特許第5767301号(P5767301)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5767301枕の高さ決定装置、その方法及びそのプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5767301
(24)【登録日】2015年6月26日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】枕の高さ決定装置、その方法及びそのプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/02 20060101AFI20150730BHJP
【FI】
   G01B11/02 H
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-235789(P2013-235789)
(22)【出願日】2013年11月14日
(65)【公開番号】特開2015-94740(P2015-94740A)
(43)【公開日】2015年5月18日
【審査請求日】2013年11月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】591034143
【氏名又は名称】西川リビング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076314
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100112612
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲士
(74)【代理人】
【識別番号】100112623
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 克幸
(74)【代理人】
【識別番号】100059225
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 璋子
(72)【発明者】
【氏名】辻子 直樹
(72)【発明者】
【氏名】杉本 直子
【審査官】 梶田 真也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−212669(JP,A)
【文献】 特許第3845612(JP,B2)
【文献】 登録実用新案第3109050(JP,U)
【文献】 特開2006−113056(JP,A)
【文献】 特開2000−296044(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B11/00−11/30
A47G 9/00−11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真っ直ぐに立った被験者の横の姿が撮影された人物画像を取得する取得部と、
前記人物画像中の前記被験者の後頭部、背中、臀部の位置を決定する位置決定部と、
前記後頭部と前記背中を結ぶ第1直線を算出する第1直線算出部と、
前記背中と前記臀部とを結ぶ第2直線を算出する第2直線算出部と、
前記第1直線と前記第2直線とが交差する頭傾斜角度θを算出する角度算出部と、
前記後頭部の位置において前記第2直線が前記第1直線より後方に位置した状態で前記頭傾斜角度θが大きいほど、枕の高さを高く決定する高さ決定部と、
を有し、
前記位置決定部は、前記人物画像中の前記被験者の前記後頭部、前記背中、前記臀部の位置に位置特定目印をそれぞれ移動させることにより、前記後頭部、前記背中、前記臀部の位置を決定する、
枕の高さ決定装置。
【請求項2】
前記高さ決定部は、前記頭傾斜角度θが、第1閾値角度θ1より大きいときは高い枕に決定し、第1閾値角度θ1より小さく第2閾値角度θ2(但し、θ1>θ2である)より大きいときは普通の高さの枕に決定し、第2閾値角度θ2より小さいときは低い枕に決定する、
請求項1記載の枕の高さ決定装置。
【請求項3】
前記高さ決定部は、前記後頭部の位置において前記第2直線が前記第1直線より前方に位置した状態のときは、非常に低い枕、又は、枕が不要と決定する、
請求項2記載の枕の高さ決定装置。
【請求項4】
前記頭傾斜角度に対応した前記枕の種類が記憶された記憶部をさらに有し、
前記高さ決定部は、前記頭傾斜角度に対応した前記枕の種類を前記記憶部から呼び出す、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の枕の高さ決定装置。
【請求項5】
前記位置決定部は、前記人物画像中の前記被験者の腰部をさらに決定し、
前記第2直線に沿って寝具の側面画像を前記人物画像に重ねて表示し、
前記背中と前記臀部の位置を前記第2直線の高さより低く補正した前記側面画像、又は、前記腰部の位置を前記第2直線の高さより高く補正した前記側面画像を生成する寝具画像生成部をさらに有する、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の枕の高さ決定装置。
【請求項6】
真っ直ぐに立った被験者の横の姿が撮影された画像を取得する取得ステップと、
前記人物画像中の前記被験者の後頭部、背中、臀部の位置を決定する位置決定ステップと、
前記後頭部と前記背中を結ぶ第1直線を算出する第1直線算出ステップと、
前記背中と前記臀部とを結ぶ第2直線を算出する第2直線算出ステップと、
前記第1直線と前記第2直線とが交差する頭傾斜角度を算出する角度算出ステップと、
前記頭傾斜角度が大きいほど、枕の高さを高く算出する高さ決定ステップと、
を有し、
前記位置決定ステップにおいて、前記人物画像中の前記被験者の前記後頭部、前記背中、前記臀部の位置に位置特定目印をそれぞれ移動させることにより、前記後頭部、前記背中、前記臀部の位置を決定する、
枕の高さ決定方法。
【請求項7】
真っ直ぐに立った被験者の横の姿が撮影された画像を取得する取得機能と、
前記人物画像中の前記被験者の後頭部、背中、臀部の位置を決定する位置決定機能と、
前記後頭部と前記背中を結ぶ第1直線を算出する第1直線算出機能と、
前記背中と前記臀部とを結ぶ第2直線を算出する第2直線算出機能と、
前記第1直線と前記第2直線とが交差する頭傾斜角度を算出する角度算出機能と、
前記頭傾斜角度が大きいほど、枕の高さを高く算出する高さ決定機能と、
をコンピュータに実現させ
前記位置決定機能において、前記人物画像中の前記被験者の前記後頭部、前記背中、前記臀部の位置に位置特定目印をそれぞれ移動させることにより、前記後頭部、前記背中、前記臀部の位置を決定する、
枕の高さ決定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枕の高さ決定装置、その方法及びそのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、自分に合った枕を選ぶ枕ブームであるが、この自分に合った枕の高さを選ぶことは難しい。そのため、従来より枕の高さの決定方法としては、頭部の位置と頸椎の位置をノギスで技術者が測り、これに基づいて枕の高さを決定したり、また、水平方向に移動自在な複数本の棒からなる頸椎測定器を被験者の後頭部に当て、後頭部から頸椎高さまでの高さを計測し、それに基づいて枕の高さを決定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平7−49364号公報
【特許文献2】実用新登録第3095282号公報
【特許文献3】特開平10−168631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のような従来の枕の高さの決定方法では、熟練した技術が必要であると共に、後頭部の形状のみから枕の高さを決定するため、被験者の背中や臀部などの体型を考慮した枕の高さになっていないという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、背中、臀部の位置を考慮しつつ簡単に枕の高さを決定できる枕の高さ決定装置、その方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、被験者の横の姿が撮影された人物画像を取得する取得部と、前記人物画像中の前記被験者の後頭部、背中、臀部の位置を決定する位置決定部と、前記後頭部と前記背中を結ぶ第1直線を算出する第1直線算出部と、前記背中と前記臀部とを結ぶ第2直線を算出する第2直線算出部と、前記第1直線と前記第2直線とが交差する頭傾斜角度を算出する角度算出部と、前記頭傾斜角度が大きいほど、枕の高さを高く決定する高さ算出部と、を有する枕の高さ決定装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態は、真っ直ぐに立った被験者の横の姿が撮影された人物画像を取得する取得部と、
前記人物画像中の前記被験者の後頭部、背中、臀部の位置を決定する位置決定部と、
前記後頭部と前記背中を結ぶ第1直線を算出する第1直線算出部と、
前記背中と前記臀部とを結ぶ第2直線を算出する第2直線算出部と、
前記第1直線と前記第2直線とが交差する頭傾斜角度θを算出する角度算出部と、
前記頭傾斜角度が大きいほど、枕の高さを高く決定する高さ算出部と、
を有し、
前記位置決定部は、前記人物画像中の前記被験者の前記後頭部、前記背中、前記臀部の位置に位置特定目印をそれぞれ移動させることにより、前記後頭部、前記背中、前記臀部の位置を決定する、である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態を示す枕の高さ決定装置のブロック図である。
図2】本装置のブロック図である。
図3】被験者の横の姿を撮影した人物画像の図である。
図4】被験者の後頭部などの位置を決定したときの人物画像の図である。
図5】第1直線と第2直線を決定したときの人物画像の図である。
図6】他の被験者の第1直線と第2直線を決定したときの人物画像の図である。
図7】さらに他の被験者の第1直線と第2直線を決定したときの人物画像の図である。
図8】寝具を決定するときの人物画像の図である。
図9】枕と寝具を決定したときの人物画像の図である。
図10】枕の高さ決定装置のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の枕の高さ決定装置(以下、単に「決定装置」という)10について図1図10に基づいて説明する。本実施形態の決定装置10は、例えばタブレット端末によって実現する。
【0010】
(1)決定装置10の構成
決定装置10の構成について図1図2に基づいて説明する。
【0011】
決定装置10は、上記したようにタブレット端末によって実現でき、図1に示すように、制御部12、カメラ14、表示部16、タッチパネル18、記憶部20、通信部36を有している。
【0012】
制御部12はCPUよりなり、図2に示すように、取得部40、位置決定部42、第1直線算出部44、第2直線算出部46、角度算出部48、高さ算出部50、寝具画像生成部52を有する。これら取得部40、位置決定部42、第1直線算出部44、第2直線算出部46、角度算出部48、高さ決定部50、寝具画像生成部52は、コンピュータである制御部12に格納された枕の高さ決定プログラムによって実現される。
【0013】
カメラ14は、タブレット端末の裏面に設けられたCCD素子である。
【0014】
表示部16は、タブレット端末の表面に設けられた、例えば10インチの液晶表示装置である。
【0015】
タッチパネル18は、表示部16の表面に設けられている。
【0016】
記憶部20は、メモリからなり、高い枕の画像と素材別の価格の一覧表、普通の(高さの)枕の画像と素材別の価格の一覧表、低い枕の画像と素材別の価格の一覧表、非常に低い枕の画像と素材別の価格の一覧表がそれぞれ記憶されている。なお、「高い枕」とは、例えば高さが5〜7cm、「普通の枕」とは、例えば高さが3〜5cm、「低い枕」とは、例えば高さが1〜3cm、「非常に低い枕」とは、例えば高さが1cm以下である。また、枕2の素材とは、例えばポリエステル綿、ソフトパイプ、ハードパイプである。
【0017】
通信部36は、サーバーなどのパソコン、他のタブレット端末、スマートフォン、プリンタなどとデータ通信を行える。
【0018】
(2)各部40〜52の内容
次に、制御部12の各部40〜52の内容について図2に基づいて説明する。
【0019】
取得部40は、カメラ14によって被験者1が真っ直ぐに立った横の姿が撮影された人物画像24を、カメラ14から取得し、表示部16に表示する。
【0020】
位置決定部42は、取得部40が取得した人物画像24中の被験者1の後頭部、頸椎、背中、腰、臀部の5点の位置を決定する。
【0021】
第1直線算出部44は、位置決定部42によって決定した人物画像24中の後頭部の位置と背中の位置とを結ぶ第1直線を算出する。
【0022】
第2直線算出部46は、位置決定部42によって決定した人物画像24中の背中と前記臀部とを結ぶ第2直線を算出する。
【0023】
角度算出部48は、第1直線算出部44が算出した第1直線と第2直線算出部46が算出した第2直線とが交差する頭傾斜角度θを算出する。
【0024】
高さ決定部50は、頭傾斜角度θが大きいほど、枕2の高さを高くするように、枕2の高さを決定する。
【0025】
寝具画像生成部52は、背中の位置と臀部の位置を第2直線の高さより低く補正した寝具3の表面形状の側面画像、又は、腰部の位置を第2直線の高さより高くした寝具3の表面形状の側面画像を生成して人物画像24に重ねて表示部16に表示する。
【0026】
(3)決定装置10の動作
次に、決定装置10を用いて、被験者1の枕2の高さと寝具の表面形状を決定する動作について図3図9の人物画像と、図10のフローチャートに基づいて説明する。
【0027】
ステップS1において、枕2と寝具3を販売する店員が、決定装置10の制御部12に格納された枕2の高さ決定プログラムを起動させて初期画像を表示部16に表示する。初期画像には、長方形の大きさ決定領域22と5個の矢印(位置特定目印)26〜34が表示されている。店員は決定装置10を持って、被験者1が真っ直ぐに立った横の姿を表示部16に写して、カメラ14で撮影する。このとき、図3に示すように、被験者1が真っ直ぐに立った横の姿であって、かつ、表示部16に表示されている長方形の大きさ決定領域22内に、被験者1の頭部の横の姿が納まるように、店員は、決定装置10と被験者1との距離を決定する。すなわち、被験者1からあまり決定装置10を離すと被験者1の頭部が小さくなりすぎ、逆に近くなりすぎると大きくなりすぎるため、その距離をうまく調整して頭部のサイズを決定する。例えば、大きさ決定領域22は、決定装置10と被験者1との距離が2mのときに、頭部が最適のサイズになるように設定されている。この状態で、図3に示すように、店員が被験者1の横の姿をカメラ14で撮影し、取得部40が、人物画像24を取得して表示部16に表示する。そしてステップS2に進む。
【0028】
ステップS2において、店員は、図3に示すように、表示部16に表示されている5個の矢印26〜34を、図4に示すように、被験者1の後頭部の最も突き出た部分(以下、「A点」という)と、頸椎の部分(以下、「B点」という)と、背中の最も突き出た部分(以下、「C点」という)と、腰部の最も凹んだ部分(以下、「D点」という)と、臀部の最も突き出た部分(以下、「E点」という)にタッチパネル18を指で操作して移動させる。このときに、店員は、被験者1が着ている服の厚みや膨らみを考慮して、被験者1の体のラインに沿った背中の最も突き出た部分(C点)と、腰部の最も凹んだ部分(D点)と、臀部の最も突き出た部分(E点)に矢印30,32,34の先端を移動させる。位置決定部42は、人物画像24上におけるA点〜E点の座標位置を読み取る。これら5点の座標位置を設定する座標は、表示部16における2軸直交のxy座標上の画素位置で設定する。そしてステップS3に進む。
【0029】
ステップS3において、第1直線算出部44は、図5に示すように、A点とB点の座標位置(画素位置)を結ぶ第1直線L1の直線式を算出する。そしてステップS4に進む。
【0030】
ステップS4において、第2直線算出部46は、図5に示すように、C点とE点の座標位置(画素位置)を結ぶ第2直線L2の直線式を算出する。そしてステップS5に進む。
【0031】
ステップS5において、角度算出部48は、図5に示すように、第1直線L1と第2直線L2の交差する頭傾斜角度θを算出する。そしてステップS6に進む。
【0032】
ステップS6において、高さ決定部50は、頭傾斜角度θから枕2の高さを決定する。ここで頭傾斜角度θと枕2の高さについて説明する。図6に示すように、頭傾斜角度θが大きいほど被験者1が寝具3に寝たときに寝具3と後頭部のA点との距離が大きくなるため、高い枕2が必要となる。一方、頭傾斜角度θが小さいほど、また図7に示すように頭傾斜角度θがマイナスになるほど、低い枕2が必要となる。そこで、高さ決定部50には第1閾値角度θ1=30°、第2閾値角度θ2=15°、第3閾値角度θ3=0°が記憶され、高さ決定部50は算出した頭傾斜角度θとこれら3種類の閾値角度θ1〜θ3を比較して下記のように枕2の高さを決定する。なお、これら第1閾値角度θ1、第2閾値角度θ2、第3閾値角度θ3の値は、例示であり必要に応じて変更してもよい。
【0033】

θ<0°のとき非常に低い枕、又は、枕が不要、
0°<=θ<15°のとき低い枕、
10°<=θ<30°のとき普通の高さの枕、
30°<=θのとき高い枕。
【0034】

高さ決定部50は、「高い枕」、「普通の(高さの)枕」、「低い枕」、「非常に低い枕」の中から上記決定した枕2の高さを表示部16に表示する。また、この表示と共に、例えば、「普通の枕」と決定した場合には、高さ決定部50は、「普通の枕」の画像と素材の一覧表を記憶部20から呼び出し表示部16に表示する。そして、店員と被験者1が、その一覧表から自分の希望する枕2をタッチパネル18で操作して決定する。そしてステップS7に進む。
【0035】
ステップS7において、寝具画像生成部52は、図8に示すように、表示部16に第2直線L2に沿って寝具3の側面画像を重ねて表示する。寝具3の側面画像は、所定長さ毎(例えば10cm毎)のブロックP1〜P20に区画されている。そして、ステップS8に進む。
【0036】
ステップS8において、店員は、その表示部16に表示された寝具3の側面画像と被験者1の横の姿のラインを見ながら、図9に示すように、ラインに沿うように腰のD点におけるブロックP9〜P14を高くして寝具3の表面形状を修正する。そしてステップS9に進む。なお、この高さの修正できる寝具3としては、例えば、下記に示す本出願人の特許第4354782号に開示された寝具3がある。これにより、枕2の高さと寝具3の表面形状を決定できる。図示はしないが、寝具3の表面形状を修正するときに、背中のC点におけるブロックP7〜P9と臀部のE点におけるP14〜P16のブロックを低くなるようにしてもよい。
【0037】
ステップS9において、寝具画像生成部52は、修正された被験者1の体型に応じた寝具3の表面形状の側面画像を記憶すると共に、人物画像24の被験者1に重ねて表示する。また、高さ決定部50も、枕2を表示部16の人物画像24の被験者1に重ねて表示する。
【0038】
なお、特許第4354782号に開示された寝具3とは、表面に面積が大中小の差のある突起を配した弾性体を内装したものであって、該弾性体の表面の突起が、身体背面の凹凸形状の突出量の変化に対して前記突起の面積が変化しないか又は逆に変化するように配置し、かつ、身体の横臥状態における背面が寝具に及ぼす荷重の変化に対して前記突起の面積が変化しないか又は符合するように配置し、そして、寝具3の裏側において、その寝具3の幅方向にわたる袋部を複数形成し、該袋部に寝具3の嵩を部分的に嵩上げするための嵩上げ板を収納できるようにしたものである。
【0039】
(4)効果
本実施形態の決定装置10であると、枕2の高さを決定するときに、従来のように後頭部の形状だけでなく、寝具3に対する背中と臀部の高さも考慮するため、被験者1により合った枕2の高さを決定できる。また、被験者1の体型に応じた寝具3の表面形状も決定できる。すなわち、被験者1の立位姿勢をそのまま横に寝かした姿勢が、被験者1にとって良い寝た姿勢のため、被験者1の体型の傾向を確認することにより、身体と枕2、寝具3との隙間を埋めることで、理想的な寝た姿勢を崩さず、体圧分散性を向上させ快適な寝環境を作ることができる。
【0040】
また、カメラ14で被験者1の横の姿を撮影するだけで枕2の高さと寝具3の表面形状を決定でき決定できる。そのため、上記枕2の高さや寝具3の決定において、店員に特別な技術を必要としない。
【0041】
また、記憶部20に販売したい枕2を記憶させておけば、高さに応じた枕2をすぐに表示部16に表示でき販売促進につながる。
【0042】
また、被験者1が不自然な姿勢を行った場合には撮影前に修正すればよく、より理想的な姿勢で撮影できる。
【0043】
また、大掛かりな測定装置を必要とせず、タブレット端末で行うことができるため、お客である被験者1が撮影のときに緊張しない。
【0044】
(5)変更例
上記実施形態では、5個の矢印26〜34で5点の位置を示したが、これに加えて後ろ姿のラインをタッチパネルで指でなぞって表示し、被験者1の姿勢を明確に表示してもよい。そして、このラインに基づいて店員が被験者1の寝る姿勢をより正確に説明できる。
【0045】
また、このラインを描くときに、被験者1が着ている服の膨らみなどを省いて描くことにより、より明確に被験者1の後ろ姿のラインを描くことができる。
【0046】
上記実施形態では枕2の硬さと寝具3の硬さは一定であったが、これに限らず枕2や寝具3の硬さが柔らかい場合には、被験者1による沈みが大きいため、枕2の高さをより低く修正してもよい。
【0047】
上記実施形態では位置特定目印として矢印を用いたが、これに限らず円形の印、四角の目印でもよい。
【0048】
また、撮影と同時に被験者1の身長と体重を入力してBMIを算出し、このBMIに応じて枕2や寝具3の硬さを決定してもよい。なお、体重からだけで寝具や枕2の硬さを決定してもよい。
【0049】
上記実施形態では、決定装置10をタブレット端末で実現させたが、これに限らず、スマートフォン、フィチャーフォンで実現してもよく、パソコンで実現してもよい。なお、パソコンで実現する場合には、人物画像24をデジタルカメラで撮影すればよい。
【0050】
上記では本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0051】
1・・・被験者、2・・・枕、3・・・寝具、10・・・枕の高さ決定装置、12・・・制御部、14・・・カメラ、16・・・表示部、18・・・タッチパネル、20・・・記憶部、40・・・取得部、42・・・位置決定部、44・・・第1直線算出部、46・・・第2直線算出部、48・・・角度算出部、50・・・高さ決定部、52・・・寝具画像生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10