特許第5767305号(P5767305)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5767305
(24)【登録日】2015年6月26日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】衣類処理装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 58/02 20060101AFI20150730BHJP
   D06F 35/00 20060101ALI20150730BHJP
【FI】
   D06F58/02
   D06F35/00
【請求項の数】21
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-251826(P2013-251826)
(22)【出願日】2013年12月5日
(65)【公開番号】特開2014-161728(P2014-161728A)
(43)【公開日】2014年9月8日
【審査請求日】2013年12月5日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0021183
(32)【優先日】2013年2月27日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】キム ソンキュ
(72)【発明者】
【氏名】ユン ジュハン
(72)【発明者】
【氏名】リ スンジョ
(72)【発明者】
【氏名】パク スウォン
(72)【発明者】
【氏名】キム ジョンホ
【審査官】 芝井 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−121644(JP,A)
【文献】 特開平01−262895(JP,A)
【文献】 米国特許第04262430(US,A)
【文献】 特開2002−081858(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0235519(US,A1)
【文献】 特開2013−000442(JP,A)
【文献】 実開昭60−063198(JP,U)
【文献】 実開昭62−151898(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 58/02
D06F 35/00
D06F 33/02
D06F 58/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビネットと、
前記キャビネットの内部に備えられ、洗濯物が貯蔵される収容空間と、
前記収容空間の内部を前記キャビネットの外部と連通させ、前記収容空間の内部の空気を前記キャビネットの外部に排出させる排出部と、
前記排出部を介して前記収容空間の空気が排出されると、前記収容空間に空気を供給する供給部と、
前記キャビネットの内部に備えられ、前記排出部を開放または閉鎖させる遮断部と、
を含み、
前記遮断部は、閉鎖した状態において、前記収容空間の内部の空気が前記排出部を介して前記キャビネットの外部に排出されることを防止し、前記キャビネットの内部の空気が前記排出部を介して前記キャビネットの外部に排出されることを許容することを特徴とする、衣類処理装置。
【請求項2】
前記排出部は、前記収容空間の内部の空気が排出される連結ダクト、及び前記連結ダクトに流入した空気を前記キャビネットの外部に案内する排気ダクトを含み、
前記遮断部は、
前記排気ダクトに備えられて、前記排気ダクトの内部と前記キャビネットの内部とを連通させる排気ダクト貫通孔と、
前記排気ダクトに備えられて、前記排気ダクト貫通孔及び前記排気ダクトのいずれか一つを開放するように備えられる貫通孔フラップと、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項3】
前記排出部は、前記収容空間の内部の空気を前記連結ダクトに流入させる排気ファンをさらに含み、
前記貫通孔フラップは、前記排気ファンが作動すると、前記排気ダクト貫通孔を閉鎖し、前記排気ファンの作動が中断されると、前記排気ダクトを閉鎖することを特徴とする、請求項に記載の衣類処理装置。
【請求項4】
前記遮断部は、
前記排出部が閉鎖されると、前記排出部と前記キャビネットの内部とを連通させるように備えられることを特徴とする、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項5】
前記キャビネットの内部に備えられ、前記収容空間の内部の圧力が既に設定された基準圧力以上となると、前記収容空間の内部の空気を前記収容空間の外部に排出させる圧力低減部をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項6】
前記圧力低減部は、
前記収容空間及び前記供給部のうち少なくともいずれか一つに備えられて、前記収容空間の内部の圧力が前記基準圧力以上となると、前記収容空間の内部の空気を前記キャビネットの内部に排出させる開閉装置を含むことを特徴とする、請求項に記載の衣類処理装置。
【請求項7】
前記供給部は、前記キャビネットの内部の空気を加熱する加熱ダクト、及び前記加熱ダクトから排出される空気を前記収容空間に案内する供給ダクトを含み、
前記開閉装置は、
前記供給ダクトを貫通するように備えられて、前記供給ダクトの内部を前記キャビネットの内部と連通させる供給ダクト排気孔と、
前記供給ダクトに備えられて、前記供給ダクト排気孔を開閉する供給ダクトフラップと、
を備えることを特徴とする、請求項に記載の衣類処理装置。
【請求項8】
前記供給ダクトフラップは、
前記供給ダクトに回転可能に備えられて、自重によって前記供給ダクト排気孔を閉鎖することを特徴とする、請求項に記載の衣類処理装置。
【請求項9】
前記キャビネットは、前記収容空間に連通する投入口、及び前記キャビネットに備えられて、前記投入口を開閉するドアをさらに含み、
前記供給ダクトフラップが前記供給ダクト排気孔を開放させるための前記収容空間の内部の圧力は、前記ドアと前記キャビネットとの間の締結力を克服するための前記収容空間の内部の圧力よりも小さいことを特徴とする、請求項に記載の衣類処理装置。
【請求項10】
前記キャビネットの内部に備えられて前記収容空間の後方面を支持し、前記供給ダクトが連結される供給部連結孔が備えられた後方支持部をさらに含み、
前記供給ダクトは、前記加熱ダクトから前記供給部連結孔に向かって延び、前記キャビネットの高さ方向に沿って備えられるダクトボディーと、前記ダクトボディーと前記供給部連結孔とを連結し、前記キャビネットの底面に向かって傾斜するように備えられる傾斜面とを含み、
前記開閉装置は、前記傾斜面に備えられることを特徴とする、請求項に記載の衣類処理装置。
【請求項11】
前記キャビネットの内部に備えられて前記収容空間の前方面を支持し、前記排出部へ前記収容空間の内部の空気を排出させる排出部連結孔が備えられた前方支持部と、
前記キャビネットの内部に備えられて前記収容空間の後方面を支持し、前記供給ダクトが連結される供給部連結孔が備えられた後方支持部とをさらに含み、
前記開閉装置は、前記前方支持部及び前記後方支持部のうち少なくともいずれか一つに備えられることを特徴とする、請求項に記載の衣類処理装置。
【請求項12】
前記圧力低減部は、
前記排出部に備えられて、前記収容空間の内部が前記基準圧力以上となると、前記収容空間の内部の空気を前記キャビネットの内部に排出させる排出部開閉装置をさらに含むことを特徴とする、請求項に記載の衣類処理装置。
【請求項13】
前記排出部は、前記収容空間の内部の空気が排出される連結ダクトと、前記収容空間の内部の空気を前記連結ダクトに移動させる排気ファンと、前記連結ダクトに流入した空気を前記キャビネットの外部に排出させる排気ダクトとを含み、
前記排出部開閉装置は、前記連結ダクトに備えられることを特徴とする、請求項12に記載の衣類処理装置。
【請求項14】
前記排出部開閉装置は、
前記連結ダクトの内部を前記キャビネットの内部と連通させる連結ダクト排気孔と、前記連結ダクト排気孔を開閉するように備えられる連結ダクトフラップとを含むことを特徴とする、請求項13に記載の衣類処理装置。
【請求項15】
前記連結ダクト排気孔は、前記連結ダクトの流入口と前記排気ファンとの間に位置し、
前記連結ダクトフラップは、前記連結ダクトに回転可能に備えられて、自重によって前記連結ダクト排気孔を閉鎖することを特徴とする、請求項14に記載の衣類処理装置。
【請求項16】
前記連結ダクト排気孔は、前記連結ダクトの流入口と前記排気ファンとの間に位置し、
前記連結ダクトフラップは、
前記連結ダクト排気孔を開閉するように備えられたボディーと、
前記連結ダクトに備えられ、前記ボディーと所定距離離隔して備えられるボディー支持部と、
前記ボディーを貫通するように備えられ、前記ボディー支持部から前記連結ダクト排気孔に向かって延びるガイダーと、
を含むことを特徴とする、請求項14に記載の衣類処理装置。
【請求項17】
キャビネットと、
前記キャビネットの内部に備えられ、洗濯物が貯蔵される収容空間と、
前記キャビネットの内部を前記キャビネットの外部と連通させるキャビネット流路と、
前記収容空間、前記収容空間の内部の空気を前記キャビネットの外部に案内する排出流路及び空気を前記収容空間の内部に案内する供給流路が連結されることによって形成される流路部と、
前記流路部に備えられて、前記収容空間の内部の空気を前記キャビネットの外部に排出させるファンと、
前記ファンが作動すると、前記キャビネット流路と前記供給流路との間の空気流動を許容し、前記ファンが作動しないと、前記供給流路と前記キャビネット流路との間の空気流動は遮断し、前記排出流路と前記キャビネット流路との間の空気流動は許容する遮断部と、
を含むことを特徴とする、衣類処理装置。
【請求項18】
前記遮断部は、
前記ファンを通過した空気を前記キャビネットの外部に案内する前記流路部の下流に備えられることを特徴とする、請求項17に記載の衣類処理装置。
【請求項19】
前記ファンに空気を案内する前記流路部の上流に備えられ、前記収容空間の内部の圧力が既に設定された基準圧力以上であれば、前記収容空間の内部の空気を前記キャビネットの内部に排出させる圧力低減部をさらに含むことを特徴とする、請求項18に記載の衣類処理装置。
【請求項20】
前記キャビネットは、前記収容空間に連通する投入口、及び前記キャビネットに備えられ、前記投入口を開閉するドアをさらに含み、
前記圧力低減部は、前記ドアと前記キャビネットとの間の締結力を克服するための圧力よりも小さい圧力によって、前記流路部を前記キャビネットの内部と連通させるように備えられることを特徴とする、請求項19に記載の衣類処理装置。
【請求項21】
前記キャビネット流路は、前記キャビネットを貫通するように備えられるキャビネット流入口によって形成され、
前記キャビネット流入口は、前記圧力低減部が前記キャビネットに投影された投影面に干渉しないように備えられることによって、前記圧力低減部から排出される空気が前記キャビネット流入口を介して前記キャビネットの外部に排出されることを防止することを特徴とする、請求項20に記載の衣類処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
衣類処理装置は、衣類(洗濯物)の洗濯、乾燥、または洗濯及び乾燥が可能な家電機器であって、洗濯機、乾燥器及び乾燥兼用洗濯機を含む概念である。
【0003】
衣類の乾燥が可能な衣類処理装置は高温の空気(熱風)を衣類に供給する。衣類処理装置は、空気の流動方式に基づいて、排気式と循環式(凝縮式)とに分類することができる。
【0004】
循環式衣類処理装置は、洗濯物が貯蔵された収容空間から排出される空気から水分を除去(除湿)して加熱した後、収容空間へ再供給する構造であり、排気式衣類処理装置は、収容空間へ加熱された空気を供給し、収容空間から排出される空気は収容空間へ再供給せずに、衣類処理装置の外部に排出させる方式である。
【0005】
一方、従来の衣類処理装置は、収容空間の内部に貯蔵された洗濯物に火災が発生(原因は不明確である)する場合、収容空間の内部の火炎が衣類処理装置の外部に排出されて、衣類処理装置が備えられた室内に火炎が広がるおそれがある。
【0006】
収容空間の内部に火炎に包まれた洗濯物が長期間貯蔵されていれば、洗濯物が燃えながら発生した引火性ガスなどによって爆発が発生することがあり、収容空間の内部で爆発が発生すれば、爆発圧力によって収容空間の内部の火炎が衣類処理装置の外部に排出されることがあるからである。
【0007】
上述した問題を解決するための従来技術があるが、従来の衣類処理装置(US6,655,047、JP9056996)は、消火剤を用いて収容空間の内部の火災を鎮圧することが目的であった。
【0008】
したがって、収容空間の内部の火災が鎮圧されない場合、従来の衣類処理装置は、収容空間の内部で爆発が発生することを防止したり、または爆発が発生した時に、火炎が衣類処理装置の外部に排出されることを防止することができないという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、洗濯物が貯蔵された収容空間の内部に火災が発生した場合、収容空間の内部の火炎が自然に消火するようにする衣類処理装置を提供することを解決課題とする。
【0010】
また、本発明は、洗濯物が貯蔵される収容空間の内部に火災が発生した場合、引火性ガスなどによって収容空間の内部で爆発が発生することを防止する衣類処理装置を提供することを解決課題とする。
【0011】
また、本発明は、洗濯物が貯蔵される収容空間の内部で爆発が発生しても、収容空間の内部の火炎が外部に排出されることを防止する衣類処理装置を提供することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上述した課題を解決するために、キャビネットと、前記キャビネットの内部に備えられ、洗濯物が貯蔵される収容空間と、前記収容空間の内部を前記キャビネットの外部と連通させ、前記収容空間の内部の空気を前記キャビネットの外部に排出させる排出部と、前記排出部を介して前記収容空間の空気が排出されると、前記収容空間に空気を供給する供給部と、前記キャビネットの内部に備えられ、前記排出部を開放または閉鎖させる遮断部と、を含む衣類処理装置を提供する。
【0013】
前記遮断部は、前記収容空間の内部の空気が前記排出部を介して前記キャビネットの外部に排出されることは防止し、前記キャビネットの内部の空気は前記排出部を介して前記キャビネットの外部に排出させるように備えることができる。
【0014】
前記排出部は、前記収容空間の内部の空気が排出される連結ダクト、及び前記連結ダクトに流入した空気を前記キャビネットの外部に案内する排気ダクトを含み、前記遮断部は、前記排気ダクトに備えられて、前記排気ダクトの内部と前記キャビネットの内部とを連通させる排気ダクト貫通孔と、前記排気ダクトに備えられて、前記排気ダクト貫通孔及び前記排気ダクトのいずれか一つを開放するように備えられる貫通孔フラップ(flap)と、を含むことができる。
【0015】
前記排出部は、前記収容空間の内部の空気を前記連結ダクトに流入させる排気ファンをさらに含み、前記貫通孔フラップは、前記排気ファンが作動すると、前記排気ダクト貫通孔を閉鎖し、前記排気ファンの作動が中断されると、前記排気ダクトを閉鎖するように備えることができる。
【0016】
前記遮断部は、前記排出部が閉鎖されると、前記排出部と前記キャビネットの内部とを連通させるように備えることができる。
【0017】
本発明は、前記キャビネットの内部に備えられ、前記収容空間の内部の圧力が既に設定された基準圧力以上となると、前記収容空間の内部の空気を前記収容空間の外部に排出させる圧力低減部をさらに含むことができる。
【0018】
前記圧力低減部は、前記収容空間及び前記供給部のうち少なくともいずれか一つに備えられて、前記収容空間の内部の圧力が前記基準圧力以上となると、前記収容空間の内部の空気を前記キャビネットの内部に排出させる開閉装置を含むことができる。
【0019】
前記供給部は、前記キャビネットの内部の空気を加熱する加熱ダクト、及び前記加熱ダクトから排出される空気を前記収容空間に案内する供給ダクトを含み、前記開閉装置は、前記供給ダクトを貫通するように備えられて、前記供給ダクトの内部を前記キャビネットの内部と連通させる供給ダクト排気孔と、前記供給ダクトに備えられて、前記供給ダクト排気孔を開閉する供給ダクトフラップ(flap)と、を備えることができる。
【0020】
前記供給ダクトフラップは、前記供給ダクトに回転可能に備えられて、自重によって前記供給ダクト排気孔を閉鎖するように備えることができる。
【0021】
前記キャビネットは、前記収容空間に連通する投入口、及び前記キャビネットに備えられて、前記投入口を開閉するドアをさらに含み、前記供給ダクトフラップが前記供給ダクト排気孔を開放させるための前記収容空間の内部の圧力は、前記ドアと前記キャビネットとの間の締結力を克服するための前記収容空間の内部の圧力よりも小さくすることができる。
【0022】
本発明は、前記キャビネットの内部に備えられて前記収容空間の後方面を支持し、前記供給ダクトが連結される供給部連結孔が備えられた後方支持部をさらに含み、前記供給ダクトは、前記加熱ダクトから前記供給部連結孔に向かって延び、前記キャビネットの高さ方向に沿って備えられるダクトボディーと、前記ダクトボディーと前記供給部連結孔とを連結し、前記キャビネットの底面に向かって傾斜するように備えられる傾斜面とを含み、前記開閉装置は前記傾斜面に備えることができる。
【0023】
本発明は、前記キャビネットの内部に備えられて前記収容空間の前方面を支持し、前記排出部へ前記収容空間の内部の空気を排出させる排出部連結孔が備えられた前方支持部と、前記キャビネットの内部に備えられて前記収容空間の後方面を支持し、前記供給ダクトが連結される供給部連結孔が備えられた後方支持部とをさらに含み、前記開閉装置は、前記前方支持部及び前記後方支持部のうち少なくともいずれか一つに備えることができる。
【0024】
前記圧力低減部は、前記排出部に備えられて、前記収容空間の内部が前記基準圧力以上となると、前記収容空間の内部の空気を前記キャビネットの内部に排出させる排出部開閉装置をさらに含むことができる。
【0025】
前記排出部は、前記収容空間の内部の空気が排出される連結ダクトと、前記収容空間の内部の空気を前記連結ダクトに移動させる排気ファンと、前記連結ダクトに流入した空気を前記キャビネットの外部に排出させる排気ダクトとを含み、前記排出部開閉装置は前記連結ダクトに備えることができる。
【0026】
前記排出部開閉装置は、前記連結ダクトの内部を前記キャビネットの内部と連通させる連結ダクト排気孔と、前記連結ダクト排気孔を開閉するように備えられる連結ダクトフラップ(flap)とを含むことができる。
【0027】
前記連結ダクト排気孔は、前記連結ダクトの流入口と前記排気ファンとの間に位置し、前記連結ダクトフラップは、前記連結ダクトに回転可能に備えられて、自重によって前記連結ダクト排気孔を閉鎖するように備えることができる。
【0028】
前記連結ダクト排気孔は、前記連結ダクトの流入口と前記排気ファンとの間に位置し、前記連結ダクトフラップは、前記連結ダクト排気孔を開閉するように備えられたボディーと、前記連結ダクトに備えられ、前記ボディーと所定距離離隔して備えられるボディー支持部と、前記ボディーを貫通するように備えられ、前記ボディー支持部から前記連結ダクト排気孔に向かって延びるガイダーと、を含むことができる。
【0029】
本発明は、キャビネットと、前記キャビネットの内部に備えられ、洗濯物が貯蔵される収容空間と、前記キャビネットの内部を前記キャビネットの外部と連通させるキャビネット流路と、前記収容空間、前記収容空間の内部の空気を前記キャビネットの外部に案内する排出流路及び空気を前記収容空間の内部に案内する供給流路が連結されることによって形成される流路部と、前記流路部に備えられて、前記収容空間の内部の空気を前記キャビネットの外部に排出させるファンと、前記ファンが作動すると、前記キャビネット流路と前記供給流路との間の空気流動を許容し、前記ファンが作動しないと、前記供給流路と前記キャビネット流路との間の空気流動は遮断し、前記排出流路と前記キャビネット流路との間の空気流動は許容する遮断部と、を含む衣類処理装置を提供する。
【0030】
前記遮断部は、前記ファンを通過した空気を前記キャビネットの外部に案内する前記流路部の下流(down stream)に備えることができる。
【0031】
本発明は、前記ファンに空気を案内する前記流路部の上流(upper stream)に備えられ、前記収容空間の内部の圧力が既に設定された基準圧力以上であれば、前記収容空間の内部の空気を前記キャビネットの内部に排出させる圧力低減部をさらに含むことができる。
【0032】
前記キャビネットは、前記収容空間に連通する投入口、及び前記キャビネットに備えられ、前記投入口を開閉するドアをさらに含み、前記圧力低減部は、前記ドアと前記キャビネットとの間の締結力を克服するための圧力よりも小さい圧力によって、前記流路部を前記キャビネットの内部と連通させるように備えることができる。
【0033】
前記キャビネット流路は、前記キャビネットを貫通するように備えられるキャビネット流入口によって形成され、前記キャビネット流入口は、前記圧力低減部が前記キャビネットに投影された投影面(projected plane)に干渉しないように備えられることによって、前記圧力低減部から排出される空気が前記キャビネット流入口を介して前記キャビネットの外部に排出されることを防止することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明は、洗濯物が貯蔵された収容空間の内部に火災が発生した場合、収容空間の内部の火炎が自然に消火するようにする衣類処理装置を提供する効果を図ることができる。
【0035】
また、本発明は、洗濯物が貯蔵される収容空間の内部に火災が発生した場合、引火性ガスなどによって収容空間の内部で爆発が発生することを防止する衣類処理装置を提供する効果を図ることができる。
【0036】
また、本発明は、洗濯物が貯蔵される収容空間の内部で爆発が発生しても、収容空間の内部の火炎が外部に排出されることを防止する衣類処理装置を提供する効果を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明の衣類処理装置の一例を示す図である。
図2】本発明に備えられた圧力低減部(供給部開閉装置)を示す図である。
図3】本発明に備えられた圧力低減部とキャビネットの後方パネルに備えられたキャビネット排出口との間の位置関係を示す図である。
図4】本発明の衣類処理装置の他の実施例を示す図である。
図5】本発明に備えられた圧力低減部(排出部開閉装置)を示す図である。
図6】本発明に備えられた圧力低減部(排出部開閉装置)を示す図である。
図7】本発明の衣類処理装置の更に他の実施例を示す図である。
図8】本発明の衣類処理装置に備えられた遮断部(爆発防止部)を示す図である。
図9】圧力低減部及び遮断部が全て備えられた衣類処理装置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下では、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。一方、以下に記述される装置の構成や制御方法は、本発明の実施例を説明するためのものに過ぎず、本発明の権利範囲を限定するためのものではない。明細書全般にわたって同一に使用された参照番号は同一の構成要素を示す。
【0039】
本発明の衣類処理装置100は、外観を形成するキャビネット1と、キャビネットの内部に備えられ、洗濯物が収容される収容空間と、収容空間へ空気を供給する供給部4と、収容空間の内部の空気をキャビネット1の外部に排出させる排出部5とを含む。
【0040】
キャビネット1は、洗濯物の出入りのための投入口111が備えられた前方パネル11と、キャビネット1の内部をキャビネット1の外部と連通させるキャビネット流入口131が備えられた後方パネル13とを備えることができる。
【0041】
前方パネル11には、投入口111を開閉するドア15が備えられる。したがって、使用者は、ドア15及び投入口111を通じて収容空間へ洗濯物を投入したり、または収容空間から洗濯物を引き出すことができるようになる。
【0042】
後方パネル13は、ドア15が備えられたキャビネット1の前方パネル11と対向するように備えられ、キャビネット流入口131は、キャビネット1の外部の空気をキャビネットの内部に流入させる手段である。
【0043】
すなわち、キャビネット流入口131は、キャビネットの外部空気をキャビネットの内部に流入させる流路(キャビネット流路)となる。
【0044】
キャビネット流入口131は、キャビネット1の幅方向(Z軸方向)に沿って後方パネル13を貫通するように備えられる多数のパネル貫通孔1311と、パネル貫通孔の下部面からキャビネット1の内部に向かって傾斜するように延びるフランジ1313とを備えることができる。
【0045】
フランジ1313は、キャビネット1の外部の水がパネル貫通孔1311を通じてキャビネット1の内部に流入することを防止する手段である。したがって、本発明は、衣類処理装置100が備えられた室内空間を掃除する時に、水がキャビネット1の内部に流入することを最小化することができる。
【0046】
一方、後方パネル13には、排出部5を通じて移動する空気をキャビネット1の外部に排出させるキャビネット排出口133をさらに備えることができる。
【0047】
本発明の衣類処理装置100が洗濯物の乾燥のみを目的とする場合、収容空間は、キャビネット1の内部に回転可能なドラム2を備えることができる。
【0048】
ドラム2は、前方面及び後方面が開放された円筒形状に形成することができ、この場合、キャビネット1の内部には、ドラム2を回転可能に支持するための前方支持部17及び後方支持部19をさらに備えることができる。
【0049】
前方支持部17は、キャビネット1の内部に固定される支持部ボディー171と、支持部ボディー171を貫通するように備えられるボディー貫通孔173と、支持部ボディー171に備えられ、ドラム2の前方面を支持する前方フランジ175とを備えることができる。
【0050】
ボディー貫通孔173は、投入口111に連通するように備えられるので、投入口111を介して流入する洗濯物は、ボディー貫通孔173を介してドラム2の内部に移動することができる。
【0051】
支持部ボディー171には、ドア15に向かって延びる円筒形状の案内管177を備えることができる。この場合、案内管177は、ボディー貫通孔173の円周面及び投入口111の円周面を取り囲むように、前方パネル11と支持部ボディー171とを連結するように備えることができる。
【0052】
前方フランジ175は、支持部ボディー171の表面からドラム2に向かって突出して備えられ、ボディー貫通孔173の円周面に沿って備えることができる。ドラム2の前方内周面は、前方フランジ175の外周面によって回転可能に支持される。
【0053】
さらに、前方支持部17には、後述する排出部5が結合される排出部連結孔179がさらに備えられる。排出部連結孔179は、案内管177を貫通するように備えられて、ドラム2の内部をドラムの外部と連通させる手段となる。
【0054】
後方支持部19もまた、キャビネット1の内部に固定される支持部ボディー191と、支持部ボディー191に備えられて、ドラム2の後方面を回転可能に支持する後方フランジ193とを備えることができる。
【0055】
後方支持部19には、後述する供給部4が結合される供給部連結孔195がさらに備えられる。供給部連結孔195は、支持部ボディー191を貫通するように備えられて、ドラム2の内部をドラムの外部と連通させる手段となる。
【0056】
但し、本発明の衣類処理装置100が洗濯物の乾燥及び洗濯物の洗濯が可能なように備えられる場合、収容空間は、キャビネット1の内部に備えられ、洗濯水が貯蔵されるタブ(図示せず)、及びタブの内部に回転可能に結合されるドラム2を備えることができる。
【0057】
この場合、前方支持部及び後方支持部は省略できる。また、ボディー貫通孔173、案内管177及び排出部連結孔179は円筒形状のタブの前方面に備えられ、供給部連結孔195はタブの外周面に備えられるようになり、ドラム2は、タブの後方面を貫通する回転軸によってタブの内部に回転可能に支持される。また、ドラムの円周面には、タブとドラムの内部とを連通させる多数の貫通孔が備えられる。
【0058】
以下では、説明の便宜のために、洗濯物の乾燥のみが可能な衣類処理装置100を例に挙げて本発明について説明する。
【0059】
ドラム2は、駆動部3によって回転し、本発明に備えられた駆動部3は、キャビネット1の内部に備えられたドラムモータ31と、ドラムモータ31によって回転する第1回転軸33及び第2回転軸35と、ドラム2の円周面と第1回転軸33とを連結するベルト37と、を備えることができる。
【0060】
第2回転軸35は、排出部5に備えられたファンハウジング55を貫通して排気ファン57に連結されるので、本発明は、一つのドラムモータ31でドラム2及び排気ファン57を同時に回転させることができる。
【0061】
供給部4は、ドラム2に空気(加熱空気または非加熱空気)を供給する供給流路である。したがって、供給部4は、ドラム2へ空気を供給する供給ダクト43のみを備えることができる。
【0062】
この場合、供給ダクト43は、キャビネット1の内部の空気をドラム2に供給するように備えられてもよく、キャビネット1の外部の空気をドラム2に供給するように備えられてもよい。
【0063】
一方、供給部4が加熱された空気(熱風)をドラム2に供給するように備えられる場合、供給部4は、空気を加熱するヒーター45が備えられた加熱ダクト41、及び加熱ダクト41から排出される空気をドラム2に案内する供給ダクト43を備えることができる。
【0064】
この場合、加熱ダクト41は、対向する両面が開放された柱状に形成されて、キャビネット1の内部に位置することができ、供給ダクト43は、加熱ダクト41と供給部連結孔195とを連結するダクトボディー431を備えることができる。
【0065】
一方、加熱ダクト41が、ドラム2とキャビネット1の底面との間の空間や、ドラム2の側面とキャビネット1との間の空間に備えられる場合、ダクトボディー431は、加熱ダクト41からキャビネット1の高さ方向(ドラム2の高さ方向)に沿って延びて備えられることが好ましい。
【0066】
さらに、供給部連結孔195に結合されるダクトボディー431には、キャビネット1の底面と平行に備えられるか、またはキャビネット1の底面に向かって傾斜するように備えられる装着面(傾斜面)435をさらに備えることができる。
【0067】
排出部5は、ドラム2の内部の空気をキャビネット1の外部に排出させる排出流路である。したがって、排出部5は、ドラム2の内部の空気が排出される連結ダクト51と、連結ダクト51に流入した空気をキャビネット1の外部に案内する排気ダクト53とを備えることができる。
【0068】
連結ダクト51と排気ダクト53とはファンハウジング55を通じて連結され、ファンハウジング55には、ドラム2の内部の空気を連結ダクト51の内部に移動させる排気ファン57が備えられる。
【0069】
連結ダクト51は、ダクト流入口511及びダクト排出口513を含むように備えられ、ダクト流入口511は、前方支持部17に備えられた排出部連結孔179に結合する。
【0070】
ファンハウジング55は、排気ファン57が回転可能な空間を提供し、ダクト排出口513と排気ダクト53とを連結するように備えられる。
【0071】
したがって、排気ファン57が、ドラムモータ31に備えられた第2回転軸35によってファンハウジング55の内部で回転すると、ドラム2の内部の空気は、排出部連結孔179及びダクト流入口511を介して連結ダクト51に流入し、連結ダクト51の内部の空気は、ダクト排出口513及びファンハウジング55を介して排気ダクト53に移動するようになる。
【0072】
一方、排気ファン57によってドラム2の内部の空気がドラムのキャビネットの外部に排出されると、ドラム2の内部の気圧が低くなるので、キャビネット1の内部の空気は供給部4を介してドラム2の内部に移動する。
【0073】
この場合、キャビネット流入口131によって形成されるキャビネット流路は、キャビネット1の内部に外気を持続的に供給し、供給部4を介して空気がドラム2の内部に移動する間にヒーター45が作動すると、本発明の衣類処理装置100は、ドラム2に熱風を供給できるようになる。
【0074】
すなわち、本発明は、ドラム2、排出流路51,53、及び供給流路41,43が互いに連結されて単一の流路(一つの流路部)を形成するようになるので、排気ファン57を介してドラム2の内部の空気がキャビネット1の外部に排出されると、流路部とキャビネット流路との間に空気の流動が発生して、ドラム2に空気を持続的に供給可能な構造である。したがって、本発明の衣類処理装置は、原則的に排気ファン57が作動されないと、ドラム2に空気が供給されない。
【0075】
一方、上述した構成のみを備えた衣類処理装置100は、ドラム2の内部に貯蔵された洗濯物に火災が発生する場合、次のような問題が生じうる。
【0076】
ドラム2内の洗濯物に火災が発生(原因は不明確である)した場合、ドラム2の内部の火炎がキャビネット1の外部に排出されて、衣類処理装置100が備えられた室内に火炎が広がることがある。
【0077】
ドラム2の内部に火炎に包まれた洗濯物が長期間貯蔵されている場合、洗濯物が燃えながら発生した引火性ガスなどによる爆発(フラッシュオーバー、Flash Over)や、ドラム2の内部に一定量以上の空気が突然供給されながら発生する爆発(バックドラフト、Back Draft)が発生することがあり、ドラム2の内部で爆発が発生する場合、爆発圧力によってドア15などが開放されて、ドラム2の内部の火炎がキャビネット1の外部に排出されることがあるからである。
【0078】
したがって、本発明は、ドラム2への空気供給を遮断(洗濯物の火炎が自然に消火)することによって爆発が発生しないようにする遮断部(図7参照)9、及びドラム2の内部で爆発が発生しても、爆発圧力によってドラム2の内部の火炎がキャビネット1の外部に排出されることを防止する圧力低減部7のうち少なくともいずれか一つをさらに備えたことが特徴である。
【0079】
以下では、先に圧力低減部7について説明した後、遮断部9について説明する。
【0080】
圧力低減部7は、ドラム2の内部で爆発が発生した場合、ドラム2の内部の空気をキャビネット1の外部ではなく、キャビネット1の内部に排出させることによって、火炎がキャビネット1の外部に排出されることを防止する手段である。
【0081】
ドラム2の内部で爆発(フラッシュオーバーやバックドラフトなど)が発生すると、ドラム2の内部の圧力は急激に増加し、ドラム2の内部の圧力が急激に増加すると、相対的に弱い力でドラム2を密閉させる手段(ドア15など)が破損したり、または開放されて、ドラム2の内部の火炎をキャビネット1の外部に排出させるようになる。
【0082】
したがって、本発明に備えられた圧力低減部7は、遮断部9の存在にもかかわらず、ドラム2の内部で爆発が発生した場合、ドラム2の内部の空気をキャビネット1の内部に排出(ドラム内部の圧力を減少)させることによって、爆発圧力によって火炎がキャビネット1の外部に排出されることを防止する手段である。
【0083】
そのために、圧力低減部7は、排気ファン57に空気を案内する流路部の上流(upper stream)に備えられて、ドラム2の内部の圧力が既に設定された基準圧力以上であれば、ドラム2の内部の空気をキャビネット1の内部に排出させるように備えられることが好ましい。
【0084】
図1を参照してより詳細に説明すると、本発明に備えられる圧力低減部7は、供給部4に備えられて、ドラム2の内部の圧力が既に設定された基準圧力以上である時に、ドラム2の内部の空気をキャビネット1の内部に移動させる開閉装置(供給部開閉装置)71,73を備えることができる。
【0085】
基準圧力は、ドラム2の内部で爆発が発生する場合に予想可能なドラム内部の圧力(実験値など)に設定することができ、ドア15とキャビネット1との締結力を解除させる圧力(ドアを開放可能な圧力)に設定することが好ましい。
【0086】
基準圧力として、ドア15とキャビネット1との締結力を解除させる圧力を設定することは、ドラム2の内部をドラムの外部と連通させる手段(流路部をキャビネットの外部と連通させる手段)のうち最も小さな力で開放可能な手段がドア15であるからである。
【0087】
一方、供給部開閉装置は、供給ダクト43に備えられて、供給ダクト43の内部をキャビネット1の内部と連通させる供給ダクト排気孔71と、供給ダクト43に回転可能に備えられて、ドラム2の内部の圧力が基準圧力以上である時に、供給ダクト排気孔71を開放する供給ダクトドア(供給ダクトフラップ)73とを備えることができる。
【0088】
基準圧力がドア15を開放させる圧力以上に設定される場合、供給ダクトドア73の自重(self−weight)は、ドア15とキャビネット1との間の締結力よりも小さくすることが好ましい。ドラム2の内部に爆発が発生する場合、ドア15よりも供給ダクトドア73が先に開放されるようにするためである。
【0089】
供給ダクトドア73は、制御部(図示せず)のような制御装置を通じて供給ダクト排気孔71を開放するように備えられることよりも、供給ダクトドア73の自重により供給ダクト排気孔71を閉鎖する方式がさらに有利である。
【0090】
ドラム2の内部に火災が発生したり、またはドラム2の内部で爆発が発生すると、衣類処理装置100の内部に備えられた電子装置はその機能を果たすことができない場合が生じうるからである。
【0091】
一方、供給部開閉装置71,73は、供給部4のどの位置に備えられても構わないが、供給部連結孔195に隣接した供給ダクト43に備えられることが好ましい。ドラム2の内部に爆発が発生する場合、ドラム2の内部の空気が直ちにキャビネット1の内部に排出されるようにするためである。
【0092】
すなわち、供給部開閉装置71,73は、後方パネル13に向かうダクトボディー431の表面に備えられてもよく、ダクトボディー431の上部に備えられた装着面435に備えられてもよい。
【0093】
但し、後方パネル13に向かうダクトボディー431の表面に供給部開閉装置71,73が備えられると、ダクトボディー431と後方パネル13との間に、供給ダクトドア73の開放時に、後方パネル13と供給ダクトドア73との干渉を防止するための空間が必要である。
【0094】
また、供給部開閉装置が、後方パネル13に向かうダクトボディー431の表面に備えられると、供給ダクトドア73の自重のみで供給ダクト排気孔71を完全に密閉させるのが難しく、衣類処理装置の作動時に騷音を誘発することもある。
【0095】
したがって、衣類処理装置100の深さ方向の長さ(X軸方向の長さ)を最小化し、供給ダクト排気孔71の密閉などのために、供給部開閉装置71,73は装着面435に備えられることが好ましい。
【0096】
上述したように、装着面435は、キャビネット1の底面と平行に備えられてもよく、供給部連結孔195からキャビネット1の底面に向かって所定角度傾斜した傾斜面を有するように備えられてもよい。
【0097】
但し、装着面435がキャビネット1の底面と平行に備えられる場合よりも、装着面435が傾斜面として備えられると、ドラム2の内部に爆発が発生した場合、供給ダクトドア73が迅速に開放される効果、及び供給ダクトドア73の自重により供給ダクト排気孔71を閉鎖する効果を期待することができる。
【0098】
したがって、以下では、傾斜するように備えられた装着面435に供給部開閉装置71,73が備えられた場合を例に挙げて説明する。
【0099】
図2に示すように、供給部開閉装置の供給ダクト排気孔71は、装着面435を貫通するように備えられて、ダクトボディー431の内部をキャビネット1の内部と連通させる。
【0100】
この場合、供給ダクトドア73は、供給ダクト排気孔71を開閉するボディー(第1ボディー)731と、装着面435に備えられるボディー支持部(第1ボディー支持部)733と、第1ボディー731を第1ボディー支持部733に回転可能に結合する回転軸735とを備えることができる。
【0101】
本発明の衣類処理装置100は、排出部5によって、ドラム2の内部の空気がキャビネット1の外部に排出される時に、ドラム2の内部が負圧(negative pressure)状態となるので、キャビネット1の内部の空気が供給部4を介してドラム2に供給される方式である。
【0102】
したがって、衣類処理装置100が正常に動作する場合(排気ファン57の正常作動時)に、供給ダクト43の内部は負圧状態であるので、ドラム2の内部に爆発が発生しない限り(ドラムの内部の圧力が基準圧力以上とならない限り)、供給ダクトドア73は供給ダクト排気孔71を開放しない。
【0103】
一方、後方パネル13に備えられ、キャビネット1の内部に空気を供給するキャビネット流入口131が、図3(a)に示すように備えられると、供給部開閉装置71,73の存在にもかかわらず、ドラム2の内部の火炎がキャビネット1の外部に排出され得る。
【0104】
すなわち、キャビネット流入口131がキャビネットの幅方向(Z軸方向)に沿って備えられ、後方パネル13に投影された供給ダクト排気孔71の投影面(projected plane)Mを通過するように備えられると、ドラム2の内部の爆発時に、火炎が供給ダクト排気孔71及びキャビネット流入口131を経てキャビネット1の外部に排出され得る。
【0105】
したがって、図3(b)に示すように、本発明に備えられたキャビネット流入口131は、後方パネル13に投影された供給ダクト排気孔71の投影面Mに干渉しないように備えられることが好ましい。
【0106】
キャビネット流入口131は、投影面Mの下部と並ぶように後方パネル13に傾斜するように具備(L)されてもよいが、この場合、キャビネットの外部の水がキャビネット流入口131を介して流入する可能性が大きくなる。
【0107】
したがって、キャビネット流入口131は、図3(b)に示すように、キャビネット1の底面と並ぶように備えられ、投影面Mに干渉しないように後方パネル13に配列されることが好ましい。
【0108】
上述した実施例は、供給部開閉装置71,73が供給部4に備えられた場合について説明しているが、これは一例に過ぎず、供給部開閉装置71,73は、ドラム2の内部の圧力が基準圧力以上である時に、ドラム2の内部の空気をキャビネット1の内部に排出させることができる限り、様々な位置に備えることができる。
【0109】
すなわち、供給部開閉装置71は、ドラム2の円周面A(図1参照)に備えられてもよく、前方支持部17及び後方支持部19の表面B(図1参照)のうち少なくともいずれか一つに備えられてもよい。
【0110】
上述した構造を有する衣類処理装置100は、爆発によってドラム2の内部の圧力が基準圧力以上となる場合、ドア15が投入口111を開放する前に、供給ダクトドア73が供給ダクト排気孔71を開放することによって、ドラム2の内部の火炎がキャビネット1の外部に排出されることを防止できるようになる。
【0111】
図4は、本発明の衣類処理装置100の他の実施例を示すもので、本実施例に備えられた圧力低減部7は、排出部5に備えられて、ドラム内部の圧力が基準圧力以上である時に、ドラム2の内部の空気をキャビネット1の内部に排出させる排出部開閉装置が備えられることが特徴である。
【0112】
排出部開閉装置は、ドラム2から排出部5に流入した空気をキャビネット1の内部に供給できる限り、排出部5のどの部位に備えられても構わないが、図5に示すように、連結ダクト51に備えられることが好ましい。
【0113】
排出部5の構成のうち連結ダクト51がドラム2に最も近いので、連結ダクトに排出部開閉装置72,74を備えると、ドラム2の内部に爆発が発生する場合に、ドラム2の内部の圧力を迅速に低くすることができるからである。
【0114】
図5に示すように、排出部開閉装置は、連結ダクト51を貫通するように備えられる連結ダクト排気孔72と、連結ダクトに回転可能に備えられ、連結ダクト排気孔72を開閉する連結ダクトドア(連結ダクトフラップ)74とを備えることができる。
【0115】
連結ダクトドア74は、連結ダクト排気孔72を自重によって閉鎖するボディー(第2ボディー)741と、連結ダクト51に固定された第2ボディー支持部745と、第2ボディー741と第2ボディー支持部745とを連結する回転軸747と、を備えることができる。
【0116】
連結ダクトドア74の自重(第2ボディーの自重)は、供給ダクトドア73の自重(第1ボディー731の自重)と同様に、ドア15とキャビネット1との間の締結力よりも小さくすることが好ましい。
【0117】
上述した排出部開閉装置72,74は、ドラム2と排気ファン57との間に位置するので、排気ファン57によってドラム2の内部の空気が排出されると、連結ダクト51の内部は負圧(negative pressure)状態となるので、ドラム2の内部の圧力が基準圧力以上とならない限り、連結ダクトドア74は連結ダクト排気孔72を開放しない。
【0118】
一方、本実施例に備えられた排出部開閉装置は、図6のような構造とすることができる。
【0119】
本実施例に備えられた排出部開閉装置は、第2ボディー支持部745に備えられたガイダー749が、第2ボディー741の運動を案内することが特徴である。
【0120】
そのために、第2ボディー支持部745は、連結ダクト51に固定された固定端と、固定端から第2ボディー741の中心に向かって延びて備えられ、第2ボディー741と所定距離離隔した延長端とを備えることができる。
【0121】
この場合、第2ボディー741には中心を貫通するボディー貫通孔743が備えられ、ガイダー749は、延長端から連結ダクト排気孔72に向かって延びて、ボディー貫通孔743に挿入されることができる。
【0122】
図5及び図6に示した排出部開閉装置72,74は、それ自体でドラム2の内部の圧力を低くする効果があるが、洗濯物が排出部連結孔179を閉鎖した状態(ダクト流入口511が閉鎖された状態)でドラム2の内部に爆発が発生する場合、その目的を達成しにくいことがある。
【0123】
したがって、上述した排出部開閉装置72,74は、供給部4に備えられる開閉装置71,73と共に備えられることがより好ましい。
【0124】
図7に示した実施例は、ドラム2の内部に火災が発生した場合、ドラム2の内部に供給される空気を遮断することによって、ドラム2の内部の火炎を自然消火(extinguishing)させる遮断部9が備えられたことが特徴である。
【0125】
すなわち、本実施例に備えられた遮断部9は、排気ファン57が作動すると、キャビネット流路(131によって形成)と供給流路41,43との間の空気流動は許容し、排気ファン57が作動しないと、供給流路41,43とキャビネット流路131との間の空気流動は遮断し、排出流路51,53,55とキャビネット流路131との間の空気流動は許容することによって、ドラム2の内部に火災が発生した場合、ドラム2の内部で爆発が発生することを防止できることが特徴である。
【0126】
本実施例に備えられる遮断部9は、排気ファン57を通過した空気をキャビネット1の外部に案内する流路部2,41,43,51,53の下流(down stream)に備えられる限り、衣類処理装置100のどの位置に備えられても構わないが、図7は、排出部5に遮断部9が備えられた場合を一例として示したものである。
【0127】
図8に示すように、遮断部9は、排気ダクト53を貫通するように備えられて、排気ダクト53の内部とキャビネット1の内部とを連通させる排気ダクト貫通孔91と、排気ダクト53に回転可能に備えられて、排気ダクト貫通孔91と排気ダクト53を選択的に開放(排気ダクト貫通孔及び排気ダクトのいずれか一つのみを開放)する貫通孔ドア(貫通孔フラップ)93と、を備えることができる。
【0128】
貫通孔ドア93は、排気ダクト53に備えられるボディー回転軸933と、ボディー回転軸933を通じて排気ダクト53の内部で回転し、排気ダクト貫通孔91と排気ダクト53を選択的に開放するボディー931と、を備えることができる。
【0129】
ボディー931は、制御部によって排気ダクト貫通孔91を開閉するように備えられてもよいが、自重によって排気ダクト53を閉鎖し、排気ファン57によって排気ダクト貫通孔91を閉鎖するように備えられることが好ましい。
【0130】
ドラム2の内部に火災が発生して、電子装置が誤作動を起こす場合、遮断部9が作動されないことを防止するためである。
【0131】
本発明の衣類処理装置100は、排気ファン57によってドラム2の内部の空気がキャビネット1の外部に排出される時に、ドラム2の内部が負圧(negative pressure)状態となるので、キャビネット1の内部の空気が供給部4を介してドラム2に供給される方式である。したがって、排気ファン57が作動しない状況では、ドラム2の内部に空気が供給されにくい。
【0132】
しかし、衣類処理装置100に備えられた排気ダクト53は、キャビネット1の外部に露出しているので、衣類処理装置100の外部の気圧変化によって、排気ファン57が作動しなくても、ドラム2に空気が供給される場合がある。
【0133】
すなわち、一般的な衣類処理装置100は、排気ダクト53が家の壁を貫通するように備えられた流路に連結されて、洗濯物の乾燥時に、ドラム2から排出された空気を室外に排出する。したがって、室外の気圧条件によって、室外の空気が排気ダクト53を介してドラム2に供給されることもあり、ドラム2の内部の空気が排気ダクト53を介して室外に排出され得る。
【0134】
このような状況は、衣類処理装置100が室内に備えられた場合にも同様である。室内の気圧変化によって、空気が排気ダクト53を介してドラム2に供給されることもあり、ドラム2から排出されることもあるからである。
【0135】
結論的に、ドラム2の内部に火災が発生した場合、排気ファン57の作動を中断させることだけでは、ドラム2の内部への空気供給を遮断できない。
【0136】
本発明に備えられた遮断部9は、排気ファン57の作動が中断されたにもかかわらず、ドラム2に空気が供給されて、ドラム2の内部で爆発が発生するという問題を解決するためのものである。
【0137】
ドラム2の内部に火災が発生して排気ファン57の作動が中断され、衣類処理装置100の外部の気圧が低い状況を仮定する。
【0138】
図7に示すように、排気ファン57の作動が中断されると、排気ダクト貫通孔91は開放され、排気ダクト53は貫通孔ドア93によって閉鎖される。したがって、キャビネット1の外部の気圧が低くても、ドラム2の内部の空気は排気ダクト53を介してキャビネット1の外部に排出されない。
【0139】
ドラム2の内部の空気がキャビネット1の外部に排出されないと、供給部4を介してキャビネット1の内部の空気がドラム2に供給されない(供給流路41,43とキャビネット流路131との間の空気流動が遮断される)はずなので、ドラム2の内部の火炎は、ドラム2の内部の酸素が全て消尽される時に、消火される。
【0140】
一方、キャビネット1の外部の気圧が低いので、キャビネット1の内部の空気は、排気ダクト貫通孔91を介してキャビネット1の外部に排出される(排出流路51,53,55とキャビネット流路131との間の空気流動が発生するからである)。
【0141】
キャビネットの内部の空気が排気ダクト貫通孔91を介してキャビネット1の外部に排出されると、ドラム2の内部の空気が供給部4を介してキャビネット1の外部に排出され得るので、本発明に備えられた遮断部9は、キャビネット1の外部の気圧が低い場合、ドラム2の内部の火炎を迅速に消火させることができる。
【0142】
一方、ドラム2の内部に火災が発生して排気ファン57の作動が中断され、衣類処理装置100の外部の気圧が高い状況を仮定する。
【0143】
排気ファン57の作動が中断されたので、排気ダクト貫通孔91は開放され、排気ダクト53は貫通孔ドア93によって閉鎖された状態である。したがって、キャビネット1の外部の気圧が高くても、キャビネット1の外部の空気は排気ダクト53を介してドラム2の内部に供給されない。
【0144】
但し、キャビネット1の外部の気圧が高いので、キャビネット1の外部の空気は、排気ダクト53及び排気ダクト貫通孔91を介してキャビネット1の内部に流入し得る。
【0145】
しかし、実験結果によれば、キャビネット1の外部の気圧が高いため、排気ダクト貫通孔91を介してキャビネット1の外部の空気がキャビネット1の内部に流入するとしても、供給部4を介してドラム2に供給される可能性は低いことが確認された。
【0146】
これは、ドラム2の内部に発生した火災によってドラム2内の空気量は減少したが、火災によって発生するガスの量が増加することによって、ドラム2の内部の気圧もまた高くなったからであると推測される。
【0147】
したがって、本発明に備えられた遮断部9は、衣類処理装置100の外部気圧が高い状況でも、ドラム2に供給される空気を遮断して、ドラム2の内部の火炎が自然に消火するようにする効果を期待することができる。
【0148】
図9は、圧力低減部7及び遮断部9が全て備えられた衣類処理装置100を示している。
【0149】
本実施例に備えられた圧力低減部7は、供給部4及び排出部5にそれぞれ備えられて、ドラム2の内部の圧力が基準圧力以上となると、ドラム2の内部の空気をキャビネット1の内部に排出させる開閉装置(供給部開閉装置)71,73及び排出部開閉装置72,74を備え、遮断部9は、排気ダクト53に備えられて、排気ファン57の作動が中断されると、排気ダクト貫通孔91は開放し、排気ファン57は閉鎖させる。
【0150】
開閉装置71,73、排出部開閉装置72,74及び遮断部9の構造や効果は、上述した実施例と同一であるので、詳細な説明は省略する。
【0151】
本発明は、様々な形態に変形実施が可能であり、上述した実施例にその権利範囲が限定されるものではない。したがって、変形した実施例が本発明の特許請求の範囲の構成要素を含んでいる場合、本発明の権利範囲に含まれるものと解さねばならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9