特許第5767311号(P5767311)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5767311
(24)【登録日】2015年6月26日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】導線を有する電気外科腹腔鏡機器
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/28 20060101AFI20150730BHJP
   A61B 18/00 20060101ALI20150730BHJP
【FI】
   A61B17/28 310
   A61B17/36
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-503027(P2013-503027)
(86)(22)【出願日】2011年4月1日
(65)【公表番号】特表2013-523290(P2013-523290A)
(43)【公表日】2013年6月17日
(86)【国際出願番号】EP2011001654
(87)【国際公開番号】WO2011124353
(87)【国際公開日】20111013
【審査請求日】2013年12月5日
(31)【優先権主張番号】102010014435.5
(32)【優先日】2010年4月9日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510320416
【氏名又は名称】オリンパス・ウィンター・アンド・イベ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100114591
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 英文
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100154298
【弁理士】
【氏名又は名称】角田 恭子
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100161001
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 篤司
(72)【発明者】
【氏名】アウエ,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ミールシュ,ハンネス
【審査官】 森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−325956(JP,A)
【文献】 特開2009−112538(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02263550(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 13/00 − 18/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い軸部(2)を有する電気外科腹腔鏡機器(1)であって、前記軸部は、その遠位端にエンドエフェクタ(3)を備え、かつ、その近位端に把持部(4)を備えており、前記軸部が管(2)として形成され、前記管内にロッド(7)が延在しており、前記ロッドは、その長手移動により操作するために、前記把持部(4)の可動部分(6)と前記エンドエフェクタ(3)の可動部分(5)とに連結され、前記エンドエフェクタ(3)が少なくとも1つの導線(9)を介して前記把持部(4)と接続されているものにおいて、
前記導線(9)の少なくとも1つが前記ロッド(7)を取り囲んで前記管(2)内に配置されたホース(8)の壁材料内に埋め込まれていることを特徴とする電気外科腹腔鏡機器。
【請求項2】
前記ホース(8)が、その何れかの表面で摺動可能に形成されていることを特徴とする請求項1記載の電気外科腹腔鏡機器。
【請求項3】
前記ホース(8)が前記管(2)または前記ロッド(7)に固定的に嵌合して形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の電気外科腹腔鏡機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載した電気外科腹腔鏡機器に関する。
【背景技術】
【0002】
前文に係る機器は特許文献1に示されている。そこでは導線が管の導電性被覆として形成されている。この刊行物では、ロッドと管を電気導体として使用しまたは管軸部の内部に配線される絶縁ケーブルを使用することが知られていることにも触れられている。
【0003】
これらの設計態様はすべて、とりわけ管とロッドとの間に摩擦負荷が生じる場合に重大な欠点を有している。管内でロッドと平行に延びるケーブルは、ロッドと管との間で変化する非対称な当接を生じ、そのことから、絶えず変化する取扱い状況が生じて操作者をひどく困惑させることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第10 2005 040 386号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、一層単純な構造と一定した取扱い状況とを有する前文に係る機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は請求項1の特徴部分の特徴で解決される。
【0007】
本発明によれば導線はホースの壁内に配置されており、このホースはロッドを取り囲んで管内に配置されており、つまりその壁が周方向で対称にロッドと管との間にある。この比較的単純な構造において導電性壁被覆等の新規で敏感な部品は避けられる。導線はホースの壁材料に埋め込まれ、例えば流し込まれており、こうしてロッドと管との間の摩擦から良好に保護されている。このようなホースはケーブル絶縁において一般的な技術で安価に製造することができ、一定した肉厚のロッドを回転対称に取り囲むように形成することができ、こうしてあらゆる取扱い条件のもとで常に一定した摩擦条件、取扱い条件が存在する。つまり本発明に係る構造は、強い閉鎖力をもたらさねばならない強く負荷された鉗子用にも適しており、また特に、湾曲部分においてロッドが強い力で管に当接する湾曲軸部を有する鉗子用にも適している。
【0008】
有利には請求項2の特徴が設けられている。これによりロッドと管との間の摩擦は改善することができ、そのことは特に湾曲軸部で強い力を伝達するとききわめて有利であり、操作と操作の制御性とを著しく改善する。
【0009】
有利には請求項3の特徴が設けられている。ホースは管またはロッドに不動に当接し、例えばきわめて高い摩擦係数または接着等によって固定しておくことができる。その場合運動はホースと別の軸部要素、つまりロッドまたは管との間でのみ起きる。これにより運動状況と摩擦状況は一層明瞭となり、ホース末端での電気接触問題も簡素になる。ホースが例えば管と固定結合されていると、導線の末端は管に対して固定されている。別の事例において、それが接触化目的にとって一層有利であるとき導線の末端はロッドに対して固定されている。
【0010】
図面に本発明が例示的に略示してある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】湾曲軸部を有する本発明に係る機器の側面図である。
図2図1の2‐2線に沿った断面図である。
図3図2と同様に1実施態様の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1が示す鉗子1の態様の電気外科腹腔鏡機器は、遠位端領域で曲げて管2として形成された細長い軸部と管2の遠位端に固着されて鉗子口3として形成されたエンドエフェクタと管2の近位端に固着された把持部4とを備えている。
【0013】
鉗子口3は相互に揺動可能な閉鎖図示された2つの口部分5を有する。通常の指挿入リングを備えて互いに相対移動可能な2つの握り部材6が把持部4で支承されている。
【0014】
把持部4の握り部材6は、口部分5の相対運動を引き起こすために、管2の内部に配置されて管に沿って延在する図2に示すロッド7を介して鉗子口3と連結されている。
【0015】
図示実施例において機器は鉗子1として形成され、口部分5は鉗子ブレードとして形成されている。図示しない実施において機器は鋏として形成しておくこともでき、その際口部分5は鋏ブレードとして形成されている。
【0016】
図示した鉗子1は図示しない仕方で直管2を備えて形成しておくことができ、この直管は把持部4と鉗子口3との間を直線的に延びている。
【0017】
しかしいずれにしてもこの種の腹腔鏡機器において管2は剛性的に形成されている。
【0018】
図示実施例において鉗子1は、DE 20 2009 007 592 Uに述べられているように共通ポート内で別の腹腔鏡機器と一緒に使用するように形成されている。この刊行物に示された目的のために、図1に示した管2はその遠位領域を曲げて形成しておく必要がある。
【0019】
冒頭で引用した刊行物に既に示されたように、鉗子1では鉗子口3に少なくとも1つの電極が設けられている。その際複数の電極を有する実施とすることもでき、これらの電極は例えば多極技術において場合によっては脈動動作で異なる極性を与えることができる。
【0020】
図示実施例において両方の口部分5は電極として形成しておくことができる。
【0021】
さらに、やはり導線を備えることのできる例えば温度センサ等のセンサが加わる。それゆえに鉗子1の場合、管2内に多数の導線を敷設する必要があることがある。
【0022】
本発明はこの目的のために図2に示すようにホース8を予定しており、このホース(柔軟性チューブ)は管2内で管に沿って延設されてロッド7を取り囲んでいる。ホース8は例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の樹脂製とすることができる。図2の図示例において複数の導線9は(説明目的のために)8つの導線9であり、横断面で回転対称にホース8の壁材料内に配置され、例えば流し込まれている。
【0023】
図2の実施例においてホース8は管2に当接し、ロッド7に対して多少の遊隙をもって形成されている。ホース8は、例えば強い摩擦によってまたは接着等によって管2に固着しておくことができる。好ましくはロッド7に対してきわめて良好な摩擦状況が選択されており、ここで発生する摩擦は僅かである。
【0024】
図2の断面は、図1が示すように管2の強く湾曲した箇所で選択されている。鉗子1の閉鎖力が強いとき、つまりロッド7が強い引張力を伝達しなければならないとき、ロッド7は図2が示すように管2に横方向で当接する。ロッド7と管2との間のホース8はここで好ましい摩擦係数をもたらすことができる。
【0025】
図3が示す実施態様では同じ符号が付けてある。図2の実施形態との違いとしてここではホース8がロッド7に密に当接し、管2に対して多少遊隙をもって形成されている。
【0026】
既に触れたように、図1の実施形態から外れて、管2は直線的に形成しておくことができる。力を加えて曲げることができるが操作時には十分剛性に留まる管2の構造もこれらの目的のため考えられる。
【0027】
ロッド7は中実ワイヤロッドとすることができるが、しかし特に図1の湾曲管2の目的用に一層良好にはワイヤスパイラルとして形成されている。図示しない仕方でロッド7が中央ワイヤコアを有し、このワイヤコアの周りに2つのワイヤスパイラルが逆向きに巻き付けられている。このような構造は十分に曲げ可能であり、回転力を伝達するのにも適している。
【0028】
図示しない実施態様において鉗子口3は管2に対して回転可能に形成しておくことができる。その場合、鉗子口3の回動を引き起こす回転操作部を把持部4に設けることができる。把持部4から鉗子口3への回転伝達は例えばロッド7を介して行うことができ、その場合このロッドは主に、既に触れたように交差巻ワイヤコイルを備えて形成されている。しかし回転操作は有利にはホース8を介して行うこともでき、このホースは好適に捩り剛性に形成しておくことができ、例えばやはり交差巻ワイヤスパイラルで補強しておくことができる。
【0029】
ホース8内の導線9は鉗子口3内で好適な仕方で、そこに設けられた電極、センサ等と接触している。構造に応じて、図2のホース8を管2と強固に結合しまたは図3によりロッド7と強固に結合すると一層有利なことがある。
【0030】
把持部4でホース8は例えば図1が示すように把持部4から横に引き出し、そこからさらに制御兼供給ユニットへと延設することができる。把持部4にプラグコンタクトを設けておくこともでき、このプラグコンタクトはさらに、図示しないプラグおよび接続ケーブルと結合される。
【0031】
図示実施例において鉗子口3と把持部4との間に延設される導線9はすべてホース8の壁内に配置されている。しかしホース8内に設けられる導線9を補足してなお別の態様の導線、例えば管2の導電性被覆の態様の導線を設けておくこともできる。ロッド7と管2は付加的電気導体として使用することもでき、または管2の内部にホース8を補足して配線される絶縁ケーブルを使用することもできる。
図1
図2
図3