(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ボディ領域において、前記トレンチと前記高濃度領域との間に、前記トレンチの側面に沿って前記半導体層の表面に垂直な方向に対して傾斜する方向に延びるように形成され、第1導電型不純物を含有するチャネルインプラ領域を備える、請求項1に記載の半導体装置。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の構造を模式的に示す断面図である。
半導体装置1は、トレンチゲート型VDMOSFETを有するユニットセルがマトリクス状に配置されたアレイ構造を有している。
【0019】
半導体装置1の基体をなすN
+型基板2上には、N
+型基板2よりもN型不純物が低濃度(たとえば、10
15/cm
3)にドーピングされたシリコンからなる、半導体層としてのN
-型のエピタキシャル層3が積層されている。エピタキシャル層3の基層部は、エピタキシャル成長後のままの状態を維持し、第1導電型領域としてのN
-型領域4をなしている。また、エピタキシャル層3には、N
-型領域4上に、P
-型のボディ領域5がN
-型領域4に接して形成されている。
【0020】
エピタキシャル層3には、トレンチ6がその表面から掘り下がって形成されている。トレンチ6は、ボディ領域5を貫通し、その最深部がN
-型領域4に達している。
トレンチ6は、深くなるにつれて幅が狭まるテーパ状に形成されている。また、トレンチ6は、
図1における左右方向に一定の間隔を空けて複数形成され、それぞれ
図1の紙面と直交する方向(ゲート幅に沿う方向)に延びている。トレンチ6内には、その内面全域を覆うように、ゲート絶縁膜7が形成されている。そして、ゲート絶縁膜7の内側をN型不純物が高濃度にドーピングされたポリシリコンで埋め尽くすことにより、トレンチ6内にゲート電極8が埋設されている。
【0021】
また、エピタキシャル層3の表層部には、トレンチ6に対してゲート幅と直交する方向(
図1における左右方向)の両側に、N
-型領域4のN型不純物濃度よりも高いN型不純物濃度(たとえば、10
19/cm
3)を有するN
+型のソース領域9が形成されている。ソース領域9は、トレンチ6に沿ってゲート幅に沿う方向に延び、その底部がボディ領域5に接している。また、ゲート幅と直交する方向におけるソース領域9の中央部には、P
+型のソースコンタクト領域10がソース領域9を貫通して形成されている。
【0022】
すなわち、トレンチ6およびソース領域9は、ゲート幅と直交する方向に交互に設けられ、それぞれゲート幅に沿う方向に延びている。そして、ソース領域9上に、そのソース領域9に沿って、ゲート幅と直交する方向に隣接するユニットセル間の境界が設定されている。ソースコンタクト領域10は、ゲート幅と直交する方向に隣接する2つのユニットセル間に跨って少なくとも1つ以上設けられている。また、ゲート幅に沿う方向に隣接するユニットセル間の境界は、各ユニットセルに含まれるゲート電極8が一定のゲート幅を有するように設定されている。
【0023】
各ユニットセルにおいて、ボディ領域5には、トレンチ6に対してゲート幅と直交する方向に間隔を隔てて対向する位置に、その周囲のP型不純物濃度よりも高いP型不純物濃度を有する高濃度領域11が形成されている。高濃度領域11は、トレンチ6の側面に沿ってエピタキシャル層3の表面に垂直な方向に対して傾斜する方向に延びるように
、トレンチ6の外部に形成されている。高濃度領域11の上端部は、ソース領域9とソースコンタクト領域10との境界部の近傍に配置され、その下端部は、N
-型領域4の近傍に配置されている。
【0024】
また、各ユニットセルにおいて、ボディ領域5には、トレンチ6と高濃度領域11との間に、N型不純物が適当にドーピングされたチャネルインプラ領域12が形成されている。
チャネルインプラ領域12は、トレンチ6の側面に沿ってエピタキシャル層3の表面に垂直な方向に対して傾斜する方向に延びるように形成されている。
エピタキシャル層3上には、層間絶縁膜13が積層されている。層間絶縁膜13上には、ソース配線14が形成されている。ソース配線14は、接地されている。そして、ソース配線14は、層間絶縁膜13に形成されたコンタクト孔15を介して、ソース領域9およびソースコンタクト領域10にコンタクト(電気接続)されている。また、ゲート電極8には、層間絶縁膜13に形成されたコンタクト孔(図示せず)を介して、ゲート配線16が電気的に接続されている。
【0025】
N
+型基板2の裏面には、ドレイン電極17が形成されている。
ドレイン電極17に適当な大きさの正電圧を印加しつつ、ゲート電極8の電位を制御することにより、ボディ領域5におけるゲート絶縁膜7との界面近傍にチャネルを形成して、ソース領域9とドレイン電極17との間に電流を流すことができる。
そして、ボディ領域5には、トレンチ6に対してゲート幅と直交する方向に対向する位置に、その周囲のP型不純物濃度よりも高いP型不純物濃度を有する高濃度領域11が形成されている。この高濃度領域11が形成されていることにより、空乏層がソース領域9に向かって延びるのを抑制することができる。その結果、トレンチ6の深さを小さくすることができる。トレンチ6の深さを小さくすることにより、トレンチ6の上端付近および下端付近に大きなストレスが作用するのを防止でき、ストレスに起因する結晶欠陥の発生を防止することができる。
【0026】
また、この半導体装置1では、トレンチ6と高濃度領域11との間に、N型不純物が適当にドーピングされたチャネルインプラ領域12が形成されている。このチャネルインプラ領域12に含有されるN型不純物の量を調節することにより、スレッショルド電圧を制御することができる。
図2A〜
図2Lは、半導体装置1の製造方法を工程順に示す模式的な断面図である。
【0027】
まず、
図2Aに示すように、エピタキシャル成長法により、N
+型基板2上に、エピタキシャル層3が形成される。次いで、熱酸化処理により、エピタキシャル層3の表面に、SiO
2(酸化シリコン)からなる犠牲酸化膜21が形成される。その後、P−CVD(Plasma Chemical Vapor Deposition:プラズマ化学気相成長)法またはLP−CVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)により、犠牲酸化膜21上にSiN(窒化シリコン)層が形成され、このSiN層がパターニングされることによって、トレンチ6を形成すべき部分と対向する部分に開口を有するハードマスク22が形成される。そして、ハードマスク22を利用して、犠牲酸化膜21およびエピタキシャル層3がエッチングされることにより、トレンチ6が形成される(トレンチ形成工程)。
【0028】
次に、
図2Bに示すように、犠牲酸化膜21上にハードマスク22を残したまま、熱酸化処理が行なわれることにより、トレンチ6の内面に、SiO
2からなる犠牲酸化膜23が形成される。
その後、
図2Cに示すように、P型不純物(たとえば、ボロン)のイオンが、トレンチ6内に向けてゲート幅と直交する両側から斜めに注入される(第1注入工程)。すなわち、エピタキシャル層3の内部に、犠牲酸化膜23のゲート幅と直交する方向に対向する両側面を介して、P型不純物のイオンが斜め注入される。たとえば、トレンチ6のゲート幅と直交する方向の幅が0.5μmであり、トレンチ6の深さが1.0μmであり、ハードマスク22の厚さが0.5μmである場合、ハードマスク22の表面と直交する方向に対して18°以上の傾斜角度(注入角度)で斜め注入を行なうことにより、犠牲酸化膜23のゲート幅と直交する方向に対向する両側面のみを介して、P型不純物のイオンをエピタキシャル層3の内部(高濃度領域11を形成すべき部分)に良好に注入することができる。高濃度領域11の上端部は、ソース領域9とソースコンタクト領域10との境界部の近傍に配置され、その下端部は、N
-型領域4の近傍に配置されている。このときのドーズ量は、たとえば、10
11〜10
13/cm
2である。
【0029】
つづいて、
図2Dに示すように、エピタキシャル層3の内部(チャネルインプラ領域12を形成すべき部分)に、犠牲酸化膜23のゲート幅と直交する方向に対向する両側面を介して、N型不純物のイオンが斜め注入される。このときのドーズ量は、たとえば、10
11〜10
13/cm
2である。
N型不純物のイオンの斜め注入が行なわれた後、
図2Eに示すように、ハードマスク22が除去される。さらに、犠牲酸化膜21,23が除去される。これにより、エピタキシャル層3の表面が露出する。
【0030】
その後、
図2Fに示すように、熱酸化処理によって、トレンチ6の内面を含むエピタキシャル層3の表面の全域に、SiO
2からなる酸化膜24が形成される。
次いで、CVD法により、酸化膜24上に、N型不純物が高濃度にドーピングされたポリシリコンの堆積層が形成される。トレンチ6内は、ポリシリコンの堆積層により埋め尽くされる。そして、エッチングによって、ポリシリコンの堆積層のトレンチ6外に存在する部分が除去される。これにより、
図2Gに示すように、トレンチ6に埋設されたゲート電極8が得られる(ゲート電極埋設工程)。
【0031】
その後、
図2Hに示すように、P型不純物のイオンが、酸化膜24の表面からエピタキシャル層3の内部に向けて注入される(第2注入工程)。
次いで、ドライブイン拡散処理が行なわれる。このドライブイン拡散処理により、先の工程でエピタキシャル層3に注入されたN型不純物およびP型不純物のイオンが拡散し、
図2Iに示すように、エピタキシャル層3に、ボディ領域5、高濃度領域11およびチャネルインプラ領域12が形成される(ボディ領域および高濃度領域を形成する工程)。
【0032】
ドライブイン拡散処理の後、
図2Jに示すように、酸化膜24上に、ソース領域9を形成すべき部分と対向する部分に開口を有するマスク25が形成される。そして、マスク25の開口を介して、エピタキシャル層3の表層部に、N型不純物のイオンが注入される(第3注入工程)。このイオン注入後、マスク25は除去される。
さらに、
図2Kに示すように、酸化膜24上に、ソースコンタクト領域10を形成すべき部分と対向する部分に開口を有するマスク26が形成される。そして、マスク26の開口を介して、エピタキシャル層3の表層部に、P型不純物のイオンが注入される(第4注入工程)。このイオン注入後、マスク26は除去される。
【0033】
その後、アニール処理が行なわれる。このアニール処理により、エピタキシャル層3の表層部に注入されたN型不純物およびP型不純物のイオンが活性化され、
図2Lに示すように、エピタキシャル層3の表層部に、ソース領域9およびソースコンタクト領域10が形成される。
以上の工程を経た後、酸化膜24のトレンチ6外に存在する部分が除去され、トレンチ6の内面上のみに酸化膜24が残されることにより、ゲート絶縁膜7が得られる(ゲート絶縁膜形成工程)。その後、CVD法により、エピタキシャル層3上に層間絶縁膜13が形成される。そして、エッチングにより、層間絶縁膜13にコンタクト孔15などが形成された後、ソース配線14、ゲート配線16およびドレイン電極17が形成されることにより、
図1に示す半導体装置1が得られる。
【0034】
図3は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の構造を模式的に示す断面図である。
図3において、
図1に示す各部に対応する部分には、それらの各部と同一の参照符号を付している。また、以下では、同一の参照符号を付した部分についての詳細な説明を省略する。
図3の半導体装置31では、高濃度領域11は、トレンチ6のゲート幅と直交する方向に対向する1対の側面30に隣接して形成されている。具体的には、高濃度領域11は、ソース領域9の下方において、ゲート幅と直交する方向におけるソース領域9の中央よりもトレンチ6側に形成されている。
【0035】
その他の構成は、前述の第1の実施形態の場合と同様であり、また、動作も同様である。つまり、ドレイン電極17に適当な大きさの正電圧(ドレイン電圧)を印加しつつ、ゲート電極8の電位を制御することにより、ボディ領域5におけるゲート絶縁膜7との界面近傍、すなわち、ボディ領域5におけるトレンチ6の側面30と隣接する部分にチャネルを形成して、ソース領域9とドレイン電極17との間に電流を流すことができる。
【0036】
この半導体装置31では、トレンチ6の側面30と隣接する部分に、その周囲のP型不純物濃度よりも高いP型不純物濃度を有する高濃度領域11が形成されているので、トレンチ6の側壁に沿った空乏層の広がりを抑制することができる。したがって、N
-型領域4とソース領域9との間でのパンチスルーの発生を抑制することができる。
図4A〜
図4Kは、半導体装置31の製造方法を工程順に示す模式的な断面図である。
【0037】
まず、
図4Aに示すように、
図2Aと同様の工程により、N
+型基板2上に、エピタキシャル層3が形成され、さらに、エピタキシャル層3がエッチングされることにより、トレンチ6が形成される(トレンチ形成工程)。
次に、
図4Bに示すように、
図2Bと同様の工程により、トレンチ6の内面に、SiO
2からなる犠牲酸化膜23が形成される。
【0038】
その後、
図4Cに示すように、P型不純物(たとえば、ボロン)のイオンが、トレンチ6内に向けてゲート幅と直交する両側から斜めに注入される(第1注入工程)。たとえば、トレンチ6のゲート幅と直交する方向の幅が0.5μmであり、トレンチ6の深さが1.0μmであり、ハードマスク22の厚さが0.5μmである場合、ハードマスク22の表面と直交する方向に対して18°以上の傾斜角度(注入角度)で斜め注入を行なう。これにより、トレンチ6の側面30および側面30と隣接する部分にP型不純物を注入することができる。また、このときのドーズ量は、たとえば、10
11〜10
13/cm
2である。
【0039】
つづいて、
図4Dに示すように、ハードマスク22および犠牲酸化膜21,23が除去される。これにより、エピタキシャル層3の表面が露出する。
その後、
図4Eに示すように、熱酸化処理によって、トレンチ6の内面を含むエピタキシャル層3の表面の全域に、SiO
2からなる酸化膜24が形成される。
次いで、CVD法により、酸化膜24上に、N型不純物が高濃度にドーピングされたポリシリコンの堆積層が形成される。トレンチ6内は、ポリシリコンの堆積層により埋め尽くされる。そして、エッチングによって、ポリシリコンの堆積層のトレンチ6外に存在する部分が除去される。これにより、
図4Fに示すように、トレンチ6に埋設されたゲート電極8が得られる(ゲート電極埋設工程)。
【0040】
その後、
図4Gに示すように、P型不純物のイオンが、酸化膜24の表面からエピタキシャル層3の内部に向けて注入される(第2注入工程)。なお、このときのドーズ量は、トレンチ6の側面30および側面30と隣接する領域にP型不純物を注入する、たとえば、10
12〜10
13/cm
2である。
次いで、ドライブイン拡散処理が行なわれる。このドライブイン拡散処理により、先の工程でエピタキシャル層3に注入されたP型不純物のイオンが拡散する。これにより、
図4Hに示すように、エピタキシャル層3に、ボディ領域5および高濃度領域11が形成される(ボディ領域および高濃度領域を形成する工程)。
【0041】
ドライブイン拡散処理の後、
図4Iに示すように、酸化膜24上に、ソース領域9を形成すべき部分と対向する部分に開口を有するマスク25が形成される。そして、マスク25の開口を介して、エピタキシャル層3の表層部に、N型不純物のイオンが注入される(第3注入工程)。このイオン注入後、マスク25は除去される。
さらに、
図4Jに示すように、酸化膜24上に、ソースコンタクト領域10を形成すべき部分と対向する部分に開口を有するマスク26が形成される。そして、マスク26の開口を介して、エピタキシャル層3の表層部に、P型不純物のイオンが注入される(第4注入工程)。このイオン注入後、マスク26は除去される。
【0042】
その後、アニール処理が行なわれる。このアニール処理により、
図4Kに示すように、エピタキシャル層3の表層部に、ソース領域9およびソースコンタクト領域10が形成される。
以上の工程を経た後、酸化膜24のトレンチ6外に存在する部分が除去され、トレンチ6の内面上のみに酸化膜24が残されることにより、ゲート絶縁膜7が得られる(ゲート絶縁膜形成工程)。その後、CVD法により、エピタキシャル層3上に層間絶縁膜13が形成される。そして、エッチングにより、層間絶縁膜13にコンタクト孔15などが形成された後、ソース配線14、ゲート配線16およびドレイン電極17が形成されることにより、
図3に示す半導体装置31が得られる。
【0043】
上記の製造工程では、
図4Cで示される工程において、トレンチ6の側面30および側面30に隣接する領域にP型不純物を注入する。
そのため、
図4Hで示されるドライブイン拡散処理時や、この処理以降の熱処理工程(たとえば、
図4Kに示すアニール処理工程など)時に、側面30や側面30と隣接する部分に含有されるP型不純物が酸化膜24中に吸い出されても、側面30近傍のP型不純物濃度を、少なくともその周囲(高濃度領域11を除く。)のP型不純物濃度と同じ程度に留めることができる。また、それとともに、側面30と隣接する部分に高濃度領域11を形成することができる。その結果、N
-型領域4とソース領域9との間でのパンチスルーの発生を抑制することができる半導体装置を提供することができる。
【0044】
図5は、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の構造を模式的に示す断面図である。
図5において、
図1に示す各部に対応する部分には、それらの各部と同一の参照符号を付している。また、以下では、同一の参照符号を付した部分についての詳細な説明を省略する。
図5の半導体装置41では、トレンチ6と高濃度領域11との間にチャネルインプラ領域12が形成されておらず、高濃度領域11は、第1の実施形態と同様に、その上端部が、ソース領域9とソースコンタクト領域10との境界部の近傍に配置され、その下端部が、N
-型領域4の近傍に配置されている。これにより、高濃度領域11は、ゲート幅と直交する方向におけるトレンチ6から遠い側の約半分が、ソースコンタクト領域10の下方に配置されている。
【0045】
その他の構成は、前述の第1の実施形態の場合と同様であり、また、動作も同様である。つまり、ドレイン電極17に適当な大きさの正電圧(ドレイン電圧)を印加しつつ、ゲート電極8の電位を制御することにより、ボディ領域5におけるゲート絶縁膜7との界面近傍にチャネルを形成して、ソース領域9とドレイン電極17との間に電流を流すことができる。
【0046】
このように、半導体装置41では、ソースコンタクト領域10の下方に、高濃度領域11の一部が配置されている。
そのため、たとえば、誘導負荷におけるターンオフ時に発生するフライバック電圧により、N
-型領域4、ゲート電極8およびN
+型のソース領域9からなるトレンチゲート型VDMOSFETに大きな逆起電圧が印加されたときには、N
-型領域4から高濃度領域11を通過して、ソースコンタクト領域10へとアバランシェ電流が流れる。これにより、N
-型領域4、ボディ領域5およびソース領域9により形成される寄生バイポーラトランジスタがオンになるのを防止することができ、その寄生バイポーラトランジスタがオンすることによる熱破壊(アバランシェ破壊)を防止することができる。その結果、アバランシェ耐量を向上することができる。
【0047】
図6A〜
図6Kは、半導体装置41の製造方法を工程順に示す模式的な断面図である。
まず、
図6Aに示すように、
図2Aと同様の工程により、N
+型基板2上に、エピタキシャル層3が形成され、さらに、エピタキシャル層3がエッチングされることにより、トレンチ6が形成される(トレンチ形成工程)。
次に、
図6Bに示すように、
図2Bと同様の工程により、トレンチ6の内面に、SiO
2からなる犠牲酸化膜23が形成される。
【0048】
続いて、
図6Cに示すように、
図2Cと同様の工程により、P型不純物(たとえば、ボロン)のイオンが、トレンチ6内に向けてゲート幅と直交する両側から斜めに注入される(第1注入工程)。
その後は、
図2Dに示される、エピタキシャル層3の内部へのN型不純物イオンの注入が行なわれずに、
図6D〜
図6Kに示すように、
図2E〜
図2Lと同様の工程が行なわれることにより、
図5に示す半導体装置41が得られる。なお、上記の工程において、ソースコンタクト領域10の下方に高濃度領域11を形成するには、
図6Cで示される工程において、たとえば、トレンチ6のゲート幅と直交する方向の幅が0.5μmであり、トレンチ6の深さが1.0μmであり、ハードマスク22の厚さが0.5μmである場合、ハードマスク22の表面と直交する方向に対して18°以上の傾斜角度(注入角度)で、P型不純物を斜め注入すればよい。
【0049】
以上、本発明の複数の実施形態を説明したが、この発明は、他の形態で実施することもできる。たとえば、半導体装置1の各半導体部分の導電型を反転した構成が採用されてもよい。すなわち、半導体装置1において、P型の部分がN型であり、N型の部分がP型であってもよい。
また、第3の実施形態における高濃度領域11は、たとえば、
図7に示されるように、そのゲート幅と直交する方向における幅が幅広に形成されていてもよい。具体的には、ソースコンタクト領域10の同方向における幅とほぼ同じ幅で形成されていてもよい。そして、高濃度領域11は、その一部がソースコンタクト領域10の下方に配置されていてもよいし、
図7に示されるように、その全部がソースコンタクト領域10の下方に配置されていてもよい。
【0050】
そして、上記した幅広の高濃度領域11を形成するには、たとえば、
図6Cに示される工程において、注入されるP型不純物イオンの加速度を段階的に増加させる。これにより、
図8Cに示されるように、エピタキシャル層3の内部において、ゲート幅と直交する方向におけるトレンチ6からの距離が異なる複数の位置にイオンを注入して、イオンが注入される領域の同方向における幅を幅広にすればよい。
【0051】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。