(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5767589
(24)【登録日】2015年6月26日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】樹枝状高分子を含むヘアケア組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/85 20060101AFI20150730BHJP
A61K 8/41 20060101ALI20150730BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20150730BHJP
A61Q 5/00 20060101ALI20150730BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20150730BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20150730BHJP
【FI】
A61K8/85
A61K8/41
A61K8/86
A61Q5/00
A61Q5/02
A61Q5/12
【請求項の数】8
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-541291(P2011-541291)
(86)(22)【出願日】2009年12月2日
(65)【公表番号】特表2012-513375(P2012-513375A)
(43)【公表日】2012年6月14日
(86)【国際出願番号】EP2009066255
(87)【国際公開番号】WO2010072527
(87)【国際公開日】20100701
【審査請求日】2012年10月2日
(31)【優先権主張番号】08172498.1
(32)【優先日】2008年12月22日
(33)【優先権主張国】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】590003065
【氏名又は名称】ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】デリシ,レオ
(72)【発明者】
【氏名】ハルカツプ,ジエイソン・ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ヒル,スチユアート・ポール
(72)【発明者】
【氏名】コーシユデル,エザツト
【審査官】
岩下 直人
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2007/0202071(US,A1)
【文献】
特表2008−509942(JP,A)
【文献】
特表2001−526308(JP,A)
【文献】
米国特許第07399804(US,B1)
【文献】
国際公開第2008/082929(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/85
A61K 8/41
A61K 8/86
A61Q 5/00
A61Q 5/02
A61Q 5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳化されている疎水性に官能化された樹枝状高分子を含むヘアケア組成物であって、
当該樹枝状高分子が、当該組成物に組み込まれる前に、水とセチルトリメチルアンモニウムクロライドと非イオン性乳化剤とによって高せん断ミキサー中で乳化されており、
当該樹枝状高分子が、ポリエステル単位と末端ヒドロキシル基とを有する多価アルコールであり、
当該樹枝状高分子が、前記末端ヒドロキシル基を少なくとも6個有し、
当該樹枝状高分子の分子量が少なくとも800であり、
当該樹枝状高分子は、樹枝状高分子の外周および/または末端基で全面的にまたは部分的に疎水性に官能化されており、
末端ヒドロキシル基がC4−C24アルキルまたはアルケニル基を含む疎水性基によって官能化されている、組成物。
【請求項2】
前記疎水性基がC10−14カルボキシル基を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
樹枝状高分子が無水コハク酸単位、無水ドデシルコハク酸単位、無水ヘキサヒドロフタル酸単位および無水フタル酸単位またはそれらの混合物から選択された構成単位を含む請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記疎水性基が高分子の末端に位置する請求項1から3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
疎水性に官能化された樹枝状高分子のレベルが全組成物の0.0001から30重量%である請求項1から4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
シャンプー組成物である請求項1から5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
コンディショニング組成物である請求項1から6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
リンスオフ組成物である請求項1から7のいずれかに記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は非線状ポリマーを含むヘアケア組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
US 2007/202071は、樹枝状分子を乳化剤として含む組成物を開示している。しかしながら、このような樹枝状分子はそれらの物理的特性が原因で本発明の有益効果を生み出すことはできない。
【0003】
さらに、ヘアケア組成物中の毛髪のボリュームを抑える樹枝状高分子は以前に開示されたことがあるが、本発明は、疎水性に改質された樹枝状高分子が組成物に組込まれる前に乳化されているとき、該組成物は乳化されない樹枝状高分子を含む組成物に比較して毛髪のボリュームをいっそう抑えることを示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/202071号明細書
【発明の概要】
【0005】
従って、本発明は請求項1に記載のヘアケア組成物に関する。
【0006】
樹枝状高分子は、多数の末端基を有している緻密に枝分かれした構造をもつ高分子である。樹枝状ポリマーは、全部が1つ以上の分岐点を有している反復単位の複数の層すなわち世代を含む。デンドリマーおよび超分岐ポリマーを含む樹枝状ポリマーは、少なくとも2つの異なる種類の反応性基を有しているモノマー単位の縮合反応によって製造される。デンドリマーは高度に対称性であるが、超分岐と呼ばれる高分子は、高度に枝分かれした樹木上構造を維持していながらもある程度まで非対称性を保持している。
【0007】
樹枝状高分子は標準的には、1つ以上の反応座を有している開始因子または核と多数の分岐層と任意に1つの連鎖停止分子層とから構成されている。標準的には分岐層の継続的な複製が分岐多重度を増加させ、適宜にまたは所望通りに末端基の数を増加させる。一般的に、層は世代、分岐はデンドロンと呼ばれている。
【0008】
好ましい実施態様において、疎水性に改質されるべき樹枝状高分子はヒドロキシル官能化された樹枝状高分子、より好ましくはポリエステル単位を含むこのような樹枝状高分子である。
【0009】
適当な材料はSE 468771に記載されている。該文献は、少なくとも1つのヒドロキシル基を有している開始因子から構成され、少なくとも1つのカルボキシル基と少なくとも2つのヒドロキシル基とを有している少なくとも1つの連鎖延長因子を含む少なくとも1つの分岐世代が上記の開始因子に付加された高分子を開示している。
【0010】
別の適当な材料はSE 503342に記載されている。該文献中の高分子は実質的に、少なくとも1つのエポキシド基を有している核から構成され、少なくとも1つがカルボキシルまたはエポキシド基であり少なくとも1つがヒドロキシル基である少なくとも3つの反応性官能基を有している少なくとも1つの連鎖延長因子を含む少なくとも1つの分岐世代が上記の核に付加されている。
【0011】
これらの材料はまた、多価ポリエステルアルコールまたは超分岐ポリオールと呼ばれる。好ましくはこれらの材料は高分子1つあたり少なくとも8、より好ましくは少なくとも16、最も好ましくは少なくとも32個の末端ヒドロキシル基を有している。それらの分子量は好ましくは少なくとも800、より好ましくは少なくとも1600、最も好ましくは少なくとも2500g/モルである。
【0012】
これらの材料はPerstorp AB、SE−284 80 Perstorp,SwedenからBOLTORNという商標で市販されている。このような材料の例は、BOLTORN H10、BOLTORN H20、BOLTORN H30およびBOLTORN H40であり、そのうちでもBOLTORN H30およびBOLTORN H40が好ましい。
【0013】
ポリマーの世代が2個以上であるのが好ましい。世代の最大数は好ましくは9以下であり、より好ましくは7以下である。
【0014】
疎水性に官能化された好ましい樹枝状高分子はポリエステル単位から構成される。この種の適当な高分子はUS 5418301に開示されており、Perstopという商品名で販売されている。
【0015】
他の好ましい樹枝状高分子はポリアミド単位から構成される。この種の適当な高分子はMacromolecules 2001,34,3659−3566に開示されており、Hybraneという商品名で販売されている。好ましくは基が無水コハク酸単位、無水ドデシルコハク酸単位、無水ヘキサヒドロフタル酸単位および無水フタル酸単位またはそれらの混合物から選択される。
【0016】
疎水性に官能化された樹枝状高分子のレベルは好ましくは全組成物の0.0001から30重量%であり、より好ましくはレベルが0.05から8重量%、最も好ましくは0.1から5重量%である。
【0017】
好ましくはポリマーの数平均分子量が500から50,000であり、より好ましくは数平均分子量が500から10,000であり、最も好ましくは数平均分子量が750から5,000である。
【0018】
好ましくは樹枝状高分子がポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリ無水物単位またはそれらの混合物を含む。
【0019】
特定実施態様において、樹枝状高分子は、無水コハク酸単位、無水ドデシルコハク酸単位、無水ヘキサヒドロフタル酸単位および無水フタル酸単位またはそれらの混合物から選択された構成単位を含む。
【0020】
疎水性改質
好ましい疎水性基は炭素を基材とする。C
4−C
24アルキルまたはアルケニル基が好ましい疎水性基であり、より好ましくはC
6−C
22アルキルまたはアルケニル基であり、特に好ましくはC
8−C
16アルキルまたはアルケニル基であり、最も好ましくはC
10−C
14アルキルまたはアルケニル基を有している樹枝状高分子である。疎水性基は直鎖状および分枝状の疎水性基ならびにアリールアルキル基を含むことができるが、疎水性アルキル基が直鎖状であるならばそれが好ましい。疎水性基は不飽和基でもよいが好ましくは飽和している。疎水性基はときには連結基を介して樹枝状高分子に連結されており、適当な連結基はエステルまたはアミド基を含む。
【0021】
いくつかの場合には、樹枝状高分子が樹枝状高分子の外周および/または末端基で全面的にまたは部分的に疎水性に官能化されているのが好ましい。(本発明の文脈で外周という用語は樹枝状高分子の外層または外縁を意味する)。
【0022】
樹枝状高分子が外周において疎水性に官能化されている場合、好ましくは末端基の5から95%、より好ましくは10から85%、最も好ましくは20から60%が疎水性に官能化されている。
【0023】
別の実施態様において、疎水性基の数は分子の外周および分子の内部の双方において疎水性改質に利用できる樹枝状高分子の利用可能部位のパーセンテージとして表すことができる。好ましくはこれらの利用可能部位の10から90%が疎水性に改質され、より好ましくは20から70%が疎水性に改質される。
【0024】
疎水性改質は、適切な脂肪酸、脂肪酸エステルまたは無水脂肪と反応させる簡単なプロセスである。
【0025】
疎水性に改質された樹枝状ポリマーの例はBoltorn H2004およびBolton W3000のような市販品を含む。
【0026】
好ましくは組成物がシャンプー組成物であり、シリコーンのようなシャンプー組成物に常用の材料、ならびに、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤およびそれらの混合物のようなクレンジング界面活性剤を含む。
【0027】
好ましくは、本発明に記載の組成物はコンディショニング組成物である。本発明に記載のコンディショニング組成物は、コンディショニング界面活性剤、ならびに、シリコーンや、アルコール、酸、アミドおよびそれらの混合物から選択された脂肪質のような有効物質を含む。
【0028】
好ましくは、本発明に記載の組成物がリンスオフ組成物である。
【実施例】
【0029】
実施例1に記載の処方に組込むための樹枝状高分子エマルジョンの調製
【0030】
【表1】
【0031】
水とCTACとをビーカーに入れ、溶解するまで60℃で加熱した。温度を60℃に維持しながらPluracare F77を加え、溶解するまでスパチュラで撹拌した。混合物を放冷し、次にSilverson高剪断ロータ/ステータ実験室用ミキサーに速度1で移し入れ、Boltorn H2004をゆっくりと加えた。速度を6に上げ、さらに20分間撹拌した。
【0032】
以下の実施例は、Boltorn H2004および乳化したBoltorn H2004を添加した本発明に記載のシャンプー組成物である。
【0033】
【表2】
【0034】
以下の実施例は、Boltorn H2004および乳化したBoltorn H2004を添加した本発明のコンディショナー組成物である。
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
実施例2−0.10%のBoltorn H2004
実施例3−0.50%のBoltorn H2004
実施例4−1.00%のBoltorn H2004
実施例5−2.00%のBoltorn H2004
A.Boltorn H2004
B.乳化したBoltorn H2004。
【0037】
この表は、乳化したBoltorn H2004を含むシャンプー組成物はBoltorn H2004を含むシャンプー組成物よりも毛髪のボリュームを抑えることを示す。実験は櫛梳きしていない髪に対して行った。
【0038】
【表5】
実施例6−2.00%のBoltorn H2004
実施例7−4.00%のBoltorn H2004
A.Boltorn H2004
B.乳化したBoltorn H2004。
【0039】
この表は、乳化したBoltorn H2004を含むコンディショナー組成物はBoltorn H2004を含むコンディショナー組成物よりも毛髪のボリュームを抑えることを示す。実験は櫛梳きしていない髪に対して行った。