特許第5767280号(P5767280)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5767280
(24)【登録日】2015年6月26日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】化学機械平坦化用溝付き研磨パッド
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20150730BHJP
   B24B 37/26 20120101ALI20150730BHJP
   B24B 37/24 20120101ALI20150730BHJP
【FI】
   H01L21/304 622F
   B24B37/00 T
   B24B37/00 L
   B24B37/00 M
   H01L21/304 622X
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2013-156497(P2013-156497)
(22)【出願日】2013年7月29日
(62)【分割の表示】特願2011-199659(P2011-199659)の分割
【原出願日】2001年5月24日
(65)【公開番号】特開2013-239737(P2013-239737A)
(43)【公開日】2013年11月28日
【審査請求日】2013年8月28日
(31)【優先権主張番号】60/207,938
(32)【優先日】2000年5月27日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】60/222,099
(32)【優先日】2000年7月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504089426
【氏名又は名称】ローム アンド ハース エレクトロニック マテリアルズ シーエムピー ホウルディングス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078662
【弁理士】
【氏名又は名称】津国 肇
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ,デービッド・ビー
(72)【発明者】
【氏名】ヴィシュウォナサン,アラン
(72)【発明者】
【氏名】クック,リー・メルボルン
(72)【発明者】
【氏名】バーク,ピーター・エー
(72)【発明者】
【氏名】シドナー,デービッド
(72)【発明者】
【氏名】ソォー,ヨセフ・ケー
(72)【発明者】
【氏名】ロバーツ,ジョン・ブイ・エイチ
【審査官】 内田 正和
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−507077(JP,A)
【文献】 特開2000-263423(JP,A)
【文献】 特表2001-518852(JP,A)
【文献】 米国特許第6022268(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
B24B 37/24
B24B 37/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイス又はその前駆体の表面を平坦化するための研磨パッドであって、該パッドは該表面を平坦化するための研磨層を有し、該研磨層が、
度数10ラジアン/秒で動的機械分析法を用いたとき、1.0〜3.5の30℃及び90℃での貯蔵弾性率E′の比率、及び1個以上の溝を有する溝パターンを含むマクロテクスチャにより特徴付けられ;該溝パターンが、
75〜2,540μmの溝深さ、
125〜1,270μmの溝幅、及び
500〜3,600μmの溝ピッチを有する、研磨パッド。
【請求項2】
研磨パッドが、40〜70ショアDの硬度を有する、請求項1記載の研磨パッド。
【請求項3】
該研磨層の表面が、1〜9μmの平均表面粗さを有する、請求項1又は2記載の研磨パッド。
【請求項4】
該溝パターンが、同心、螺旋、クロスハッチ、X−Y格子、六角形、三角形、フラクタル又はこれらの組み合わせである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の研磨パッド。
【請求項5】
研磨パッドが、ポリウレタンである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の研磨パッド。
【請求項6】
半導体デバイス又はその前駆体の表面を平坦化するための研磨パッドであって、該パッドは該表面を平坦化するための研磨層を有し、該研磨層が、
10ラジアン/秒の度数で動的機械分析方法を用いて測定される、1.0〜3.5の30℃及び90℃での貯蔵弾性率E′の比率、及び該研磨層の表面に1個以上の溝を有する溝パターンを含むマクロテクスチャで特徴付けられ、該溝パターンが、溝領域及びランド領域からなり;該溝パターンが、
0.03〜1.0の溝剛性係数GSQ、及び
0.03〜0.9の溝フロー係数GFQを有し、
溝剛性係数GSQが、溝深さD/パッド厚さT、及び
溝フロー係数GFQが、溝断面領域Ga/ピッチ断面領域Pa(式中、Ga=DxW、Pa=DxP、P=L+W、Dは溝深さ、Wは溝幅、Lはランド領域の幅、Pはピッチである)である、研磨パッド。
【請求項7】
研磨パッドが、40〜70ショアDの硬度を有する、請求項6に記載の研磨パッド。
【請求項8】
該ランド領域が、1〜9μmの平均表面粗さを有する、請求項6又は7のいずれか1項に記載の研磨パッド。
【請求項9】
該溝パターンが、円形、同心、螺旋、クロスハッチ、X−Y格子、六角形、三角形、フラクタル又はこれらの組み合わせである、請求項6〜8のいずれか1項に記載の研磨パッド。
【請求項10】
研磨パッドが、ポリウレタンである、請求項6〜9のいずれか1項に記載の研磨パッド。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の研磨パッドを用いて、半導体ウェハの金属ダマシン構造を研磨する方法であって、該方法は、
該ウェハと研磨パッドの研磨層との間の界面にウェハをバイアスさせること;
該界面に研磨流体を流すこと;及び
加圧下で該ウェハと該研磨パッドとの相対運動を提供して、該ウェハに対する該研磨流体の移動加圧接触の結果、該ウェハの表面から材料を平坦に除去すること;を含む、研磨方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略として、半導体デバイス製造において、基板、特に金属又は金属含有基板を研磨及び/又は平坦化するのに用いられる研磨パッドに関する。
【0002】
化学機械平坦化(chemical-mechanical planarization、「CMP」)は、集積回路デバイス上の平坦な表面を作製するのに半導体産業において現在、実施されているプロセスである。このプロセスについては、"Chemical Mechanical Planarization of Microelectronic Materials", J.M.Steigerwald, S.P.Murarka, R.J.Gutman, Wiley, 1997(全て有用さのために、本明細書中に参照として組み込まれる)に記載されている。概して、CMPは、集積回路デバイス前駆体と研磨パッド間に研磨スラリー又は流体を流動させるか、又はその他の方法で配置し、デバイスとパッドの両方にバイアスをかけながら、パッドとデバイスを互いに相対的に動かすことを含む。かかる研磨は、(i)酸化ケイ素のような絶縁層、及び/又は(ii)タングステン、アルミニウム又は銅のような金属層を平坦化するのに用いられることが多い。
【0003】
半導体デバイスは、(より微細なフィーチャジオメトリー及びより多くの数の金属被覆層を必要とし)、ますます複雑になるにつれて、一般に、CMPはより要求の厳しい性能基準を満足させなければならない。比較的最近のCMPプロセスは、金属ダマシンプロセスによる金属相互連続の製造である(例えば、全て有用さのために、本明細書中に参照として組み込まれる、S.P.Murarka, J.Steigerwald, and R.J.Gutmann, "Inlaid Copper Multilevel Interconnections Using Planarization by Chemical Mechanical Polishing", MRS Bulletin, pp.46-51, June 1993を参照されたい)。
【0004】
ダマシンタイプの研磨では、被研磨基板は、通常、均一層ではなく複合体であり、一般的には次の基本工程を含む。(i)一連の金属導体領域(プラグとライン)を、絶縁表面上でフォトリソグラフィーにより画定する。(ii)次に、露光された絶縁体表面を所望の深さまでエッチングする。(iii)フォトレジストを除去した後、接着層及び拡散バリア層を施す。(iv)その後、導電性金属の厚い層を、プラグ及びラインの絶縁体材料の表面上に延在するように堆積させる。(v)次に、金属表面を下側の絶縁体表面まで研磨して、それにより絶縁材料により分離された個別の導電性プラグ及びラインを形成する。
【0005】
理想的な場合、研磨後、導電性プラグ及びラインは完全に平坦であり、全ての場合について等しい断面厚さである。実際には、フィーチャの中央部が縁部よりも薄い厚さをしばしば有して、金属構造体の幅を横切った厚さに有意差が生じる可能性がある。通常、「ディッシング」と呼ばれるこの影響は、導電性構造体の断面領域の変動が電気抵抗の変動につながる可能性があるため、一般的には望ましくない。ディッシングは、(より軟質の金属導体フィーチャを囲んでいる)より硬い絶縁層が金属フィーチャよりも遅い速度で研磨されるために生じる。従って、絶縁領域が平坦に研磨されるにつれて、研磨パッドは、主に金属フィーチャの中央部から、導電性材料を侵食除去する傾向があり、その結果、最終の半導体デバイスの性能に害を与える可能性がある。
【0006】
次のようないくつかの理由のために、CMPに用いる研磨パッドには、典型的には溝が付けられる。
(1)研磨パッド表面にわたる、研磨されているウェハのハイドロプレーンを防止する。パッドに溝がなかったり穿孔されていないと、研磨流体の連続層がウェハとパッドの間に存在し得て、均一な密着が妨げられ、除去速度が大幅に減少する。
(2)スラリーがパッド表面にわたり均一に分配され、十分なスラリーがウェハの中心に届くことを確実にする。研磨の化学的要素が機械的要素と同程度に重要である、銅のような反応性金属を研磨するとき、これは特に重要である。ウェハの中央部と縁部で同じ研磨速度を達成するためには、ウェハにわたって均一なスラリー分配が必要である。しかしながら、スラリー層の厚さは、パッドとウェハの直接の接触を妨げるほど厚くする必要はない。
(3)研磨パッドの全体及び局所剛性の両方を制御する。これは、ウェハ表面にわたる研磨の均一性と、そして異なる高さのフィーチャを平らにするパッドの能力を制御して、極めて平坦な表面を与える。
(4)パッド表面から研磨屑を除去するチャネルとして作用する。屑の蓄積によって、スクラッチやその他の欠陥が生じやすくなる。
【0007】
本発明は、低い弾性回復(elastic recovery)と、溝を有する研磨パッドに関する。本発明の実施態様を、例示により、以下の詳細な説明を参照して説明する。
【0008】
「溝剛性係数(Groove Stiffness Quotient)」(「GSQ」)は、パッドの剛性への溝付けの影響を評価するものであり、ここでは、溝深さ(D)/パッド厚さ(T)として定義される。従って、溝がないと、GSQはゼロであり、もう一方の極端な場合(溝がパッド全体にある場合)、GSQは1(unity)である。「溝フロー係数(Groove Flow Quotient)」(「GFQ」)は、(パッド界面)流体フローへの溝付けの影響を評価するものであり、ここでは、溝断面領域(Ga)/ピッチ断面領域(Pa)(式中、Ga=DxW、Pa=DxP、P=L+W、Dは溝深さ、Wは溝幅、Lはランド領域の幅、Pはピッチである)として定義される。Dは、特定の溝設計については一定であるため、GFQは、溝のピッチに対する幅の比率である、溝幅(W)/溝ピッチ(P)で表すこともできる。
【0009】
本発明は、研磨中に、低弾性回復を有するCMP用の研磨パッドに関し、これはまた、多くの公知の研磨パッドと比べて、有意な非弾性の特性も示し、溝深さ、パッド全体の厚さ、溝領域及びランド領域との間に特定の関係を有する、画定された溝をもつ。ある実施態様において、本発明のパッドはさらに(i)平均表面粗さが約1〜約9μm、(ii)硬度が約40〜約70ショアD、(iii)40℃での引張弾性率が最大約2000と規定される。一実施態様において、本発明の研磨パッドは30℃及び90℃での貯蔵弾性率(E′)の比率が5以下、より適切には約4.6未満、より適切には約3.6未満と規定される。本発明の他の実施態様において、研磨パッドは、30℃及び90℃でのE′の比率が約1.0〜約5.0、エネルギー損失因子(KEL)が約100〜約1000(1/Pa、40℃)と規定される。他の実施態様において、研磨パッドは、平均表面粗さが約2〜約7μm、硬度が約45〜約65ショアD、40℃での弾性率E′が約150〜約1500MPa、KELが約125〜約850(1/Pa、40℃)、30℃及び90℃でのE′の比率が約1.0〜約4.0である。さらに他の実施態様において、本発明の研磨パッドは、平均表面粗さが約3〜約5μm、硬度が約55〜約63ショアD、40℃での弾性率E′が200〜800MPa、KELが150〜400(1/Pa、40℃)、30℃及び90℃でのE′の比率が1.0〜3.6である。
【0010】
他の実施態様において、本発明は、約75〜約2,540μm(より適切には約375〜約1,270μm、最も適切には約635〜約890μm)の溝深さと、約125〜約1,270μm(より適切には約250〜約760μm、最も適切には約375〜約635μm)の溝幅と、約500〜約3,600μm(より適切には約760〜約2,280μm、最も適切には約2,000〜約2,260μm)の溝ピッチとを備えた溝パターンを有する研磨パッドに関する。この構成の溝を備えたパターンはさらに、約0.03(より適切には約0.1、最も適切には約0.2)〜約1.0(より適切には約0.7、最も適切には約0.4)の溝剛性係数(「GSQ」)と、約0.03(より適切には約0.1、最も適切には約0.2)〜約0.9(より適切には約0.4、最も適切には約0.3)の溝フロー係数(「GFQ」)とを与える。
【0011】
さらに他の実施態様において、本発明のパッドは、充填でも、非充填でもよく、多孔質でも、非孔質でもよい。適切なフィラーとしては、これらに限られるものではないが、研磨性能に過度に悪影響を与えない限りは、マイクロエレメント(例えば、マイクロバルーン)、研磨粒子、ガス、流体及びポリマー化学で一般的に用いられているフィラーが挙げられる。適切な研磨粒子としては、これらに限られるものではないが、アルミナ、セリア、シリカ、チタニア、ゲルマニア、ダイアモンド、炭化ケイ素又はこれらの混合物が挙げられ、これらは単独か、あるいはパッド材料の連続相から分離された脆い(friable)マトリックス中に分散されている。
【0012】
本発明のパッドは、半導体デバイス(又はその前駆体)、シリコンウェハ、ガラス(又はニッケル)メモリディスク等のような数多くの基板のいずれにおいても、CMPを行うのに研磨流体と組み合わせて用いることができる。詳細についてはReinhardtらの、米国特許第5578362号に見出すことができる。パッドの配合を変更して、特定の種類の研磨についてパッドの特性を最適化することができる。例えば、アルミニウムや銅のようなより軟らかい金属の研磨については、研磨中、スクラッチやその他の欠陥を防ぐために、より軟質のパッドが必要となることがある。しかしながら、パッドが軟らかすぎると、平坦化及びフィーチャのディッシングを最小にする能力が減じる可能性がある。酸化物やタングステンのようなより硬い金属の研磨については、許容され得る除去速度を得るために、より硬質のパッドが一般に必要とされる。
【0013】
さらに他の実施態様において、本発明は、(i)サブミクロン粒子を任意に含有する水系液体と組み合わせて、ウェハをパッド表面に押圧すること、(ii)加圧下におけるウェハと研磨パッドの相対運動のための機械的又は類似のタイプの運動を提供して、移動加圧接触の結果、ウェハの表面を平坦に除去することにより、半導体ウェハ上の金属ダマシン構造を研磨する方法に関する。
【0014】
本発明の適切なパッドは、、高いパッドの剛性と共に、特に圧縮中の高エネルギー散逸を有する。パッドは、容易かつ一貫して再生することのできる安定したモルホロジーを示す。さらに、パッド表面はマクロテクスチャを有する。このマクロテクスチャは、パッド厚さを通した穿孔であっても、表面溝設計のいずれであってもよい。かかる表面溝設計としては、これらに限られるものではないが、同心又は螺旋溝;パッド表面にX−Y格子として配列されたクロスハッチパターン;六角形、三角形及びタイヤトレッドタイプのパターンのようなその他の規則的な設計、又はフラクタルパターンのような不規則設計、あるいはこれらの組み合わせが挙げられる。溝形状は、直線型の側壁をもつ長方形であっても、溝断面は、「V」形、「U」系、三角形、鋸刃等であってもよい。さらに、円形設計の幾何中心は、パッドの幾何中心と一致していてもよいし、外れていてもよい。同様に、溝設計は、パッド表面にわたって変化していてもよい。設計の選択は、研磨される材料や研磨機の種類に応じて異なるが、それは、研磨機によって異なるサイズ及び形状のパッド(例えば、円形対ベルト)を用いるからである。溝設計は、特定の用途のために設計されていてもよい。一般的に、これらの溝設計は1個以上の溝を有している。さらに、スラリーのフロー又はパッドの剛性、あるいはこの両方を向上させるべく、異なる溝密度の領域を生成するために、特定の設計における溝寸法はパッド表面にわたって変化させることができる。最良のマクロテクスチャ設計は、研磨される材料(例えば、酸化物又は金属、銅やタングステン)及び研磨機の種類(例えば、IPEC676、AMAT Mirra、Westech472又はその他の市販の研磨ツール)によって異なる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】パッド及び溝寸法を示す。
図2】一定のパッド厚さでのGSQ対溝深さを示す。
図3】一定の溝深さでのGSQ対パッド厚さを示す。
図4】一定の溝ピッチでのGFQ対溝幅を示す。
図5】一定の溝幅でのGFQ対溝ピッチを示す。
【0016】
CMPに用いられる市販のパッドの厚さは、一般に約1,300μmである。パッド厚さは、パッドの剛性に寄与し得て、これによって、半導体デバイスを平坦化させるパッドの能力も決まり得る。パッド剛性は、パッドの弾性率と厚さの三乗との積に比例しており、これについては、Machinery’s Handbook, 23rd edition(全て有用さのために、本明細書中に参照として組み込まれる)に記載されている(特に297頁を参照されたい)。すなわち、パッド厚さを2倍にすると、剛性は理論上は8倍になる。平坦化を行うには、250μm超のパッド厚さが一般に必要とされる。次世代装置については、1,300μm超のパッド厚さが必要となるであろう。適切なパッド厚さは、約250〜約5,100μmの範囲である。5,100μm超のパッド厚さだと、ウェハの全体的な平面性の中での変化にパッドが順応することができないために、研磨の均一性が損なわれ得る。
【0017】
所与のパッド厚さについて、パッドの弾性率を増大させると、パッドの剛性及びパッドによる平坦化能力が増大する。よって、非充填のパッドは、充填パッドよりも有効に平坦化を行う。しかしながら、剛性は、弾性率のたんなる一乗に対し、厚さの三乗に比例し、パッド厚さの変化はパッド係数の変化よりも大きな影響を与え得ることを認識することが重要である。
【0018】
パッドに溝を付けると、その有効剛性が減少するが、スラリー分配は均一になり、その結果、研磨されるウェハ表面の平坦度が高くなる。一般に、パッド厚さに対して溝が深くなればなるほど、パッドはより可撓性になる。図1に、溝パッドの限界寸法が定義されており、GSQと、パッド厚さに対する溝深さとの関係が示されており、すなわち、GSQ=溝深さ(D)/パッド厚さ(T)である。
【0019】
溝がない場合には、GSQはゼロであり、もう一方の極端な場合、溝がパッド全体にある場合は、GSQは1である。
【0020】
第2のパラメータを用いて、設計のランド領域に対する溝領域を関係付ける。これもまた図1に示されている。このパラメータを示す簡便な方法は、溝繰り返し領域(すなわち、ピッチ断面領域)の全断面領域に対する溝断面領域の比率を計算するものであり、すなわち、GFQは:
GFQ=溝断面領域(Ga)/ピッチ断面領域(Pa)
(式中、Ga=D×W、Pa=D×P、P=L+W、Dは溝深さ、Wは溝幅、Lはランド領域の幅、Pはピッチである)
として定義される。Dは特定の溝設計については一定であるため、GFQは、溝幅の溝ピッチに対する比率として表すこともできる。
GFQ=溝幅(W)/溝ピッチ(P)。
【0021】
GSQ値は、一般に、パッドの剛性、ウェハへのスラリーの分配、廃棄研磨屑の除去、及びパッドへのウェハのハイドロプレーンに影響する。GSQ値が高いと、パッドの剛性に最大の影響がある。極端な場合、溝深さがパッド厚さと同じであると、パッドは、隣接する島と独立して変形させることのできる、分離した島群を有する。第二に、特定の溝深さを超えると、その深さに関わりなく、スラリーを分配し、廃棄物を除去するのに十分な程度に溝のチャネル容積が大きくなる。これとは対照的に、GSQ値が低いと、一般的にはスラリー及び廃棄物の移動が主な問題となる。GSQ値がより低いか、又は極端な場合は溝がないと、液体の薄層により、パッドとウェハが直に接触することが妨げられ、その結果、ハイドロプレーン及び効果のない研磨が生ずる。
【0022】
パッド表面にわたるウェハのハイドロプレーンを避けるために、溝は限界最低値よりも深くしなければならない。この値は、パッド表面のマイクロテクスチャに依存する。一般に、マイクロテクスチャは、平均突出長さが0.5μm未満の複数の突出部を含む。市販のパッドにおいては、高分子マイクロスフェアが、パッドに多孔性を与え、表面粗さを増大させ、これによってハイドロプレーンの傾向及び強度のパッドコンディショニングの必要性が減少する。充填パッドについては、ハイドロプレーンを防ぐ最低溝深さは約75μmであり、非充填パッドについては約125μmである。よって、妥当なパッドの厚さは2,540μm、充填及び非充填パッドのGSQの最低値はそれぞれ0.03、0.05と想定される。
【0023】
溝付きパッドのパッド寿命を決める要因の一つは、溝の深さであるが、それは、スラリーを分配し、廃棄物を除去し、ハイドロプレーンを防ぐには不十分な深さをもつ溝となる点にパッドが摩耗するまでの間しか、許容され得る研磨性能は得られないからである。許容され得るパッド剛性及び長いパッド寿命を共に達成するためには、深い溝ばかりでなく、剛性が与えられるように、パッドの残りを十分にする必要がある。溝密度及びサイズが増加するにつれて、パッド剛性は、溝深さのみよりも、パッドの残りの溝のない層(図1のS)の厚さにさらに依存するようになる。
【0024】
また、パッドが摩耗するにつれて、全体のパッド厚さ及び対応する剛性が減少する。よって、初期のパッドの厚さが厚いと、厚めのパッドについては研磨時間による剛性の変化が比較的少ないから有利である。深い溝の付いた溝付きパッドについては、下側の溝のない層及び全体のパッドについて厚さは厚いのが適切であるが、それは、この場合、剛性は溝の深さにあまり依存しないからである。
【0025】
パッドの剛性は、ウェハにわたる除去速度の均一性、ダイレベルの平坦性、そして少ない範囲だがダイ内のフィーチャのディッシング及びエロージョンをはじめとするいくつかの重要な研磨パラメータを制御することから重要である。理想的には、均一な研磨において、除去速度はウェハ表面の全ての点において同一であるべきである。これは、パッドがウェハの全表面と、全ての点においてパッドとウェハが同じ接触圧力及び相対速度で接触する必要があるということを示唆している。残念なことに、ウェハは完全には平坦ではなく、製造の応力や、様々な堆積酸化物と金属層の熱膨張係数の相違により、ある程度湾曲していることが多い。よって、ウェハスケールの平坦性の変化に順応するために、研磨パッドは十分な可撓性を有する必要がある。この問題の一つの解決策は、典型的には、より圧縮性の発泡タイプのポリマー材料である下側の可撓性のベースパッドに、剛性の研磨パッドをラミネートすることである。これによって、最上部の研磨パッドの剛性を不当に損なうことなく、ウェハにわたる研磨不均一性が改善される。
【0026】
エッジ効果もまた研磨中に生じる。この現象は、ウェハ表面にわたる除去の不均一性となって現れ、ウェハ縁部近傍で材料の除去が少なくなる。この問題は、最上部のパッドの剛性が増加するにつれて、そしてベースパッドの圧縮性が増加するにつれて悪化する。この現象については、A. R. Baker “The Origin of the Edge Effect in CMP”, Electrochemical Society Proceeding, Vl.96-22, 228(1996)(全て有用さのために、本明細書中に参照として組み込まれる)に記載されている。最上部のパッドに溝を付けることによって、その剛性を減少させて、それによりエッジ効果を減少させることができる。最上部のパッドの剛性は、パッドのダイレベルのフィーチャを平坦化する能力を支配することから重要である。これは、化学機械平坦化にとって重要なパッドの特性であり、CMPプロセスを用いる他ならぬ理由である。これについては、"Chemical Mechanical Planarization of Microelectronic Meterials", J. M. Steigerwald、S. P. Murarka、R. J. Gutman、Wiley(1997)(全て有用さのために、本明細書中に参照として組み込まれる)に記載されている。
【0027】
一般的な集積回路ダイは、様々なサイズ及びパターン密度の層間の導電体ライン及びバイアスのようなフィーチャを含む。理想的には、研磨が進むにつれて、これらのフィーチャは、フィーチャのサイズやパターン密度から独立して平坦となる必要がある。これには、最初に高いスポットを除去し、これらの高スポットをダイ表面が完全に平坦になるまで優先的に除去し続ける剛性パッドが必要である。
【0028】
平坦化という観点から理想的なパッドは、良好に平坦化するために、低いGSQ値(高い剛性に対応する)を有する。マイクロバルーンで充填されたパッドは、対応の非充填パッドよりも、弾性率が低く、よって剛性も低いので等価の剛性とするには、充填パッドは、非充填パッドよりも低いGSQ値をもたなければならない。これは、上述したハイドロプレーンの観点からのGSQの傾向と一致する。その他の重要な比率は、溝幅をピッチと関連付けるGFQである。このパラメータが、ウェハと接触するパッドの表面積、パッドにわたる、及びパッド−ウェハ界面のスラリーのフロー特性、そして少ない範囲だがパッドの剛性を決定する。
【0029】
上述したように、パッドの剛性は溝深さに依存しており、これはGSQにより適切に説明され得る。また、その他の溝寸法を包含するGFQにもやや依存している。この依存性は、溝幅よりも溝ピッチから来ている。剃刀による薄い溝は、広い溝とほぼ同じ程度に剛性を減少させることになり、パッドに溝が多ければ多いほど(ピッチが狭い)、剛性が低くなる。従って、GFQが増加すると、剛性は減少する。
【0030】
以下の表に、ロデール社製の薄いパッドと厚いパッド(その他は実質的に同一)の円形溝について、平行及び垂直方向で測定した弾性率のデータを示す。溝の寸法、は先に上述した表に示してある。同じく、パッドの厚さの値、GSQ及びGFQパラメータの計算値、及び薄いパッドで正規化された剛性値も示す。
【0031】
【表1】
【0032】
いくつかの興味深い観察結果が上記の表のデータから明らかである。第一に、パッド特性は測定方向に依存している。弾性率及び剛性値の両方が異方性であり、溝方向に平行か垂直のどちらで測定を行ったかに依存している。溝方向が湾曲方向に垂直であるとパッドはより可撓性である。パッドを、半径の小さい駆動シリンダの周囲で繰り返し、かつ速く動かす必要がある、ベルト又はロール型の研磨機用にパッドを設計するときは、これは重要な考慮すべき事柄である。薄いパッドに比べて厚いパッドの方が異方性は大きい。
【0033】
第二に、厚いパッドの剛性は、薄いパッドよりも大きいことが明らかである。高い値とさせる要因は、厚いパッドがより厚いことにある。薄いパッドの弾性率は厚いパッドよりも高く、GSQ比と一致しているが、GSQ及びGFQ値が比較的低いこの場合、剛性を決定するのには、GSQやGFQのいずれかよりも厚さの方が重要である。高いGSQ値で、溝深さがパッドの厚さに接近すると、パッドの厚さよりもGSQが剛性を決定することになる。
【0034】
最適の溝設計、GSQ及びGFQパラメータは、多くの要因に依存する。これらには、パッドサイズ、研磨ツール及び被研磨材料が挙げられる。たいていの研磨機は円形パッドを用い、パッドとウェハの遊星運動に基づくものであるが、リニアパッドに基づく新世代の研磨機が出現している。このタイプの研磨機については、パッドは、連続ベルトの形態か、ウェハの下で増分しながら動くロール形態のいずれかとすることができる。下記の表に示すように、異なる研磨機は異なるサイズ及び形状寸法のパッドを使用している。
【0035】
【表2】
【0036】
円形パッドについては、スラリーは通常、パッド中心に導入され、パッド縁部には遠心力で移動する。よって、より大きなパッドでは、スラリーの移動はより厳しくなり、パッド表面に溝を付けることによって改善することができる。同心の溝は、パッド表面のスラリーをトラップでき、放射状の溝又はクロスハッチ設計は、パッド表面にわたるフローを促進することができる。このように、より大きなパッドについては、より密度の高い溝設計、すなわち、より高いGFQ比を有していると有利である。IPEC676研磨機は、小さなパッドを用いているが、スラリーはパッドを通してウェハ表面へ導入される。ゆえに、供給穴から、パッド表面にわたってスラリーを移動させるために、X−Y溝の格子が必要となる。リニア研磨機については、溝はスラリーのフローを促すばかりでなく、パッドをより可撓性にして、駆動機構周囲で繰り返し撓ませられるようにする必要もある。このように、リニア研磨機についてはパッドは、深い溝及び高いGSQ比を有していて、かなり薄い傾向がある。溝はまた、パッドの長さ方向に対して平行よりも垂直に切られるのが適切である。
【0037】
名前が示している通り、CMP研磨は、機械的要素と化学的要素の両方を含むプロセスである。これらそれぞれの相対的な重要性は、被研磨材料に依存する。例えば、酸化物絶縁体やタングステンのような硬い材料は、主にパッドの機械的特性により、除去が決定づけられるため、かなり硬いパッドを必要とする。銅やアルミニウムのようなより反応性の材料には、軟らかいパッドが適切であり、化学的要素がより重要となる。このように、酸化物やタングステンのような材料については、低いGSQ及びGFQ比をもつ、高い弾性率のより剛性のあるパッドが適切である。これとは対照的に、銅やアルミニウムのような材料については、パッド表面わたるスラリーの移動が重要であり、より高いGSQ及びGFQの値が好ましい。後者の一例として、銅の研磨速度は、スラリーの枯渇のためにウェハ中心では低いことが多い。これは、通常の円形環設計にX−Y溝を与えることによって改善することができ、ウェハ中心のスラリーのフローが増大する。
【0038】
第一の近似値として、研磨除去速度は、F. W. Preston, J. Soc. Glass Tech., XI、214、(1927)(全て有用さのために、本明細書中に参照として組み込まれる)に記載されたPrestonの式により決まるが、そこでは、除去速度が、研磨の下向きの力と、ウェハとパッド間の相対速度の積に比例すると記載されている。ウェハとパッドを同期回転すると、ウェハ表面の全ての点が同じ相対速度となる。しかしながら、実際には、同期回転を用いるのは珍しく、ウェハとパッドの回転速度は異なる。これによって、ウェハ表面にわたる除去速度は不均一となり、中心が遅いか、あるいは中心が速い研磨のいずれかとなる。
【0039】
この問題は、パッド表面にわたる溝密度を変化させる、すなわち、中心からパッドの縁部までの溝幅、ピッチ又は深さを変化させることによって修正することができる。溝深さ(すなわちGSQ)又は溝構成(円形対X−Y対両方等)を変えることによって、パッドの局所剛性を制御することができ、溝対ランド領域(すなわちGFQ)を変えることによって、スラリー分配及びウェハと接触するパッドの領域を操作することができる。
【0040】
このような制御が有用なときの一例は、半導体ウェハの金属被覆が不均一な場合である。ウェハに堆積した電気めっき銅の厚さは、めっきプロセスの制御が不良であるためウェハにわたり不均一であることが多い。研磨後に平坦な銅厚さを達成するためには、厚い部分において銅を速く優先的に除去できるパッドとするのが望ましい。これは、パッドをより剛性にする(すなわちGSQを減少させる)か、又はその領域のスラリーのフローを増大させる(すなわちGFQを増大させる)ことにより実施することができる。
【0041】
本発明のパッドは、数多くの異なる方法のいずれかにより作製することができる。実際には、研磨中にパッドが低弾性回復を示す限りは、正確な組成は通常、重要ではない。ウレタンは、適切なパッド材料であるが、本発明は、ポリウレタンに限定されるものではなく、本願明細書に記載される低弾性回復を与えることのできる化学成分であれば、何れも実質的に含むことができる。パッドは、これらに限られるものではないが、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂とすることができ、充填でも、非充填でもよい。本発明のパッドは、これらに限られるものではないが、キャスティング、圧縮、射出成形(反応射出成形を含む)、押出し、ウェブコーティング、光重合、押出し、印刷(インクジェット及びスクリーン印刷を含む)、焼結等のような数多くあるポリマー処理方法のいずれかにより作製することができる。例示的な実施態様において、本発明のパッドは以下の属性のうち一つ以上を有する。
(1)パッド表面のグレージング(glazing)の減少は、強度のコンディショニングの必要をより少なくし、その結果、パッドの摩耗が低くなり、パッドの寿命が長くなる。
(2)導電体及びプラグのような導電性フィーチャのディッシングが最小になる。
(3)ウェハ表面にわたってダイレベルの平坦性が得られる。及び/又は
(4)スクラッチや軽度の点欠陥のような欠陥が最小であり、研磨された半導体デバイスの電気性能が改善される。
【0042】
パッドの性能はまた、研磨プロセスのすべての側面及びパッド、スラリー、研磨ツール間の相互作用並びに研磨条件にも依存するが、上記の属性は、研磨パッドの物理的性質により影響を受けたり、ときには制御されることがある。
【0043】
一実施態様において、研磨を促進するためにスラリーフロー用のマイクロチャネル及びナノ凹凸(nano-asperities)を依然として保持した状態で、平滑な研磨面を規定する。フィラー粒子はパッド粗さを増大させる傾向があるため、パッド粗さを最小にする一つの方法は、非充填パッドを作製することである。
【0044】
パッドのコンディショニングもまた、重要であり得る。パッド表面にマイクロチャネルを形成し、パッド表面の親水性を増大させるには、十分なコンディショニングが一般に必要であるが、過剰なコンディショニングは表面を過度に粗面化することがあり、その結果、望ましくないディッシングの大につながる恐おそれがある。
【0045】
本発明のパッドは、適切には低い弾性反撥(elastic rebound)を有する。このような反撥は、いくつかの測定法のうちの任意の1つにより、たいてい定量化することができる。おそらく最も単純なそのような測定法は、静的圧縮荷重をかけて、圧縮パーセント及び弾性回復パーセントの測定を含む。圧縮パーセントは、所与の荷重をかけた場合の材料の圧縮変形と定義され、パッドの元の厚さの割合で表される。弾性回復パーセントは、パッド表面から荷重を取り除いたときに回復する圧縮変形の割合と定義される。
【0046】
しかしながら、研磨は動的なプロセスであり、静的パラメータを用いて適切に定義できないことがあるので、本明細書に開示された研磨パッドに適用すると、上記の弾性反撥に関する試験は、有効でないことがあるまた、研磨パッドは、高分子的になって粘弾性挙動を呈する傾向がある。したがって、そらく、より良い方法は、動的機械分析の技術を用いることである(J.D.Ferry, "Viscoelastic Properties of Polymers", New York, Wiley, 1961を参照されたい)。
【0047】
粘弾性材料は、加えられた変形に応答して粘性と弾性の両方の挙動を示す。生じる応力シグナルは、2つの成分、すなわち、ひずみと同位相である弾性応力、及びひずみ速度と同位相であるが、ひずみと位相が90度ずれている粘性応力に分けることができる。弾性応力は、材料が弾性固体として挙動する程度の尺度であり、粘性応力は、材料が理想的な流体として挙動する程度を評価する。弾性応力及び粘性応力は、ひずみに対する応力の比(この比は、弾性率として定義することができる)により、材料の性質と関連づけられる。したがって、ひずみに対する弾性応力の比は、貯蔵(又は弾性)弾性率であり、ひずみに対する粘性応力の比は、損失(又は粘性)弾性率である。引張又は圧縮試験を行う場合、E′及びE″は、それぞれ貯蔵弾性率及び損失弾性率を表す。
【0048】
損失弾性率対貯蔵弾性率の比は、応力とひずみとの間の位相角シフト(δ)の正接である。したがって
E″/E′=Tanδ
であり、材料の減衰能力の尺度である。
【0049】
研磨は、研磨パッド及びウェハの両方の周期的運動を含む動的プロセスである。エネルギーは、通常、研磨サイクル中にパッドに伝達される。このエネルギーの一部分は、パッド内部で熱として散逸し、このエネルギーの残りの部分はパッドに貯蔵されて、その後、研磨サイクル中に弾性エネルギーとして放出される。後者は、ディッシング現象に寄与するものと考えられている。
【0050】
比較的低い反撥を有し、かつ周期的変形中に比較的多量のエネルギーを吸収するパッドは、研磨中、比較的少ない量のディッシングを生じる傾向にあることが見出された。この効果を定量的に記載するのに使用し得るいくつかのパラメータがある。最も単純なのは、上述したTan δである。しかし、研磨性能を予測するのにより適したパラメータはおそらく、「エネルギー損失因子(Energy Loss Factor)」として知られているものである。ASTM D4092−90"Standard Terminology Relating to Dynamic Mechanical Measurements of Plastics"は変形サイクルにおける単位体積あたりの失われたエネルギーとしてこのパラメータを定義している。言いかえれば、それは、応力−ひずみヒステリシス曲線内の面積の尺度である。
【0051】
エネルギー損失因子(KEL)は、tan δと貯蔵弾性率(E′)の両方の関数であり、
KEL=tan δ*1012/〔E′*(1+tan δ2)〕
(式中、E′はパスカル単位である)
という式で定義することができる。
【0052】
パッドのKELの値が大きければ大きいほど、弾性反撥は小さくなり、観察されるディッシングは少なくなる。
【0053】
パッドのKEL値を増大させる一つの方法は、それをより軟らかくすることである。しかしながら、この方法では、パッドのKELの増加に伴い、パッドの剛性が減少する傾向もある。これは、パッドの平坦化効率を低下させる可能性があり、通常、望ましくない。
【0054】
パッドのKEL値を増加させる一つの方法は、剛性を低下させずにKELを増加させるように、その物理的組成を変えることである。これは、パッドの硬いセグメント(又は相)及び軟らかいセグメント(又は相)の組成、並びに/あるいはパッド中の硬いセグメント(又は相)対軟らかいセグメント(又は相)の比率を変えることにより達成することができる。この結果、許容され得る高い剛性と共に、適切に高い硬度を有しており、それにより優れた平坦化効率を与えるパッドが得られる。
【0055】
ポリマーブレンドのモルホロジーは、その最終特性を左右し得るため、異なる用途におけるポリマーの最終用途の性能に影響を及ぼし得る。ポリマーモルホロジーは、製造プロセス、及びポリマーを調製するのに用いた成分の特性に影響され得る。研磨パッドを作製するのに用いるポリマー成分は、得られるパッドのモルホロジーが安定していて、容易に再生可能となるように適宜選択すべきである。
【0056】
本発明の他の実施態様において、研磨パッドを作製するのに用いるポリマーのガラス転移温度を、パッドの剛性に大きく影響を与えることなく周囲以下の温度(sub-ambient temperatures)にシフトさせる。パッドのガラス転移温度(Tg)を下げると、パッドのKELが上がり、また、20℃〜100℃の通常の研磨温度範囲の間で、その剛性がほとんど変化しないパッドが作製される。したがって、研磨温度の変化は、パッドの物理特性、特に剛性に最小の影響しか与えない。その結果、より予測可能で一定した性能が得られる。
【0057】
本発明の実施態様の特徴は、ガラス転移温度を室温未満にシフトさせて、Tgより高くで、温度が上昇しても、一定で、研磨平坦性を達成するのに十分に大きい値の弾性率が得られる配合物を設計できることである。弾性率の一貫性は、架橋、「硬く」軟化温度の高い相の相分離、あるいは無機フィラー(アルミナ、シリカ、セリア、炭酸カルシウム等)の添加のいずれかにより改善できることが多い。ポリマーのTg(ガラス転移温度)を周囲以下の温度にシフトさせる他の利点は、本発明のある実施態様において、得られるパッドの表面がグレージングに対して、より抵抗性をもつことができることである。
【0058】
半導体基板の高性能の研磨のためには、一貫した溝の性能が、パッド溝の間の研磨表面が親水性の多孔質又は非孔質材料であって、不織布繊維系材料により支持、又はその他強化されていないことを必要とすることが見出された。
【0059】
本発明のパッドは、これらに限られるものではないが、キャスティング、圧縮、射出成形(反応射出成形を含む)、押出し、ウェブコーティング、光重合、押出し、印刷(インクジェット及びスクリーン印刷を含む)、焼結等のような数多くあるポリマー処理方法のいずれかにより作製することができる。パッドは、非充填であってもよいが、任意で、高分子マイクロバルーン、ガス、流体、又はシリカ、アルミナ及び炭酸カルシウムといった無機フィラーのような材料で充填されていてもよい。適切な研磨粒子としては、これらに限られるものではないが、アルミナ、セリア、チタニア、ゲルマニウム、ダイアモンド、炭化ケイ素又はこれらの混合物が挙げられる。本発明のパッドは、従来のロータリ及び次世代のリニア研磨機(ロール又はベルトパッド)の両方について有用であるように設計することができる。
【0060】
さらに、本発明のパッドは、従来の研磨剤含有スラリーと一緒に、研磨に使用するように設計することができ、あるいは、研磨剤をパッドに組み込んで、粒子を含まない反応性液体と一緒に使用したり、さらに他の実施態様においては、研磨剤の添加なしの本発明のパッドを、粒子なしの反応性液体と一緒に(この組み合わせは、銅のような被研磨材料に特に有用である)に使用してもよい。適切な研磨剤粒子としては、これらに限られるものではないが、アルミナ、セリア、シリカ、チタニア、ゲルマニア、ダイアモンド、炭化ケイ素又はこれらの混合物が挙げられる。反応性液体はまた、酸化剤、金属相容性を向上させる化学薬品(キレート化剤又は錯化剤)及び界面活性剤を含んでいてもよい。研磨剤を含有するスラリーはまた、研磨剤粒子を懸濁状態に保つ有機ポリマーのような添加剤を含んでいてもよい。研磨剤を含まないスラリーに用いる錯化剤は、典型的には2つ以上の極性部分を有し、平均分子量は1000超である。
【0061】
本発明のパッドはまた、約190〜約3,500nmの波長の電磁放射線を透過するポリマーから構成された小さな部分を有している。この部分によって、ウェハを研磨しながら、ウェハ表面状況を光学的に検出できる。詳細については、全て有用さのために、本明細書中に参照として組み込まれる、米国特許第5605760号に見出すことができる。
【0062】
本発明のパッドの属性は、以下を含む。
(1)大きいパッドの剛性及びパッドの表面硬度。
(2)大きいエネルギー散逸(高いKEL)。
(3)容易に、かつ一貫して再生することができ、研磨中に顕著に又は悪い方向に変化しない安定なモルホロジー。
(4)グレージングを低減させ、それにより、より低い頻度かつより低い度合いのコンディショニングを必要とし、研磨中の少ないパッドの摩耗及びより長いパッドの寿命を生じさせるパッドの表面。
(5)細孔及び表面ボイドがなく、それにより、使用済みスラリーをトラップし、かつパッドの粗さを増大させるポケットが減少する。これは、ウェハの欠陥の主要源を減少させ、そしてほとんど除去する。
(6)研磨されているウェハのハイドロプレーンを防止する、スラリー分配及び廃棄物除去が改善と、導かれるウェハ表面の最小の欠陥、及び/又は
(7)パッドの化学的性質は、それを多種多様なウェハの研磨に好適であるように容易に変更することができる。
【0063】
上記の特徴の1つ以上は、次のような研磨の利点に、多くの場合、置き換えることができる。
(1)高いパッドの剛性は、良好な平坦化度を有するウェハを生成する。
(2)パッドの最上層は、低いグレージングを伴って、より容易に、かつ一様にコンディショニングされ、これは、他のパッドと比較して、被研磨ICウェハ上のスクラッチ及びLPD欠陥を減少させる。
(3)延長される過剰研磨時間においてさえも、より少ない最終的なディッシングがパターンウェハ上に見られる。これは、高いKELと高い弾性率との有利な組み合わせに起因する。
(4)標準的なパッドと比較して、パターンウェハ上のより大きな研磨窓。
(5)パターンウェハ上で観測されるフィーチャに特異的なディッシングがない。及び/又は、
(6)パッドの剛性は、20℃〜100℃の正常な研磨温度範囲でごくわずかに変化し、非常に安定で均一な研磨を与える。
【0064】
まとめると、
(1)金属CMPのためのパッドは、一般に、パッドの組成を変えることにより、次の:剛性(弾性率及び厚さ)、溝設計(溝幅、溝深さ及び溝ピッチに影響する)、溝剛性係数、溝フロー係数、エネルギー損失因子(KEL)、弾性率温度比、硬度、及び表面粗さ、のうち1つ以上の最適化された組み合わせを有し、これらをいくらか独立して制御することができる。
(2)低い弾性回復を有するパッドは、一般に、金属CMP研磨中にフィーチャの少ないディッシングを生じさせる。
(3)低い弾性回復は、「エネルギー損失因子」(KEL)を用いて規定することができる。
(4)これらのパラメータに対する範囲を以下に示す。
【0065】
【表3】
【0066】
弾性率(E′)及びエネルギー損失因子(KEL)は、40℃の温度及び10ラジアン/秒の度数で動的機械分析方法を用いて測定される。KELは、前述の式を用いて計算される。
【0067】
最下行は、30℃及び90℃で測定した弾性率の比率を規定する。これは、研磨にとって有用な温度範囲を表す。理想的には、弾性率は、温度の上昇に伴って、できる限り少なくかつ直線的に変化するであろう(すなわち、比は1に近づく)。表面粗さの値は、コンディショニング後のものである。
【0068】
上記の表から、本発明のパッドは、一般に、フラットな弾性率温度応答、高い弾性率値と組み合わされた高いKEL値、コンディショニング後の低い表面粗さ、及び特定の研磨用途に選択された溝設計に対応する最適のGSQ及びGFQ値を有することが明らかである。
【0069】
実施例
以下の非制限的な実施例により本発明の利点を例証する。例1及び2は比較例のパッドである。
【0070】
比較例1
この例は、米国特許第5578362号及び第5900164号に開示されたパッドを参照したものである。2997gのポリエーテルベースの液状ウレタン(Uniroyal ADIPRENE(登録商標)L325)を、768gの4,4−メチレン−ビス−クロロアニリン(MBCA)と約65℃で混合することにより、ポリマーマトリックスを調製した。この温度で、ウレタン/多官能性アミン混合物のポットライフは約2.5分であり、この最中に、約69gの中空弾性高分子マイクロスフェア(EXPANCEL(登録商標)551DE)を高剪断ミキサーを用いて3450rpmでブレンドし、マイクロスフェアを混合物中に均一に分散させた。最終混合物を型に移し、約15分間ゲル化させた。
【0071】
次に、型を硬化オーブンに入れ、約93℃で約5時間硬化させた。次いで、型温度が約21℃になるまで混合物を約4〜6時間冷却した。次ぎに成形品を「スカイブ(Skive)」して、薄いシートとし、表面にマクロチャネルを機械加工した(「パッドA」)。
【0072】
同様に、ADIPRENE(登録商標)L325を化学量的に等価な量のADIPRENE(登録商標)L100に置き換えたこと以外は同様の方法で他の充填されたパッド(「パッドB」)を作製した。
【0073】
先に述べたのと同一の製造法により第3のパッド(「パッドC」)を作製したが、ポリウレタンをは非充填であった。
【0074】
比較例2
この実施例は、米国特許第6022268号に開示された成形法により作製されたパッド(「パッド2A」)に関する。
【0075】
研磨パッドを形成するために、2種類の液体ストリームを一緒に混合して、そして所要のパッドの形状を有する密閉式型に注入した。型の表面には、通常溝が設けられ、得られる成形されたパッドもまたスラリー移動を容易にするための溝付きマクロテクスチャを有する。第1のストリームは、アミン触媒と共に高分子ジオールと高分子ジアミンとの混合物を含有していた。第2のストリームは、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を含有していた。用いたジイソシアネートの量は、ジオールとジアミン基の完全な反応後にやや過剰となるようなものとした。
【0076】
混合されたストリームを約70℃に加熱された型に注入して、相分離したポリウレタン−ウレア高分子材料を形成した。所要の重合時間が経過した後、ネットシェイプパッド形状の、今や固体の部分を続いて型から取り出した。
【0077】
表1に例1及び2に記載したパッドについての主要な物理特性を示す。
【0078】
【表4】
【0079】
実施例3
実施例3は、実施例1に記載のものと同様のキャスティング法を用いる、本発明による充填及び非充填パッドの作製を例示する。
【0080】
理論量の95%のMBCA硬化剤で硬化させた表2に示されるイソシアネートADIPRENEを用いて、非充填注型品(実施例3A、B及びC)を調製した。調製は、ADIPRENE及びMBCA成分を完全に混合し、密な混合物を円形型に注いでキャスティングを形成するものであった。調製は、ADIPRENE成分とMBCA成分とを一緒に十分に混合すること及び円形型に均質混合物を注いで注型品を形成することからなっていた。型温度は100℃であり、注型品は続いて100℃で16時間後硬化させた。後硬化後、円形注型品を「スカイブ」して、厚さ50ミルの薄いシートとし、そして表面にマクロチャネルを機械加工した。チャネルは、一般的に深さは15ミル、幅は10ミルであり、ピッチは30ミルであった。注型品の特性を表2に示す。CMP法で金属層の研磨に必要とされる重要な物理的性質の有利な組み合わせを示している。
【0081】
実施例3Dは、2重量%のEXPANCEL(登録商標)551DEを含有しており、実施例1に記載されているように作製された。
【0082】
【表5】
【0083】
実施例4
実施例4は、実施例2に記載したのと同様の成形法を用いた本発明のパッドの作製を例示する。表3は、成形法により作製された代表的なパッドの組成及び重要な物理的性質を示している。成形条件は、実施例2に記載したとおりである。
【0084】
【表6】
【0085】
微細な銅のフィーチャのディッシングを測定するために、表3からの代表的なパッド配合物を用いて銅のパターン化ウェハを研磨した。研磨性能を、実施例1で調製したパッドの性能と比較した。
【0086】
Applied MaterialsのMIRRA研磨機を使用し、141rpmのプラテン速度、139rpmのキャリヤー速度、及び4psiの下向き力を用いて両方のパッドを研磨した。パッドは両方とも、ABTコンディショナーを用いて使用前にプレコンディショニングした。ウェハ間でポストコンディショニングを用いたRodel社製の実験用銅スラリー(CUS3116)と組み合わせたパッドを用いて、異なる寸法の銅のフィーチャを含むSematechパターンウェハ931試験マスクを研磨した。
【0087】
研磨後、原子力顕微鏡を用いて銅フィーチャのディッシングを測定した。Orbot Instrumetns Ltd.インスツルメンツ社のウェハ検査システムを用いて欠陥を測定した。表4に研磨したパッドのディッシング及び欠陥データをまとめる。
【0088】
【表7】
【0089】
成形されたパッドがディッシング及び欠陥度を著しく減少させることは、データから自明である。
【0090】
実施例5
実施例5は、押出法を用いた熱可塑性ポリマーからの本発明のパッドの作製を例示する。Haakeミキサーを用いて、ポリエーテルタイプの熱可塑性ポリウレタンを20重量%の4μ又は10μの炭酸カルシウムフィラーとブレンドした。得られたブレンドを、非充填のポリマーと共に、American Leistritz製の二軸押出し機を用いて50ミルのシートに押出した。上記のポリエーテルベースのTPUをより柔軟なポリエステルベースのTPUとブレンドすることにより、追加の配合物を調製した。これらを再び炭酸カルシウムで充填した。シートの主要な物理特性を測定した。これを表5に示す。
【0091】
【表8】
【0092】
熱可塑性ポリウレタン(TPU)の例を用いて本発明を例証したが、本発明はTPUに限定されるものではない。ナイロン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリレート等のようなその他の熱可塑性又は熱硬化性ポリマーもまた、主要な特性基準が達成できる限りは適用できる。非充填熱可塑性ポリマーにより達成できなくても、有機又は無機フィラー又は強化剤で充填するか、他のポリマーとブレンドするか、共重合するか、可塑化することによって、あるいはポリマー配合の当業者に知られたその他の配合技術によりベースポリマーの特性を改変することによって、これらの特性を実現することができる。
【0093】
微細な銅フィーチャのディッシングを測定するために、表5の代表的なパッド配合物を用いて、銅パターン化ウェハを研磨した。研磨性能を、例1で作製したパッドと比べた。
【0094】
Applied MaterialsのMIRRA研磨機を使用し、141rpmのプラテン速度、139rpmのキャリヤー速度、及び4psiの下向き力を用いて両方のパッドを研磨した。パッドは両方とも、ABTコンディショナーを用いて使用前にプレコンディショニングした。ウェハ間でポストコンディショニングを用いたスラリーと組み合わせたパッドを用いて、異なる寸法の銅のフィーチャを含むSematechパターンウェハ931試験マスクを研磨した。
【0095】
研磨後、原子間力顕微鏡を用いて銅フィーチャのディッシングを測定した。Orbot Instrumetns Ltd.のウェハ検査システムを用いて欠陥を測定した。表6に研磨したパッドのディッシング及び欠陥データをまとめる。
【0096】
【表9】
【0097】
押出されたパッドがディッシングを著しく減少させることは、データから自明である。
【0098】
実施例6
図2〜5に、本発明のパッドについてのGSQ及びGFQ比率と、溝寸法との間の関係を図示する。図2及び3は、それぞれ溝深さとパッド厚さの範囲を示す。溝深さとパッド厚さのこれらの値から、GSQの適切な範囲を計算することができる。同様に、図4及び5は、それぞれ溝幅と溝ピッチの範囲を表す。これらの溝幅と溝ピッチの値から、GFQの適正な範囲を計算することができる。下記の表に、「最適」パッドの溝寸法及び特定の値の範囲をまとめる。
【0099】
【表10】
【0100】
さらに、研磨パッドの溝設計を最適化して最適な研磨結果が達成できるようにしてもよい。CMP研磨中のパッド−ウェハ界面にわたるスラリーのフローを調整するために、パッド表面にわたる溝設計を変化させることによってこの最適化を達成することができる。
【0101】
例えば、ウェハの中心でのより速い除去速度が望ましい場合は、この目的を達成するのに2つの異なる技術が利用可能である。パッドのウェハ軌跡の中心の溝の数を減らす一方、パッドの他の場所の溝の数を増やすか、又はそのままにしてもよい。これによって、ウェハの中心と接触するパッド領域が増え、ウェハ中心の除去速度を増大させる一助となる。
【0102】
ウェハ中心の除去速度を増大させる他の技術は、パッドのウェハ軌跡の中心の溝深さを減少させるものである。研磨剤を含有するスラリーを用いて銅基板を研磨するとき、これは特に有効である。これらの浅い溝により、ウェハ表面とパッドの間にトラップされた研磨剤の量が増えて、ウェハ中心の除去速度が増大する。
【0103】
溝設計を利用して、ウェハ表面を越えたスラリーの滞留時間を変えることもできる。例えば、パッド−ウェハ界面でのスラリーの滞留時間を、パッドにわたる均一に溝の深さを増大することにより増やしてもよい。
【0104】
同様に、パッド−ウェハ界面のスラリーの滞留時間は、パッドの溝パターンを変更することによって減少させてもよい。X−Yパターンを円形パターンの上部に重ねて、ウェハ表面にわたりスラリーを即時に運んでもよい。さらに、円形溝又はX−Y溝のピッチを変更して、パッドにわたるスラリーフローを精細に調整してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5