(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
(第1実施形態)
−構成−
まず、
図1を参照して、第1実施形態によるシート巻取装置1の構成について説明する。このシート巻取装置1は、前工程(上流側)から供給されるシート150を巻き取るとともに、そのシート150を巻き取る巻取軸30を切り替え可能に構成されている。また、シート巻取装置1は、シート150の下面が内側に配置されるように巻き取る上巻取りを行うように構成されている。
【0019】
なお、シート150は、たとえば、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)またはPET(ポリエチレンテレフタレート)などの樹脂製であり、10μm〜0.5mmの厚みおよび600mm〜3000mmの幅を有する帯状に形成されている。
【0020】
シート巻取装置1は、
図1に示すように、シート150を巻き取るシート巻取機構10と、シート巻取機構10に巻取軸30を供給する巻取軸供給機構20とを備えている。このシート巻取装置1では、巻取軸30に挿入された円筒状の巻芯31にシート150が巻き取られるようになっている。そして、シート巻取装置1は、3本の巻取軸30を備えており、その3本の巻取軸30が循環するように構成されている。
【0021】
シート巻取機構10は、巻取軸30に挿入された巻芯31にシート150を巻き取るとともに、シート150を巻き取る巻取軸30を切り替え可能に構成されている。このシート巻取機構10は、巻取軸供給機構20の上流側(Y2方向側)に配置されている。
【0022】
また、シート巻取機構10は、上流側巻取ベース11および下流側巻取ベース12と、上流側巻取ベース11および下流側巻取ベース12にそれぞれ着脱可能に装着される巻取アーム13と、上流側タッチローラベース14および下流側タッチローラベース15と、上流側タッチローラベース14および下流側タッチローラベース15にそれぞれ着脱可能に装着されるタッチローラアーム16とを含んでいる。なお、これらはシート150の幅方向(X1およびX2方向)の両端にそれぞれ設けられている。すなわち、これらは、シート150の幅方向において対向するように設けられているが、
図1では一方側のみを示している。
【0023】
上流側巻取ベース11は、水平方向(Y1およびY2方向)に移動可能に設けられている。この上流側巻取ベース11は、装着された巻取アーム13を垂直方向(Z1およびZ2方向)に移動可能であり、装着された巻取アーム13を下流側巻取ベース12に受け渡し可能に構成されている。
【0024】
下流側巻取ベース12は、上流側巻取ベース11よりも下流側(Y1方向側)に配置され、水平方向に移動可能に設けられている。この下流側巻取ベース12は、装着された巻取アーム13を垂直方向に移動可能であり、装着された巻取アーム13を上流側巻取ベース11に受け渡し可能に構成されている。
【0025】
巻取アーム13は、巻芯31が挿入された巻取軸30を回転可能に支持するように構成されている。この巻取アーム13には、巻取軸30の端部を保持するチャック(図示省略)と、巻取軸30がチャックからはずされたときにその巻取軸30を下方から支持するレスト(図示省略)とが設けられている。
【0026】
上流側タッチローラベース14は、上流側巻取ベース11および下流側巻取ベース12の上方に配置されている。この上流側タッチローラベース14は、装着されたタッチローラアーム16を垂直方向に移動可能であり、装着されたタッチローラアーム16を下流側タッチローラベース15に受け渡し可能に構成されている。なお、上流側タッチローラベース14は、水平方向に移動しないように固定されている。
【0027】
下流側タッチローラベース15は、上流側巻取ベース11および下流側巻取ベース12の上方に配置されている。また、下流側タッチローラベース15は、上流側タッチローラベース14よりも下流側に配置され、水平方向に移動可能に設けられている。この下流側タッチローラベース15は、装着されたタッチローラアーム16を垂直方向に移動可能であり、装着されたタッチローラアーム16を上流側タッチローラベース14に受け渡し可能に構成されている。
【0028】
タッチローラアーム16は、タッチローラ16aを回転可能に支持するように構成されている。このタッチローラ16aは、シート150の上面に接触され、そのシート150を巻取軸30の巻芯31に押圧するために設けられている。
【0029】
また、シート巻取機構10には、シート150を搬送するための複数のローラ17が設けられるとともに、巻取軸30の切替時にシート150を切断するための切断装置(図示省略)が設けられている。
【0030】
巻取軸供給機構20は、シート150の巻き取りが終了されたロール151(
図7参照)をシート巻取機構10から取り出し、そのロール151から巻取軸30を抜き出すとともに、その巻取軸30に新しい巻芯31を挿入してシート巻取機構10に供給するように構成されている。この巻取軸供給機構20は、シート巻取機構10の下流側(Y1方向側)に配置されている。
【0031】
また、巻取軸供給機構20は、荷台21と、巻芯搬送部22と、巻取軸抜き挿し部23と、巻取軸供給部24と、ロール搬送部25とを含んでいる。
【0032】
荷台21は、シート150の巻き取りが終了されたロール151が載置されるように構成されている。この荷台21は、水平方向に移動しないように固定されるとともに、載置面が垂直方向に移動可能に構成されている。また、荷台21は、シート150の幅方向においてそのシート150と対応する位置に配置されている。
【0033】
巻芯搬送部22は、ストッカ26から新しい巻芯31を取り出し、その巻芯31を巻取軸挿入位置P1に搬送するために設けられている。この巻芯搬送部22は、シート150の幅方向に移動可能に構成されるとともに、基端側の回動軸22bを中心にして回動可能に設けられている。巻芯搬送部22の先端側には、新しい巻芯31を挟持する爪部22aが設けられている。また、巻芯搬送部22は、シート150の流れ方向(Y1およびY2方向)においてシート巻取機構10と荷台21との間に配置されている。
【0034】
ストッカ26には、複数の新しい巻芯31が貯留されている。このストッカ26は、シート150の流れ方向において荷台21と重なる位置に配置されるとともに、シート150の幅方向において荷台21と隣接するように配置されている。たとえば、ストッカ26は、
図1の紙面に対して荷台21の奥側(X1方向側)に配置されている。そして、巻芯搬送部22は、シート150の幅方向において、ストッカ26と対応する位置と荷台21と対応する位置との間で行き交うように構成されている。なお、ストッカ26にはストッパ26aが設けられており、そのストッパ26aが回動することにより新しい巻芯31を1本ずつ繰り出すようになっている。
【0035】
巻取軸抜き挿し部23は、荷台21に載置されたロール151から巻取軸30を抜き出すとともに、その巻取軸30を巻取軸挿入位置P1の新しい巻芯31に挿入するように構成されている。なお、ロール151から巻取軸30が抜き出される巻取軸抜出位置P2は、新しい巻芯31に巻取軸30が挿入される巻取軸挿入位置P1と高さ位置が同じになっている。この巻取軸抜き挿し部23は、巻芯搬送部22およびストッカ26の上方に配置され、シート150の流れ方向(Y1およびY2方向)に移動可能に構成されている。巻取軸抜き挿し部23は、シート150の幅方向において荷台21と隣接するように配置されるとともに、
図1の紙面に対して荷台21の奥側(X1方向側)に配置されている。
【0036】
また、巻取軸抜き挿し部23には、巻取軸30の端部に形成された環状溝(図示省略)に係合可能なフック状の係合爪23aが設けられている。この係合爪23aは、シート150の幅方向に移動可能に設けられるとともに、垂直方向に移動可能に設けられている。そして、巻取軸30の環状溝に係合爪23aが係合された状態で、係合爪23aがシート150の幅方向に移動することにより、巻取軸30が巻芯31に対して抜き挿しされるようになっている。また、巻取軸抜き挿し部23には、係合爪23aの下方に、抜き出された巻取軸30を受ける受け面23bが設けられている。この受け面23bには、抜き挿しされる巻取軸30が移動しやすいようにコロ(図示省略)などが設けられていてもよい。
【0037】
巻取軸供給部24は、新しい巻芯31が挿入された巻取軸30を巻取軸挿入位置P1で受け取り、その巻取軸30をシート巻取機構10に供給するように構成されている。巻取軸供給部24は、シート150の流れ方向に移動可能に設けられている。この巻取軸供給部24は、巻芯搬送部22の上方に配置されている。また、巻取軸供給部24は、巻取軸30の両端をそれぞれ下方から支持するようになっている。すなわち、巻取軸供給部24は、シート150の幅方向において対向するように設けられているが、
図1では一方側のみを示している。
【0038】
ロール搬送部25は、シート150の巻き取りが終了されたロール151を荷台21に搬送するために設けられている。ロール搬送部25は、シート150の流れ方向に移動可能に設けられ、巻取軸供給部24の上方に配置されている。また、ロール搬送部25は、巻取軸30の両端をそれぞれ下方から支持するようになっている。すなわち、ロール搬送部25は、シート150の幅方向において対向するように設けられているが、
図1では一方側のみを示している。
【0039】
−動作−
次に、
図1〜
図12を参照して、第1実施形態によるシート巻取装置1の動作について説明する。
【0040】
なお、シート巻取装置1によるシート150の巻取時には、
図1に示すように、上流側巻取ベース11が上流側(Y2方向側)に配置され、下流側巻取ベース12および下流側タッチローラベース15が下流側(Y1方向側)に配置されて待機している。また、上流側巻取ベース11に装着された巻取アーム13が上側に配置され、下流側巻取ベース12に装着された巻取アーム13が下側に配置され、上流側タッチローラベース14に装着されたタッチローラアーム16が下側に配置され、下流側タッチローラベース15に装着されたタッチローラアーム16が上側に配置される。また、3本の巻取軸30のうち、2本はそれぞれ巻取アーム13に保持され、残りの1本は巻取軸挿入位置P1で巻取軸供給部24により支持されている。
【0041】
まず、前工程(上流側)から供給されるシート150が複数のローラ17により、上流側巻取ベース11に装着された巻取アーム13の巻取軸30の巻芯31と、上流側タッチローラベース14に装着されたタッチローラアーム16のタッチローラ16aとの間に搬送される。そして、上流側巻取ベース11の巻取軸30の巻芯31にシート150が巻き取られる。このとき、シート150の上面がタッチローラ16aにより押圧された状態で、巻取軸30が
図1において時計回りに回転されており、シート150の下面が内側に配置されるように巻き取られる。すなわち、シート巻取装置1では上巻取りが行われる。
【0042】
そして、
図2に示すように、シート150の巻き取りに起因する巻径の増大に応じて上流側巻取ベース11が下流側(Y1方向側)に移動する。
【0043】
その後、巻取軸30の切り替えが開始されると、まず、
図3に示すように、下流側巻取ベース12および下流側タッチローラベース15が上流側(Y2方向側)に移動する。これにより、上流側巻取ベース11に装着された巻取アーム13が下流側巻取ベース12に隣接配置されるとともに、下流側巻取ベース12に装着された巻取アーム13が上流側巻取ベース11に隣接配置される。同様に、上流側タッチローラベース14に装着されたタッチローラアーム16が下流側タッチローラベース15に隣接配置されるとともに、下流側タッチローラベース15に装着されたタッチローラアーム16が上流側タッチローラベース14に隣接配置される。
【0044】
そして、
図4に示すように、上流側巻取ベース11に装着されていた巻取アーム13(上側の巻取アーム13)が下流側巻取ベース12に受け渡されるとともに、下流側巻取ベース12に装着されていた巻取アーム13(下側の巻取アーム13)が上流側巻取ベース11に受け渡される。同様に、上流側タッチローラベース14に装着されていたタッチローラアーム16(下側のタッチローラアーム16)が下流側タッチローラベース15に受け渡されるとともに、下流側タッチローラベース15に装着されていたタッチローラアーム16(上側のタッチローラアーム16)が上流側タッチローラベース14に受け渡される。
【0045】
そして、
図5に示すように、下流側タッチローラベース15に受け渡されたタッチローラ16aにより押圧されるシート150が下流側巻取ベース12に受け渡された巻取軸30の巻芯31により巻き取られながら、下流側巻取ベース12および下流側タッチローラベース15が下流側に移動する。また、上流側巻取ベース11が上流側に移動する。これにより、巻き取りを行っている巻取軸30が下流側に配置されるとともに、新しい巻芯31が挿入された巻取軸30が上流側に配置される。
【0046】
その後、
図6に示すように、上流側巻取ベース11に装着された巻取アーム13が上昇されるとともに、上流側タッチローラベース14に装着されたタッチローラアーム16が下降される。これにより、上流側タッチローラベース14のタッチローラ16aによりシート150が上流側巻取ベース11の巻取軸30の新しい巻芯31に押圧される。
【0047】
そして、図示省略した切断装置によりシート150が切断され、その切断されたシート150が上流側巻取ベース11に装着された巻取アーム13の巻取軸30の新しい巻芯31に巻き付けられる。なお、新しい巻芯31が挿入された巻取軸30は時計回りに回転されており、新しい巻芯31によってシート150が巻き取られる。このようにして、シート150を巻き取りながら、シート150を巻き取る巻取軸30が切り替えられる。
【0048】
その後、
図7に示すように、下流側タッチローラベース15に装着されたタッチローラアーム16が上昇され、下流側タッチローラベース15が次回の巻取軸30の切り替えまで待機する。また、下流側巻取ベース12が下流側(Y1方向側)に移動するとともに、ロール搬送部25が上流側(Y2方向側)に移動する。
【0049】
そして、下流側巻取ベース12に装着された巻取アーム13では、シート150の巻き取りが終了されたロール151がチャックからはずされてレストに支持されている。この状態で下流側巻取ベース12の巻取アーム13が下降されることにより、ロール151がロール搬送部25に受け渡される。そして、
図8に示すように、ロール151を支持するロール搬送部25が下流側に移動するとともに、新しい巻芯31が挿入された巻取軸30を支持する巻取軸供給部24が上流側に移動する。その後、下流側巻取ベース12の巻取アーム13が上昇されることにより、巻取軸供給部24が支持していた巻取軸30が巻取アーム13のレストに受け渡される。そして、下流側巻取ベース12の巻取アーム13のチャックにより、新しい巻芯31が挿入された巻取軸30が保持される。
【0050】
そして、
図9に示すように、荷台21が上昇することにより、その載置面にロール151が載置される。その後、ロール搬送部25が下流側に移動され、ロール搬送部25がロール151の巻取軸30と干渉しない状態で、ロール151が載置された荷台21が下降される。また、巻取軸供給部24が下流側に移動される。その後、下流側巻取ベース12の巻取アーム13が下降され、次回の巻取軸30の切り替えまで待機する。
【0051】
また、ストッカ26のストッパ26aが作動され、巻芯搬送部22に新しい巻芯31が供給される。そして、爪部22aにより新しい巻芯31を挟持するとともに、新しい巻芯31を挟持した状態で、巻芯搬送部22がシート150の幅方向(X2方向)に移動する。
【0052】
そして、巻芯搬送部22が回動軸22bを中心にして回動することにより、
図10に示すように、爪部22aに挟持される新しい巻芯31が巻取軸挿入位置P1に配置される。なお、対向配置される一対の巻取軸供給部24間の距離が巻芯31の長さよりも大きいため、巻芯31が巻取軸供給部24に干渉されることなく巻取軸挿入位置P1に搬送される。
【0053】
そして、荷台21が下降することにより、その荷台21に載置されるロール151の巻取軸30が巻取軸抜出位置P2まで移動されると、荷台21の下降が停止される。このとき、巻取軸抜き挿し部23の係合爪23aが、ロール151の巻取軸30の環状溝に係合される。そして、係合爪23aがシート150の幅方向(X1方向)に移動することにより、ロール151から巻取軸30が引き抜かれる。なお、引き抜かれた巻取軸30は、受け面23bに支持される。
【0054】
そして、
図11に示すように、巻取軸抜き挿し部23が上流側に移動される。なお、受け面23bには巻取軸30が載置されており、その巻取軸30も上流側に移動される。その後、係合爪23aがシート150の幅方向(X2方向)に移動されることにより、巻取軸挿入位置P1の新しい巻芯31に巻取軸30が挿入される。そして、巻芯搬送部22の爪部22aが新しい巻芯31を離して、元の位置に戻される。なお、ロール搬送部25も元の位置に戻される。
【0055】
そして、図示省略した位置決め部により、巻取軸30に対する新しい巻芯31の軸方向の位置が調整される。その後、
図12に示すように、係合爪23aが上昇されることにより、巻取軸30の環状溝と係合爪23aとの係合が解除され、巻取軸抜き挿し部23が元の位置に戻される。そして、新しい巻芯31が挿入された巻取軸30を巻取軸供給部24が供給可能になるとともに、荷台21からロール151が取り出され、巻取軸供給機構20が次回の巻取軸30の切り替えまで待機する。
【0056】
以上の動作が繰り返し行われることにより、巻取軸30の切り替えを行いながら、シート150が連続的に巻き取られる。
【0057】
−効果−
第1実施形態では、上記のように、巻取軸供給機構20を設けるとともに、シート巻取機構10および巻取軸供給機構20で3本の巻取軸30が循環するように構成することによって、シート巻取機構10でのシート150の巻取中に、巻取軸供給機構20により、新しい巻芯31が挿入された巻取軸30を予め準備しておくことができる。これにより、巻取軸30の切替時に、シート150の巻き取りが終了されたロール151が下流側巻取ベース12の巻取アーム13から取り出された後に、その巻取アーム13に新しい巻芯31が挿入された巻取軸30をすぐに供給することができる。したがって、シート150の巻き取りと巻取軸30の切り替えとを短いサイクルで行うことができる。
【0058】
また、第1実施形態では、シート巻取機構10が上巻取りを行うことによって、上巻取りを行う直動型のシート巻取装置1において、シート150の巻き取りと巻取軸30の切り替えとを短いサイクルで行うことができる。
【0059】
また、第1実施形態では、ロール搬送部25を設けることによって、高い位置で取り出されるロール151を荷台21に容易に搬送することができる。また、巻取軸抜き挿し部23がシート150の流れ方向に移動することによって、新しい巻芯31が挿入された巻取軸30をシート巻取機構10に低い位置で供給するとともに、空間を有効に利用して巻取軸供給機構20の大型化を抑制することができる。
【0060】
(第2実施形態)
−構成−
次に、
図13を参照して、第2実施形態によるシート巻取装置2の構成について説明する。このシート巻取装置2は、前工程(上流側)から供給されるシート150を巻き取るとともに、そのシート150を巻き取る巻取軸30を切り替え可能に構成されている。また、シート巻取装置2は、シート150の上面が内側に配置されるように巻き取る下巻取りを行うように構成されている。
【0061】
シート巻取装置2は、
図13に示すように、シート150を巻き取るシート巻取機構50と、シート巻取機構50に巻取軸30を供給する巻取軸供給機構60とを備えている。このシート巻取装置2では、巻取軸30に挿入された円筒状の巻芯31にシート150が巻き取られるようになっている。そして、シート巻取装置2は、3本の巻取軸30を備えており、その3本の巻取軸30が循環するように構成されている。
【0062】
シート巻取機構50は、巻取軸30に挿入された巻芯31にシート150を巻き取るとともに、シート150を巻き取る巻取軸30を切り替え可能に構成されている。このシート巻取機構50は、巻取軸供給機構60の上流側(Y2方向側)に配置されている。
【0063】
また、シート巻取機構50は、上流側巻取ベース51および下流側巻取ベース52と、上流側巻取ベース51および下流側巻取ベース52にそれぞれ着脱可能に装着される巻取アーム53と、上流側タッチローラベース54および下流側タッチローラベース55と、上流側タッチローラベース54および下流側タッチローラベース55にそれぞれ着脱可能に装着されるタッチローラアーム56とを含んでいる。なお、これらはシート150の幅方向(X1およびX2方向)の両端にそれぞれ設けられている。すなわち、これらは、シート150の幅方向において対向するように設けられているが、
図13では一方側のみを示している。
【0064】
上流側巻取ベース51、下流側巻取ベース52および巻取アーム53の構成は、それぞれ、上記した上流側巻取ベース11、下流側巻取ベース12および巻取アーム13とほぼ同様である。
【0065】
上流側タッチローラベース54および下流側タッチローラベース55は、上流側巻取ベース51および下流側巻取ベース52の下方に配置されている。上流側タッチローラベース54および下流側タッチローラベース55のその他の構成は、それぞれ、上記した上流側タッチローラベース14および下流側タッチローラベース15とほぼ同様である。
【0066】
タッチローラアーム56は、タッチローラ56aを回転可能に支持するように構成されている。このタッチローラ56aは、シート150の下面に接触され、そのシート150を巻取軸30の巻芯31に押圧するために設けられている。
【0067】
また、シート巻取機構50には、シート150を搬送するための複数のローラ57が設けられるとともに、巻取軸30の切替時にシート150を切断するための切断装置(図示省略)が設けられている。
【0068】
巻取軸供給機構60は、シート150の巻き取りが終了されたロール151(
図19参照)をシート巻取機構50から取り出し、そのロール151から巻取軸30を抜き出すとともに、その巻取軸30に新しい巻芯31を挿入してシート巻取機構50に供給するように構成されている。この巻取軸供給機構60は、シート巻取機構50の下流側(Y1方向側)に配置されている。
【0069】
また、巻取軸供給機構60は、荷台61と、巻芯搬送部62と、巻取軸抜き挿し部63と、巻取軸供給部64とを含んでいる。
【0070】
荷台61は、シート150の巻き取りが終了されたロール151が載置されるように構成されている。この荷台61は、シート150の流れ方向(Y1およびY2方向)に移動可能に設けられるとともに、載置面が垂直方向に移動可能に構成されている。また、荷台61は、シート150の幅方向においてそのシート150と対応する位置に配置されている。
【0071】
巻芯搬送部62は、搬送コンベア65から供給される新しい巻芯31を巻取軸挿入位置P3に搬送するために設けられている。この巻芯搬送部62は、シート150の幅方向に移動可能に構成されるとともに、基端側の回動軸62bを中心にして回動可能に設けられている。巻芯搬送部62の先端側には、新しい巻芯31を挟持する爪部62aが設けられている。また、巻芯搬送部62は、シート150の流れ方向においてシート巻取機構50と搬送コンベア65との間に配置されている。
【0072】
搬送コンベア65は、新しい巻芯31を上方に搬送するとともに、その巻芯31を巻芯搬送部62に1本ずつ供給するようになっている。この搬送コンベア65は、シート150の幅方向において荷台61と隣接するように配置されている。たとえば、搬送コンベア65は、
図13の紙面に対して荷台61の奥側(X1方向側)に配置されている。そして、巻芯搬送部62は、シート150の幅方向において、搬送コンベア65と対応する位置と荷台61と対応する位置との間で行き交うように構成されている。
【0073】
巻取軸抜き挿し部63は、荷台61に載置されたロール151から巻取軸30を抜き出すとともに、その巻取軸30を巻取軸挿入位置P3の新しい巻芯31に挿入するように構成されている。なお、ロール151から巻取軸30が抜き出される巻取軸抜出位置P4は、新しい巻芯31に巻取軸30が挿入される巻取軸挿入位置P3の真下に配置されている。この巻取軸抜き挿し部63は、垂直方向(Z1およびZ2方向)に移動可能に構成されている。巻取軸抜き挿し部63は、シート150の幅方向において荷台61と隣接するように配置されるとともに、
図13の紙面に対して荷台61の奥側(X1方向側)に配置されている。
【0074】
また、巻取軸抜き挿し部63には、巻取軸30の端部に形成された環状溝(図示省略)に係合可能なフック状の係合爪63aが設けられている。この係合爪63aは、シート150の幅方向に移動可能に設けられるとともに、垂直方向に移動可能に設けられている。そして、巻取軸30の環状溝に係合爪63aが係合された状態で、係合爪63aがシート150の幅方向に移動することにより、巻取軸30が巻芯31に対して抜き挿しされるようになっている。また、巻取軸抜き挿し部63には、係合爪63aの下方に、抜き出された巻取軸30を受ける受け面63bが設けられている。この受け面63bには、抜き挿しされる巻取軸30が移動しやすいようにコロ(図示省略)などが設けられていてもよい。
【0075】
巻取軸供給部64は、新しい巻芯31が挿入された巻取軸30を巻取軸挿入位置P3で受け取り、その巻取軸30をシート巻取機構50に供給するように構成されている。巻取軸供給部64は、シート150の流れ方向に移動可能に設けられている。この巻取軸供給部64は、巻芯搬送部62の下方に配置されるとともに、荷台61の上方に配置されている。また、巻取軸供給部64は、巻取軸30の両端をそれぞれ下方から支持するようになっている。すなわち、巻取軸供給部64は、シート150の幅方向において対向するように設けられているが、
図13では一方側のみを示している。
【0076】
−動作−
次に、
図13〜
図23を参照して、第2実施形態によるシート巻取装置2の動作について説明する。
【0077】
なお、シート巻取装置2によるシート150の巻取時には、
図13に示すように、上流側巻取ベース51が上流側(Y2方向側)に配置され、下流側巻取ベース52および下流側タッチローラベース55が下流側(Y1方向側)に配置されて待機している。また、上流側巻取ベース51に装着された巻取アーム53が下側に配置され、下流側巻取ベース52に装着された巻取アーム53が上側に配置され、上流側タッチローラベース54に装着されたタッチローラアーム56が上側に配置され、下流側タッチローラベース55に装着されたタッチローラアーム56が下側に配置される。また、3本の巻取軸30のうち、2本はそれぞれ巻取アーム53に保持され、残りの1本は巻取軸挿入位置P3で巻取軸供給部64により支持されている。
【0078】
まず、前工程(上流側)から供給されるシート150が複数のローラ57により、上流側巻取ベース51に装着された巻取アーム53の巻取軸30の巻芯31と、上流側タッチローラベース54に装着されたタッチローラアーム56のタッチローラ56aとの間に搬送される。そして、上流側巻取ベース51の巻取軸30の巻芯31にシート150が巻き取られる。このとき、シート150の下面がタッチローラ56aにより押圧された状態で、巻取軸30が
図13において反時計回りに回転されており、シート150の上面が内側に配置されるように巻き取られる。すなわち、シート巻取装置2では下巻取りが行われる。
【0079】
そして、
図14に示すように、シート150の巻き取りに起因する巻径の増大に応じて上流側巻取ベース51が下流側(Y1方向側)に移動する。
【0080】
その後、巻取軸30の切り替えが開始されると、まず、
図15に示すように、下流側巻取ベース52および下流側タッチローラベース55が上流側(Y2方向側)に移動する。これにより、上流側巻取ベース51に装着された巻取アーム53が下流側巻取ベース52に隣接配置されるとともに、下流側巻取ベース52に装着された巻取アーム53が上流側巻取ベース51に隣接配置される。同様に、上流側タッチローラベース54に装着されたタッチローラアーム56が下流側タッチローラベース55に隣接配置されるとともに、下流側タッチローラベース55に装着されたタッチローラアーム56が上流側タッチローラベース54に隣接配置される。
【0081】
そして、
図16に示すように、上流側巻取ベース51に装着されていた巻取アーム53(下側の巻取アーム53)が下流側巻取ベース52に受け渡されるとともに、下流側巻取ベース52に装着されていた巻取アーム53(上側の巻取アーム53)が上流側巻取ベース51に受け渡される。同様に、上流側タッチローラベース54に装着されていたタッチローラアーム56(上側のタッチローラアーム56)が下流側タッチローラベース55に受け渡されるとともに、下流側タッチローラベース55に装着されていたタッチローラアーム56(下側のタッチローラアーム56)が上流側タッチローラベース54に受け渡される。
【0082】
そして、
図17に示すように、下流側タッチローラベース55に受け渡されたタッチローラ56aにより押圧されるシート150が下流側巻取ベース52に受け渡された巻取軸30の巻芯31により巻き取られながら、下流側巻取ベース52および下流側タッチローラベース55が下流側に移動する。また、上流側巻取ベース51が上流側に移動する。これにより、巻き取りを行っている巻取軸30が下流側に配置されるとともに、新しい巻芯31が挿入された巻取軸30が上流側に配置される。
【0083】
その後、
図18に示すように、上流側巻取ベース51に装着された巻取アーム53が下降されるとともに、上流側タッチローラベース54に装着されたタッチローラアーム56が上昇される。これにより、上流側タッチローラベース54のタッチローラ56aによりシート150が上流側巻取ベース51の巻取軸30の新しい巻芯31に押圧される。
【0084】
そして、図示省略した切断装置によりシート150が切断され、その切断されたシート150が上流側巻取ベース51に装着された巻取アーム53の巻取軸30の新しい巻芯31に巻き付けられる。なお、新しい巻芯31が挿入された巻取軸30は反時計回りに回転されており、新しい巻芯31によってシート150が巻き取られる。このようにして、シート150を巻き取りながら、シート150を巻き取る巻取軸30が切り替えられる。
【0085】
その後、
図19に示すように、下流側タッチローラベース55に装着されたタッチローラアーム56が下降され、下流側タッチローラベース55が次回の巻取軸30の切り替えまで待機する。また、下流側巻取ベース52が下流側(Y1方向側)に移動するとともに、荷台61が上流側(Y2方向側)に移動する。
【0086】
そして、下流側巻取ベース52に装着された巻取アーム53では、シート150の巻き取りが終了されたロール151がチャックからはずされてレストに支持されている。この状態で荷台61の載置面が上昇されることにより、ロール151が荷台61に受け渡される。そして、
図20に示すように、ロール151が載置された荷台61が下流側に移動する。その後、下流側巻取ベース52の巻取アーム53が上昇されるとともに、新しい巻芯31が挿入された巻取軸30を支持する巻取軸供給部64が上流側に移動することにより、巻取軸供給部64が支持していた巻取軸30が巻取アーム53のレストに受け渡される。そして、下流側巻取ベース52の巻取アーム53のチャックにより、新しい巻芯31が挿入された巻取軸30が保持される。そして、下流側巻取ベース52が次回の巻取軸30の切り替えまで待機する。
【0087】
そして、
図21に示すように、巻取軸供給部64が下流側に移動される。また、巻芯搬送部62では、爪部62aにより新しい巻芯31が挟持される。そして、新しい巻芯31を挟持した状態で巻芯搬送部62がシート150の幅方向(X2方向)に移動される。
【0088】
その後、巻芯搬送部62が回動軸62bを中心にして回動することにより、
図22に示すように、爪部62aに挟持される新しい巻芯31が巻取軸挿入位置P3に配置される。なお、巻取軸挿入位置P3の下方には、巻取軸供給部64が配置されている。
【0089】
また、荷台61が下降することにより、その荷台61に載置されるロール151の巻取軸30が巻取軸抜出位置P4まで移動されると、荷台61の下降が停止される。このとき、巻取軸抜き挿し部63の係合爪63aが、ロール151の巻取軸30の環状溝に係合される。そして、係合爪63aがシート150の幅方向(X1方向)に移動することにより、ロール151から巻取軸30が引き抜かれる。なお、引き抜かれた巻取軸30は、受け面63bに支持される。
【0090】
そして、
図23に示すように、巻取軸抜き挿し部63が上昇する。なお、受け面63bには巻取軸30が載置されており、その巻取軸30も上昇される。その後、係合爪63aがシート150の幅方向(X2方向)に移動されることにより、巻取軸挿入位置P3の新しい巻芯31に巻取軸30が挿入される。そして、巻芯搬送部62の爪部62aが新しい巻芯31を離して、元の位置に戻される。
【0091】
そして、図示省略した位置決め部により、巻取軸30に対する新しい巻芯31の軸方向の位置が調整される。その後、巻取軸30の環状溝と係合爪63aとの係合が解除され、巻取軸抜き挿し部63が元の位置に戻される。そして、新しい巻芯31が挿入された巻取軸30を巻取軸供給部64が供給可能になるとともに、荷台61からロール151が取り出され、巻取軸供給機構60が次回の巻取軸30の切り替えまで待機する。
【0092】
以上の動作が繰り返し行われることにより、巻取軸30の切り替えを行いながら、シート150が連続的に巻き取られる。
【0093】
−効果−
第2実施形態では、上記のように、巻取軸供給機構60を設けるとともに、シート巻取機構50および巻取軸供給機構60で3本の巻取軸30が循環するように構成することによって、シート巻取機構50でのシート150の巻取中に、巻取軸供給機構60により、新しい巻芯31が挿入された巻取軸30を予め準備しておくことができる。これにより、巻取軸30の切替時に、シート150の巻き取りが終了されたロール151が下流側巻取ベース52の巻取アーム53から取り出された後に、その巻取アーム53に新しい巻芯31が挿入された巻取軸30をすぐに供給することができる。したがって、シート150の巻き取りと巻取軸30の切り替えとを短いサイクルで行うことができる。
【0094】
また、第2実施形態では、シート巻取機構50が下巻取りを行うことによって、下巻取りを行う直動型のシート巻取装置2において、シート150の巻き取りと巻取軸30の切り替えとを短いサイクルで行うことができる。
【0095】
また、第2実施形態では、荷台61が水平方向に移動することによって、低い位置で取り出されるロール151を荷台61に容易に載置することができる。また、巻取軸抜き挿し部63が垂直方向に移動することによって、新しい巻芯31が挿入された巻取軸30をシート巻取機構50に高い位置で供給するとともに、空間を有効に利用して巻取軸供給機構60の大型化を抑制することができる。
【0096】
(他の実施形態)
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【解決手段】シート巻取装置は、巻取軸に挿入された巻芯にシートを巻き取るとともに、シートを巻き取る巻取軸を切り替え可能に構成されたシート巻取機構と、シートの巻き取りが終了されたロールをシート巻取機構から取り出し、そのロールから巻取軸を抜き出すとともに、その巻取軸に新しい巻芯を挿入してシート巻取機構に供給する巻取軸供給機構とを備える。シート巻取機構および巻取軸供給機構は、3本の巻取軸が循環するように構成されており、シート巻取機構からシートの巻き取りが終了されたロールを取り出した後に、巻取軸供給機構により新しい巻芯が挿入された巻取軸をシート巻取機構に供給するように構成されている。