特許第5767597号(P5767597)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5767597
(24)【登録日】2015年6月26日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】ミスト発生装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 6/00 20060101AFI20150730BHJP
   F24F 6/16 20060101ALI20150730BHJP
   A61H 33/12 20060101ALI20150730BHJP
【FI】
   F24F6/00 E
   F24F6/00 A
   F24F6/16
   A61H33/12 P
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-45728(P2012-45728)
(22)【出願日】2012年3月1日
(65)【公開番号】特開2013-181703(P2013-181703A)
(43)【公開日】2013年9月12日
【審査請求日】2014年8月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】南雲 佐敏
(72)【発明者】
【氏名】馬場 健夫
(72)【発明者】
【氏名】小川 洸太
【審査官】 渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−042161(JP,A)
【文献】 特開2011−179801(JP,A)
【文献】 特開2003−130401(JP,A)
【文献】 特開2011−252692(JP,A)
【文献】 特開2006−226554(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 6/00
A61H 33/12
F24F 6/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を貯留する貯水室と、該貯水室内の貯水を加熱する加熱ヒータと、前記貯水室内の貯水に下端を水没させ回転により貯水を汲み上げて飛散させる筒状の回転体と、該回転体を回転駆動させる駆動手段と、前記回転体の回転により飛散された貯水が衝突する衝突体と、該衝突体で貯水が破砕されることで発生するナノミストと負イオンを室内に供給する送風機と、前記貯水室内の温度を検出する温度検出手段と、運転スイッチ等を備えた操作部と、前記貯水室内の貯水の温度を設定温度に保持するように前記加熱ヒータの出力を制御すると共に、前記駆動手段および送風機を制御し、前記ナノミストおよび負イオンを室内に供給するミスト運転を行う制御手段とを備えたミスト発生装置において、前記制御手段は操作部の操作によりおやすみモードが設定された時、おやすみモードが設定されてから所定時間経過するまでは貯水室内の温度を設定温度に保持してミスト運転を行い、おやすみモードが設定されてから所定時間経過した後は貯水室内の設定温度を設定温度から所定温度低い温度に変更してミスト運転を行うことを特徴とするミスト発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ナノミストと負イオンを発生するミスト発生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本出願人は先に下記の特許文献1にて、温かいナノミストと負イオンを発生するミスト発生装置を提供した。
かかるミスト発生装置を図4を用いて説明すると、101はミスト発生装置本体、102は貯水室、103は貯水室102内の水を加熱する加熱ヒータ、104は定水位室、105は貯水室102と定水位室104を連通する通水路、106は定水位室104に水を供給する給水タンクであり、給水タンク106からの給水により貯水室102および定水位室104には常時一定水位の給水が貯水されているものである。
また、107は貯水室102内の水の温度を検出する温度センサ、108は定水位室104内に設けられ、貯水室102および定水位室104内に一定水位以上の貯水があるときに水位有りを検出する水位検出用のフロートセンサである。
【0003】
109は貯水室102の貯水に下端を水没させた筒状の回転体、110は回転体109の外周に間隔を有して位置し、回転体109と共に駆動モータ111の駆動で回転しこの回転による遠心力で押し上げられた水を飛散させてぶつけられる円筒状の多孔体、112は多孔体110の外周に位置し多孔体110から飛散される水がぶつかる送風筒、113は回転体109および多孔体110と共に駆動モータ111の駆動で回転する送風機で、駆動モータ111の駆動により、回転体109および多孔体110および送風機113が回転し、吸引口114から吸引された空気がナノミストおよび負イオンを含んで、吹出口115からナノミストおよび負イオンを含んだ空気が室内に放出されるものである。
また、116は運転スイッチ等を備えた操作部117からの入力信号や、温度センサ107およびフロートセンサ108の検出信号を受けて、加熱ヒータ103および駆動モータ111の動作を制御する制御手段である。
【0004】
次に、このミスト発生装置101において、ミスト運転について説明すると、ミスト運転中は、温度センサ107の検出する水温に基づいて、加熱ヒータ103をON/OFFさせて、貯水室102内の一定水位の貯水を設定温度に保持し、駆動モータ111の駆動による回転体109の回転で、設定温度に加熱された貯水室102内の貯水を、回転体109の回転により回転体109下端から遠心力で押し上げて飛散させ、多孔体110および送風筒112にぶつけて破砕し微細化することで、温かいナノミストおよび負イオンを発生し、送風機113の回転で、温かいナノミストおよび負イオンを含んだ空気を室内に放出するものである。
【0005】
この時、制御手段116は貯水室102内に一定水位以上の水位があるか否かをフロートセンサ108の検出信号から判断しており、貯水室102内に一定水位以上の水位がないと判断した場合は、水切れと判断し、加熱ヒータ103をOFFすると共に、駆動モータ111を停止させてミスト運転を停止するものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特願2010−280339号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところでこの従来のものでは、ミスト運転中は、温度センサ107の検出する水温に基づいて、加熱ヒータ103をON/OFFさせて、貯水室102内の一定水位の貯水を設定温度に保持し、駆動モータ111の駆動による回転体109の回転で、設定温度に加熱された貯水室102内の貯水を、回転体109の回転により回転体109下端から遠心力で押し上げて飛散させ、多孔体110および送風筒112にぶつけて破砕し微細化することで、温かいナノミストおよび負イオンを発生し、送風機113の回転で、温かいナノミストおよび負イオンを含んだ空気を室内に放出するものであるが、貯水室102内の貯水を加熱せずにミスト運転を行う場合に比べて水の使用量が大変早く、一回の給水で行えるミスト運転の時間が短かった。
【0008】
そこで、貯水室102内の貯水の設定温度を低く設定してミスト運転を行えば、一回の給水で行えるミスト運転の時間を長くすることができるが、貯水室102内の貯水の設定温度を低く設定してミスト運転を行うと使用者は冷風感を感じ、特に秋や冬の就寝時には使用者が冷風感を感じて入眠しづらくなるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は上記課題を解決する為に、特にその構成を、水を貯留する貯水室と、該貯水室内の貯水を加熱する加熱ヒータと、前記貯水室内の貯水に下端を水没させ回転により貯水を汲み上げて飛散させる筒状の回転体と、該回転体を回転駆動させる駆動手段と、前記回転体の回転により飛散された貯水が衝突する衝突体と、該衝突体で貯水が破砕されることで発生するナノミストと負イオンを室内に供給する送風機と、前記貯水室内の温度を検出する温度検出手段と、運転スイッチ等を備えた操作部と、前記貯水室内の貯水の温度を設定温度に保持するように前記加熱ヒータの出力を制御すると共に、前記駆動手段および送風機を制御し、前記ナノミストおよび負イオンを室内に供給するミスト運転を行う制御手段とを備えたミスト発生装置において、前記制御手段は操作部の操作によりおやすみモードが設定された時、おやすみモードが設定されてから所定時間経過するまでは貯水室内の温度を設定温度に保持してミスト運転を行い、おやすみモードが設定されてから所定時間経過した後は貯水室内の設定温度を設定温度から所定温度低い温度に変更してミスト運転を行うものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、おやすみモードが設定されてから所定時間経過するまでは貯水室内の温度を設定温度に保持してミスト運転を行うので、就寝時に入眠するまで通常の設定温度の温かいナノミストおよび負イオンを含んだ空気が室内に放出されて、使用者は冷風感を感じず、スムーズに入眠することができ、更に、おやすみモードが設定されてから所定時間経過した後は貯水室内の設定温度を設定温度から所定温度低い温度に変更してミスト運転を行うので、貯水室内の温度を通常の設定温度に保持して行うミスト運転に比べて運転時間を長くすることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】この発明の一実施形態のミスト発生装置を示す概略構成図。
図2】同要部ブロック図。
図3】同おやすみモードでのミスト運転時のフローチャート図。
図4】従来のミスト発生装置を示す概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、この発明の一実施形態のミスト発生装置を図1および図2に基づき説明する。
1は室内の空気清浄や加湿、人の顔に直接ナノミストと負イオンを当てて美顔するミスト発生装置本体で、中央部には蓋体2に固定され吸引口3から吸引された室内空気を、中央で回転駆動するシロッコファンからなる送風機4まで案内する円筒状の案内筒5が備えられ、この案内筒5には、送風機4を覆うように送風機4下方まで垂下した送風筒6が設けられている。
【0013】
7は前記案内筒5を覆った処理室で、処理室7の下部には円形椀状でアルミダイキャスト製の貯水室8が設けられ、この貯水室8には給水手段としての給水タンク9がセットされた定水位室10が通水路11を介して連通しており、給水タンク9は給水を落差方式で供給することで、貯水室8を常時一定水位に保つようにしているものである。
また、12は定水位室10内に設けられ、貯水室8および定水位室10に一定水位以上の貯水があるときに水位有りを検出する水位検出信号を出力する水位検出手段としてのフロートセンサである。
【0014】
13は貯水室8下方で貯水室8を支持する駆動手段としての駆動モータで、全周をカバー体14で覆われ装置本体1の底部を構成する基板15に固定されており、さらにカバー体14の外周壁に外方へ突出した樋状の流水溝16を一周形成している。
【0015】
17は貯水室8の貯水に下部を水没させ、この貯水室8を貫通して送風機4を回転させる駆動軸18に軸支された筒状の回転体で、この回転体17は中空逆円錐形で上方に向かって径が徐々に拡大するものであり、回転体17が回転することによりこの回転の遠心力で貯水室8の貯水を汲み上げ回転体17の外壁および内壁を伝わせて押し上げて、回転体17の外壁を伝わせて押し上げた貯水を周囲に飛散させると共に、回転体17の内壁を伝わせて押し上げた貯水を回転体17の上端に形成された複数の飛散口19から周囲に飛散させるものである。
【0016】
20は回転体17の上部外周に所定間隔を保持して位置し、回転体17と共に回転する円筒状の多孔体で、多孔体20にはその全周壁に多数のスリットや金網やパンチングメタル等から成る多孔部21が形成されており、回転体17の回転による遠心力で貯水室8内の水を汲み上げると共に空気を飛散させ、そして多孔部21を通過させたり、ぶつけて破砕させることで、水の粒子を微細化してナノメートル(nm)サイズのミストを生成すると共に、水の粒子の微細化によるレナード効果で負イオンを発生させるものであり、また多孔部21を通過した水の粒子は、さらに多孔体20の外周の送風筒6の内壁に衝突して微細化されるものであり、前記多孔体20および前記送風筒6から衝突体が構成されているものである。
【0017】
22は貯水室8外周を巻回して備えられ貯水室8内の貯水を加熱する加熱手段としての加熱ヒータで、送風量が「強」に設定されると貯水室8内の貯水温度を設定温度T38℃前後に、送風量が「弱」に設定されると貯水室8内の貯水温度を設定温度T34℃前後に加熱保温して吹き出し温度を30℃程度に保持するものであり、貯水室8の底部から吐出し貯水室8内の貯水の温度を検出するサーミスタからなる温度検出手段としての温度センサ23の検出温度によって、加熱ヒータ22がON/OFFされて所定温度に保持するもので、加熱ヒータ22を強制的にOFFにし貯水室8内の貯水を加温しないモードも設定可能としている。
【0018】
24は送風筒6や多孔体20の下端と対向して貯水室8上面を覆った皿状の水流阻止手段で、中央部には回転体17の挿通穴25が形成されており、この挿通穴25から外周に延びる支持片26によって水面が区画されることで、回転体17の回転で回転しようとする水流を阻止し、回転体17の回転による遠心力の作用で容易に水流が回転体17内外周を上昇できるようにしたものである。
またこの水流阻止手段24は、上方の送風筒6や多孔体20にぶつかり微細化されなかった比較的大粒の水滴を受けることで、この水滴が直接貯水室8水面に落下して発生するバシャ、バシャという落下音をも阻止することができるものであり、そのために外周から中央部の挿通穴25に向かって緩やかに下り傾斜しており、水滴を確実に自然なかたちで貯水室8に戻すことができるものである。
【0019】
27は回転体17と多孔体20の回転により発生したナノミストと負イオンとを、送風機4の駆動で処理室7上部の吹出口28から放出させる流通路で、この流通路27は送風筒6と水流阻止手段24との隙間から、処理室7と案内筒5、送風筒6間を上昇して吹出口28に向かう流路から構成されている。
【0020】
29は貯水室8と連通している通水路11に備えられ常時閉弁側に押圧されている排水弁で、給水タンク9が定水位室10にセット(収納)されることで、圧縮バネ(図示せず)によって常時押し上げられているロット30が押し下げられて、ロット30の下端が係止金具31をロックして排水弁29が閉弁状態とされ、給水タンク9がセットされている時は貯水室8内の残水の排水を確実に阻止するものであり、給水タンク9が取り去られることで、ロット30が圧縮バネによって上方に押し上げられ、係止金具31のロックが解除されて、排水弁29は開弁可能状態となるものである。
【0021】
32は貯水室8内の残水の排水を受ける上面開放の排水トレーで、ミスト発生装置本体1内に出し入れ自在に備えられ、正面には手掛け部33が形成されており、その容積は貯水室8の残水を十分に収容できる大きさとしているものである。 また、この排水トレー32は内方後方に突出壁34が形成され、排水レバー35が下げられると係止金具31が排水弁29を押圧して開弁させ、その時、排水レバー35の下端が突出壁34より下方で且つ外側に位置し、排水中に排水トレー32が抜き取られるのを突出壁34と排水レバー35が係合することで防止するものであり、排水が終了し排水レバー35を引き上げて元に戻せば、係止金具31の押圧が解除されて排水弁29は閉弁され、排水トレー32は容易に引き抜かれて、中に溜められた排水を台所等へ廃棄できるものである。
【0022】
36は駆動軸18が貫通した貯水室8とカバー体14との間の駆動軸18途中に備えられた傘状の遮蔽板で、貯水室8から漏れた水が駆動軸18部分を伝わって駆動モータ13内に浸入するのを防止するものである。
【0023】
37は給水タンク9の給水口キャップで、内装した弁機構(図示せず)を固定された支持部(図示せず)で押し上げられることで給水タンク9から定水位室10に給水されるものである。
また、38は給水タンク9を出し入れする時に開閉するタンク蓋、39は蓋体2を着脱するための持ち手、40は吹出口28に備えられナノミストと負イオンの吹き出し方向の変更を行う風向板である。
【0024】
41は運転スイッチ(図示せず)やおやすみモードスイッチ(図示せず)等を備えた操作部42からの入力信号や、温度センサ23およびフロートセンサ12の検出信号を受けて、加熱ヒータ22および駆動モータ13の動作を制御する制御手段で、この制御手段41は、加熱ヒータ22の出力を制御するヒータ制御手段43と、駆動モータ13の出力を制御するモータ制御手段44と、後述するミスト運転中に、前記ヒータ制御手段43によって加熱ヒータ22の出力がOFFされている時、温度センサ23の検出する貯水室8内の貯水の検出温度が、貯水室8内の貯水の設定温度Tより所定温度高い予め設定された過熱温度を跨いで昇温した回数をカウントするカウント手段45と、ミスト運転中にフロートセンサが水位無しを検出した場合、および、ミスト運転中にカウント手段45のカウントが予め設定された所定回数に達した場合に、加熱ヒータ22および駆動モータ13の駆動を停止させ、ミスト運転を停止させるエラー停止手段46と、おやすみモード時に時間を計時するタイマー手段47とを備えているものである。
【0025】
次に、図1に示す一実施形態のミスト発生装置の動作を説明する。
まず、操作部42の運転スイッチをONすると、加熱ヒータ22がONされ貯水室8内に貯留された貯水を除菌するのに十分な予め設定された温度、例えば70℃に加熱する除菌モードが実行され、そして、温度センサ23の検出する貯水室8内の貯水温度が70℃に達すると、加熱ヒータ22がOFFされ除菌モードが終了し、続いて、駆動モータ13の駆動を開始させ、ナノミストおよび負イオンを発生させる通常モードが実行されるものである。
【0026】
前記通常モードにおいて、ヒータ制御手段43は、温度センサ23の検出する貯水室8内の貯水温度に基づいて、加熱ヒータ22をON/OFFさせて、貯水室8内の一定水位の貯水を設定温度Tに保持するよう制御すると共に、モータ制御手段44は、駆動モータ13を設定された回転数になるよう制御し、ナノミストおよび負イオンを発生させ室内に供給するミスト運転を行う。
【0027】
前記駆動モータ13の駆動により駆動軸18に同軸で固定された送風機4および回転体17が回転駆動され、送風機4の回転では、吸引口3から吸引される室内空気を案内筒5へ案内して吸引した後、処理室7下方に放出する。
【0028】
一方、回転体17の回転では、所定温度に加熱された貯水室8内の貯水が、回転体17下端の回転により汲み上げられ、遠心力で回転体17の外壁および内壁を伝って押し上げられて上昇し、回転体17の外壁を伝わせて押し上げた貯水を外方に飛散されると共に、回転体17の内壁を伝わせて押し上げた貯水を回転体17の上端に形成された複数の飛散口19から外方に飛散され、そして周囲に飛散された貯水は、回転体17の上部外周に所定間隔を保持して位置し、回転体17と共に回転する多孔体20の多孔部21に、ぶつかって破砕したり、多孔部21を通過したものはこの外周の送風筒6の内壁に衝突して微細化される。
【0029】
この時、回転体17の回転によって円形で抵抗がない貯水室8内の貯水が、回転体17と同方向に回転する水流を形成しようとするが、水流阻止手段24の支持片26が水面に没して抵抗となり、回転する水流の形成が阻止されるので、遠心力が十分に作用して貯水が回転体17の周壁上を押し上げられて、上記したように良好に破砕されるものである。
【0030】
そして、この加熱された温水の破砕と微細化によりナノミストを生成すると共に、レナード効果で負イオンを発生させ、発生したナノミストと負イオンを上記した送風機4の処理室7下方へ向かう送風で一旦水流阻止手段24にぶつけて、大きくて重いミストを水流阻止手段24に落下させて除去した後、微細なナノミストのみと負イオンを流通路27を介して上部の吹出口28から風向板40で設定された吹き出し方向へ放出して室内に供給し、室内の加湿や空気清浄等を行うものである。
【0031】
また、水流阻止手段24は、上方の送風筒6や多孔体20にぶつかり微細化されなかった比較的大粒の水滴の落下を受けることで、この水滴が直接貯水室8の貯水面に落下して発生するバシャ、バシャという落下音をも阻止することができるものであり、しかもこの水流阻止手段24は、外周から中央部の挿通穴25に向かって緩やかに下り傾斜しているので、落下した水滴は挿通穴25から確実に貯水室8に戻されるものであり、戻される時の音も静かで済むものである。
【0032】
さらに、この放出されるナノミストは、加熱された貯水から生成されるので、肌寒くなく温かいナノミストと負イオンの放出が得られ、冬季でも関係なく使用できるものであり、供給されるナノミストは30℃程度の高温でも低温でもないちょうどよい中間温度であるから、カルキの析出や転倒による火傷の危険もなく、安全であり安心して使用されるものである。
【0033】
また肺から吸引された負イオンは血液中に入り、その還元作用で血液の酸化を阻止し血液サラサラ状態とすると共に、その循環を良くし、末梢血管まで血液を行き渡らせることにより、痛みやこりを緩和することができると考えられている。
【0034】
また、負イオンにより、疲労回復効果、精神安定効果、血液の浄化効果、抵抗力の増進効果、自律神経調整効果等があり、さらにナノミストによって、空気中の隅々まで行き渡り汚れた空気や細菌を抑制し、臭いまでも分解するもので、脱臭効果、除塵効果、除菌効果、もちろん加湿効果があるものであり、この加湿はベトツキがないサラサラで潤いのある空気で、毛穴からの浸透でお肌と髪の潤いを保つ効果を有するものであり、これらの効果が得られる負イオンとナノミストを大量に放出されるということは、これらの効果も増大するものである。
【0035】
また、貯水室8内の加熱された貯水が、回転体17と多孔体20によって次々とナノミストとして放出されて減少すると、貯水室8の水位が低下し、この低下した水位分の水が給水タンク9から自動的に補水されるものであり、そしてこの補水によって貯水温度が低下すれば、加熱ヒータ22がONされて貯水温度を常に所定温度になるよう制御するものであり、常に肌に心地良い温度のナノミストを継続して供給できるものである。
【0036】
さらに、給水タンク9内の給水が空になった場合は、タンク蓋38を開口して給水タンク9をミスト発生装置本体1から取り出して、台所の蛇口から水道水を補給して元に戻せば、再び同じように使用できるもので、極めて使用勝手が良いものである。
【0037】
また、ナノミストや負イオンを室内に放出するために、送風機4の駆動で吸引口3から吸引される室内空気は、処理室7内で飛散した貯水と交わることにより、空気中の塵や雑菌が最終的には貯水室8の貯水内に混入するので、室内の空気清浄が強力且つ良好に行われるものである。
【0038】
さらに、ミスト発生装置本体1を美顔器として使用する場合には、吹出口28の近くに顔を近づけることで、吹出口28から放出されるナノミストは、顔の無数の小さな毛穴から顔肌に入り込み、肌の保水力を高めると共に肌内の不純物を取り除くものであり、負イオンは、肌表面の老廃物を除去し綺麗でつやのある肌を取り戻せるようにするものであり、精神的にもリラックスして楽しみながら毎日繰り返し行えるものである。
【0039】
次に、おやすみモード時のミスト運転について、図3に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、操作部42のおやすみモードスイッチをONすると(S1)、制御手段41はタイマー手段47を動作させて計時を開始する。(S2)
そして制御手段41は送風量を「弱」にしてミスト運転を開始する。(S3)
【0040】
制御手段41はタイマー手段47による計時が所定時間に達すると(S4)、送風量は「弱」のままで貯水室8内の貯水温度の設定温度Tを送風量が「弱」の時に設定される設定温度34℃から所定温度t低い温度、本実施例では設定温度Tを30℃に設定するもので(S5)、本実施例では所定時間を30分としているものである。(S5)
これにより、吹出口28から吹き出す温かいナノミストおよび負イオンを含んだ空気の温度は、設定温度変更前の30℃から26℃に低下するものである。
【0041】
そしてその状態でミスト運転を継続し(S6)、そしてフロートセンサ12が貯水室8内の貯水が一定水位未満になったのを検知すると(S7)、制御手段41は水切れと判断しておやすみモードを解除し(S8)、加熱ヒータ13をOFFすると共に、駆動モータ22を停止させてミスト運転を停止するものである。(S9)
【0042】
以上のようにおやすみモードが設定されてから所定時間経過するまでは貯水室内の温度を設定温度Tに保持してミスト運転を行うので、就寝時に入眠するまで通常の設定温度Tの温かいナノミストおよび負イオンを含んだ空気が室内に放出されて使用者は冷風感を感じず、スムーズに入眠することができ、更に、おやすみモードが設定されてから所定時間経過した後は貯水室内の設定温度Tを所定温度t低い温度に変更してミスト運転を行うので、貯水室内の温度を通常の設定温度Tに保持して行うミスト運転に比べて運転時間を長くすることができるものである。
【0043】
尚、本実施例ではおやすみモードが設定されてから所定時間の30分を経過するまでは貯水室内の温度を設定温度Tに保持してミスト運転を行い、おやすみモードが設定されてから所定時間の30分を経過した後は貯水室内の設定温度Tを所定温度t低い温度、本実施例では4℃低い設定温度に変更してミスト運転を行っているがこれに限定されず、貯水室内の設定温度Tを何段階に分けて所定温度t低い温度に変更するようにしてもいいものである。
つまり例えば、おやすみモードが設定されてから所定時間30分の半分である15分を経過した後は貯水室内の設定温度Tを所定温度tの半分である2℃低い設定温度に変更し、それから更に所定時間30分の半分である15分を経過した後に更に貯水室内の設定温度Tを所定温度tの半分である2℃低い設定温度に変更してもよいものである。
【0044】
このように貯水室内の設定温度Tを何段階に分けて所定温度t低い温度に変更することにより、吹出口28から吹き出す空気の温度の低下幅を小さくして冷風感をより感じないようにできるものである。
【0045】
又、おやすみモードが設定されてから所定時間経過した後に貯水室内の設定温度Tを所定温度t低い温度に変更してミスト運転を行う際に、送風量を更に小さくするようにしてもよく、それによりミスト運転の継続時間をより長くすることができるものである。
【符号の説明】
【0046】
4 送風機
6 送風筒
8 貯水室
12 フロートセンサ
13 駆動モータ
17 回転体
20 多孔体
22 加熱ヒータ
23 温度センサ
41 制御手段
47 タイマー手段
図1
図2
図3
図4