(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して本発明に係る電気湿潤素子を含む表示装置について説明する。
【0033】
図2a及び
図2bは、それぞれ本発明の第1実施形態に係る線光源を含む表示装置の平面図及び断面図である。
【0034】
図2a及び
図2bに示すように、本発明の第1実施形態に係る表示装置110は、映像を表示する表示パネル120と、表示パネル120に光を供給するバックライトユニット130と、ユーザーの位置を把握する位置感知手段160と、表示パネル120、バックライトユニット130及び位置感知手段160を制御する制御部162とを含む。
【0035】
表示パネル120は、複数の画素(不図示)を含む。複数の画素には、複数のサブフレームの各々の間に、少なくとも1つの映像信号が入力され得る。複数のサブフレームは、一つのフレームを時分割することにより得られる。例えば、対面する2枚の基板と、2枚の基板の間に介在される液晶層と、を含む透過型液晶パネルが、表示パネル120として用いられ得る。
【0036】
バックライトユニット130は、光線を出射する光源部132と、光源部132から出射された光線の方向を制御する光線制御部134と、光線制御部134を通過した光線を集束するレンズアレイ136と、レンズアレイ136を通過した光線の方向を、表示パネル120側に変更して出射する導光板138とを含む。
【0037】
光源部132、光線制御部134及びレンズアレイ136は、導光板138の一縁部に沿って配置され、導光板138は表示パネル120の下部に配置される。
【0038】
光源部132は、ベース基板172と、ベース基板172の上部に互いに離隔して一列に装着される複数の線光源174とを含む。複数の線光源174は、例えば、単一方向に光を出射する発光ダイオード(light emitting diode:LED)、有機発光ダイオード(organic light emitting diode:OLED)、レーザーなどを用いて構成されることができる。
【0039】
光線制御部134は、複数の電気湿潤素子(electrowetting device)134aを含む。複数の電気湿潤素子のそれぞれの構成については、
図3a及び
図3bで詳細に説明する。
【0040】
レンズアレイ136は、それぞれが半円筒形状を有する複数のレンチキュラーレンズ136aを含む。
【0041】
複数の線光源174、複数の電気湿潤素子134a及び複数のレンチキュラーレンズ136aは、互いに1:1:1の比で対応する。
【0042】
導光板138は、入光面がレンズアレイ136と対面するように配置される。そして、レンズアレイ136を通過した光線が数回の全反射によって導光板138内を経由するようにすることで、垂直に均一な線形光線を表示パネル120に供給することができる。
【0043】
そのため、導光板138の背面は、水平面に対して傾くように構成されることができる。また、導光板138の背面には特定形状のパターンが形成されることができる。
【0044】
例えば、導光板138の背面には、楕円状のパターン(elliptical pattern)、多角形のパターン(polygon pattern)、ホログラムパターン(hologram pattern)などが形成されることができる。このようなパターンは、導光板138の下部面に印刷方式または射出方式で形成されることができる。
【0045】
位置感知手段160は、ユーザーまたはユーザーの左眼・右眼など、表示パネル120の映像が到達すべき位置に対する情報を把握する。位置感知手段160は、例えば、カメラを用いて構成されることができる。
【0046】
制御部162は、位置感知手段160が把握した位置情報に基づいて、映像の種類、光線の屈折度合い、光線の発光タイミングを決定する。更に、制御部162は、その決定内容によって、表示パネル120、光源部132及び光線制御部134を駆動する。
【0047】
より具体的には、制御部162は、上記決定をした時点で、光源部132の複数の線光源174が光線を出射するように制御する。また、制御部162は、光線制御部134の複数の電気湿潤素子134aが光線を特定角度で屈折するように制御する。更に、制御部162は、表示パネル120が特定映像を表示するように制御する。制御部162によるこれらの制御により、制御部162が上記決定をした時点で、特定の映像が、特定の位置にいるユーザーまたはユーザーの左眼・右眼に伝達されることが可能となる。
【0048】
光線制御部134の複数の電気湿潤素子134aについて、図面を参照して説明する。
【0049】
図3a及び
図3bは、本発明の第1実施形態に係る表示装置の電気湿潤素子を示す図面である。
図3aは電気湿潤素子が垂直に入射した光を屈折させない場合を示す。
図3bは電気湿潤素子が垂直に入射した光を屈折させる場合を示す。
【0050】
図3a及び
図3bに示すように、複数の電気湿潤素子134aのそれぞれは、互いに所定の距離だけ隔離され、且つ、対面するように構成された第1及び第2基板140、142を含む。
【0051】
第1基板140の内側の両端には第1電極144が形成され、第2基板142の内側の両端にはそれぞれ第2及び第3電極146、148が形成されるが、第2及び第3電極146、148は、それぞれ内側の一辺が傾いた台形状の断面を有する。
【0052】
従って、第2及び第3電極146、148の傾いた側面は互いに対面するように配置され、第2及び第3電極146、148の側面は上面より相対的に大きい面積を有する。
【0053】
第2及び第3電極146、148のそれぞれの側面と上面上部には、疎水性(hydrophobic)の第1絶縁層150が形成され、第2及び第3電極146、148のそれぞれの上面上部の第1絶縁層150と第1電極144との間には、第2絶縁層152が形成される。
【0054】
第1及び第2基板140、142と第1ないし第3電極144、146、148とによって形成される離隔空間には、ウォーター層154及びオイル層156が介在される。
【0055】
かかる複数の電気湿潤素子134aのそれぞれは、第1ないし第3電極144、146、148に印加される電圧によってウォーター層154とオイル層156との間の界面の方向を変化させることができる。この界面の方向の変化によって、入射光線の進行方向を変更することが可能となる。
【0056】
即ち、
図3aに示すように、電気湿潤素子134aの第1ないし第3電極144、146、148に電圧が印加されていない、または第2及び第3電極146、148に同一の電圧が印加された場合には、オイル層156が第2及び第3電極146、148と成す第1及び第2接触角(contact angle)CA1、CA2が互いに同一となる(CA1=CA2)。その結果、ウォーター層154とオイル層156との間の界面ISは、第1及び第2基板140、142と平行となる。よって、界面ISは、導光板138の入光面と平行となる。
【0057】
例えば、第1電極144に第1電圧V1が印加され、第2及び第3電極146、148に第1電圧V1より大きい、かつ、互いに同一の第2及び第3電圧(V2=V3>V1)が印加された場合、ウォーター層154とオイル層146との間の界面ISは、導光板138の入光面と平行となる。
【0058】
従って、光源部132の複数の線光源174から出射され、光線制御部134の複数の電気湿潤素子134aの第1及び第2基板140、142に垂直に入射した光線は、ウォーター層154とオイル層156との間の界面ISに垂直な法線NLに対して平行の入射角で入射することになる。すなわち、入射した光線は、界面ISで屈折されず法線NLに沿って出射され、第1支点N1に到達する。
【0059】
一方、
図3bに示すように、電気湿潤素子134aの第2及び第3電極146、148にそれぞれ異なる電圧が印加された場合には、オイル層156が第2及び第3電極146、148と成す第1及び第2接触角CA1、CA2が互いに相違する(CA1≠CA2)。そのため、ウォーター層154とオイル層156との間の界面ISは、第1及び第2基板140、142に対して傾くことになる。その結果、界面ISは、導光板138の入光面に対して傾くことになる。
【0060】
例えば、第1電極144に第1電圧V1が印加され、第2電極146に第1電圧V1より大きい第2電圧V2が印加され、第3電極148に第1電圧V1より大きく、かつ、第2電圧V2より小さい第3電圧(V2>V3>V1)が印加された場合、ウォーター層154とオイル層156との間の界面ISは、第1及び第2基板140、142、並びに、導光板138の入光面に対して傾くことになる。
【0061】
従って、光源部132の複数の線光源174から出射され、光線制御部134の複数の電気湿潤素子134aの第1及び第2基板140、142に垂直入射した光線は、ウォーター層154とオイル層156との間の界面ISに垂直した法線NLに対して水平でない入射角aで入射することになる。そのため、垂直入射した光線は、ウォーター層154とオイル層156との屈折率と入射角及び屈折角の関係を定義するスネルの法則(Snell’s Law)に従って、界面ISで屈折される。結果として、垂直入射した光線は、法線NLに対して水平でない出射角bで出射されて、第1支点N1から所定の距離だけ離れた第2支点N2に到達する。
【0062】
このように、本発明の第1実施形態に係る表示装置110の光線制御部134の複数の電気湿潤素子134aにおいては、第1ないし第3電極144、146、148に印加される第1ないし第3電圧V1、V2、V3を調節することによって、光源部132の複数の線光源174から出射される光線の進行方向を制御することができる。
【0063】
このとき、第1電圧V1は接地電圧であっても良く、第2及び第3電圧V2、V3はそれぞれプラスの電圧であっても良い。
【0064】
本発明の第1実施形態に係る表示装置110は、光線制御部134によって、入射された光線の進行方向を調節し、表示パネル120の映像を時分割で表示することで、様々なモード(例えば、2Dモード、3Dモード、マルチビューモードなど)で駆動できる。その詳細が以下に図面を参照して説明される。
【0065】
図4a及び
図4bは、本発明の第1実施形態に係る表示装置の2Dモード動作を示す図面であって、
図4aは1つのフレームの前半部である第1サブフレームの動作を示し、
図4bは1つのフレームの後半部である第2サブフレームの動作を示す。
【0066】
図4aに示すように、第1サブフレームの間に、2Dモードで動作する表示装置110の光源部132の複数の線光源174からは、導光板138に向かって複数の光線が出射される。光源部132から出射された複数の光線は、それぞれ光線制御部134の複数の電気湿潤素子134a及びレンズアレイ136の複数のレンチキュラーレンズ136aを通過する。その結果、出射された複数の光線がそれぞれ異なる入射角で集束されて導光板138に入射する。その後、複数の光線は、導光板138によってその進行方向が表示パネル120側に変更され、左眼LEに対応する第1視域VZ1に伝達される。
【0067】
例えば、複数の線光源174のうち、左側部から出射された第1光線R1は、複数の電気湿潤素子134aによって屈折されず直進して複数のレンチキュラーレンズ136a及び導光板138を通過した後、第1視域VZ1に伝達される。また、複数の線光源174のうち、中央部から出射された第2光線R2は、複数の電気湿潤素子134aによって左側に屈折されて複数のレンチキュラーレンズ136a及び導光板138を通過した後、第1視域VZ1に伝達される。また、複数の線光源174のうち、右側部から出射された第3光線R3は、複数の電気湿潤素子134aによって左側に第2光線R2より大きく屈折されて複数のレンチキュラーレンズ136a及び導光板138を通過した後、第1視域VZ1に伝達される。
【0068】
このとき、表示パネル120は、第1映像IM1を表示する。そして、第1サブフレームの間、ユーザーは、左眼LEで第1映像IM1を視聴する。
【0069】
そして、
図4bに示すように、第2サブフレームの間、2Dモードで動作する表示装置110の光源部132の複数の線光源174からは、導光板138に向かって複数の光線が出射される。光源部132から出射された複数の光線は、それぞれ光線制御部134の複数の電気湿潤素子134a及びレンズアレイ136の複数のレンチキュラーレンズ136aを通過する。その結果、出射された複数の光線がそれぞれ異なる入射角で集束されて導光板138に入射する。その後、複数の光線は、導光板138によってその進行方向が表示パネル120側に変更され、右眼REに対応する第2視域VZ2に伝達される。
【0070】
例えば、複数の線光源174のうち、左側部から出射された第1光線R1は、複数の電気湿潤素子134aによって右側に屈折されて複数のレンチキュラーレンズ136a及び導光板138を通過した後、第2視域VZ2に伝達される。また、複数の線光源174のうち、中央部から出射された第2光線R2は、複数の電気湿潤素子134aによって屈折されず複数のレンチキュラーレンズ136a及び導光板138を通過した後、第2視域VZ2に伝達される。複数の線光源174のうち、右側部から出射された第3光線R3は、複数の電気湿潤素子134aによって左側に屈折されて複数のレンチキュラーレンズ136a及び導光板138を通過した後、第2視域VZ2に伝達される。
【0071】
このとき、表示パネル120は、第1映像IM1を表示する。そして、第2サブフレームの間、ユーザーは、右眼REで第1映像IM1を視聴する。
【0072】
このように、2Dモードで動作する表示装置110では、第1サブフレームの間に、第1映像IM1がユーザーの左眼LEに伝達され、第2サブフレームの間に、同一の第1映像IM1がユーザーの右眼REに伝達される。従って、ユーザーは、2D(2次元)映像を視聴することができる。
【0073】
例えば、第1及び第2視域VZ1、VZ2の間の距離は、両眼視差である約65mmに対応する。表示装置110が120Hzで駆動される場合、1つのフレームは約16.7msであり、第1及び第2サブフレームはそれぞれ1/2フレームの約8.3msである。また、表示装置110が240Hzで駆動される場合、1つのフレームは約16.7msであり、第1ないし第4サブフレームはそれぞれ1/4フレームの約4.2msである。
【0074】
本発明の第1実施形態に係る表示装置110を2Dモードで駆動する場合、位置感知手段160は、ユーザーの左眼LE及び右眼REの位置に対する情報を把握する。制御部162は、位置感知手段160の位置情報に基づいて、第1映像IM1が予め定められたユーザーの左眼LE及び右眼REに伝達されるように、表示パネル120、光源部132、光線制御部134などを制御する。
【0075】
従って、位置情報に該当するユーザー以外の隣接ユーザーは、2D映像を視聴することができない。このような特徴を利用して、2Dモードの表示装置110は、現金自動預け払い機のモニターのように、保護されるべき個人情報を表示する場合に適用することができる。
【0076】
別の実施形態では、光線の幅を拡大することによって、単一フレーム全体の間に、第1映像IM1がユーザーの左眼LE及び右眼REに同時に伝達される。光線の幅が拡大されるので、光線は左眼LE及び右眼REへ一緒に伝達されることができ、光線の方向は単一フレーム全体を通して不変であることができる。
【0077】
図5a及び
図5bは、本発明の第1実施形態に係る表示装置の3Dモード動作を示す図面である。
図5aは1つのフレームの前半部である第1サブフレームの動作を示す。
図5bは1つのフレームの後半部である第2サブフレームの動作を示す。
【0078】
図5aに示すように、第1サブフレームの間、3Dモードで動作する表示装置110の光源部132の複数の線光源174からは、導光板138に向かって複数の光線が出射される。光源部132から出射された複数の光線は、それぞれ光線制御部134の複数の電気湿潤素子134a及びレンズアレイ136の複数のレンチキュラーレンズ136aを通過する。その結果、出射された複数の光線がそれぞれ異なる入射角で集束されて導光板138に入射する。その後、複数の光線は、導光板138によってその進行方向が表示パネル120側に変更され、左眼LEに対応する第1視域VZ1に伝達される。
【0079】
例えば、複数の線光源174のうち、左側部から出射された第1光線R1は、複数の電気湿潤素子134aによって屈折されず直進して複数のレンチキュラーレンズ136a及び導光板138を通過した後、第1視域VZ1に伝達される。また、複数の線光源174のうち、中央部から出射された第2光線R2は、複数の電気湿潤素子134aによって左側に屈折されて複数のレンチキュラーレンズ136a及び導光板138を通過した後、第1視域VZ1に伝達される。また、複数の線光源174のうち、右側部から出射された第3光線R3は、複数の電気湿潤素子134aによって左側に第2光線R2より大きく屈折されて複数のレンチキュラーレンズ136a及び導光板138を通過した後、第1視域VZ1に伝達される。
【0080】
このとき、表示パネル120は、第1映像IM1を表示する。そして、第1サブフレームの間、ユーザーは、左眼LEで第1映像IM1を視聴する。
【0081】
そして、
図5bに示すように、第2サブフレームの間、3Dモードで動作する表示装置110の光源部132の複数の線光源174からは、導光板138に向かって複数の光線が出射される。光源部132から出射された複数の光線は、それぞれ光線制御部134の複数の電気湿潤素子134a及びレンズアレイ136の複数のレンチキュラーレンズ136aを通過する。その結果、出射された複数の光線がそれぞれ異なる入射角で集束されて導光板138に入射する。その後、複数の光線は、導光板138によってその進行方向が表示パネル120側に変更され、右眼REに対応する第2視域VZ2に伝達される。
【0082】
例えば、複数の線光源174のうち、左側部から出射された第1光線R1は、複数の電気湿潤素子134aによって右側に屈折されて複数のレンチキュラーレンズ136a及び導光板138を通過した後、第2視域VZ2に伝達される。また、複数の線光源174のうち、中央部から出射された第2光線R2は、複数の電気湿潤素子134aによって屈折されず複数のレンチキュラーレンズ136a及び導光板138を通過した後、第2視域VZ2に伝達される。また、複数の線光源174のうち、右側部から出射された第3光線R3は、複数の電気湿潤素子134aによって左側に屈折されて複数のレンチキュラーレンズ136a及び導光板138を通過した後、第2視域VZ2に伝達される。
【0083】
このとき、表示パネル120は、右眼映像である第2映像IM2を表示する。そして、第2サブフレームの間、ユーザーは、右眼REで第2映像IM2を視聴する。
【0084】
このように、3Dモードで動作する表示装置110では、第1サブフレームの間に、左眼映像である第1映像IM1がユーザーの左眼LEに伝達され、第2サブフレームの間に、右眼映像である第2映像IM2がユーザーの右眼REに伝達される。従って、ユーザーは、第1及び第2映像IM1、IM2を合成して3D(3次元)映像を視聴することができる。
【0085】
例えば、第1及び第2視域VZ1、VZ2の間の距離は、両眼視差である約65mmに対応する。表示装置110が120Hzで駆動される場合、1つのフレームは約16.7msであり、第1及び第2サブフレームはそれぞれ1/2フレームの約8.3msである。また、表示装置110が240Hzで駆動される場合、1つのフレームは約16.7msであり、第1ないし第4サブフレームはそれぞれ1/4フレームの約4.2msである。
【0086】
本発明の第1実施形態に係る表示装置110を3Dモードで駆動する場合、位置感知手段160は、ユーザーの左眼LE及び右眼REの位置に対する情報を把握する。制御部162は、位置感知手段160の位置情報に基づいて、第1及び第2映像IM1、IM2が予め定められたユーザーの左眼LE及び右眼REに伝達されるように、表示パネル120、光源部132、光線制御部134などを制御する。
【0087】
従って、位置情報に該当するユーザー以外の隣接ユーザーは、3D映像を視聴することができない。このような特徴を利用して、3Dモードの表示装置110は、現金自動預け払い機のモニターのように保護されるべき個人情報を表示する場合に適用することができる。
【0088】
図6a、
図6b及び
図6cは、本発明の第1実施形態に係る表示装置のマルチビューモード動作を示す図面である。
図6a、
図6b及び
図6cは、それぞれ1つのフレームを構成する第1、第2及び第3サブフレームの動作を示す。
【0089】
図6aに示すように、第1サブフレームの間、マルチビューモードで動作する表示装置110の光源部132の複数の線光源174からは、導光板138に向かって複数の光線が出射される。光源部132から出射された複数の光線は、それぞれ光線制御部134の複数の電気湿潤素子134a及びレンズアレイ136の複数のレンチキュラーレンズ136aを通過する。その結果、出射された複数の光線がそれぞれ異なる入射角で集束されて導光板138に入射する。その後、複数の光線は、導光板138によってその進行方向が表示パネル120側に変更され、第1ユーザーU1に対応する第1視域VZ1に伝達される。
【0090】
例えば、複数の線光源174のうち、左側部から出射された第1光線R1は、複数の電気湿潤素子134aによって屈折されず直進して複数のレンチキュラーレンズ136a及び導光板138を通過した後、第1視域VZ1に伝達される。また、複数の線光源174のうち、中央部から出射された第2光線R2は、複数の電気湿潤素子134aによって左側に屈折されて複数のレンチキュラーレンズ136a及び導光板138を通過した後、第1視域VZ1に伝達される。また、複数の線光源174のうち、右側部から出射された第3光線R3は、複数の電気湿潤素子134aによって左側に第2光線R2より大きく屈折されて複数のレンチキュラーレンズ136a及び導光板138を通過した後、第1視域VZ1に伝達される。
【0091】
このとき、表示パネル120は、第1映像IM1を表示する。そして、第1サブフレームの間、第1ユーザーU1は、第1映像IM1を視聴する。
【0092】
図6bに示すように、第2サブフレームの間、マルチビューモードで動作する表示装置110の光源部132の複数の線光源174からは、導光板138に向かって複数の光線が出射される。光源部132から出射された複数の光線は、それぞれ光線制御部134の複数の電気湿潤素子134a及びレンズアレイ136の複数のレンチキュラーレンズ136aを通過する。その結果、出射された複数の光線がそれぞれ異なる入射角で集束されて導光板138に入射する。その後、複数の光線は、導光板138によって進行方向が表示パネル120側に変更され、第2ユーザーU2に対応する第2視域VZ2に伝達される。
【0093】
例えば、複数の線光源174のうち、左側部から出射された第1光線R1は、複数の電気湿潤素子134aによって右側に屈折されて複数のレンチキュラーレンズ136a及び導光板138を通過した後、第2視域VZ2に伝達される。また、複数の線光源174のうち、中央部から出射された第2光線R2は、複数の電気湿潤素子134aによって屈折されず複数のレンチキュラーレンズ136a及び導光板138を通過した後、第2視域VZ2に伝達される。また、複数の線光源174のうち、右側部から出射された第3光線R3は、複数の電気湿潤素子134aによって左側に屈折されて複数のレンチキュラーレンズ136a及び導光板138を通過した後、第2視域VZ2に伝達される。
【0094】
このとき、表示パネル120は、第2映像IM2を表示する。そして、第2サブフレームの間、第2ユーザーU2は、第2映像IM2を視聴する。
【0095】
そして、
図6cに示すように、第3サブフレームの間、マルチビューモードで動作する表示装置110の光源部132の複数の線光源174からは、導光板138に向かって複数の光線が出射される。光源部132から出射された複数の光線は、それぞれ光線制御部134の複数の電気湿潤素子134a及びレンズアレイ136の複数のレンチキュラーレンズ136aを通過する。その結果、出射された複数の光線がそれぞれ異なる入射角で集束されて導光板138に入射する。その後、複数の光線は、導光板138によってその進行方向が表示パネル120側に変更され、第3ユーザーU3に対応する第3視域VZ3に伝達される。
【0096】
例えば、複数の線光源174のうち、左側部から出射された第1光線R1は、複数の電気湿潤素子134aによって右側に屈折されて複数のレンチキュラーレンズ136a及び導光板138を通過した後、第3視域VZ3に伝達される。また、複数の線光源174のうち、中央部から出射された第2光線R2は、複数の電気湿潤素子134aによって左側に第1光線R1より小さく屈折されて複数のレンチキュラーレンズ136a及び導光板138を通過した後、第3視域VZ3に伝達される。また、複数の線光源174のうち、右側部から出射された第3光線R3は、複数の電気湿潤素子134aによって屈折されず直進して複数のレンチキュラーレンズ136a及び導光板138を通過した後、第3視域VZ3に伝達される。
【0097】
このとき、表示パネル120は、第3映像IM3を表示する。そして、第3サブフレームの間、第3ユーザーU3は、第3映像IM3を視聴する。
【0098】
このように、マルチビューモードで動作する表示装置110では、第1サブフレームの間に、第1映像IM1が第1ユーザーU1に伝達され、第2サブフレームの間に、第2映像IM2が第2ユーザーU2に伝達され、第3サブフレームの間に、第3映像IM3が第3ユーザーU3に伝達される。従って、第1ないし第3ユーザーU1ないしU3は、それぞれ第1ないし第3映像IM1ないしIM3を視聴することができる。
【0099】
例えば、表示装置110が120Hzで駆動される場合、1つのフレームは約16.7msであり、第1ないし第3サブフレームはそれぞれ1/3フレームの約5.6msである。また、表示装置110が240Hzで駆動される場合、1つのフレームは約16.7msであり、第1ないし第6サブフレームはそれぞれ1/6フレームの約2.8msである。
【0100】
本発明の第1実施形態に係る表示装置110をマルチビューモードで駆動する場合、位置感知手段160は、第1ないし第3ユーザーU1ないしU3の位置に対する情報を把握する。制御部162は、位置感知手段160の位置情報に基づいて、第1ないし第3映像IM1ないしIM3が予め定められたユーザーに伝達されるように、表示パネル120、光源部132、光線制御部134などを制御する。
【0101】
本発明の第1実施形態に係る表示装置110をマルチビューモードで駆動する場合、第1ないし第3映像IM1ないしIM3が同一の映像である場合には、第1ないし第3ユーザーU1ないしU3は皆、同一映像を視聴することができる。また、第1ないし第3映像IM1ないしIM3が相違する映像である場合には、第1ないし第3ユーザーU1ないしU3は、それぞれ別の映像を視聴することができる。
【0102】
従って、本発明の第1実施形態に係る1つの表示装置110によって、複数のユーザーが、互いに相違する映像を視聴することができる。このような特徴を利用して、本発明の第1実施形態に係る表示装置110は、ゲーム機のモニターとして用いられ、複数のユーザーがそれぞれの観点でゲーム画面を視聴しながらゲームを進行させることもできる。
【0103】
更に、第1ないし第3サブフレームを更に2分割し、2分割されたサブフレームの間、それぞれ第1ないし第3ユーザーU1ないしU3の左眼及び右眼に光線が伝達されると共に、表示パネル120がそれぞれ左眼映像及び右眼映像を表示することができる。この場合、第1ないし第3ユーザーU1ないしU3は、それぞれ互いに相違する3D映像を視聴することもできる。
【0104】
一方、表示パネル120が、例えば液晶表示(LCD)装置のような、1つのピクセルが1フレームの間に連続的に発光するホールドタイプである場合、2Dモード、3Dモード、マルチビューモードなどの各サブフレームの間、以前のフレームの映像が現在のフレームの映像と混在することがある。
【0105】
このような映像の混在は残像を引き起こすことがある。このような場合、以前のフレームの映像と現在のフレームの映像が混在する間だけ光源部132の複数の線光源174を消灯してブラックを表示し、現在のフレームの映像のみが存在するときは、光源部132の複数の線光源174を点灯することができる。このように動作させることで、残像を防止し、また、例えば陰極線管(CRT)装置のような、1つのピクセルが1フレームの間に瞬間的に発光するインパルシブタイプとして表示装置110を駆動させることもできる。
【0106】
一方、他の実施形態においては、光線制御部の代わりに複数の線光源を更に細かく配置し、複数の線光源を選択的に点灯することにより、光線の方向を制御することもできる。このような実施形態について図面を参照して説明する。
【0107】
図7a及び
図7bは、本発明の第2実施形態に係る線光源を含む表示装置の平面図及び断面図である。
【0108】
図7a及び
図7bに示すように、本発明の第2実施形態に係る表示装置210は、映像を表示する表示パネル220と、表示パネル220に光を供給するバックライトユニット230と、ユーザーの位置を把握する位置感知手段260と、表示パネル220、バックライトユニット230及び位置感知手段260を制御する制御部262とを含む。
【0109】
表示パネル220は、複数の画素(不図示)を含む。複数の画素には、複数のサブフレームの各々の間に、少なくとも1つの映像信号が入力され得る。複数のサブフレームは、一つのフレームを時分割することにより得られる。例えば、対面する2枚の基板と、2枚の基板の間に介在される液晶層と、を含む透過型液晶パネルが、表示パネル220として用いて構成されることができる。
【0110】
バックライトユニット230は、光線を出射する光源部232と、光源部232から出射された光線を集束するレンズアレイ236と、レンズアレイ236を通過した光線の方向を、表示パネル220側に変更して出射する導光板238とを含む。
【0111】
光源部232及びレンズアレイ236は、導光板238の一縁部に沿って配置され、導光板238は表示パネル220の下部に配置される。
【0112】
光源部232は、ベース基板272と、ベース基板272の上部に互いに離隔して装着される複数の線光源274とを含む。複数の線光源274は、例えば、単一方向に光を出射する発光ダイオード(light emitting diode:LED)、有機発光ダイオード(organic light emitting diode:OLED)、レーザーなどを用いて構成されることができる。
【0113】
レンズアレイ236は、それぞれが半円筒形状を有する複数のレンチキュラーレンズ236aを含む。
【0114】
複数の線光源274は、複数のレンチキュラーレンズ236aのうち、1つに対応する。
【0115】
導光板238は、入光面がレンズアレイ236と対面するように配置される。そして、レンズアレイ236を通過した光線が数回の全反射によって導光板238内を経由するようにすることで、垂直に均一な線形光線を表示パネル220に供給することができる。
【0116】
そのため、導光板238の背面は、水平面に対して傾くように構成されることができる。また、導光板238の背面には特定形状のパターンが形成されることができる。
【0117】
例えば、導光板238の背面には、楕円状のパターン(elliptical pattern)、多角形のパターン(polygon pattern)、ホログラムパターン(hologram pattern)などが形成されることができる。このようなパターンは、導光板238の下部面に印刷方式または射出方式で形成されることができる。
【0118】
位置感知手段260は、ユーザーまたはユーザーの左眼・右眼など、表示パネル220の映像が到達すべき位置に対する情報を把握する。位置感知手段260は、例えば、カメラを用いて構成されることができる。
【0119】
制御部262は、位置感知手段260が把握した位置情報に基づいて、映像の種類、光線の屈折度合い、光線の発光タイミングを決定する。更に、制御部262は、その決定内容に基づいて、表示パネル220、光源部232及び光線制御部234を駆動する。
【0120】
より具体的には、制御部262は、上記決定をした時点で、光源部232の複数の線光源274のうち、一部が選択的に光線を出射するように制御する。また、制御部262は、表示パネル220が特定映像を表示するように制御する。制御部262によるこれらの制御により、制御部262が上記決定をした時点で、特定映像が、特定の位置にいるユーザーまたはユーザーの左眼・右眼に伝達されることが可能となる。
【0121】
かかる光源部232及びレンズアレイ236について図面を参照して説明する。
【0122】
図8は、本発明の第2実施形態に係る表示装置の光源部及びレンズアレイを示す図面である。
【0123】
図8に示すように、光源部232は、ベース基板272と、ベース基板272の上部に互いに隔離されて構成される複数の線光源274と、を含む。また、レンズアレイ236は、複数のレンチキュラーレンズ236aを含む。
【0124】
複数の線光源274の間の第1ピッチaは、複数のレンチキュラーレンズ236a間の第2ピッチbより小さい。例えば、複数のレンチキュラーレンズ236a間の第2ピッチbは、複数の線光源274の間の第1ピッチaの2倍以上であっても良い。また、第1ピッチa及び第2ピッチbの大きさは、3次元映像表示の特性によって変更することができる。
【0125】
そして、複数の線光源274のそれぞれの第1高さcは、複数のレンチキュラーレンズ236aのそれぞれの第2高さdと同一である。
【0126】
また、複数の線光源274と複数のレンチキュラーレンズ236aとの間の離隔距離は、3次元映像表示の特性によって様々に変更することができる。
【0127】
このような特徴を持つ本発明の第2実施形態に係る線光源を含む表示装置210は、表示パネル220の第1及び第2映像を時分割で表示し、光源部232の複数の線光源274を順次点灯して光線の進行方向を変更する。このように動作させることで、本発明の第2実施形態に係る表示装置210は、様々なモード(例えば、2Dモード、3Dモード、マルチビューモードなど)で駆動されることができる。
【0128】
即ち、まず、1つのフレームの前半部である第1サブフレームの間、表示パネル220が第1映像を表示する。次いで、レンズアレイ236の複数のレンチキュラーレンズ236aのそれぞれに対応する複数の線光源274のうち、1つ目を点灯して光線が第1視域に到達するように制御する。このように動作させることで、表示装置210は、第1視域で第1映像を表示することができる。
【0129】
同様に、まず、1つのフレームの後半部である第2サブフレームの間、表示パネル220が第2映像を表示する。次いで、レンズアレイ236の複数のレンチキュラーレンズ236aのそれぞれに対応する複数の線光源274のうち、2つ目を点灯して光線が第2視域に到達するように制御する。このように動作させることで、表示装置210は、第2視域で第2映像を表示することができる。
【0130】
第1及び第2映像が同一映像である場合、表示装置210は2Dモードで駆動される。また、第1及び第2映像が左眼映像及び右眼映像である場合、表示装置210は3Dモードで駆動される。また、第1及び第2映像が異なる映像である場合、表示装置210はマルチビューモードで駆動される。
【0131】
一方、他の実施形態においては、光源部は複数の光源層を備え、複数の光源層のそれぞれがレンズアレイから異なる離隔距離で配置されるように構成される。このような実施形態について図面を参照して以下に説明する。
【0132】
図9a及び
図9bは、それぞれ本発明の第3実施形態に係る線光源を含む表示装置の平面図及び断面図である。
【0133】
図9a及び
図9bに示すように、本発明の第3実施形態に係る表示装置310は、映像を表示する表示パネル320と、表示パネル320に光を供給するバックライトユニット330と、ユーザーの位置を把握する位置感知手段360と、表示パネル320、バックライトユニット330及び位置感知手段360を制御する制御部362とを含む。
【0134】
表示パネル320、バックライトユニット330(不図示)の導光板338、位置感知手段360、制御部362は第2実施形態と同一であるため、その説明を省略する。
【0135】
バックライトユニット330は、光線を出射する光源部332と、光源部332から出射された光線を集束するレンズアレイ336と、レンズアレイ336を通過した光線の方向を、表示パネル320側に変更して出射する導光板338と、を含む。
【0136】
光源部332及びレンズアレイ336は、導光板338の一縁部に沿って配置され、導光板338は表示パネル320の下部に配置される。
【0137】
光源部332は複数の光源層332a、332b、332c、…を含む。複数の光源層332a、332b、332c…は、レンズアレイ336からそれぞれ異なる離隔距離で配置される。光源層332aは、ベース基板372aと線光源374aとから構成される。ここで、線光源374aは、ベース基板372aの上部に構成されている。同様に、光源層332bは、ベース基板372bと線光源374bとから構成される。ここで、線光源374bは、ベース基板372bの上部に構成されている。同様に、光源層332cは、ベース基板372cと線光源374cとで構成される。ここで、線光源374cは、ベース基板372cの上部に構成されている。
【0138】
例えば、複数の光源層332a、332b、332c、…のうち、第1光源層332aは、レンズアレイ336から第1離隔距離d1だけ離間して構成ことができる。また、第2光源層332bは、レンズアレイ336から第1離隔距離d1より大きい第2離隔距離d2だけ離間して構成することができる。また、第3光源層332cは、レンズアレイ336から第2離隔距離d2より大きい第3離隔距離d3だけ離間して構成することができる。
【0139】
このとき、第1ないし第3離隔距離d1、d2、d3は、例えば、それぞれ約1.5mm、約1.6mm、約1.7mmとすることができる。
【0140】
また、例えば、複数の線光源374として、単一方向に光を出射する発光ダイオード(light emitting diode:LED)、有機発光ダイオード(organic light emitting diode:OLED)、レーザーなどを用いることができる。
【0141】
レンズアレイ336は、それぞれが半円筒形状を有する複数のレンチキュラーレンズ336aを含む。複数のレンチキュラーレンズ336aのそれぞれは、複数の光源層332a、332b、332c、…のそれぞれの複数の線光源374a、374b、374c、…に対応する。
【0142】
例えば、複数のレンチキュラーレンズ336aのそれぞれは、第1光源層332aの第1線光源374a、第2光源層332bの第2線光源374b、第3光源層332cの第3線光源374cなどに対応する。
【0143】
このように、光源部332を、互いに異なる離隔距離を有する複数の光源層332a、332b、332c、…で構成することで、表示装置310から様々な距離に位置するユーザーに、明確な3次元映像を提供することができる。その結果、表示装置310の視聴領域を拡大することができる。
【0144】
かかる光源部332について図面を参照して説明する。
【0145】
図10は、本発明の第3実施形態に係る表示装置の光源部を示す図面である。ここで、
図10においては、垂直方向に所定の間隔だけ離間して配置される複数の光源層が水平方向に対して示されている。
【0146】
図10に示すように、本発明の第3実施形態に係る表示装置310の光源部332は、複数の光源層332a、332b、332c、…を含む。複数の光源層332a、332b、332c、…は、レンズアレイ336から互いに異なる離隔距離で配置される。光源層332aは、ベース基板372aと複数の線光源374aと複数の透過領域376aとから構成される。同様に、光源層332bは、ベース基板372bと複数の線光源374bと複数の透過領域376bとから構成される。同様に、光源層332cは、ベース基板372cと複数の線光源374cと複数の透過領域376とから構成される。
【0147】
例えば、第1ベース基板372aは、複数の第1線光源374aと、複数の第1線光源374aの間の複数の第1透過領域376aを含む。同様に、第2ベース基板372bは、複数の第2線光源374bと、複数の第2線光源374bの間の複数の第2透過領域376bを含む。同様に、第3ベース基板372cは、複数の第3線光源374cと、複数の第3線光源374cの間の複数の第3透過領域376cを含む。
【0148】
複数のベース基板372a、372b、372c、…のうち、いずれかの1つの複数の透過領域376a、376b、376c、…は、残りベース基板372a、372b、372c、…の複数の線光源374a、374b、374c、…に対応し、それらから出射される光線を透過させる役割をする。
【0149】
例えば、第1ベース基板372aの複数の第1透過領域376aは、第2ベース基板372bの複数の第2線光源374b及び第3ベース基板372bの複数の第3線光源374cから出射される光線を透過させる。同様に、第2ベース基板372bの複数の第2透過領域376bは、第1ベース基板372aの複数の第1線光源374a及び第3ベース基板372cの複数の第3線光源374cから出射される光線を透過させる。同様に、第3ベース基板372cの複数の第3透過領域376cは、第1ベース基板372aの複数の第1線光源374a及び第2ベース基板372bの複数の第2線光源374bから出射される光線を透過させる。
【0150】
このような複数の透過領域376a、376b、376c、…は、複数のベース基板372a、372b、372c、…の該当領域を開口することにより形成できる。または、複数のベース基板372a、372b、372c、…の該当領域を透明材質(例えば、透明なプラスチックまたは透明なガラスなど)に代替することにより、形成できる。
【0151】
複数の光源層を互いに相違する離隔距離で配置した場合の視聴距離によるビーム幅の変化について、図面を参照して説明する。
【0152】
図11は、本発明の第3実施形態に係る線光源を含む表示装置の視聴距離によるビーム幅の変化を示す図面である。
図9a、
図9b及び
図10を共に参照して説明する。
【0153】
図11において視聴距離とは、表示装置からユーザーまでの距離を意味する。また、ビーム幅(beam width)とは、ユーザーの位置における、線光源から出射された光線の幅を意味する。
【0154】
図11に示すように、第1光源層362aの複数の第1線光源374aから出射された光線は、約1000mmないし約1500mmの範囲の視聴距離においては、約48mmないし約52mmの範囲のビーム幅を有する。しかしながら、約1600mmないし約2000mmの範囲の視聴距離においては、第1線光源374aから出射された光線は、約52mmないし約63mmの範囲のビーム幅を有する。
【0155】
そして、第2光源層362bの複数の第2線光源374bから出射された光線は、約1000mmないし約1200mmの範囲の視聴距離においては、約56mmないし約65mmの範囲のビーム幅を有する。しかしながら、約1300mmないし約2000mmの範囲の視聴距離においては、第2線光源374bから出射された光線は、約45mmないし約54mmの範囲のビーム幅を有する。
【0156】
ここで、左眼映像または右眼映像がユーザーの左眼・右眼の双方に入射した場合、3次元クロストークのような表示品質の不良が発生することがある。このような品質の低下を考慮して、ビーム幅が約50mm±5mmの範囲から外れると、3次元映像の表示品質が低下するものと判断するように、表示装置を構成することができる。
【0157】
従って、ユーザーが1500mm以下の視聴距離に位置する場合、第1光源層362aの複数の第1線光源374aを点灯させて映像を表示することができる。また、ユーザーが1500mm以上の視聴距離に位置する場合、第2光源層362bの複数の第2線光源374bを点灯させて映像を表示することができる。このような制御によって、様々な視聴距離に位置する複数のユーザーに、約50mm±5mmの範囲のビーム幅で品質の低下を抑制した3次元映像を提供することができる。
【0158】
その結果、3次元クロストークのような表示画像の品質不良を抑制し、表示装置310の視聴領域を拡張することができる。
【0159】
一方、他の実施形態においては、1つの光源部で互いに相違する離隔距離を有する複数の線光源を構成することもできる。そのような実施形態について、図面を参照して説明する。
【0160】
図12は、本発明の第4実施形態に係る線光源を含む表示装置の平面図である。
【0161】
図12に示すように、本発明の第4実施形態に係る表示装置410は、映像を表示する表示パネル420と、表示パネル420に光を供給するバックライトユニット430と、ユーザーの位置を把握する位置感知手段460と、表示パネル420、バックライトユニット430及び位置感知手段460を制御する制御部462とを含む。
【0162】
表示パネル420、バックライトユニット(不図示)の導光板(不図示)、位置感知手段460、及び制御部462は、第2及び第3実施形態と同一であるため、その説明を省略する。
【0163】
バックライトユニットは、光線を出射する光源部432と、光源部432から出射された光線を集束するレンズアレイ436と、レンズアレイ436を通過した光線の方向を、表示パネル420側に変更して出射する導光板と、を含む。
【0164】
光源部432及びレンズアレイ436は、導光板の一縁部に沿って配置される。また、導光板は表示パネル420の下部に配置される。
【0165】
光源部432は、ベース基板472と、複数の線光源474a、474b、474c、…と、を含む。複数の線光源474a、474b、474c、…は、ベース基板472の上部に構成される。複数の線光源474a、474b、474c、…は、互いに離隔して構成され、レンズアレイ436からそれぞれ異なる離隔距離で配置される。
【0166】
そのため、ベース基板472は、階段状の段差によって相違する高さを有する複数の層を有するように形成される。複数の線光源474a、474b、474c、…は、複数の層にそれぞれ構成されることができる。
【0167】
例えば、複数の線光源474a、474b、474c、…のうち、第1線光源474aは、レンズアレイ436から第1離隔距離d1だけ離間した第1層に構成されることができる。また、第2線光源474bは、レンズアレイ436から第1離隔距離d1より大きい第2離隔距離d2程離隔した第2層に構成されることができる。また、第3線光源474cは、レンズアレイ436から第2離隔距離d2より大きい第3離隔距離d3程離隔した第3層に構成されることができる。
【0168】
このとき、第1ないし第3離隔距離d1、d2、d3は、例えば、それぞれ約1.5mm、約1.6mm、約1.7mmとすることができる。
【0169】
また、例えば、複数の線光源474a、474b、474c、…として、単一方向に光を出射する発光ダイオード(light emitting diode:LED)、有機発光ダイオード(organic light emitting diode:OLED)、レーザーなどを用いて構成することができる。
【0170】
レンズアレイ436は、それぞれが半円筒形状を有する複数のレンチキュラーレンズ436aを含む。複数のレンチキュラーレンズ436aのそれぞれは、複数の線光源474a、474b、474c、…に対応することができる。
【0171】
例えば、複数のレンチキュラーレンズ436aのそれぞれは、第1線光源474a、第2線光源474b、第3線光源474cなどに対応する。
【0172】
このように、光源部432を、互いに異なる離間距離を有する複数の線光源474a、474b、474c、…で構成することで、表示装置410から様々な距離に位置するユーザーに明確な3次元映像を提供することができる。その結果、表示装置410の視聴領域を拡大することが可能となる。
【0173】
一方、他の実施形態においては、表示装置の前面に偏光板及びパターンドリターダーを配置し、ユーザーが偏光眼鏡を着用することで、眼鏡方式または無眼鏡方式で3次元映像を表示することも可能である。このような実施形態について図面を参照して説明する。
【0174】
図13は、本発明の第5実施形態に係る線光源を含む表示装置の平面図である。
【0175】
図13に示すように、本発明の第5実施形態に係る表示装置510は、映像を表示する表示パネル520と、表示パネル520に光を供給するバックライトユニット(不図示)と、ユーザーの位置を把握する位置感知手段560と、表示パネル520、バックライトユニット及び位置感知手段560を制御する制御部562と、表示パネル520の前面に配置される偏光板582と、偏光板582の前面に配置されるパターンドリターダー584とを含む。
【0176】
表示パネル520、バックライトユニットの導光板(不図示)、位置感知手段560、制御部562は第2乃至第4実施形態と同一であるため、その説明を省略する。
【0177】
バックライトユニットは、光線を出射する光源部532と、光源部532から出射された光線を集束するレンズアレイ536と、レンズアレイ536を通過した光線の方向を、表示パネル520側に変更して出射する導光板と、を含む。
【0178】
光源部532及びレンズアレイ536は、導光板の一縁部に沿って配置される。導光板は表示パネル520の下部に配置される。
【0179】
光源部532は、ベース基板572と、ベース基板572の上部に互いに離隔して構成される複数の線光源574とを含む。複数の線光源574は、例えば、単一方向に光を出射する発光ダイオード(light emitting diode:LED)、有機発光ダイオード(organic light emitting diode:OLED)、レーザーなどを用いて構成されることができる。
【0180】
レンズアレイ536は、それぞれが半円筒形状を有する複数のレンチキュラーレンズ536aを含む。
【0181】
複数の線光源574は、複数のレンチキュラーレンズ536aのうち、1つに対応する。
【0182】
偏光板582は、表示パネル520が表示する左眼映像及び右眼映像を、それぞれ線偏光された左眼映像及び線偏光された右眼映像に変調し、パターンドリターダー584に伝達する。
【0183】
パターンドリターダー584は、左眼リターダー584a及び右眼リターダー584bを含む。左眼リターダー584a及び右眼リターダー584bは、表示パネル520の垂直方向に沿って交互に配置される。
【0184】
ユーザーが着用する偏光眼鏡586は、左眼レンズ586a及び右眼レンズ586bを含む。左眼レンズ586aは左円偏光のみを透過させ、右眼レンズ586bは右円偏光のみを透過させる。
【0185】
従って、ユーザーに伝達された映像のうち、左円偏光された左眼映像は、左眼レンズ586aを通してユーザーの左眼に伝達される。右円偏光された右眼映像は、右眼レンズ586bを通してユーザーの右眼に伝達される。ユーザーは、左眼・右眼にそれぞれ伝達された左眼映像及び右眼映像を組み合わせて3次元立体映像を認識することになる。
【0186】
このように本発明の第5実施形態に係る線光源を含む表示装置510は、表示パネル520の第1及び第2映像を時分割で表示し、光源部532の複数の線光源574を順次点灯して光線の進行方向を変更するように動作可能である。このように動作させることで、本発明の第5実施形態に係る表示装置510は、無眼鏡方式の様々なモード(例えば、2Dモード、3Dモード、マルチビューモードなど)で駆動されることができる。
【0187】
この場合、表示パネル520の第1及び第2水平画素ラインは、全体が時分割で第1及び第2映像を表示する。従って、偏光眼鏡586を着用していないユーザーは、表示パネル520の第1及び第2水平画素ライン全体の第1及び第2映像を共に視聴することができる。
【0188】
そして、本発明の第5実施形態に係る線光源を含む表示装置510は、表示パネル520の第1及び第2水平画素ラインがそれぞれ第1及び第2映像をそれぞれ表示する。そして、偏光眼鏡586を着用したユーザーの左眼及び右眼に、第1及び第2水平画素ラインが表示する第1及び第2映像がそれぞれ伝達されるように制御する。このように動作させることで、ことで、本発明の第5実施形態に係る表示装置510は、眼鏡方式の様々なモード(例えば、2Dモード、3Dモードなど)で駆動されることができる。
【0189】
なお、上記においては、本発明の望ましい実施形態を参照して説明したが、後述する特許請求の範囲に記載された本発明の精神と領域を逸脱しない範囲内で、本発明を種々に修正及び変更できることは、当該技術分野の当業者にとって自明である。