(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、液晶層を背面から照らして発光させるバックライト方式が普及し、エッジライト型、直下型等のバックライトユニットが液晶層の下面側に装備されている。かかるエッジライト型バックライトユニット110は、一般的には
図6(a)に示すように天板116の表面に配設される反射シート115、この反射シート115の表面に配設される導光シート111、この導光シート111の表面に配設される光学シート112及びこの導光シート111の端面に向けて光を照射する光源117を備える(特開2010−177130号公報参照)。この
図6(a)のエッジライト型バックライトユニット110にあっては、光源117が照射し導光シート111に入射した光は、導光シート111内を伝搬する。この伝搬する光の一部は、導光シート111の裏面から出射し反射シート115で反射され、再度導光シート111に入射する。
【0003】
このような液晶表示部を備える液晶表示装置は、その携帯性、利便性を高めるために薄型化及び軽量化が求められ、これに伴い液晶表示部も薄型化が求められている。特に、筐体の最厚部が21mm以下である超薄型の携帯型端末にあっては、液晶表示部の厚みは4mmから5mmほどであることが望まれ、液晶表示部に組み込まれるエッジライト型バックライトユニットにはより一層の薄型化が求められている。
【0004】
このような超薄型の携帯型端末のエッジライト型バックライトユニットにあっては、
図6(a)に示すような導光シート111の裏面に配設される反射シート115を有するものの他、
図6(b)に示すように、
図6(a)のような反射シート115を用いないことにより薄型化を図ったものも提案されている。この
図6(b)に示すエッジライト型バックライトユニット210は、金属製の天板216と、この天板216の表面に積層される導光シート211と、この導光シート211の表面に積層される光学シート212と、この導光シート211の端面に向けて光を照射する光源217とを備える。天板216は、表面が鏡面に研磨され、反射面216aとしての機能を有する。そして、光源217が出射し導光シート211に入射した光は導光シート211内を伝搬し、この伝搬する光の一部は、導光シート211の裏面から出射し、天板216の表面の反射面216aで反射され、再度導光シート211に入射する。このように
図6(b)に示すエッジライト型バックライトユニット210は、天板216の表面が反射面216aとされることで、この反射面216aが
図6(a)の反射シート115の代わりとなる。従って、このようなエッジライト型バックライトユニット210は、反射シート115が不要となることで薄型化が促進されている。また、このような超薄型の携帯型端末のエッジライト型バックライトユニットにあっては、導光シートとして平均厚みが600μm以下の導光シート(ライトガイドフィルム)が用いられ、一層の薄型化が図られているものも存在している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者は、このような液晶表示装置を使用すると液晶表示面の輝度が不均一となる不具合(輝度ムラ)が生じることを見出した。この不具合の原因について本発明者が鋭意検討した結果、導光シートの裏面がこの導光シートの裏面側に配設される反射シートや天板の表面と密着(スティッキング)し、この密着部分に光が入射することに起因して輝度ムラが生じていることが判明した。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、エッジライト型のバックライトユニットに用いた場合において液晶表示面の輝度ムラが抑制されるとともに薄型化が図られる導光シートを提供することにある。また、本発明の別の目的は、輝度ムラが抑制されかつ薄型化が図られるエッジライト型のバックライトユニット及び携帯型端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた本発明に係るライトガイドフィルムは、厚みが略均一で平均厚み100μm以上600μm以下であり、可撓性を有し、端面から入射する光線を表面から略均一に出射するエッジライト型のバックライトユニット用ライトガイドフィルムであって、裏面にスティッキング防止手段を備え、裏面に表面側へ陥没し、入射光を表面側に散乱させる複数の凹部と、上記複数の凹部の周囲に存在し、裏面側に突出する上記スティッキング防止手段としての複数の隆起部とを有し、上記隆起部の裏面平均界面からの平均高さ(H)が0.1μm以上5μm以下であることを特徴とする。
【0009】
当該ライトガイドフィルムは裏面に表面側へ陥没する複数の凹部を有するので、これらの凹部に入射した光線を表面側に散乱させることができる。それゆえ、当該ライトガイドフィルムは、複数の凹部を所望位置に形成し、これらの凹部により入射光を散乱させることで、光線を表面側から略均一に出射することができる。また、当該ライトガイドフィルムは、上記複数の凹部の周囲に存在し、裏面側に突出する複数の隆起部を有するので、当該ライトガイドフィルムと当該ライトガイドフィルムの裏面側に配設される反射シートや天板等とが複数の隆起部によって散点的に当接され、当該ライトガイドフィルムの裏面と反射シートや天板等とが密着するのを防止することができる。それゆえ、当該ライトガイドフィルムは、このような密着部に光線が入射して輝度ムラが生じるのを防止することができるとともに、裏面に別途スティッキング防止層を設ける必要がないため、薄型化を促進することができる。さらに、当該ライトガイドフィルムは、上記隆起部が上記凹部の周囲に存在していることによって、凹部及び凹部近辺の密着を的確に防止することができるので、この凹部によって散乱された光線に起因する輝度ムラを好適に防止することができる。
【0010】
当該ライトガイドフィルムは、平均厚みが100μm以上600μm以下である。これにより、超薄型の携帯型端末のバックライトユニットに好適に用いることができる。
【0011】
上記凹部の裏面平均界面からの平均深さ(L)としては、1μm以上10μm以下が好ましい。これにより、上記凹部に入射した光が導光シートの表面に向けて散乱され、導光シートの表面から的確に出射される。また、深さが10μm以下と浅いため、導光シートを薄膜化でき、ライトガイドフィルムとして用いることができる。
【0012】
裏面平均界面における上記凹部の平均径(D)としては、10μm以上50μm以下が好ましい。これにより、上記凹部に入射した光が的確に散乱され、当該導光シートの表面全体から好適に出射される。
【0013】
上記隆起部の裏面平均界面からの平均高さ(H)としては、0.1μm以上5μm以下とされている。これにより、凹部及び凹部近辺のスティッキング防止性を向上することができるとともに、凹部によって散乱された光線に起因する輝度ムラを的確に防止することができる。また、かかる構成によれば、上記隆起部との当接に起因して反射シートや天板の表面に傷付きが生じるのを抑制することができる。
【0014】
当該ライトガイドフィルムは、上記隆起部が上記凹部を囲むように平面視略円環状に形成されるとよい。また、裏面平均界面における上記隆起部の平均幅(W)としては、1μm以上10μm以下が好ましい。このように上記隆起部を平面視略円環状に形成することで、上記凹部から見て裏面平均界面のいずれの方向にも上記凸部が存在し対称性をよくできる。従って上記凹部によって光の入射方向によらず好適に光を散乱できる。また、上記隆起部の平均幅(W)を上記範囲内とすることで、ライトガイドフィルム裏面が反射板表面と接する隆起部の面積を小さく抑えつつ好適にスティッキングを防止することができるので、輝度ムラが生じにくい。
【0015】
上記隆起部の平均高さ(H)の平均幅(W)に対する高さ比(H/W)としては、0.05以上0.5以下が好ましい。これにより、スティッキング防止性及び裏面側に配設される反射シートや天板表面の傷付き防止性を向上することができる。
【0016】
主成分としてポリカーボネート系樹脂を含むとよい。ポリカーボネート系樹脂は透明性に優れると共に屈折率が高いため、当該導光シートの表裏面において全反射が起こりやすく、光線を効率的に伝搬させることができる。また、ポリカーボネート系樹脂は耐熱性を有するため、光源の発熱による劣化等が生じ難い。さらに、ポリカーボネート系樹脂はアクリル系樹脂等に比べて吸水性が少ないため、寸法安定性が高い。従って、主成分としてポリカーボネート系樹脂を含むことで、経年劣化を抑止することができる。
【0017】
上記課題を解決するためになされた本発明に係るエッジライト型のバックライトユニットは、上記構成を有するライトガイドフィルムと、当該ライトガイドフィルムの端面に光を照射する光源とを備える。
【0018】
当該バックライトユニットは、当該ライトガイドフィルムを備えるので、当該ライトガイドフィルムの裏面に形成される複数の凹部に入射した光線を表面側に散乱させることができる。それゆえ、当該バックライトユニットは、当該ライトガイドフィルムの裏面において、複数の凹部を所望位置に形成し、これらの凹部によって入射光を散乱させることで、光線を表面側から略均一に出射することができる。また、当該バックライトユニットは、複数の凹部の周囲に存在し、裏面側に突出する複数の隆起部を有するので、当該ライトガイドフィルムと当該ライトガイドフィルムの裏面側に配設される反射シートや天板等とが複数の隆起部によって散点的に当接され、当該ライトガイドフィルムの裏面と反射シートや天板等とが密着するのを防止することができる。それゆえ、当該バックライトユニットは、このような密着部に光線が入射して輝度ムラが生じるのを防止することができるとともに、裏面に別途スティッキング防止層を設ける必要がないため薄型化を促進することができる。さらに、当該バックライトユニットは、当該ライトガイドフィルムの裏面に形成される上記隆起部が上記凹部の周囲に存在していることにより、凹部及び凹部近辺の密着を的確に防止することができるので、この凹部によって散乱された光線に起因する輝度ムラを好適に防止することができる。
【0019】
上記課題を解決するためになされた本発明に係る携帯型端末は、上記構成を有する当該バックライトユニットを液晶表示部に備える。
【0020】
当該携帯型端末は、当該ライトガイドフィルムを有する当該バックライトユニットを備えるので、当該ライトガイドフィルムの表面から光線を略均一に出射することができるとともに、当該ライトガイドフィルムと当該ライトガイドフィルムの裏面側に配設される反射シートや天板等とのスティッキングを防止することができる。また、当該携帯型端末は、当該ライトガイドフィルムを有する当該バックライトユニットを備えるので、薄型化を促進することができる。
【0021】
なお、本発明における、導光シートにおける「表面」とは、導光シートが光線を出射する方向を意味し、液晶表示部の表示面側を意味する。また、導光シートの「裏面」とは、上記表面の反対側の面を意味し、液晶表示部の表示面の反対側を意味する。「平均厚み」とは、JIS−K−7130に規定される5.1.2のA−2法により測定した値の平均値である。「径」とは、直径の最大幅と、その最大幅方向に直交する方向の直径の幅との中間値を意味する。隆起部の「幅」とは、外半径と内半径との差を意味する。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、本発明に係るライトガイドフィルムは、エッジライト型のバックライトユニットに用いられた場合に液晶表示面の輝度ムラが抑制されるとともに薄型化が図られる。従って、当該ライトガイドフィルムを用いた本発明に係るエッジライト型のバックライトユニット及び当該バックライトユニットを備える本発明に係る携帯型端末は、液晶表示部の輝度ムラが抑制されかつ薄型化が図られる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
【0025】
[第一実施形態]
<携帯型端末>
図1の携帯型端末1は、操作部2と、この操作部2に回動可能(開閉可能)に連結された液晶表示部3とを有する。当該携帯型端末1は、携帯型端末1の構成部分を全体的に収容する筐体(ケーシング)の厚み(液晶表示部3の閉塞時の最厚部)が21mm以下であり、超薄型のラップトップコンピュータである(以下「超薄型コンピュータ1」ということがある)。
【0026】
当該超薄型コンピュータ1の液晶表示部3は、液晶パネル4と、この液晶パネル4に向けて裏面側から光を照射するエッジライト型の超薄型バックライトユニットとを有する。この液晶パネル4は、筐体の液晶表示部用ケーシング5により、裏面、側面及び表面の周囲が保持されている。ここで、液晶表示部用ケーシング5は、液晶パネル4の裏面(及び背面)に配設される天板6と、液晶パネル4の表面の周囲の表面側に配設される表面支持部材7とを有する。当該超薄型コンピュータ1の筐体は、液晶表示部用ケーシング5と、この液晶表示部用ケーシング5にヒンジ部8を介して回動可能に設けられ、中央演算処理装置(超低電圧CPU)等が内蔵される操作部用ケーシング9を有する。
【0027】
この液晶表示部3の平均厚みとしては、筐体の厚みが所望範囲であれば特に限定されないが、液晶表示部3の平均厚みの上限としては、7mmが好ましく、6mmがより好ましく、5mmがさらに好ましい。一方、液晶表示部3の平均厚みの下限としては、2mmが好ましく、3mmがより好ましく、4mmがさらに好ましい。液晶表示部3の平均厚みが上記上限を超えると、超薄型コンピュータ1の薄型化の要求に沿うことができないおそれがある。また、液晶表示部3の平均厚みが上記下限未満であると、液晶表示部3の強度の低下や輝度低下等を招くおそれがある。
【0028】
<バックライトユニット>
図2のバックライトユニット10は、超薄型コンピュータ1の液晶表示部3に備えられる。バックライトユニット10は、導光シート11と、導光シート11の端面に光を照射する光源12と、導光シート11の裏面側に配設される反射シート13と、導光シート11の表面側に配設される光学シート14とを有するエッジライト型のバックライトユニットとして構成されている。
【0029】
(導光シート)
導光シート11は、端面から入射する光線を表面から略均一に出射する。また、導光シート11は、
図3に示すように、裏面に表面側へ陥没する複数の凹部15と、複数の凹部15の周囲に存在し、裏面側に突出する複数の隆起部16とを有する。導光シート11は平面視略方形状に形成されており、厚みが略均一の板状(非楔状)に形成されている。
【0030】
導光シート11の平均厚みの上限としては、600μmが好ましく、580μmがより好ましく、550μmがさらに好ましい。一方、導光シート11の平均厚みの下限としては、100μmが好ましく、150μmがより好ましく、200μmがさらに好ましい。導光シート11の平均厚みが上記上限を超える場合、超薄型の携帯型端末において望まれる薄膜のライトガイドフィルムとして使用できず、バックライトユニット10の薄型化の要望に沿えないおそれがある。逆に、導光シート11の平均厚みが上記下限未満の場合、導光シート11の強度が不十分となるおそれがあり、また、光源12の光を導光シート11に十分に入射させることができないおそれがある。
【0031】
導光シート11における光源12側の端面からの必須導光距離の下限としては、7cmが好ましく、9cmがより好ましく、11cmがさらに好ましい。一方、導光シート11における光源12側の端面からの必須導光距離の上限としては、45cmが好ましく、43cmがより好ましく、41cmがさらに好ましい。上記必須導光距離が上記下限未満の場合、小型モバイル端末以外の大型端末に使用できないおそれがある。逆に、上記必須導光距離が上記上限を超える場合、平均厚みが600μm以下の薄膜のライトガイドフィルムとして用いた場合に撓みが生じやすく、また導光性が十分に得られないおそれがある。なお、導光シート11における光源12側の端面からの必須導光距離とは、光源12から出射され導光シート11の端面に入射する光線が、この端面から対向端面方向に向けて伝搬されることを要する距離をいう。具体的には、導光シート11における光源12側の端面からの必須導光距離とは、例えば片側エッジライト型のバックライトユニットについては、導光シートの光源側の端面から対向端面までの距離をいい、両側エッジライト型のバックライトユニットについては、導光シートの光源側の端面から中央部までの距離をいう。
【0032】
導光シート11の表面積の下限としては、150cm
2が好ましく、180cm
2がより好ましく、200cm
2がさらに好ましい。一方、導光シート11の表面積の上限としては、1000cm
2が好ましく、950cm
2がより好ましく、900cm
2がさらに好ましい。導光シート11の表面積が上記下限未満の場合、小型モバイル端末以外の大型端末に使用できないおそれがある。逆に、導光シート11の表面積が上記上限を超える場合、平均厚みが600μm以下の薄膜のライトガイドフィルムとして用いた場合に撓みが生じやすく、また導光性が十分に得られないおそれがある。
【0033】
導光シート11は、光線を透過させる必要があるため、透明、特に無色透明の合成樹脂を主成分として形成される。導光シート11の主成分としては、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体、ポリオレフィン、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、セルロースアセテート、耐候性塩化ビニル、活性エネルギー線硬化型樹脂等が挙げられる。なかでも、導光シート11の主成分としては、ポリカーボネート系樹脂又はアクリル系樹脂が好ましい。ポリカーボネート系樹脂は透明性に優れると共に屈折率が高いため、導光シート11が主成分としてポリカーボネート系樹脂を含むことによって、導光シート11の表裏面において全反射が起こりやすく、光線を効率的に伝搬させることができる。また、ポリカーボネート系樹脂は耐熱性を有するため、光源12の発熱による劣化等が生じ難い。さらに、ポリカーボネート系樹脂はアクリル系樹脂等に比べて吸水性が少ないため、寸法安定性が高い。従って、当該導光シート11は、ポリカーボネート系樹脂を主成分として含むことによって経年劣化を抑止することができる。一方、アクリル系樹脂は透明度が高いので導光シート11における光の損耗を少なくすることができる。導光シート11は、上記主成分を好ましくは80質量%以上含み、より好ましくは90質量%以上含み、さらに好ましくは98%以上含む。
【0034】
上記ポリカーボネート系樹脂としては、特に限定されず、直鎖ポリカーボネート系樹脂又は分岐ポリカーボネート系樹脂のいずれかのみであってもよく、直鎖ポリカーボネート系樹脂と分岐ポリカーボネート系樹脂との双方を含むポリカーボネート系樹脂であってもよい。
【0035】
直鎖ポリカーボネート系樹脂としては、公知のホスゲン法又は溶融法によって製造された直鎖の芳香族ポリカーボネート系樹脂があり、カーボネート成分とジフェノール成分とからなる。カーボネート成分を導入するための前駆物質としては、例えばホスゲン、ジフェニルカーボネート等が挙げられる。また、ジフェノールとしては、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロデカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−チオジフェノール、4,4’−ジヒドロキシ−3,3−ジクロロジフェニルエーテル等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組合わせて使用することができる。
【0036】
分岐ポリカーボネート系樹脂としては、分岐剤を用いて製造したポリカーボネート系樹脂があり、分岐剤としては、例えばフロログルシン、トリメリット酸、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2−トリス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,1−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、4,4’−ジヒドロキシ−2,5−ジヒドロキシジフェニルエーテル等が挙げられる。
【0037】
上記アクリル系樹脂としては、アクリル酸又はメタクリル酸に由来する骨格を有する樹脂である。アクリル系樹脂の例としては、特に限定されないが、ポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体、脂環族炭化水素基を有する重合体(例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体)等が挙げられる。これらのアクリル系樹脂の中でも、ポリ(メタ)アクリル酸メチル等のポリ(メタ)アクリル酸C1−6アルキルが好ましく、メタクリル酸メチル系樹脂がより好ましい。
【0038】
上記活性エネルギー線硬化型樹脂としては、例えば活性エネルギー線硬化型アクリル系樹脂、活性エネルギー線硬化型エポキシ樹脂等が挙げられる。上記活性エネルギー線硬化型樹脂としては、例えば光重合性のプレポリマー、オリゴマー及びモノマーのうち少なくとも1種と光重合性開始剤等とを含んだものが用いられる。
【0039】
上記活性エネルギー線硬化型アクリル系樹脂における上記プレポリマー及びオリゴマーとしては、例えばエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0040】
また、上記活性エネルギー線硬化型アクリル系樹脂における上記モノマーとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシ(メタ)アクリレート等の単官能アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)トリアクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、トリメチロールプロパン安息香酸エステル等の多官能アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のウレタンアクリレート等が挙げられる。
【0041】
上記光重合性開始剤としては、例えばアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、ベンジル、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、メチルベンゾイルフォルメート、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン等の硫黄化合物などが挙げられる。これらの光重合開始剤は単独で使用してもよく、2種以上組み合せて用いてもよい。
【0042】
なお、導光シート11は、紫外線吸収剤、難燃剤、安定剤、滑剤、加工助剤、可塑剤、耐衝撃助剤、位相差低減剤、艶消し剤、抗菌剤、防かび、酸化防止剤、離型剤、帯電防止剤等の任意成分を含んでもよい。
【0043】
凹部15は、入射光を表面側に散乱させる光散乱部として構成されている。具体的には凹部15は、
図3及び
図4に示すように平面視略円形状に形成され、導光シート11の裏面に複数存在する。また、凹部15は、表面側に向けて徐々に縮径するように形成されている。凹部15の立体形状としては、特に限定されるものではなく、半球状、略半球状、円錐状、円錐台形状、円筒状等とすることが可能である。なかでも、凹部15の立体形状としては、半球状が好ましい。凹部15の立体形状が半球状であることによって、凹部15の成形性を向上することができるとともに、凹部15に入射した光線を好適に散乱させることができる。
【0044】
凹部15の配設パターンとしては、一端側から他端側にかけて徐々に密度が小さくなるように形成されている。特に、凹部15の配設パターンとしては、光源12側と反対側の端縁から光源12側の端縁にかけて徐々に密度が小さくなるように形成されている。このように凹部15を形成することで、光源12近傍の光散乱率を抑え、光源12から離れた部分の光散乱率を上げることにより面全体で均一となるように光を散乱させることができる。複数の凹部15の光源からの距離による存在割合の調整は、凹部15の配設位置を調整することで行える。
【0045】
凹部15の裏面平均界面からの平均深さ(L)(
図4(a)参照)の上限としては、10μmが好ましく、9μmがより好ましく、7μmがさらに好ましい。一方、凹部15の裏面平均界面からの平均深さ(L)の下限としては、1μmが好ましく、2μmがより好ましく、4μmがさらに好ましい。凹部15の裏面平均界面からの平均深さ(L)が上記上限を超える場合、輝度ムラを生じるおそれがあるとともに、導光シート11の薄型化の要請に反するおそれがある。逆に、凹部15の裏面平均界面からの平均深さ(L)が上記下限未満の場合、光散乱効果が十分に得られないおそれがある。
【0046】
裏面平均界面における凹部15の平均径(D)(
図4(b)参照)の上限としては、50μmが好ましく、40μmがより好ましく、30μmがさらに好ましい。一方、裏面平均界面における凹部15の平均径(D)の下限としては、10μmが好ましく、12μmがより好ましく、15μmがさらに好ましい。裏面平均界面における凹部15の平均径(D)が上記上限を超える場合、輝度ムラが生じるおそれがある。逆に、裏面平均界面における凹部15の平均径(D)が上記下限未満の場合、光散乱効果が十分に得られないおそれがある。
【0047】
隆起部16は、導光シート11の裏面に一体的に形成されている。隆起部16は、凹部15の下端から延出するように裏面側に突出されている。隆起部16は、
図3及び
図4に示すように、凹部15を平面視円環状に囲むように形成されている。隆起部16の平面視形状としては、例えば凹部15の外周形状に対応して規定されることができ、円環状、多角環状等が可能である。また、隆起部16の平面視形状としては、必ずしも凹部15の外周を完全に囲う必要はなく、例えば凹部15の外周を部分的に囲繞するものであってもよい。なかでも、隆起部16の平面視形状としては、円環状が好ましい。当該導光シート11は、隆起部16が円環状に形成されることによって、凹部15及び凹部15近辺が裏面側に配設される反射シート13等と密着するのを的確に防止することができ、凹部15によって散乱された光線に起因する輝度ムラを好適に防止することができる。また、隆起部16は、先端が丸められた形状とされている。当該導光シート11は、隆起部16の先端が丸められていることによって、裏面側に配設される反射シート13等に対する傷付き防止性を高めることができる。
【0048】
隆起部16は、凹部15と連続して形成されるとよい。具体的には、隆起部16の内周と凹部15の周が略一致しているとよい。また、隆起部16の内側面と凹部15の内面とが滑らかに連続しているとよい。隆起部16が、凹部15に滑らかに連続して形成されることで、凹部15によって散乱され導光シート11の表面から出射する光の輝度ムラを的確に防止することができる。ここで、「周」とは立体形状(凹部15又は隆起部16)が導光シート11の裏面平均界面と交わって構成される曲線を意味する。また、「内周」とは、隆起部16の内側面の周をいう。
【0049】
隆起部16の配設パターンとしては、一端側から他端側にかけて徐々に密度が小さくなるように形成されている。特に、隆起部16の配設パターンとしては、光源12側と反対側の端縁から光源12側の端縁にかけて徐々に密度が小さくなるように形成されている。
【0050】
隆起部16の裏面平均界面からの平均高さ(H)(
図4(a)参照)の上限としては、6μmが好ましく、5μmがより好ましく、4μmがさらに好ましい。一方、隆起部16の裏面平均界面からの平均高さ(H)の下限としては、0.1μmが好ましく、0.3μmがより好ましく、0.5μmがさらに好ましい。隆起部16の裏面平均界面からの平均高さ(H)が上記上限を超える場合、隆起部16との当接に起因して裏面側に配設される反射シート13等の表面に傷付きが生じるおそれがある。逆に、隆起部16の裏面平均界面からの平均高さ(H)が上記下限未満の場合、スティッキングを的確に防止できないおそれがある。これに対し、隆起部16の裏面平均界面からの平均高さ(H)が上記範囲内であることによって、スティッキング防止性及び裏面側に配設される反射シート13等の傷付き防止性を向上することができ、特に凹部15によって散乱された光線に起因する輝度ムラを的確に防止することができる。
【0051】
裏面平均界面における上記隆起部の平均幅(W)(
図4(b)参照)の上限としては、15μmが好ましく、12μmがより好ましく、10μmがさらに好ましい。一方、裏面平均界面における上記隆起部の平均幅(W)の下限としては、1μmが好ましく、3μmがより好ましく、5μmがさらに好ましい。裏面平均界面における隆起部16の平均幅(W)が上記上限を超える場合、隆起部16が反射シート13等と接する面積が大きくなり、輝度ムラを生じるおそれがある。逆に、裏面平均界面における隆起部16の平均幅(W)が上記下限未満の場合、隆起部16との当接に起因して裏面側に配設される反射シート13等の表面に傷付きが生じるおそれがある。
【0052】
隆起部16の平均高さ(H)の平均幅(W)に対する高さ比(H/W)の上限としては0.8が好ましく、0.6がより好ましく、0.4がさらに好ましい。一方、隆起部16の平均高さ(H)の平均幅(W)に対する高さ比(H/W)の下限としては、0.04が好ましく、0.06がより好ましく、0.08がさらに好ましい。上記高さ比(H/W)が上記上限を超える場合、隆起部16が反射シート13等と鋭く接するため、反射シート13等を傷つけるおそれがある。また、上記高さ比(H/W)が上記下限未満である場合、隆起部16が反射シート13等と接する面積が大きくなりすぎ、輝度ムラを生じるおそれがある。
【0053】
上記隆起部16の平均幅(W)の凹部15の平均径(D)に対する幅比(W/D)の上限としては、1が好ましく、0.8がより好ましく、0.6がさらに好ましい。一方上記隆起部16の平均幅(W)の凹部15の平均径(D)に対する幅比(W/D)の下限としては、0.1が好ましく、0.2がより好ましく、0.3がさらに好ましい。上記幅比(W/D)が上記上限を超える場合、隆起部16が反射シート13等と接する面積が大きくなりすぎ、輝度ムラを生じるおそれがある。また、上記幅比(W/D)が上記下限未満である場合、隆起部16の大きさが凹部15に比べて相対的に小さくなり過ぎ、スティッキング防止効果が十分に得られないおそれがある。
【0054】
(反射シート)
反射シート13は、導光シート11の裏面に形成される複数の隆起部16と当接するように導光シート11の裏面側に配設される。反射シート13は、導光シート11の裏面側から出射された光線を表面側に反射させる。反射シート13としては、ポリエステル系樹脂等の基材樹脂にフィラーを分散含有させた白色シートや、ポリエステル系樹脂等から形成されるフィルムの表面に、アルミニウム、銀等の金属を蒸着させることで正反射性が高められた鏡面シート等が挙げられる。
【0055】
(光源)
光源12は、照射面が導光シート11の端面に対向(又は当接)するよう配設されている。光源12としては、種々のものを用いることが可能であり、例えば発光ダイオード(LED)を用いることができる。具体的には、この光源12として、複数の発光ダイオードが導光シート11の端面に沿って配設されたものを用いることができる。
【0056】
(光学シート)
光学シート14は、裏面側から入射した光線に対する拡散、屈折等の光学的機能を有する。光学シート14としては、例えば光拡散機能を有する光拡散シートや、法線方向側への屈折機能を有するプリズムシート等が挙げられる。
【0057】
<導光シートの製造方法>
導光シート11の製造方法としては、例えば
(a)複数の凹部及びこの凹部の周囲に存在する複数の隆起部の反転形状を有する成形型に溶融状態の導光シートの形成材料を注入する射出成形法、
(b)導光シートの形成材料からなるシート体を再加熱して上記反転形状を有する成形型と金属板又はロールとの間に挟んでプレスして形状を転写する方法、
(c)溶融状態の導光シートの形成材料をTダイに供給してこの形成材料を押出機及びTダイから押し出すことでシート体を成形したうえ、このシート体を上記反転形状を有する成形型と金属板又はロールとの間に挟んでプレスして形状を転写する押出成形法を用いる方法、
(d)導光シートの形成材料を溶媒に溶融させ流動性を持たせた溶液(ドープ)を上記反転形状を有する成形型に流し込んだうえ、溶媒を蒸発させるキャスト法(溶液流延法)、
(e)上記反転形状を有する成形型に未硬化の活性エネルギー線硬化型樹脂を充填し、紫外線等の活性エネルギー線を照射する方法、
(f)複数の凹部の反転形状のみを有する成形型を用い、上記(a)〜(e)と同様の方法によってこの複数の凹部をシート体の一方の面に形成したうえ、このシート体の一方の面の複数の凹部の周囲にフォトリソグラフィ法及びエッチング法を用いて複数の隆起部を形成する方法、
(g)導光シートの形成材料からなるシート体の一方の面への超硬バイト、ダイヤモンドバイト、エンドミル等を用いた切削によって複数の凹部及びこの凹部の周囲に存在する複数の隆起部を形成する方法
等が挙げられる。
【0058】
<成形型>
上記成形型としては、上述のように
(i)所定パターンで配設される複数の凹部15、これらの凹部15の周囲に存在する複数の隆起部16の反転形状を表面に有する成形型、又は
(ii)所定パターンで配設される複数の凹部15の反転形状のみを表面に有する成形型
が用いられる。
【0059】
(原型を用いた成形型の製造方法)
上記(i)の成形型は、所定パターンで配設される複数の凹部及び複数の凹部の周囲に存在する複数の隆起部を表面に有する原型を用いて製造することができる。
【0060】
上記原型の製造方法としては、例えば
(A)原型を形成する基材の表面にレーザー照射を行うことで上記複数の凹部及び複数の隆起部を同時に形成する方法、
(B)原型を形成する基材の表面を超硬バイト、ダイヤモンドバイト、エンドミル等を用いて切削することで上記複数の凹部及び複数の隆起部を同時に形成する方法
が挙げられる。
【0061】
上記(A)の方法によって製造される原型の形成材料としては、例えばSUS等の金属が挙げられる。一方、上記(B)の方法によって製造される原型の形成材料としては、SUS等の金属の他、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂等の比較的硬質な合成樹脂が挙げられる。
【0062】
なお、上記レーザー照射が行われると、レーザー照射部分が溶融する。その結果、凹部が形成される際に、溶融した材料が凹部の周囲に堆積して隆起部が形成される。一方、上記切削が行われると、切削された部分の基材がこの切削によって形成される凹部の周囲に堆積して隆起部が形成される。凹部の深さや径、隆起部の高さ、幅、形状等は、レーザーの照射や切削強度、角度、径等によって調整される。なお、このように溶融した材料が凹部の周囲に堆積することで、隆起部を凹部を囲うように円環状に形成しやすい。
【0063】
また、原型表面に複数の凹部及び複数の隆起部を形成するために照射されるレーザーとしては、特に限定されるものではなく、例えば炭酸ガスレーザー、一酸化炭素レーザー、半導体レーザー、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザー等が挙げられる。なかでも波長が9.3μmから10.6μmである炭酸ガスレーザーが精細な形状を形成するのに好適である。上記炭酸ガスレーザーとしては、横方向大気圧励起(TEA)型、連続発振型、パルス発振型等が挙げられる。
【0064】
(成形型の製造方法)
上記原型を用いた成形型の製造方法としては、所定パターンで配設される複数の凹部及びこの複数の凹部の周囲に存在する複数の隆起部を有する上記原型の表面にこの原型の反転形状を表面に有するめっき層を電鋳によって形成する工程(S1)と、上記原型からめっき層を剥離する工程(S2)とを備える。また、上記原型を用いる場合の成形型の形成材料としては、例えばニッケル、金、銀、銅、アルミニウム等の金属が挙げられる。
【0065】
めっき層形成工程(S1)は、例えば、めっき浴中で、陽極として金属ニッケル、陰極として上記原型に通電し、上記原型の表面にめっき層を析出させることで行われる。
【0066】
めっき層剥離工程(S2)は、めっき層形成工程(S1)で上記原型の表面に析出されためっき層を上記原型から剥離することで行われる。なお、めっき層剥離工程(S2)としては、上記原型から剥離されためっき層の強度を高めるため、このめっき層を補強部材によって補強する工程をさらに有していてもよい。
【0067】
(原型を用いない成形型の製造方法)
上記(ii)の成形型は、原型を用いずに製造することが可能である。上記(ii)の成形型の製造方法としては、例えばフォトリソグラフィ法及びエッチング法を用いて成形型を構成する基材の表面に複数の凹部の反転形状を形成する方法が挙げられる。また、この場合、この成形型の形成材料としては、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂等の比較的硬質な合成樹脂を用いることも可能である。
【0068】
<利点>
当該導光シート11は、裏面に表面側へ陥没する複数の凹部15を有するので、これらの凹部15に入射した光線を表面側に散乱させることができる。それゆえ、当該導光シート11は、複数の凹部15を所望位置に形成し、これらの凹部15により入射光を散乱させることで、光線を表面側から略均一に出射することができる。また、当該導光シート11は、スティッキング防止手段として、複数の凹部15の周囲に存在し、裏面側に突出する複数の隆起部16を有するので、当該導光シート11と当該導光シート11の裏面側に配設される反射シート13等とが複数の隆起部16によって散点的に当接され、当該導光シート11の裏面と反射シート13等とが密着するのを防止することができる。それゆえ当該導光シート11は、このような密着部に光線が入射して輝度ムラが生じるのを防止することができるとともに、裏面に別途スティッキング防止層を設ける必要がないため、薄型化を促進することができる。さらに、当該導光シート11は、隆起部16が凹部15の周囲に存在していることによって、凹部15及び凹部15近辺の密着を的確に防止することができるので、この凹部15によって散乱された光線に起因する輝度ムラを好適に防止することができる。
【0069】
当該バックライトユニット10は、当該導光シート11を備えるので、当該導光シート11の裏面に形成される複数の凹部15に入射した光線を表面側に散乱させることができる。それゆえ、当該バックライトユニット10は、当該導光シート11の裏面において、複数の凹部15を所望位置に形成し、これらの凹部15によって入射光を散乱させることで、光線を表面側から略均一に出射することができる。また、当該バックライトユニット10は、当該導光シート11がスティッキング防止手段として、複数の凹部15の周囲に存在し、裏面側に突出する複数の隆起部16を有するので、当該導光シート11と当該導光シート11の裏面側に配設される反射シート13等とが複数の隆起部16によって散点的に当接され、当該導光シート11の裏面と反射シート13等とが密着するのを防止することができる。従って、当該バックライトユニット10は、このような密着部に光線が入射して輝度ムラが生じるのを防止することができるとともに、当該導光シート11の裏面に別途スティッキング防止層を設ける必要がないため、薄型化を促進することができる。さらに、当該バックライトユニット10は、当該導光シート11の裏面に形成される隆起部16が凹部15の周囲に存在していることによって、凹部15及び凹部15近辺の密着を的確に防止することができるので、この凹部15によって散乱された光線に起因する輝度ムラを好適に防止することができる
【0070】
当該携帯型端末1は、当該導光シート11を有する当該バックライトユニット10を備えるので、上述のように、当該導光シート11の表面から光線を略均一に出射することができるとともに、当該導光シート11と当該導光シート11の裏面側に配設される反射シート13等とのスティッキングを防止することができる。また、当該携帯型端末1は、当該導光シート11を有する当該バックライトユニット10を備えるので、薄型化を促進することができる。
【0071】
当該導光シートの製造方法は、裏面に表面側へ陥没する複数の凹部15を有し、かつスティッキング防止手段として、複数の凹部15の周囲に存在し裏面側に突出する複数の隆起部16を有する当該導光シート11を容易かつ確実に製造することができる。
【0072】
当該成形型は、所定パターンで配設される複数の凹部の反転形状を表面に備えるので、当該導光シート11を製造するための成形型として好適に用いられる。
【0073】
当該成形型の製造方法は、所定パターンで配設される複数の凹部の反転形状を表面に有する成形型を容易かつ確実に製造することができる。
【0074】
当該原型は、所定パターンで配設される複数の凹部及びこれらの複数の凹部の周囲に存在する複数の隆起部を表面に有するので、当該原型を用いて製造される成形型の表面に所定パターンで配設される複数の凹部及び上記複数の凹部の周囲に存在する複数の隆起部の反転形状を容易かつ確実に形成することができる。
【0075】
[その他の実施形態]
なお、本発明に係る導光シート、バックライトユニット、携帯型端末、導光シートの製造方法、導光シートの製造に用いる成形型及び原型並びに成形型の製造方法は、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。例えば、当該導光シートは裏面側が所定の形状を有する限り必ずしも単層構造体である必要はなく、二層以上の多層構造体であってもよい。また、当該導光シートは、表面にハードコート層等がコーティングされたものであってもよい。さらに、当該導光シートは、出射光を制御できるよう表面にレンチキュラー形状等を有してもよい。加えて、当該導光シートは、光源近傍の輝度ムラを抑制するため、光源側の端面に連続して又は所定の間隔をおいて形成されるV字状、台形状等の複数の切欠きを有してもよい。隆起部の配設パターンとしては、特に限定されるものではない。隆起部の配設パターンとしては、例えば当該導光シートが対向する両側縁に光源が配設される両側エッジライト型のバックライトユニットに用いられる場合、複数の隆起部がこの両側縁から中央に向けて徐々に密度が高くなるように配設されてもよい。
【0076】
上記実施形態では、当該導光シートの1つの隆起部が1つの凹部を円環状に囲むものを説明したが、他の態様であってもよい。具体的には、凹部を囲む隆起部の形状の一部に切欠きがある円環形状(
図5(a)参照)、方形状(
図5(b)参照)、複数の凹部を1つの隆起部が囲む形状(
図5(c)参照)等が挙げられる。
【0077】
上記実施形態では、当該導光シートの凹部の形状として、平面視円環状のものを示したが、他の形状、例えば平面視方形状(
図5(d)参照)であってもよい。
【0078】
上記(ii)の成形型は、複数の凹部を表面に有する原型を用いた電鋳によって製造されてもよい。このような複数の凹部を表面に有する原型の製造方法としては、例えばフォトリソグラフィ法及びエッチング法を用いて原型を構成する基材の表面に複数の凹部を形成する方法が挙げられる。
【0079】
当該導光シートは、溶融状態の導光シートの形成材料をTダイに供給してこの形成材料を押出機及びTダイから押し出すことでシート体を成形する押出成形法を用いて製造される場合、この押出シート体を挟み込む一対の押圧ロールの一方を複数の凹部及びこの凹部の周囲に存在する複数の隆起部の反転形状を有する成形型として用いてもよい。かかる反転形状を一方の押圧ロールの表面に形成する方法としては、例えば、所定パターンで配設される複数の凹部及びこれらの凹部の周囲に存在する複数の隆起部の反転形状を表面に有するめっき層を押圧ロールの表面に積層する方法や、押圧ロールの表面に上記反転形状をレーザーや切削を用いて形成する方法が挙げられる。また、この場合、例えば他方の押圧ロールの表面にレンチキュラー形状の反転形状を形成することで、導光シートの表面にレンチキュラー形状を形成してもよい。
【0080】
当該エッジライト型のバックライトユニットは、必ずしも当該導光シートの裏面側に反射シートが配設されている必要はなく、例えば、当該導光シートの裏面側に配設される天板の表面が研磨された反射面として形成され、この反射面が反射シートに代えて用いられてもよい。当該エッジライト型のバックライトユニットは、このように天板表面をバックライトユニットの最裏面として形成することで、反射シートを除いて薄型化を促進することができる。
【0081】
当該携帯型端末としては、上述のようなラップトップコンピュータの他、スマートフォン等の携帯電話端末や、タブレット端末等の携帯型情報端末等、種々の携帯型端末が挙げられる。さらに、当該導光シート及びエッジライト型のバックライトユニットは、上記携帯型端末の他、筐体(ケーシング)の厚みが21mmを超えるラップトップコンピュータや、デスクトップコンピュータ、薄型テレビ等、種々の液晶表示装置に採用可能である。
【課題】エッジライト型のバックライトユニットに用いた場合において液晶表示面の輝度ムラが抑制されるとともに薄型化が図られる導光シート、バックライトユニット及び携帯型端末の提供を目的とする。
【解決手段】本発明の導光シートは、端面から入射する光線を表面から略均一に出射するエッジライト型のバックライトユニット用導光シートであって、裏面に表面側へ陥没する複数の凹部と、上記複数の凹部の周囲に存在し、裏面側に突出する複数の隆起部とを有することを特徴とする。平均厚みが100μm以上600μm以下でライトガイドフィルムとして用いられるとよい。上記凹部の裏面平均界面からの平均深さ(L)が1μm以上10μm以下であるとよい。裏面平均界面における上記凹部の平均径(D)が10μm以上50μm以下であるとよい。