(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5767309
(24)【登録日】2015年6月26日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】緊急時用切り替え方法及びそのシステム
(51)【国際特許分類】
H04L 12/707 20130101AFI20150730BHJP
H04W 24/04 20090101ALI20150730BHJP
H04W 92/06 20090101ALI20150730BHJP
H04M 3/00 20060101ALI20150730BHJP
H04L 12/70 20130101ALI20150730BHJP
【FI】
H04L12/707
H04W24/04
H04W92/06
H04M3/00 E
H04L12/70 B
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-501598(P2013-501598)
(86)(22)【出願日】2010年9月16日
(65)【公表番号】特表2013-527648(P2013-527648A)
(43)【公表日】2013年6月27日
(86)【国際出願番号】CN2010076986
(87)【国際公開番号】WO2011120282
(87)【国際公開日】20111006
【審査請求日】2013年7月22日
(31)【優先権主張番号】201010142717.1
(32)【優先日】2010年4月2日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511207729
【氏名又は名称】ゼットティーイー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100118256
【弁理士】
【氏名又は名称】小野寺 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100127328
【弁理士】
【氏名又は名称】八木澤 史彦
(72)【発明者】
【氏名】ワン グオツァイ
(72)【発明者】
【氏名】シア シンシン
(72)【発明者】
【氏名】チャン ハオジュン
【審査官】
大石 博見
(56)【参考文献】
【文献】
特開平08−186618(JP,A)
【文献】
特開2003−283543(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/707
H04L 12/70
H04M 3/00
H04W 24/04
H04W 92/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の業務処理サブシステムと、第2の業務処理サブシステムと、ネットワーク機器とを含むシステムに用いられる方法であって、
前記第1の業務処理サブシステムは、第3の事業者ネットワークが設置した第1の事業者ネットワークへの第1の相互接続ゲートウェイシステムであって、前記ネットワーク機器を介して前記第1の事業者ネットワークにおける第3の相互接続ゲートウェイシステムとの接続を確立し、正常状態において、前記第3の相互接続ゲートウェイシステムからのメッセージを処理し、前記第2の業務処理サブシステムは、前記第3の事業者ネットワークが設置した第2の事業者ネットワークへの第2の相互接続ゲートウェイシステムであって、前記ネットワーク機器を介して前記第2の事業者ネットワークにおける第4の相互接続ゲートウェイシステムとの接続を確立し、正常状態において、前記第4の相互接続ゲートウェイシステムからのメッセージを処理し、前記ネットワーク機器は、アドレスのマッピングを担当し、
前記第1の業務処理サブシステムにおける機器に問題が発生した後、前記第1の業務処理サブシステムにマッピングしたIPアドレスを前記第2の業務処理サブシステムにマッピングするように、前記ネットワーク機器によって、前記第1の業務処理サブシステムにマッピングしたIPアドレスのマッピング関係を修正し、
前記第1の業務処理サブシステムの業務を処理するに必要なデータを予め記憶した前記第2の業務処理サブシステムによって、前記第1の業務処理サブシステムの業務を処理するステップを含むことを特徴とする緊急時用切り替え方法。
【請求項2】
前記第2の業務処理サブシステムによって、前記第1の業務処理サブシステムの業務を処理するステップは、
前記第2の業務処理サブシステムが、前記第1の業務処理サブシステムの通信対象との接続用の予め設定された第1の緊急時用アカウントを利用し始め、前記第1の緊急時用アカウントで前記第1の業務処理サブシステムの通信対象との接続を確立することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の業務処理サブシステムによって、前記第1の業務処理サブシステムの業務を処理するステップは、
前記第2の業務処理サブシステムが、前記第1の業務処理サブシステムの周辺機器との接続用の予め設定された第2の緊急時用アカウントを利用し始め、前記第2の緊急時用アカウントで前記第1の業務処理サブシステムの周辺機器との接続を確立することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の業務処理サブシステムによって、前記第1の業務処理サブシステムの業務を処理した後、さらに、
前記第1の業務処理サブシステムにおける機器が故障を排除した後、前記ネットワーク機器がマッピング関係を復元し、
前記第2の業務処理サブシステムが前記第1の業務処理サブシステムの通信対象及び周辺機器との接続を切断し、前記第1の業務処理サブシステムが前記通信対象及び周辺機器との接続を確立するステップを含むことを特徴とする請求項1、2又は3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
アドレスマッピングを担当する前記ネットワーク機器が、前記第1の業務処理サブシステムにマッピングしたIPアドレスのマッピング関係を修正するステップは、具体的に、
前記第2の業務処理サブシステムは、予め設定されたネットワーク機器スクリプトを実行して、アドレスマッピングを担当する前記ネットワーク機器が、前記第1の業務処理サブシステムにマッピングしたIPアドレスのマッピング関係を補正し、又は前記第1の業務処理サブシステムのIPアドレスのマッピング関係を復元するように制御することを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
第1の業務処理サブシステムと、第2の業務処理サブシステムと、アドレスマッピングを行うネットワーク機器と、を含む緊急時用切り替えシステムであって、
前記第1の業務処理サブシステムは、第3の事業者ネットワークが設置した第1の事業者ネットワークへの第1の相互接続ゲートウェイシステムであって、前記ネットワーク機器を介して前記第1の事業者ネットワークにおける第3の相互接続ゲートウェイシステムとの接続を確立し、正常状態において、前記第3の相互接続ゲートウェイシステムからのメッセージを処理し、
前記第2の業務処理サブシステムは、前記第3の事業者ネットワークが設置した第2の事業者ネットワークへの第2の相互接続ゲートウェイシステムであって、前記ネットワーク機器を介して前記第2の事業者ネットワークにおける第4の相互接続ゲートウェイシステムとの接続を確立し、正常状態において、前記第4の相互接続ゲートウェイシステムからのメッセージを処理し、
前記ネットワーク機器が、前記第1の業務処理サブシステムにおける機器に問題が発生した後、前記第1の業務処理サブシステムにマッピングしたIPアドレスを前記第2の業務処理サブシステムにマッピングするように、前記第1の業務処理サブシステムにマッピングしたIPアドレスのマッピング関係を修正し、
前記第2の業務処理サブシステムが、前記ネットワーク機器によって前記第1の業務処理サブシステムにマッピングしたIPアドレスのマッピング関係を修正した後、予め記憶した前記第1の業務処理サブシステムの業務を処理するに必要なデータに基づいて、前記第1の業務処理サブシステムの業務を処理することを特徴とする緊急時用切り替えシステム。
【請求項7】
前記第2の業務処理サブシステムは、具体的に、前記ネットワーク機器によって前記第1の業務処理サブシステムにマッピングしたIPアドレスのマッピング関係を修正した後、予め設定された前記第1の業務処理サブシステムの通信対象との接続用の第1の緊急時用アカウントを利用し始め、前記第1の緊急時用アカウントで前記第1の業務処理サブシステムの通信対象との接続を確立することを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第2の業務処理サブシステムは、具体的に、前記ネットワーク機器によって前記第1の業務処理サブシステムにマッピングしたIPアドレスのマッピング関係を修正した後、予め設定された周辺機器との接続用の第2の緊急時用アカウントを利用し始め、前記第2の緊急時用アカウントで前記第1の業務処理サブシステムの周辺機器との接続を確立することを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記ネットワーク機器は、さらに、前記第1の業務処理サブシステムにおける機器が故障を排除した後、前記第1の業務処理サブシステムのIPアドレスのマッピング関係を復元し、
前記第2の業務処理サブシステムは、さらに、前記第1の業務処理サブシステムにおける機器が故障を排除した後、前記第1の業務処理サブシステムの通信対象及び周辺機器との接続を切断し、
前記第1の業務処理サブシステムは、故障を排除した後、前記通信対象及び周辺機器との接続を再び確立することを特徴とする請求項6、7又は8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記第2の業務処理サブシステムは、さらに、前記第2の業務処理サブシステムに予め設定されたネットワーク機器スクリプトを実行し、前記アドレスマッピングを担当するネットワーク機器が前記第1の業務処理サブシステムにマッピングしたIPアドレスのマッピング関係を修正し、又は前記第1の業務処理サブシステムのIPアドレスのマッピング関係を復元するように制御されることを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術に関し、具体的に、緊急時用切り替え方法及びそのシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、多くの通信システムには、複数の業務処理サブシステムが存在して、各業務処理サブシステムは相対的に独立したものである。例えば、事業者のネットワーク間におけるポイント・ツー・ポイントの色付きテキストメッセージの転送サービスシステムにおいて、色付きテキストメッセージの相互接続ゲートウェイ業務処理サブシステムが用いられていて、各事業者は他の事業者との間でいずれも相互接続ゲートウェイ業務処理サブシステムを備えているので、各事業者は少なくとも2セットの相互接続ゲートウェイ業務処理サブシステムを備えている。
【0003】
各業務処理サブシステムはいずれも通信中に重要な作用を果たしているので、業務処理サブシステムにおける機器の故障を回避するため、通常、重要の機器にバックアップを行う。現在、常用のバックアップ技術はホットスタンバイ技術である。
【0004】
しかし、ホットスタンバイ技術には、1)一つのサーバーのフレームが停電などの原因で稼動できない場合、本番機及び予備機はいずれもフレームの停電により停電してしまい、稼動できなく、適時に切り替えることができなく、2)切り替えに失敗した場合、業務の正常実行を保証できなくなる問題が存在する。このような2つの状況が発生すると、予備機を手動で起動させて、問題が発生した機器が行っていた業務を行わせるが、通常、少なくとも1〜2時間の時間がかかる必要があり、また、手動の切り替えには手間がかかると共に、事故が発生しやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、本番機に問題が発生した時に簡単且つ速やかに予備機を起動できる緊急時用切り替え方法及びそのシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術課題を解決するため、本発明は以下のように実現する。
緊急時用切り替え方法は、第1の業務処理サブシステムにおける機器に問題が発生した後、第1の業務処理サブシステムにマッピングしたIPアドレスを第2の業務処理サブシステムにマッピングするように、アドレスマッピングを担当するネットワーク機器によって、第1の業務処理サブシステムにマッピングしたIPアドレスのマッピング関係を修正し、前記第1の業務処理サブシステムの業務を処理するに必要なデータを予め記憶した前記第2の業務処理サブシステムによって、前記第1の業務処理サブシステムの業務を処理するステップを含む。
【0007】
前記第2の業務処理サブシステムによって、第1の業務処理サブシステムの業務を処理するステップは、前記第2の業務処理サブシステムが、前記第1の業務処理サブシステムの通信対象との接続用の予め設定された第1の緊急時用アカウントを利用し始め、前記第1の緊急時用アカウントで前記第1の業務処理サブシステムの通信対象との接続を確立することを含む。
【0008】
前記第2の業務処理サブシステムによって、第1の業務処理サブシステムの業務を処理するステップは、前記第2の業務処理サブシステムが、前記第1の業務処理サブシステムの周辺機器との接続用の予め設定された第2の緊急時用アカウントを利用し始め、前記第2の緊急時用アカウントで前記第1の業務処理サブシステムの周辺機器との接続を確立することを含む。
【0009】
前記第2の業務処理サブシステムによって、第1の業務処理サブシステムの業務を処理した後、さらに、前記第1の業務処理サブシステムにおける機器が故障を排除した後、前記ネットワーク機器がマッピング関係を復元し、前記第2の業務処理サブシステムが第1の業務処理サブシステムの通信対象及び周辺機器との接続を切断し、前記第1の業務処理サブシステムが前記通信対象及び周辺機器との接続を確立するステップを含む。
【0010】
アドレスマッピングを担当する前記ネットワーク機器が、第1の業務処理サブシステムにマッピングしたIPアドレスのマッピング関係を修正するステップは、具体的に、前記第2の業務処理サブシステムは、予め設定されたネットワーク機器スクリプトを実行して、アドレスマッピングを担当する前記ネットワーク機器が、第1の業務処理サブシステムにマッピングしたIPアドレスのマッピング関係を補正し、又は前記第1の業務処理サブシステムのIPアドレスのマッピング関係を復元するように制御する。
【0011】
緊急時用切り替えシステムは、第1の業務処理サブシステムと、第2の業務処理サブシステムと、アドレスマッピングを行うネットワーク機器と、を含む緊急時用切り替えシステムであって、アドレスマッピングを行う前記ネットワーク機器が、前記第1の業務処理サブシステムにおける機器に問題が発生した後、第1の業務処理サブシステムにマッピングしたIPアドレスを第2の業務処理サブシステムにマッピングするように、第1の業務処理サブシステムにマッピングしたIPアドレスのマッピング関係を修正し、前記第2の業務処理サブシステムが、前記ネットワーク機器によって第1の業務処理サブシステムにマッピングしたIPアドレスのマッピング関係を修正した後、予め記憶した前記第1の業務処理サブシステムの業務を処理するに必要なデータに基づいて、前記第1の業務処理サブシステムの業務を処理する。
【0012】
前記第2の業務処理サブシステムは、具体的に、前記ネットワーク機器によって第1の業務処理サブシステムにマッピングしたIPアドレスのマッピング関係を修正した後、予め設定された前記第1の業務処理サブシステムの通信対象との接続用の第1の緊急時用アカウントを利用し始め、前記第1の緊急時用アカウントで前記第1の業務処理サブシステムの通信対象との接続を確立する。
【0013】
前記第2の業務処理サブシステムは、具体的に、前記ネットワーク機器によって第1の業務処理サブシステムにマッピングしたIPアドレスのマッピング関係を修正した後、予め設定された周辺機器との接続用の第2の緊急時用アカウントを利用し始め、前記第2の緊急時用アカウントで前記第1の業務処理サブシステムの周辺機器との接続を確立する。
【0014】
前記ネットワーク機器は、さらに、前記第1の業務処理サブシステムにおける機器が故障を排除した後、前記第1の業務処理サブシステムのIPアドレスのマッピング関係を復元し、前記第2の業務処理サブシステムは、さらに、前記第1の業務処理サブシステムにおける機器が故障を排除した後、第1の業務処理サブシステムの通信対象及び周辺機器との接続を切断し、前記第1の業務処理サブシステムは、故障を排除した後、通信対象及び周辺機器との接続を再び確立する。
【0015】
前記第2の業務処理サブシステムは、さらに、前記第2の業務処理サブシステムに予め設定されたネットワーク機器スクリプトを実行し、前記アドレスマッピングを担当するネットワーク機器が第1の業務処理サブシステムにマッピングしたIPアドレスのマッピング関係を修正し、又は前記第1の業務処理サブシステムのIPアドレスのマッピング関係を復元するように制御される。
【0016】
本発明の実施例により提供される緊急時用切り替え方法及びそのシステムによると、アドレスマッピングを行うことのできる前級のネットワーク機器においてIPアドレスを配置・マッピングすることによって、各業務処理サブシステムにおいて対応する機器を互いの予備機とし、一つの業務処理サブシステムの機器に問題が発生した場合、前級のネットワーク機器にて該ネットワーク機器にマッピングしたIPアドレスを他の業務処理サブシステムの対応する機器にマッピングし、他の業務処理サブシステムの対応する機器を予備機として問題のある機器の業務を処理すればよいであるので、本番機に問題が発生した場合、簡単且つ速やかに予備機を起動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本発明の実施例に係わる緊急時用切り替え方法を示す第1のフローチャートである。
【
図2】
図2は、本発明の実施例に係わる緊急時用切り替え方法を示す第2のフローチャートである。
【
図3】
図3は、本発明の実施例に係わる緊急時用切り替えシステムの構造を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施例に係わる聯通ネットワークにおける色付きテキストメッセージの緊急切り替えシステムの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施例によると、緊急時用切り替え方法及びそのシステムを提供している。通常のシステムにはいずれもアドレスマッピングを行うネットワーク構成要素が存在し、該ネットワーク構成要素はルーターであることができ、多数の場合、セキュリティ管理とアドレスマッピングを行うファイアーウォールである。本発明の実施例において、該アドレスマッピングを行うことができるネットワーク構成要素を用いて、予め配置することによって、業務処理サブシステムにおける機器に問題が発生した後、アドレスマッピング関係を修正して、問題のある業務処理サブシステムに転送すべきデータを予備系の業務処理サブシステムとしての他の業務処理サブシステムに転送し、予備系の業務処理サブシステムによって問題のある業務処理サブシステムの業務を一時的に処理することによって、予備機を速やかに稼動すると共に、2つの業務処理サブシステム間の距離が制限されないので、柔軟性に優れている。
【0019】
図1に示すように、本発明の実施例により提供される緊急時用切り替え方法は以下のステップを含む。
【0020】
第1の業務処理サブシステムにおける機器に問題が発生した後、通信システム中のアドレスマッピングを担当しているネットワーク機器は、第1の業務処理サブシステムにマッピングしたIPアドレスを第2の業務処理サブシステムにマッピングするように、第1の業務処理サブシステムにマッピングしたIPアドレスのマッピング関係を修正する(ステップ101)。
【0021】
第2の業務処理サブシステムは、第1の業務処理サブシステムの業務を処理し(ステップ102)、第2の業務処理サブシステムには第1の業務処理サブシステムの業務を処理するに必要なデータが予め記憶されている。
【0022】
このように、予め設定することによって、第1の業務処理サブシステムにマッピングしたIPアドレスを第2の業務処理サブシステムにマッピングするように直接修正し、また、第1の業務処理サブシステムの業務を処理するに必要なデータを予め第2の業務処理サブシステムに記憶しておくと、第2の業務処理サブシステムを第1の業務処理サブシステムの予備系の業務処理サブシステムとすることができ、第1の業務処理サブシステムが正常に稼動できない場合、第1の業務処理サブシステムの業務を一時的に処理し、切り替えフローが速やかで簡単であって、また、アドレスマッピング関係を修正する方法を用いたので、第1の業務処理サブシステムと第2の業務処理サブシステムの位置関係に何の要求もなく、第1の業務処理サブシステムと第2の業務処理サブシステムがかなり離れた2つの都市に位置することもできるので、地域的な停電などの事故が発生しても、本発明の実施例による緊急時用切り替え方法を用いて緊急時用処理を行うことができる。
【0023】
その中、アドレスマッピングを行うネットワーク機器がルーターや交換機であることができれば、セキュリティ管理を行うことができると共にアドレスマッピングを行うこともできるファイアーウォールであることもできる。
【0024】
通常、通信中のセキュリティを保証するため、各業務処理サブシステムはいずれもアカウントで通信対象及び周辺機器との接続を確立し、該接続に基づいて通信及び関連業務の処理を実現する。この場合、第2の業務処理サブシステムに緊急時用アカウントを設定する必要があって、幾つの通信対象及び周辺機器との接続を確立する必要があると、それに対応する数の緊急時用アカウントを設定しなければならない。第2の業務処理サブシステムは、ネットワーク機器によって第1の業務処理サブシステムにマッピングしたIPアドレスのマッピング関係を修正した後、予め設定された第1の業務処理サブシステムの通信対象との接続用の第1の緊急時用アカウントを利用し始め、第1の緊急時用アカウントで第1の業務処理サブシステムの通信対象との接続を確立し、第1の業務処理サブシステムが周辺機器を備えていると、第2の業務処理サブシステムは、予め設定された第1の業務処理サブシステムの周辺機器との接続用の第2の緊急時用アカウントを利用し、第2の緊急時用アカウントで第1の業務処理サブシステムの周辺機器との接続を確立しなければならない。
【0025】
また、本発明の実施例によると、さらに、各業務処理サブシステムに対応するネットワーク機器のスクリプトを配置し、業務処理サブシステムが他の業務処理サブシステムの業務を引継ぐ場合、該業務処理サブシステムは、対応するネットワーク機器のスクリプトを実行すると、ネットワーク機器が故障のある業務処理サブシステムに転送すべきデータを該業務処理サブシステムに転送するように、アドレスマッピングを行うネットワーク機器によるアドレスマッピング関係の修正を制御することができる。故障を排除した後、対応するスクリプトを再び実行すると、ネットワーク機器がデータを故障排除した業務処理サブシステムに正常に転送するように、アドレスマッピングを行うネットワーク機器によるアドレスマッピング関係の復元を制御する。マッピングアドレスの修正及び復元はいずれも極めて簡単である。
【0026】
また、
図2に示すように、本発明の実施例による緊急時用切り替え方法はさらに以下のステップを含む。
【0027】
第1の業務処理サブシステムにおける機器が故障を排除した後、ネットワーク機器はマッピング関係を復元する(ステップ103)。
【0028】
第2の業務処理サブシステムは、第1の緊急時用アカウントと第2の緊急時用アカウントの接続を切断し、第1の業務処理サブシステムが通信対象及び周辺機器との接続を確立する(ステップ104)。
【0029】
これによって、第2の業務処理サブシステムが第1の業務処理サブシステムの通信対象及び周辺機器との接続を簡単且つ速やかに切断することができ、第2の業務処理サブシステムから第1の業務処理サブシステムへ切り替えることができる。
【0030】
本発明の実施例によると、緊急時用切り替えシステムを提供し、
図3に示すように、第1の業務処理サブシステム301と、第2の業務処理サブシステム302と、アドレスマッピングを行うネットワーク機器303と、を含む。
【0031】
その中、アドレスマッピングを行うネットワーク機器303は、第1の業務処理サブシステム301における機器に問題が発生した後、第1の業務処理サブシステム301にマッピングしたIPアドレスを第2の業務処理サブシステム302にマッピングするように、第1の業務処理サブシステム301にマッピングしたIPアドレスのマッピング関係を修正するためのものである。
【0032】
第2の業務処理サブシステム302は、ネットワーク機器によって第1の業務処理サブシステム301にマッピングしたIPアドレスのマッピング関係を修正した後、予め記憶した第1の業務処理サブシステム301の業務の処理に必要なデータに基づいて、第2の業務処理サブシステム302の業務を処理するためのものである。
【0033】
その中、ネットワーク機器303は、ルーターや交換機であることができ、ファイアーウォールであることもできる。
【0034】
また、アカウントで第1の業務処理サブシステムの通信対象と接続を確立する必要がある場合、第2の業務処理サブシステム302は、具体的に、ネットワーク機器によって第1の業務処理サブシステム301にマッピングしたIPアドレスのマッピング関係を修正した後、予め設定された第1の業務処理サブシステム301の通信対象との接続用の第1の緊急時用アカウントを利用し始め、第1の緊急時用アカウントで第1の業務処理サブシステム301の通信対象との接続を確立する。
【0035】
第1の業務処理サブシステム301に周辺機器がある場合、周辺機器とのセキュリティ通信を行うため、第2の業務処理サブシステム302は、具体的に、ネットワーク機器によって第1の業務処理サブシステム301にマッピングしたIPアドレスのマッピング関係を修正した後、予め設定された周辺機器との接続用の第2の緊急時用アカウントを利用し始め、第2の緊急時用アカウントで第1の業務処理サブシステム301の周辺機器との接続を確立する。
【0036】
また、第1の業務処理サブシステムの故障排除後の復元の便宜を図るため、ネットワーク機器303は、さらに、第1の業務処理サブシステム301における機器が故障を排除した後、第1の業務処理サブシステム301のIPアドレスのマッピング関係を復元する。
【0037】
第2の業務処理サブシステム302は、さらに、第1の業務処理サブシステムにおける機器が故障を排除した後、第1の緊急時用アカウントと第2の緊急時用アカウントでの接続を切断し、即ち、第1の業務処理サブシステムの通信対象及び周辺機器との接続を切断する。
【0038】
第1の業務処理サブシステム301は、故障を排除した後、通信対象及び周辺機器との接続を再び確立する。
【0039】
以下、具体的な実施例によって説明する。
図4に示すように、聯通ネットワークを例にすると、聯通ネットワークにおける通信システムが移動ネットワークと電信ネットワークと異なるので、ネットワーク間の業務を実現するため、聯通ネットワーク
が、移動向け相互接続ゲートウェイシステム401と電信向け相互接続ゲートウェイシステム402
を設定する必要があり、通常、色付きテキストメッセージ業務を例にすると、移動向け相互接続ゲートウェイシステム401と電信向け相互接続ゲートウェイシステム402は各自の色付きテキストメッセージを処理し、両方間ではメッセージを交換しない。
【0040】
移動向け相互接続ゲートウェイシステム401のIPアドレスがIP2aであって、ファイアーウォール405を介して移動ネットワークにおける相互接続ゲートウェイシステム403との接続を確立し、ファイアーウォール405が該接続に設定されたIPアドレスがIP1aであるとすると、移動ネットワークにおける相互接続ゲートウェイシステム403と移動向け相互接続ゲートウェイシステム401が通信を行う場合、移動ネットワークにおける相互接続ゲートウェイシステム403がデータをIP1aのアドレスに送信し、ファイアーウォール405によってIP1aのアドレスをIP2aにマッピングし、実際に、移動ネットワークにおける相互接続ゲートウェイシステム403がデータをIP1aのアドレスに送信したが、ファイアーウォール405のマッピングによって、移動ネットワークにおける相互接続ゲートウェイシステム403が、データを、IPアドレスがIP2aである移動向け相互接続ゲートウェイシステム401に送信したことになる。同じく、電信向け相互接続ゲートウェイシステム402のIPアドレスがIP2bであって、ファイアーウォール405を介して電信ネットワークにおける相互接続ゲートウェイシステム404との接続を確立し、ファイアーウォール405が、該接続に設定されたIPアドレスがIP1bであるとすると、電信ネットワークにおける相互接続ゲートウェイシステム404と電信向け相互接続ゲートウェイシステム402が通信を行う場合、電信ネットワークにおける相互接続ゲートウェイシステム404がデータをIP1bのアドレスに送信したが、ファイアーウォール405のマッピングによって、電信ネットワークにおける相互接続ゲートウェイシステム404が、データを、IPアドレスがIP2bである電信向け相互接続ゲートウェイシステム402に送信することになる。
【0041】
本発明の実施例により提供される緊急時用切り替え方法によると、電信向け相互接続ゲートウェイシステム402に異常が発生しサービスを提供できなった後、移動向け相互接続ゲートウェイシステム401にて予定のファイアーウォールスクリプト又はメニュー操作を実行し、移動向け相互接続ゲートウェイシステム401によって電信向け相互接続ゲートウェイシステム402の業務を引継ぐことができる。移動向け相互接続ゲートウェイシステム401において予定のファイアーウォールスクリプト又はメニュー操作を実行した後、ファイアーウォール405を制御してIP1bのマッピングアドレスをIP2bからIP2aに修正し、電信ネットワークにおける相互接続ゲートウェイシステム404から電信向け相互接続ゲートウェイシステム402に送信されたメッセージは、アドレスマッピング関係に応じて、移動向け相互接続ゲートウェイシステム401に送信され、また、このような切り替えは費用が低く、業務損失を最大限に低減することができる。電信向け相互接続ゲートウェイシステム402が正常に復元された後、移動向け相互接続ゲートウェイシステム401にて復元し、予定のファイアーウォールスクリプト又はメニュー操作を実行した後、ファイアーウォール405にIP1bのマッピングアドレスをIP2bに復元させ、業務を電信向け相互接続ゲートウェイシステム402に切り替えることができる。同じく、移動向け相互接続ゲートウェイシステム401に異常が発生しサービスを提供できなった後、電信向け相互接続ゲートウェイシステム402を予備系の業務処理サブシステムとすることができる。
【0042】
また、ネットワーク方面から、主系/予備系伝送リンクの方式で緊急時用切り替えを行うこともでき、各リンクは統一の帯域幅を用いる。
【0043】
移動向け相互接続ゲートウェイシステム401には、電信向け相互接続ゲートウェイシステム402の、例えば電信向け相互接続ゲートウェイシステム402と、色付きテキストメッセージセンター、電信ネットワークにおける相互接続ゲートウェイシステム404などの周辺機器及び通信対象とのアカウント、パスワードなどのアカウントデータを配置する必要があり、該アカウントが緊急時用アカウントである。さらに、電信向け相互接続ゲートウェイシステム402の、例えばネットワーク番号、番号区間等の業務データを配置して、移動向け相互接続ゲートウェイシステム401が引継いた後に認定などの業務を正常に行うように保証しなければならない。同じく、電信向け相互接続ゲートウェイシステム402にも、移動向け相互接続ゲートウェイシステム401のアカウントデータ及び業務データを配置しなければならない。
【0044】
また、操作システムに「ワンキー引継ぎ」、「ワンキーリカバリー」の機能を備えたキー又は選択肢を追加し、トリガーされた後、引継ぐ又は復元する際に用いられるファイアーウォールスクリプトを直接利用するようにすることができ、作業者の操作に便利である。
【0045】
例えば、移動向け相互接続ゲートウェイシステム401に電信向け相互接続ゲートウェイシステム402と電信ネットワークにおける相互接続ゲートウェイシステム404のアカウントを第1の緊急時用アカウントとして配置し、電信向け相互接続ゲートウェイシステム402と色付きテキストメッセージセンターのアカウントを第2の緊急時用アカウントとして配置する。同じく、電信向け相互接続ゲートウェイシステム402にも移動向け相互接続ゲートウェイシステム401と移動ネットワークにおける相互接続ゲートウェイシステム403のアカウントを第1の緊急時用アカウントとして配置し、移動向け相互接続ゲートウェイシステム401と色付きテキストメッセージセンターのアカウントを第2の緊急時用アカウントとして配置する。
【0046】
移動向け相互接続ゲートウェイシステム401の上の配置インターフェースにおいて2つのファイアーウォールスクリプトを配置し、その中の一つが電信業務を引継ぐファイアーウォールスクリプトであり、IP1bをIP2aにマッピングし、他の一つが電信業務を電信向け相互接続ゲートウェイシステム402のファイアーウォールスクリプトに復元するものであり、IP1bをIP2bにマッピングする。同じく、電信向け相互接続ゲートウェイシステム402の上の配置インターフェースにおいて2つのファイアーウォールスクリプト、即ち移動業務を引継ぐスクリプト及び移動業務を復元するスクリプトを配置し、異なる実際状況に応じて、配置されるファイアーウォールスクリプトは異なるが、いずれもアドレスのマッピング関係によって業務の引継ぎ及び復元を実現する。当該技術案におけるファイアーウォールは、IPアドレスのマッピング修正さえできれば、ルーター又は4階層の交換機であることができる。
【0047】
電信向け相互接続ゲートウェイシステム402における機器に異常が発生した場合、移動向け相互接続ゲートウェイシステム401において対応する操作を行うことができ、移動向け相互接続ゲートウェイシステム401が引継ぎコマンドを受信した後、又は移動向け相互接続ゲートウェイシステム401がハンドシェイクプロトコルに基づいて電信向け相互接続ゲートウェイシステム402における機器に異常が発生したことを発見した場合、ファイアーウォール405がIP1bをIP2aにマッピングするように、電信業務を引継ぐファイアーウォールスクリプトを自動的に実行し、IP2aから電信ネットワークにおける相互接続ゲートウェイシステム404にアクセスする場合、反対端から見られるのもIP1bであって、これによって反対端が切り替え前後に見たのを同一のIPアドレスに確保し、切り替えを行う場合に通信対象の協力を必要としない。移動向け相互接続ゲートウェイシステム401は、自動的に、電信ネットワークにおける相互接続ゲートウェイシステム404と色付きテキストメッセージセンターなどの周辺機器との緊急時用アカウントを含む全ての緊急時用アカウントを利用し始める。移動向け相互接続ゲートウェイシステム401が元のアカウントとルーティングデータを自動的に継承したので、色付きテキストメッセージセンターから電信ユーザに送信したメッセージが、移動向け相互接続ゲートウェイシステム401に自動的に転送され、電信ネットワークにおける相互接続ゲートウェイシステム404から聯通ネットワークに送信したメッセージも、移動向け相互接続ゲートウェイシステム401に自動的に転送され、電信業務の引継ぎを完成する。
【0048】
電信向け相互接続ゲートウェイシステム402が正常に復元されると、移動向け相互接続ゲートウェイシステム401にて復元の操作を行い、移動向け相互接続ゲートウェイシステム401は復元コマンドを受信した後、ファイアーウォール405がIP1bをIP2bにマッピングするように、自動的に電信業務を復元するファイアーウォールスクリプトを実行し、色付きテキストメッセージセンターと電信ネットワークにおける相互接続ゲートウェイシステム404の緊急時用アカウントを含む全ての緊急時用アカウントの利用を禁止し、これらの緊急時用アカウントの接続を自動的に切断し、電信向け相互接続ゲートウェイシステム402は起動された後、関連するアカウントでの接続を自動的に確立し、電信業務の復元を完成する。
【0049】
本発明の実施例により提供される緊急時用切り替え方法及びシステムによると、アドレスマッピングを行うことのできる前級のネットワーク機器にてIPアドレスを配置・マッピングし、各業務処理サブシステムにおける対応する機器を互いに予備機とし、一つの業務処理サブシステムの機器に問題が発生した場合、前級のネットワーク機器にて該ネットワーク機器にマッピングしたIPアドレスを他の業務処理サブシステムの対応する機器にマッピングし、他の業務処理サブシステムの対応する機器を予備機として問題のある機器の業務を処理すればよく、これによって本番機に問題が発生した場合、簡単且つ速やかに予備機を起動することができる。
【0050】
以上は、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明を限定するものではない。当業者であれば本発明に様々な修正や変形が可能である。本発明の精神や原則内での如何なる修正、置換、改良などは本発明の保護範囲内に含まれる。