たとえば3番アイアン)のゴルフクラブヘッドボディ102の実例としての態様であり、
図3Bは、「ミドル」アイアン(たとえば5番アイアン)のゴルフクラブヘッドボディ102の実例としての態様であり、
図3Cは、「ショート」アイアン(たとえば9番アイアン)のゴルフクラブヘッドボディ102の実例としての態様である。
図3A、3Bおよび3Cを比較することによって見てとることができるように、異なるゴルフクラブヘッドボディはそれぞれが異なる重心305を有し、さらに、多脚ブリッジ部材304は、異なるゴルフクラブヘッドボディそれぞれの重心305を反映するように成形されている。
【0057】
図3A、3Bおよび3Cを比較することによって明らかなように、図示される態様にしたがって、クラブヘッドボディ102の重心位置305の漸変は、「ロング」アイアンにおける下寄りヒールから「ショート」アイアンにおける上寄りトウまで概して連続的に移動する。このようにして、各ゴルフクラブヘッドボディ102の多脚ブリッジ部材304の「クモ」/「風車」形の頂点または「中心」が、各特定のゴルフクラブヘッドボディ102の異なる重心を反映する。しかし、前記態様に関して上述したように、これは、本開示の単に一つの態様であり、本開示を逸脱することなく、多脚ブリッジ部材304の他の所望の漸変が提供される場合がある(たとえば、多脚ブリッジ部材304は反対方向に(すなわち、「ロング」アイアンにおけるトウ端から「ショート」アイアンにおけるヒール端まで)移動することもできる)。したがって、本開示を逸脱することなく、多脚ブリッジ部材304は、ゴルフクラブのセットのゴルフクラブヘッドボディの中または周囲に多様な異なるやり方、向きなどで配置または配設される場合があることが理解されよう。
【0058】
さらに、前記態様に関して上述したように、本開示のいくつかの局面にしたがって、多脚ブリッジ部材304の形状は、クラブヘッドボディ102の重心位置を単に指示することに加え、クラブヘッドボディ102の重心を変える(たとえば移動させる)ために使用することができる。たとえば、多脚ブリッジ部材304の重量配分特性(重量、密度など)により、多脚ブリッジ部材304の形状がゴルフクラブヘッドボディ102の重量を再配分し(多脚ブリッジ部材インジケータ304なしのゴルフクラブヘッドボディに比較して)、それによって、クラブヘッドボディの重心305を移動させる。したがって、多脚ブリッジ部材304は、クラブヘッドの重心305の特徴を制御するように選択的に成形されることができる。
【0059】
上記態様は、多脚ブリッジ部材が概して同じタイプ(たとえば「星形」、「クモ形」など)であるゴルフクラブのセットに関するが、これは、同じセット内では同じタイプの多脚ブリッジ部材を使用しなければならないことを示唆するものではない。換言するならば、セット全体を通して使用される多脚ブリッジ部材は、必ずしもタイプが均一である必要はない。事実、本開示のいくつかの局面にしたがって、同じセット内で様々なタイプの多脚ブリッジ部材が使用される。
【0060】
図4Aおよび4Bは、本開示のゴルフクラブのセットのゴルフクラブヘッドボディ102に含まれ得る多脚ブリッジ部材404のそのような実例としての構造を示す。
図4Aおよび4Bに示す態様は、大部分の点で上記態様に類似しており、したがって、簡潔さのために、ここでは繰り返さない。しかし、上記態様とは対照的に、この実例としての態様のゴルフクラブのセットにおいては、特定のクラブヘッドボディに関して多脚ブリッジ部材404がゴルフクラブヘッドボディ102と有する接点の数が異なる。
【0061】
たとえば、
図4Aは、「ロング」アイアン(たとえば3番アイアン)のゴルフクラブヘッドボディ102の実例としての態様であり、
図4Bは、「ショート」アイアン(たとえば9番アイアン)のゴルフクラブヘッドボディ102の実例としての態様である。
図4Aおよび4Bを比較することによって見てとることができるように、
図4Aのロングアイアンに示す多脚ブリッジ部材404は、ゴルフクラブヘッドボディ102と五つの接点を有するが、
図4Bのショートアイアンに示す多脚ブリッジ部材は、ゴルフクラブヘッドボディ102と六つの接点を有する。ゴルフクラブヘッドボディとの接点におけるこのような変更は、ユーザが様々なタイプのクラブを速やかに区別することを可能にする(たとえば、「ロング」アイアンは脚が五つ、対して「ショート」アイアンは脚が六つ)。さらには、本開示の局面にしたがって、クラブヘッドボディの様々なタイプではなく個々のクラブヘッドボディを区別するために同じ概念が使用される。換言するならば、個々のクラブヘッドボディそれぞれが、セット中の他のクラブヘッドボディとは異なる数の接点を有することもできる。同様に、クラブヘッドボディのタイプまたは個々のクラブヘッドボディの間の他の違いを使用することもできる。たとえば、「ロング」アイアンには「星」形の多脚ブリッジ部材204を使用し、「ショート」アイアンには「クモ」形の多脚ブリッジ部材304を使用することができる。
【0062】
さらには、前記実例としての態様に関して上述したように、本開示のいくつかの局面にしたがって、各ゴルフクラブヘッドボディが異なる重心位置を有するゴルフクラブのセットにおいて、各ゴルフクラブヘッドボディ102の多脚ブリッジ部材404は、セット中の各特定のゴルフクラブヘッドボディの異なる重心位置を反映するために、異なるもの(たとえば異なるように成形された要素)である場合がある。
図4Aおよび4Bを比較することによって見てとることができるように、異なるゴルフクラブヘッドボディ102はそれぞれが異なる重心405を有し、さらに、多脚ブリッジ部材404は、異なるゴルフクラブヘッドボディ102それぞれの重心405を反映するように配置されている。
図4Aおよび4Bを比較することによって見られるように、図示される態様にしたがって、クラブヘッドボディ102の重心405の漸変は、「ロング」アイアンにおける下寄りヒールから「ショート」アイアンにおける上寄りトウまで概して連続的に移動する。しかし、前記実例としての態様に関して上述したように、これは、本開示の単に一つの実例としての態様であり、本開示を逸脱することなく、多脚ブリッジ部材404の他の所望の漸変が提供されてもよい。したがって、本開示を逸脱することなく、多脚ブリッジ部材404は、ゴルフクラブのセットのゴルフクラブヘッドボディの中または周囲に、多様な異なるやり方、向きなどで配置または配設される場合があることが理解されよう。さらに、本開示の実例としての態様のゴルフクラブのセットにおいて、多脚ブリッジ部材404は、様々なタイプのクラブヘッドボディ102を区別することに加え、セット中の各特定のゴルフクラブヘッドボディの正確な重心位置も指示することが理解されよう。
【0063】
さらに、前記態様に関して上述したように、本開示のいくつかの局面にしたがって、多脚ブリッジ部材404の形状は、クラブヘッドボディ102の重心405の位置を単に指示することに加え、クラブヘッドボディ102の重心を変える(たとえば移動させる)ために使用することもできる。たとえば、多脚ブリッジ部材インジケータ404の重量配分特性(重量、密度など)により、多脚ブリッジ部材404の形状がゴルフクラブヘッドボディ102の重量を再配分し(多脚ブリッジ部材404なしのゴルフクラブヘッドボディに比較して)、それにより、クラブヘッドボディ102の重心405を移動させる。したがって、多脚ブリッジ部材インジケータ404は、クラブヘッドボディ102の重心405の特徴を制御するように選択的に成形されることができる。したがって、本開示の実例としての態様のゴルフクラブのセットにおいて、多脚ブリッジ部材404は、様々なタイプのクラブヘッドボディを区別し、かつセット中の各特定のゴルフクラブヘッドボディの正確な重心位置を指示することに加え、必要に応じて、クラブヘッドボディの重心405を所望の位置に移動させるために、ゴルフクラブヘッドボディ102の重量を移動させるように選択的に成形されることもできる。
【0064】
たとえば、アイアンタイプハイブリッドクラブ、ドライビングアイアン、0〜10番アイアン、ウェッジ(たとえば44〜68度のロフトを有するアイアンタイプクラブ、たとえばピッチングウェッジ、ロブウェッジ、サンドウェッジ、ギャップウェッジなど)、チッピングクラブなどを含む任意のタイプのアイアンタイプゴルフクラブヘッド構造が上記タイプの多脚ブリッジ部材(たとえば204、304、404など)を含む場合がある。必要に応じて、本開示の少なくともいくつかの例にしたがって、本開示の例のゴルフクラブおよび/またはゴルフクラブヘッドは、複数のアイアンを含むセット、たとえば、アイアンタイプハイブリッドクラブ、ドライビングアイアン、0〜10番アイアン、ピッチングウェッジ、ロブウェッジ、サンドウェッジ、ギャップウェッジおよび/またはチッピングクラブの二本またはそれ以上を有するセットとして販売または市場売買される場合がある。セット中に存在する場合、そのセット中のクラブの任意の所望の数が、本開示の多脚ブリッジ部材を有するクラブヘッドを有してもよい。いくつかのより具体的な例において、本開示のゴルフクラブのセットは少なくとも3〜9番アイアンおよびピッチングウェッジを含む場合があり、これらのアイアンの少なくとも二本(いくつかの例においては、これらのアイアンのすべて)が、本開示の例の多脚ブリッジ部材を有するクラブヘッドを有する。別の例として、本開示のゴルフクラブのセットは、少なくとも4〜9番アイアン(またはさらに5〜9番アイアンまたは6〜9番アイアン)およびピッチングウェッジならびに場合によってはサンドウェッジおよび/または一本または複数のアイアンタイプハイブリッドクラブを含み、これらのクラブの少なくとも二本(いくつかの例においては、これらのクラブのすべて)が、本開示の例の多脚ブリッジ部材を有するクラブヘッドを有する。
【0065】
本開示の例の多脚ブリッジ部材を含むアイアンタイプゴルフクラブヘッドは、
図1〜4に示すタイプの周囲重量配分および/またはキャビティバックタイプのクラブとの使用に限定されない。それどころか、必要に応じて、本開示を逸脱することなく、多脚ブリッジ部材は、ブレードタイプアイアンクラブまたは他のアイアンタイプゴルフクラブヘッド構造に提供される場合がある(たとえば類似した位置および/または配設において)。ブレードタイプクラブにおいて、多脚ブリッジ部材は、周囲ウェイト部材の部分を形成するのではなく、クラブ背面の上寄り後部分、クラブ背面の後部分の下寄り後部分、クラブソールなどの少なくとも一つに配置される場合がある。
【0066】
さらには、多脚ブリッジ部材インジケータは、ゴルフクラブヘッドボディの重心を指示するものとして上述されたが、多脚ブリッジ部材インジケータは、ゴルフクラブヘッドの他の特徴(たとえば「スイートスポット」など)を指示することもできることに留意されたい。
【0067】
最後に、上記で詳述した特定の多脚ブリッジ部材は、本開示にしたがって使用され得る多脚ブリッジ部材の単なる例であり、網羅的なリストを構成することを意図したものではないことに留意されたい。それどころか、これらの例は、単に、本開示のより良い理解を読者に提供することを意図したものである。
【0068】
たとえば、本開示のいくつかの局面にしたがって、多脚ブリッジ部材は、多脚ブリッジ部材の「中心」または頂点に開口を含む。「中心」または頂点における開口はクラブヘッドボディの重心を指示する。本開示のいくつかの局面にしたがって、後面(たとえばゴルフクラブヘッドボディ102のフェースの背面)が色を示して、ゴルファーが開口を通してその色によって重心をより容易に見ることに役立つ場合がある。たとえば、ゴルフクラブヘッドボディ102のフェースの背面は、派手な色(たとえば赤、黄色、オレンジなど)に塗装される場合がある。または、頂点または「中心」上の色付きの点を使用して、クラブヘッドボディの重心をより容易に指示することもできる。さらには、本開示の他の局面にしたがって、多脚ブリッジ部材は、単一ユニットではなく、いくつかの部片から形成されている場合がある。総じて、クラブヘッドボディのそれぞれの重心位置を指示するために多脚ブリッジ部材が形成されることができる方法は数多くあるが、多脚ブリッジ部材が特定のゴルフクラブヘッドボディの重心位置を反映する限り、それは本開示の範囲内であるとみなされることが理解されよう。
【0069】
本発明のさらなる実例としてのゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッド構造は、「ウッドタイプ」ゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッド、たとえばドライバおよびフェアウェイウッドならびに「ウッドタイプ」ユーティティまたはハイブリッドクラブなどに一般に使用されるクラブおよびクラブヘッドに関する場合がある。これらのクラブヘッド構造は、実際の「木」材をほとんどまたは全く有しない場合があるが、当技術分野においてはそれでも慣例的に「ウッド」と呼ばれる場合がある(たとえば「メタルウッド」、「フェアウェイウッド」など)。本明細書に記載されるウッドタイプゴルフクラブヘッドは、たとえば、ソール部材、フェース部材(場合によっては、その中に一体に形成された、またはそれに取り付けられた打球フェースを含む)、一つまたは複数のボディ部材(たとえば、周囲に延び、クラブヘッドボディを構成する材料)、クラウン部材、フェースプレート、フェースフレーム部材(それに打球フェースが取り付けられる場合がある)、アフトボディなどの一つまたは複数を含むマルチピース構成および構造を含む場合がある。当然、必要に応じて、本発明を逸脱することなく、クラブヘッド構造の様々な部分が一体型の1ピース構造として互いに一体に形成されてもよい(たとえば、ボディ部材がソールおよび/またはクラウン部材と一体に形成される場合があり、フェース部材がソール、ボディおよび/またはクラウン部材と一体に形成される場合がある、など)。場合によっては、必要に応じて、本発明を逸脱することなく、ウッドタイプゴルフクラブヘッド構造の様々な部分(たとえばソール部材、クラウン部材、フェース部材、ボディ部材など)が個々に多数の材料片から形成されてもよい(たとえばマルチピースクラウン、マルチピースソールなど)。また、他の代替として、必要に応じて、ウッドタイプゴルフクラブヘッド全体が単一の1ピース一体構造として作られる場合もあるし、フェースプレート部材が1ピースクラブヘッドアフトボディ(場合によっては中空ボディなど)に取り付けられる場合もある。以下、
図5A〜9に示す実例としてのウッドタイプゴルフクラブ構造に関連して本発明のウッドタイプゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブ構造のより具体的な例および特徴を詳細に説明する。
【0070】
図5Aおよび5Bは概して、本発明の一例にしたがって使用され得るウッドタイプゴルフクラブ500を示す。ゴルフクラブ500は、図示される様相においてはマルチパーツ構成を有するゴルフクラブヘッド502およびヘッド502がシャフト506に接続されるところのホーゼル区域504を含む。本発明を逸脱することなく、上述の様相と同様に、ホーゼル区域504は、当技術分野において公知であり、かつ使用されているような従来の設計および構成を含む任意の所望の設計および構成であり得る(たとえば、図示するように外方に延びるホーゼル部材504、内部ホーゼル部材、解放可能なホーゼル部材など)。同様に、シャフト506も、当技術分野において公知であり、かつ使用されているような従来の材料を含む任意の所望の材料でできており、従来のやり方の接続を含む任意の所望のやり方でホーゼル区域504に(または直接クラブヘッド502に)接続されてもよい。いくつかのより具体的な例として、必要に応じて、シャフト506は、鋼(ステンレス鋼を含む)、アルミニウムまたは他の金属もしくは金属合金材料、グラファイト系材料、複合材料または他の非金属材料、ポリマー材料、様々な材料の組み合わせなどから作られてもよい。上記のように、シャフト506は、ホーゼル区域504に接続されてもよく、および/またはセメントまたは接着剤、機械的接続システムなどによって直接クラブヘッド502に接続されてもよい。必要に応じて、シャフト506は、クラブヘッド502およびシャフト506を互いから切り離す(そして、場合によっては、その後、異なるヘッドまたはシャフトと係合させる)ことを容易に可能にする解放可能な機械的または接着剤接続によってホーゼル区域504またはクラブヘッド502に接続されてもよい。
【0071】
上記様相と同様に、グリップ部材508または他のハンドル要素が、シャフト506上に提供される、および/またはシャフト506と一体に形成されてもよい。グリップ部材508には、任意の所望の材料、たとえばゴム系材料(合成または天然)、ポリマー系材料(コードまたは他の布もしくは織物含有ポリマーを含む)、皮革材料(合成または天然)などが使用され得る。本発明を逸脱することなく、グリップ部材508または他のハンドル要素は、接着剤またはセメント、機械的コネクタ(たとえばねじ接続)、溶接、はんだ付けなどの使用を含む任意の所望のやり方で、シャフト506と係合する、またはシャフト506の一部として形成され得る。いくつかの様相において、グリップまたはハンドル部材508は、シャフト部材506と一体の1ピース構造として一体に形成されてもよい。本発明の少なくともいくつかの実例としての構造において、グリップ部材508は、当技術分野において公知であり、かつ使用されているような従来の材料で作られ、当技術分野において公知であり、かつ使用されているような従来のやり方でシャフト部材506に取り付けられる。
【0072】
本発明を逸脱することなく、ウッドタイプクラブヘッド502そのものもまた、当技術分野において公知であり、かつ使用されている従来の材料および/または従来のやり方を含む任意の適切なまたは所望のやり方および/または任意の適切なまたは所望の材料で構成されてもよい。たとえば、
図5Aおよび5Bに示す実例としての構造502において、クラブヘッド502は、打球フェース部材502a(場合によっては、フェースプレート502bとフレーム部材とが共にフェース部材502a全体を構成するようにフェース部材502aと一体に形成された、またはクラブに取り付けられた打球フェースプレート502bを含む)を含む。いくつかの様相において、打球フェース部材502aおよび/または打球フェースプレート502bは、一つまたは複数の機械的ファスナーを使用してクラブヘッドの残り部分に接続されてもよい。この例示される例のクラブヘッド502はさらに、クラウン502c、ソール502dおよびクラウンまたはトップ部分502cとソール502dとの間に位置する少なくとも一つのボディ部分502e(たとえば、フェース部材502aからクラブヘッド周辺を巻いてヒールからトウまで延びる材料)を含む。打球フェースとは実質的に反対側の位置まで延びるこのボディ部分502eは、クラブヘッド構造の後部分を含む場合がある。
【0073】
本発明を逸脱することなく、多種多様なウッドタイプゴルフクラブヘッド全体構造が可能である。たとえば、必要に応じて、上記クラブヘッド502の様々な個々のパーツのいくつかまたはすべては、共に接続される(たとえば、溶接、接着剤または他の融着技術によって、機械的コネクタなどによって)多数の部片から作られてもよい。様々なパーツ(たとえばクラウン502c、ソール502dおよび/またはボディ部分502e)は、当技術分野において従来から公知であり、かつ使用されている材料、たとえば軽金属材料を含む金属材料を含む任意の所望の材料および様々な材料の組み合わせから作られてもよい。適切な軽金属材料のより具体的な例は、鋼、チタンおよびチタン合金、アルミニウムおよびアルミニウム合金、マグネシウムおよびマグネシウム合金などを含む。
【0074】
さらなる例または代替として、クラブヘッド502の重量を減らすために、必要に応じて、クラブヘッド構造502の一つまたは複数の部分が、有利には、複合材料、たとえば当技術分野において従来から公知であり、かつ使用されている炭素繊維複合材料から作られてもよい。クラブヘッド構造502の一つまたは複数の部分に使用され得る他の適切な複合材料または他の非金属材料は、たとえば、ガラス繊維複合材料、玄武岩繊維複合材料、ポリマー材料などを含む。いくつかのより具体的な例として、必要に応じて、クラウン部材502cの少なくともいくつかの部分が複合材料または他の非金属材料から作られてもよい。追加的または代替的に、必要に応じて、ソール部材502dの少なくともいくつかの部分が複合材料または他の非金属材料から作られてもよい。さらなる追加的例または代替として、必要に応じて、クラブヘッドのボディ部材502eの一つまたは複数の部分(たとえば、クラブヘッド502の後の周囲をフェースコンポーネント502bヒール縁からトウ縁まで延びる材料のU字形またはC字形のリボン)が複合材料または他の非金属材料から作られてもよい。なおさらなる例として、必要に応じて、本発明を逸脱することなく、クラブヘッドフェース部材502aの後方のクラブヘッドのボディ部分全体(「アフトボディ」とも呼ばれる)、または場合によってはクラブヘッド全体が複合材料または他の非金属材料から作られてもよい。複合材料または他の非金属材料は、当技術分野において公知であり、かつ使用されている従来のやり方を含む任意の所望のやり方でクラブヘッド構造502の一部として組み込まれる場合がある。クラブヘッドの重量を減らすこと(たとえば、複合材料または他の非金属材料、軽金属、金属フォームまたは他の気泡構造材料などの使用による)は、以下さらに十分に説明するように、クラブ設計者および/またはクラブフィッタが、さらなる重量をクラブヘッド構造502全体中に、たとえば所望の位置に選択的に配置して、慣性モーメントを増したり、重心位置に影響したり、および/またはクラブヘッド構造502の他のプレー特性に影響したりすることを可能にする(たとえば、クラブヘッドにドローまたはフェードバイアスをかける、低重心を提供することによってショットを浮かせやすくする、より低い、より突き進むようなボールの飛びを生じさせやすくする、望ましくないボールの飛び、たとえばフックまたはスライス、高く浮くショットなどを生じさせるスイング欠点を矯正または補正するのに役立つ、など)。
【0075】
クラブヘッド構造502を構成する様々な個々のパーツは、多数の部片から作られるならば、当技術分野において公知であり、かつ使用されている従来のやり方を含む任意の適切なまたは所望のやり方で、互いに係合する、および/または共に保持され得る。たとえば、クラブヘッド構造502の様々なパーツ、たとえばフェース部材502a、打球プレート502b、クラウン502c、ソール502dおよび/またはボディ部分502eは、接着剤、セメント、溶接、はんだ付けまたは他の結合もしくは仕上げ技術などによって繋がっていてもよく、および/または共に固定されてもよい(直接的に、または中間部材を介して間接的に)。いくつかの様相において、クラブヘッド502の様々なパーツは、機械的コネクタ(たとえば、ねじ、スクリュー、ナット、ボルトまたは他のコネクタ)などによって繋がっていてもよい。必要に応じて、クラブヘッド構造502の様々なパーツの嵌合縁(たとえば、部材502a、502b、502c、502dおよび/または502eが互いに接触し、繋がる縁)は、それが繋がる対面する側の縁の中にまたは上に提供された対応する溝、スロット、面、棚状部、開口または他の構造に嵌る一つまたは複数の突出したリブ、タブ、棚状部または他の係合要素を含み得る。クラブヘッド構造502の様々なパーツをさらに共に固定するのを助けるために、セメント、接着剤、機械的コネクタ、仕上げ材料などが、上記の突出したリブ/溝/棚状部/縁または他の接続構造と組み合わせて使用される場合がある。
【0076】
本発明を逸脱することなく、本発明の例のウッドタイプゴルフクラブヘッド構造の寸法および/または他の特性は有意に異なる場合がある。いくつかのより具体的な例として、本発明の少なくともいくつかの例のクラブヘッドは、2005年5月10日出願の米国特許出願第11/125,327号(2005年10月27日公開の米国特許出願公開公報第2005-0239576 A1号に対応)に記載されたクラブヘッドの寸法および/または特性の様々な実例の範囲に入る寸法および/または他の特性を有する場合がある。たとえば、これらの文献中の表に注意すること。この米国特許公開公報はすべて参照により本明細書に組み入れられる。本発明の少なくともいくつかの実例としてのクラブヘッド構造にしたがって、長さ寸法(すなわちヒール−トウ方向の全寸法「L」)に対する幅寸法(すなわちフロント−バック方向の全寸法「B」)の比(すなわち比「B/L」)は、少なくとも0.9であり、いくつかの例において、この比は、少なくとも0.92、少なくとも0.93、少なくとも0.94、少なくとも0.95、少なくとも0.96、少なくとも0.97またはさらに少なくとも0.98である。長さ寸法Lは、少なくとも4インチである場合があり、いくつかの例において、少なくとも4.25インチ、少なくとも4.5インチ、少なくとも4.75インチまたはさらに少なくとも4.85インチである場合がある。クラブヘッドは、たとえば少なくとも200cc、いくつかの例においては少なくとも350cc、少なくとも400cc、少なくとも420ccまたはさらに少なくとも450ccの体積を含む所望の体積を有する場合がある。
【0077】
図6Aおよび6Bは、ゴルフクラブヘッド602の重心位置(参照番号607によってシンボル的に示す)を識別するためのインジケータ604を含む一つの実例としてのウッドタイプゴルフクラブヘッド602の様相を示す。インジケータ604は、ゴルフクラブヘッド602の下面またはソール605の上に配設される、またはそれと一体に提供される場合があり、ゴルフクラブヘッド602の重心607の上方に概して配置された中心領域またはハブ606を含む。いくつかの様相において、インジケータ604は、クラブヘッド602の残り部分とは別に形成され、かつセメント、接着剤、溶接、はんだ付け、機械的コネクタ(たとえば、ねじファスナー、スナップ嵌めなど)などを含む公知の取り付け手段を使用してクラブヘッド602に接続されてもよい。いくつかの様相において、インジケータ604は、以下さらに十分に説明するように、一つのインジケータと別のインジケータとの交換を可能にするために、クラブヘッド602と解放可能に係合してもよい。
【0078】
インジケータは、ゴルフクラブヘッドの下面またはソール605上に形成されるものとして概して説明されるが、インジケータはまた、ゴルフクラブヘッドの上面またはクラウン上に形成される場合もあり、重心をゴルフクラブヘッド内で低く維持することを支援するために、より軽量の材料で形成される場合がある。また、ゴルフクラブヘッドのクラウン中に形成されたインジケータは概して、重心を移動または調節するために重量配分を提供するのではなく、重心位置のインジケータとして働く場合がある。
【0079】
他の例において、インジケータ604は、たとえば型の中で、または鋳造、鍛造もしくは機械加工処理の一部として、クラブヘッド602と一体に形成されてもよい。本明細書に記載されるようなインジケータ604を含むいくつかのウッドタイプゴルフクラブヘッド602において、インジケータ604は、ゴルフクラブヘッド602の下面またはソール605の少なくとも一部分を形成し得る。たとえば、いくつかの例において、インジケータ604は、クラブヘッド602の下面605の実質全部を横切って延びる場合がある。すなわち、インジケータ604は、クラブヘッド602のソール605に沿って、打球フェースまたはそれに近い位置からクラブヘッドの後縁またはそれに近い位置まで、かつクラブヘッドのトウ縁またはそれに近い位置からクラブヘッドのヒール縁またはそれに近い位置まで延びる場合がある。ゴルフクラブヘッドの縁または領域に近い位置とは、いくつかの様相において、その位置が縁または領域の最外縁または最外面から0.75インチ以内にあることを示す場合がある。他の様相において、近いとは、その位置が、縁または領域の最外縁または最外面の、クラブヘッドのフロント−バック方向(または両側間)全寸法の10%以内にあることを示す場合がある。他の様相において、インジケータ604は、インジケータがゴルフクラブヘッドの下面605の少なくとも75〜85%を横切って延びるならば、クラブヘッド602の下面605の実質全部を横切って延びる場合がある。
【0080】
インジケータ604はさらに、中心領域またはハブ606から外方にゴルフクラブヘッド602の外周610まで延びる複数の脚部608を含む。
図6Aに示す様相において、インジケータ604は、ハブ606から外方に延びる七つの脚部608を含む。図示する脚部608は、等間隔であってもよく、クラブヘッド602の一つまたは複数の軸を中心に対称であってもよく、非対称であってもよい。図示する脚部の数および脚部の様相は単に実例としての様相であり、本発明を逸脱することなく、より多数または少数の脚部608または他の代替脚部構成が使用され得る。
【0081】
上記様相と同様に、ゴルフクラブヘッドがその設計ライ角およびボールアドレスの向きに向けられたとき、中心領域またはハブ606は、概してゴルフクラブヘッド602の重心607と整合して、ゴルフクラブヘッド602の重心607の位置の視覚的インジケータを提供し得る。重心607は、単に重心607の水平位置を示し、重心の垂直位置を示さない。いくつかの様相において、インジケータ604は、ゴルフクラブヘッド602のソール605がボールアドレスの向きにおいてその設計ライ角に向けられたとき(たとえば、ソール605が地面と接する状態で)、ゴルフクラブヘッドの重心607から垂直に下方に配置され得る。言い換えるならば、ソール605を上から見た場合、ハブ606は、ゴルフクラブヘッド602の重心607の真上にくるであろう。たとえば、クラブを選択するためにゴルフバッグ中のゴルフクラブを見るとき、インジケータ604は、その特定のクラブの重心607の位置の視覚的指示を提供する。追加的または代替的に、クラブフィッティング中、クラブフィッタは、重心位置に基づいてゴルフクラブを選択する場合がある。この視覚的インジケータ604は、フィッタが、各クラブの重心607の位置を速やかにかつ容易に識別することを可能にする。ハブ606は、いくつかの例において、重心の上に正確にまたは重心の真上に位置する場合があり、他の例において、ハブ606は、概して重心位置を示すために使用され得る。たとえば、従来のゴルフクラブは概して、ゴルフクラブヘッドの中心に重心を有する。本明細書に記載されるハブ606の位置は、その重心を調節してもよく、および/または重心位置の一般的指示を提供してもよい。
【0082】
いくつかの様相において、ハブ606および延びる脚部608は、ゴルフクラブヘッド602の重心607を調節または移動するために、クラブヘッド602に関連する重量の一部分を再配分するように形成され得る。たとえば、中心領域またはハブ606および延びる脚部608を含むインジケータ604は、ボールのより多くの打ち上げを提供することを支援するためにゴルフクラブヘッド602の重心607を下げるために、ゴルフクラブヘッド602の残り部分の少なくとも大部分を構成する材料よりも重いまたは高密度の材料で部分的または全体的に形成されてもよい。たとえば、インジケータ604は、クラブヘッド602のソール部分605に、より多くの重量を提供して、それによって、ゴルフクラブヘッド602の重心を下げるために、鋼、たとえば炭素鋼、ステンレス鋼など、タングステン、銅などを含む、またはそれらで形成されてもよい。いくつかの様相において、中心部分606は、より重い材料で形成される場合があり、外方に延びる脚部608は、より軽い、より低密度の材料、たとえばセラミック、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、マグネシウム合金、ポリマー、複合材料などで形成されてもよい。さらに他の様相において、たとえば、クラブヘッドの周囲重量配分および/または慣性モーメント特性を高めるために、脚部608は、クラブヘッド602の周囲610に近い部分がインジケータ604の中心領域606に近い部分よりも重くなるように重量配分されてもよい。さらに他の様相において、いくつかの脚部材608は、他の脚部材608よりも重い材料で形成されてもよい。たとえば、クラブヘッドに関連するより多くの重量をクラブヘッドの後に配分し、より高く上がるボール打ち出しを提供することを支援し得るように、クラブヘッドの後に向けて延びる脚部材608はより重い材料で形成されてもよい。
【0083】
さらに他の様相において、インジケータ604またはその部分は、異なる厚みを有する場合がある。たとえば、インジケータ604に関連するより多くの重量をクラブヘッド602の重心607またはその近くに集中させるために、ハブ領域606は脚部608よりも厚い場合がある。別の例において、より多くの重量をクラブヘッド602の重心607またはその近くに集中させるために、脚部608は、ハブ606に近い端部がクラブの周囲610に近い端部よりも厚い場合がある。さらに他の例において、さらなる重量をクラブヘッド602の外側領域に提供するために、脚部608は、クラブヘッド602の周囲610の近くがより厚い場合がある。脚部608およびハブ606はまた、ハブ606または脚部608の中で変化する厚みを有する場合もある。すなわち、脚部608沿いの位置、脚部608の位置などに依存して、一つまたは複数の脚部608の厚みは複数回変化し得る。
【0084】
図6Aに示すように、中心領域またはハブ606から外方に延びる脚部608は、ゴルフクラブヘッド602の周囲610に向かって外側に延びるにつれ、概してカーブする。追加的または代替的に、脚部608のいくつかまたはすべては、まっすぐであり、ハブ606からゴルフクラブヘッド602の周囲610まで直線的に延びてもよい。さらには、脚部608は、インジケータ604の中心領域またはハブ606により近くなるにつれ、先細りしてもよい。すなわち、脚部608は、いくつかの例において、中心領域またはハブ606に近い端部よりもクラブヘッド602の周囲610に近い端部がより幅広であってもよい。この先細りは、ゴルフクラブの改善された性能を提供するために、脚部608に関連する重量のより大きな部分を、よりゴルフクラブヘッド602の周囲610に近い、ゴルフクラブヘッド602の外側領域に配分することを支援し得る。
【0085】
加えて、図示し、説明するようなインジケータ604の様相は、クラブヘッド602に関連する全体重量を減らすことを支援する場合がある。たとえば、従来のクラブヘッドは、固い材料片で形成されたソールを有し得る。本明細書に記載されるインジケータ604様相は、中心領域またはハブ606およびそれから外方に延びる複数の脚部608を含む。しかし、この図の実例としての構造に示すように、延びる脚608の間の領域は空間を構成する場合がある。したがって、ソールに関連する材料の総量は、従来の固いソールよりも少なく、クラブヘッド602全体に関する重量もまた、使用される材料の量を減らすことによって減らされる。必要に応じて、脚部608の間の内面上に薄いプレートを提供し、クラブヘッド構造602が、それを通過する開口を有することを防いでもよい。
【0086】
図6Bは、
図6Aに示すインジケータ604によって指示され得る重心607の一つの実例としての位置を示す。たとえば、
図6Aに示すインジケータ604は、概してゴルフクラブヘッド602の中心に配置されている。インジケータ604は、重心607が概してゴルフクラブヘッド602の中心に配置されているという視覚的指示をクラブヘッドの下から提供する。
図6Bは、一つの実例としての中心に位置する重心607を示す。重心607は、垂直方向に高めまたは低めである(すなわち、より上面もしくはクラウンまたは下面もしくはソールに近い)場合があるが、しかし重心607は概して、
図6Aのインジケータ604のハブ部分606によって示されるように、クラブヘッド602の中心にある。
【0087】
図7Aおよび7Bは、ゴルフクラブヘッド702のソール部分705に形成されたインジケータ704を有する別の実例としてのウッドタイプゴルフクラブヘッド702を示す。
図6Aに示す様相と同様に、インジケータ704は、中心領域またはハブ706およびハブ706から外方にゴルフクラブヘッド702の周囲710まで延びる複数の脚部708を含む。しかし、異なる重心位置を指示するために、インジケータ704の形状はインジケータ604とは異なる。
図7のゴルフクラブヘッド702上に示されるインジケータ704は、クラブヘッドがボールアドレスの向きでその設計ライ角に向けられたとき、ゴルフクラブヘッド702の重心707と概して垂直に整合し得る。本出願を通して記載される様々な様相において、ハブは、重心を通過して延びる垂直線がハブの中心位置から1インチ(1")以内に位置するとき、重心と「概して整合している」または「概して垂直に整合している」とみなされる場合がある。
図7のゴルフクラブヘッド702は概して、トウ領域または縁712の近く、かつゴルフクラブヘッド702の打球サーフェス714の近くに位置する重心707を有する。この位置における重心707は、たとえば強風条件などにおいてあまり高く上がらないショットを提供することを支援し得る。加えて、クラブヘッド702のトウ領域712の近くの重心707はまた、ボールの一般的な「フック」を生じさせ得る様々なスイング欠点を補正することを支援し得る。インジケータ704の中心領域またはハブ706は概して重心707と整合し、いくつかの様相においては、重心707と垂直に整合して、特定のゴルフクラブヘッド702の重心707の位置の視覚的指示を提供する。
図6Aの様相と同様に、重心707は単に重心の水平位置を指示し、必ずしも重心の垂直位置を指示しない。
【0088】
図6Aに示す様相と同様に、インジケータ704は、ハブ706から外方にゴルフクラブヘッド702の周囲710まで延びる複数の脚部708を含む。いくつかの様相において、インジケータ704は、ゴルフクラブヘッド702の重心707の位置を指示するために形成されるだけでなく、ゴルフクラブヘッド702の重心707を調節または移動するために、ゴルフクラブヘッド702に関連する重量の一部分を再配分する場合がある。たとえば、上述したように、インジケータ704は、クラブヘッド702の重心707を下げる(すなわち、重心をよりクラブヘッドのソールの近くに移動させる)ために、クラブヘッド702の残り部分よりも重いまたは高密度の材料で形成される場合がある。追加的または代替的に、
図7Aに示すように、クラブヘッド702に関連する重量の一部分をトウ領域712の近くに統合するために、インジケータ704の一部分、たとえばハブ部分706が、より重いまたは高密度の材料で形成される場合がある。
【0089】
図7Bは、
図7Aのゴルフクラブヘッド702の平面図である。重心707は、
図7Aにおいてインジケータ704によって指示される位置と同様に、ゴルフクラブヘッド702のトウ領域または縁712の近く、かつ打球サーフェス714の近くに指示されている。
図6Aおよび6Bの様相と同様に、
図7Aおよび7Bに示すように、重心707の位置は垂直方向に変化する(すなわち、よりクラブヘッドのクラウンまたはソールに近い)場合があるが、クラブヘッドがボールアドレスの向きにおいてその設計ライ角に向けられたとき(
図7Bに示すように)、概してインジケータ704のハブ部分706の下方に位置し、それと整合する。
【0090】
いくつかの様相において、インジケータ704は、クラブヘッド702から取り外し可能であってもよく、および/または交換可能であってもよい。すなわち、プレーヤー、クラブフィッタなどが、クラブヘッド702の重心707を調節することを望む場合があり、したがって、クラブヘッド702に関連する重量を再配分するように重量配分されているインジケータ704を取り外し、重心707を移動させる場合がある。たとえば、インジケータ704は、重量をトウ領域または縁712および打球サーフェス714の近くに集中させて、
図7Aおよび7Bに示すように重心707を提供するように重量配分されてもよい。
図6Aおよび6Bに示すようなクラブヘッドの中心のように重心707を別の位置に移動させるために、インジケータ704は、取り外され、一例においては重心を
図6Aおよび6Bに示すようなクラブヘッドの中心に移動させるように形成されたインジケータ604と交換されてもよい。インジケータは、様々な機械的ファスナー、たとえばスクリュー(たとえばスクリュー611、711)、ボルトなど、スナップ嵌めなどを使用してクラブヘッドに接続され得る。これらの固定機構は、インジケータをクラブヘッドに解放可能に接続して、インジケータの交換可能性を許容し得る。この交換可能性は、様々な環境条件、スイング欠点などを受け入れるためにプレーヤーがクラブの性能特性を変化させることを可能にする場合があり、より大きなカスタマイズ能力を提供する。
【0091】
図8Aおよび8Bは、ゴルフクラブヘッド802の重心807の位置を識別するインジケータ804を有するウッドタイプゴルフクラブヘッド802の別の様相を示す。図示する様相は、ゴルフクラブヘッド802のソール部分805上に配設された、またはそれを提供するように配設されたソールプレート809を含む。いくつかの様相において、ソールプレート809は、クラブヘッド802の残り部分から別に形成されてもよく、セメント、接着剤、機械的ファスナーなどを含む公知の取り付け法を使用してクラブヘッド802に接続され得る。他の様相において、ソールプレート809は、たとえば一つの部片としてクラブヘッド802と一体に形成されてもよい。
図8Aに示すように、ソールプレート809は、単にソールの一部分として形成されてもよく、たとえば、ソールプレート809は、ソールの外周の少なくともいくらかを形成する周囲フレーム部材に取り付けられてもよい。
【0092】
ソールプレート809はさらに、その中に形成された複数の凹み820を含む。凹み820は、ソールプレート809の厚みの全体を貫いて延びてもよく、または、いくつかの様相においては、ソールプレート809の厚みの一部分を貫いて延びてもよい。凹み820は、いくつかの例においては、クラブヘッド802の重心807を指す矢に似せて成形され得る。たとえば、凹み820は概して、上記のように重心807の位置の視覚的指示を提供するために、ゴルフクラブヘッド802の重心807と概して垂直に整合し得るハブ806区域を指す。
【0093】
いくつかの様相において、重心を下げる(すなわち、重心をよりクラブヘッドのソールの近くに移動させる)ために、ソールプレート809は、クラブヘッド802の残り部分よりも重いまたは高密度である材料で形成される場合がある。
図8Bは、クラブヘッド802の重心807の一つの実例としての垂直位置を示す。図示するように、重心807は、
図6Bにおいて指示される重心607よりもソールプレート809に近い。ソールプレート809に関連するさらなる重量がクラブヘッド802の全体重量をより低く移動させ、それにより、重心807を下げる場合がある。このより低い重心807は、より浮き上がるショットを提供することを支援し得る。
【0094】
いくつかの例において、ソールプレート809は、
図7Aおよび7Bに関して上述した交換可能性と同様に、代替構造、たとえば様々な形状の凹み、サイズ位置、代替位置におけるハブなどを有するソールプレートと交換され得る。たとえば、ソールプレート809は、たとえば少なくともスクリュー(たとえばスクリュー811)、ボルト、スナップ嵌めなどを含むファスナーによってゴルフクラブヘッド802に取り外し可能に接続されてもよい。この取り外し可能な接続は、ソールプレート809を別のソールプレートと交換することを支援し得る。
【0095】
図9Aおよび9Bは、ゴルフクラブヘッド902の重心907の位置の視覚的指示を提供するインジケータ904を有するウッドタイプゴルフクラブヘッド902のさらに別の様相を示す。
図9Aに示すように、インジケータ904は、中心部分またはハブ906領域およびそこからゴルフクラブヘッド902の周囲910に向けて外方に延びる複数の脚部908を含む。ハブ906部分は、たとえば上記条件の下、重心と概して垂直に整合し得る。たとえば、
図9Aおよび9Bの様相において、重心907は、ゴルフクラブヘッド902のヒール領域または縁916の近くに位置する場合がある。したがって、インジケータ904のハブ906部分は概してヒール部分に位置し、上記のようにクラブヘッドがボールアドレスの向きにおいてその設計ライ角に向けられたとき(たとえば、ソール905が地面と接する状態で)、重心907から垂直に下方に配置され得る。また、上述したように、インジケータ904は、重心907を移動または調節するように構成され得る。たとえば、インジケータ904またはその部分は、クラブヘッド902に関連する重量を再配分して重心907を移動させるために、より重いまたはより高密度の材料で形成されてもよい。
【0096】
様々なインジケータ形状および様相を本明細書に記載し、図面に示したが、本発明を逸脱することなく、様々な他の様相が使用されてもよい。いくつかの例において、インジケータは、「星」形、「クモ」形などを含み得る。
【0097】
追加的または代替的に、ウッドタイプゴルフクラブヘッド構造は、ゴルフクラブヘッドの重心位置を指示するように提供された他のインジケータ様相を含み得る。2009年4月1日に出願され、参照により全体として本明細書に組み入れられる「Golf Clubs and Golf Club Heads」と題する米国特許出願第12/416,735号に記載されているいくつかの様相が、本明細書に記載される様相と同様に、ウッドタイプゴルフクラブヘッドとともに使用され得る。
【0098】
III. 結論
本開示は、上記および添付図面において、多様な実例としての構造、特徴、要素ならびに構造、特徴および要素の組み合わせを参照して説明されている。しかし、本開示によって果たされる目的は、本発明の範囲を限定することではなく、本発明に関連する様々な特徴および概念の例を提供することである。当業者は、特許請求の範囲によって画定される本発明の範囲を逸脱することなく、上記態様に対して数多くの変形および改変を加えることができることを理解するであろう。たとえば、本開示を逸脱することなく、
図1〜9Bに関連して上述した様々な特徴および概念が個々におよび/または任意の組み合わせもしくは部分的組み合わせで使用されてもよい。