特許第5767455号(P5767455)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5767455陥凹リードフレームチャンネルを用いる電解コンデンサアセンブリ及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5767455
(24)【登録日】2015年6月26日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】陥凹リードフレームチャンネルを用いる電解コンデンサアセンブリ及び方法
(51)【国際特許分類】
   H01G 9/00 20060101AFI20150730BHJP
   H01G 9/15 20060101ALI20150730BHJP
   H01G 9/052 20060101ALI20150730BHJP
   H01G 9/032 20060101ALI20150730BHJP
   H01G 9/028 20060101ALI20150730BHJP
   H01G 9/012 20060101ALI20150730BHJP
【FI】
   H01G9/24 C
   H01G9/05 F
   H01G9/05 K
   H01G9/02 321
   H01G9/02 331E
   H01G9/05 M
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2010-222747(P2010-222747)
(22)【出願日】2010年9月10日
(65)【公開番号】特開2011-61213(P2011-61213A)
(43)【公開日】2011年3月24日
【審査請求日】2013年8月8日
(31)【優先権主張番号】12/556,688
(32)【優先日】2009年9月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507113867
【氏名又は名称】エイヴィーエックス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(72)【発明者】
【氏名】ジリ ナフラティル
(72)【発明者】
【氏名】ヤロスラフ トマスコ
(72)【発明者】
【氏名】スタニスラフ ゼドニセック
【審査官】 小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−338841(JP,A)
【文献】 特開2005−026635(JP,A)
【文献】 特開2006−128247(JP,A)
【文献】 特開2007−300123(JP,A)
【文献】 特開昭58−191417(JP,A)
【文献】 特開2009−081345(JP,A)
【文献】 特開2002−175943(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 9/00
H01G 9/012
H01G 9/028
H01G 9/032
H01G 9/052
H01G 9/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体電解コンデンサを形成する方法であって、
コンデンサ本体とアノードリードとを有するコンデンサ要素を、該コンデンサ本体の一部を支持するための少なくとも基部アノード終端部分と該アノードリードに接続するための直立アノード終端部分とを有するアノード終端部と、該コンデンサ本体の一部を支持するための少なくとも基部カソード終端部分を有するカソード終端部と、該基部アノード終端部分と該基部カソード終端部分の間に形成され、かつそれらを接続する陥凹リードフレームチャンネルとを含むリードフレームに取り付ける段階と、
前記基部アノード終端部分、基部カソード終端部分、及び陥凹リードフレームチャンネルのみが露出されたままであるように、前記コンデンサ要素をケーシングに封入する段階と、
前記陥凹リードフレームチャンネルを除去して前記アノード及びカソード終端部を隔離する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記基部アノード終端部分と前記コンデンサ本体の間に絶縁材料を付加する段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
コンデンサ要素をリードフレームに取り付ける段階は、
前記基部アノード終端部分と前記コンデンサ本体の間に絶縁材料を付加する段階と、
前記基部カソード終端部分と前記コンデンサ本体の間に導電材料を付加する段階と、
前記アノードリードを前記直立アノード終端部分に溶接する段階と、
を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
コンデンサ要素を形成する段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
コンデンサ要素を形成する段階は、
アノード本体をプレスする段階と、
前記アノード本体の少なくとも一部分を陽極酸化して誘電体層を形成する段階と、
前記誘電体層の少なくとも一部分の上に固体電解質を形成する段階と、
を含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記アノード本体は、タンタル、ニオブ、又はそれらの導電性酸化物を含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記固体電解質は、二酸化マンガン又は導電性ポリマーを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記陥凹リードフレームチャンネルを除去する段階は、該陥凹リードフレームチャンネルを切断、研削、又はのこ引きする段階のうちの1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記基部アノード終端部分及び基部カソード終端部分は、ほぼ同一平面であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記基部アノード終端部分と前記基部カソード終端部分の間の前記コンデンサの表面上に溝を形成する段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記基部アノード終端部分の上に第1の外部終端部を形成する段階と、前記基部カソード終端部分の上に第2の外部終端部を形成する段階とを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
請求項1から請求項11に記載の方法のうちの1つによって形成されたコンデンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
電解コンデンサは、それらの高キャパシタンス値及びコンパクト性に関して従来的に公知である。公知の電解コンデンサ及び電解コンデンサアレイの既存のコンパクト性にも関わらず、そのような電子構成要素の容積を低減し、対応する容積効率に対する絶え間ない努力が存在している。
【背景技術】
【0002】
従来型の電解コンデンサの例示的な構成要素は、それぞれのアノード及びカソード部分を含む主コンデンサ本体、アノードリード(例えば、コンデンサ本体に埋め込まれたアノードワイヤ)、及びカソードリード(例えば、カソード部分に接続したリードフレーム)を含み、全てが封入のための樹脂パッケージ内に一緒に成形される。電解コンデンサの容積効率は、成形コンデンサパッケージ全体に対する主コンデンサ本体容積の比率として一般的に定められる。こうしたコンデンサのアノードリード及びカソードリードは、コンデンサ構造体へのそれぞれ正及び負の電気接続を形成する。これらの電気接続は、コンデンサ構造体から軸線方向に延びる場合があり、そのような場合には、コンデンサパッケージ内の空間のかなりな量を占める可能性がある。
【0003】
他の電解コンデンサ構成において、アノード及びカソードのリードは、電解コンデンサの表面装着に適合するように配置され、これは、電解コンデンサがいずれかの種類の集積回路環境で使用される時に特に有用とすることができる。従って、チップ型電解コンデンサは、容量性能特性を考えに入れるのみならず、基板へのデバイスの装着を容易にするようにしても設計される。こうした容易にされたデバイス装着は、両方の電気的終端部をコンデンサの選択された表面から延びる構成によって多くの場合に達成することができる。いくつかの公知の例は、基板への電解コンデンサの表面装着を容易にする実質的に同一平面の終端配置を用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6、322、912号
【特許文献2】米国特許第6、391、275号
【特許文献3】米国特許第6、416、730号
【特許文献4】米国特許第6、527、937号
【特許文献5】米国特許第6、576、099号
【特許文献6】米国特許第6、592、740号
【特許文献7】米国特許第6、639、787号
【特許文献8】米国特許第7、220、397号
【特許文献9】米国特許出願公開第2005/0019581号
【特許文献10】米国特許出願公開第2005/0103638号
【特許文献11】米国特許出願公開第2005/0013765号
【特許文献12】米国特許第6、197、252号
【特許文献13】米国特許第6、191、936号
【特許文献14】米国特許第5、949、639号
【特許文献15】米国特許第3、345、545号
【特許文献16】米国特許出願公開第2005/0270725号
【特許文献17】米国特許第6、674、635号
【特許文献18】米国特許第4、945、452号
【特許文献19】米国特許出願公開第2008/232037号
【特許文献20】米国特許第7、460、358号
【特許文献21】米国特許第5、457、862号
【特許文献22】米国特許第5、473、503号
【特許文献23】米国特許第5、729、428号
【特許文献24】米国特許第5、812、367号
【特許文献25】米国特許出願公開第2006/0038304号
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Bruanauer、Emmet、及びTeller、米国化学学会誌、第60巻、1938、p.309
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
表面装着電解コンデンサの様々な構成が存在するが、容積効率、デバイスプロフィール、及び電気的性能特性における更なる改善を提供するコンデンサシステム及び対応する製造方法に対する必要性が残っている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一例示的実施形態において、固体電解コンデンサを形成する方法は、コンデンサ本体とアノードリードとを有するコンデンサ要素をリードフレームに取り付ける段階を含む。リードフレームは、コンデンサ本体の一部を支持するための少なくとも基部アノード終端部分とアノードリードに接続するための直立アノード終端部分とを有するアノード終端部と、コンデンサ本体の一部を支持するための少なくとも基部カソード終端部分を有するカソード終端部と、基部アノード終端部分と基部カソード終端部分の間に形成されてそれらを接続する陥凹リードフレームチャンネルとを含む。この例示的な方法は、基部アノード終端部分、基部カソード終端部分、及び陥凹リードフレームチャンネルの少なくとも一部分が露出されたままであるようにコンデンサ要素をケーシングに封入する段階を更に含む。更に、陥凹リードフレームチャンネルは、アノード終端部及びカソード終端部を隔離するために除去される。
【0008】
本発明の別の例示的な実施形態において、固体電解コンデンサは、固体電解コンデンサ要素と、リードフレームと、封入材料と、表面溝とを含む。固体電解コンデンサ要素は、第1及び第2の相対する端面によって特徴付けられるコンデンサ本体と、コンデンサ本体の第1の端面から延びるアノードリードとを含む。リードフレームは、アノード終端部とカソード終端部を含む。アノード終端部は、直立アノード終端部分と、直立アノード終端部分に実質的に垂直な基部アノード終端部分とを含み、直立アノード終端部分は、直立アノード終端部分が固体電解コンデンサ要素の第1の端面に実質的に平行になるようにアノードリードに電気的に接続される。カソード終端部は、コンデンサ本体に電気的に接続され、カソード終端部は、基部アノード終端部分と実質的に同じ平面に形成される少なくとも基部カソード終端部分を含む。封入材料は、固体電解コンデンサ要素を実質的に取り囲んでデバイスパッケージを形成し、基部アノード終端部分及び基部カソード終端部分の一部分は、所定の装着表面上で封入材料から露出される。表面溝は、基部アノード終端部分と基部カソード終端部分の間に形成される。
本発明の他の特徴及び態様を以下により詳細に示す。
当業者に向けて最良のモードを含む本発明の完全かつ権限付与する開示を添付図面を参照する本明細書の残り部分でより具体的に示す。
本明細書及び図面における参照文字の反復使用は、本発明の同じか又は類似の特徴又は要素を表すことを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の電解コンデンサを形成する方法に使用することができる例示的な段階の流れ図である。
図2】本発明に使用することができるアノード及びカソード部分を有する例示的な電解コンデンサ要素の斜視図である。
図3】コンデンサ要素を取り付けて次に封入することができる本発明の態様による例示的なリードフレームの斜視図である。
図4】絶縁チャンネルによって分離されたアノード終端部及びカソード終端部に装着された個々のコンデンサ要素の斜視図である。
図5】封入後に絶縁チャンネルによって分離されたアノード終端部及びカソード終端部に装着された個々のコンデンサ要素のほぼ上面の斜視図である。
図6】封入後に絶縁チャンネルによって分離され、チャンネルを除去してアノード終端部及びカソード終端部を隔離するために研削ホイールに導入される時のアノード終端部及びカソード終端部に装着された個々のコンデンサ要素のほぼ底面の斜視図である。
図7】アノード終端部及びカソード終端部を隔離するように形成された溝を有する個々のコンデンサ要素のほぼ底面の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本説明は、単に例示的な実施形態の説明であり、例示的構成に具現化される本発明のより広範な態様の制限としては意図されないことは、当業者によって理解されるものとする。
一般的に、本発明は、表面装着可能な構成と改良された容積効率を有する固体電解コンデンサに関する。このコンデンサは、バルブ金属組成物から形成されたアノードと、アノードに重なる誘電体フィルムと、誘電体フィルムに重なる固体電解質とを収容するコンデンサ要素を含む。固体電解質又は他の外面は、コンデンサ要素のためのカソードを形成する。コンデンサ要素は、第1及び第2の相対する端面によって特徴付けられる。アノードリード(例えば、アノードワイヤ)は、アノード内に埋め込まれ、コンデンサ要素の第1の端面から延びている。
【0011】
リードフレームが、コンデンサのためのそれぞれアノード終端部及びカソード終端部を形成するために提供される。アノード終端部は、アノードリードに電気的に接続され、基部アノード終端部分と直立アノード終端部分とで構成される。直立アノード終端部分は、アノードリードに電気的に接続され、コンデンサ本体の第1の端面に実質的に平行である。基部アノード終端部分は、表面装着位置に設けることができ、かつ直立アノード終端部分に対して実質的に垂直である。基部アノード終端部分は、コンデンサを短絡させないようにするためのコンデンサ本体とアノード終端部の間の絶縁材料を伴って、コンデンサ本体の一部分を支持するように同じく設けられる。カソード終端部は、コンデンサ本体の一部を支持してコンデンサ本体のカソード(外面)に接続するための基部カソード終端部分を含む。任意的な直立カソード終端部分を設けることができ、これは、基部カソード終端部分に実質的に垂直であり、コンデンサ本体の第2の端面に隣接する。基部カソード終端部分と基部アノード終端部分は、実質的に同一平面にあるとすることができる。
【0012】
リードフレームは、基部アノード終端部分と基部カソード終端部分の間に形成され、かつそれらを接続する陥凹チャンネルも含む。例えば、陥凹チャンネルは、コンデンサ本体と基部アノード終端部分及び基部カソード終端部分がその中に形成される平面とから離れて、何らかの所定の幅にわたって延びる少なくとも1つの部分を含むことができる。陥凹チャンネルは、概矩形断面、U字形断面、V字形断面、又は他の形態を有することができる。
【0013】
デバイスパッケージを製造するために、封入材料(成形樹脂パッケージのような)が形成される。封入体は、コンデンサ本体を実質的に取り囲んで形成され、基部アノード終端部分、基部カソード終端部分、及び陥凹リードフレームチャンネルのみが、デバイスパッケージの単一表面上に露出されて残される。次に、陥凹リードフレームチャンネルの少なくとも一部分を除去することができ、アノード終端部及びカソード終端部が分離される。一実施形態では、陥凹リードフレームチャンネルは切断され、及び/又は表面溝が基部アノード終端部と基部カソード終端部の間にデバイスパッケージに沿って形成される。外部終端部を露出された基部アノード終端部及び基部カソード終端部の上に任意的に付加することができる。こうした例示的な構成は、単一デバイス表面での表面装着及び回路取り付けを可能にし、かつ全ての側部を金属部分のない状態にして装着環境における他の部分への短絡危険性を低減する終端形態を提供する。
【0014】
本発明は、様々な技術のいずれかを用いて形成することができる固体電解コンデンサを形成する方法に等しく関するものである。本発明の一実施形態による例示的な段階は、図1の流れ図に示されている。この段階は、カソード要素を形成する第1の段階100で開始され、以下に順番に説明する。以下でより詳細に説明するように、このコンデンサ要素は、第1及び第2の相対する端面によって特徴付けられる固体電解コンデンサ本体と、第1の端面から延びるアノードワイヤとに対応することができる。一般的に、コンデンサ要素の形成における例示的な段階は、アノード本体をプレスする段階と、アノード本体の少なくとも一部分を陽極酸化して誘電体層を形成する段階と、誘電体層の少なくとも一部分の上に固体電解質を形成する段階とを含むことができる。コンデンサ要素形成処理におけるこれら及び他の段階に関する更なる詳細をここで呈示する。
【0015】
固体電解コンデンサを形成し、従って提供するために、様々な特定の技術を使用することができる。例えば、こうしたコンデンサは、バルブ金属組成物から形成されたアノードを典型的に収容する。バルブ金属組成物は、高い比電荷を有することができる。一部の実施形態では、比電荷は、約10、000マイクロファラッド*ボルト/グラム(μF*V/g)から約500、000μF*V/gの範囲、他の実施形態では、約20、000μF*V/gから400、000μF*V/gの範囲、及び他の実施形態では、約35、000μF*V/gから約250、000μF*V/gの範囲で提供することができる。バルブ金属組成物は、タンタル、ニオブ、アルミニウム、ハフニウム、チタン、それらの合金、それらの酸化物、それらの窒化物などのようなバルブ金属(すなわち、酸化可能な金属)又はバルブ金属ベースの化合物を含有する。例えば、バルブ金属組成物は、1:1.0±1.0、一部の実施形態では、1:10±0.3、一部の実施形態では、1:10±0.1、一部の実施形態では、1:1±0.05のニオブの酸素に対する原子比を有するニオブ酸化物のようなニオブの導電性酸化物を含有することができる。例えば、ニオブ酸化物は、NbO0.7、NbO1.0、NbO1.1、及びNbO2とすることができる。好ましい実施形態では、この組成物は、NbO1.0を含有し、これは、高温での焼結の後でも化学的に安定とすることができる導電性ニオブ酸化物である。そのようなバルブ金属酸化物の例は、Fifeに付与された米国特許第6、322、912号、Fife他に付与された第6、391、275号、Fife他に付与された第6、416、730号、Fifeに付与された第6、527、937号、Kimmel他に付与された第6、576、099号、Fife他に付与された第6、592、740号、及びKimmel他に付与された第6、639、787号、及びKimmel他に付与された第7、220、397号、並びにSchnitterに付与された米国特許出願公開第2005/0019581号、Schnitter他に付与された第2005/0103638号、Thomas他に付与された第2005/0013765号に説明されており、それらの全ては、全ての目的に対してそれらの引用により全体的に本明細書に組み込まれている。
【0016】
多孔質アノード本体を形成するために、従来型の製造手順を一般的に利用することができる。一実施形態では、特定の粒径を有するタンタル又はニオブ酸化物が最初に選択される。例えば、粒子は、薄片状、角状、結節状、及びそれらの混合又は変形とすることができる。粒子は、少なくとも約60メッシュ、一部の実施形態では、約60から約325メッシュ、一部の実施形態では、約100から約200メッシュの篩サイズ分布も典型的に有する。更に、比表面積は、約0.1から約10.0m2/g、一部の実施形態では、約0.5から約5.0m2/g、一部の実施形態では、約1.0から約2.0m2/gである。用語「比表面積」は、吸着ガスとして窒素を用いたBruanauer、Emmet、及びTeller、米国化学学会誌、第60巻、1938、p.309の物理的ガス吸着(B.E.T.)法によって測定された表面積を称する。更に、バルク(又はScott)密度は、典型的に約0.1から約5.0グラム/立方センチ(g/cm3)、一部の実施形態では、約0.2から約4.0g/cm3、一部の実施形態では、約0.5から約3.0g/cm3である。
【0017】
アノード本体の構成を容易にするために、他の成分を導電性粒子に添加することができる。例えば、導電性粒子は、アノード本体を形成するためにプレスされる時に粒子が相互に適切に接着することを保証するように結合剤及び/又は滑剤と任意的に混合することができる。適切な結合剤としては、樟脳、ステアリン酸、及び他の滑らかな性状の脂肪酸、カーボワックス(Union Carbide)、グリプタル(General Electric)、ナフタリン、植物性ワックス、及びマイクロワックス(精製パラフィン)、ポリマー結合剤(例えば、ポリビニルアルコール、ポリ(エチル−2−オキザゾリン)など)、その他を含むことができる。結合剤は、溶媒内に溶解又は分散させることができる。例示的な溶媒としては、水、アルコール、その他を含むことができる。使用される場合、結合剤及び/又は滑剤の比率は、全重量の約0.1重量%から約8重量%まで変えることができる。しかし、本発明においては、結合剤及び滑剤は要求されないことを理解すべきである。
【0018】
得られる粉末は、いずれかの従来型の粉末プレスモールドを用いて圧密化することができる。例えば、プレスモールドは、ダイと1つ又は複数のパンチとを用いる単一ステーション圧密プレスモールドとすることができる。代替的に、アンビル型圧密プレスモールドを使用することができ、これは、ダイと単一のより低いパンチのみを用いる。単一ステーション圧密プレスモールドは、シングルアクション、ダブルアクション、フローティング・ダイ、可動プラテン、対向ラム、スクリュー、衝撃、ホットプレス、コイニング、又はサイジングのような様々な機能を有するカム式、トグル/ナックル式、及び偏心/クランク式プレスのようないくつかの基本タイプで利用することができる。必要に応じて、形成されたペレットをある一定の温度(例えば、約150℃から約500℃)で数分間真空の下で加熱するなどにより、あらゆる結合剤/滑剤を圧密化の後に除去することができる。代替的に、Bishop他に付与された米国特許第6、197、252号に説明されているように、ペレットと水溶液との接触によって結合剤/滑剤を除去することができ、この特許は、全ての目的に対してその引用により全体的に本明細書に組み込まれている。
【0019】
プレスされたアノード本体の厚みは、約4ミリメートル又はそれ未満、一部の実施形態では、約0.05から約2ミリメートル、一部の実施形態では、約0.1から約1ミリメートルのような比較的薄いものとすることができる。アノード本体の形状も、得られるコンデンサの電気的特性を改善するように選択することができる。例えば、アノード本体は、湾曲、正弦波、矩形、U字形、V字形などである形状を有することができる。アノード本体は、表面の容積に対する比率を高めてESRをできるだけ低下させ、かつキャパシタンスの周波数応答を拡大させるために、その中に1つ又はそれよりも多くの山、溝、陥凹、又は欠刻を含む「溝付き」形状も有することができる。そのような「溝付き」アノードは、例えば、Webber他に付与された米国特許第6、191、936号、Maeda他に付与された第5、949、639号、及びBourqault他に付与された第3、345、545号、並びにHahn他に付与された米国特許出願公開第2005/0270725号に説明されており、それらの全ては、全ての目的に対してその引用により全体的に本明細書に組み込まれている。
【0020】
リードに取り付けられた状態で、アノード本体は、陽極酸化することができ、それによって誘電体層がアノードを覆い、及び/又はアノード内部に形成される。陽極酸化は、それによってアノードが酸化されて比較的高い誘電率を有する材料を形成する電気化学処理である。例えば、タンタルアノードは、五酸化タンタル(Ta25)に陽極酸化することができる。一般的に、陽極酸化は、例えば、アノードを電解質内に浸漬するなどして、アノードに電解質を最初に付加することによって行われる。電解質は、溶液(例えば、水性又は非水性)、分散液、溶融物などのような一般的に液体の形態である。水(例えば、脱イオン水)、エーテル(例えば、ジエチルエーテル及びテトラヒドロフラン)、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、及びブタノール)、トリグリセライド、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトン)、エステル(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジエチレングリコールエーテルアセテート、及び酢酸メトキシプロピル)、アミド(例えば、ジメチルホルマミド、ジメチルアセタミド、ジメチルカプリリック/カプリック脂肪酸アミド及びN−アルキルピロリドン)、ニトリル(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル及びベンゾニトリル)、スルホキシド又はスルホン(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)及びスルホラン)などのような溶媒が、電解質内に一般的に用いられる。溶媒は、電解質の約50重量%から約99.9重量%、一部の実施形態では、約75重量%から約99重量%、一部の実施形態では、約80重量%から約95重量%を構成することができる。必ずしも要求されないが、水性溶媒(例えば、水)の使用は、望ましい酸化物を得ることを助けるために多くの場合に望ましい。実際上、水は、電解質内に使用される溶媒の約50重量%又はそれよりも多く、一部の実施形態では、約70重量%又はそれよりも多く、一部の実施形態では、約90重量%から100重量%を構成することができる。更に別の例示的な電解質としては、金属塩、アルカリ塩、グリコールと混合されたアルカリ塩、有機溶媒と混合された酸、又はグリコールと混合されたリン酸を含むことができる。
【0021】
この電解質は、イオン導電性であり、約1ミリシーメンス/センチメートル(mS/cm)又はそれよりも大きく、一部の実施形態では、約30mS/cm又はそれよりも大きく、一部の実施形態では、約40mS/cmから約100mS/cmの25℃の温度で測定されたイオン導電率を有する。電解質のイオン導電率を高めるために、溶媒内で解離してイオンを形成することができる化合物を使用することができる。この目的のための適切なイオン化合物としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、ホウ酸、ボロン酸などのような酸と、アクリル酸、メタクリル酸、マロン酸、コハク酸、サリチル酸、スルホサリチル酸、アジピン酸、マレイン酸、リンゴ酸、オレイン酸、没食子酸、酒石酸、クエン酸、ギ酸、酢酸、グリコール酸、シュウ酸、プロピオン酸、フタール酸、イソフタール酸、グルタール酸、グルコン酸、乳酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、イタコン酸、トリフルオロ酢酸、バルビツール酸、桂皮酸、安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、アミノ安息香酸などのようなカルボン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸、ドデシルスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸などのようなスルホン酸、ポリ(アクリル)又はポリ(メタクリル)酸及びそれらのコポリマー(例えば、マレイン−アクリル、スルホン−アクリル、及びスチレン−アクリル・コポリマー)、カラギニン酸、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸などのようなポリマー酸、その他を含む有機酸とを含むことができる。イオン化合物の濃度は、望ましいイオン導電率を達成するように選択される。例えば、酸(例えば、リン酸)は、電解質の約0.01重量%から約5重量%、一部の実施形態では、約0.05重量%から約0.8重量%、一部の実施形態では、約0.1重量%から約0.5重量%を構成することができる。必要に応じて、イオン化合物の配合物も電解質内に用いることができる。
【0022】
電流が電解質を通過して誘電体層が形成される。電圧の値は、誘電体層の厚みを管理する。例えば、電源は、必要な電圧に到達するまで定電流モードに最初に設定することができる。その後、電源は、定電圧モードに切り換えることができ、望ましい誘電体厚みがアノードの表面を覆って形成されるのが保証される。言うまでもなく、パルス又はステップ定電圧法のような他の公知の方法を使用することもできる。電圧は、典型的に約4から約200V、一部の実施形態では、約9から約100Vである。陽極酸化中に、電解質は、約30℃又はそれよりも高く、一部の実施形態では、約40℃から約200℃、一部の実施形態では、約50℃から約100℃のような高い温度に維持することができる。陽極酸化は、室温で又はそれ未満で行うことができる。得られる誘電体層は、アノード表面上又はその孔隙内部に形成することができる。
【0023】
誘電体層が形成された状態で、例えば、比較的絶縁性の樹脂系材料(天然又は合成)で製造されたような保護コーティングを任意的に付加することができる。こうした材料は、約0.05オーム−cmを超え、一部の実施形態では、約5を超え、一部の実施形態では、約1、000オーム−cmを超え、一部の実施形態では、約1×105オーム−cmを超え、一部の実施形態では、約1×1010オーム−cmを超える比抵抗を有することができる。本発明に利用することができる一部の樹脂系材料としては、以下に制限されるものではないが、ポリウレタン、ポリスチレン、不飽和又は飽和脂肪酸のエステル(例えば、グリセライド)、その他が挙げられる。例えば、適切な脂肪酸のエステルとしては、以下に制限されるものではないが、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、エレオステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アレウリチン酸、シェロール酸、その他のエステルが挙げられる。これらの脂肪酸のエステルは、得られるフィルムが安定した層に迅速に重合することを可能にする「乾性油」を形成する比較的複雑な組合せで使用される時に特に有用であることが公知である。こうした乾性油としては、それぞれ1つ、2つ、及び3つのエステル化された脂肪酸アシル残基を有するモノ−、ジ−、及び/又はトリ−グリセライドを含むことができる。例えば、使用することができる一部の適切な乾性油としては、以下に制限されるものではないが、オリーブ油、アマニ油、ヒマシ油、キリ油、大豆油、及びシェラックが挙げられる。これら及び他の保護コーティングは、Fife他に付与された米国特許第6、674、635号により詳細に説明されており、この特許は、全ての目的に対してその引用により全体的に本明細書に組み込まれている。
【0024】
陽極酸化された部分は、二酸化マンガン、導電性ポリマーなどのような固体電解質を含むカソードを形成する段階を受けることができる。二酸化マンガン固体電解質は、例えば、硝酸マンガン(Mn(NO32)の熱分解によって形成することができる。こうした技術は、例えば、Sturmer他に付与された米国特許第4、945、452号に説明されており、これは、全ての目的に対してその引用により全体的に本明細書に組み込まれている。代替的に、1つ又はそれよりも多くのポリヘテロ環(例えば、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDT)、ポリアニリン)、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン、ポリフェノレート、及びそれらの誘導体を含有する導電性ポリマーコーティングを用いることができる。更に、必要に応じて、導電性ポリマーコーティングは、複数の導電性ポリマー層から形成することができる。例えば、一実施形態では、導電性ポリマーカソードは、PEDTから形成された1つの層とポリピロールから形成された別の層とを収容することができる。導電性ポリマーコーティングをアノード部分上に付加するために、様々な方法を利用することができる。例えば、電解重合、スクリーン印刷、浸漬、電着コーティング、及びスプレーのような従来型の技術を導電性ポリマーコーティングを形成するために使用することができる。一実施形態では、導電性ポリマーを形成するのに使用されるモノマー(例えば、3,4−エチレンジオキシ−チオフェン)がまず重合触媒と混合されて溶液が形成される。例えば、1つの適切な重合触媒は、「CLEVIOS C」であり、これは、トルエンスルホン酸鉄(III)であって、H.C.Starckにより販売されている。「CLEVIOS C」は、これもH.C.Starckによって販売されているPEDTのモノマーの3,4−エチレンジオキシチオフェンである「CLEVIOS M」のための市販の触媒である。触媒分散液が生成された状態で、次に、アノード部分は、この分散液に浸漬することができ、それによってこのポリマーがアノード部分の表面上に形成される。代替的に、触媒とモノマーは、別々にアノード部分に付加することができる。一実施形態では、例えば、触媒は、溶媒(例えば、ブタノール)に溶解することができ、次に、浸漬溶液としてアノード部分に付加される。アノード部分は、次に、乾燥させることができ、それから溶媒が除去される。その後、アノード部分は、適切なモノマーを含有する溶液内に浸漬することができる。モノマーが、触媒を含有するアノード部分の表面に接触した状態で、それは、その上に化学的に重合する。上述のような技術は、Bilerに付与された米国特許出願公開第2008/232037号により詳細に説明されている。
【0025】
更に、触媒(例えば、「CLEVIOS C」)は、任意的に保護コーティング(例えば、樹脂系材料)と混合させることもできる。こうした場合には、アノード部分は、次に、モノマーを含有する溶液に浸漬することができる。その結果、モノマーは、保護コーティングの表面内部及び/又はその上の触媒と接触し、それと反応して導電性ポリマーコーティングが形成される。上述のような技術は、Bilerに付与された米国特許第7、460、358号により詳細に説明されている。様々な方法を上述したが、導電性ポリマーコーティングを含むコーティングをアノード部分に付加させるいずれかの他の方法も本発明において利用することができることを理解すべきである。例えば、こうした導電性ポリマーを含むコーティングを付加させる他の方法は、Sakata他に付与された米国特許第5、457、862号、Sakata他に付与された第5、473、503号、Sakata他に付与された第5、729、428号、及びKudoh他に付与された第5、812、367号に説明されており、それらは、全ての目的に対してその引用により全体的に本明細書に組み込まれている。
【0026】
付加された状態で、固体電解質は、ヒーリング処理することができる。ヒーリング処理は、固体電解質の各付加の後に行われるか、又はコーティング全体の付加の後に行うことができる。一部の実施形態では、例えば、固体電解質は、酸の溶液のような電解質溶液内にペレットを浸漬し、その後、電流が予め設定したレベルに低下するまで一定電圧を印加することによって行われる。必要に応じて、こうしたヒーリング処理は、複数の段階で達成することができる。上述の層の一部又は全ての付加の後に、必要に応じて、ペレットは、次に洗浄され、様々な副産物、過剰の触媒、その他が除去される。更に、一部の場合には、上述の浸漬操作のうちの一部又は全ての後に、乾燥を利用することができる。例えば、触媒の付加の後及び/又はペレットの洗浄の後に、ペレットの孔隙を開き、それによってペレットが次の浸漬段階の時に液体を受け入れることができるようにするために乾燥させることが望ましい。
【0027】
必要に応じて、その部分には、任意的にカーボン層(例えば、グラファイト)及び銀層をそれぞれ付加することができる。銀コーティングは、例えば、コンデンサのための半田付け可能導体、接触層、及び/又は電荷コレクタとして機能することができ、カーボンコーティングは、固体電解質との銀コーティングの接触を制限することができる。こうしたコーティングは、固体電解質の一部又は全てを覆うことができる。
【0028】
コンデンサが望ましい方法で機能するように、アノード終端部をカソード終端部から絶縁することが一般的に望ましい。こうした隔離を達成するために、様々な技術を実施することができる。例えば、一実施形態では、リード上に形成されたいずれかの酸化物及び/又はカソード層も、エッチング処理(例えば、化学的、レーザなど)によって単に除去することができる。更に、保護コーティングは、陽極酸化された多孔質本体及び/又はアノードリード上にそれを固体電解質との接触から保護するために陽極酸化の前又はその後のいずれかで形成することができる。用いられる時、コーティングは、絶縁性であって約10Ω/cmを超え、一部の実施形態では、約100を超え、一部の実施形態では、約1、000Ω/cmを超え、一部の実施形態では、約1×105Ω/cmを超え、一部の実施形態では、約1×1010Ω/cmを超える比抵抗を有することができる。そのような絶縁材料の例としては、ポリウレタン、ポリスチレン、不飽和又は飽和脂肪酸のエステル(例えば、トリグリセライド)、ポリテトラフルオロエチレン(例えば、テフロン(登録商標))、その他のようなポリマーが挙げられる。
【0029】
上述のように、本発明の電解コンデンサはまた、コンデンサ要素のアノードリードに電気的に接続されるアノード終端部と、コンデンサ要素のカソードに電気的に接続されるカソード終端部とを収容する。アノード終端部及びカソード終端部部と他の部分とは、リードフレームによって最初に提供することができる。導電性金属(例えば、銅、ニッケル、銀、亜鉛、錫、パラジウム、鉛、銅、アルミニウム、モリブデン、チタン、鉄、ジルコニウム、マグネシウム、及びそれらの合金)のようなあらゆる導電材料を終端部を形成するために用いることができる。特に適切な導電性金属としては、例えば、銅、銅合金(例えば、銅−ジルコニウム、銅−マグネシウム、銅−亜鉛、又は銅−鉄)、ニッケル、及びニッケル合金(例えば、ニッケル−鉄)が挙げられる。終端基部金属は、例えば、メッキニッケル又は銀などのような付加的な金属フラッシュ層で被覆することができる。終端部の厚みは、コンデンサの厚みをできるだけ小さくするように一般的に選択される。例えば、終端部の厚みは、約0.05から約1ミリメートル、一部の実施形態では、約0.05から約0.5ミリメートル、かつ約0.07から約0.2ミリメートルの範囲とすることができる。
【0030】
終端部は、溶接、接着結合などのような当業技術で公知のいずれかの技術を使用して接続することができる。例えば、一実施形態では、アノードリード/ワイヤは、アノード終端部にレーザ溶接によって電気的に接続することができ、コンデンサ本体の外面(すなわち、カソード)は、カソード終端部とコンデンサ本体の間に導電性接着剤を付加することによってカソード終端部に電気的に接続される。絶縁材料も、コンデンサ本体とアノード終端部の間の取り付け時に設けることができる。導電性接着剤は、その後、硬化することができる。導電性接着剤は、例えば、樹脂組成物に含有された導電性金属粒子を含むことができる。金属粒子は、銀、銅、金、白金、ニッケル、亜鉛、ビスマス、その他とすることができる。樹脂組成物は、熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂)、硬化剤(例えば、酸無水物)、及びカプリング剤(例えば、シランカプリング剤)を含むことができる。適切な導電性接着剤は、Osako他に付与された米国特許出願公開第2006/0038304号に説明されており、この出願は、全ての目的に対してその全内容が引用により本明細書に組み込まれている。
【0031】
コンデンサ要素が取り付けられた状態で、リードフレームは、ケーシング内部に封入することができ、ケーシングは、次に、シリカ又はいずれかの他の公知の封入材料で充填することができる。ケースの幅及び長さは、意図された用途に基づいて変えることができる。適切なケーシングとしては、例えば、「A」、「B」、「F」、「G」、「H」、「J」、「K」、「L」、「M」、「N」、「P」、「R」、「S」、「T」、「W」、「Y」、又は「X」ケース(AVX Corporation)を含むことができ、それらは、0.XXインチの幅寸法及び0.YYインチの長さ寸法を有するものに対応するXXYYの様々な構成要素サイズに対応することは、当業者によって理解されるべきである。用いられるケースサイズに関わらず、コンデンサ要素は、アノード終端部及びカソード終端部の少なくとも一部分が露出されるようにして封入される。一部の場合には、アノード終端部及びカソード終端部の露出部分は、回路基板上に装着するための「うつ伏せ」構成でコンデンサの底面に一般的に位置する。これは、コンデンサの容積効率を高め、同様に回路基板上のそのフットプリントを低減する。封入の後に、アノード終端部及びカソード終端部の露出部分は、エージングされ、選別され、かつ望ましいサイズにトリミングすることができる。
【0032】
一実施形態では、露出されたアノード終端部及びカソード終端部の上に外部終端部を形成することができる。一例において、こうした外部終端部は、単一のデバイス装着表面にのみ形成され、全てのデバイス側部を金属部分のない状態とし、装着環境における短絡の可能性が低減される。別の例においては、巻き付け型終端部が、露出された基部アノード及びカソード終端部を被覆し、1つ又はそれよりも多くの隣接側面に重なることができる。
【0033】
外部終端部は、以下に制限されるものではないが、導電性金属(例えば、銅、ニッケル、銀、亜鉛、錫、パラジウム、鉛、アルミニウム、モリブデン、チタン、鉄、ジルコニウム、マグネシウム、及びそれらの合金)のようないずれかの導電材料で形成された1つ又はそれよりも多くの層を含むことができる。特に適切な導電性金属としては、例えば、銅、銅合金(例えば、銅−ジルコニウム、銅−マグネシウム、銅−亜鉛、又は銅−鉄)、ニッケル、及びニッケル合金(例えば、ニッケル−鉄)が挙げられる。一例では、外部終端部は、浸出抵抗を促すニッケルの第1の層、銀の第2の層、及び錫又は他の半田合金をそれぞれ含み、それは、集積回路(IC)環境において下層を酸化から保護し、半田付け容易な終端部を促す。
【0034】
外部終端部は、印刷、蒸着、スクリーンマスキング、スパッタリング、電気メッキ、無電解又は浸漬メッキなどによる様々な方式で形成することができる。1つの方法は、電気メッキ又は電気化学堆積に対応し、露出された導電性部分を有する電子構成要素が、電気バイアスによって特徴付けられる電解質ニッケル又は電解質錫のようなメッキ溶液に露出される。次に、構成要素自体が、メッキ溶液と反対の極性にバイアスされ、メッキ溶液内の導電性元素が構成要素の露出された金属化部に吸引される。無電解メッキは、極性バイアスを持たないメッキ溶液への電子構成要素の完全浸漬を含む。外部終端部を形成するために使用することができる更に別の技術には、メッキ金属の磁気吸引、電気泳動法、又は静電法が含まれる。
【0035】
再び各図を参照すると、図1の段階100における望ましいコンデンサ要素の形成及び/又は具備は、図2に示すような得られる構造体をもたらす。ここで図2を参照すると、コンデンサ要素30は、カソード32とアノードワイヤ34とを含む。コンデンサ要素30は、第1及び第2の相対する端面36及び38によって特徴付けられる。アノードワイヤ34は、コンデンサ要素30の第1の表面36から延びている。上述のように、コンデンサ要素30の外側コーティングは、コンデンサ要素への第1の電気接続部を形成するコンデンサのカソード32として機能し、アノードワイヤ34は、コンデンサ要素30のための第2の電気接続部を提供する。コンデンサ要素30は、カソードとアノードワイヤが互いに直接電気的に接触しない状態にあるように形成されることを理解すべきである。これは、コンデンサ本体を形成するために付加される誘電体コーティングによって又は図4に示すような絶縁性ワッシャ40のようなアノードワイヤ34の基部の周囲に置かれた絶縁性キャップ又は他の部分によって容易にすることができる。
【0036】
再び図1を参照すると、第2の例示的段階102は、コンデンサ要素のリードフレームへの取り付けを含む。当業技術で公知のように、リードフレームは、複数の列及び行を収容することができ、その各々は、それぞれのコンデンサ要素のための受け取り位置を形成する。こうしたリードフレーム構成は、バルクでのコンデンサの製造を容易にするが、1つのコンデンサ要素のための単一の受け取り位置のみを収容するリードフレームも利用することができることは理解すべきである。本発明における一部の特徴及び段階は、複数の得られるコンデンサデバイスの形成のためのリードフレームを説明しているが、本発明は、バルク製造段階及び方法に不要に制限すべきでないことを理解すべきである。
【0037】
図3は、それぞれの複数の受け取り位置に複数のコンデンサ要素30を取り付けるように構成された例示的なリードフレーム50の一部分を示している。リードフレーム50の各受け取り位置は、アノード終端部52と、カソード終端部54と、アノード終端部52及びカソード終端部54の間に形成された陥凹リードフレームチャンネル56とを含むことができる。
アノード終端部52は、基部部分58と、互いにほぼ垂直に形成された直立部分60とを含むことができる。直立アノード終端部分60は、アノードリード/ワイヤ34に接続される。一実施形態では、直立アノード終端部分60は、コンデンサ要素30のアノードリード/ワイヤを受け取るための切欠溝62を有して形成される。次に、アノードワイヤ34は、直立アノード終端部分に溶接することができる(例えば、レーザ溶接により)。取り付けられた時に、コンデンサ30の端面(例えば、表面36)は、直立アノード終端部分60とほぼ平行である。基部アノード終端部分58は、コンデンサ本体を受け取って構造的に支持するように設けられるが、コンデンサ本体と基部アノード終端部分の間に絶縁材料64を設けることによってこの本体から絶縁される。一例において、絶縁材料64の一部分は、基部終端部分58上に被覆され、一方、それは、リードフレーム50にもなお付加されている。絶縁材料64は、代替的に、最初にコンデンサ要素に付加することができることを理解すべきである。絶縁材料64は、絶縁テープで形成することができ、又は蒸着、分注、スクリーンマスキングのような当業技術で公知のいずれかの適切な技術によって望ましいリードフレーム位置に付加された絶縁又は非導電材料で形成することができる。
【0038】
カソード終端部54は、基部部分66と、互いにほぼ垂直な直立部分68とを含むことができる。基部カソード終端部分66と基部アノード終端部分58とは、実質的に同一平面の関係で設けることができる。基部カソード終端部分66は、コンデンサ本体の一部分を受け取って構造的に支持するように設けられ、例えば、これに制限されないが、銀充填エポキシのような導電性接着剤によってコンデンサ本体に電気的に接続される。直立カソード終端部分68は、任意的とすることができるが、提供された時には、コンデンサ要素のための有利なアラインメント形態を提供し、それによってコンデンサ要素の端面(例えば、表面38)が直立カソード終端部分68に隣接して設けられるようになる。次に、リードフレーム50の上に重なるコンデンサ要素を取り付けるのに、導電性接着剤を使用することができ、それによってこの接着剤は、コンデンサ要素30の底面を基部カソード終端部分66に結合する。任意的に、更に別の接着剤は、コンデンサ要素30の端面38を直立カソード終端部分68に結合することができる。
【0039】
図4からより良く見られるように、基部アノード終端部分58と基部カソード終端部分66の間に形成され、かつそれらを接続する陥凹リードフレームチャンネル56は、コンデンサ本体と基部アノード終端部分58及び基部カソード終端部分66がその中に形成されている平面とから離れて、何らかの所定の幅70にわたって延びる少なくとも1つの部分を含むことができる。図示のように、陥凹チャンネル56は、ほぼ矩形の断面を有するが、U字形断面、V字形断面、又は他の形態のような他の断面を利用することができる。ほぼ矩形の断面の時に、陥凹リードフレームチャンネルは、第1及び第2の延長部72及び74と、基部アノード終端部分58及び基部カソード終端部分66から離れた平面内に形成された陥凹表面76とを含む。
【0040】
尚も段階102を参照すると、リードフレームへのコンデンサ要素の取り付けは、アノード終端への、すなわち、直立アノード終端部分60へのアノードワイヤ34の電気的接続に関わる場合がある。これは、機械的溶接、レーザ溶接、導電性接着剤などのような当業技術で公知のいずれかの技術を用いて達成することができる。例えば、アノードワイヤ34は、直立アノード終端部分60内部に形成された溝62内にレーザを用いて溶接することができる。レーザは、誘導放出によって光子を放出することができるレーザ媒体を含む共振器とレーザ媒体の元素を励起するエネルギ源とを一般的に収容する。適切なレーザの1つの種類は、レーザ媒体が、ネオジム(Nd)でドープされたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)から成るものである。励起粒子は、ネオジムイオンNd3+である。エネルギ源は、連続レーザビームを放出するようにレーザ媒体に連続エネルギを供給することができ、又はパルスレーザビームを放出するようなエネルギ放出を提供することができる。直立アノード終端部分60にアノードワイヤ34が接続されると、カソード終端部にカソードを電気的に接続するのに使用された導電性接着剤を硬化することができる。例えば、ヒートプレスが熱及び圧力を印加するために使用され、コンデンサ要素30が接着剤によってカソード終端部に適切に接着することを保証することができる。
【0041】
尚も図1を参照すると、別の段階104は、各コンデンサ要素の例えば図3及び図5に示すような樹脂ケーシング78内への封入に関わる。一例において、各コンデンサ要素30とリードフレーム50のそれぞれの部分とは、樹脂ケーシング内部に封入され、ケーシングは、次に、シリカ又はいずれかの他の公知の封入材料で充填することができる。適切なケーシングとしては、例えば、「F」、「G」、「H」、「J」、「K」、「L」、「N」、「P」、「R」、「S」、「T」、「W」、「Y」、又は「X」ケース(AVX Corporation)を含むことができる。封入ケース78は、得られるコンデンサのための更に別の構造的及び熱的保護を提供する。一実施形態では、各封入ケース78は、コンデンサ要素30全体、並びにリードフレーム50の少なくとも一部を実質的に被覆する。一部の実施形態では、図5図6に示すように、封入ケースは、基部アノード終端部分58及び基部カソード終端部分66、並びに陥凹リードフレームチャンネル56の少なくとも一部分を露出したままとする。
【0042】
次に、段階106は、各コンデンサに対してアノード終端部とカソード終端部とを分離するためのリードフレームチャンネル56の少なくとも一部分の除去を含む。一例においては、図6に示すように、陥凹リードフレームチャンネル全体が、平面80に至るまで除去され、基部アノード終端部分58及び基部カソード終端部分66のみが装着のために露出されて残される。一例においては、研削ホイール82が、陥凹リードフレームチャンネル56を除去するのに使用される。のこ引き、レーザ切断、ウォーター切断、エッチング、研削、又は他の公知の方法のような更に別の除去技術を段階106において使用することができる。
【0043】
基部アノード終端部分58及び基部カソード終端部分66の残りの露出表面は、得られるコンデンサのための第1及び第2の反対極性の電気接続部を直接提供するのに使用することができる。一部の実施形態では、任意的段階108に示すように、分離した第1及び第2の外部終端部が、アノード終端部及びカソード終端部の上にそれぞれ付加される。
付加的な段階(図1に示されない)は、それによってリードフレームが複数のそれぞれのコンデンサに分割されるトリミング又は切断段階を含むことができる。露出された終端部分は、エージングされ、選別され、かつトリミングされてそれらの過剰部分を除去することができる。
【0044】
本発明の結果として、コンデンサアセンブリは、良好な容積効率を有して形成することができる。更に、デバイスは、単一の装着表面に露出された終端部のみを有して提供することができ、全ての他の表面が金属構成要素のない状態とされる。そのようなデバイスが装着された状態で、プリント基板上の構成要素の間の接触からの短絡の危険性が有意に低減されるか又は解消される。更に、優れた電気的特性を示すコンデンサアセンブリが形成される。例えば、このコンデンサは、高いキャパシタンスと低い等価直列抵抗(ESR)を有することができ、ESRは、充電及び放電を遅延させて電子回路における損失を引き起こすキャパシタンスと直列の抵抗をこのコンデンサが有する程度を意味する。本発明は、以下の実施例を参照して更に良好に理解することができる。
【0045】
試験手順
等価直列抵抗(ESR)、キャパシタンス、及び散逸率:
等価直列抵抗は、バイアス0ボルト及び信号1ボルトで「Hewlett Packard 4192A LCZ」メーターを使用して測定された。作動周波数は100kHzであった。キャパシタンス及び散逸率は、バイアス2ボルト及び信号1ボルトで「Hewlett Packard 4192A LCZ」メーターを使用して測定された。作動周波数は、120Hz、温度は、23℃±2℃であった。
漏れ電流:
漏れ電流(DCL)は、「Keithley 2400」ソースメーターを用いて測定された。「Keithley 2400」は、25℃の温度及び1.1×定格電圧で浸漬時間30秒後の漏れ電流を測定する。
【実施例1】
【0046】
コンデンサは、本発明により上述のように構成された。具体的には、コンデンサは、1210「T」ケースサイズ及び約150μm及び6.3ボルトの性能パラメータを有して構成された。アノードは、H.C.Starckによって製造されたSTA150KAタンタル粉末(約150、000μF*V/gの比電荷の等級)からサイドプレス上にプレスされた。アノード寸法は、約2.3mmの厚み、約2.3mmの幅、及び約0.85mmの厚みに対応し、アノードの中心に0.17mmワイヤを有した。誘電体層が、従来型の陽極酸化処理によってアノードの上に形成され、その上に導電性ポリマーPEDTコーティングが付加され、カソード層が形成された。アノードは、図3に示すようなリードフレーム上に溶接され、リードフレームは、ニッケル及び銀フラッシュでメッキされた「Hitachi Alloy 42 NILO」母材で製造された。溶接の前に、アノード終端部の基部部分とコンデンサの外側カソード層との隔離が、非導電性ペースト(例えば、「Henkel/Locktite QMI534」)のコーティングによってもたらされ、150℃で15分間硬化が行われた。銀充填エポキシ(Protavic ACE10131)が、カソード終端部の基部部分上に付加され、銀付加コンデンサ部分とリードフレームの間の良好な接触が保証された。カソード要素のリードフレームへの取り付けは、アノードワイヤのアノード終端へのレーザ溶接及びコンデンサ要素のカソード層をカソード終端部に取り付けるための導電性接着剤の使用によって達成された。導電性接着剤は、銀充填エポキシであり、195+10-5℃の温度で約40秒硬化された。リードフレーム及びコンデンサ要素は、1210「T」ケースサイズ(最大高さ1.2mmを有するEIA「B」ケースのフットプリント)を有する「Henkel/Loctite GR2710」黄色モールドを用いて封入された。アノード終端部とカソード終端部の間の溝チャンネルが中央部で底部から出て、0.5mmの幅で0.3mmの深さの部分が切断され、電気的試験の可能性を保証し、2つの別々の極性の終端部が生成された。その後、従来型のリフロー、デフラッシュ、及びコーディング段階が行われた。完成した構成要素は、定格の1.0倍の電圧で125℃で約2時間エージングされ、その時点の後に様々な電気的特性が試験された。結果は、表1で以下に示している。最後に、溝部分が研削除去され、各部分は、ストリップ内に置かれた。次に、ストリップは、標準のリール・アンド・テープ技術を用いてパックされた。
【0047】
(表1)
【0048】
本発明のこれら及び他の修正及び変形は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく当業者によって実施することができる。更に、様々な実施形態の態様は、全部又は一部の両方で入れ替えることができることを理解すべきである。更に、以上の説明は、単に例示であり、特許請求の範囲に更に説明される本発明を制限する意図はないことを当業者は認めるであろう。
【符号の説明】
【0049】
100 カソード要素を形成する第1の段階
108 任意的な段階
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7