【実施例】
【0075】
実施例
以下、実施例および試験実施例を参照して、本発明を具体的に説明するが、しかしながら、本発明は、これらにいかようにも限定されるものではない。
【0076】
ここで、実施例中の記号「NMR」と「MS」は、それぞれ、「核磁気共鳴」および「質量分析」とを意味する。クロマトグラフィーを使用する分離および精製の部分に記載される溶出のための溶媒の比率は、別途注記されない限り、体積比を指す。「NMR」とは、別途注記されない限り、1H−NMRを意味し、括弧の中の内容は、測定のための溶媒を示し、全例に対して、内部標準物質として、TMS(テトラメチルシラン)を使用した。さらに、「Anal. Calcd for RATIONAL FORMULA」と「required」は、それぞれ、元素分析および高分解能質量分析(HRMS)のための計算値を意味し、測定値は、「found」の後に得られる。加えて、高性能液体クロマトグラフィーでは、分析および精製は、以下の条件を使用して行った。
【0077】
分析HPLC
機器:SHIMADZU CLASS−VPシステム(LC−10ADVP/SCL−10AVP/SPD−M10AVP/CTO10ACVP/DGU12A);
オーブン:40℃、流速:1.0mL/分、検出:UV(254nm)。
分取HPLC
機器:SHIMADZU CLASS−VPシステム(LC−8A/SCL−10AVP/SIL−10AP/SPD−10AVP/FRC−10A);
オーブン:室温、流速:20mL/分、検出:UV(254nm)。
【0078】
(実施例1)
1−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−1−メチルプロピル]−4−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−5−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−ピロール−3−カルボキサミド
【0079】
【化6】
【0080】
無水N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)(0.53L)中、4−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−5−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−ピロール−3−カルボキサミド(28g、66mmol)の溶液に、ナトリウムtert−ブトキシド(15g、15mmol)を添加し、N
2下、30分間、室温で撹拌した。無水DMA(2.0ml)中、(4S,5S)−4,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサチオラン2,2−ジオキシド(15g、99mmol)を溶液に添加し、2.0時間、70℃で撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、2N HCl(0.14L)を添加し、回転蒸発機で濃縮した。本残留物に、無水テトラヒドロフラン(THF)(140ml)および5N HCl(0.14L)を添加し、90分間、60℃で撹拌した。この混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、NaHCO
3および塩水で飽和し、次いで、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、回転蒸発機で濃縮した。結果として得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し(ジクロロメタン:酢酸エチル、9:1から1:1)、白色固体(22.5g、69%)として、表題化合物のアトロプ異性体混合物を得た。
1H−NMR(500MHz、CDCl
3)δ:7.92−7.87(2H、m)、7.86−7.75(3.5H、m)、7.72(1H,s)、7.68−7.56(2H、m)、7.47(0.5H、s)、7.38−7.29(1H、m)、4.09−4.01(0.5H、m)、3.85−3.75(0.5H、m)、3.59−3.42(1H、m)、3.05(3H、s)、2.07(3H、s)、1.75−1.61(1H、m)、1.42(1.5H、d、J=6.8Hz)、1.34(1.5H、d、J=6.8Hz)、1.11(1.5H、d、J=6.4Hz)、1.03(1.5H、d、J=6.4Hz);
MS(ESI)m/z:495[M+H]
+。
滞留時間:5.8分(異性体A)、7.0分(異性体B)
キラルHPLC条件:AD−H(0.46cm×25cm)
溶離剤:ヘキサン−EtOH[70:30(v/v)、無勾配]
表題化合物のアトロプ異性体混合物(5.10g、10.3mmol)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル、1:1から1:9)によって分離し、白色固体として、アトロプ異性体のうちの1つ(異性体A、900mg、1.82mmol)を得た。
【0081】
実施例1−異性体A
1H−NMR(500MHz、CDCl
3)δ:7.91(2H、d、J=8.8Hz)、7.85−7.80(3H、m)、7.73(1H、s)、7.68−7.58(2H、m)、7.46(1H、s)、7.35(1H、d、J=6.8Hz)、3.85−3.75(1H、m)、3.58−3.50(1H、m)、3.06(3H、s)、2.07(3H、s)、1.58−1.50(1H、m)、1.42(3H、d、J=6.8Hz)、1.03(3H、d、J=6.4Hz)。
MS(ESI)m/z:495[M+H]
+
HRMS(ESI)calcd for C
24H
26F
3N
2O
4S[M+H]
+、required m/z495.1565、found 495.1570。
滞留時間:5.8分
キラルHPLC条件:AD−H(0.46cm×25cm)
溶離剤:ヘキサン−EtOH[70:30(v/v)、無勾配]
表題化合物のアトロプ異性体(1.0g、1.9mmol)をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離し(ヘキサン:酢酸エチル、1:1から1:9)白色固体として、別の異性体(異性体B、0.26g、0.50mmol)を得た。
【0082】
実施例1−異性体B
1H−NMR(500MHz、CDCl
3)δ:7.90(2H、d、J=8.3Hz)、7.84−7.80(3H、m)、7.78(1H、s)、7.72(1H、s)、7.68−7.57(2H、m)、7.31(1H、d、J=7.3Hz)、4.09−4.00(1H、m)、3.54−3.44(1H、m)、3.05(3H、s)、2.07(3H、s)、1.71(1H、d、J=4.9Hz)、1.33(3H、d、J=6.8Hz)、1.11(3H、d、J=6.4Hz)。
MS(ESI)m/z:495[M+H]+
HRMS(ESI)calcd for C
24H
26F
3N
2O
4S[M+H]
+、required m/z495.1565、found 495.1556。
滞留時間:7.0分
キラルHPLC条件:AD−H(0.46cm×25cm)
溶離剤:ヘキサン−EtOH[70:30(v/v)、無勾配]
(実施例2)
5−[4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−1−メチルプロピル]−4−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1H−ピロール−3−カルボキサミド
メチル5−[4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−1H−ピロール−3−カルボン酸の調製
【0083】
【化7】
【0084】
トルエン/水(10:1、10ml)中、メチル5−ブロモ−4−メチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(0.27g、1.2mmol)、[4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸(0.61g、2.9mmol)、Na
2CO
3(0.6g、5.7mmol)、およびパラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(96mg、0.083mmol)の混合物を、N
2下、1.5時間、110℃で撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈した。この混合物を水および塩水で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、回転蒸発機で濃縮した。結果として得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル、3:1から1:3)によって精製し、淡黄色固体として、表題化合物(0.23mg、62%)を得た。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)δ:8.35−8.25(1H、brs)、7.48(1H、dd、J=2.7、9.0Hz)、7.45(1H、d、J=3.1Hz)、7.40(1H、dd、J=5.5、8.2Hz)、7.30(1H、dt、J=2.7、8.2Hz)、3.82(3H、s)、2.15(3H、s)。
【0085】
5−[4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−1H−ピロール−3−カルボン酸の調製
【0086】
【化8】
【0087】
メタノール(4.0ml)中、メチル5−[4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(0.23g、0.77mmol)の溶液に、5N NaOH(3.0ml)を添加し、2.0時間、80℃で混合物を撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、2N HCl(8.0ml)を添加した。この混合物を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、回転蒸発機で濃縮した。結果として得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル、1:1から1:9)によって精製し、白色固体として、表題化合物(211mg、96%)を得た。
1H−NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ:11.62(1H、s)、11.34(1H、s)、7.74(1H、dd、J=2.5、9.2Hz)、7.59(1H、dt、J=2.5、8.6Hz)、7.48(1H、dd、J=5.8、8.6Hz)、7.32(1H、d、J=3.1Hz)、1.93(3H、s)。
【0088】
5−[4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1H−ピロール−3−カルボキサミドの調製
【0089】
【化9】
【0090】
ジクロロメタン(60ml)中、5−[4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(7.7g、27mmol)の懸濁液に、塩化オキサリル(5.1ml、59mmol)を添加した。2.0時間、混合物を室温で撹拌し、その後、溶媒を回転蒸発機から除去した。本茶色残留物に、4−(メタンスルホニル)塩酸アニリン(5.8g、28mmol)、テトラヒドロフラン(THF)(80ml)、およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(14ml、80mmol)を添加した。2.0時間、室温でこの溶液を撹拌した。反応混合物を濃縮し、残留物に、2N HCl(80ml)および水(80ml)を添加し、30分間、結果として得られた懸濁液を撹拌した。固体を濾過し、水およびジイソプロピルエーテル(IPE)で洗浄し、白色固体として、表題化合物(11g、90%)を得た。
1H−NMR(500MHz、DMSO−d
6)δ:11.40(1H、s)、9.93(1H、s)、7.98(2H、d、J=8.3Hz)、7.84(2H、d、J=8.3Hz)、7.77(1H、d、J=9.3Hz)、7.68(1H、s)、7.65−7.57(1H、m)、7.54−7.47(1H、m)、3.16(3H、s)、2.00(3H、s)。
【0091】
5−[4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−1−メチルプロピル]−4−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1H−ピロール−3−カルボキサミド
【0092】
【化10】
【0093】
無水DMA(160ml)中、5−[4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1H−ピロール−3−カルボキサミド(23g、52mmol)の溶液に、ナトリウムtert−ブトキシド(12g、0.12mol)を添加し、30分間、N
2下、室温で撹拌した。無水DMA(20ml)中、(4S,5S)−4,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサチオラン2,2−ジオキシド(12g、78mmol)をその溶液に添加し、2.0時間、70℃で撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、2N HCl(80ml)を添加し、回転蒸発機で濃縮した。本残留物に、無水THF(0.12L)および5N HCl(0.14L)を添加し、80分間、60℃で撹拌した。この混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和NaHCO
3、および塩水で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、回転蒸発機で濃縮した。結果として得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル、1:2、)によって精製し、淡黄色固体として、表題化合物のアトロプ異性体混合物(14.3g、52%)を得た。
MS(ESI)m/z:513[M+H]
+。
滞留時間:5.5分(異性体A)、8.3分(異性体B)
キラルHPLC条件:AD−H(0.46cm×25cm)
溶離剤:ヘキサン−EtOH[70:30(v/v)、無勾配]
上述と同様に、表題化合物のラセミ混合物を同一開始材料(0.5g、1.1mmol)から合成後、抽出後の結果として得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル、3:7から2:8)によって精製し、それぞれ、アトロプ異性体異性体A(91mg、0.18mmol)および異性体B(62mg、0.12mmol)を得た。
【0094】
実施例2−異性体A
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.87(2H、d、J=9.0Hz)、7.85−7.77(3H、m)、7.53(1H、d、J=8.6Hz)、7.48(1H、s)、7.37−7.33(2H、m)、3.84−3.74(1H、m)、3.57−3.48(1H、m)、3.05(3H、s)、2.06(3H、s)、1.70(1H、d、J=4.7Hz)、1.41(3H、d、J=6.7Hz)、1.04(3H、d、J=6.7Hz)。
MS(ESI)m/z:513[M+H]
+
HRMS(ESI)calcd for C
24H
25F
4N
2O
4S[M+H]
+、required m/z513.1471、found 513.1482.
滞留時間:5.5分
キラルHPLC条件:AD−H(0.46cm×25cm)
溶離剤:ヘキサン−EtOH[70:30(v/v)、無勾配]
実施例2−異性体B
1H−NMR(500MHz、CDCl
3)δ:7.89(2H、d、J=8.8Hz)、7.82(2H、d、J=8.8Hz)、7.78(1H、s)、7.73(1H、s)、7.53(1H、dd、J=3.0、8.3Hz)、7.39−7.23(2H、m)、4.10−4.00(1H、m)、3.50−3.40(1H、m)、3.05(3H、s)、2.05(3H、s)、1.73(1H、d、J=5.4Hz)、1.33(3H、d、J=6.8Hz)、1.13(3H、d、J=6.8Hz)。
MS(ESI)m/z:513[M+H]
+
HRMS(ESI)calcd for C
24H
25F
4N
2O
4S[M+H]
+、required m/z513.1471、found 513.1466.
滞留時間:8.3分
キラルHPLC条件:AD−H(0.46cm×25cm)
溶離剤:ヘキサン−EtOH[70:30(v/v)、無勾配]
(実施例3)
5−[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−1−メチルプロピル]−4−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1H−ピロール−3−カルボキサミド
メチル5−[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−1H−ピロール−3−カルボン酸の調製
【0095】
【化11】
【0096】
トルエン/水(9:1、10ml)中、メチル5−ブロモ−4−メチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(0.44g、2.0mmol)、[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン酸(0.90g、4.0mmol)、Na
2CO
3(0.64g、6.0mmol)、およびパラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(0.12g、0.10mmol)の混合物を、2.0時間、N
2下、110℃で撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈した。この混合物を水および塩水で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、回転蒸発機で濃縮した。結果として得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン)によって精製し、淡黄色固体として、表題化合物(0.41g、65%)を得た。
MS(ES)m/z:318[M+H]
+
5−[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−1H−ピロール−3−カルボン酸の調製
【0097】
【化12】
【0098】
メタノール(5.0ml)中、メチル5−[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(0.39g、1.3mmol)の溶液に、5N NaOH(5.0ml)を添加し、3.0時間、80℃で混合物を撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、蟻酸(3.0ml)を添加した。この混合物を回転蒸発機で濃縮した。残留物に、水を添加し、完全に粉砕した。固体を濾過および乾燥させ、茶色固体として、表題化合物(0.37g、93%)を得た。
1H−NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ:8.38(1H、s)、7.77(1H、s)、7.66−7.54(2H、m)、7.38(1H、d、J=8.2Hz)、2.19(3H、s)。
【0099】
5−[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1H−ピロール−3−カルボキサミドの調製
【0100】
【化13】
【0101】
ジクロロメタン(5.0ml)中、5−[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(0.36g、1.2mmol)の懸濁液に、塩化オキサリル(0.3ml、3.5mmol)を添加した。1.0時間、混合物を室温で撹拌し、その後、溶媒を回転蒸発機から除去した。本茶色残留物に、THF(5.0ml)、4−(メタンスルホニル)塩酸アニリン(0.3g、1.4mmol)、およびDIEA(0.81ml、4.8mmol)を添加した。3.0時間、この溶液を室温で撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、回転蒸発機で濃縮した。残留物に、IPEを添加し、完全に粉砕した。固体を濾過し、表題化合物(0.24g、44%)を得た。
1H−NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ:11.39(1H、s)、9.92(1H、s)、7.97(2H、d、J=9.0Hz)、7.96(1H、s)、7.87−7.79(3H、m)、7.69(1H、d、J=3.1Hz)、7.47(1H、d、J=8.2Hz)、3.15(3H、s)、2.01(3H、s)。
【0102】
5−[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]−1−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−1−メチルプロピル]−4−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1H−ピロール−3−カルボキサミド
【0103】
【化14】
【0104】
無水DMA(234ml)中、5−[4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1H−ピロール−3−カルボキサミド(21g、47mmol)の溶液に、ナトリウムtert−ブトキシド(10g、0.11mol)を添加し、30分間、N
2下、室温で撹拌した。無水DMA(50ml)中の(4S,5S)−4,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサチオラン2,2−ジオキシド(11g、70mmol)をこの溶液に添加し、2.0時間、70℃で撹拌した。反応混合物を0℃まで冷却し、2N HCl(100ml)を添加し、回転蒸発機で濃縮した。本残留物に、無水THF(120ml)および5N HCl(120ml)を添加し、90分間、60℃で撹拌した。この混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和NaHCO
3、および塩水で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、回転蒸発機で濃縮した。結果として得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル、1:1から1:9)によって精製し、白色固体として、表題化合物のアトロプ異性体混合物(10.9g、44%)を得た。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.94−7.86(2H、m)、7.85−7.79(3H、m)、7.76(1H、s)、7.73(0.5H、s)、7.66−7.60(1H、m)、7.47(0.5H、s)、7.34−7.24(1H、m)、4.10−4.00(0.5H、m)、3.83−3.73(0.5H、m)、3.58−3.42(1H、m)、3.05(3H、s)、2.07(3H、s)、1.74−1.58(1H、m)、1.42(1.5H、d、J=7.0Hz)、1.33(1.5H、d、J=7.0Hz)、1.13(1.5H、d、J=6.7Hz)、1.04(1.5H、d、J=6.7Hz)。
MS(ESI)m/z:529[M+H]
+
滞留時間:5.1分(異性体A)、5.7分(異性体B)
キラルHPLC条件:AD−H(0.46cm×25cm)
溶離剤:ヘキサン−EtOH[70:30(v/v)、無勾配]
上述から得られたアトロプ異性体混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル、1:1から1:9)によって分離し、異性体Aおよび異性体Bを得た。
【0105】
実施例3−異性体A
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.91(2H、d、J=8.6Hz)、7.84−7.79(3H、m)、7.70(1H、s)、7.62(1H、dd、J=2.4、8.2Hz)、7.45(1H、s)、7.31(1H、d、J=8.2Hz)、3.83−3.75(1H、m)、3.57−3.49(1H、m)、3.05(3H、s)、2.07(3H、s)、1.51(1H、d、J=2.4Hz)、1.42(3H、d、J=7.0Hz)、1.04(3H、d、J=6.3Hz)。
MS(ESI)m/z:529[M+H]
+
HRMS(ESI)calcd for C
24H
25ClF
3N
2O
4S[M+H]
+、required m/z529.1176、found 529.1192.
滞留時間:5.1分
キラルHPLC条件:AD−H(0.46cm×25cm)
溶離剤:ヘキサン−EtOH[70:30(v/v)、無勾配]
実施例3−異性体B
1H−NMR(500MHz、DMSO−d
6)δ:9.93(1H、s)、8.02−7.94(4H、m)、7.89−7.82(3H、m)、7.48(1H、d、J=7.8Hz)、5.05(1H、d、J=5.9Hz)、3.86−3.76(1H、m)、3.35−3.27(1H、m)、3.17(3H、s)、1.92(3H、s)、1.31(3H、d、J=6.8Hz)、0.92(3H、d、J=6.4Hz)。
MS(ESI)m/z:529[M+H]
+
HRMS(ESI)calcd for C
24H
25ClF
3N
2O
4S[M+H]
+、required m/z529.1176、found 529.1179.
滞留時間:5.7分
キラルHPLC条件:AD−H(0.46cm×25cm)
溶離剤:ヘキサン−EtOH[70:30(v/v)、無勾配]
(実施例4)
5−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−1−メチルプロピル]−4−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1H−ピロール−3−カルボキサミド
メチル5−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−ピロール−3−カルボン酸の調製
【0106】
【化15】
【0107】
トルエン/水(10:1、25ml)中、メチル5−ブロモ−4−メチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(0.63g、2.8mmol)、(2−クロロ−4−フルオロフェニル)ボロン酸(1.0g、5.7mmol)、Na
2CO
3(0.91g、8.6mmol)、およびパラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(0.17g、0.14mmol)の混合物を、9.0時間、N
2下、110℃で撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈した。この混合物を水および塩水で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、回転蒸発機で濃縮した。結果として得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル、6:1から1:1)によって精製し、白色固体として、表題化合物(634mg、84%)を得た。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)δ:8.50−8.20(1H、brs)、7.48(1H、d、J=3.1Hz)、7.33(1H、dd、J=6.3、8.6Hz)、7.24(1H、dd、J=2.7、8.2Hz)、7.06(1H、dt、J=2.7、8.2Hz)、3.82(3H、s)、1.57(3H、s)。
【0108】
5−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−ピロール−3−カルボン酸の調製
【0109】
【化16】
【0110】
メタノール(10ml)中、メチル5−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(0.64g、2.4mmol)の溶液に、5N NaOH(10ml)を添加し、4.0時間、80℃で混合物を撹拌した。反応混合物を回転蒸発機で濃縮した。残留物に、水を添加し、Et
2Oで洗浄した。結果として得られた溶液を濃縮HClで中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および塩水で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、回転蒸発機で濃縮し、茶色固体として、表題化合物(610mg、quant)を得た。
1H−NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ:11.67(1H、s)、11.43(1H、s)、7.57(1H、dd、J=2.7、9.0Hz)、7.43(1H、dd、J=6.3、8.6Hz)、7.38(1H、d、J=3.1Hz)、7.31(1H、dt、J=2.7、8.6Hz)、2.05(3H、s)。
【0111】
5−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−4−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1H−ピロール−3−カルボキサミドの調製
【0112】
【化17】
【0113】
ジクロロメタン(30ml)中、5−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(0.61g、2.4mmol)の懸濁液に、塩化オキサリル(0.41ml、4.8mmol)を添加した。2.0時間、混合物を室温で撹拌し、その後、溶媒を回転蒸発機から除去した。本茶色残留物に、THF(40ml)、4−(メタンスルホニル)塩酸アニリン(495mg、2.38mmol)、およびDIEA(1.6ml、9.5mmol)を添加した。20時間、この溶液を室温で撹拌した。反応混合物を回転蒸発機で濃縮し、2N HCl(30ml)を残留物に添加した。固体を濾過し、2N HCl、水、およびIPEで洗浄し、茶色固体として、表題化合物(812mg、84%)を得た。
1H−NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ:11.49(1H、s)、9.94(1H、s)、8.00(2H、d、J=9.0Hz)、7.85(2H、d、J=9.0Hz)、7.74(1H、d、J=3.1Hz)、7.60(1H、dd、J=2.7、9.0Hz)、7.46(1H、dd、J=6.3、8.6Hz)、7.33(1H、dt、J=2.7、8.6Hz)、3.17(3H、s)、2.12(3H、s)。
【0114】
5−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−[(1R,2S)−2−ヒドロキシ−1−メチルプロピル]−4−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1H−ピロール−3−カルボキサミドの調製
【0115】
【化18】
【0116】
無水DMA(8.0ml)中、5−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−4−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−1H−ピロール−3−カルボキサミド(0.50g、1.2mmol)の溶液に、ナトリウムtert−ブトキシド(0.27g、2.8mmol)を添加し、30分間、N
2下、室温で撹拌した。無水DMA(2.0ml)中、(4S,5S)−4,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサチオラン2,2−ジオキシド(0.28g、1.8mmol)をこの溶液に添加し、2.0時間、70℃で撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、2N HCl(2.0ml)を添加し、回転蒸発機で濃縮した。本残留物に、無水THF(4.0ml)および5N HCl(5.0ml)を添加し、80分間、60℃で撹拌した。この混合物を酢酸エチルで希釈し、水、飽和NaHCO
3、および塩水で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、回転蒸発機で濃縮した。結果として得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル、3:7から2:8)によって精製し、白色固体として、表題化合物のアトロプ異性体混合物(0.29g、50%)を得た。
MS(ESI)m/z:479[M+H]
+
滞留時間:7.0分(異性体A)、10.4分(異性体B)
キラルHPLC条件:AD−H(0.46cm×25cm)
溶離剤:ヘキサン−EtOH[70:30(v/v)、無勾配]
上述から得られたアトロプ異性体混合物を、キラルHPLC[カラム:CHIRALPAK AD−H(20mm×250mm)、溶離剤:ヘキサン−エタノール(70:30、v/v)]によって分離し、異性体Aおよび異性体Bを得た。
【0117】
実施例4−異性体A
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.90(2H、d、J=9.0Hz)、7.81(2H、d、J=9.0Hz)、7.79(1H、s)、7.47(1H、s)、7.31−7.25(2H、m)、7.10(1H、dt、J=2.7、8.2Hz)、3.80−3.70(1H、m)、3.67−3.57(1H、m)、3.06(3H、s)、2.15(3H、s)、1.59(1H、d、J=5.1Hz)、1.52(3H、d、J=7.0Hz)、0.98(3H、d、J=6.3Hz)。
MS(ESI)m/z:479[M+H]
+
HRMS(ESI)calcd for C
23H
25ClFN
2O
4S[M+H]
+、required m/z479.1208、found 479.1194
滞留時間:7.0分
キラルHPLC条件:AD−H(0.46cm×25cm)
溶離剤:ヘキサン−EtOH[70:30(v/v)、無勾配]
実施例4−異性体B
1H−NMR(400MHz、CDCl
3)δ:7.91(2H、d、J=9.0Hz)、7.82(2H、d、J=9.0Hz)、7.76(1H、s)、7.55(1H、s)、7.32−7.21(2H、m)、7.11(1H、dt、J=2.7、8.2Hz)、4.00−3.89(1H、m)、3.69−3.60(1H、m)、3.06(3H、s)、2.15(3H、s)、1.58(1H、d、J=7.4Hz)、1.43(3H、d、J=6.7Hz)、1.06(3H、d、J=6.3Hz)。
MS(ESI)m/z:479[M+H]
+
HRMS(ESI)calcd for C
23H
25ClFN
2O
4S[M+H]
+、required m/z479.1208、found 479.1207
滞留時間:10.4分
キラルHPLC条件:AD−H(0.46cm×25cm)
溶離剤:ヘキサン−EtOH[70:30(v/v)、無勾配]。
【0118】
以下の試験実施例では、1−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−5−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−ピロール−3−カルボキサミドが、最も好適な比較化合物として、従来技術(WO2006/012642)に記載の化合物から選択され、使用された。
【0119】
(試験実施例1)
酵母転写因子GAL4(アミノ末端における147のアミノ酸に相当)のDNA結合ドメインに結合した、ヒトミネラルコルチコイド受容体(hMR、NM_000901)のリガンド結合ドメイン(LBD、カルボキシ末端における約308のアミノ酸に相当)を有する、GAL4−hMR受容体を発現するプラスミドpM−hMR−LBDを調製した。レポーターアッセイを、GAL4のDNA結合ドメインに結合する配列(UAS配列)を有する、ルシフェラーゼ遺伝子を含む、レポータープラスミド(STRATAGENE CLONING SYSTEMS、pFR−Luc等)を使用して行った。
【0120】
上述で得られたプラスミドpM−hMR−LBDおよびレポータープラスミドを、リポフェクションによって、ヒト胎児の腎細胞株HEK293に遺伝子導入した。翌日、トリプシン処理によって細胞を採取し、活性炭によって処理された5%のFBSを含有するDMEM培地とともに、1ウェルあたり95マイクロリットルの量として、白色96−ウェルプレート(Costar)に分注した。
【0121】
所定の濃度で、ジメチルスルホキシド中に溶解することによって、試験化合物を使用し、最終濃度が0.1%となるように、培地で好適に希釈された試験化合物を白色96−ウェルプレート上の細胞に添加した。試験化合物を添加する際、1nMのアルドステロンを加えた。対照群1のウェル群は、ジメチルスルホキシドが添加され、対照群2のウェル群は、1nMのアルドステロンが添加された。添加後、一晩、培養した。
【0122】
翌日、培地を除去し、次いで、添付に従って、ルシフェラーゼ基質(Wako Pure Chemical Industries, Ltd.)を調製し、50マイクロリットルずつ、各ウェルに添加した。約30分間、撹拌し、Analyst(Molecular Devices)を使用して、各ウェルの発光量を測定し、ルシフェラーゼ活性を得た。試験化合物添加群の量のそれぞれに対して、対照群1のルシフェラーゼ活性値が、0%として得られ、対照群2のルシフェラーゼ活性値が、100%として得られた時の相対的ルシフェラーゼ活性値をプロットしたグラフを作成した。グラフから、最大値を示す試験化合物の濃度をImax(%)として計算し、Imax/2を示す濃度をICmax50(nM)として計算した。ICmax50値を表1に示す。
【0123】
(結果)
本発明のアトロプ異性体に関する、以下の(表3)に示されるように、アトロプ異性体のうちの1つのみが、対応するアトロプ異性体混合物と比較して、強力な活性を有し、有意なミネラルコルチコイド受容体拮抗作用を示した。
【0124】
【表3】
【0125】
(試験実施例2)
カニクイザル(オス)を使用して、試験化合物の投与前日から空腹状態とした。
【0126】
投与試料は、用量が、3mg/2ml/kgとなるように、0.5%MC(メチルセルロース)溶液を試験化合物に添加することによって調製した。投与試料はそれぞれ、チューブを使用して、カニクイザルの胃内に投与した。試料投与後、約5mlの0.5%MCを投与した。投与試料のそれぞれに対して、2匹のカニクイザルの群に投与した。
【0127】
採血に関しては、投与前と、投与30分後、1時間後、2時間後、4時間後、6時間後、8時間後、24時間後、および48時間後に、ヘパリンで処理したガラス注射器を使用して、大腿静脈から約0.5mlの血液を採血することによって行った。血液を遠心分離させ(1,700×g、15分、4℃)、血漿を得た。血漿は、事前処理まで、冷凍庫(−20℃)で保管した。
【0128】
標準溶液および内部標準(「IS」)溶液の調製:試験化合物はそれぞれ、DMSO(ジメチルスルホキシド)中に溶解し、各10mMの溶液を調製した。化合物溶液はそれぞれ、アセトニトリルで希釈し、このようにして、標準的溶液を調製した。さらに、ニフルム酸(Wako Pure Chemistry Industries, Ltd.)を、2mMの濃度で、DMSO中に溶解し、その後、アセトニトリルで希釈し、2μMのIS溶液を調製した。
【0129】
血漿試料の事前処理:20μLの血漿試料を採取し、次いで、25μLの精製水、100μLのアセトニトリル、および100μLのメタノールを添加した。較正曲線の調製のため、25μLの精製水、20μLの各標準溶液(アセトニトリル溶液)、80μLのアセトニトリル、および100μLのメタノールを、20μLの空の血漿に添加した。40μLのアセトニトリル溶液のISを、試料すべてに添加し、次いで、それらの試料を撹拌し、Captivaフィルタープレート(Varian, Inc.)を使用した吸引によって濾過し、次いで、濾液をLC−MS/MS分析のための試料として使用した。
【0130】
試験化合物の定量分析:各試験化合物に対して、LC−MS/MS方法によって、血漿中の濃度を分析した。
[HPLC分析条件]
HPLC:WATERS 2795(Waters Corporation);
カラム:CAPCELL PAK C8、内径2.0mm×50mm、5μm(Shiseido Co., Ltd.)
移動相:A=5mM含水酢酸アンモニウム溶液、B=アセトニトリル
[MS/MS分析条件]
MS:Quattro micro API(Waters Corporation)
イオン化方法:Electrospray Ionization(「ESI」)
イオン化モード:陽
検出モード:MRM
分析:薬物動態パラメータを、WinNonlin Professional(Ver. 4.0.1、Pharsight Corporation)を使用して、血漿中の薬物のそれぞれの濃度から計算した。ここでは、非コンパートメントモデルを、パラメータ計算のためのモデルとして使用した。
【0131】
(結果)
(表4)に示されるように、以下に列挙される比較化合物と実施例化合物の評価の結果は、試験実施例1に記載の高活性を有するアトロプ異性体が、ラセミ形態にある比較化合物と比較して、非常に高濃度を示すことを明らかにした。
【0132】
【表4】
【0133】
(産業上の利用可能性)
本発明の一般式(I)によって表される化合物のアトロプ異性体は、特に、優れたミネラルコルチコイド受容体拮抗作用、降圧作用、血管拡張作用、心臓保護作用、腎症阻害作用、抗動脈硬化作用、および利尿作用等の薬理学的活性を示し、安全性が高いため、高血圧症、狭心症、急性冠動脈症候群、鬱血性心不全、糖尿病性腎症を含む腎症、動脈硬化症、脳梗塞、線維症、および原発性アルドステロン症のための予防薬または治療薬として有用である。