【実施例】
【0052】
以下、本発明の技術的特徴および工程を下記の好ましい実施例を通じて詳しく説明する。しかしながら、これらの実施例は単に本発明を理解するためのに過ぎず、本発明の範囲が下記の実施例によって限定されない。
【0053】
実施例1:1−[2−(4−ペンチル−ビシクロヘキシル)エテニル]−4−(4−ビニル−シクロヘキシル)ベンゼン
(実施例1−1)
4−(4−ブロモフェニル)シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル
【化25】
メチル−4−フェニルシクロヘキサンカルボキシラート10g(45.8mmol)およびタリウム(III)ニトラート3.46g(7.78mmol)をクロロホルムに溶解した。得られた溶液120mLの温度を0℃まで下げた。得られた溶液に、Br
21.87mL(36.6mmol)を滴下し、室温で24時間反応させた。その後、反応溶液を10%NaOH水溶液で中和し、クロロホルムで抽出した後、無水Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧下で濃縮した。得られた物質をエタノールで再結晶化させ、4−(4−ブロモフェニル)シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル7.7gを収率57%で得た。
【0054】
(実施例1−2)
4−{4−[2−(4−ペンチル−シクロヘキシル)−エテニル]−フェニル}−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル
【化26】
ポタシウムホスファート12.8g(60.1mmol)、前記実施例1−1の4−(4−ブロモフェニル)シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル14.3g(48mmol)および1−ペンチル−4−ビニルビシクロヘキサン10.5g(40mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド(DMA)に溶解した。得られた溶液180mLをアルゴンガスを充填したフラスコに入れた。その後、パラジウムアセタート0.17g(触媒量)をフラスコに加え、120℃の油浴中で32時間反応させた。反応後に反応混合物に蒸溜水100mLを加え、エチルアセタートで抽出した。水層をクロロホルムで抽出した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した後、エタノールで再結晶化させて、4−{4−[2−(4−ペンチル−ビシクロヘキシル)−エテニル]−フェニル}シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル12.3gを収率64%で得た。
【0055】
(実施例1−3)
トランス−4−{4−[2−(4−ペンチルビシクロヘキシル)エテニル]フェニル}シクロヘキサンカルバルデヒド
【化27】
ビトライド(3.3Mトルエン溶液、10eq、26.6ml、87.7mmol)を、0℃でアルゴンガスを満たしたフラスコに注射器で入れ、ここにモルホリン(10eq、7.67ml、87.7mmol)を注射器で徐々に滴下した。その後、トルエン(モルホリンのmmolの半分、44ml)を注射器で滴下し、ビトライド溶液を製造した。アルゴンガスを満たした他の2口フラスコに、前記実施例1−2で得られたシクロヘキサンカルボキシラート化合物(4.20g、8.77mmol)のトルエン溶液88mlを入れ、前記ビトライド溶液を−70℃で30分徐々に滴下した。反応溶液を−30℃〜−50℃を維持しつつ6時間撹拌後、フラスコに非常にゆっくり水を1滴ずつ加えた。次いで、1MHClをフラスコに徐々に加えて反応溶液を中和させた。得られた白い沈殿物を減圧下でろ過し、ろ液をトルエン(20ml×3回)で抽出した。有機層を集めて蒸溜水(10ml×2回)で洗浄後、無水Na
2SO
4で乾燥させ、その後減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:エーテル=5:1、Rf=0.32)で精製し、トランス−4−{4−[2−(4−ペンチルビシクロヘキシル)エテニル]フェニル}シクロヘキサンカルバルデヒド1.69gを収率43%で得た。
【0056】
(実施例1−4)
1−[2−(4−ペンチル−ビシクロヘキシル)エテニル]−4−(4−ビニルシクロヘキシル)ベンゼン
【化28】
ポタシウムtert−ブトキシド(1.0eq、0.44g、3.62mmol)を、フラスコに満たされたメチルトリフェニルホスホニウムブロミド(1.2eq、1.55g、4.33mmol)のTHF(32ml)溶液に、3分間撹拌しながら徐々に添加した。その後、上記溶液を室温で30分間撹拌し、前記実施例1−3で得られたトランス−4−{4−[2−(4−ペンチルビシクロヘキシル)エテニル]フェニル}シクロヘキサンカルバルデヒド(1.62g、3.62mmol)のTHF溶液35mlを、上記反応混合物に10分間徐々に滴下し、室温で24時間撹拌した。
【0057】
白い沈殿物を減圧下でろ過し、ろ液に水100mlを加えてエーテル(20ml×1回)で抽出した。水層をクロロホルム(20ml×3回)で抽出した。有機層を集めて、水(30ml×2回)、塩水(brine、20ml×1回)で洗浄後、無水Na
2SO
4で乾燥させ、その後減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン、Rf=0.36)で精製した。残渣をクロロホルム3mlに溶かし、冷エタノール8mlをスポイトで1滴ずつ滴下し、ガラス棒で撹拌して再結晶化させ、1−[2−(4−ペンチル−ビシクロヘキシル)エテニル]−4−(4−ビニル−シクロヘキシル)ベンゼン1.42gを収率88%で得た。
1HNMRδ0.87(t,3H),0.94−2.00(m,37H),2.43(tt,1H),4.91(d,1H),5.00(d,1H),5.82(ddd,1H),6.10(dd,1H),6.30(d,1H),7.20(d,2H),7.27(d,2H)
M+=446
相転移温度:C239.2℃ N>300℃ I
【0058】
実施例2:1−[2−(4−プロピル−シクロヘキシル)−エテニル]−4−(4−ビニル−シクロヘキシル)ベンゼン
(実施例2−1)
4−{4−[2−(4−プロピル−シクロヘキシル)−エテニル]−フェニル}−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル
【化29】
ポタシウムホスファート12.8g(60.1mmol)、前記実施例1−1で製造された4−(4−ブロモフェニル)シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル14.3g(48mmol)および1−プロピル−4−ビニルシクロヘキサン6.09g(40mmol)を含むN,N−ジメチルアセトアミド(DMA)溶液180mLを、アルゴンガスを満たしたフラスコに入れた。次いで、パラジウムアセタート0.17g(触媒量)をフラスコに加え、120℃の油浴中で32時間反応させた。反応後、反応混合物に蒸溜水100mLを加え、エチルアセタートで抽出し、水層をクロロホルムで抽出した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮後に、エタノールで再結晶化させて、4−{4−[2−(4−プロピル−シクロヘキシル)−エテニル]−フェニル}シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル8.8gを収率60%で得た。
【0059】
(実施例2−2)
トランス−4−{4−[2−(4−プロピルシクロヘキシル)エテニル]フェニル}シクロヘキサンカルバルデヒド
【化30】
ビトライド(3.3Mトルエン溶液、10eq、26.6ml、87.7mmol)を0℃でアルゴンガスを満たしたフラスコに注射器で入れ、モルホリン(10eq、7.67ml、87.7mmol)を注射器で徐々に滴下した。次いで、トルエン(モルホリンのmmolの半分、44ml)を注射器で滴下し、ビトライド溶液を製造した。アルゴンガスを満たした他の2口フラスコに、前記実施例1−2で得られたシクロヘキサンカルボキシラート化合物(4.20g、8.77mmol)のトルエン溶液(88ml)を入れ、前記ビトライド溶液を−70℃で30分間徐々に滴下した。−30℃〜−50℃を維持しつつ6時間撹拌し、フラスコに非常にゆっくり水を1滴ずつ加えた。そのフラスコに1MHClを徐々に加え、反応溶液を中和した。白い沈殿物を減圧下でろ過し、ろ液をトルエン(20ml×3回)で抽出した。有機層を集め、蒸溜水(10ml×2回)で洗浄後、無水Na
2SO
4で乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:エーテル=5:1、Rf=0.32)で精製し、トランス−4−{4−[2−(4−プロピルシクロヘキシル)エテニル]フェニル}シクロヘキサンカルバルデヒド1.34gを得た(収率:45%)。
【0060】
(実施例2−3)
1−[2−(4−プロピル−シクロヘキシル)エテニル]−4−(4−ビニルシクロヘキシル)ベンゼン
【化31】
ポタシウムtert−ブトキシド(1.0eq、0.44g、3.62mmol)を、メチルトリフェニルホスホニウムブロミド(1.2eq、1.55g、4.33mmol)のTHF32ml溶液に3分間徐々に添加した。その後、室温で30分間撹拌し、反応混合物に前記実施例2−2で得られたトランス−4−{4−[2−(4−プロピルシクロヘキシル)エテニル]フェニル}シクロヘキサンカルバルデヒド(1.23g、3.62mmol)のTHF溶液35mlを10分間徐々に滴下し、その後室温で24時間撹拌した。
【0061】
白い沈殿物を減圧下でろ過し、ろ液に水100mlで洗浄し、エーテル(20ml×1回)で抽出した。その水層をクロロホルム(20ml×3回)で抽出した。有機層を集め、水(30ml×2回)、塩水(brine、20ml×1回)で洗浄後、無水Na
2SO
4で乾燥させ、その後減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン、Rf=0.36)で精製した。残渣をクロロホルム(3ml)に溶かし、冷エタノール8mlをスポイトで1滴ずつ滴下し、ガラス棒で撹拌して再結晶化させ、1−[2−(4−プロピル−シクロヘキシル)エテニル]−4−(4−ビニル−シクロヘキシル)ベンゼン0.98gを収率80%で得た。
1HNMRδ0.87(t,3H),0.93−1.92(m,37H),2.43(tt,1H),4.94(d,1H),5.02(d,1H),5.81(ddd,1H),6.14(dd,1H),6.33(d,1H),7.12(d,2H),7.27(d,2H)
M+=336
相転移温度:C101.2℃ N199.0℃ I
【0062】
実施例3:1−[2−(4−プロピル−ビシクロヘキシル)−エテニル]−4−(4−ビニル−シクロヘキシル)ベンゼン
(実施例3−1)
4−{4−[2−(4−プロピル−ビシクロヘキシル)−エテニル]−フェニル}−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル
【化32】
アルゴンガスを満たしたフラスコに、ポタシウムホスファート12.8g(60.1mmol)、前記実施例1−1で得られた4−(4−ブロモフェニル)シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル14.3g(48mmol)および1−プロピル−4−ビニルビシクロヘキサン9.38g(40mmol)を含むN,N−ジメチルアセトアミド(DMA)溶液180mLを入れた。次いで、パラジウムアセタート0.17g(触媒量)をフラスコに加え、120℃の油浴中で32時間反応させた。反応後、反応混合物に蒸溜水100mLを加え、エチルアセタートで抽出し、その後水層をクロロホルムで抽出した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮後、エタノールで再結晶化させ、4−{4−[2−(4−プロピル−ビシクロヘキシル)−エテニル]−フェニル}シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル10.5gを収率58%で得た。
【0063】
(実施例3−2)
トランス−4−{4−[2−(4−プロピルビシクロヘキシル)エテニル]フェニル}シクロヘキサンカルバルデヒド
【化33】
0℃でアルゴンガスを満たしたフラスコに、ビトライド(3.3Mトルエン溶液、10eq、26.6ml、87.7mmol)を注射器で入れ、モルホリン(10eq、7.67ml、87.7mmol)を注射器で徐々に滴下した。次いで、トルエン(モルホリンのmmolの半分、44ml)を注射器で滴下し、ビトライド溶液を製造した。アルゴンガスを満たした他の2口フラスコに、前記実施例3−1で得られたシクロヘキサンカルボキシラート化合物(4.20g、8.77mmol)のトルエン溶液(88ml)を入れ、前記ビトライド溶液を−70℃で30分間徐々に滴下した。−30℃〜−50℃を維持しつつ6時間撹拌後、フラスコに非常にゆっくり水を1滴ずつ加えた。1MHClを徐々に加えて反応溶液を中和させた。白い沈殿物を減圧下でろ過し、ろ液をトルエン(20ml×3回)で抽出した。有機層を集め、蒸溜水(10ml×2回)で洗浄後、無水Na
2SO
4で乾燥させ、その後減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:エーテル=5:1、Rf=0.32)で精製し、トランス−4−{4−[2−(4−プロピルビシクロヘキシル)エテニル]フェニル}シクロヘキサンカルバルデヒド(1.10g)を収率:30%で得た。
【0064】
(実施例3−3)
1−[2−(4−プロピル−ビシクロヘキシル)エテニル]−4−(4−ビニルシクロヘキシル)ベンゼン
【化34】
ポタシウムtert−ブトキシド(1.0eq、0.44g、3.62mmol)を、メチルトリフェニルホスホニウムブロミド(1.2eq、1.55g、4.33mmol)のTHF32ml溶液を撹拌しつつ3分間徐々に添加した。その後、室温で30分間撹拌し、反応混合物に前記実施例3−2で得られたトランス−4−{4−[2−(4−プロピルビシクロヘキシル)エテニル]フェニル}シクロヘキサンカルバルデヒド(1.52g、3.62mmol)のTHF溶液35mlを10分間徐々に滴下し、その後、室温で24時間撹拌した。白い沈殿物を減圧下でろ過し、ろ液を水100mlで洗浄し、加えてエーテル(20ml×1回)で抽出した。その水層をクロロホルム(20ml×3回)で抽出した。有機層を集めて水(30ml×2回)、塩水(brine、20ml×1回)で洗浄後、無水Na
2SO
4で乾燥させ、その後減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン、Rf=0.36)で精製した。残渣をクロロホルム3mlに溶かし、冷エタノール8mlをスポイトで1滴ずつ滴下し、ガラス棒で撹拌して再結晶化させて1−[2−(4−プロピル−ビシクロヘキシル)エテニル]−4−(4−ビニル−シクロヘキシル)ベンゼン(0.85g)を得た(収率:56%)。
1HNMRδ0.87(t,3H),1.00−1.92(m,37H),2.44(tt,1H),4.90(d,1H),4.98(d,1H),5.82(ddd,1H),6.11(dd,1H),6.30(d,1H),7.14(d,2H),7.27(d,2H)
M+=418
相転移温度:C197.2℃ I
【0065】
実施例4:1−[2−(4−ペンチル−シクロヘキシル)−エテニル]−4−(4−ビニル−シクロヘキシル)ベンゼン
(実施例4−1)
4−{4−[2−(4−ペンチル−シクロヘキシル)−エテニル]−フェニル}−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル
【化35】
アルゴンガスを満たしたフラスコに、ポタシウムホスファート12.8g(60.1mmol)、前記実施例1−1で製造された4−(4−ブロモフェニル)シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル14.3g(48mmol)および1−ペンチル−4−ビニルシクロヘキサン8.33g(40mmol)を含むN,N−ジメチルアセトアミド(DMA)溶液180mLを入れた。次いで、パラジウムアセタート0.17g(触媒量)をフラスコに加え、120℃の油浴中で32時間反応させた。反応後、反応混合物に蒸溜水100mLを加え、エチルアセタートで抽出し、水層をクロロホルムで抽出した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した後、エタノールで再結晶化させて、4−{4−[2−(4−ペンチル−シクロヘキシル)−エテニル]−フェニル}シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル9.8gを収率62%で得た。
【0066】
(実施例4−2)
トランス−4−{4−[2−(4−ペンチルシクロヘキシル)エテニル]フェニル}シクロヘキサンカルバルデヒド
【化36】
0℃でアルゴンガスを満たしたフラスコに、ビトライド(3.3Mトルエン溶液、10eq、26.6ml、87.7mmol)を注射器で入れ、モルホリン(10eq、7.67ml、87.7mmol)を注射器で徐々に滴下した。次いで、トルエン(モルホリンのmmolの半分、44ml)を注射器で滴下し、ビトライド溶液を製造した。アルゴンガスを満たした他の2口フラスコに、前記実施例4−1で得られたシクロヘキサンカルボキシラート化合物(3.48g、8.77mmol)のトルエン溶液(88ml)を入れ、前記ビトライド溶液を−70℃で30分間徐々に滴下した。−30℃〜−50℃を維持しつつ6時間撹拌後、フラスコに非常にゆっくり水を1滴ずつ加えた。1MHClを徐々に加えて、反応溶液を中和させた。白い沈殿物を減圧下でろ過し、ろ液をトルエン(20ml×3回)で抽出した。有機層を集め、蒸溜水(10ml×2回)で洗浄後、無水Na
2SO
4で乾燥させ、その後減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:エーテル=5:1、Rf=0.32)で精製し、トランス−4−{4−[2−(4−ペンチルシクロヘキシル)エテニル]フェニル}シクロヘキサンカルバルデヒド1.77gを収率55%で得た。
【0067】
(実施例4−3)
1−[2−(4−ペンチル−シクロヘキシル)エテニル]−4−(4−ビニルシクロヘキシル)ベンゼン
【化37】
ポタシウムtert−ブトキシド(1.0eq、0.44g、3.62mmol)を、メチルトリフェニルホスホニウムブロミド(1.2eq、1.55g、4.33mmol)のTHF(32ml)溶液に3分間徐々に添加した。その後、室温で30分間撹拌し、反応混合物に前記実施例4−2で得られたトランス−4−{4−[2−(4−ペンチルシクロヘキシル)エテニル]フェニル}シクロヘキサンカルバルデヒド(1.32g、3.62mmol)のTHF溶液35mlを10分間徐々に滴下し、その後、室温で24時間撹拌した。白い沈殿物を減圧下でろ過し、ろ液を水100mlで洗浄し、エーテル(20ml×1回)で抽出した。その水層をクロロホルム(20ml×3回)で抽出した。有機層を集めて水(30ml×2回)、塩水(brine、20ml×1回)で洗浄後、無水Na
2SO
4で乾燥させ、その後減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン、Rf=0.36)で精製した。残渣をクロロホルム(3ml)に溶かし、冷エタノール8mlをピペットで1滴ずつ滴下し、ガラス棒で撹拌して再結晶化させて1−[2−(4−ペンチル−シクロヘキシル)エテニル]−4−(4−ビニル−シクロヘキシル)ベンゼン1.02gを収率77%で得た。
1HNMRδ0.87(t,3H),0.90−2.03(m,27H),2.44(tt,1H),4.91(dd,1H),5.02(dd,1H),5.81(ddd,1H),6.10(dd,1H),6.30(d,1H),7.13(d,2H),7.27(d,2H)
M+=364
相転移温度:C108.3℃ N204.3℃ I
【0068】
実施例5:1−[2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル]−4−(4−ビニルシクロヘキシル)ベンゼン(反応スキーム2による化学式2の化合物の合成)
(実施例5−1)
1−ペンチル−4−ビニル−ビシクロヘキサンに代えて、1−プロピル−4−ビニル−シクロヘキサンを使用した以外は、前記実施例1−2の方法と実質的に同様にして、4−{4−[2−(4−プロピル−シクロヘキシル)−エテニル]−フェニル}−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステルを製造した。
【0069】
すなわち、ポタシウムホスファート12.8g(60.1mmol)、前記実施例1−1の4−(4−ブロモフェニル)シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル14.3g(48mmol)および1−プロピル−4−ビニル−シクロヘキサン6.09g(40.0mmol)を含むN,N−ジメチルアセトアミド(DMA)溶液180mLを、アルゴンガスを満たしたフラスコに入れた。
【0070】
次いで、パラジウムアセタート0.17g(触媒量)をフラスコに加え、120℃の油浴中で32時間反応させた。反応後、得られた生成物に蒸溜水100mLを加え、エチルアセタートで抽出し、その後水層をクロロホルムで抽出した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した後、エタノールで再結晶化させて、4−{4−[2−(4−プロピル−シクロヘキシル)−エテニル]−フェニル}シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル8.8gを収率60%で得た。
【0071】
(実施例5−2)
4−{4−[2−(4−プロピル−シクロヘキシル)−エチル]−フェニル}−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル
【化38】
前記5−1で製造された4−{4−[2−(4−プロピル−シクロヘキシル)−エテニル]−フェニル}−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル6.41g(17.4mmol)を、トルエン/エタノール(1:1体積%)混合液に溶解させた。得られた溶液200mLにPd/C0.4gを加え、水素化反応装置で12時間反応させた。反応後、Pd/Cをろ過により除去し、減圧下で濃縮して、4−{4−[2−(4−プロピル−シクロヘキシル)−エチル]−フェニル}−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル5.2gを収率80%で得た。
【0072】
(実施例5−3)
4−{4−[2−(4−プロピル−シクロヘキシル)−エチル]−フェニル}−シクロヘキサンカルバルデヒド
【化39】
アルゴンガスを満たしたフラスコにビトライド(3.3Mトルエン溶液)19mL(62.7mmol)を入れ、0℃に調節し、モルホリン5.5mL(62.7mmol)をシリンジで徐々に滴下した。その後、トルエン31mLをシリンジで滴下し、ビトライド溶液を製造した。実施例5−2の4−{4−[2−(4−プロピル−シクロヘキシル)−エチル]−フェニル}−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル2.3g(6.27mmol)のトルエン63mL溶液を、アルゴンガスを満たした他のフラスコに入れ、製造されたビトライド溶液を−70℃下で30分間で徐々に滴下した。その後、溶液を、−30℃〜−50℃に維持しつつ6時間撹拌し、水を非常にゆっくりフラスコに滴下した。反応後、1MHClをフラスコにゆっくり加え、反応溶液を中和させた。沈殿物を減圧下でろ過し、ろ液をトルエン(20ml×3回)で抽出した。有機層を集め、蒸溜水(10ml×2回)で洗浄後、無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:エーテル=5:1、Rf=0.32)で精製し、4−{4−[2−(4−プロピル−シクロヘキシル)−エチル]−フェニル}シクロヘキサンカルバルデヒド0.96gを収率45%で得た。
【0073】
(実施例5−4)
1−[2−(4−プロピル−シクロヘキシル)−エチル]−4−(4−ビニル−シクロヘキシル)−ベンゼン
【化40】
ポタシウムt−ブトキシド0.86g(7.01mmol)をメチルトリフェニルホスホニウムブロミド3g(8.41mmol)のTHF32mL溶液に撹拌しながら3分間徐々に滴下した。その後、室温で30分間撹拌し、この反応混合物に、4−{4−[2−(4−プロピル−シクロヘキシル)−エチル]−フェニル}−シクロヘキサンカルバルデヒド2.39g(7.01mmol)のTHF25mL溶液を徐々に滴下し、その後室温で24時間反応させた。沈殿物を減圧下でろ過し、ろ液に蒸溜水100mLで洗浄し、エーテル(20ml×1回)で抽出した。水層をクロロホルム(20ml×3回)で抽出した。有機層を集め、NaCl溶液で洗浄後、無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン、Rf=0.36)で精製し、これを再びクロロホルム/エタノール溶液で再結晶化させて1−[2−(4−プロピル−シクロヘキシル)−エチル]−4−(4−ビニル−シクロヘキシル)ベンゼン1.9gを収率80%で得た。
1HNMRδ0.86(t,3H),0.90−2.00(m,25H),2.43(tt,1H),2.54−2.60(m,2H),4.91(dd,1H),5.00(d,1H),5.82(ddd,1H),7.10(s,4H)
M+=338
相転移温度:C45.7℃ S73.2℃ N119.5℃ I
【0074】
実施例6:1−[2−(4−ペンチルシクロヘキシル)エチル]−4−(4−ビニルシクロヘキシル)ベンゼン
(実施例6−1)
1−ペンチル−4−ビニル−ビシクロヘキサンに代えて、1−ペンチル−4−ビニル−シクロヘキサンを使用した以外は、前記実施例1−2の方法と実質的に同様にして、4−{4−[2−(4−ペンチル−シクロヘキシル)−エテニル]−フェニル}−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステルを製造した。
【0075】
すなわち、アルゴンガスを満たしたフラスコに、ポタシウムホスファート12.8g(60.1mmol)、前記実施例1−1の4−(4−ブロモフェニル)シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル14.3g(48mmol)および1−ペンチル−4−ビニル−シクロヘキサン8.34g(40.0mmol)を含むN,N−ジメチルアセトアミド(DMA)溶液180mLを入れた。
【0076】
その後、パラジウムアセタート0.17g(触媒量)をフラスコに加え、120℃の油浴中で32時間反応させた。反応後、得られた生成物に蒸溜水100mLを加え、エチルアセタートで抽出し、その後水層をクロロホルムで抽出した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した後、エタノールで再結晶化させて、4−{4−[2−(4−ペンチル−シクロヘキシル)−ビニル]−フェニル}シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル9.8gを収率62%で得た。
【0077】
(実施例6−2)
4−{4−[2−(4−ペンチル−シクロヘキシル)−エチル]−フェニル}−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル
【化41】
前記6−1で製造された4−{4−[2−(4−ペンチル−シクロヘキシル)−エテニル]−フェニル}−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル6.9g(17.4mmol)を、トルエン/エタノール(1:1体積%)混合液に溶解させた。得られた溶液200mLにPd/C0.4gを加え、水素化反応装置で12時間反応させた。反応後、Pd/Cをろ過し、減圧下で濃縮後に、クロロホルム/エタノール溶液で再結晶化させ4−{4−[2−(4−ペンチル−シクロヘキシル)−エチル]−フェニル}−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル6.1gを収率88%で得た。
【0078】
(実施例6−3)
4−{4−[2−(4−ペンチル−シクロヘキシル)−エチル]−フェニル}−シクロヘキサンカルバルデヒド
【化42】
ビトライド(3.3Mトルエン溶液)19mL(62.7mmol)をシリンジでアルゴンガスを満たしたフラスコに入れ、0℃に調節し、モルホリン5.5mL(62.7mmol)をシリンジで徐々に滴下した。その後、トルエン31mLをシリンジで滴下してビトライド溶液を製造した。アルゴンガスを満たした他のフラスコに、実施例6−2で得られた4−{4−[2−(4−ペンチル−シクロヘキシル)−エチル]−フェニル}−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル2.5g(6.27mmol)のトルエン63mL溶液を入れ、−70℃下で30分間、ビトライド溶液を徐々に滴下した。その後、溶液を−30℃〜−50℃に維持しつつ6時間反応させた後、水を1滴ずつ加えた。1MHClを加え、反応溶液を中和させた。
【0079】
沈殿物を減圧下でろ過し、ろ液をトルエン(20ml×3回)で抽出した。有機層を集め、蒸溜水(10ml×2回)で洗浄後、無水Na
2SO
4で乾燥させた。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:エーテル=5:1、Rf=0.32)で精製し、4−{4−[2−(4−ペンチル−シクロヘキシル)−エチル]−フェニル}シクロヘキサンカルバルデヒド1.27gを収率55%で得た。
【0080】
(実施例6−4)
1−[2−(4−ペンチル−シクロヘキシル)−エチル]−4−(4−ビニル−シクロヘキシル)−ベンゼン
【化43】
フラスコ中のメチルトリフェニルホスホニウムブロミド3g(8.41mmol)のTHF40mL溶液に、ポタシウムt−ブトキシド0.86g(7.01mmol)を3分間撹拌しながら徐々に滴下した後、室温で30分間反応させた。上記反応混合物に4−{4−[2−(4−ペンチル−シクロヘキシル)−エチル]−フェニル}−シクロヘキサンカルバルデヒド2.58g(7.01mmol)のTHF25mL溶液を徐々に滴下し、その後室温で24時間撹拌した。
【0081】
沈殿物を減圧下でろ過し、ろ液に蒸溜水100mLで洗浄し、エーテル(20ml×1回)で抽出し、水層をクロロホルム(20ml×3回)で抽出した。有機層を集め、NaCl溶液で洗浄後、無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン、Rf=0.36)で精製し、これを再びクロロホルム/エタノール溶液で再結晶化させて1−[2−(4−ペンチル−シクロヘキシル)−エチル]−4−(4−ビニル−シクロヘキシル)ベンゼン1.98gを収率77%で得た。
1HNMRδ0.87(t,3H),0.93−2.00(m,29H),2.43(tt,1H),2.54−2.60(m,2H),4.91(dd,1H),5.00(d,1H),5.82(ddd,1H),7.10(s,4H)
M+=366
相転移温度:C99.6℃ N122.8℃ I
【0082】
実施例7:1−[2−(4−プロピルビシクロヘキシル)エチル]−4−(4−ビニルシクロヘキシル)ベンゼン
(実施例7−1)
1−ペンチル−4−ビニル−ビシクロヘキサンに代えて、1−プロピル−4−ビニル−ビシクロヘキサンを使用した以外は、前記実施例1−2の方法と実質的に同様にして、4−{4−[2−(4−プロピル−ビシクロヘキシル)−エテニル]−フェニル}−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステルを製造した。
【0083】
すなわち、アルゴンガスを満たしたフラスコに、ポタシウムホスファート12.8g(60.1mmol)、前記実施例1−1の4−(4−ブロモフェニル)シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル14.3g(48mmol)および1−プロピル−4−ビニル−ビシクロヘキサン9.38g(40.0mmol)を含むN,N−ジメチルアセトアミド(DMA)溶液180mLを入れた。次いで、パラジウムアセタート0.17g(触媒量)をフラスコに加え、120℃の油浴中で32時間反応させた。反応後に、得られた生成物に蒸溜水100mLを加え、エチルアセタートで抽出し、その後水層をクロロホルムで抽出した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した後に、エタノールで再結晶化させて、4−{4−[2−(4−プロピル−ビシクロヘキシル)−エテニル]−フェニル}シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル10.5gを収率58%で得た。
【0084】
(実施例7−2)
4−{4−[2−(4−プロピル−ビシクロヘキシル)−エチル]−フェニル}−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル
【化44】
前記実施例7−1で製造された4−{4−[2−(4−プロピル−ビシクロヘキシル)−エテニル]−フェニル}−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル7.8g(17.4mmol)をトルエン/エタノール(1:1体積%)混合液に溶解させた。得られた溶液200mLにPd/C0.4gを加え、水素化反応装置で12時間反応させた。反応後、Pd/Cをろ過して除去し、ろ液を減圧下で濃縮し、4−{4−[2−(4−プロピル−ビシクロヘキシル)−エチル]−フェニル}−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル6.8gを収率86%で得た。
【0085】
(実施例7−3)
4−{4−[2−(4−プロピル−ビシクロヘキシル)−エチル]−フェニル}−シクロヘキサンカルバルデヒド
【化45】
アルゴンガスを満たしたフラスコに、ビトライド(3.3Mトルエン溶液)19mL(62.7mmol)をシリンジで入れ、0℃に調節し、溶液にモルホリン5.5mL(62.7mmol)をシリンジで徐々に滴下した。その後、トルエン31mLをシリンジで滴下して、ビトライド溶液を製造した。
【0086】
アルゴンガスを満たした他のフラスコに、実施例7−2で得られた4−{4−[2−(4−プロピル−ビシクロヘキシル)−エチル]−フェニル}−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル2.8g(6.27mmol)のトルエン63mL溶液を入れ、ビトライド溶液を−70℃下で30分で徐々に滴下した。その後、溶液を−30℃〜−50℃に維持しつつ6時間反応させ、水を滴下した。反応後、1MHClをフラスコに加えて中和させた。沈殿物を減圧下でろ過し、ろ液をトルエン(20ml×1回)で抽出した。有機層を集め、蒸溜水(10ml×2回)で洗浄後、無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:エーテル=5:1、Rf=0.32)で精製し、4−{4−[2−(4−プロピル−ビシクロヘキシル)−エチル]−フェニル}シクロヘキサンカルバルデヒド0.80gを収率30%で得た。
【0087】
(実施例7−4)
1−[2−(4−プロピル−ビシクロヘキシル)−エチル]−4−(4−ビニル−シクロヘキシル)−ベンゼン
【化46】
フラスコ中のメチルトリフェニルホスホニウムブロミド3g(8.41mmol)のTHF40mL溶液にポタシウムt−ブトキシド0.86g(7.01mmol)を3分間で徐々に滴下した後、室温で30分間反応させた。反応混合物に4−{4−[2−(4−プロピル−ビシクロヘキシル)エチル]フェニル}シクロヘキサンカルバルデヒド2.96g(7.01mmol)のTHF25mL溶液を徐々に滴下し、その後室温で24時間反応させた。
【0088】
沈殿物を減圧下でろ過し、ろ液に蒸溜水100mLで洗浄し、エーテル(20ml×1回)で抽出し、水層を再びクロロホルム(20ml×3回)で抽出した。有機層を集め、NaCl溶液で洗浄後、無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン、Rf=0.36)で精製し、クロロホルム/エタノールを添加して再結晶化させて、1−[2−(4−プロピル−ビシクロヘキシル)エチル]−4−(4−ビニル−シクロヘキシル)ベンゼン1.65gを収率56%で得た。
1HNMRδ0.86(t,3H),0.90−2.00(m,35H),2.43(tt,1H),2.54−2.59(m,2H),4.91(dd,1H),5.00(d,1H),5.82(ddd,1H),7.10(s,4H)
M+=420
相転移温度:C214.6℃ N260.3℃ I
【0089】
実施例8:1−[2−(4−ペンチルビシクロヘキシル)エチル]−4−(4−ビニルシクロヘキシル)ベンゼン
(実施例8−1)
1−ペンチル−4−ビニル−ビシクロヘキサンに代えて、1−ペンチル−4−ビニル−ビシクロヘキサンを使用した以外は、前記実施例1−2の方法と実質的に同様にして、4−{4−[2−(4−ペンチル−ビシクロヘキシル)−エテニル]−フェニル}−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステルを製造した。
【0090】
すなわち、アルゴンガスを満たしたフラスコに、ポタシウムホスファート12.8g(60.1mmol)、前記実施例1−1の4−(4−ブロモフェニル)シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル14.3g(48mmol)および1−ペンチル−4−ビニル−ビシクロヘキサン10.5g(40.0mmol)を含むN,N−ジメチルアセトアミド(DMA)溶液180mLを入れた。
【0091】
次いで、パラジウムアセタート0.17g(触媒量)をフラスコに加え、120℃の油浴中で32時間反応させた。反応後、得られた生成物に蒸溜水100mLを加え、エチルアセタートで抽出し、その後水層をクロロホルムで抽出した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮後、エタノールで再結晶化させて、4−{4−[2−(4−ペンチル−ビシクロヘキシル)−ビニル]−フェニル}シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル12.3gを収率64%で得た。
【0092】
(実施例8−2)
4−{4−[2−(4−ペンチル−ビシクロヘキシル)−エチル]−フェニル}−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル
【化47】
前記実施例8−1により製造された4−{4−[2−(4−ペンチル−ビシクロヘキシル)−エテニル]−フェニル}−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル8.3g(17.4mmol)をトルエン/エタノール(1:1体積%)混合液に溶解させた。得られた溶液200mLにPd/C0.4gを加え、水素化反応装置で12時間反応させた。反応後、Pd/Cをろ過し、減圧下で濃縮後に、クロロホルム/エタノール溶液で再結晶化させ、4−{4−[2−(4−ペンチル−ビシクロヘキシル)−エチル]−フェニル}−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル7.5gを収率90%で得た。
【0093】
(実施例8−39)
4−{4−[2−(4−ペンチル−ビシクロヘキシル)−エチル]−フェニル}−シクロヘキサンカルバルデヒド
【化48】
アルゴンガスを満たしたフラスコにビトライド(3.3M in toluene)19mL(62.7mmol)をシリンジで入れ、0℃に調整し、モルホリン5.5mL(62.7mmol)をシリンジで徐々に滴下した。その後、トルエン31mLをシリンジで滴下してビトライド溶液を製造した。
【0094】
アルゴンガスを満たした他のフラスコに、実施例8−2で得られた4−{4−[2−(4−ペンチル−ビシクロヘキシル)−エチル]−フェニル}−シクロヘキサンカルボン酸メチルエステル3.0g(6.27mmol)のトルエン63mL溶液を入れ、ビトライド溶液を−70℃下で30分間で徐々に滴下した。その後、−30℃〜−50℃に維持しつつ6時間撹拌し、水を滴下した。反応後、1MHClをフラスコにゆっくり加えて中和した。
【0095】
沈殿物を減圧下でろ過し、ろ液をトルエン(20ml×3回)で抽出した。有機層を集め、蒸溜水(10ml×2回)で洗浄後、無水Na
2SO
4で乾燥させた。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:エーテル=5:1、Rf=0.32)で精製し、4−{4−[2−(4−ペンチル−ビシクロヘキシル)−エチル]−フェニル}シクロヘキサンカルバルデヒド1.33gを収率47%で得た。
【0096】
(実施例8−4)
1−[2−(4−ペンチル−ビシクロヘキシル)−エチル]−4−(4−ビニル−シクロヘキシル)−ベンゼン
【化49】
フラスコ中のメチルトリフェニルホスホニウムブロミド3g(8.41mmol)のTHF40mL溶液に、ポタシウムt−ブトキシド0.86g(7.01mmol)を3分間撹拌しながら徐々に滴下した後、室温で30分間撹拌した。反応混合物に4−{4−[2−(4−ペンチル−ビシクロヘキシル)−エチル]−フェニル}−シクロヘキサンカルバルデヒド3.16g(7.01mmol)のTHF25mL溶液を徐々に滴下し、その後室温で24時間撹拌した。
【0097】
沈殿物を減圧下でろ過し、ろ液に蒸溜水100mLで洗浄し、エーテル(20ml×1回)で抽出し、水層をクロロホルム(20ml×3回)で抽出した。有機層を集め、NaCl溶液で洗浄後、無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン、Rf=0.36)で精製し、クロロホルム/エタノール溶液を添加して再結晶化させて、1−[2−(4−ペンチル−ビシクロヘキシル)−エチル]−4−(4−ビニル−シクロヘキシル)ベンゼン2.6gを収率82%で得た。
1HNMRδ0.88(t,3H),0.91−2.01(m,39H),2.44(tt,1H),2.54−2.60(m,2H),4.92(dd,1H),5.00(d,1H),5.82(ddd,1H),7.10(s,4H)
M+=448
相転移温度:C236.06℃ N255.1℃ I
【0098】
実施例9.1−[2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル]−4−(4−ビニルシクロヘキシル)ベンゼン(反応スキーム3による化学式2の化合物の合成)
(実施例9−1)
8−(4−ブロモフェニル)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オール
【化50】
2口フラスコにマグネシウム(0.60g、24.6mmol)およびTHF5mlを入れ、1,4−ジブロモベンゼン(5.30g、22.4mmol)のTHF溶液25mlを少量加えて反応を開始させた。その後、残りの1,4−ジブロモベンゼンのTHF溶液を20〜25℃に維持しつつ徐々に滴下し、その後2時間撹拌した。1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オン(2.60g、17.0mmol)のTHF溶液8mlを10〜15℃に維持しつつ徐々に滴下した後、室温まで昇温させた後、室温で24時間撹拌した。得られた溶液にNH
4Cl水溶液50mlを注ぎ、トルエン(50ml×3回)で抽出した。有機層を蒸溜水(20ml×2回)で洗浄後、減圧下で濃縮して、8−(4−ブロモフェニル)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オール9.30gを得た。
【0099】
(実施例9−2)
8−(4−ブロモフェニル)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−7−エン
【化51】
臭素化合物(9.30g、29.7mmol)をトルエン50mlに溶かした後、p−トルエンスルホン酸モノヒドラート0.03gを入れ、110℃で4時間還流させた。反応溶液をNa
2CO
3(30ml×2回)、飽和NaCl(30ml×2回)水溶液で続けて洗浄した。有機層を減圧下で濃縮し、黄色結晶を得た。黄色結晶をエタノールで再結晶化させて、8−(4−ブロモフェニル)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−7−エン6.60gを収率77%で得た。
【0100】
(実施例9−3)
8−{4−[(E)−2−(4−プロピルシクロヘキシル)エテニル]フェニル}−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−7−エン
【化52】
アルゴンガスを満たしたフラスコに、K
3PO
4(6.27g、29.55mmol)が溶解されているジメチルアセトアミド溶液(DMA)30mlを入れ、8−(4−ブロモフェニル)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−7−エン(5.8g、19.70mmol)および1−プロピル−4−ビニルシクロヘキサン(3.0g、19.70mmol)、DMA40mlを注射器で滴下した。その後、Pd(OAc)
2のDMA溶液(1.8×10
−3M、17ml、3.36mmol)を得られた溶液に加えて、140℃まで予熱しておいた油浴中で96時間反応させた。
【0101】
得られた溶液を蒸溜水10mlに注ぎ、エチルアセタート(20ml×3回)で抽出した。有機層を塩水(10ml×2回)で洗浄後、減圧下で濃縮し、ろ過した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:エーテル=1:1)で精製して、8−{4−[(E)−2−(4−プロピルシクロヘキシル)エテニル]フェニル}−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−7−エン4.6gを収率63%で得た。
【0102】
(実施例9−4)
8−{4−[2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル]フェニル}−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン
【化53】
8−{4−[(E)−2−(4−プロピルシクロヘキシル)エテニル]フェニル}−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカ−7−エン(6.1g、16.64mmol)をトルエン/エタノール(トルエン:EtOH=1:3)混合液に溶解させた。得られた溶液200mlに、Pd/C0.14gを加え、4日間水素化反応させた。反応後、Pd/Cをろ別し、残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:エーテル=8:1)で精製して、8−{4−[2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル]フェニル}−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン4.40gを収率72%で得た。
【0103】
(実施例9−5)
4−{4−[2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル]フェニル}シクロヘキサノン
【化54】
8−{4−[2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル]フェニル}−1,4−オキサスピロ[4.5]デカン(4.4g、11.87mmol)のトルエン溶液30mlに10%硫酸(20ml)を加えて、18時間還流させた。反応終了後、トルエン層を水(10ml×3回)で洗浄し、減圧下で濃縮して、4−{4−[2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル]フェニル}シクロヘキサノン3.2gを収率72%で得た。
【0104】
(実施例9−6)
1−[4−(メトキシメチレン)シクロヘキシル]−4−[2−(4−プロピル−シクロヘキシル)エチル]−ベンゼン
【化55】
アルゴンガスを満たしたフラスコ内で、メトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロリド(2g、5.9mmol)が含まれているTHF20ml溶液に、−10℃下で、固体試料ポタシウムtert−ブトキシド(0.6g、5.9mmol)を3分間かけて徐々に入れた後、この温度を維持しつつさらに20分間撹拌した。反応溶液の温度を0℃に合わせ、4−{4−[2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル]フェニル}シクロヘキサノン(1.5g、4.5mmol)のTHF(15ml)を徐々に滴下した後、得られた溶液を撹拌しながら室温まで昇温させた。反応終了後、得られた溶液を蒸溜水(20ml)で希釈させ、エーテル(20ml×3回)で抽出し、蒸溜水(10ml×2回)で洗浄後、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(エチルアセタート:石油エーテル=1:40)で精製し、1−[4−(メトキシメチレン)シクロヘキシル]−4−[2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル]−ベンゼン1.2gを収率80%で得た。
【0105】
(実施例9−7)
トランス−4−{4−[2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル]フェニル}シクロヘキサンカルバルデヒド
【化56】
1−[4−(メトキシメチレン)シクロヘキシル]−4−[2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル]−ベンゼン(1.23g、2.74mmol)とTHF/2NHCl10mlとを4:1の体積比で混ぜ合わせ、8時間還流させた。反応終了後、得られた溶液を蒸溜水10mlで希釈し、エーテル抽出(5ml×2回)を行い、蒸溜水(5ml×2回)で洗浄した。残渣をカラムクロマトグラフィー(エチルアセタート:石油エーテル=1:60)で精製した。得られた結晶はシス/トランス混合物であり、NMRで確認したときにその混合比はシス:トランス=1:5であった。これをヘキサンで分別・再結晶化させて、純粋なトランス−4−{4−[2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル]フェニル}シクロヘキサンカルバルデヒド0.2gを収率18%で得た。
【0106】
(実施例9−8)
1−[2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル]−4−(4−ビニルシクロヘキシル)−ベンゼン
【化57】
メチルトリフェニルホスホニウムブロミド(0.25g、0.7mmol)のTHF溶液5mlを撹拌しつつ、ポタシウムtert−ブトキシド(0.07g、0.7mmol)を3分間徐々に添加した後、室温で1時間撹拌した。得られた溶液に、トランス−4−{4−[2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル]フェニル}シクロヘキサン−カルバルデヒド(0.2g、0.58mmol)のTHF溶液2mlを徐々に滴下し、同温度を維持しつつ24時間撹拌した。反応終了後、白い沈殿物をろ別した。ろ液をエーテル(10ml×3回)で抽出し、有機層を集めて蒸溜水(10ml×2回)、塩水(10ml×2回)で洗浄した。残渣をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル)で精製して、最終物質である1−[2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル]−4−(4−ビニルシクロヘキシル)ベンゼン0.12gを収率65%で得た。
1HNMRδ0.86(t,3H),0.90−2.00(m,25H),2.43(tt,1H),2.54−2.60(m,2H),4.91(dd,1H),5.00(d,1H),5.82(ddd,1H),7.10(s,4H)
M+=338
【0107】
実施例10〜17および比較例1〜3:液晶組成物の製造
前記化学式1および化学式2の化合物、および対照の液晶化合物をそれぞれ10重量%ずつを混合することにより、液晶組成物を製造した。ベース組成物としては、一般に液晶組成物として用いられる慣用のホスト組成物が使用された。
【0108】
比較例1は、化学式1および化学式2の化合物を含まず、従来のベース組成物のみのものである。
【0109】
各液晶組成物の粘度および相転移温度(TN−I)を評価し、その結果を下記表1に示す。
【表1】
【0110】
本発明は、実用的な典型的な実施例として現在考えられるものに関して述べられているが、本発明は開示した実施例に限定されないものと理解されるべきであり、従属項の精神および範囲に含まれる種々の変更や同等の方式も含むことが意図されている。