(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記回り止めアームの係止部が係止するようにギヤハウジングに設けられるストッパが、駆動ギヤのギヤ軸をギヤハウジングに枢支する軸受を該ギヤハウジングに保持するために該ギヤハウジングに螺着したナットの内周に設けた工具係合面である請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
前記回り止めアームの係止部が係止するようにギヤハウジングに設けられるストッパが、ギヤハウジングの内面に設けられ、回り止めアームの係止部が嵌合する係止凸部である請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
前記回り止めアームの係止部が係止するようにギヤハウジングに設けられるストッパが、ギヤハウジングの内面に設けられ、回り止めアームの係止部が係合する係止面部である請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
前記回り止めアームの係止部が係止するようにギヤハウジングに設けられるストッパが、ギヤハウジングの内面に開口され、回り止めアームの係止部が係入する係止孔部である請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1、2に記載の電動パワーステアリング装置の製造過程では、ギヤハウジングに入力軸、出力軸、トーションバー、駆動ギヤ、従動ギヤ、トルク検出手段及びスパイラルケーブルを組込み、電動モータは未だ組込まない中間組立品を搬送する等の取扱い段階がある。
【0005】
このような中間組立品の取扱い段階では、従来、ギヤハウジングから外部に露出している入力軸、出力軸及び駆動ギヤのギヤ軸の回転に対する規制がなく、それらの軸は外部回転力により容易に回転できてしまう。それらの軸が自由に回転したときには、ギヤハウジングの内部のスパイラルケーブルも自由に巻き回されてしまう。そうすると、スパイラルケーブルの巻き状態が中立状態に比して巻き数が増加したり、減少するものになる。スパイラルケーブルの巻き数が異常に増加する場合には、スパイラルケーブルの断線等を引き起こし、トルク検出不能になるおそれもある。巻き数が減少する場合には、スパイラルケーブルがスパイラルケーブルカバーに貼り付き、操舵トルクの増加につながる。
【0006】
本発明の課題は、電動パワーステアリング装置の中間組立品の取扱い段階で、入力軸、出力軸及び駆動ギヤのギヤ軸の自由な回転を規制し、スパイラルケーブルの異常な巻き回りを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、入力軸と出力軸がトーションバーを介して同軸に結合され、電動モータが連結される駆動ギヤをギヤハウジングに枢支するとともに、駆動ギヤと噛合う従動ギヤを出力軸の中間部に固定し、入力軸に加えられた操舵トルクを検出するトルク検出手段を入力軸と出力軸の間に設け、ギヤハウジングの内部で入力軸及び出力軸の同軸まわりにスパイラル状に巻かれてなるスパイラルケーブルを有し、スパイラルケーブルの一端部をトルク検出手段に接続し、スパイラルケーブルの他端部を検出結果取出部に接続し、トルク検出手段が検出した操舵トルクに基づいて電動モータの駆動を制御する電動パワーステアリング装置において、ギヤハウジングに入力軸、出力軸、トーションバー、駆動ギヤ、従動ギヤ、トルク検出手段及びスパイラルケーブルを組込み、電動モータは未だ組込まない中間組立状態で、ギヤハウジングに対して駆動ギヤを回り止めする回り止め手段
が装填
され、前記回り止め手段は回り止めアームからなり、回り止めアームが、駆動ギヤのギヤ軸に設けたセレーションに結合されるボス部と、ギヤハウジングに設けたストッパに係止する係止部とを有してなるようにしたものである。
【0009】
請求項
2に係る発明は、請求項
1に係る発明において更に、前記回り止めアームの係止部が係止するようにギヤハウジングに設けられるストッパが、駆動ギヤのギヤ軸をギヤハウジングに枢支する軸受を該ギヤハウジングに保持するために該ギヤハウジングに螺着したナットの内周に設けた工具係合面であるようにしたものである。
【0010】
請求項
3に係る発明は、請求項
1に係る発明において更に、前記回り止めアームの係止部が係止するようにギヤハウジングに設けられるストッパが、ギヤハウジングの内面に設けられ、回り止めアームの係止部が嵌合する係止凸部であるようにしたものである。
【0011】
請求項
4に係る発明は、請求項
1に係る発明において更に、前記回り止めアームの係止部が係止するようにギヤハウジングに設けられるストッパが、ギヤハウジングの内面に設けられ、回り止めアームの係止部が係合する係止面部であるようにしたものである。
【0012】
請求項
5に係る発明は、請求項
1に係る発明において更に、前記回り止めアームの係止部が係止するようにギヤハウジングに設けられるストッパが、ギヤハウジングの内面に開口され、回り止めアームの係止部が係入する係止孔部であるようにしたものである。
【0013】
請求項
6に係る発明は、請求項
1〜
5のいずれかに係る発明において更に、前記回り止めアームが装填された状態で、回り止めアームがギヤハウジングの電動モータが取付けられるカップ状部の内部に収容されてなるようにしたものである。
【0014】
請求項
7に係る発明は、請求項1〜
6のいずれかに係る発明において更に、前記駆動ギヤがウォームギヤであるようにしたものである。
【発明の効果】
【0015】
(請求項1)
(a)ギヤハウジングに入力軸、出力軸、トーションバー、駆動ギヤ、従動ギヤ、トルク検出手段及びスパイラルケーブルを組込み、電動モータは未だ組込まない中間組立状態で、ギヤハウジングに対して駆動ギヤを回り止めする回り止め手段が装填される。従って、入力軸、出力軸及び駆動ギヤのギヤ軸がギヤハウジングの外部に露出している中間組立品の取扱い段階で、それらの軸に外部回転力が作用しても、回り止め手段がそれらの軸の自由な回転を規制する。これにより、スパイラルケーブルの巻き状態が中立状態に維持され、スパイラルケーブルの異常な巻き回りが防止される。スパイラルケーブルの巻き数の異常な増加が回避され、スパイラルケーブルの断線等を引き起こすことがなく、トルク検出機能を損なうことがない。巻き数が減少する場合には、スパイラルケーブルがスパイラルケーブルカバーに貼り付き、操舵トルクの増加につながる。
【0016】
(b)前記回り止め手段が回り止めアームからなり、回り止めアームが、駆動ギヤのギヤ軸に設けたセレーションに結合されるボス部と、ギヤハウジングに設けたストッパに係止する係止部とを有する。
【0017】
回り止めアームのボス部を駆動ギヤのギヤ軸に設けたセレーションに結合し、係止部をギヤハウジングに設けたストッパに係止せしめることにより、駆動ギヤのギヤ軸、更には入力軸、出力軸の自由な回転を簡易に規制できる。
【0018】
(請求項
2)
(c)前記回り止めアームの係止部が係止するようにギヤハウジングに設けられるストッパが、駆動ギヤのギヤ軸をギヤハウジングに枢支する軸受を該ギヤハウジングに保持するために該ギヤハウジングに螺着したナットの内周に設けた工具係合面である。
【0019】
回り止めアームの係合部を、ギヤハウジングに螺着したナットの内周の工具係合面(ストッパ)に係止できる。
【0020】
(請求項
3)
(d)前記回り止めアームの係止部が係止するようにギヤハウジングに設けられるストッパが、ギヤハウジングの内面に設けられ、回り止めアームの係止部が嵌合する係止凸部である。
【0021】
回り止めアームの係止部を、ギヤハウジングの内面に設けた係止凸部(ストッパ)に嵌合して係止できる。
【0022】
(請求項
4)
(e)前記回り止めアームの係止部が係止するようにギヤハウジングに設けられるストッパが、ギヤハウジングの内面に設けられ、回り止めアームの係止部が係合する係止面部である。
【0023】
回り止めアームの係止部を、ギヤハウジングの内面に設けた係止面部(ストッパ)に係合して係止できる。
【0024】
(請求項
5)
(f)前記回り止めアームの係止部が係止するようにギヤハウジングに設けられるストッパが、ギヤハウジングの内面に開口され、回り止めアームの係止部が係入する係止孔部である。
【0025】
回り止めアームの係止部を、ギヤハウジングの内面に開口させた係止孔部(ストッパ)に係入して係止できる。
【0026】
(請求項
6)
(g)前記回り止めアームが装填された状態で、回り止めアームがギヤハウジングの電動モータが取付けられるカップ状部の内部に収容される。
【0027】
回り止めアームはギヤハウジングにおけるカップ状部のモータケースが取付けられる開口端面を含む平面よりもカップ状部の内部に収容され、カップ状部から外部に張り出て周辺の物品と衝突する等が防止される。
【0028】
(請求項
7)
(h)前記駆動ギヤをウォームギヤとすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(実施例1)(
図1〜
図7)
電動パワーステアリング装置10は、
図1、
図2に示す如く、不図示のブラケットにより車体フレーム等に固定されるギヤハウジング11を有する。そして、ステアリングホイールが結合される入力軸12にトーションバー13を介して出力軸14を同軸上に連結し、この出力軸14にピニオン15を設け、このピニオン15に噛合うラックを備えたラック軸16をギヤハウジング11に左右直線動可能に支持している。ラック軸16の中間部には連結ボルト17A、18Aにより、左右のタイロッド17、18が連結されている。尚、入力軸12と出力軸14は軸受12A、14A等を介してギヤハウジング11に支持される。
【0031】
ここで、ギヤハウジング11は、入力軸12、出力軸14を枢支する第1及び第2ギヤハウジング11A、11Bと、ラック軸16を支持する第3ギヤハウジング11Cとからなる。
【0032】
入力軸12と出力軸14の間には、運転者によりステアリングホイールから入力軸12に加えられた操舵トルクを検出するトルク検出装置30(トルク検出手段)を設けてある。トルク検出装置30については後に詳述する。
【0033】
ギヤハウジング11(11B)には、
図3に示す如く、電動モータ20のモータケース21が取付けられる。電動モータ20が不図示のカップリングを介して連結されるウォームギヤ22(駆動ギヤ)の両端のギヤ軸22A、22Bが軸受23、24によりギヤハウジング11Bに枢支される。ウォームギヤ22と噛合うウォームホイール25(従動ギヤ)が出力軸14の中間部に固定される。ギヤハウジング11Bは電動モータ20のモータケース21が取付けられるカップ状部11D(
図3)を有し、電動モータ20との連結のためのカップリング等をこのカップ状部11Dの内部に納める。
【0034】
電動パワーステアリング装置10の後述する中間組立状態で、ギヤハウジング11(11B)から外部に露出するウォームギヤ22のギヤ軸22Aの外周には、電動モータ20との連結のためのカップリングがセレーション結合されることとなるセレーション22Sが設けられている。尚、軸受23はギヤハウジング11Bに螺着されるナット26により外輪をギヤハウジング11Bの軸受孔の段差面との間に挟み込まれて保持される。27、28はウォームギヤ22を軸方向の両側から弾性支持する弾性支持具である。
【0035】
ここで、ギヤハウジング11(11A、11B)の内部には、
図2、
図4に示す如く、入力軸12と出力軸14の同軸まわりにスパイラル状に巻かれてなるスパイラルケーブル40が格納される。スパイラルケーブル40の一端部はトルク検出装置30に接続され、スパイラルケーブル40の他端部は検出結果取出部42に接続される。そして、スパイラルケーブル40は、軸方向の一方から視た場合に、
図4に示す如く、右方向に巻かれており、ステアリングホイール、換言すれば、入力軸12及び出力軸14が右方向に回転された場合には、一方の端部が出力軸14の回転に従って右方向に回転し、ステアリングホイールが回転されていない中立状態よりも巻き数が増加する。他方、ステアリングホイールが左方向に回転された場合には、ステアリングホイールが回転されていない中立状態よりも巻き数が減少するものになる。
【0036】
以上により、電動パワーステアリング装置10にあっては、トルク検出装置30の検出信号がスパイラルケーブル40経由で検出結果取出部42に取出され、この検出結果取出部42の出力信号が電子制御ユニット(ECU)(不図示)に転送される。ECUはトルク検出装置30が検出した操舵トルクに基づいて電動モータ20の駆動を制御する。そして、電動モータ20の発生トルクがウォームギヤ22、ウォームホイール25を介して出力軸14に伝達され、ステアリングホイールに加えられた運転者の操舵トルクがアシストされるものになる。
【0037】
以下、トルク検出装置30について詳述する。本実施例のトルク検出装置30は、入力軸12と出力軸14との相対角度を演算して入力軸12に加えられた操舵トルクを検出する。また、トルク検出装置30は、出力軸14の回転角度を演算し、出力軸14及びラック軸16の現在位置(舵角)も検出する。
【0038】
トルク検出装置30は、
図2、
図4に示す如く、入力軸12に取付けられる第1の磁石12Mと、ギヤハウジング11(11B)に固定される第1の歯車31と、を有している。また、トルク検出装置30は、出力軸14の回転に伴ない、出力軸14の軸心を回転中心として公転しつつ第1の歯車31と噛み合って自転する第1の従動歯車の一例としての第2の歯車32を有する。また、トルク検出装置30は、出力軸14の回転に伴ない、出力軸14の軸心を回転中心として公転しつつ第1の歯車31と噛み合って自転し、第2の歯車32の歯数とは異なる歯数の第3の歯車33を有する。この第3の歯車33は、第2の従動歯車の一例である。
【0039】
第1の磁石12Mは、ドーナツ状であり、その内側に入力軸12が嵌合され、入力軸12と共に回転する。そして、少なくとも外周面に、N極及びS極が交互に配置されている。
【0040】
第1の歯車31は、スパイラルケーブルカバー41の上部の内周面の全周に設けられた歯車である。スパイラルケーブルカバー41が、ギヤハウジング11(11B)に固定されることで、第1の歯車31は、ギヤハウジング11(11B)に固定されるものになる。
【0041】
トルク検出装置30は、出力軸14に固定されて、出力軸14と共に回転するベース34を有している。そして、第2の歯車32及び第3の歯車33が、ベース34に回転可能に支持されている。言い換えれば、第2の歯車32及び第3の歯車33は、ギヤハウジング11(11B)に固定されるスパイラルケーブルカバー41に対して、出力軸14の軸心を回転中心として回転可能に設けられている。
【0042】
第2の歯車32の内側には、半円柱状のN極と半円柱状のS極とを有する円柱状の第2の磁石32Mが例えばインサート成形により装着されている。また、第3の歯車33の内側には、同じく半円柱状のN極と半円柱状のS極とを有する円柱状の第3の磁石33Mが例えばインサート成形により装着されている。これら第2の歯車32と第2の磁石32Mとで第1の従動体の一例を構成し、第3の歯車33と第3の磁石33Mとで第2の従動体の一例を構成する。
【0043】
ベース34には、配線パターン(不図示)が形成されたプリント基板35が、第2の歯車32及び第3の歯車33との間で所定の間隙を形成するように、例えばねじ止め等により装着されている。言い換えれば、プリント基板35は、ギヤハウジング11(11B)に固定されるスパイラルケーブルカバー41に対して、出力軸14の軸心を回転中心として回転可能に設けられている。
【0044】
プリント基板35には、
図2、
図4に示す如く、入力軸12の半径方向には第1の磁石12Mの外周面の外側であり、入力軸12の軸方向には第1の磁石12Mが設けられた領域内となるように相対角度センサ36が装着されている。本実施の形態に係る相対角度センサ36は、磁界によって抵抗値が変化することを利用した磁気センサであるMRセンサ(磁気抵抗素子)であることを例示することができる。そして、この相対角度センサ36が、第1の磁石12Mから発生される磁界に基づいて入力軸12と出力軸14との相対角度を検出する相対角度検出手段を構成する。
【0045】
また、プリント基板35には、第2の磁石32Mの中央部と対向する位置に、第2の磁石32Mとの間で所定の間隙を形成するように第1の検出手段の一例としての第1の回転角度センサ37が装着されている。また、プリント基板35には、第3の磁石33Mの中央部と対向する位置に、第3の磁石33Mとの間で所定の間隙を形成するように第2の検出手段の一例としての第2の回転角度センサ38が装着されている。本実施の形態に係る第1、2の回転角度センサ37、38も、MRセンサ(磁気抵抗素子)であることを例示することができる。そして、この第1、2の回転角度センサ37、38が、第2の歯車32の自転の角度と第3の歯車33の自転の角度とに基づいて出力軸14の回転角度を検出する回転角度検出手段を構成する。
【0046】
また、プリント基板35には、配線パターンと電気的に接続されたコネクタ39が取付けられており、このコネクタ39には、スパイラルケーブル40の一方の先端部に設けられたコネクタ(不図示)が接続されている。スパイラルケーブル40は、
図2、
図4に示す如く、ベース34の下方であってスパイラルケーブルカバー41の内側で渦状に巻かれている。そして、スパイラルケーブル40の一方の先端部は、ベース34に形成された孔を介してベース34の上方のプリント基板35のコネクタ39を介して角度センサ36、37、38に接続されている。また、スパイラルケーブル40の他方の先端部は、スパイラルケーブルカバー41に形成された孔を介してスパイラルケーブルカバー41に設けられた検出結果取出部42に接続されている。この検出結果取出部42の出力信号が、スパイラルケーブルカバー41の外部に取出され、電動パワーステアリング装置10の制御を行なう電子制御ユニット(ECU)(不図示)のプリント基板(制御基板)に設けられたコネクタ(不図示)に接続される。
【0047】
尚、トルク検出装置30は、相対角度センサ36の検出値を基に入力軸12と出力軸14との相対角度を演算する相対角度演算手段(不図示)と、第1、第2の回転角度センサ37、38の検出値を基に出力軸14の回転角度を演算する回転角度演算手段(不図示)と、を備えている。相対角度演算手段は、上述した相対角度検出手段を構成し、回転角度演算手段は上述した回転角度検出手段を構成する。そして、これらの演算手段は、プリント基板35とは別にスパイラルケーブルカバー41の外側に設けたプリント基板(例えば上述したECUに設けられた基板)に装着しても良いし、プリント基板35に装着しても良い。
【0048】
演算手段を、プリント基板35とは別のプリント基板に装着する場合には、相対角度センサ36及び第1、2の回転角度センサ37、38の検出値は、スパイラルケーブル40を介して演算手段に出力されるようにする。また、演算手段を、プリント基板35に装着する場合には、演算手段にて相対角度センサ36及び第1、2の回転角度センサ37、38の検出値に基づいて相対角度或いは回転角度を演算した後に、演算した結果を、スパイラルケーブル40を介してECUに出力する。
【0049】
しかるに、電動パワーステアリング装置10にあっては、
図5に示す如く、ギヤハウジング11(11B)に入力軸12、出力軸14、トーションバー13、ウォームギヤ22、ウォームホイール25、トルク検出装置30及びスパイラルケーブル40を組込み、電動モータ20は未だ組込まない中間組立状態からなる中間組立品の取扱い段階で、入力軸12、出力軸14及びウォームギヤ22のギヤ軸22Aの自由な回転を規制し、スパイラルケーブル40の異常な巻き回りを防止するため、以下の構成を具備する。
【0050】
即ち、電動パワーステアリング装置10は、上述の中間組立状態で、ギヤハウジング11(11B)に対してウォームギヤ22を回り止めする回り止め手段が装填される。本実施例では、回り止め手段が
図5〜
図7に示した回り止めアーム50からなるものとしている。
【0051】
回り止めアーム50は、ウォームギヤ22の電動モータ20と連結されるギヤ軸22Aに設けたセレーション22Sの少なくとも一部に結合される内周突起51Sを内周の周方向複数カ所に備えたボス部51と、ギヤハウジング11(11B)に設けたストッパ60に係止する尖り状等の外周突起52Sを外周の周方向複数カ所に備えた係止部52とを有する。
【0052】
尚、回り止めアーム50のボス部51は円筒状をなし、ボス部51の基端側の筒外周の複数位置(例えば3位置)からつまみ部53が放射状に突設されるとともに、ボス部51の先端側の筒外周の複数位置(例えば3位置)から係止部52が放射状に突設される。作業者は回り止めアーム50をギヤハウジング11に装填する回り止め形成時に、ボス部51の基端側の各つまみ部53を把持した状態で、ボス部51の内周突起51Sをウォームギヤ22のギヤ軸22Aのセレーション22Sにセレーション結合するとともに、ボス部51の先端側の各係止部52の外周突起52Sをギヤハウジング11(11B)に設けた各ストッパ60(後述の工具係合面61)に係止する。
【0053】
このとき、ギヤハウジング11(11B)に設けられる各ストッパ60は、ウォームギヤ22のギヤ軸22Aをギヤハウジング11(11B)に枢支する軸受23をギヤハウジング11Bに保持するために、特殊工具を用いてギヤハウジング11Aに螺着された前述のナット26の内周に設けてある例えば12角孔(特殊工具用に設けてある孔)の各角部からなる工具係合面61により構成される。
【0054】
回り止めアーム50の各係止部52は各ストッパ60を構成する工具係合面61の角部に係止する尖り三角山状の外周突起52Sの両側に突部52Rを備え、外周突起52Sが工具係合面61の角部頂点に係止するとき、外周突起52Sの両側の突部52Rを工具係合面61の角部頂点の両側稜面に圧接させ、この突部52Rに生ずる締代により回り止めアーム50のギヤハウジング11への装填状態(回り止め形成状態)を維持せしめる。
【0055】
尚、回り止めアーム50がギヤハウジング11(11B)に装填され、ウォームギヤ22がギヤハウジング11Bに対して回り止めされた状態で、回り止めアーム50はギヤハウジング11Bにおいて電動モータ20のモータケース21が取付けられ、かつ電動モータ20との連結のためのカップリング等が納められるカップ状部11D(
図5)の内部に収容される。回り止めアーム50はカップ状部11Dのモータケース21が取付けられる開口端面を含む平面よりもカップ状部11Dの内部に収容され、カップ状部11Dから外部に張り出て周辺の物品と衝突する等が防止されるようになっている。
【0056】
また、回り止めアーム50はプラスチック等の撓み易い材料から構成されることが好ましく、ギヤハウジング11(11B)へ繰り返し容易に装填、脱着できる。
【0057】
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)ギヤハウジング11(11B)に入力軸12、出力軸14、トーションバー13、ウォームギヤ22、ウォームホイール25、トルク検出装置30及びスパイラルケーブル40を組込み、電動モータ20は未だ組込まない中間組立状態で、ギヤハウジング11(11B)に対してウォームギヤ22を回り止めする回り止め手段が装填される。従って、入力軸12、出力軸14及びウォームギヤ22のギヤ軸22Aがギヤハウジング11(11B)の外部に露出している中間組立品の取扱い段階で、それらの軸に外部回転力が作用しても、回り止め手段がそれらの軸の自由な回転を規制する。これにより、スパイラルケーブル40の巻き状態が中立状態に維持され、スパイラルケーブル40の異常な巻き回りが防止される。スパイラルケーブル40の巻き数の異常な増加が回避され、スパイラルケーブル40の断線等を引き起こすことがなく、トルク検出機能を損なうことがない。巻き数が減少する場合には、スパイラルケーブル40がスパイラルケーブルカバー41に貼り付き、操舵トルクの増加につながる。
【0058】
(b)前記回り止め手段が回り止めアーム50からなり、回り止めアーム50が、ウォームギヤ22のギヤ軸22Aに設けたセレーション22Sに結合されるボス部51と、ギヤハウジング11(11B)に設けたストッパ60に係止する係止部52とを有する。
【0059】
回り止めアーム50のボス部51をウォームギヤ22のギヤ軸22Aに設けたセレーション22Sに結合し、係止部52をギヤハウジング11(11B)に設けたストッパ60に係止せしめることにより、ウォームギヤ22のギヤ軸22A、更には入力軸12、出力軸14の自由な回転を簡易に規制できる。
【0060】
(c)前記回り止めアーム50の係止部52が係止するようにギヤハウジング11(11B)に設けられるストッパ60が、ウォームギヤ22のギヤ軸22Aをギヤハウジング11(11B)に枢支する軸受23を該ギヤハウジング11(11B)に保持するために該ギヤハウジング11(11B)に螺着したナット26の内周に設けた工具係合面61である。
【0061】
回り止めアーム50の係合部を、ギヤハウジング11(11B)に螺着したナット26の内周の工具係合面61(ストッパ60)に係止できる。
【0062】
(d)前記回り止めアーム50が装填された状態で、回り止めアーム50がギヤハウジング11(11B)の電動モータ20が取付けられるカップ状部11Dの内部に収容される。
【0063】
回り止めアーム50はギヤハウジング11(11B)におけるカップ状部11Dのモータケース21が取付けられる開口端面を含む平面よりもカップ状部11Dの内部に収容され、カップ状部11Dから外部に張り出て周辺の物品と衝突する等が防止される。
【0064】
(実施例2)(
図8、
図9)
実施例2が実施例1と異なる点は、回り止めアーム50に代わる回り止めアーム70を採用したことにある。
【0065】
回り止めアーム70は、ウォームギヤ22の電動モータ20と連結されるギヤ軸22Aに設けたセレーション22Sの少なくとも一部に結合される内周突起71Sを内周の周方向複数位置に備えたボス部71と、ギヤハウジング11(11B)に設けたストッパ60に係止する係止部72とを有する。
【0066】
尚、回り止めアーム70のボス部71は円筒状をなし、ボス部71の基端側の筒外周からつまみ部73と係止部72が半径方向外方に突設される。本実施例では1個の係止部72と2個のつまみ部73が突設されている。作業者は回り止めアーム70をギヤハウジング11に装填する回り止め形成時に、ボス部71の基端側の係止部72及び各つまみ部73を把持した状態で、ボス部71の内周突起71Sをウォームギヤ22のギヤ軸22Aのセレーション22Sにセレーション結合する、又は、締代で保持するとともに、係止部72をギヤハウジング11(11B)に設けたストッパ60(後述する係止凸部62)に係止する。
【0067】
このとき、ギヤハウジング11(11B)に設けられるストッパ60は、ギヤハウジング11Bのカップ状部11Dの内面に設けられ、回り止めアーム70の係止部72に設けた凹部72Aが嵌合する係止凸部62により構成される。
【0068】
尚、回り止めアーム70がギヤハウジング11(11B)に装填された状態で、回り止めアーム70はギヤハウジング11Bのカップ状部11D(
図8)の内部に収容される。
【0069】
また、回り止めアーム70はプラスチック等の撓み易い材料から構成されることが好ましい。
【0070】
本実施例によれば、実施例1におけると同様の作用効果に加え、以下の作用効果を奏する。
回り止めアーム70の係止部72を、ギヤハウジング11Aの内面に設けた係止凸部62(ストッパ60)に嵌合して係止できる。
【0071】
(実施例3)(
図10、
図11)
実施例3が実施例1と異なる点は、回り止めアーム50に代わる回り止めアーム80を採用したことにある。
【0072】
回り止めアーム80は、ウォームギヤ22の電動モータ20と連結されるギヤ軸22Aに設けたセレーション22Sの少なくとも一部に結合される内周突起81Sを内周の周方向複数位置に備えたボス部81と、ギヤハウジング11(11B)に設けたストッパ60に係止する係止部82とを有する。
【0073】
尚、回り止めアーム80のボス部81は円筒状をなし、ボス部81の基端側の筒外周から扇状の係止部82が半径方向外方に拡開されて突設される。本実施例では1個の係止部82が突設されている。作業者は回り止めアーム80をギヤハウジング11に装填する回り止め形成時に、ボス部81及び係止部82の根元部を把持した状態で、ボス部81の内周突起81Sをウォームギヤ22のギヤ軸22Aのセレーション22Sにセレーション結合、又は、締代で保持するとともに、係止部82をギヤハウジング11(11B)に設けたストッパ60(後述の係止面部63)に係止する。
【0074】
このとき、ギヤハウジング11(11B)に設けられるストッパ60は、ギヤハウジング11Bのカップ状部11Dの内面に設けられ、回り止めアーム80の係止部82に設けた面部82Aが嵌合する係止面部63により構成される。
【0075】
尚、回り止めアーム80がギヤハウジグ11(11B)に装填された状態で、回り止めアーム80はギヤハウジング11Aのカップ状部11D(
図10)の内部に収容される。
【0076】
また、回り止めアーム80はプレスチック等の撓み易い材料から構成されることが好ましい。
【0077】
本実施例によれば、実施例1におけると同様の作用効果に加え、以下の作用効果を奏する。
回り止めアーム80の係止部82を、ギヤハウジング11Bの内面に設けた係止面部63(ストッパ60)に嵌合して係止できる。
【0078】
(実施例4)(
図12、
図13)
実施例4が実施例1と異なる点は、回り止めアーム50に代わる回り止めアーム90を採用したことにある。
【0079】
回り止めアーム90は、ウォームギヤ22の電動モータ20と連結されるギヤ軸22Aに設けたセレーション22Sの少なくとも一部に結合される内周突起91Sを内周の周方向複数位置に備えたボス部91と、ギヤハウジング11(11B)に設けたストッパ60に係止する係止部92とを有する。
【0080】
尚、回り止めアーム90のボス部91は円筒状をなし、ボス部91の基端側の筒外周から係止部92のレバー部92Aが半径方向外方に突設され、レバー部92Aの先端に係止ピン92Bが設けられる。本実施例では1個のレバー部92Aが突設されている。作業者は回り止めアーム90をギヤハウジング11に装填する回り止め形成時に、ボス部91及びレバー部92Aを把持した状態で、ボス部91の内周突起91Sをウォームギヤ22のギヤ軸22Aのセレーション22Sにセレーション結合する、又は締代で保持するとともに、係止部92をギヤハウジング11(11B)に設けたストッパ60(後述の係止孔部64)に係止する。
【0081】
このとき、ギヤハウジング11(11B)に設けられるストッパ60は、ギヤハウジング11Bのカップ状部11Dの内面に開口され、回り止めアーム90の係止部92の係止ピン92Bが係入する係止孔部64により構成される。係止孔部64として、ギヤハウジング11Bの気密試験用通気孔11E(
図8、
図10参照)を利用できる。
【0082】
尚、回り止めアーム90がギヤハウジグ11(11B)に装填された状態で、回り止めアーム90はギヤハウジング11Bのカップ状部11D(
図12)の内部に収容される。
【0083】
また、回り止めアーム90はプレスチック等の撓み易い材料から構成されることが好ましい。
【0084】
本実施例によれば、実施例1におけると同様の作用効果に加え、以下の作用効果を奏する。
回り止めアーム90の係止部92を、ギヤハウジング11Bの内面に開口させた係止孔部64(ストッパ60)に係入して係止できる。
【0085】
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。