特許第5767304号(P5767304)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5767304
(24)【登録日】2015年6月26日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】電気ランプ
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20060101AFI20150730BHJP
   F21V 29/70 20150101ALI20150730BHJP
   F21V 29/60 20150101ALI20150730BHJP
   F21V 7/00 20060101ALI20150730BHJP
   F21V 7/22 20060101ALI20150730BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20150730BHJP
   F21Y 101/02 20060101ALN20150730BHJP
【FI】
   F21S2/00 224
   F21S2/00 215
   F21V29/70
   F21V29/60
   F21V7/00 510
   F21V7/22 300
   H01L33/00 L
   F21Y101:02
【請求項の数】4
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-244461(P2013-244461)
(22)【出願日】2013年11月27日
(62)【分割の表示】特願2011-543874(P2011-543874)の分割
【原出願日】2009年11月12日
(65)【公開番号】特開2014-96370(P2014-96370A)
(43)【公開日】2014年5月22日
【審査請求日】2013年11月27日
(31)【優先権主張番号】08169325.1
(32)【優先日】2008年11月18日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
(74)【代理人】
【識別番号】100087789
【弁理士】
【氏名又は名称】津軽 進
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】ギーレン,フィンセント,エス ディ
(72)【発明者】
【氏名】アンセムス,ヨハンネス,ピー エム
(72)【発明者】
【氏名】テル ヴェーメ,ベレンド,ジェイ ダブリュ
【審査官】 林 政道
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2005/090852(WO,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0037080(US,A1)
【文献】 特開2009−170114(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00−19/00
F21V 7/00
F21V 7/22
F21V 29/60
F21V 29/70
H01L 33/00
F21Y 101/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED電球であって、
複数のサブ領域を有するバルブと、
前記バルブの外側表面に前記LED電球を冷却する冷却手段と、を有し、
前記冷却手段の少なくとも一部が、前記複数のサブ領域の間に延在する、LED電球。
【請求項2】
前記冷却手段が、前記LED電球の中央末端部及び前記LED電球の中央先端部を通る軸の方向に延びている、請求項1記載のLED電球。
【請求項3】
前記冷却手段が、前記LED電球の内部から前記LED電球の外部へ向かう方向に幅を有する、請求項1又は2に記載のLED電球。
【請求項4】
前記冷却手段が、前記LED電球の光透過可能表面を前記複数のサブ領域に分割している、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のLED電球。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気ランプであって、
−ソケットに装着されるバルブと、
−動作において当該ランプを冷却する冷却手段と、
−前記バルブの内部に構成される半導体光源と、
−前記ソケットの中央端部及び前記バルブの中央極端部を通じて延在するランプ軸と、
を含み、前記バルブは、当該ランプの動作において前記光源から生じる光を透過させる光透過可能表面を含む外側表面を有する、電気ランプ。
【背景技術】
【0002】
このようなランプは、米国特許第5806965号から知られている。この既知のランプにおいて、ほぼ全方向的なクラスタは、プリント回路基板(PCB)において電気的に装着される。標準白熱バルブ(GLS)の同一の強度は、標準GLSの電力消費の一部においてLEDの前記クラスタによって生成され得る。この既知のランプを消費者に対して安全にするために、保護バルブ、すなわちドーム、が、消費者を、このドーム内における電気回路に対して晒されることから保護するために設けられる。結果として、既知のランプは、望ましい全方向的光配分が、ドームが装着されるベース板(下方の壁)によって、損じられる。更に、PCB及びLEDにわたり保護ドームを設けることは、既知のランプが低下された/不十分な冷却効率のという不利な点を有するということを生じさせる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、不利な点のうちの少なくとも1つが解消されている冒頭の段落において記載される種類のバルブ型LEDランプを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
これを達成するために、電気ランプにおいて、冷却手段及び光透過可能表面はバルブの外側表面にわたり広げられ、これにより、第一平面が前記軸に平行に延在し、第二平面が前記軸に直角に延在する仮想的な一組の2つの平面に関して、前記平面の位置は、前記2つの平面のうちの少なくとも1つが、前記冷却手段及び前記光透過可能表面の間の境界を少なくとも2回横断する、ように見られ得ることを特徴とする。この態様において「バルブ」は、例えば円形球形状、チューブ型形状、又は、例えば十二面体、六角形、八面体などの多面体形状などの様々な形状を含むことを理解されるべきである。半導体光源は、OLED、LED、及び光電装置を含むように理解されるべきである。冷却手段及び光透過可能表面の間の境界を少なくとも2回横断する仮想平面は、パッチ状にされる(patched)。ランプが効率的に冷却されるために、すなわち十分な冷却能力及び十分な光の放射を有するために、本発明者は、冷却手段及び光透過可能表面の両方が、バルブの外側表面を形成すべきであり、且つ、例えばパッチ状にされるなど、バルブの外側表面にわたり広げられるべきであるとの洞察を得た。冷却手段をバルブの外側表面にわたり広げることは、周囲環境へ露出される冷却手段の表面領域を増加させ、したがって、ランプの冷却能力を増加/改善させるが、ランプのサイズは、いかなる増加もなく、又はほんの少しの増加のみである。既知のランプにおいて、冷却手段の増加は、大きく、かさばったランプへと導き得ていた。光透過可能表面をバルブの外側表面にわたり広げることは、全方向光分布が既知のランプに対して改善されるようにさせる。既知のランプにおいて、望ましい全方向光分布は、ドームが装着されるベース板(低い壁)によって阻害されている。この現象は、本発明のランプにおいて解消される。
【0005】
ランプの冷却能力を更に改善させるために、電気ランプの実施例は、前記冷却手段は、前記バルブの内側から前記バルブの前記外側表面へ延在し、したがって、バルブの外側表面の一部を形成することを特徴とする。したがって、バルブの外側表面は、閉じられた表面である必要はないが、例えばバルブの外側表面において同一平面上などである区別可能な部分によって形成され得る。任意選択的に、バルブの外側表面は、装飾目的に関して、冷却手段の放射特性を向上させるために、又は、バルブの外側表面を平滑化させるなどのために、コーティングを備えられ得る。光源は、LEDのクラスタを含み得、このLEDのクラスタは、本発明のランプにおける冷却手段によってLEDのサブグループに配分され得る。技術的な対策は、ランプの冷却効率が向上されることを含むが、その理由は、冷却手段は、相当増加された冷却表面を有し、冷却表面は、(熱的に絶縁な)保護カバーを有することなく周囲環境へ直接露出され、したがって、自由な空流が、例えば対流などにより、冷却領域に沿って流れることを可能にさせるからである。好ましくは、冷却手段は、バルブ外側表面全体にわたり均一に分布され、これにより、動作において熱的性能をランプの向きに独立したものにする。ランプの冷却を促進させるために、冷却手段は、好ましくは、少なくとも1W/mK、より好ましくは10W/mK、又は更により好ましくは20W/mK以上、100又は500W/mKまでの熱伝導係数を有する。冷却手段に関して適切な材料は、アルミニウム、銅、これらの合金などの金属、又は1.5W/mKの熱伝導性を有する白/黒CoolpolyRD3606、又は5W/mKの熱伝導性を有する白CoolpolyRD1202などのCoolpolyRを介して手に入れられるような、熱伝導性プラスチック、である。
【0006】
実施例において、電気ランプは、前記光透過可能表面は、前記冷却手段によってサブ領域へ分割されることを特徴とする。結果として、ランプは、光分布が、サブ領域の向き及びLEDのクラスタからの関連付けられるLEDのサブグループを設定することなどにより、調整され得る。代替実施例において、光分布は、LEDのサブグループの強度を制御することにより制御され得る、及び/又はサブグループ内においても個別のLEDの強度は制御され得る。サブ領域の向き及び/又は強度を設定することによって、ランプが300°の空間角度内における観察者へ均一な輝度強度を呈することを可能にされる、すなわち、均一な輝度強度は、バルブ内部における軸において頂点を有するソケットの周りの円錐であって、60°の頂点角度を有する円錐内における方向からを除き全ての方向から観察される。この態様における「均一な輝度強度」は、±15%の変動を有する平均光強度を意味する。
【0007】
更なる実施例において、電気ランプにおいて、前記サブ領域は、同一の形状及び/サイズを有することを特徴とする。結果として、様々な異なるランプ部品の数が低減されるので、ランプは、比較的に製造が容易であるという有利な点を有する。
【0008】
より更なる実施例において、電気ランプは、前記サブ領域が、1つの一体型光透過可能表面を形成し、及び、前記サブ領域及び前記冷却手段は、相互に噛み合う(interdigitated)/フォーク状/交互配置構成で配置されることを特徴とする。このことは、光透過可能表面及び/又は冷却手段のそれぞれが一つのみの一体ランプ部分を形成し、したがってランプ部品の数が相当低減されるという有利な点をランプが有するようにさせる。
【0009】
別の実施例において、電気ランプは、各サブ領域は、前記冷却手段の対応する一部によって囲まれることを特徴とする。結果として、ランプは、例えば光源がLEDのサブグループを含み、LEDの各サブグループは関連付けられる冷却手段に近接される場合などに、相対的に非常に効率の良い冷却が達成されるという有利な点を有する。好ましい実施例は、前記サブ領域は、例えば、2、3、4、5、6又は8個などの、少なくとも2つの軸方向に延在する冷却アーチによって分離されることを特徴とするランプである。特に、冷却アーチがバルブの外側表面の周囲にわたり均一に分布され、光透過可能サブ領域が同一の形状を有する場合、例えば4つの繋ぎ目又は7つの繋ぎ目の回転対称などである、回転軸に対称なバルブが得られる。代替的な実施例は、前記サブ領域は、たとえば2、3又は4個のリングなどの、前記軸の周囲における少なくとも1つの環状又はリング形状冷却手段によって分割されることを特徴とするランプである。この場合、バルブは、例えば2個の継ぎ目、3個の継ぎ目、又は4個の継ぎ目などの回転軸に対して好ましい回転対称性を有する。
【0010】
上述の実施例において、サブ領域の数は、2乃至8の範囲にあるが、前記数は、様々に異なるように容易に選択され得、例えば8より多く、及び36若しくは144個のサブ領域まで、又はより多くの数のサブ領域などである。
【0011】
更に好ましい実施例において、電気ランプは、前記各サブ領域は、前記冷却手段へ解放可能に固定される光透過可能部分であることを特徴とする。特に便利である実施例は、解放可能な固定が、光透過可能部分を容易に交換させるクリック/スナップ接続部を介して行われる電気ランプである。置換可能性を有する構成のおかげにより、ランプは、光透過可能部分の好ましい特性が選択され得、ランプビーム特性は、随意に調整され得る。光透過可能部分は、例えば、反射パターンを任意選択的に備えられる拡散性透明又は半透明部分を備えられ得る、又は例えば、ランプの色又は色温度を設定するために選択された混合のリモートフォスファ材料を備えられる透明部分を備えられ得る。光透過可能部分が光線の方向が制御される光学要素である場合、ビーム特性又は光分布は、相対的に容易に調整可能である。
【0012】
電気ランプにおける冷却手段は、大きく、ソリッドで、バルクな構造として実施化され、この構造において、バルブ内部から冷却手段の外側表面へ及びバルブの外側表面への熱伝導が材料のバルク部分をもっぱら介して行われる。しかし、代替的に、前記冷却手段は、内部へ、すなわち、バルブの外側表面から前記軸に向かって延在する凹部として形成され得る。この実施例において、冷却手段は、相対的に大きい外側表面を有し、熱伝導は、熱が冷却手段の外側表面に達する前に冷却手段の材料のバルク部分を介して相対的に短い距離のみにわたり生じ、この場合、結果として、熱は、自由に流れる外気へと散逸され得る。このようにして、ランプの効率的な冷却が達成される。
【0013】
電気ランプのより更なる実施例は、前記冷却手段が、受動的冷却手段及び能動的冷却手段の両方を含むことを特徴とする電気ランプである。受動的冷却手段は、本質的に電力を消費することなく、多くの場合自然対流を用いて冷却を実行する。能動的な冷却手段は、例えば空気、オイル、又は水などの熱輸送流体の強制的な流れを介して放熱を制御し、したがって、電力を消費する。しかし、能動的冷却手段は、より多くの、及びより優れた制御された冷却の有利な点を可能にする。
【0014】
電気ランプのより更なる実施例は、当該ランプは、直流駆動ランプであり、当該ランプは、ランプ駆動装置が構成される中央軸方向延在空洞を有することを特徴とする電気ランプであり、前記空洞はランプの冷却手段に近接するので、この空洞は、駆動装置がランプに内部に収容されるのに便利な位置である。当該ランプは交流駆動ランプであり、この場合、駆動装置は省略され得、ランプは、標準的なエジソン固定具を備えられ得、標準的なGLSランプに関するレトロフィットランプとして適切に使用され得ることを可能にする。消費者の利便性のために、バルブ形状は、好ましくは、従来型のGLSバルブの形状に従うが、代替的なバルブ形状も等しく可能である。
【0015】
本発明のこれら及び他の態様は、概略図を用いて以下に更に説明され得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A図1Aは、従来技術に従う電気ランプを示す。
図1B図1Bは、従来技術に従う別のランプを示す。
図1C図1Cは、図1Bの従来技術のランプの光分布を示す。
図2A図2Aは、本発明に従う電気ランプの第1の実施例の側面図を示す。
図2B図2Bは、本発明に従う電気ランプの第1の実施例の側面図を示す。
図2C図2Cは、図2Aのランプによって得られる光分布を示す。
図2D図2Dは、一部が切り欠きされている、本発明に従うランプの第2の実施例の側面図を示す。
図3A図3Aは、本発明に従うランプの第3の実施例の側面図を示す。
図3B図3Bは、図3Aのランプの垂直断面図を示す。
図4図4は、本発明に従うランプの第4の実施例を示す。
図5図5は、本発明に従うランプの第5の実施例を示す。
図6図6は、本発明に従うランプの第6の実施例を示す。
図7図7は、本発明に従うランプの第7の実施例を示す。
図8図8は、本発明に従うランプの第8の実施例を示す。
図9図9は、本発明に従うランプの第9の実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1において、従来技術に従うバルブ型のLEDランプが示される。ランプ1は、ソケット5に装着されるバルブ3を有する。PCB9に装着される複数のLEDを含む光源7は、バルブ3の内部に構成される。PCB9は、(図示されない)冷却手段として機能する換気穴を備えられる。PCBの一部は、保護ドームとして実施化されるバルブ3が装着されるベース板として形成され、前記ドームは、光源及びPCBの一部及び冷却手段をとり囲む。ドームは、ランプの動作において光源から生じる光を透過させる半透明外側表面15を有する。ランプ軸11は、ソケットの中央端部17及びバルブの中央先端部19を通じて延在する。
【0018】
図1Bは、従来技術に従う別のバルブ型LEDランプ1の側面図を示す。この従来技術のランプにおいて、バルブ3は、バルブ外側表面15の光透過可能表面22から分離される冷却手段21に装着される。バルブ3は、ソケット5における冷却手段を介して装着される。冷却手段は、かなりバルキーであるが、このことは、冷却能力の正しい量を達成するために必要とされる。冷却手段は、光透過可能表面22を通じて光源によって発される光の分布を阻害し、約220°の放射空間角度αを生じさせる。図1Bのランプの角度βの関数としての空間光強度分布は、図1Cに示される。図1Cに示されるプロットにおいて、角度β=0°は、ソケット5からバルブ3への方向における軸11に沿って測定される光強度を参照する。図1Cに明確に示されるように、光強度は、70°の角度βにおいてのみ所要なレベルにあり、角度βより小さい角度において、光強度は低すぎであり、すなわち平均光強度出力より15%より低すぎである。図1Bにおいて、更に、軸11に平行な第1平面P1及び軸11に直交する第2平面P2に関して示され、前記平面P1・P2のうちの少なくとも1つは、冷却手段及び光透過可能表面の間の境界10を少なくとも2回横断する位置は見受けられ得ない。平面P1は、境界10を1度のみ横断し、平面P2は、いかなる境界も横断しない。
【0019】
図2Aにおいて、本発明に従うランプ1の第1実施例の側面図が示される。ランプは、ソケット5、すなわち便利なE27型エジソン固定具を有し、冷却手段21を含むバルブ3は、このソケットにおいて、装着される。バルブ3の外側表面15は、光透過可能サブ領域23、4つのアーチ25(そのうち2つのみが示される)、及び冷却手段の連結上部27の全てによって形成され、この構成は、図2Bにおいて示される軸11に沿う上面図においてより明確に見える。冷却手段は、バルブ内部からバルブの外側表面へ延在し、ソリッドなアーチとして形成される。図2Aの実施例において、表面は、相互に、冷却手段及び光透過可能サブ領域の両方の前記表面が互いに境界を接するバルブの外側表面における位置において同一平面上(flush)である。冷却手段は、光透過可能表面15を通じて光源(図示されず)によって発される光の分布をわずかの程度のみ、且つ、図1Bに示される従来型のランプよりも相当少ない程度に損じさせる。角度βの関数としての、図2Aのランプの空間的光強度分布は、図2Cに示される。図2Cに示されるプロットにおいて、角度β=0°は、ソケット5からバルブ3への方向における軸11に沿って測定される光強度を参照する。図2Cに明らかに示されるように、光強度は、30°の角度βにおいてすでに必要とされるレベル、すなわち、平均光強度出力より15%以上にあり、これにより、約300°の放射空間的角度αを生じさせ、例えば、α=280°又はα=310°などの他の角度は、適切な光透過可能サブ領域を選択することによって、又は、光源のサブグループの向きを調整することによって、同様に可能である。角度βは、ソケット5の周囲の円錐6の頂点8の角度の半分の角度を形成する(図2A参照)。
【0020】
図2Dにおいて、本発明に従うランプ1の第2実施例の一部切り欠きされた斜視図が示される、すなわち、光透過可能サブ領域は、解放可能な固定光透過可能部分によって形成され、そのうち2つが取り除かれており、前記光透過可能部分は、冷却手段21に設けられるクリック要素32と相互接続することによりランプへの容易な組み立てを可能にするクリック/スナップ要素を備えられる。PCB9に装着される複数のLED7a・7bからなる光源7、及びバルブの内部のPCBからバルブの外側表面15へ延在する冷却手段21を含むバルブ3内部のコンポーネントのいくつかは、目に見ることが可能である。PCBは、軸11周りに構成される。冷却手段は、バルブ外側表面から軸に向かって延在する凹部として形成され、及び冷却手段は、冷却手段による光の吸収による光損失を解消するために、及びこれによりランプの効率を増加させるために、反射コーティング31でLEDに面する側29においてコーティングされる。各PCB及びLEDのサブグループは、対応する冷却手段に近接し、結果として、相対的に非常に効率的な冷却が達成される。LEDは、赤、緑、青、白色(RGBW)LEDの組み合わせ、RGBW−アンバLED、異なる色温度のLED、全てが同一色のLED、又は光透過可能部分上に又は中に設けられるリモートフォスファと組み合わせられる青/UVのLED、を含み得る。図2Dのランプにおいて、LEDは、異なる色温度、すなわち2500K及び7000Kであり、これらの放射強度は、ランプの放射色温度を調節するために個別に制御され得る。
【0021】
図3Aは、本発明に従うランプ1の第3実施例の側面図を示す。ランプは、ソケット5、すなわち便利なE27型エジソン固定具を有し、冷却手段21を含むバルブ3は、このソケットにおいて、装着される。バルブの外側表面15は、同一形状の6つの光透過可能サブ領域23、6つのアーチ25(そのうち4つのみが示される)、及び冷却手段の連結上部27の全てによって形成される。図3Aのランプにおいて、光透過可能サブ領域は、対応する冷却手段によって囲まれる。冷却手段は、光透過可能表面と同一平面にはないが、前記表面にわたり一部位置され、これにより、冷却手段は、光透過可能表面とともにして、波状バルブ外側表面を形成するようにされる。このランプにおける冷却手段は、バルブ内部からバルブの外側表面15内へ及び超えて延在しないが、バルブ外側表面の一部を形成するのみである。図3Bは、図3Aのランプ1の垂直断面図を示す。ランプは直流ランプであるので、電子駆動装置回路33は、バルブ3における空洞35内部に設けられ、この電子駆動装置回路33は、交流主電圧を適切な直流電圧へ変換する。空洞35は、軸11周りにおいて熱伝導材料のPCB9によって形成される環状外側壁を有し、これにより、冷却手段として作用し、このPCBにおいて、LED(図示されない)が装着され(るべきであり)、6つのアーチは、バルブ外側表面における前記壁へ熱的に接続され、電気絶縁壁36は、駆動装置をPCBから遮断する。これにより、LED及び駆動回路装置の両方の効率的な冷却が達成される。図3Bのランプは、青色LEDを含み、その青色LEDの放射は、光透過可能サブ領域23の内部表面24に設けられるリモートフォスファYAG-Ceコーティング37によって可視光へ変換される。
【0022】
図4乃至8は、それぞれ、本発明に従うランプ1の第4、第5、第6、第7及び第8実施例を示し、この場合、バルブ3の外側表面15において、冷却手段21及び光透過可能サブ領域23の代替的な構成が示される。全ての実施例は、良好な冷却特性を有する。図4におけるランプは、平行環状リングの冷却手段を有し、図5におけるランプは、冷却手段21の光透過可能サブ領域23との一体型構造(指状又はクシ状構造)を有する。3つの指状冷却領域は、光透過可能表面の3つのサブ領域を有する一体型構造を形成する。図6におけるランプ1は、冷却手段21が、ソケット5に近接し、且つ、1つの一体型光透過可能表面22を有する(すなわち中間サブ領域を有さない)ランプの上部27において構成される実施例を示す。図7及び8は、バルブの形状の代替的な実施例を示し、すなわち、図7において、バルブは管形状であり、図8において、バルブは光透過可能表面22のサブ領域23と冷却手段21とによって形成されるパッチ状構造を有する六面多角形(六角形)である。より更に、図4ないし8のそれぞれにおいて、軸11に平行な平面P1は、前記軸に直交する平面P2とともに示される。軸11は、ソケット5の端部17及びバルブ3の先端部19を通じて延在する。図4ないし8に示される全ての実施例において、平面P1又は平面P2のいずれか、又は平面P1及び平面P2の両方は、冷却手段21と光透過可能表面22若しくはそのサブ領域23との間において2回又はそれ以上の回数、境界10を横断する。図4において、平面P1は、前記境界を3回横断し、平面P2は、境界10を横断しない。図5において、平面P1は、何の境界も横断しない一方で、平面P2は、前記境界10を6回横断する。図6において、平面P1は、前記境界を2回横断する一方で、平面P2は、何の境界も横断しない。図7において、平面P1は、前記境界10を1回横断し、平面P2は、前記境界を6回横断する。図8において、平面P1及び平面P2の両方は、前記境界10を8回横断する。図7のランプにおいて、バルブ外側表面15は、冷却手段21と光透過可能表面22のサブ領域23との相互に噛み合わされる構造を有する。相互に噛み合わされる構造は、バルブ外側表面15にわたり長さLにおいて軸方向に延在する。好ましくは、長さLは、バルブ3の軸方向高さHの少なくとも1/4であるべきである。
【0023】
図9は、本発明に従うランプ1の第9実施例の垂直断面図を示す。ランプは、能動的に冷却される及び受動的に冷却されることの両方である。図において2つの横断方向において作用する二重ファンである、能動的冷却手段41は、バルブ3における空洞35内部に設けられ、この能動的冷却手段41は、ランプの冷却のより優れた制御のために冷却能力を改善させる。格子43は、矢印45で示される、空洞を通じた空気の強制流を可能にするために設けられる。空洞35は、熱伝導材料のPCB9によって形成される外側壁を有し、この外側壁は、これにより受動的冷却手段として作用し、このPCBにおいて、光源7としてLED7a・7b・7cは、装着される。したがって、全てのランプの効率的な冷却が達成される。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9