【実施例】
【0030】
次に、本発明の成形用金型を用いて機能性容器を成形する方法の実施例及び比較例を説明する。
【0031】
なお、実施例、比較例に用いた底面部材の機能面には、熱インプリント技術によって、線幅500nm、高さ250nm(アスペクト比が約0.5)のラインアンドスペース及び直径210nm、高さ200nm(アスペクト比約0.95)のナノピラーからなる微細構造が形成されたものを用いた。
【0032】
また、成形用金型としては、96穴のマルチウェルプレート(機能性容器)を成形するためのキャビティを有するステンレス製(SUS304)のものを用いた。可動型側には、マルチウェルプレートの各ウェルを成形するためのコアピンを備えており、当該コアピンの先端には、機能面保護部として、約500μmの深さの凹部が形成されたものを用いた。凹部の底面部材と近接する部分は曲面状に形成されている。また、固定型側には、底面部材が設置される。
【0033】
なお接触角は、底面部材又は筐体部の材料からなる平らなフィルム又は基板上に3μLの蒸留水を滴下し、協和界面科学株式会社製の接触角測定装置(AUTO SLIDING ANGLE SA-300DM)と解析ソフト(FACE測定/解析総合システムFAMAS バージョン2.1.0)を用いて測定した。
【0034】
実施例1
シクロオレフィンポリマー[日本ゼオン株式会社製ZF-14,接触角94.2°,ガラス転移温度(Tg)136℃]からなる底面部材に対し、筐体部の材料としてシクロオレフィンコポリマー(COC)[ポリプラスチック株式会社製TOPAS5013,接触角:83.7°,ガラス転移温度(Tg)134℃]を用いてインサート成形を行った。溶融樹脂の温度は250℃、射出圧力は135MPa、金型温度は固定側を120℃、可動側を85℃に調節した。樹脂を射出後、成形体が固化する温度以下まで冷却し、成形用金型から成形体を離型して取り出した。その結果、底面部材と筐体部はしっかりと接着していた。また、機能面の微細構造を保っており、特に外観上の不具合も見当たらなかった(
図4参照)。
【0035】
実施例2
シクロオレフィンポリマー[日本ゼオン株式会社製ZF-14,接触角94.2°,ガラス転移温度(Tg)136℃]からなる底面部材に対し、筐体部の材料としてシクロオレフィンコポリマー(COC)[ポリプラスチック株式会社製TOPAS6013,接触角:83.5°,ガラス転移温度(Tg)138℃]を用いてインサート成形を行った。溶融樹脂の温度は260℃、射出圧力は150MPa、金型温度は固定側を120℃、可動側を85℃に調節した。樹脂を射出後、成形体が固化する温度以下まで冷却し、成形用金型から成形体を離型して取り出した。その結果、底面部材と筐体部はしっかりと接着していた。また、機能面の微細構造を保っており、特に外観上の不具合も見当たらなかった。
【0036】
実施例3
シクロオレフィンポリマー[日本ゼオン株式会社製ZF-14,接触角94.2°,ガラス転移温度(Tg)136℃]からなる底面部材に対し、筐体部の材料としてシクロオレフィンコポリマー(COC)[日本ゼオン株式会社製1060R,接触角:84.9°,ガラス転移温度(Tg)100℃]を用いてインサート成形を行った。溶融樹脂の温度は260℃、射出圧力は130MPa、金型温度は固定側を120℃、可動側を85℃に調節した。樹脂を射出後、成形体が固化する温度以下まで冷却し、成形用金型から成形体を離型して取り出した。その結果、底面部材と筐体部はしっかりと接着していた。また、機能面の微細構造を保っており、特に外観上の不具合も見当たらなかった。
【0037】
実施例4
シクロオレフィンポリマー[日本ゼオン株式会社製ZF-14,接触角94.2°,ガラス転移温度(Tg)136℃]からなる底面部材に対し、筐体部の材料としてシクロオレフィンコポリマー(COC)[日本ゼオン株式会社製480R,接触角:84.9°,ガラス転移温度(Tg)138℃]を用いてインサート成形を行った。溶融樹脂の温度は275℃、射出圧力は175MPa、金型温度は固定側を120℃、可動側を85℃に調節した。樹脂を射出後、成形体が固化する温度以下まで冷却し、成形用金型から成形体を離型して取り出した。その結果、底面部材と筐体部はしっかりと接着していた。また、機能面の微細構造を保っており、特に外観上の不具合も見当たらなかった。
【0038】
実施例5
シクロオレフィンコポリマー(COC)[ポリプラスチック株式会社製TOPAS5013,接触角:84.1°,ガラス転移温度(Tg)134℃]からなる底面部材に対し、筐体部の材料としてPMMA{poly(methylmethacrylate)}[三菱レイヨン株式会社製アクリペット
TM(グレードMD),接触角73.2°,ガラス転移温度(Tg)105℃]を用いてインサート成形を行った。溶融樹脂の温度は260℃、射出圧力は175MPa、金型温度は固定側を120℃、可動側を85℃に調節した。樹脂を射出後、成形体が固化する温度以下まで冷却し、成形用金型から成形体を離型して取り出した。その結果、底面部材と筐体部はしっかりと接着していた。また、機能面の微細構造を保っており、特に外観上の不具合も見当たらなかった。
【0039】
実施例6
シクロオレフィンコポリマー(COC)[ポリプラスチック株式会社製TOPAS6013,接触角:76.7°,ガラス転移温度(Tg)138℃]からなる底面部材に対し、筐体部の材料としてPMMA{poly(methylmethacrylate)}[三菱レイヨン株式会社製アクリペット
TM(グレードMD),接触角73.2°,ガラス転移温度(Tg)105℃]を用いてインサート成形を行った。溶融樹脂の温度は260℃、射出圧力は175MPa、金型温度は固定側を120℃、可動側を85℃に調節した。樹脂を射出後、成形体が固化する温度以下まで冷却し、成形用金型から成形体を離型して取り出した。その結果、底面部材と筐体部はしっかりと接着していた。また、機能面の微細構造を保っており、特に外観上の不具合も見当たらなかった。
【0040】
実施例7
シクロオレフィンコポリマー(COC)[ポリプラスチック株式会社製TOPAS8007,接触角:86.0°,ガラス転移温度(Tg)78℃]からなる底面部材に対し、筐体部の材料としてポリスチレン(PS)[ALDRICH社製Mw=192,000ペレット,接触角:82.7°,ガラス転移温度(Tg)100℃]を用いてインサート成形を行った。溶融樹脂の温度は240℃、射出圧力は135MPa、金型温度は固定側を85℃、可動側を85℃に調節した。樹脂を射出後、成形体が固化する温度以下まで冷却し、成形用金型から成形体を離型して取り出した。その結果、底面部材と筐体部はしっかりと接着していた。また、機能面の微細構造を保っており、特に外観上の不具合も見当たらなかった。
【0041】
実施例8
PMMA{poly(methylmethacrylate)}[三菱レイヨン株式会社製アクリペット
TM(グレードMD),接触角73.2°,ガラス転移温度(Tg)105℃]からなる底面部材に対し、筐体部の材料としてポリスチレン(PS)[ALDRICH社製Mw=192,000ペレット,接触角:82.7°,ガラス転移温度(Tg)100℃]を用いてインサート成形を行った。溶融樹脂の温度は240℃、射出圧力は135MPa、金型温度は固定側を85℃、可動側を85℃に調節した。樹脂を射出後、成形体が固化する温度以下まで冷却し、成形用金型から成形体を離型して取り出した。その結果、底面部材と筐体部はしっかりと接着していた。また、機能面の微細構造を保っており、特に外観上の不具合も見当たらなかった。
【0042】
比較例1
シクロオレフィンポリマー[日本ゼオン株式会社製ZF-14,接触角94.2°,ガラス転移温度(Tg)136℃]からなる底面部材に対し、筐体部の材料としてポリスチレン(PS)[ALDRICH社製Mw=192,000ペレット,接触角:82.7°,ガラス転移温度(Tg)100℃]を用いてインサート成形を行った。溶融樹脂の温度は240℃、射出圧力は135MPa、金型温度は固定側を85℃、可動側を85℃に調節した。樹脂を射出後、成形体が固化する温度以下まで冷却し、成形用金型から成形体を離型して取り出した。その結果、機能面の微細構造を保っており、外観上の不具合はないが、底面部材と筐体部は接着していなかった。
【0043】
比較例2
シクロオレフィンポリマー[日本ゼオン株式会社製ZF-14,接触角94.2°,ガラス転移温度(Tg)136℃]からなる底面部材に対し、筐体部の材料としてPMMA{poly(methylmethacrylate)}[三菱レイヨン株式会社製アクリペット
TM(グレードMD),接触角73.2°,ガラス転移温度(Tg)105℃]を用いてインサート成形を行った。溶融樹脂の温度は260℃、射出圧力は175MPa、金型温度は固定側を120℃、可動側を85℃に調節した。樹脂を射出後、成形体が固化する温度以下まで冷却し、成形用金型から成形体を離型して取り出した。その結果、機能面の微細構造を保っており、外観上の不具合はないが、底面部材と筐体部は接着していなかった。
【0044】
比較例3
シクロオレフィンポリマー[日本ゼオン株式会社製ZF-14,接触角94.2°,ガラス転移温度(Tg)136℃]からなる底面部材に対し、筐体部の材料としてPMMA{poly(methylmethacrylate)}[住友化学株式会社製、商品名スミペックスMG5,接触角76.3°,ガラス転移温度(Tg)99℃]を用いてインサート成形を行った。溶融樹脂の温度は250℃、射出圧力は135MPa、金型温度は固定側を120℃、可動側を80℃に調節した。樹脂を射出後、成形体が固化する温度以下まで冷却し、成形用金型から成形体を離型して取り出した。その結果、機能面の微細構造を保っており、外観上の不具合はないが、底面部材と筐体部は接着していなかった。
【0045】
比較例4
シクロオレフィンポリマー[日本ゼオン株式会社製ZF-14,接触角94.2°,ガラス転移温度(Tg)136℃]からなる底面部材に対し、筐体部の材料としてアクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂(ABS)[東レ株式会社製、商品名トヨラック100,接触角86.1°,ガラス転移温度(Tg)83℃]を用いてインサート成形を行った。溶融樹脂の温度は250℃、射出圧力は1405MPa、金型温度は固定側を120℃、可動側を80℃に調節した。樹脂を射出後、成形体が固化する温度以下まで冷却し、成形用金型から成形体を離型して取り出した。その結果、機能面の微細構造を保っており、外観上の不具合はないが、底面部材と筐体部は接着していなかった。
【0046】
比較例5
シクロオレフィンポリマー[日本ゼオン株式会社製ZF-14,接触角94.2°,ガラス転移温度(Tg)136℃]からなる底面部材に対し、筐体部の材料としてシクロオレフィンコポリマー(COC)[ポリプラスチック株式会社製TOPAS8007,接触角:86.0°,ガラス転移温度(Tg)78℃]を用いてインサート成形を行った。溶融樹脂の温度は210℃、射出圧力は135MPa、金型温度は固定側を85℃、可動側を85℃に調節した。樹脂を射出後、成形体が固化する温度以下まで冷却し、成形用金型から成形体を離型して取り出した。その結果、底面部材と筐体部はしっかりと接着していた。その結果、底面部材と筐体部は接着していたが、製品として歪みが発生したり、フィルムが溶けるという外観上の不具合が生じた。
【0047】
比較例6
シクロオレフィンコポリマー(COC)[ポリプラスチック株式会社製TOPAS8007,接触角:86.0°,ガラス転移温度(Tg)78℃]からなる底面部材に対し、筐体部の材料としてシクロオレフィンポリマー[日本ゼオン株式会社製ZF-14,接触角94.2°,ガラス転移温度(Tg)136℃]を用いてインサート成形を行った。溶融樹脂の温度は260℃、射出圧力は165MPa、金型温度は固定側を120℃、可動側を85℃に調節した。樹脂を射出後、成形体が固化する温度以下まで冷却し、成形用金型から成形体を離型して取り出した。その結果、底面部材と筐体部は接着していたが、製品として歪みが発生したり、フィルムが溶けるという外観上の不具合が生じた。
【0048】
比較例7
シクロオレフィンコポリマー(COC)[ポリプラスチック株式会社製TOPAS8007,接触角:86.0°,ガラス転移温度(Tg)78℃]からなる底面部材に対し、筐体部の材料としてシクロオレフィンコポリマー(COC)[日本ゼオン株式会社製480R,接触角:84.9°,ガラス転移温度(Tg)138℃]を用いてインサート成形を行った。溶融樹脂の温度は290℃、射出圧力は140MPa、金型温度は固定側を80℃、可動側を80℃に調節した。樹脂を射出後、成形体が固化する温度以下まで冷却し、成形用金型から成形体を離型して取り出した。その結果、底面部材と筐体部は接着していたが、フィルムが熱により大きくたわむという外観上の不具合が生じた。
【0049】
以上の結果を表1にまとめる。
【0050】
【表1】
【0051】
以上より、底面部材の材料と筐体部の材料の水の接触角の差は11°以下である方が好ましく、また、底面部材の材料と筐体部の材料のガラス転移温度の差は50℃以下である方が好ましいことがわかる。
【0052】
次に、接着し難い材料に対し、底面部材の材料と筐体部の材料の水の接触角の差が11°以下で、ガラス転移温度の差が50℃以下である材料を混合した場合について、実施例9〜11及び比較例8〜10を用いて説明する。
【0053】
実施例9
シクロオレフィンポリマー[日本ゼオン株式会社製ZF-14,接触角94.2°,ガラス転移温度(Tg)136℃]からなる底面部材に対し、筐体部の材料としてシンジオタクチックポリスチレン樹脂(SPS)[出光興産株式会社製XAREC S-131(GF30%),接触角:93.8°,融点270℃]とシクロオレフィンポリマー(COP)[日本ゼオン株式会社製1420R,接触角:94.2°,ガラス転移温度(Tg)136℃]を6:4で混合した樹脂を用いてインサート成形を行った。溶融樹脂の温度は290℃、射出圧力は165MPa、金型温度は固定側を120℃、可動側を85℃に調節した。樹脂を射出後、成形体が固化する温度以下まで冷却し、成形用金型から成形体を離型して取り出した。その結果、底面部材と筐体部はしっかりと接着していた。また、機能面の微細構造を保っており、特に外観上の不具合も見当たらなかった。
【0054】
比較例8
シクロオレフィンポリマー[日本ゼオン株式会社製ZF-14,接触角94.2°,ガラス転移温度(Tg)136℃]からなる底面部材に対し、筐体部の材料としてシンジオタクチックポリスチレン樹脂(SPS)[出光興産株式会社製XAREC S-131(GF30%),接触角:93.8°,融点270℃]とシクロオレフィンポリマー(COP)[日本ゼオン株式会社製1420R,接触角:94.2°,ガラス転移温度(Tg)136℃]を8:2で混合した樹脂を用いてインサート成形を行った。溶融樹脂の温度は290℃、射出圧力は165MPa、金型温度は固定側を120℃、可動側を85℃に調節した。樹脂を射出後、成形体が固化する温度以下まで冷却し、成形用金型から成形体を離型して取り出した。その結果、機能面の微細構造を保っており、外観上の不具合はないが、底面部材と筐体部は接着していなかった。
【0055】
以上の結果を表2にまとめる。
【0056】
【表2】
【0057】
実施例10
シクロオレフィンポリマー[日本ゼオン株式会社製ZF-14,接触角94.2°,ガラス転移温度(Tg)136℃]からなる底面部材に対し、筐体部の材料としてPMMA{poly(methylmethacrylate)}[住友化学株式会社製、商品名スミペックスMG5,接触角76.3°,ガラス転移温度(Tg)99℃]とシクロオレフィンポリマー(COP)[日本ゼオン株式会社製1420R,接触角:94.2°,ガラス転移温度(Tg)136℃]を6:4で混合した樹脂を用いてインサート成形を行った。溶融樹脂の温度は260℃、射出圧力は135MPa、金型温度は固定側を120℃、可動側を80℃に調節した。樹脂を射出後、成形体が固化する温度以下まで冷却し、成形用金型から成形体を離型して取り出した。その結果、底面部材と筐体部はしっかりと接着していた。また、機能面の微細構造を保っており、特に外観上の不具合も見当たらなかった。
【0058】
比較例9
シクロオレフィンポリマー[日本ゼオン株式会社製ZF-14,接触角94.2°,ガラス転移温度(Tg)136℃]からなる底面部材に対し、筐体部の材料としてPMMA{poly(methylmethacrylate)}[住友化学株式会社製、商品名スミペックスMG5,接触角76.3°,ガラス転移温度(Tg)99℃]とシクロオレフィンポリマー(COP)[日本ゼオン株式会社製1420R,接触角:94.2°,ガラス転移温度(Tg)136℃]を8:2で混合した樹脂を用いてインサート成形を行った。溶融樹脂の温度は260℃、射出圧力は135MPa、金型温度は固定側を120℃、可動側を80℃に調節した。樹脂を射出後、成形体が固化する温度以下まで冷却し、成形用金型から成形体を離型して取り出した。その結果、機能面の微細構造を保っており、外観上の不具合はないが、底面部材と筐体部の接着は不十分であり、軽い力で容易にはがれた。
【0059】
以上の結果を表3にまとめる。
【0060】
【表3】
【0061】
実施例11
シクロオレフィンポリマー[日本ゼオン株式会社製ZF-14,接触角94.2°,ガラス転移温度(Tg)136℃]からなる底面部材に対し、筐体部の材料としてアクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂(ABS)[東レ株式会社製、商品名トヨラック100,接触角86.1°,ガラス転移温度(Tg)83℃]とシクロオレフィンポリマー(COP)[日本ゼオン株式会社製1420R,接触角:94.2°,ガラス転移温度(Tg)136℃]を6:4で混合した樹脂を用いてインサート成形を行った。溶融樹脂の温度は250℃、射出圧力は140MPa、金型温度は固定側を120℃、可動側を80℃に調節した。樹脂を射出後、成形体が固化する温度以下まで冷却し、成形用金型から成形体を離型して取り出した。その結果、底面部材と筐体部はしっかりと接着していた。また、機能面の微細構造を保っており、特に外観上の不具合も見当たらなかった。
【0062】
比較例10
シクロオレフィンポリマー[日本ゼオン株式会社製ZF-14,接触角94.2°,ガラス転移温度(Tg)136℃]からなる底面部材に対し、筐体部の材料としてアクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂(ABS)[東レ株式会社製、商品名トヨラック100,接触角86.1°,ガラス転移温度(Tg)83℃]とシクロオレフィンポリマー(COP)[日本ゼオン株式会社製1420R,接触角:94.2°,ガラス転移温度(Tg)136℃]を8:2で混合した樹脂を用いてインサート成形を行った。溶融樹脂の温度は250℃、射出圧力は140MPa、金型温度は固定側を120℃、可動側を80℃に調節した。樹脂を射出後、成形体が固化する温度以下まで冷却し、成形用金型から成形体を離型して取り出した。その結果、機能面の微細構造を保っており、外観上の不具合はないが、底面部材と筐体部の接着は不十分であり、軽い力で容易にはがれた。
【0063】
以上の結果を表4にまとめる。
【0064】
【表4】
【0065】
以上より、接触角の差が11°を越えて互いに接着し難い材料や、ガラス転移温度又は融点の差が50℃を越えて互いに接着し難い材料を用いる場合、筐体部の材料に、底面部材の材料との水の接触角の差が11°以下で、かつガラス転移温度の差が50℃以下である材料を40重量%以上含有させると底面部材と筐体部を接合できることがわかる。