(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5767678
(24)【登録日】2015年6月26日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】キャニスタ型真空掃除機
(51)【国際特許分類】
A47L 9/24 20060101AFI20150730BHJP
【FI】
A47L9/24 Z
A47L9/24 D
【請求項の数】2
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-228421(P2013-228421)
(22)【出願日】2013年11月1日
(65)【公開番号】特開2014-91050(P2014-91050A)
(43)【公開日】2014年5月19日
【審査請求日】2013年11月5日
(31)【優先権主張番号】1219628.3
(32)【優先日】2012年11月1日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】508032310
【氏名又は名称】ダイソン テクノロジー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103609
【弁理士】
【氏名又は名称】井野 砂里
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(72)【発明者】
【氏名】ベン トーマス エドモンズ
(72)【発明者】
【氏名】ベンジュマン ロジャー ミズン モーズ
【審査官】
芝井 隆
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−225082(JP,A)
【文献】
実開昭49−103765(JP,U)
【文献】
特開平06−159328(JP,A)
【文献】
特開平08−317880(JP,A)
【文献】
特開平08−154874(JP,A)
【文献】
実開昭63−036451(JP,U)
【文献】
実開平03−072854(JP,U)
【文献】
特開平04−008331(JP,A)
【文献】
特開平11−285459(JP,A)
【文献】
特開2002−010955(JP,A)
【文献】
特表2006−508724(JP,A)
【文献】
特開2006−075306(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/00
A47L 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、収縮位置と伸長位置との間で伸縮自在なワンドとを備えるキャニスタ型真空掃除機であって、
前記ワンドは、外側管に対して移動可能な内側管と、前記内側管に設けられた第1の装着特徴部と、前記外側管に設けられた第2の装着特徴部とを備え、
前記本体は、第3の装着特徴部を備え、
前記ワンドは、前記第1の装着特徴部及び前記第2の装着特徴部の両方が前記第3の装着特徴部に係合することにより前記本体へ装着可能であり、
前記ワンドが収縮した場合、前記第1の装着特徴部及び前記第2の装着特徴部は、前記第3の装着特徴部に係合し、
前記ワンドが伸長した場合、前記第1の装着特徴部及び前記第2の装着特徴部の一方だけが前記第3の装着特徴部に係合して、前記ワンドが伸長した場合には前記ワンドの前記本体への装着が阻止されるようになっていて、
前記第1の装着特徴部と前記第3の装着特徴部とは、前記ワンドが前記本体に対して、軸線と平行な第1の方向に移動することを許容し、前記軸線と直交する第2の方向に移動することを阻止するように係合し、前記第2の装着特徴部と前記第3の装着特徴部とは、前記第1の方向に移動することを阻止し、前記第2の方向に移動することを許容するように係合する、
ことを特徴とするキャニスタ型真空掃除機。
【請求項2】
前記第1の装着特徴部及び前記第3の装着特徴部の一方はランナを備え、前記第1の装着特徴部及び前記第3の装着特徴部の他方は案内溝を備え、前記第1の装着特徴部と前記第3の装着特徴部とは、前記ランナを前記案内溝内に摺動可能に受け入れるように係合し、前記第2の装着特徴部と前記第3の装着特徴部とは、前記ワンドが収縮する場合に前記ランナが前記案内溝を越えて摺動することを阻止し、前記ワンドが伸長する場合に前記ランナが前記案内溝を越えて摺動することを許容するように係合する、請求項1に記載の真空掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャニスタ型真空掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
図1には、本体2を有するキャニスタ型真空掃除機1が示されており、掃除機ヘッド3が、本体2へホース及びワンド組立体4を用いて結合されている。本体2及び掃除機ヘッド3の各々は、真空掃除機1を使用しないときに掃除機ヘッド3を本体2へ装着するための特徴部を備える。掃除機ヘッド3が本体2へ装着される場合、ホース及びワンド組立体4は、本体2から上方へ延びる。その結果、組立体4の質量中心が、本体2の質量中心よりも高くなる。結果的に、ユーザが不注意で組立体4にぶつかると、本体2にトルクが作用する。組立体4のワンドが収縮される場合、組立体4の質量中心は十分に低くなり、組立体4にぶつかっても、真空掃除機1は、直立したままである。しかしながら、ワンドが伸ばされる場合、組立体4の質量中心は高くなる。結果的に、組立体4にぶつかると、真空掃除機1は、結果として生ずるトルクにより転倒する場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、本体と、収縮位置と伸長位置との間で伸縮自在なワンドとを備えるキャニスタ型真空掃除機を提供し、ワンドは、外側管に対して移動可能な内側管と、内側管に設けられた第1の装着特徴部と、外側管に設けられた第2の装着特徴部とを備え、本体は、第3の装着特徴部を備え、ワンドは、第1の装着特徴部及び第2の装着特徴部の両方が第3の装着特徴部に係合することにより本体へ装着可能であり、第1の装着特徴部及び第2の装着特徴部はワンドが収縮した場合に第3の特徴部に係合し、ワンドが伸長した場合に第1の装着特徴部及び第2の装着特徴部の一方だけが第3の特徴部に係合して、ワンドが伸長した場合にはワンドの本体への装着が阻止される。
【0004】
従って、ワンドが伸長する場合、ワンドを本体に装着することはできない。その結果、より安定した真空掃除機が実現できる。
【0005】
ワンドは、別個の管上に位置する別個の装着特徴部を有する。管上の装着特徴部は、ワンドが収縮した場合にのみ本体上の装着特徴部に係合することを保証することにより、ワンドが伸長した場合、ワンドは本体への装着が阻止される。更に、装着特徴部を別個の管上に設けたので、ワンドは、長い長さにわたって本体上に装着することができ、安定性が向上する。
【0006】
第1の装着特徴部と第3の装着特徴部とは、本体に対してワンドが第1の方向に移動することを許容し、第2の方向に移動することを阻止するように係合することができる。次に、第2の装着特徴部と第3の装着特徴部とは、第1の方向に移動することを阻止し、第2の方向に移動することを許容するように係合することができる。従って、本体へ装着される場合に、ワンドは、第1の方向及び第2の方向の両方への移動が阻止される。従って、ユーザには、ワンドを本体へ装着しようとする場合、ワンドは第1の方向及び第2の方向の何れにも引き続き移動可能なので、ワンドが収縮していないという指示が与えられる。
【0007】
第1の装着特徴部と第3の装着特徴部とは、本体に対してワンドが軸線に沿って摺動により移動することを許容し、軸線と直交する方向に移動することを阻止するように係合する。次に、第2の装着特徴部とは第3の装着特徴部とは、軸線に沿った摺動による移動を阻止し、軸線と直交する方向での移動を許容するように係合する。従って、ユーザは、ワンドを本体に対して摺動させることで、ワンドを本体に装着することができる。次に、ワンドの摺動は、第2の装着特徴部と第3の装着特徴部とが係合した場合に停止する。従って、これによってワンドを本体に装着する好都合な方法がもたらされる。
【0008】
第1の装着特徴部及び第3の装着特徴部の一方はランナを備えることができ、第1の装着特徴部及び第3の装着特徴部の他方は案内溝を備えることができる。従って、第1の装着特徴部と第3の装着特徴部とは、ランナを案内溝内に摺動可能に受け入れるように係合し、第2の装着特徴部と第3の装着特徴部とは、ワンドが収縮する場合にはランナが案内溝を越えて摺動することを阻止し、ワンドが伸長する場合にはランナが案内溝を越えて摺動することを許容するように係合する。従って、ユーザは、ランナを案内溝内へ挿入し、その後、本体に対してワンドをランナが案内溝に沿って摺動するように移動させて、ワンドを本体へ装着することができる。その後、ワンドの移動は、第2の装着特徴部と第3の装着特徴部とが係合した場合に停止する。ワンドが収縮している場合、第2の装着特徴部と第3の装着特徴部とは、ランナが案内溝内に保持されている時点で係合する。しかしながら、ワンドが伸長している場合、第2の装着特徴部と第3の装着特徴部とは、ランナが案内溝を通り抜けた時点で係合する。従って、ユーザには、ワンドを本体へ装着しようとする場合に、ワンドが本体上の案内溝を通って最後まで移動するので、ワンドが収縮していないという指示がもたらされる。
【0009】
本発明をより容易に理解できるように、本発明の実施形態は添付図面を参照して以下に例示的に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図3】
図2に示した真空掃除機のワンドの一部を上方から見た不等角投影図である。
【
図4】ワンドの一部を下方から見た不等角投影図である。
【
図5】ワンドの一部を側方から見た不等角投影図である。
【
図6】
図2に示した真空掃除機の本体の不等角投影図である。
【
図8】本体へ装着された場合のワンドの断面図であり、断面は、ワンドの装着特徴部及び本体の装着特徴部を通って延びている。
【
図9】本体へ装着されて収縮した位置にある場合のワンドの側面図であり、本体の一部は、
図8の線X−Xに沿って切り取った断面で示される。
【
図10】本体へ装着されて収縮した位置にあるワンドの側面図であり、本体の一部は、
図8の線Y−Yに沿って取り出した断面で示される。
【
図11】ワンドを本体へ装着しようとする場合の部分的に伸長した位置にあるワンドの図であり、本体の一部は、
図8の線X−Xに沿って切り取った断面で示される。
【
図12】ワンドを本体へ装着しようとする場合の部分的に伸長した位置にあるワンドの図であり、本体の一部は、
図8の線Y−Yに沿って切り取った断面で示される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図2から
図12に示す真空掃除機10は、キャニスタ形式であり、掃除機ヘッド12が、ホース及びワンド組立体13を利用して本体11へ流体結合される本体11を備えている。
【0012】
ホース及びワンド組立体13は、ワンド14、ハンドル15、及びホース16を備えている。
【0013】
ワンド14は、伸縮自在であり、外側管18に対して移動する内側管17を備えている。2つの末端において、ワンド14は、収縮位置と伸長位置との間で伸縮する。外側管18は内側管17のノッチ20に係合するキャッチ19を備え、ユーザは、ワンド14を2つの末端の間の所定の位置にロックすることができる。
【0014】
ワンド14は、一端で掃除機ヘッド12へ取り付けられ、他端でハンドル15へ取り付けられている。次に、ホース16は、一端でハンドル15へ取り付けられ、他端で本体11へ取り付けられている。
【0015】
図2に示すように、本体11及びワンド14の各々は、ワンド14を本体11へ装着できるように係合する装着特徴部21−23を備える。以下で説明するように、装着特徴部21−23は、ワンド14が収縮した場合にのみワンド14を本体11へ装着できるような方法で係合する。従って、ワンド14の本体11への装着は、ワンド14が伸長又は部分的に伸長する場合には阻止される。
【0016】
ワンド14は、内側管17に設けられた第1の装着特徴部21と、外側管18に設けられた第2の装着特徴部22とを備えている。
【0017】
第1の装着特徴部21は、内側管17から外向きに延びる突起の形態である。突起21は、ステム24と、一対のランナ25とを備える。ステム24は、内側管17に沿って管17の長手方向軸線と平行な方向に延びている。ランナ25は、ステム24の両側に沿って延びている。ステム24は高さが一定ではなく、その代わりに傾斜している。その結果、ランナ25は、内側管17の長手方向軸線に対して少し傾斜した軸線に沿って延びている。結果的に、ワンド14が本体11へ装着される場合(以下で詳述するように)、ワンド14は、本体11に対して後方へ更に傾く。その結果、ホース及びワンド組立体13の質量中心は低くなる。従って、これにより、組立体13にぶつかっても、本体11へ作用するトルクがより小さくなるので、真空掃除機1の安定性が改善されるという利益が得られる。
【0018】
第2の装着特徴部22は、外側管18から外向きに延びる平坦なフランジの形態である。フランジ22は、外側管18の長手方向軸線に直角な平面内に位置している。
【0019】
ワンド14が収縮位置にある場合、第1の装着特徴部21と第2の装着特徴部22とは、互いに隣接する。対照的に、ワンド14が伸長している場合、第1の装着特徴部21と第2の装着特徴部22とは互いに遠くにある。
【0020】
本体11は、ブラケットの形態の第3の装着特徴部23を備える。ブラケット23は、ベース26と、ベース26の両側に沿って延びる一対の湾曲アーム27とを備える。両アーム27は、2つのアーム27の間に中央スロット28が形成されるように互いの方向に湾曲している。更に、各アーム27とベース26との間には案内溝29が形成されている。
【0021】
ワンド14を本体11へ装着するためには、まず、第1の装着特徴部21を、第3の装着特徴部23と係合させる。これは、突起21のステム24をブラケット23のスロット28へ挿入することにより達成される。次に、ワンド14を、本体11に対して下向きに押して、突起21のランナ25をブラケット23の案内溝29に沿って摺動させる。ランナ25は、第2の装着特徴部22が第3の装着特徴部23に係合する時点まで、案内溝29に沿って摺動する。これは、フランジ22がブラケット23のアーム27へ当接した場合に達成される。フランジ22とブラケット23との当接により、突起21がブラケット23の摺動軸線(即ち、スロット28及び案内溝29の長手方向軸線)に沿ってそれ以上摺動することが阻止される。この段階では、ワンド14が本体11に対して摺動軸線と平行な方向に移動することは、フランジ22及びアーム27により阻止される。更に、ワンド14が本体11に対して摺動軸線と直交する方向に移動することは、ランナ25及びアーム27により阻止される。その結果、ワンド14は、本体11にしっかり装着される。
【0022】
第1の装着特徴部21と第3の装着特徴部23とは、ワンド14が本体11に対して第1の方向(即ち、摺動軸線と平行な方向)に移動することは許すが、第2の方向(即ち、摺動軸線と直交する方向)に移動することは妨げるように係合する。次に、第2の装着特徴部22と第3の装着特徴部23とは、ワンド14が本体11に対して第2の方向に移動することを許すが、第1の方向に移動することは妨げるように係合する。従って、本体11に対するワンド14の移動は、第1の装着特徴部21及び第2の装着特徴部22の両方が第3の装着特徴部23に係合した場合にだけ阻止される。このことは、ワンド14が収縮している場合にのみ起こる。収縮時、第1の装着特徴部21と第2の装着特徴部22とは互いに隣接している。その結果、第1の装着特徴部21及び第2の装着特徴部22は、第3の装着特徴部23へ同時に係合可能である。対照的に、ワンド14が伸長又は部分的に伸長している場合、第1の装着特徴部21と第2の装着特徴部22とは互いに離れている。その結果、どの時点でも、第1の装着特徴部21及び第2の装着特徴部22の一方のみが第3の装着特徴部23に係合できるに過ぎない。その結果、本体11へのワンド14の装着は、以下で説明するように阻止される。
【0023】
前述のように、ワンド14を本体11へ装着するためには、まず、第1の装着特徴部21を第3の装着特徴部23に係合させる。これは、突起21のステム24をブラケット23のスロット28へ挿入することにより達成される。次に、ランナ25は、第2の装着特徴部22が第3の装着特徴部23に係合する時点まで案内溝29に沿って摺動する。スロット28及び案内溝29は、両端が開放されている。結果的に、第2の装着特徴部22がないので、ステム24及びランナ25はスロット28及び案内溝29を通って摺動し、ブラケット23から抜け出る。従って、第1の装着特徴部21及び第3の装着特徴部23だけを用いてワンド14を本体11へ装着することはできない。同様に、第2の装着特徴部22及び第3の装着特徴部23だけを用いてワンド14を本体11へ装着することはできない。ワンド14が収縮位置にある場合、フランジ22は、ランナ25が依然として案内溝29内に位置している時点でブラケット23のアーム27に当接する。その結果、フランジ22とアーム27とは、摺動軸線と平行な方向でのワンド14の移動を阻止するように係合し、ランナ25とアーム27とは、摺動軸線と直交する方向でのワンド14の移動を阻止するように係合する。しかしながら、ワンド14が伸長又は部分的に伸長している場合、フランジ22は、ランナ25が案内溝29を超えた時点でブラケット23のアーム27へ当接する。結果的に、フランジ22とアーム27とは係合して摺動軸線と平行な方向でのワンド14の移動を阻止するが、ワンド14は、摺動軸線と直交する方向では自由に移動する。その結果、ワンド14は、本体11へ装着されていない。
【0024】
図9及び
図10には、ワンド14が収縮した場合の装着特徴部21−23の係合が示されており、
図11及び
図12には、ワンド14が部分的に伸長した場合の装着特徴部21−23の係合が示されている。4つの図面の全てにおいて、装着特徴部21−23を最良に示すために、本体11の一部は断面で示されている。
図9及び
図11において、本体11の断面は、
図8の線X−Xに沿って切り取ったものであり、
図10及び
図12において、本体11の断面は、線Y−Yに沿って切り取ったものである。
【0025】
まず、ワンド14が収縮した状態において、
図9から分かるように、ランナ25は案内溝29内に位置している。従って、ランナ25は、ブラケット23のアーム27へ当接して、摺動軸線と直交する方向でのワンド14の本体11に対する移動を阻止するようになっている。
図10において、フランジ22がブラケット23のアーム27へ当接していることが分かる。その結果、摺動軸線と平行な方向での本体11に対するワンド14の移動が阻止される。従って、ワンド14は、摺動軸線と平行な方向及び直交する方向での移動が阻止されるので、ワンド14は本体11へ確実に装着される。
【0026】
次に、ワンド14が部分的に伸長する状態において、
図11には、ランナ25が案内溝29内に位置するワンド14の第1の位置が示されている。ランナ25は、ブラケット23のアーム27に当接して、摺動軸線と直交する方向でのワンド14の移動を阻止するようになっている。しかしながら、ワンド14が部分的に伸長しているので、フランジ22はブラケット23から離れていることが分かる。結果的に、ワンド14は、摺動軸線と平行な方向に自由に移動し、換言すると、ランナ25は案内溝29内で自由に摺動する。
図12には、フランジ22がブラケット23のアーム27に当接するワンド14の第2の位置が示されている。
図12から分かるように、ここでは、ランナ25は案内溝29を通り抜け、そこから離れている。結果的に、ここではフランジ22とアーム27との当接が摺動軸線と平行な方向でのワンド14の移動を阻止するが、ワンド14は、ここでは摺動軸線と直交する方向に自由に移動する。その結果、ワンド14は、本体11に確実に装着されない。実際、どの時点においても、ランナ25又はフランジ22のみがブラケット23のアーム27に係合するので、ワンド14を本体11に装着することはできない。
【0027】
このように、ワンド14及び本体11の装着特徴部21−23は、ワンド14が収縮している場合には本体11へのワンド14の装着を許し、ワンド14が伸長している場合には本体11へのワンド14の装着を阻止するように係合する。ワンド14の伸長時には、ワンド14を本体11に装着することはできないので、より安定した真空掃除機1が得られる。
【0028】
装着特徴部21、22をワンド14の内側管17及び外側管18の両方に設けたので、ワンド14は、より長い長さにわたって本体11へ装着することができる。換言すれば、ワンド14は、離間した複数の箇所で取り付けることができる。その結果、ワンド14は、本体11への装着時の安定性が改善される。
【0029】
前述した実施形態では、装着特徴部21−23の各々に関して具体的な配置又は構成が記載されている。しかしながら、ワンド14の収縮時にはワンド14の本体11への装着が可能になり、ワンド14の伸長時にはワンド14の本体11への装着が阻止されるように装着特徴部21−23が係合する限り、他の配置又は構成を用いることができる。
【0030】
結果的に、各装着特徴部21−23は単一かつ一体の構成要素として記載したが、装着特徴部が2つ又はそれ以上の別個の構成要素を備えることも想定される。これは、本体11上に設けられた第3の装着特徴部23に特に当てはまる。例えば、第3の装着特徴部23は、ワンド14の第1の装着特徴部21と係合する本体11の一部に設けられた第1の構成要素と、ワンド14の第2の装着特徴部22に係合する本体11の別の部分に設けられた第2の構成要素とを備えることができる。実際、前述の図面に示した実施形態では、本体11は、該本体11を持ち運ぶためのハンドル30を備える。ワンド14が本体11へ装着される場合、外側管18のフランジ22は、ブラケット23のみならず本体11のハンドル30にも係合する。
図8から分かるように、ハンドル30は、全体的にU字形の断面を有する。結果的に、フランジ22の表面がブラケット23に当接して摺動軸線と平行な方向のワンド14の移動を阻止する場合、フランジ22の側部は、ハンドル30に当接して摺動軸線と直交する方向でのワンド14の横方向の移動を阻止する。その結果、ワンド14は、本体11に装着される場合に安定性が向上する。
【符号の説明】
【0031】
1 キャニスタ型真空掃除機
2 本体
3 掃除機ヘッド
4 ホース及びワンド組立体
14 ワンド
17 内側管
18 外側管
21 第1の装着特徴部
22 第2の装着特徴部
23 第3の装着特徴部