(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遊技場の島設備に固定される機枠と、前記機枠に着脱自在に取り付けられた、遊技盤を保持する本体枠と、前記本体枠の下側に配置され、前記機枠に着脱自在に取り付けられた幕板と、前記本体枠と前記幕板とを一体化する一体化手段と、を備え、
前記本体枠は、前記機枠に第1ヒンジ機構を介して取り付けられ、
前記幕板は、前記機枠に第2ヒンジ機構を介して取り付けられ、
前記一体化手段は、前記本体枠と前記幕板の裏面側に設けられ、前記本体枠を前記幕板と固定する第1状態と、その固定を解除する第2状態とに選択的に切替え可能な固定化手段と、前記本体枠と前記幕板との間に設けられた第3ヒンジ機構と、から構成され、
前記第1ヒンジ機構は、前記本体枠と前記機枠の一方に設けられた第1穴軸受けと、他方に設けられ、前記第1穴軸受けに嵌合する第1軸部材と、から構成され、
前記第2ヒンジ機構は、前記幕板と前記機枠の一方に設けられた第2穴軸受けと、他方に設けられ、前記第2穴軸受けに嵌合する第2軸部材と、とから構成され、
前記第3ヒンジ機構は、前記本体枠と前記幕板の一方に設けられた第3穴軸受けと、他方に設けられ、前記第3穴軸受けと嵌合する第3軸部材と、から構成され、
前記第1軸部材と、前記第2軸部材と、前記第3軸部材とは、互いに同軸上に配置されており、
前記本体枠は、前記固定化手段が前記第2状態に切り替えられることにより前記幕板から別体となり、前記第1ヒンジ機構と前記第3ヒンジ機構とにより支持されて、前記幕板を前記機枠に固定した状態で前記機枠に対して開閉自在とされ、
前記本体枠は、前記固定化手段が前記第1状態に切り替えられることにより前記幕板と一体となり、当該幕板と一体化させた状態で前記機枠に対して取り外し可能、かつ、前記第1ヒンジ機構と前記第2ヒンジ機構とにより支持されて、前記機枠に対して開閉自在とされていることを特徴とするパチンコ機。
【背景技術】
【0002】
図17に示すように、一般に、パチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、該機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた本体枠2と、該本体枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられたガラス扉(前面扉)4を備えており、該ガラス扉4には、その開口部8にガラスやプラスチック等からなる透明板9が取り付けられている。
【0003】
この本体枠2には遊技盤3が取り付けられており、この遊技盤3の表側(つまり、ガラス扉4側)には、各種入賞口、入賞球装置および障害釘(いづれも図示せず)などが配置された遊技領域が設けられ、この遊技盤3の裏側には各種制御基板(図示せず)等が取り付けられている。
遊技盤の下方に設置された発射装置(図示せず)から打ち出された遊技球は、該遊技領域を流下するように構成されており、遊技者は、ガラス扉4に取り付けられた透明板9を通して、この遊技領域を観察することができる。
【0004】
また、この本体枠2の下部には、遊技球の発射強度を調整する発射ハンドル10や、遊技者の手前側に膨出した下皿11が備えられている。そして、この発射ハンドル10や下皿11の下方には、大量に払い出された遊技球を貯留する大箱を載置するための空間が形成されている。
そして、この空間を確保する等のために、本体枠2に隣接した下方に、幕板20が設けられている。
この幕板20は、必要に応じて演出用の音響装置等が配置されており、従来、機枠1に取り外しができない状態で取り付けられていた。しかし、それでは、本体枠2の仕様が異なった場合に本体枠2を取り替えるには、機枠1と一体に交換する必要があり、リサイクル性に欠けることとなる。そこで、この幕板20を機枠1に対し開閉可能かつ、取り外し可能に構成することで、幕板20に配置された機器等のメンテナンスの利便性やリサイクル性の向上が図られている。
【0005】
このように幕板20が機枠1に対し開閉可能、かつ取り外し可能に構成される場合、遊技場においてパチンコ機Pを取り替えるには、遊技盤が搭載されている本体枠2を取り替える必要があるが、本体枠2を取り替えるには2通りの方法がある。つまり、本体枠2が取り付けられた機枠1をそっくり島設備から取り外すか、或いは、機枠1がそのまま再使用できる場合は、島設備に機枠1を残して本体枠2の取り外しを行う。
そして、このように機枠1を再使用する場合に、新たに取り付ける本体枠2の外形寸法等が取り外す本体枠2と同じ場合には、幕板20は、そのまま機枠1に残されて再使用される。しかし、新たに取り付ける本体枠2の外形寸法や、幕板20に収納されている音響装置などの電子部品の仕様等が異なる場合には、幕板20は、再使用ができないので、機枠1からの取り外しが必要になる。
そこで、この幕板20を、機枠1に対し開閉可能に支持するとともに、本体枠2が機枠1に対し開放(開扉)される場合に、機枠1側に待機可能に構成し、幕板20を取り外す場合には、本体枠2を開放しなければ取り外すことができないように構成することが提案されている。(特許文献1参照)
しかしながら、本体枠2や幕板20を取り外す場合に、幕板20のこのような再使用または不使用に関係させた上で、本体枠2や幕板20の取り外し作業を簡便にすることは、これまで考慮されてこなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、パチンコ機を取り替える際に、取り替え作業が容易であり、かつ省資源となるパチンコ機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係るパチンコ機は、遊技場の島設備に固定される機枠と、前記機枠に着脱自在に取り付けられた、遊技盤を保持する本体枠と、前記本体枠の下側に配置され、前記機枠に着脱自在に取り付けられた幕板と、前記本体枠と前記幕板とを一体化する一体化手段と、を備え
る。さらに、前記本体枠は、前記機枠に第1ヒンジ機構を介して取り付けられ、前記幕板は、前記機枠に第2ヒンジ機構を介して取り付けられ、前記一体化手段は、前記本体枠と前記幕板の裏面側に設けられ、前記本体枠を前記幕板と固定する第1状態と、その固定を解除する第2状態とに選択的に切替え可能な固定化手段と、前記本体枠と前記幕板との間に設けられた第3ヒンジ機構と、から構成され、前記第1ヒンジ機構は、前記本体枠と前記機枠の一方に設けられた第1穴軸受けと、他方に設けられ、前記第1穴軸受けに嵌合する第1軸部材と、から構成され、前記第2ヒンジ機構は、前記幕板と前記機枠の一方に設けられた第2穴軸受けと、他方に設けられ、前記第2穴軸受けに嵌合する第2軸部材と、とから構成され、前記第3ヒンジ機構は、前記本体枠と前記幕板の一方に設けられた第3穴軸受けと、他方に設けられ、前記第3穴軸受けと嵌合する第3軸部材と、から構成され、前記第1軸部材と、前記第2軸部材と、前記第3軸部材とは、互いに同軸上に配置されており、前記本体枠は、前記固定化手段が前記第2状態に切り替えられることにより前記幕板から別体となり、前記第1ヒンジ機構と前記第3ヒンジ機構とにより支持されて、前記幕板を前記機枠に固定した状態で前記機枠に対して開閉自在とされ、前記本体枠は、前記固定化手段が前記第1状態に切り替えられることにより前記幕板と一体となり、当該幕板と一体化させた状態で前記機枠に対して取り外し可能、かつ、前記第1ヒンジ機構と前記第2ヒンジ機構とにより支持されて、前記機枠に対して開閉自在とされていることを特徴としている。
【0009】
このように構成したことにより、本発明は、パチンコ機の取り替え作業において、幕板を再使用しない場合には、一体化手段を使用して本体枠と幕板とを一体にして一緒に取り替えることができるので、特に幕板と本体枠とが電気配線で結合されている場合などでは、幕板に設けられた音響機器等への電気配線を取り外す必要がなく、取り替え作業を容易に行うことができる。
また、幕板の再使用のために幕板を機枠に残して本体枠のみを取り外す取り替え作業の場合には、一体化手段を使用しないことも容易に選択できるので、その取り替え作業を容易に行うことができる。
また、幕板を機枠内に残すことが可能なので、幕板の再使用も可能となり、省資源となる。
このように、入れ替えを行う本体枠の外形寸法や幕板の再使用の可否、幕板への電気配線の状況等に応じて、より簡便な取り替え作業を容易に選択することができる。
しかも、遊技場の管理者等が遊技盤の裏側をメンテナンス等作業する場合には、従来と同様、幕板を機枠側に閉鎖したまま本体枠のみを開閉することができるので、その作業を容易に行うことができる。
【0011】
このように構成したことにより、本発明は、一体化手段を、ヒンジ機構からなる固定化手段という比較的簡単な構成によって構成することができる。しかも、新たに取り付ける本体枠の外形形状等の状況に合わせて取り替え作業の切替を行うに際し、一体化手段を操作することで、容易に切替を行うことが可能となる。
【0012】
また、上記目的を達成するため、本発明は、前記固定化手段は、前記幕板を前記機枠に固定する第3状態を有して選択的に切り替え可能とされており、前記第3状態が選択される場合には、前記幕板は、前記本体枠が前記機枠に対し閉鎖された状態では、開閉が不可能とされることを特徴としている。
【0013】
このように構成したことにより、本発明は、前記本体枠が機枠に対し施錠(閉鎖)されている状態では、第3状態を選択することにより幕板を機枠に固定されたままとすることが可能なので、この施錠が開放されない限りは幕板を開放することができない。したがって、幕板の開放を制限することが可能なので、外から施錠する施錠手段が幕板に無くとも幕板の開放に対するセキュリティーを確保することができる。
【0014】
また、上記目的を達成するため、本発明は、前記第3軸部材の先端部には、前記第3軸部材の軸心と直交する方向に延在する軸先部が形成され、
前記第3穴軸受けには、前記軸先部を挿入可能な嵌合穴が形成され、
前記本体枠と前記幕板とが前記機枠に対して同じ回動位置にある状態では、前記嵌合穴を貫通した前記軸先部によって、前記本体枠は、前記第3軸部材の軸方向への移動が阻止され、
前記本体枠が前記幕板に対して所定角度開かれた状態では、前記軸先部が前記嵌合穴から開放されることにより、前記本体枠は、前記第3軸部材の軸方向へ移動して前記幕板から取外しが可能となることを特徴としている。
【0015】
このように構成したことにより、本発明は、取り替えるパチンコ機の本体枠の外形形状等の状況に合わせて取り替え作業の切り替えを行うに際し、本体枠および幕板を機枠に対し同じ所定角度開扉した位置とすることにより、一体化手段の切り替え作業を容易に行うことが可能となる。つまり、そのような切り替え作業を、本体枠と幕板の開閉作業に関連付けることにより、極めて容易に行うことができる。
【0016】
このように、本発明によれば、パチンコ機を取り替える際に、取り替え作業が容易になり、しかも、省資源となるパチンコ機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施の形態例に係るパチンコ機の正面上方からの斜視図。
【
図2】本発明の実施の形態例に係るパチンコ機の、
図1から本体枠を開いた状態の説明図。
【
図3】本発明の実施の形態例に係るパチンコ機の、
図2から幕板を開いて幕板と本体枠とを一体化した状態の説明図。
【
図4】本発明の実施の形態例に係るパチンコ機の、
図3から幕板と一体化した本体枠を取り外した状態の説明図。
【
図5】本発明の実施の形態例に係るパチンコ機の、幕板に電子機器が存在する場合の本体枠を開いた状態の説明図。
【
図6】本発明の実施の形態例に係るパチンコ機の、
図5から幕板と本体枠とを一体化した状態の説明図。
【
図7】本発明の実施の形態例に係るパチンコ機の、本体枠が閉じられた状態での第3ヒンジ機構の下方からの斜視図。
【
図8】本発明の実施の形態例に係るパチンコ機の、
図7から本体枠が開かれた状態での第3ヒンジ機構の下方からの斜視図。
【
図9】本発明の実施の形態例に係るパチンコ機の、
図8から本体枠を取り外した状態での第3ヒンジ機構の下方からの斜視図。
【
図10】本発明の実施の形態例に係るパチンコ機の、本体枠が開かれて幕板と一体化した状態での第3ヒンジ機構の下方からの斜視図。
【
図11】本発明の実施の形態例に係るパチンコ機の、固定化手段の第3状態を説明する遊技機内方からの斜視図。
【
図12】本発明の実施の形態例に係るパチンコ機の、機枠側に設けられた機枠側係合ピンの前方からの斜視図。
【
図13】本発明の実施の形態例に係るパチンコ機の、幕板に設けられた掛けがねを遊技機内方からの斜視図。
【
図14】本発明の実施の形態例に係るパチンコ機の、固定化手段の第2状態を説明する遊技機内方からの斜視図。
【
図15】本発明の実施の形態例に係るパチンコ機の、固定化手段の第1状態を説明する遊技機内方からの斜視図。
【
図16】本発明の実施の形態例に係るパチンコ機の、第1ヒンジ機構を説明するための機枠上方からの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態例を、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本発明の実施の形態例に係るパチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた本体枠2と、本体枠2の内側に収容された遊技盤3(
図1には、図示せず。)と、本体枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく開口部8が形成されたガラス扉(前面扉)4と、このガラス扉4の該開口部8に取り付けられた透明なガラス板9等を具備している。
また、ガラス扉4および本体枠2を施錠あるいは解錠するための鍵口40が、ガラス扉4の正面側(遊技者側)に設けられている。さらに本体枠2の下部には、遊技球の発射強度を調整する発射ハンドル10や、遊技者の手前側に膨出した下皿11が備えられている。そして、この発射ハンドル10や下皿11の下方には、大量に払い出された遊技球を貯留する大箱を載置するための空間が形成されている。
本体枠2の下方には、この空間を確保する等のために、幕板20が、機枠1に対し扉状に開閉自在に取り付けられている。この幕板20には、ゲーム演出用の音響機器等が配置されている。
これら機枠1、本体枠2、遊技盤3、ガラス扉(前面扉)4、ガラス板9、ハンドル10、幕板20等のパチンコ機全体での配置構造は、従来例と同様である。
【0019】
さらに、
図1及び16に示すように、機枠1に対して本体枠2を開閉自在に支持するために、機枠1の左側上端には、機枠1から遊技盤面に対し垂直方向に張り出した機枠上端側フランジ21に第1穴軸受け21aが設けられている。一方、本体枠2の左側上端には、前記機枠上端側フランジ21と平行になるように張り出した本体枠上端側フランジ22が設けられ、該本体枠上端側フランジ22に第1軸部材22aが立設されている。そして、機枠側の該第1穴軸受け21aに本体枠側の該第1軸部材22aが嵌合することで、機枠1上部に対し本体枠2上部を回動可能に支持する第1ヒンジ機構が構成されている。
また、機枠上端側フランジ21には、一方が第1穴軸受け21aに連続するとともに、他方が機枠上端側フランジ21の側方に開放するスライド溝21bが形成されており、さらに、このスライド溝21bを第1穴軸受け21aから隔離するための開放レバー21cが、機枠上端側フランジ21に設けられている。
該開放レバー21cは、第1穴軸受け21aから離れた位置に形成される支点21c’を中心として、機枠上端側フランジ21と平行して回動するように取り付けられている。そして、本体枠2が機枠1に閉鎖して取り付けられている
図1に示す状態においては、開放レバー21cの一端に設けられた操作部21c’’は、機枠1に設けられた空間部21d内に収納されており(
図16(A)のR方向に回動させた状態)、その操作部21c’’とは支点21c’を隔てて反対側に形成されている先端部21c’’’は、スライド溝21bに進入して、第1穴軸受け21aをスライド溝21bから隔離するように構成されている。このため、この状態では、第1穴軸受け21aに嵌合している第1軸部材22aは、該第1穴軸受け21aを回動支点として回動することが保証される。
この状態から操作部21c’’を引っ張り出すと(
図16(A)のFに示す方向に回動させて、
図16(A)に示す開放レバー21cの状態とすると)、開放レバー21cの先端部21c’’’がスライド溝21bから退避して、第1穴軸受け21aはスライド溝21bと連続することとなり、第1穴軸受け21a内に嵌合している第1軸部材22aの開放が可能となる。
【0020】
また、
図1〜
図5に示すように、機枠1に幕板20を開閉自在に支持するために、機枠1の左側下端には、機枠1から遊技盤面に対し垂直方向に張り出した機枠下端側フランジ23に第2軸部材23aが立設されている。一方、幕板20の左側下端には、前記機枠下端側フランジ23と平行になるように張り出した幕板下端側フランジ24が設けられ、該幕板下端側フランジ24に第2穴軸受け24aが設けられている。そして、機枠側の該第2軸部材23aが幕板20の第2穴軸受けに嵌合することで、機枠1に対し幕板20を回動可能に支持する第2ヒンジ機構が構成されている。
【0021】
さらに、本体枠2と幕板20との間には、それらを互いに回動自在にすると共に、それらを一体化するための第3ヒンジ機構が形成されている。
図1および
図7〜10に示すように、本体枠2の左側下端には、前記本体枠上端側フランジ22に対し平行に張り出した本体枠下端側フランジ26が設けられ、一方、幕板20の左側上端には、前記幕板下端側フランジ24に対し平行に張り出した幕板上端側フランジ25が設けられている。また、該前記本体枠下端側フランジ26には第3軸部材26aが立設され、幕板上端側フランジ25には第3穴軸受け25aが設けられている。そして、幕板20の該第3穴軸受け25aに本体枠2の第3軸部材26aが嵌合することで、幕板20と本体枠2とを回動可能に支持する第3ヒンジ機構が構成されている。
そして、これら第1ヒンジ機構における第1軸部材、第2ヒンジ機構における第2軸部材、および第3ヒンジ機構における第3軸部材が、互いに同軸上に配置されている。したがって、本体枠2及び幕板20は、この共通した同軸を有して、機枠1に対し開閉自在(回動自在)とされている。
【0022】
また、前記した第3ヒンジ機構において、その本体枠2側の第3軸部材26aの先端部には、該第3軸部材26aの軸心と直交する方向に延在する軸先部26bが形成されており、幕板20側の第3穴軸受け25aには、該軸先部26bを挿入可能な嵌合穴25bが形成されている。
この軸先部26bは、本体枠下端側フランジ26に平行であって本体枠2に対して略平行に延びる部材形状とされており、その投影形状(本体枠下端側フランジ26面に垂直な方向から見た投影形状)は、前記穴軸受け25aに連続して形成された嵌合穴25bの形状と略同一とされている。つまり、該軸先部26bは、該嵌合穴25bに丁度陥入、貫通することができる形状とされている。そして、軸先部26bと、それが立設されている本体枠下端側フランジ26との間隔は、その間隔内に幕板上端側フランジ25が丁度挟まるように設定されている。
したがって、
図7および
図10に示すように、前記本体枠2と前記幕板20とが前記機枠1に対して同じ回動位置にある状態では、前記嵌合穴25bを貫通した前記軸先部26bによって、前記本体枠2は、前記第3軸部材26aの軸方向への移動が阻止される。
一方、
図8に示すように、前記本体枠2が前記幕板20に対して所定角度開かれた状態では、前記軸先部26bが前記嵌合穴25bから開放されることにより、前記本体枠2は、
図9に示すように、前記第3軸部材26aの軸方向へ移動し、前記幕板20からの取外しが可能となる。
【0023】
このように、本体枠2および幕板20は、機枠1の上端側と本体枠の上端側との間に設けられた第1ヒンジ機構と、機枠1の下端側と幕板20の下端側との間に設けられたに第2ヒンジ機構、および本体枠2の下端側と幕板20の上端側との間に設けられた第3ヒンジ機構により、いずれも機枠1に対して同軸で開閉可能とされている。
【0024】
さらに、本発明では、本体枠2と幕板20とを固定あるいは解除するための一体化手段として、上記した本体枠2と幕板20との間の第3ヒンジ機構とは別に、これら本体枠2と幕板20とを固定あるいは解除するための固定化手段30が設けられている。
この固定化手段30は、遊技盤を正面から見て、上記第3ヒンジ機構が設けられた遊技機左側ではなく、
図3又は
図6に示すように、遊技機の右側であって、本体枠2と幕板20のそれぞれ遊技者から見て裏面側に設けられている。
そして、この遊技機右側に設けられた固定化手段と、遊技機左側に設けられた前述の第3ヒンジ機構とによって、本体枠2と幕板20とを選択的に一体化する一体化手段が構成されている。
【0025】
この固定化手段30について具体的に説明する。
図13に示すように、幕板20の裏面に掛けがね31が設けられており、この掛けがね31は、基端部に、掛けがね31を幕板20に平行に回動させる回動支点31bを有し、先端部に、その側面に凹状に形成された引っかけ部31aを有している。そして、回動支点31bを中心にして幕板20に平行に回動させることにより、先端に設けられた引っかけ部31aが、機枠側係合ピン(機枠側係合部材)32または本体枠側係合ピン(本体枠側係合部材)33と、選択的に係合することができるように構成されている。
【0026】
一方、機枠側係合ピン32は、
図11ないし
図15に示すように、機枠1の右下隅に固定された機枠側係合ピン取付部材32aに、幕板20側へ突出するように立設されており、その機枠側係合ピン32の先端には、掛けがね31の引っかけ部31aが係合しても該機枠側係合ピン32の軸方向に外れないようにフランジ32bが設けられている。また、本体枠側係合ピン33は、本体枠2の裏側に立設されており、その先端には、機枠側係合ピン32と同様に、掛けがね31の引っかけ部31aが係合しても本体枠側係合ピン33の軸方向に外れないようにフランジ33aが設けられている。そして、機枠側係合ピン32および本体枠側係合ピン33は、いずれも、引っかけ部31aの回動する軌跡上の所定位置となるように設けられている。
したがって、該固定化手段30は、幕板20を本体枠2に固定する第1状態と、その固定を解除する第2状態、或いは幕板20を機枠1に固定する第3状態とに、選択的に切替え可能な構成とされている。
【0027】
以下、パチンコ機Pを取り替えるために、本体枠2および幕板20を機枠1から取り外す手順を説明する。
まず、本体枠2を機枠1から取り外す手順について説明する。
本体枠2が機枠1に鍵口40の機構によって施錠されている通常の状態では、
図7に示すように、第3ヒンジ機構によって、幕板上端側フランジ25が該本体枠下端側フランジ26とそこに立設されている軸先部26bとによって挟持され、連結されている。また、固定化手段30は、掛けがね31が機枠側係合ピン32と係合されており、幕板20が機枠1に固定されている状態(第3状態)とされている。したがって、この状態では、幕板20も機枠1から開放することができない。
【0028】
ここで、鍵口40に鍵を挿入して本体枠2の施錠を解錠すると、本体枠2は、前記した第1ヒンジ機構および第3ヒンジ機構によって支持されながら回動(開扉)させることができる状態となる。
そこで、本体枠2を機枠1に対し略直角な状態になるまで開扉させると、幕板上端側フランジ25と本体枠下端側フランジ26とは、
図8に示すように、幕板上端側フランジ25に設けられた前記第3穴軸受け25aの嵌合穴25bから、本体枠下端側フランジ26に立設された第3軸部材26a、およびその軸先部26bを引き抜くことが可能な位置関係となる。
したがって、この状態から開放レバー21cを
図16のF方向に引き出して回動させると、第1穴軸受け21a内に嵌合していた第1軸部材22aの開放が可能となるので、本体枠2の第1軸部材22aがスライド溝21b内をスライドして機枠上端側フランジ21からはずれるように、本体枠2の上部をスライドさせる。これにより、
図16(B)に示すように、第1軸部材22aが第1穴軸受け21aから解放される。次に、本体枠2を上方に持ち上げると、第3軸部材26aと第3穴軸受け25aとの係合が外れ、
図9に示すように、幕板20を機枠1に残したまま、本体枠2のみを機枠1から取り外すことができる。
【0029】
次に、パチンコ機Pを取り替えるために、本体枠2と幕板20とを一体にして機枠1から取り外す手順を説明する。
本体枠2を機枠1に対し開扉するまでの手順(つまり、
図2までの手順)は上記と同じである。
図2に示す状態においては、幕板20は、掛けがね31によって機枠1側に固定されており、固定化手段30は第3状態とされている。つまり、
図11に示すように、掛けがね31の引っかけ部31aは、機枠側係合ピン32に引っかけられている。
この
図2および
図11に示す状態から、幕板20を開扉すべく、先ず固定化手段30を第2状態とする。つまり、
図14に示すように、掛けがね31を回動させてその引っかけ部31aを機枠側係合ピン32から外す。
次に、幕板20を本体枠2に平行になるまで開扉させ、
図15に示すように、掛けがね31の引っかけ部31aを本体枠側係合ピン33に係合させる(固定化手段30を第1状態とする。)。このように固定化手段30を第1状態に係合させた状態を、
図3に示す。
また、この幕板20を本体枠2に平行になるまで開扉させた状態では、本体枠2と幕板20との間の第3ヒンジ機構は、
図10に示すように、幕板上端側フランジ25が該本体枠下側フランジ26とその第3軸部材26bとによって挟持・固定されて、幕板上端側フランジ25と本体枠下端側フランジ26とが連結されている状態となっている。
つまり、幕板20と本体枠2とは、このように一体化手段(固定化手段および第3ヒンジ機構)によって、その左右がそれぞれ一体化されているので、この状態から、上記と同様に開放レバー21cを回動させて第1ヒンジ機構の係合を解除した後、
図4に示すように、幕板20と本体枠2とを一体にして持ち上げることで、機枠1から容易に取り外すことができる。
【0030】
ここで、
図5に示すように、幕板20に音響機器20a等が組み込まれて、その電気配線20b等が本体枠2に設けられている制御基板等と結合されている場合であって、幕板20も機枠1から取り外す必要がある場合には、上記した一体化手段を用いて、
図6に示すように、本体枠2と幕板20とを一体化することで、従来のようにそのような電気配線を取り外したり、或いは作業途中で切断したりすることなく、取り外すことができる。
【0031】
なお、本発明は上述した実施形態例に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載された発明の技術思想の範囲で様々な変形が可能である。例えば、以下のように当業者が適宜、設計変更をすることが可能である。
【0032】
(1)上記実施の形態例では、第1ヒンジ機構において、機枠上端側フランジ21に第1穴軸受け21aが、本体枠上端側フランジ22に第1軸部材22aがそれぞれ設けられているが、これとは逆に、機枠上端側フランジ21に第1軸部材を、本体枠上端側フランジ22に第1穴軸受けを設けても良い。
これら軸部材と穴軸受けとの位置関係は相対的であり、第2ヒンジ機構および第3ヒンジ機構においても同様とすることができる。
【0033】
(2)上記実施の形態例では、固定化手段30を掛けがね31等により構成したが、幕板20を本体枠2あるいは機枠1と選択的に固定できる手段であれば、閂手段などの各種の固定化手段が使用可能である。
【0034】
(3)上記実施の形態例における第3ヒンジ機構における嵌合穴25bと軸先部26bの形状や設定角度については、本体枠2が幕板20と所定角度の開扉状態となった時点で該第3ヒンジ機構が分離できるように形成すればよく、略90度以上に開扉された状態で分離されるように形成することもできる。