特許第5767675号(P5767675)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5767675模擬タバコ装置及び補充品ユニットを備えるシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5767675
(24)【登録日】2015年6月26日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】模擬タバコ装置及び補充品ユニットを備えるシステム
(51)【国際特許分類】
   A61M 15/06 20060101AFI20150730BHJP
   A24F 47/00 20060101ALI20150730BHJP
【FI】
   A61M15/06 A
   A24F47/00
【請求項の数】4
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-154859(P2013-154859)
(22)【出願日】2013年7月25日
(62)【分割の表示】特願2010-514101(P2010-514101)の分割
【原出願日】2008年6月25日
(65)【公開番号】特開2014-419(P2014-419A)
(43)【公開日】2014年1月9日
【審査請求日】2013年8月23日
(31)【優先権主張番号】0712305.2
(32)【優先日】2007年6月25日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】510000482
【氏名又は名称】カインド・コンシューマー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】KIND CONSUMER LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118625
【弁理士】
【氏名又は名称】大畠 康
(74)【代理人】
【識別番号】100144200
【弁理士】
【氏名又は名称】奥西 祐之
(72)【発明者】
【氏名】アレックス・ハーン
【審査官】 田中 玲子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第03721240(US,A)
【文献】 実開平01−077399(JP,U)
【文献】 実開昭51−014088(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 15/06
A24F 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状のタバコのような形状を有する模擬タバコと、
前記模擬タバコのための補充ガスを含んでおり、且つ前記模擬タバコが補充される位置とは異なる位置で前記模擬タバコを選択的に保持するための手段を有する補充装置と、
を備え
前記模擬タバコは、
一端に吸入出口及び他端に補充入口を有する細長いハウジングと、
前記補充入口に隣接すると共に前記補充装置と係合したときに押されて開くように配置された補充弁を有し、前記ハウジングの実質的部分に沿って延びる加圧貯蔵器と、
前記吸入出口に隣接すると共に、前記補充装置からのガスが前記補充装置を横断し、且つ、前記吸入出口から排出できるように作動可能である呼吸活性化出口弁と、
を有している、模擬喫煙装置。
【請求項2】
前記補充装置は、補充ハウジングを備え、
前記補充ハウジングは、前記補充ハウジング内に全体的に収納される、前記模擬タバコを選択的に保持するための手段を備えている、請求項1に記載の模擬喫煙装置。
【請求項3】
前記補充ハウジングは、立方形のタバコ箱状の形状を有している、請求項2に記載の模擬喫煙装置。
【請求項4】
請求項1からのいずれか1つに記載の模擬喫煙装置のための補充装置であって、
前記補充装置が、前記模擬喫煙装置のための補充ガスを含んでおり、且つ前記模擬タバコが補充される位置とは異なる位置で前記模擬タバコを選択的に保持するための手段を備えている、補充装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、模擬タバコ装置及び補充品ユニットを備えるシステムに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
喫煙が1年当たり3−4百万人を殺していると共に世界における喫煙者の数が毎年増加していると、世界保険機構によって推測されている。ニコチン置換治療は西洋諸国においてより広範囲になったが、多くの者が予測していたような喫煙者にやめさせる点での広範囲の影響は、依然として持っていない。更に、現在の喫煙者及び元喫煙者が、現在のNRT治療が非実用的、不満足、又は異常であることを知っているので、彼らはNRTに満足しておらず、67%の者が断念している。喫煙に慣れている者にとって、タバコ及びその箱のスタイル及び機能を再現するような、喫煙と同一の習慣的パターンを再現する装置の必要が増大している。更に、ユーザーが彼の望みに応じて、喫煙者の味および知覚のニーズを満たすシステム、及び決まった量のニコチンを送り出すシステムのための必要があることが、ますます明白になっている。したがって、本発明の目的の1つは、それゆえに、生理的渇望だけでなく習慣的な渇望を満たすことができる非発ガン性のタバコを提供することであり、非発ガン性のタバコは、ニコチン置換療法の社会的に受け入れられる形態になりえる。本発明の更なる目的は、ニコチン置換療法のより便利で手頃で慣習的な形態の、装置及び補充品を提供することであり、その装置及び補充品は、より早く代理のニコチンを送達し、特に小売店における喫煙箱の表示を禁止する代わりに、存在している喫煙の小売り形態に急速に組み込むことができるだろう。
【0003】
公共の場所におけるタバコの喫煙における制限が大きくなっており、喫煙の生理的作用を再現できる装置の余地があり、その装置は、すべての公共の場所で用いることができるように社会的に許容される。また、喫煙できない形態でニコチンを分配するのに使用できる装置の必要があり、その装置は、タバコ置換物として、又は、喫煙者が感じるニコチン依存に取り組むために、喫煙者に喫煙を断念させるのに役立つ。ニコチン置換のプロセスで有益な効果があると知られているので、酸素のような他のガス状物質が分配されてもよい。
【0004】
(背景技術)
多くの模擬タバコ装置が公知であり、例えば、米国3,631,856、3,721,240及びドイツ4030257である。これらのすべては、補充品容器から補充可能である。
【0005】
国際公開01/49349は、容器の中に酸素が蓄えられている酸素送達装置を開示しており、その容器は、その後装置から除去され、補充又は交換される。一方、補充が実際にどのように実行されるかの指摘はない。
【0006】
米国3,045,671は、補充を通じてチャンバーに通じる装置の端部に、概して円筒状カプセルを有するカートリッジホルダーをねじ込むことによって補充できるチャンバーを有する携帯用吸入器を開示している。この吸入器は、医療目的のための酸素の緊急供給を提供することを意図しており、模擬タバコ装置としては構成されていない。
【0007】
米国4,171,000は、繊維貯蔵物質で満たされているチャンバーを有する模擬タバコ装置を開示している。吸い込まれる混合物を含んでいる円筒状の圧力容器は、ユーザーによって貯蔵物質が吸い込まれるように、圧力容器から物質を分配するように、このチャンバーの方に移動できる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、実質的に円筒状のタバコのような形状を有する模擬タバコと、模擬タバコのための補充用ガスを含んでいるタバコ箱のような形状を有する実質的に立方体のハウジングを有する補充装置と、模擬タバコを選択的に保持するための保有手段と、を備える模擬喫煙装置が提供される。
【0009】
タバコに似ている模擬タバコ及びタバコ箱に似ている補充装置を構成することによって、本発明は緊密に喫煙経験を再現する。それゆえ、タバコユーザーは、タバコとタバコ箱に見える生産物をより快適に購入するかもしれない。また、この発明は、それらが箱からタバコを取り出し、タバコから吸入する儀式を再現することを可能にする。平凡な喫煙タバコをライターを用いて点火するような、プロセス、習慣、及び動作において、同様の補充の儀式を、ユーザーに許容する。本発明は、それゆえ、信用できる喫煙代用品として喫煙者から承認をずっと得られそうであり、喫煙のための慣習的な店頭の小売り販路において、急速に売り出すことに適しているかもしれない。
【0010】
補充ハウジングは、44から176mmの高さと、21から112mmの幅と、8から60mmの深さとを有している。より好ましくは、高さが80から120mmであり、幅が20から60mmであり、深さが15から30mmである。最良には、標準的に売られている20本のタバコの箱に対応するように、高さが88mmであり、幅が56mmであり、深さが24mmである。
【0011】
模擬タバコ装置は、一端に吸入出口及び他端に補充入口を有する細長いハウジングと、ハウジングの実質的部分に沿って延び且つ補充入口に隣接する補充弁を有する貯蔵器と、吸入出口に隣接する出口弁とを有しており、吸入出口は、貯蔵器からのガスが、貯蔵器を横断し且つ吸入出口から排出できるように、作動可能である。
【0012】
補充装置は、好ましくは、出口及びそれに関連する貯蔵器出口弁を有するガス貯蔵器を備えており、タバコ装置の補充弁は、補充装置の貯蔵器からタバコ装置の貯蔵器への流路を開くように、貯蔵器出口弁と協働するように配置されている。
【0013】
装置及び補充ユニットの組み合わせは、使用のパターンに応じて、補充ユニットを補充又は交換する必要が発生する前に、多くの日数の間続くための十分な容量を持っている。補充ユニットそれ自体がそこから補充される貯蔵器は、例えば、自動販売機、又は、ユーザーが家で又は自動車の中に保持でき、いつでも持ち運ぶ必要がないような高圧シリンダーとできる。しかし、現在の優先傾向は、補充ユニットを補充可能にするよりもむしろ、代わりの補充ユニットを売ることにある。
【0014】
貯蔵器は、好ましくは、500立方ミリメートルから10000立方ミリメートルの間の体積を有しており、もっと好ましくは、2200立方ミリメートルから2600立方ミリメートルの間である。ニコチン、溶媒、高圧ガス、及び酸素を含んでいる、標準的な加圧溶剤は、好ましくは2−150バールの圧力であり、もっと好ましくは5−20バールの圧力であり、最良には6バールの圧力である。酸素を高い割合で含む溶剤は、好ましくは、5−150バールの間の圧力であり、好ましくは20から25バールの間の圧力である。
【0015】
貯蔵器が補充を必要とする前に、装置は、一般的に、8から24回吹くことを提供できる。
【0016】
補充ユニットは、好ましくは、10000立方ミリメートルから100000立方ミリメートルの間の体積を有しており、もっと好ましくは、40000立方ミリメートルから50000立方ミリメートルの間である。標準的な補充溶剤は、2−150バールの圧力であり、もっと好ましくは5−20バールの圧力であり、最良には6−8バールの圧力である。
【0017】
補充ユニットは、一般的に、補充を必要とする前に、80から1000回吹かすことを提供でき、もっと好ましくは120から200回吹かすことを提供できる。
【0018】
組成物は、好ましくは、酸素、ニコチン又はその誘導体又はニコチン塩、酸化防止剤、芳香及び/又は風味成分、高圧ガス、及び溶剤である。それは、認識促進添加剤を含んでいても良い。組成物の詳細は、同時係属中の英国0712308.6内に与えられている。
【0019】
更に、貯蔵器は、タバコのライターを連想させる慣習的な手作業にそっくりな、補充箱の上面又は側面に置かれたトリガー又は押し込みボタンによって作動する圧縮ポンプのような手動ポンプを提供できる。一定の服用量及び圧力が維持されて送達されるので、このことは、貯蔵器を準備し、調整し、且つ再加圧することに役立つ。
【0020】
好ましくは、補充ユニットは、模擬タバコが補充される回数を登録し且つこのことをユーザーに表示する服用量カウンターを備えている。このことは、ユーザーが空の補充箱から模擬タバコを補充しないようにするため、補充がガスを使い切っていることの明確な視角表示を与える。また、現在の補充がガスを使い切る前の十分な時間内に、ユーザーが新しい補充を購入することを許容する。
【0021】
この形態は、本発明の独立した態様を形成しており、模擬タバコと、模擬タバコのための補充ガスを含み且つ模擬タバコを選択的に保持するための補充装置とを備える模擬喫煙装置のような幅広い用語において画定されるものであり、補充装置は更に、模擬タバコが補充される回数を登録し且つユーザーにこのことを表示する服用量カウンターを備えている。
【0022】
この装置は、模擬タバコを選択的に保持するための手段が、補充位置において模擬タバコを保持するように構成されても良い。しかし、好ましくは、模擬タバコを選択的に保持する手段は、模擬タバコが補充される位置とは異なる位置で模擬タバコを保持するように、構成されている。
【0023】
模擬タバコが収納される位置と模擬タバコが補充される位置とを分離することは、使用の利便性のためにタバコが蓄えられる方法における自由度を設計者に許容し、同時に、補充装置からの出口が便利な位置とされることを許容する。また、それは、本当のタバコ及び箱の体験が、ずっと正確に再現されることを許容する。
【0024】
この形態は、本発明の独立した態様を形成しており、模擬タバコと、模擬タバコ装置のための補充ガスを含み且つ模擬タバコが補充される位置とは異なる位置でタバコ装置を保持するように模擬タバコを選択的に保持するための手段を有している補充装置と、を備える喫煙装置のような幅広い用語において画定されるものである。
【0025】
好ましくは、模擬タバコを選択的に保持するための手段は、ハウジング内に模擬タバコを全体的に収容するように構成されている。
【0026】
ハウジング内に模擬タバコを全体的に収容することは、従来のタバコ包みとずっと同種の構成を提供する。
【0027】
この形態は、本発明の独立した態様を形成しており、模擬タバコと、模擬タバコのための補充ガスを含んでいるハウジングを有し且つハウジング内に模擬タバコを全体的に収容するための手段を有する補充装置とを備えている、模擬喫煙装置のような幅広い意味において画定されるものである。
【0028】
本発明は、また、上述した本発明の態様のいずれか1つに記載の模擬喫煙装置と一緒に使用するための補充装置にも及んでいる。
【0029】
また、本発明の1つの態様の好ましい特徴は、本発明の他の態様にも、等しく適用される。
【0030】
補充ユニットは、好ましくは、ガスの単一のシリンダーを備えているが、都合の良いサイズの箱の中により多くのガスを収容できるように、少なくとも2つのシリンダーをも備えることができる。
【0031】
2つのシリンダーが備えられるとき、ユーザーが一方又は他方のシリンダーからタバコ装置を満たすように、2つのシリンダーは完全に分離されても良い。一方のシリンダーは、補充ユニットの外側からアクセス可能であっても良く、他方のシリンダーは、補充ユニットの内側からアクセス可能であっても良い。シリンダーは、同じ配向にされても良く、互いに対して反対に配置されても良い。しかし、好ましくは、タバコ装置が両方のシリンダーから同時に充填されるように構成されるように、導管システム及び弁システムが設けられている。
【0032】
補充ユニットは、タバコ装置がそれを通って充填される第1のガス通路と、補充ユニットがそれを通って補充される第2のガス通路とを、備えても良い。しかし、好ましくは、タバコ装置は、補充ユニットを補充するために用いられる同一のガス通路を通って充填される。
【0033】
酸素を有するタバコ装置は、同時係属中の英国0712304.5及び0712306.0の目的を形成している。
【0034】
本発明に係る装置及びシステムの一例が、添付の図面を参照して記述されている。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】補充ノズルを示す、装置を通る断面図である。
図2A】閉位置にある補充を備える装置の遠位端を通る断面図である。
図2B】開位置にある補充を備える図2Aと同様の図である。
図3】近位端での呼吸活性化弁を示す断面図である。
図4】呼吸活性化弁の代替設計を示す図3に類似する図である。
図5図4におけるV−V線を通る断面図である。
図6】第1の補充ユニットの断面図である。
図7】第2の補充ユニットの図6に類似する図である。
図8】第3の補充ユニットを示す断面図である。
図9A】収容位置における模擬タバコを有する第4の補充ユニットを示す断面図である。
図9B】補充位置における模擬タバコを有する補充ユニットを示図9Aに類似する図である。
図10】服用量カウンターの分解組立斜視図である。
図11A】作動の諸工程における服用量カウンターを通る断面図である。
図11B】作動の諸工程における服用量カウンターを通る断面図である。
図11C】作動の諸工程における服用量カウンターを通る断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
システムは、2つの主要部品、すなわち図1から図5に示される模擬タバコ装置1と、図6から図8に示される補充ユニット2と、を備えている。
【0037】
模擬タバコ装置1が、まず説明される。これは、細長い中空の円筒状ハウジング3を備えている。このハウジングの一端は補充端4であり、反対側の端部は吸入端5である。補充端4にある逆止弁6は、以下でより詳細に記述される。これは、装置の長さの実質的部分に沿って延びている貯蔵器7に通じている。図1に示されるように、貯蔵器は、円筒状ハウジング3の中にしっかりと固定されている円筒状スリーブ8によって画定されている。しかし、それは、円筒状ハウジング3自体によって画定できるかもしれない。補充端4に対する貯蔵器7の反対側の端で、装置に沿う経路の約4分の3が、以下でより詳細に記述される呼吸活性化出口弁9である。これは、吸入端5のある出口に通じている。貯蔵器7は、逆止弁6を通るガスで周期的に充填される。その後、ユーザーは、貯蔵器7から服用量のガスを引き出すために、呼吸活性化弁9を周期的に開く吸入端5を、吸う。
【0038】
逆止弁6が、今、図2A及び図2Bを参照して、より詳細に説明される。逆止弁は、バネ13によって弁座12に対して付勢される弁要素11を備えている。バネ13は、ガスの通過を許容するように開いているバネ支持体14によって、その反対側の端に支持されている。補充端4は、弁要素11の上流に補充弁座15を持っている。貯蔵器を補充するために、補充ノズル14は、装置1の補充端4内に挿入されている。補充ノズルの端が、補充プロセスの間、貯蔵器の端を密閉するように弁座15を密閉している間、補充ノズル14は、弁座15から弁要素11を引き上げるように弁要素11を押している。図1に示されるように、補充ノズル14が弁要素11に対して押されたときに、補充ノズル14が自動的にガスを分配するように、補充ノズル14はバネ止めされている。あるいは、独立したガス開放機構が、補充装置のために備えられても良い。
【0039】
補充ノズル14が引っ込められると、バネ13は貯蔵器7の端を密閉するように弁要素11を弁座15上に押し返す。
【0040】
呼吸活性化弁9が、今、図3を参照して説明される。呼吸活性化弁9は、貫通孔17を有する細長いロッドの形をしている弁要素16を備えている。この貫通孔17は、貯蔵庫7に通じている筒状出口18内に位置している。図3に示される位置において、貫通孔17は筒状出口18に対して垂直であり、それにより筒状出口18を通過する流れを阻止する。弁要素16が90度回転するとき、貫通孔17が、貯蔵器7からの流れを許容する筒状出口18と一直線上に並ぶ。
【0041】
弁要素16は、一対の付勢バネ19によって図3に示される閉位置に保持されている。弁要素16のどちらかの端には、羽根システム20がある。羽根システム20の上流に、一対の傾斜入口21がある。傾斜入口21を通って流れる空気が、付勢バネ19の作用に逆らって開位置に弁要素16を回転させるような方法で羽根システム20に影響を及ぼすように、一対の傾斜入口21は配置され且つ配向されており、それにより呼吸活性化弁9を開く。このように、呼吸活性化弁9は、装置1の吸入端5を吸うユーザーによって、活性化される。吸引が停止すると、付勢バネ19は呼吸活性化弁9を閉鎖する。
【0042】
図3に見られるように、吸引端5の方へ流れる2つの流れがある。これらは、矢22で示される筒状入口21からの外気流れと、参照符号23で示される貫通孔17を通過する貯蔵器7からの流れとであり、一対の流出流れ開口部24が、ある割合の外気流れ22を流れ23内に流すと共に、吸入端5に向かう流れを促進するように傾斜する方向に向けられている。貯蔵器7からのガスが特に冷たくなるようになっており、それゆえ、そのガスは流れ20からの外気によって薄められる。吸入端5に、外部流れ通路用環状フィルター要素26及び貯蔵器7からの流れ用の中央フィルター要素27を適切な位置に保つスクリーン25がある。これらは、外部の破片が装置1に入り込むのを防止する。
【0043】
別構成の呼吸活性化弁が、今、図4及び図5を参照して説明される。
【0044】
吸入端5のほとんどの構成要素は、上述されたものと同一であり、同一の参照符号を用いて示されている。弁機構だけが異なっている。弁機構は、図4に示される第1位置に、各平衡バネ29によって回転可能に取り付けられ且つ付勢される一対の板28を備えている。各板28から概して垂直に拡張しているものが、シール要素30である。シール要素30は、密閉を提供するために、好ましくは、エストラマーのような一定の弾力を有する材料、又は、端部に弾力のある先端を有する剛体材料で、作られる。シール要素30は、出口18を通る流れ経路を密閉するために、出口18の中央にある。装置1において、傾斜入口21からの空気は、図4に示される位置から板28を下方に回転させる板28に影響を及ぼしており、それにより、シール要素30を分割し、貯蔵器7からの流れを許容している。吸引が停止するとき、板28は、図4に示される開始位置に戻るように促され、筒状出口18は再度密閉される。
【0045】
補充ユニットの第1実施例が、今、図6を参照して説明される。
【0046】
補充ユニットは、タバコ箱とほぼ同じ大きさ且つほぼ同じ形状をしている。補充ユニットは、実質的に立方形の構成を有している。実質的に立方体の形状を提供している限り、厳密に立方形の形状からのいくらかの逸脱が許されることは、理解されるだろう。例えば、補充ユニットがユーザーのポケット内により容易に入るように、縁部が丸いか、又は補充ユニットがわずかに湾曲した構成を有していてもよい。このような変形は、とりわけ、実質的に立方形のタバコ箱状の形状のための要求内にあると考えられる。補充ユニットは、タバコ装置1が使用されていないときにタバコ装置1をその中に蓄えることができる凹部31を備えている。補充ユニットは、凹部31の側に置かれている一対のガスシリンダー32を備えている。
【0047】
各ガスシリンダー32は、同一の構造を有している。各ガスシリンダー32は、弁要素33を備える入口/出口弁を備えており、弁要素33は付勢バネ35によって弁座34へ付勢されており、付勢バネ35はバネ支持体36に支持されている。
【0048】
補充ユニット2からタバコ装置1を充填するために、及び、補充ユニット2自体を補充するために、導管システムが、入口/出口37とガスシリンダー32との間を連通させるように、備えられている。導管システムは、入口/出口37から2つのガスシリンダー32へと導くバネ調整管38の形態を取っている。バネ調整管38は、一対のノズル39を備えており、各ノズル39はそれぞれの弁要素33に対して押すように構成されており、各ノズル39は複数の開口部40を備えており、開口部40はガスシリンダー32の内部空間とバネ調整管38の内部空間との間を連通させる。バネ42によって閉位置に通常付勢されている管弁41が、入口/出口37に隣接している。ノズル39に類似する管ノズル43が、弁41に付属している。
【0049】
未使用の構成では、バネ調整管38はバネ44によって補充ユニットの底面に密接する位置に付勢されている。このとき、弁要素33は、弁要素33が管弁41であるかのように据え付けられており、おのおのは、それぞれのバネによってその閉位置に付勢されている。タバコ装置1が入口/出口37の中に挿入されているとき、タバコ装置1上の逆止弁6は、上述するように、開いている。管弁41は開位置に押し込まれ、バネ調整管38の全体が、バネ45によって支援される図6に示される位置に、持ち上げられる。このことは、ノズル37に、弁要素33を弁座34から持ち上げさせる。ガスシリンダー32がタバコ装置よりも高圧であるので、空気が貯蔵器7内に流れる。各ガスシリンダー32は、タバコ装置を14回補充するのに十分な圧力のガスを持っている。
【0050】
ガスシリンダー32がガス欠であるとき、補充ユニットは、処分され、理想的にはリサイクルに回され、且つ、新しいユニットに交換されてもよい。あるいは、ガスシリンダー32は、補充可能でもよい。これは、ガスシリンダー32からタバコ装置1を補充するのに使われるのと同様の機構を用いて行われる。このことを行うために、(図示せぬ)高圧ガス源が、タバコ装置が挿入され且つ同一の流れ経路が開かれるようなやり方で、入口/出口37の中に配置される。高圧ガス源がガスシリンダー32よりも高圧なので、ガスシリンダー32は補充される。これが、ガスシリンダー32が第1の使用のために充填される方法でもある。
【0051】
例えば、高圧ガス源は、ユーザーがそこから彼らのガスシリンダーを補充できるように自動販売機で提供されても良く、又はユーザーが彼らの家又は車の中で保持できるガス缶であってもよい。
【0052】
図7は、第2の補充ユニット2を示している。これは、第1の補充ユニットに類似しているが、この場合、タバコ装置が凹部31内にあるときに、タバコ装置を補充するように設計されている。このように、管弁41及び管ノズル43は、図6におけるそれらの位置を逆さまにしており、対応する調整が機構の残りで行われる。これは、タバコ装置1が補充ユニットの中にあるときに、タバコ装置1が自動的に補充されることを可能にしている。
【0053】
第3の補充ユニットが、図8に示されている。このユニットは、ヒンジ48でヒンジ式に取り付けられる蓋47を有するケーシング46を備えている。蓋47が開いているとき、タバコ装置1は、凹部31内に挿入でき且つ凹部31から取り出すことができる。補充ユニットは、図6に関連して説明されているシリンダーにしたがって構成されている、単一のシリンダー32を含んでいる。この実施例は単に単一のシリンダーを備えるのみなので、タバコ装置1及び高圧ガス源が弁要素33を直接的に押すように、入口/出口37はノズル39の直ぐ下にある。
【0054】
第4の補充ユニット50及びタバコ装置51が、図9から図11に示されている。前の実施例のように、補充装置50は、タバコ箱によく似るような形状及び寸法のハウジング52を有している。ハウジング52は、ハウジングの上部の角を塞ぐ蓋53を有している。蓋53は、ヒンジ54を用いてハウジング52に取り付けられており、蓋53は、ハウジング52上の補充面56に対応するアーチ形面55を有している。
【0055】
タバコ装置51は凹部57内に保持されており、図9Aに示されるように、蓋53が閉じられているとき、タバコ装置51が全体的に包み込まれている。単一シリンダー59はハウジング内に設けられており、単一シリンダー59は吸気可能な組成物を備えている。ハウジング52は、補充開口である開口60を有している。これは、輸送及び保管の間に汚れの侵入を防ぐ剥離式膜によって保護されても良い。板61は、ハウジングの壁に隣接して配置され、シリンダー59の弁軸63を露出させるように、バネ62の作用に逆らって押し下げることができる。これは、はじめの実施例に関して上述したように、タバコ装置51が補充されることを可能にする。
【0056】
ハウジング52は、以下で図10及び図11に関連してより詳細に説明される服用量カウンターのための、図9A及び図9Bに模式的に示される窓Wを有している。
【0057】
板61は、複数の溝65を有する従属縁64を持っている。板61は、中空の円筒状ハウジング66の中に配置されており、円筒状ハウジング66は端部に切欠き部67を有しており、前記端部に、歯車68が軸69の周りに回転するように取り付けられている。
【0058】
円筒状ハウジング66は、スライダー71内の矩形開口70の中に位置している。スライダー71は各端部に単一歯72、73を有しており、内側縁74が歯車68に耐えるように配置されている。リング75は、スライダー71を囲んでいる。リング75は、その最も内側の表面上に多数の歯76を備えており、その外側に面する表面に番号77のセットを備えている。全ての構成要素が取付リング78の上に取り付けられており、ハウジング66上の突起79が、前記構成要素を適当な位置に保つ取付リング78の上で対応する突起80に結合するようになっている。
【0059】
図9Bに示されるようにタバコ装置が板61に押し付けられるような使用において、図11Aに示される位置から図11Bに示される位置までリング75を移動させる歯車68を回転させながら、縁64が降りていく。スライダー70上の歯72が、リング75上の対応する歯に協働し、その結果、リング75を図11Bに示される位置へ反時計回りにわずかに回転させる。タバコ装置を引っ張ることにより、縁64が反対方向に歯車68を回転させるように、板61をバネ62によって上方に駆動させ、それにより図11Cに示される位置までスライダーを移動させ、図11Cにおいて歯73が時計回りに更にわずかにリング75を回転させる。板61に押し付けられ且つ板61から引き離されるタバコ装置によって引き起こされる合成運動は、次の一続きの番号77が窓64に表示されるようにリング75を進ませるのに十分である。したがって、この構成は、シリンダー59内に残っている服用量の数の総計を提供することができる。
【0060】
例えば、電子機構を有する別の服用量カウンターが、用いられても良い。
【0061】
弁付き袋(bag-on-valve)システムも、補充小缶に加えることができる。弁付き袋システムは、溶接された袋を備えた噴霧器弁からなっている。弁付き袋システムを用いて、噴霧機内に、圧縮空気、圧縮酸素、圧縮窒素、又はその他の圧縮物が袋の外側にあり、袋の内部にある生成物上で高圧ガスとして作用する。これは、ニコチンのような活性成分が、より長い貯蔵寿命を得られるように、高圧ガス、好ましくは酸素から分離されることを可能にする。弁付き袋は、小缶内に配置され、EP吹き付けシステム又は電力容器のような製造業者によって供給されうるものであり、標準的な加圧小缶と同じ補充容量を運ぶことができる。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図11C