(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記凹部が前記把持部の長手方向に沿って前記遠隔制御装置の厚み以上の深さに形成され、前記遠隔制御装置の長手方向が前記把持部の長手方向に沿う姿勢で前記凹部に装入されることを特徴とする請求項1記載の扇風機。
前記凹部は、前記遠隔制御装置が装入された状態で前記凹部の上端部が前記遠隔制御装置の上端部より上方に位置するように形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の扇風機。
前記遠隔制御装置の一端面に遠隔制御用の無線信号出力部が設けられ、前記凹部の前記信号出力部に対向する部位に開口が形成されていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の扇風機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に開示されたリモコンの収容構造では、ファンモータを支持する支柱に取り付けられたリモコンホルダーによって扇風機全体としての美観が損なわれるという問題があり、またリモコンを使用する際に中腰姿勢で前屈みになってリモコンホルダーに掛けられたリモコンを取り外す必要があり、特に高齢者にとって負担が大きく、場合によっては腰痛を誘発する虞があるという問題もあった。
【0008】
また、操作が必要になる度に前屈みになってリモコンホルダーに掛けられたリモコンを操作するのは非常に煩雑であるため、リモコンホルダーからリモコンを取り外して手元に置いておく場合が多く、その結果、リモコンを紛失することも度々発生するという問題もあった。
【0009】
特許文献2に記載されたリモコンの収容構造では、基台に嵌合された支持部にリモコン収容部が設けられ、リモコン収容部にリモコンが収容された状態で操作可能に構成されているため、リモコンの置き忘れや紛失を回避できるが、床面近くに設置されたリモコンを操作するために、上述と同様に中腰姿勢で前屈みにならざるを得ないため作業性が悪くなるという問題があった。
【0010】
また、リモコン収納部の底面に構成された操作部を操作することにより、扇風機本体の各部の動作を制御できるように構成されているが、主操作装置となるリモコンに対して副操作装置という位置付けで、一つの操作部に複数の機能を集約しているため、作業性のみならず操作性も悪いという問題もあった。
【0011】
同様の問題は扇風機に限るものではなく、暖房機等のその他の電気機器であっても同様であった。
【0012】
本発明の目的は、上述した従来の問題点に鑑み、装置全体のデザイン性を損なうことなく、操作のための良好な作業性を確保できる遠隔制御装置の収容構造
を備えた扇風機を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の目的を達成するため、本発明による
扇風機の収容構造の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、
台座に立設された支柱に電動機ケーシングが取り付けられ、前記電動機ケーシングに取付板を介してファンガードが取り付けられた扇風機であって、前記扇風機を持上げまたは移動するために把持する把持部が前記
電動機ケーシングの上部に設けられ、前記把持部に、上方に開口され前記
扇風機を作動制御する遠隔制御装置がその操作部を操作可能な上向き姿勢で装入される凹部が形成され、前記凹部に前記遠隔制御装置を装入することにより、前記遠隔制御装置に形成された係合凹部または係合突起と前記凹部に形成された係合突起または係合凹部とが係合して、前記凹部に装入された前記遠隔制御装置を保持する保持機構が設けられている点にある。
【0014】
上述した構成によれば、操作者は起立姿勢で
電動機ケーシングの上部側に設けられた把持部を掌で支え或いは手で握って持上げたり移動させたりすることができ、そのような把持部に形成された凹部に遠隔制御装置が装入され、凹部に遠隔制御装置を装入することにより係合凹部と係合突起とが係合する保持機構によって容易に離脱しないように保持されるので、移動時に遠隔制御装置が離脱することもなく、装置全体として纏まりのある美観を損ねることの無い遠隔制御装置の収容構造が実現でき、凹部に遠隔制御装置を装入し或いは凹部から遠隔制御装置を取り外す際でも腰を屈めることなく起立姿勢を保ったままで作業することができるようになる。また、凹部に遠隔制御装置が装入された状態でその操作部が操作可能なため、中腰姿勢で前屈みになって操作する必要が無く、操作者は起立姿勢を保った状態で操作部を操作できるようになるので操作時の作業性も著しく改善される。
遠隔制御装置がその存在を主張するかのような態様で装置本体に装着されることが無いので、装置全体のデザイン性を損なうことが無い。また、立位姿勢で容易に操作できるので足腰に負担がかかることなく扇風機を操作することができるようになる。
【0015】
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記凹部が前記把持部の長手方向に沿って前記遠隔制御装置の厚み以上の深さに形成され、前記遠隔制御装置の長手方向が前記把持部の長手方向に沿う姿勢で前記凹部に装入される点にある。
【0016】
把持部の上面に長手方向に沿って形成された凹部に遠隔制御装置が装入されているので、把持部を幅狭に構成でき、容易く把持することができる。また、装置本体を持上げたり移動させたりするために当該把持部を把持しても、凹部が遠隔制御装置の厚み以上の深さに形成されているので、遠隔制御装置の操作部を誤って操作するようなことが無い。
【0017】
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第一または第二の特徴構成に加えて、前記凹部は、前記遠隔制御装置が装入された状態で前記凹部の上端部が前記遠隔制御装置の上端部より上方に位置するように形成されている点にある。
【0018】
操作者が把持部を掌で支える際に、把持部に巻きつけた指先が凹部に収容された遠隔制御装置に接触するようなことがあっても、凹部の上端部が遠隔制御装置の上端部より上方に位置するように形成されているので指等の動きが制限され、意図せずに遠隔制御装置の操作部を操作してしまうようなことが効果的に回避できる。
【0019】
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、前記遠隔制御装置の一端面に遠隔制御用の無線信号出力部が設けられ、前記凹部の前記信号出力部に対向する部位に開口が形成されている点にある。
【0020】
凹部に装入された状態で遠隔制御装置の操作部が操作されると、遠隔制御装置に備えた無線信号出力部から遠隔操作用の信号、例えば赤外線信号が出力される。そのような遠隔操作用の信号は凹部で遮断されたり減衰したりすることなく、信号出力部に対向する部位に形成された開口から確実に外部空間に伝播するので、別途の受信部を把持部に設けなくてもその状態で遠隔制御装置を操作して装置本体を作動させることができるようになる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明した通り、本発明によれば、装置全体のデザイン性を損なうことなく、操作のための良好な作業性を確保できる遠隔制御装置の収容構造
を備えた扇風機を提供することができるようになった。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明による遠隔制御装置の収容構造及び扇風機を図面に基づいて説明する。
図1(a),(b)には、遠隔制御装置40を含み、装置本体である扇風機100の外観が示されている。扇風機100は、平面視円形の樹脂製の台座10と、台座10の中心部から僅かに偏った位置に立設された樹脂製の支柱12と、支柱12の先端に取付けられた略円筒形状の樹脂製の電動機ケーシング20とを備えて構成されている。
【0024】
台座10の中心部を挟んで支柱12の立設位置とは反対側に外縁が長円形状の操作パネル11が設置されている。操作パネル11には、扇風機100に給電する電源操作ボタン11a、風量調節ダイヤル11b、首振り操作ボタン11c、タイマー設定ボタン11d等が設けられている。また、支柱12の下端部には遠隔制御装置40から出力される制御用の無線信号、本実施形態では赤外線信号を受信する受光部14を備えている。受光部14は台座10と支柱12の接続部分を跨るように配置されている。
【0025】
電動機ケーシング20の前端部から突出した電動機の回転軸にはファン(不図示)が取り付けられ、ファン(不図示)を囲むように前側ファンガード16と後側ファンガード18が取り付けられている。後側ファンガード18は、電動機ケーシング20の前端側に固定された略ラッパ状の取付板26に取り付けられ、前側ファンガード16の円環状の外枠16aが後側ファンガード18の円環状の外枠18aに嵌め込まれるようにして固定されている。
【0026】
前側ファンガード16には、渦巻き状に形成されたリブ16bが設けられ、ファン(不図示)によって生成された気流がリブ16bを通過することによって渦巻き状に吹き出されて、より遠方に送風されるように構成されている。
【0027】
前側ファンガード16と比べて効果が少ないが、より遠方への送風効果を得るために、後側ファンガード18にも渦巻き形状のリブ18bが形成されている。尚、後側ファンガード18のリブは、渦巻き形状に限ることはなく、中心から放射状に延出形成されるように構成されていてもよい。
【0028】
取付板26の周方向には複数のスリット26aが形成されており、このスリット26aから空気が吸い込まれるように構成されている。
【0029】
図1(a),
図2(a)に示すように、支柱12は、下方から順に台座10に固定された第1支柱12a、第2支柱12b、第3支柱12cの三本が連結可能に構成され、最上部の第3支柱12cに電動機ケーシング20のケース連結筒部20bが連結されている。
【0030】
第2支柱12b及び第3支柱12cはそれぞれ異なる長さに形成され、第1支柱12aとケース連結筒部20bとの間に何れか一方または双方を連結することにより、台座10から電動機ケーシング20までの高さが調整可能に構成されている。
【0031】
一方の支柱に他方の支柱を嵌め込み固定するため、他方の支柱の端部の内径が僅かに小さく形成されている。各支柱の連結部には電動機ケーシング20に収容された電動機に電力を供給するための端子が設けられ、連結状態を維持するための機械式のロック機構が組み込まれている。
【0032】
そして、各支柱12a,12b,12cの連結部には、ロック機構によるロック状態を解除するための解除操作部である押込みボタン13a,13b,13cが設けられ、当該押込みボタン13a,13b,13cを押込み操作して上方の支柱を上方に引き上げることにより連結状態が解除されるように構成されている。
【0033】
図2(b)に示すように、扇風機100を収納する場合には、支柱12aとケース連結筒部20bとの間に連結された支柱12b,12cを取り外し、電動機ケーシング20の格納部20c(
図2(a)参照)からコネクタカバー24(
図2(a)参照)を取り外して、その部位を台座10に固定された第1支柱12aに差し込むように構成されている。
【0034】
前側ファンガード16及び後側ファンガード18が電動機ケーシング20に取り付けられた状態で、台座10と電動機ケーシング20がコンパクトに連結され、台座10と電動機ケーシング20との間の僅かな隙間に支柱12b,12cを配置することで、収納スペースが限りなく小さくなる。
【0035】
図3(a),(b)に示すように、電動機ケーシング20の上部には、扇風機100を持上げ或いは移動するための把持部30が設けられている。当該把持部30は側面視でL字形の樹脂部材で構成され、一端が電動機ケーシング20の前端側に固定された取付板26に嵌め込み固定され、他端が電動機ケーシング20の後端側上面に固定されている。
【0036】
当該把持部30に遠隔制御装置40を装入する収容構造が具現化されている。以下、遠隔制御装置40の収容構造について詳述する。
【0037】
遠隔制御装置40は薄肉で略直方体形状に構成されたケーシング41と、ケーシング41の上面に設けられた操作ボタン43と、ケーシング41の前端部に設けられた遠隔制御用の無線信号出力部である赤外線出力部42(図には、符号のみ表されている。)と、ケーシング41の裏面に設けられた電池交換蓋41aと、ケーシング41の内部に収容された制御基板等を備えて構成されている。
【0038】
操作ボタン43として、扇風機100へ給電して作動させる電源操作ボタン43a、風量調節ボタン43b、首振り操作ボタン43c、タイマー設定ボタン43d等が設けられている。
【0039】
把持部30には、その長手方向に沿って上方に開口された凹部30aが形成されている。凹部30aの長さ、幅、深さは、上述の遠隔制御装置40が装入可能なサイズに形成され、凹部30a及び遠隔制御装置40には、遠隔制御装置40が装入された後に凹部30aから遠隔制御装置40が容易に離脱しないように遠隔制御装置40を保持する保持機構50が設けられている。
【0040】
保持機構50は、凹部30aの一端側つまり電動機ケーシング20の後端側の両側内壁に形成された一対の係止突起51と、遠隔制御装置40の左右両側部に形成された一対の係合凹部52とで構成され、遠隔制御装置40の底面が凹部30aの底部に対向するように遠隔制御装置40を上方から凹部30aに軽く押し込むことによって、一対の係止突起51が一対の係合凹部52に嵌まり込み、その装入状態が維持されるように構成されている。
【0041】
保持機構50に保持された遠隔制御装置40を取り外す場合には、凹部30aの一端側からそのケーシング41の後端部に指を掛け、凹部30aの底面とケーシング41との僅かな隙間に指先を宛がって上方に持上げることにより、係止突起51と係合凹部52との係合状態を解除すればよい。
【0042】
図5(a)に示すように、取付板26に嵌め込み固定された凹部30aの一端側、つまり赤外線出力部42(
図3(b)参照)に対向する部位に開口31が形成されている。凹部30aに装入され保持機構50によって保持された状態で遠隔制御装置40の操作ボタン43を操作すると、ケーシング41の前端部の赤外線出力部42から赤外線による操作信号が出力される。受光部14は前述したように台座10と支柱12との接続部に跨るように配置されているため、開口31を通過した後にファンガード16,18に収容されたファンに反射し、或いは室内の壁に反射した操作信号は受光部14(
図1(a)参照)に入射される。
【0043】
受光部14で検出された赤外線操作信号は、台座10の内部に収容された制御基板に入力され、制御基板に設けられた制御部によって各操作信号に対応した扇風機100の作動制御が行なわれる。
【0044】
従って、把持部30または把持部30の近傍に別途の受信部を設けなくても、その状態で遠隔制御装置40を操作して扇風機100を作動させることができるようになる。
【0045】
上述の構成によれば、操作者は起立姿勢で扇風機100の上部側に設けられた把持部30を掌で支えて持上げたり移動させたりすることができ、そのような把持部30に形成された凹部30aに遠隔制御装置40が装入され、保持機構50によって容易に離脱しないように保持されるので、遠隔制御装置40がその存在を強力に主張するようなことが無く、装置全体として纏まりのある美観が得られるようになる。
【0046】
また、凹部30aに遠隔制御装置40を装入し或いは凹部30aから遠隔制御装置40を取り外す際でも腰を屈めることなく起立姿勢を保ったままで作業することができ、しかも、そのような姿勢で扇風機100を操作することも可能になるので、中腰姿勢で前屈みになって操作する必要が無く、極めて容易に操作することができるようになる。
【0047】
以下、別実施形態を説明する。
遠隔制御装置40の収容構造の一部を構成する保持機構50は、
図3(b)で説明したような構成に限るものではなく、様々な態様を採用することができる。
例えば、
図4(a)に示すように、保持機構50は、凹部30aの他端側つまり取付板26側の両側内壁に形成された一対の係止突起51と、遠隔制御装置40のケーシング41左右両側部に形成された一対の係合凹部52とで構成されていてもよい。
【0048】
上述と同様に、遠隔制御装置40の底面が凹部30aの底部に対向するように遠隔制御装置40を上方から凹部30aに軽く押し込むことによって、一対の係止突起51が一対の係合凹部52に嵌まり込み、その装入状態が維持されるようになる。
【0049】
保持機構50に保持された遠隔制御装置40を取り外す場合には、凹部30aの一端側からそのケーシング41の後端部に指を掛け、凹部30aの底面とケーシング41との僅かな隙間に指先を宛がって上方に持上げることにより、係止突起51と係合凹部52との係合状態を解除すればよい点も上述と同様であるが、係止突起51と係合凹部52による係合部がケーシング41の後端部から離れているために、ケーシング41の後端部をほんの僅かな力で持上げるだけで、係合状態を解除するための大きなモーメントが発生して、容易に係合状態から離脱させることができるようになる。
【0050】
例えば、
図4(b)に示すように、保持機構50は、凹部30aの左右側壁内側に長手方向に突出形成されたガイドレール53と、遠隔制御装置40のケーシング41の左右両側部に形成された一対の係合溝部54とで構成されていてもよい。凹部30aの一端側つまり電動機ケーシング20の後端側から係合溝部54をガイドレール53に装入し、そのまま押し込むことによって遠隔制御装置40が凹部30aに装入され、その状態が維持される。
【0051】
ガイドレール53は水平姿勢に形成されていてもよいが、奥行き側が次第に下方に下がる傾斜姿勢に構成され、そのガイドレール53に対応するように遠隔制御装置40のケーシング41に形成された係合溝部54も同様に傾斜姿勢に構成されると、電動機ケーシング20が上下に搖動しても遠隔制御装置40が容易に落下するようなことが無い。
【0052】
図4(b)に示した構造と反対に、凹部30aに係合溝部54が形成され、遠隔制御装置40のケーシング41にガイドレール53が形成されていてもよい。
【0053】
さらに、凹部30aに板状またはチップ状の強磁性体(磁石)を配するとともに、遠隔制御装置40を凹部30aに装入した状態で当該強磁性体に対向するケーシング41部位に鉄、コバルト、ニッケルまたはこれらの合金でなる金属片を配置し、磁力で遠隔制御装置40を凹部30aに保持するような保持機構を設けてもよい。
【0054】
上述した実施形態では、取付板26に嵌め込み固定された凹部30aの一端側に形成された開口31に何らの部材も配置されていない例を説明したが、
図5(b)に示すように、取付板26に嵌め込み固定された凹部30aの一端側に形成された開口31のうち、赤外線出力部42から出力された赤外線の伝播を遮らない位置にリブ31aを形成して、把持部30の強度を上げるように構成してもよい。本例では、ケーシング41の前端部の左右中央部に設けられた赤外線出力部42に対して、その左右両側に縦方向に2本のリブ31a,31bが形成されている。
【0055】
図6(a)から(d)に示すように、凹部30aは、遠隔制御装置40が装入された状態で凹部30aの上端部30b(図中、二点鎖線で示すレベル)が遠隔制御装置40の上端部より上方に位置するように形成されている。具体的に、遠隔制御装置40のケーシング41の上面から上方に突出するように配置された各操作ボタン43の上面が、凹部30aの上端部30bよりも低い位置になるように設定されていることが好ましい。
【0056】
このような構成によれば、操作者が把持部30を掌で支える際に、把持部30に巻きつけた指先が凹部30aに収容された遠隔制御装置40に接触するようなことがあっても、凹部30aの上端部が遠隔制御装置40の上端部より上方に位置するように形成されているので指の動きが制限され、意図せずに遠隔制御装置の操作ボタン43を操作してしまうようなことが効果的に回避できる。
【0057】
図6(b)に示すように、各操作ボタン43の上面が操作者の指の腹にフィットするような凹部形状に構成されていることが好ましく、操作ボタンを押下するときに良好な押し心地が得られるようになる。
【0058】
図6(c)に示すように、各操作ボタン43の上面が遠隔制御装置40のケーシング41の上面より低い位置になるように構成されていると、操作時に意図的に操作ボタン43を押下する必要があるので、遠隔制御装置40が装入された状態の把持部30を把持したときのみならず、把持部30から離脱した遠隔制御装置40を手で持って操作する場合にも操作者が誤って操作ボタン43を押下することが防止できる。
【0059】
各操作ボタン43の構造は特に限定されるものではなく、
図6(a),(b),(c)に示すように、内部接点をバネで支持されたキートップで押下するタクタイルスイッチや、
図6(d)に示すように、上部接点シートと下部接点シートとをスペーサー部材を挟んで貼り合わせたメンブレンスイッチ等のモーメンタリースイッチ等を好適に用いることができる。
【0060】
さらに、各操作ボタン43はハードウェアスイッチで構成される態様に限るものではなく、例えばケーシング41の上面に液晶表示部を設けて、その液晶表示部上面に透明電極シート等が配されたタッチパネル式の操作ボタン、つまりソフトウェアスイッチで構成されていてもよい。
【0061】
図6(e),(f)に示すように、把持部30の下縁を下側に凸の湾曲形状に形成すると、操作者の掌や指に掛かる圧力分布が一様になるので、多少の重量であっても、痛みを感じたり不快感等を抱いたりすることなく持上げることが可能になる。把持部30の底部は
図6(e)のように平面に形成されていてもよいし、
図6(f)のように下縁と同様の湾曲形状に形成されていてもよい。
【0062】
上述した遠隔制御装置40の収容構造は、把持部30の長手方向に沿って上方に開口された凹部30aを備えた例を説明したが、
図6(g)に示すように、把持部30の長手方向に沿って下方に開口された凹部30aを備え、遠隔制御装置40の操作面が凹部30aの上面と対向するように遠隔制御装置40を凹部30aに装入するように構成してもよい。
【0063】
このような構成によれば、把持部30を強く握りしめても操作ボタンを誤って操作するようなことが無い。尚、
図6(h)に示すように、凹部30aの上面に操作用の開口またはスリット30cを形成しておけば、操作用の開口またはスリット30cから操作ボタン43を操作することができるようになる。この場合、保持機構50は上述した例と同様の構成で実現できる。
【0064】
同様に、把持部の長手方向に沿って左右何れかの側方に開口された凹部を備え、当該凹部に遠隔制御装置を装入するように構成してもよい。この場合も、遠隔制御装置の操作面が凹部の反開口側の壁部と対向するように遠隔制御装置を凹部に装入するように構成することが好ましく、同様に凹部の反開口側の壁部に操作用の開口またはスリットを形成しておけば、操作用の開口またはスリットから操作ボタンを操作することができるようになる。この場合も、保持機構50は上述した例と同様の構成で実現できる。
【0065】
上述した何れの実施形態でも、把持部が電動機ケーシングの長手方向に沿って形成された態様を説明したが、長手方向と交差する方向に把持部が配置されていてもよく、その把持部に上述した各収容構造が実現されるように構成されていればよい。
【0066】
以上、遠隔制御装置の収容構造が扇風機に組み込まれた例を説明したが、本発明による遠隔制御装置の収容構造は、扇風機以外に暖房機等の家庭やオフィスで使用される様々な電気機器に適用することができる。
【0067】
上述した実施形態で説明した遠隔制御装置の収容構造は、何れも一具体例であり、本発明による遠隔制御装置の収容構造は、このような具体例に限定されるものではなく、各部の具体的な形状、大きさ、材料等は、サイズの一具体例であり、本発明の作用効果を奏する範囲において適宜変更することができることはいうまでもない。
【解決手段】装置本体100を作動制御する遠隔制御装置40の収容構造であって、装置本体100を持上げまたは移動可能な把持部30が装置本体100の上部に設けられ、把持部30に、上方に開口され遠隔制御装置40がその操作部43を操作可能な上向き姿勢で装入される凹部30aが形成され、凹部30aに遠隔制御装置40を装入することにより、前記遠隔制御装置に形成された係合凹部52または係合突起と凹部30aに形成された係合突起51または係合凹部とが係合して、凹部30aに装入された遠隔制御装置40を保持する保持機構50が設けられている。