(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
各入力ビームに対応する2連ミラーについて、第1ミラー及び第2ミラーの向きは、上記出力ビーム束を構成する各出力ビームの伝搬方向が特定の方向に一致するように調整されている、ことを特徴とする請求項1に記載の導光装置。
各入力ビームに対応する2連ミラーについて、第1ミラー及び第2ミラーの位置は、上記出力ビーム束を構成する各出力ビームの光軸が特定の平面内に等間隔で並ぶように調整されている、ことを特徴とする請求項2に記載の導光装置。
上記特定の平面と上記第1ミラーの下面との間に形成された接着剤層の厚み、及び、上記第1ミラーの上面と上記第2ミラーの下面との間に形成された接着剤層の厚みは、上記2連ミラーの寸法公差よりも小さい、ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の導光装置。
各入力ビームに対応する2連ミラーについて、第1ミラー及び第2ミラーの位置を、上記出力ビーム束を構成する各出力ビームの光軸が特定の平面内に等間隔で並ぶように調整する工程を更に含んでいる、ことを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
複数のLD素子と、上記複数のLD素子の各々から出射されたレーザビームからなる入力ビーム束を複数の出力ビームからなる出力ビーム束に変換する導光装置とを備えたLDモジュールにおいて、
上記導光装置は、各LD素子に対応する2連ミラーであって、他のLD素子に対応する2連ミラーから分離された2連ミラーを備えており、
各LD素子に対応する2連ミラーは、特定の平面上に載置された第1ミラーと、該第1ミラー上に載置された第2ミラーとにより構成されており、
上記第1ミラーは、第1ミラーの外部から入射する、対応するLD素子から出射されたレーザビームを第1ミラーの外部に反射する第1反射面であって、上記特定の平面との成す角がθ1となる第1反射面を有しており、
上記第2ミラーは、第2ミラーの外部から入射する、上記第1反射面にて反射されたレーザビームを第2ミラーの外部に反射する第2反射面であって、上記特定の平面との成す角がθ2となる第2反射面を有しており、
上記レーザビームと上記出力ビームとの成す角をθangle、上記レーザビームの光軸と
上記特定の平面の法線との成す角をφ1、上記出力ビームの光軸と上記特定の平面の法線
との成す角をφ2、上記第1反射面の法線ベクトルの上記特定の平面への正射影が上記レーザビームの光軸の上記特定の平面への正射影と平行になる向きを基準の向きとして上記第1ミラーを当該基準の向きから上記特定の平面の法線を軸に回転させる回転角をθ1y、上記第2反射面の法線ベクトルの上記特定の平面への正射影が上記レーザビームの光軸の上記特定の平面への正射影と直交する向きを基準の向きとして上記第2ミラーを当該基準の向きから上記特定の平面の法線を軸に回転させる回転角をθ2yとして、
上記θ1は、(90°−θangle)=−θ2y×2−(90°−φ1)×2−(90°−θ1×2)、及び、θ1≠45°を満たし、上記θ2は、(90°−φ2)=−θ1y×2−(90°−θ2×2)、及び、θ2≠45°を満たす、
ことを特徴とするLDモジュール。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の一実施形態に係るLDモジュールについて、図面に基づいて説明すれば以下の通りである。
【0023】
〔LDモジュールの構成〕
本実施形態に係るLDモジュール1の構成について、
図1を参照して説明する。
図1は、LDモジュール1の構成を示す上面図である。
【0024】
LDモジュール1は、N個(本実施形態においてはN=10)のLDチップLD1〜LD10から出射されたレーザビームを光ファイバOFに結合するためのものである。なお、本実施形態においては、LDモジュール1が備えるLDチップの個数Nを10とするが、本発明はこれに限定されない。すなわち、LDモジュール1が備えるLDチップの個数Nは、2以上の任意の整数であり得る。
【0025】
LDモジュール1は、
図1に示すように、N個のLDチップLD1〜LD10の他に、N個のF軸コリメートレンズFAC1〜FAC10と、N個のS軸コリメートレンズSAC1〜SAC10と、N個の2連ミラーM1〜M10と、基板Bと、F軸集光レンズFLと、S軸集光レンズSLとを備えている。LDチップLD1〜L10、F軸コリメートレンズFAC1〜FAC10、S軸コリメートレンズSAC1〜SAC10、2連ミラーM1〜M10、F軸集光レンズFL、及びS軸集光レンズSLは、何れも、直接、又は、不図示のマウントを介して基板B上に載置される。
【0026】
LDモジュール1においては、基板B、F軸コリメートレンズFAC1〜FAC10、S軸コリメートレンズSAC1〜SAC10、及び2連ミラーM1〜M10が、従来のマイクロ光学装置10(
図16参照)に相当する導光装置を構成する。この導光装置は、従来のマイクロ光学装置10と同様、LDチップLD1〜LD10から出射されたz軸正方向に伝搬するレーザビーム(以下、「入力ビーム」とも記載する)からなる入力ビーム束を、x軸負方向に伝搬するレーザビーム(以下、「出力ビーム」とも記載する)からなる出力ビーム束に変換する機能を有する。
【0027】
この出力ビーム束の光路上には、F軸集光レンズFLとS軸集光レンズSLとが配置される。F軸集光レンズFLは、出力ビーム束を構成する各出力ビームを、ビーム間隔が光ファイバOFの入射端面において最小になる(好ましくは0になる)ように屈折させる。また、S軸集光レンズSLは、出力ビーム束を構成する各出力ビームを、y軸方向のビーム径が光ファイバOFの入射端面において最小になる(好ましくは0になる)ように集束させる。
【0028】
LDモジュール1は、
図1に示すように、LDチップLDiと、F軸コリメートレンズFACiと、S軸コリメートレンズSACiと、2連ミラーMiとからなる光学系を単位として構成されている。
図1においては、LDチップLD1と、F軸コリメートレンズFAC1と、S軸コリメートレンズSAC1と、2連ミラーM1とからなる単位光学系S1を例示している。
【0029】
〔単位光学系の構成〕
LDモジュール1が備える単位光学系Siの構成ついて、
図2を参照して説明する。
図2は、単位光学系Uiの構成を示す斜視図である。単位光学系Uiは、
図2に示すように、LDチップLDiと、F軸コリメートレンズFACiと、S軸コリメートレンズSACiと、2連ミラーMiとにより構成される。
【0030】
LDチップLDiは、活性層がzx平面と平行になるように、かつ、出射端面がz軸正方向を向くように、基板B上に載置される。このため、LDチップLDiから出射されるレーザビームは、伝搬方向がz軸正方向、F軸がy軸と平行、S軸がx軸と平行になる。
【0031】
なお、
図1に示したように、N個のLDチップLD1〜LD10は、x軸に沿って並べられる。このため、各LDチップLDiからz軸正方向に出射されたレーザビームの光軸は、zx面に平行な第1の平面内でx軸に沿って平行に並ぶことになる。
【0032】
LDチップLDiから出射されるレーザビームの光路上には、F軸コリメートレンズFACiとS軸コリメートレンズSACiとが配置される。F軸コリメートレンズFACiは、LDチップLDiから出射されたレーザビームのF軸方向の広がりをコリメートするためのものであり、S軸コリメートレンズSACiは、LDチップLDiから出射されたレーザビームのS軸方向の広がりをコリメートするためのものである。F軸コリメートレンズFACi及びS軸コリメートレンズSACiを透過したレーザビームは、伝搬方向がz軸正方向に収斂されたコリメートビームとなる。なお、LDチップLDiから出射されるレーザビームのS軸方向の広がりが十分に小さい場合、S軸コリメートレンズSACiは省略しても構わない。
【0033】
LDチップLDiから出射されるレーザビームの光路上には、更に、2連ミラーMiが配置される。2連ミラーMiは、基板B上に載置された第iミラーMi1と、第1ミラーMi1上に載置された第2ミラーMi2とにより構成される。第1ミラーMi1は、LDチップLDiから出射されたレーザビームを反射し、その伝搬方向をz軸正方向からy軸正方向に変換するためのものでり、「跳ね上げミラー」と呼ばれることもある。また、第2ミラーMi1は、第1ミラーMi1にて反射されたレーザビームを反射し、その伝搬方向をy軸正方向からx軸負方向に変換するためのものであり、「折り返しミラー」と呼ばれることもある。
【0034】
なお、
図1に示したように、x軸負方向側から数えてi+1番目のLDチップLDi+1から出射されたレーザビームを反射する2連ミラーMi+1は、x軸正方向側から数えてi番目のLDチップLDiから出射されたレーザビームを反射する2連ミラーMiよりもz軸負方向側に配置される。このため、各2連ミラーMiにてx軸負方向に反射されたレーザビームの光軸は、zx面と平行な第2の平面であって、上述した第1の平面よりもy軸正方向側に位置する第2の平面内でz軸に沿って並ぶことになる。
【0035】
〔2連ミラーの構成〕
LDモジュール1が備える2連ミラーMiの構成ついて、
図3を参照して説明する。
図3は、2連ミラーMiの構成を示す斜視図である。2連ミラーMiは、
図3に示すように、第1ミラーMi1と、第2ミラーMi2とにより構成される。
【0036】
第1ミラーMi1は、少なくとも下面A1と、下面A1と平行な上面B1と、反射面S1とを有する多面体状の構造物である。反射面S1と下面A1とが成す角は、
図3に示すように45°である。
【0037】
第1ミラーMi1は、下面A1が基板Bの上面に当接するように、基板B上に載置される(
図2参照)。これにより、第1ミラーMi1の反射面S1の法線ベクトル(反射面S1から第1ミラーMi1の外部に向かう外向き法線ベクトル)と、基板Bの上面(zx面)の法線ベクトル(上面から基板Bの外部に向かう外向き法線ベクトル)との成す角が45°になる。また、第1ミラーMi1の向きは、反射面S1の法線がyz面と平行になるように決められる。これにより、第1ミラーMi1の反射面S1は、z軸負方向から入射したレーザビームをy軸正方向に反射する。
【0038】
第2ミラーMi2は、少なくとも下面A2と、反射面S2とを有する多面体状の構造体である。反射面S2と下面A2との成す角は、
図3に示すように45°である。
【0039】
第2ミラーMi2は、下面A2が第1ミラーMi1の上面B1に当接するように、第1ミラーMi1上に載置される。これにより、第2ミラーMi2の反射面S2の法線ベクトル(反射面S2から第2ミラーMi2の外部に向かう外向き法線ベクトル)と、基板Bの上面(zx面)の法線ベクトル(上面から基板Bの外部に向かう外向き法線ベクトル)との成す角が135°になる。また、第2ミラーMi2の向きは、反射面S2の法線がxy面と平行になるように決められる。これにより、第2ミラーMi2の反射面S2は、y軸負方向から入射したレーザビームをx軸負方向に反射する。
【0040】
LDモジュール1においては、各2連ミラーMiを構成する第1ミラーMi1及び第2ミラーMi2の向きを調整することによって、出力ビームの伝搬方向をx軸負方向に一致させることができる。y軸を回転軸として第1ミラーMi1を微小回転させると、z軸を回転軸として出力ビームの伝搬方向が微小回転し、y軸を回転軸として第2ミラーMi2を微小回転させると、y軸を回転軸として出力ビームの伝搬方向が微小回転するためである。
【0041】
また、LDモジュール1においては、各2連ミラーMiを構成する第1ミラーMi1及び第2ミラーMi2の位置を調整することによって、出力ビームの光軸をxz面と平行な平面内に等間隔で並べることができる。第1ミラーMi1をz軸正方向/負方向に並進させると、出力ビームの光軸がz軸正方向/負方向に並進し、第2ミラーMi2をx軸正方向/負方向に並進させると、出力ビームの光軸がy軸正方向/負方向に並進するためである。
【0042】
なお、本実施形態においては、出力ビーム束を構成する各出力ビームの伝搬方向をx軸負方向と一致させることを第1の調整目標としているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、出力ビームを構成する各出力ビームの伝搬方向を特定の方向と一致させることができれば十分であり、該特定の方向は、x軸負方向に限定されない。
【0043】
また、本実施形態においては、出力ビーム束を構成する各出力ビームの光軸をzx面と平行な平面内に等間隔で並べることを第2の調整目標としているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、出力ビームを構成する各出力ビームの光軸を特定の平面内に等間隔で並べることができれば十分であり、該特定の平面は、zx面と平行な平面に限定されない。
【0044】
〔ミラーの微小回転が出力ビームの回転を引き起こす理由〕
第1ミラーMi1及び第2ミラーMi2の微小回転が出力ビームの微小回転を引き起こす理由について、
図4を参照して説明する。
【0045】
第1の反射面S1に入射する入射光(入力ビーム)の方向ベクトルをLとすると、第1の反射面S1から出射する反射光の方向ベクトルL’は、以下のように表すことができる。ここで、n1は、第1の反射面S1の法線ベクトルであり、(L・n1)は、方向ベクトルLと法線ベクトルn1との内積である。
【0046】
L’=L−2(L・n1)n1 ・・・(1)
同様に、第2の反射面S2に入射する入射光の方向ベクトルをL’とすると、第2の反射面S2から出射する反射光(出力ビーム)の方向ベクトルL”は、以下のように表すことができる。ここで、n2は、第2の反射面S2の法線ベクトルであり、(L’・n2)は、方向ベクトルL’と法線ベクトルn2との内積である。
【0047】
L”=L’−2(L’・n2)n2 ・・・(2)
したがって、第1の反射面S1に入射する入射光の方向ベクトルがLであるとき、第2の反射面S2から出射する反射光の方向ベクトルL”は、以下のように表すことができる。
【0048】
L”=L−2(L・n1)n1−2{(L・n2)−2(L・n1)(n1・n2)}n2 ・・・(3)
ところで、第1ミラーMi1を、y軸を回転軸としてθy=θ1だけ回転させると、第1の反射面S1の法線ベクトルn1は、n1=(1/2)
1/2(0,1,−1)からn1=(1/2)
1/2(−sinθ1,1,−cosθ1)へと変化する。また、第2ミラーMi2を、y軸を回転軸としてθy=θ2だけ回転させると、第2の反射面S2の法線ベクトルn2は、n2=(1/2)
1/2(−1,−1,0)からn2=(1/2)
1/2(−cosθ2,−1,sinθ2)へと変化する。
【0049】
このとき、第2の反射面S2から出射する反射光の方向ベクトルL”=(L”x,L”y,L”z)の各成分は、(3)式に従って以下のように与えられる。
【0050】
L”x=sin2θ1・cosθ2・sinθ2
−cosθ1・sinθ1・sin2θ2−cosθ1・cosθ2…(4)
L”y=sin2θ1・sinθ2+cosθ1・sinθ1・cosθ2 …(5)
L”z=sin2θ1・cos2θ2
+cosθ1・sinθ2(1−sinθ1・cosθ2) …(6)
θ1及びθ2が十分に小さい場合、sinθ1≒θ1、cosθ≒1、sinθ2≒θ2、cosθ2≒1という近似が可能である。これらの近似値を式(4)〜(6)に代入して2次以上の微小量(θ1
2、θ2
2、θ1×θ2など)を無視すると、第2の反射面S2から出射する反射光の方向ベクトルL”を近似する以下の式が得られる。
【0051】
L”≒(−1,θ1,θ2) ・・・(7)
(7)式によれば以下のことが分かる。すなわち、第1ミラーMi1を、y軸を回転軸としてθy=θ1だけ微小回転させると、
図4に示すように、第2の反射面S2から出射する反射光の方向ベクトルL”が、z軸を回転軸としてθz=θ1だけ微小回転する。また、第2ミラーMi2を、y軸を回転軸としてθy=θ2だけ微小回転させると、
図4に示すように、第2の反射面S2から出射する反射光の方向ベクトルL”が、y軸を回転軸としてθy=θ2だけ微小回転する。
【0052】
〔ミラーの向き及び位置の調整方法〕
第1ミラーMi1及び第2ミラーMi2の向き及び位置の調整方法について、
図5〜
図11を参照して説明する。
図5は、本調整方法を実施する際のLDモジュール1の構成を示す上面図である。
図6は、本調整方法の流れを示すフローチャートである。
図7〜
図10は、本調整方法に含まれる各工程を説明する図である。
図11は、本調整方法において調整目標とされる出力ビームの配置を示す図である。
【0053】
本調整方法は、
図5に示すように、光モニタ装置OMを用いて実施される。光モニタ装置OMは、入射するレーザビームの向き及び位置を検出するためのものであり、本調整方法を実施する際に出力ビーム束の光路上に配置される。また、本調整方法は、下面に接着材を塗布した第1ミラーMi1を基板B上に載置し、下面に接着材を塗布した第2ミラーMi2を第1ミラーMi1上に載置した状態で実施される。これらの接着材は、本調整方法を実施した後に紫外線等によって硬化される。
【0054】
本調整方法は、
図6に示すように、第1ミラー回動工程T1と、第2ミラー回動工程T2と、第1ミラー摺動工程T3と、第2ミラー摺動工程T4とを、各2連ミラーMiについて繰り返すことにより実現される。
【0055】
第1ミラー回動工程T1は、y軸を回転軸として第1ミラーMi1を微小回転させることによって、z軸を回転軸として出力ビームの伝搬方向を微小回転させる工程である。より具体的に言うと、光モニタ装置OMにより検出された出力ビームの傾き(z軸を回転軸とする回転による傾き)が最小(好ましくは0)になるよう、回転ステージを用いて第1ミラーMi1を微小回転(y軸を回転軸とする回転)させる工程である。
【0056】
図7(a)は、第1ミラー回動工程T1を実施する前の2連ミラーMiの状態を例示する上面図(上段)及び正面図(下段)である。
図7(b)は、第1ミラー回動工程T1を実施した後の2連ミラーMiの状態を例示する上面図(上段)及び正面図(下段)である。
図7(a)の下段に示すように、出力ビームの伝播方向がz軸を回転軸としてx軸方向からΔθzだけ微小回転してしまっている場合、
図7(a)の上段に示すように、y軸を回転軸として第1ミラーMi1を微小回転させる。これにより、出力ビームの伝播方向が
図7(b)の下段に示すように、x軸負方向に一致する。
【0057】
第2ミラー回動工程T2は、y軸を回転軸として第2ミラーMi2を微小回転させることによって、y軸を回転軸として出力ビームの伝搬方向を微小回転させる工程である。より具体的に言うと、光モニタ装置OMにより検出された出力ビームの傾き(y軸を回転軸とする回転による傾き)が最小(好ましくは0)になるよう、回転ステージを用いて第2ミラーMi2を微小回転(y軸を回転軸とする回転)させる工程である。
【0058】
図8(a)は、第2ミラー回動工程T2を実施する前の2連ミラーMiの状態を例示する上面図(上段)及び側面図(下段)である。
図8(b)は、第2ミラー回動工程T2を実施した後の2連ミラーMiの状態を例示する上面図(上段)及び側面図(下段)である。
図8(a)の上段に示すように、出力ビームの伝播方向がy軸を回転軸としてx軸方向からΔθyだけ微小回転してしまっている場合、
図8(a)の上段に示すように、y軸を回転軸として第2ミラーMi2を微小回転させる。これにより、出力ビームの伝播方向が
図8(b)の上段に示すように、x軸負方向に一致する。
【0059】
第1ミラー回動工程T1及び第2ミラー回動工程T2を実施することによって、出力ビーム束を構成する各出力ビームの伝搬方向をx軸負方向と一致させるという第1の調整目標が達成される。
【0060】
第1ミラー摺動工程T3は、z軸と平行に第1ミラーMi1を並進させることによって、z軸と平行に出力ビームの光軸を並進させる工程である。より具体的に言うと、光モニタ装置OMにより検出された出力ビームのz座標が所定の調整目標値となるよう、位置制御ステージを用いてz軸と平行に第1ミラーMi1を並進させる工程である。
【0061】
図9(a)は、第1ミラー摺動工程T3を実施する前の2連ミラーMiの状態を例示する側面図である。
図9(b)は、第1ミラー摺動工程T3を実施した後の2連ミラーMiの状態を例示する側面図である。
図9(a)に示すように、出力ビームの光軸がz軸正方向にΔzだけずれている場合、第1ミラーMi1をz軸負方向に並進させる。これにより、出力ビームの光軸のz軸方向のずれが、
図9(b)に示すように解消される。
【0062】
第2ミラー摺動工程T4は、x軸と平行に第2ミラーMi2を並進させることによって、y軸と平行に出力ビームの光軸を並進させる工程である。より具体的に言うと、光モニタ装置OMにより検出された出力ビームのy座標が所定の調整目標値となるよう、位置制御ステージを用いてx軸と平行に第2ミラーMi2を並進させる工程である。
【0063】
図10(a)は、第2ミラー摺動工程T4を実施する前の2連ミラーMiの状態を例示する正面図である。
図10(b)は、第2ミラー摺動工程T4を実施した後の2連ミラーMiの状態を例示する正面図である。
図10(a)に示すように、出力ビームの光軸がy軸正方向にΔyだけずれている場合、第2ミラーMi2をx軸正方向に並進させる。これにより、出力ビームの光軸のy軸方向のずれが、
図10(b)に示すように解消される。
【0064】
第1ミラー摺動工程T3及び第2ミラー摺動工程T4を実施することによって、出力ビーム束を構成する各出力ビームの光軸をzx面と平行な平面内に等間隔で並べるという第2の調整目標が達成される。
【0065】
出力ビーム束を構成する各出力ビームの光軸をzx面と平行な平面内に等間隔で並べることを第2の調整目標とする場合、第1ミラー摺動工程T3及び第2ミラー摺動工程T4において参照される調整目標値は、
図11に示すように定めればよい。すなわち、光モニタ装置OMの受光面において、各出力ビームのビームスポットLiがz軸上に等間隔に並ぶように定めればよい。
【0066】
なお、第1ミラー摺動工程T3及び第2ミラー摺動工程T4は、
図6に示した通り、第1ミラー回動工程T1及び第2ミラー回動工程T2を実施することによって、出力ビーム束を構成する各出力ビームの伝搬方向を平行化した後で実施することが好ましい。ただし、第1ミラー回動工程T1及び第2ミラー回動工程T2の実施順序、並びに、第1ミラー摺動工程T3及び第2ミラー摺動工程T4の実施順序は、
図6に示したものに限定されない。すなわち、第2ミラー回動工程T2を実施した後に第1ミラー回動工程T1を実施する構成を採用してもよいし、第2ミラー摺動工程T4を実施した後に第1ミラー摺動工程T3を実施する構成を採用してもよい。
【0067】
また、第1ミラーMi1の基板Bへの固定、及び、第2ミラーMi2の第1ミラーMi1への固定に接着剤を用いる場合、これを以下のように行うことが好ましい。すなわち、第1ミラーMi1の下面と基板Bの上面との間、及び、第2ミラーMi2の下面と第1ミラーMi1の上面との間に接着剤を塗布した後、第1ミラー回動工程T1、第2ミラー回動工程T2、第1ミラー摺動工程T3、及び第2ミラー摺動工程T4を実施する。ただし、これらの工程を実施している間、及び、これらの工程を実施し終えてから接着剤の硬化が完了するまでの間、第1ミラーMi1の下面と基板Bの上面とが平行になり、かつ、第2ミラーMi2の下面と第1ミラーMi1の上面とが平行になる状態を保つ。これにより、第1ミラーMi1の下面と基板Bの上面との間に形成される接着剤層、及び、第2ミラーMi2の下面と第1ミラーMi1の上面との間に形成される接着剤層の厚みを均一化することができる。
【0068】
基板Bの上面と第1ミラーMi1の下面との間に形成される接着剤層の厚みが均一であれば、この接着剤層が膨張又は収縮した場合でも、各所における膨張量又は収縮量が同一になる。このため、この接着材層が膨張又は収縮した場合でも、第1ミラーMi1は、基板Bの上面に直交する方向(接着剤層の厚み方向)に平行移動するだけであり、基板Bの上面と第1ミラーMi1の下面との平行性が損なわれることはない。同様に、第1ミラーMi1の上面と第2ミラーMi2の下面との間に形成された接着剤層の厚みが均一であれば、この接着剤層が膨張又は収縮した場合でも、第2ミラーMi2は、第1ミラーMi1の上面に直交する方向に平行移動するだけであり、第1ミラーMi1の上面と第2ミラーMi2の下面と平行性が損なわれることはない。したがって、これらの接着剤層の厚みが均一であれば、これらの接着剤層が収縮又は膨張した場合でも、出力ビームの伝播方向が傾いたり出力ビームの光軸の配置が崩れたりするといった事態の発生を回避することができる。なお、これらの接着剤層に生じ得る収縮又は膨張としては、接着剤を硬化する際に生じ得る硬化収縮や、接着剤を硬化した後に生じ得る熱膨張、熱収縮、膨潤などが想定される。
【0069】
また、基板Bの上面と第1ミラーMi1の下面との間に形成される接着剤層の厚み、及び、第1ミラーMi1の上面と第2ミラーMi2の下面との間に形成された接着剤層の厚みは、要求される接着力を担保し得る範囲で、できるだけ薄くすることが好ましい。これらの接着剤層の厚みが薄くなるほど、これらの接着剤層が膨張又は収縮した場合に生じる厚みの変化量が小さくなり、その結果、基板Bの上面と第1ミラーMi1の下面との平行性、及び、第1ミラーMi1の上面と第2ミラーMi2の下面と平行性が保たれ易くなるからである。特に、これらの接着剤層の厚みは、それぞれ、2連ミラーMiの寸法公差(より具体的には、第1ミラーMi1及び第2ミラーの厚みの公差)、及び、基板Bの公差(より具体的には、基板Bの厚みの公差)よりも小さいことが好ましい。この場合、これらの接着剤層が膨張又は収縮した場合に生じる厚みの変化量も、2連ミラーMiの寸法公差、及び、基板Bの寸法公差を下回る(通常、接着剤層の厚みの変化量は、接着剤層の厚み自体よりも小さい)。したがって、これらの接着剤層が膨張又は収縮した場合でも、接着剤層の厚みが均一であるか否かに依らず、基板Bの上面と第1ミラーMi1の下面との平行性、及び、第1ミラーMi1の上面と第2ミラーMi2の下面との平行性が設計において許容された程度を下回ることはない。
【0070】
〔変形例1〕
なお、本実施形態においては、LDチップLD1〜LD10をx軸に沿って配置する構成を示したが、本発明はこれに限定されない。
【0071】
例えば、
図12に示すように、LDチップLDiから2連ミラーMiまでの光路長が一定になるよう、LDチップLD1〜LD10を斜めに配置してもよい。この場合、
図12に示すように、基板Bのサイズを小型化することが可能になる。
【0072】
また、
図13に示すように、LDチップLDiからF軸集光レンズFLまでの光路長が一定になるよう、LDチップLD1〜LD10を斜めに配置してもよい。この場合、F軸集光レンズLに入射するレーザビームのビーム径が一様になるため、出力ビーム束をより精度良く集束させることができる。
【0073】
〔変形例2〕
また、本実施形態においては、各2連ミラーMiにおける第1ミラーMi1の反射面S1と基板Bの上面との成す角θ1を45°とする(反射面S1から第1ミラーMi1の外部に向かう外向き法線ベクトルと上面から基板Bの外部に向かう外向き法線ベクトルとの成す角を45°とする)構成を示したが、本発明はこれに限定されない。
【0074】
すなわち、
図14に示すように、第1ミラーMi1の反射面S1と基板Bの上面との成す角θ1は、45°でなくとも下記式を満たすものであればよい。
【0075】
(90°−θangle)=−θ2y×2−(90°−φ1)×2−(90°−θ1×2)
ここで、φ1は、LDチップLDiから出射するレーザビームの光軸(本実施形態においては、F軸コリメートレンズFACi及びS軸コリメートレンズSACiを透過した後の光軸)と基板Bの上面の法線との成す角である。また、θangleは、LDチップLDiから出射するレーザビームの光軸(同上)と光ファイバOFに入射するレーザビーム(本実施形態においては、F軸集光レンズFL及びS軸集光SLに入射する前の光軸)の光軸との成す角である。また、θ2yは、2連ミラーMiにおける第2ミラーMi2の回転角である。なお、回転角θ2yは、より正確に言えば、反射面S2の法線ベクトルn2の基板上面への正射影がLDチップLDiから出射するレーザビームの光軸(同上)の基板上面への正射影と直交する向きを基準の向きとして、第2ミラーMi2がy軸(基板上面に直交する軸)を回転軸として当該基準の向きからどれだけ回転したかを表す角度である。
【0076】
また、本実施形態においては、各2連ミラーMiにおける第2ミラーMi2の反射面S2と基板Bの上面との成す角θ2を45°とする(反射面S2から第2ミラーMi2の外部に向かう外向き法線ベクトルと上面から基板Bの外部に向かう外向き法線ベクトルとの成す角を135°とする)構成を示したが、本発明はこれに限定されない。
【0077】
すなわち、
図15に示すように、第2ミラーMi2の反射面S2と基板Bの上面との成す角θ2は、45°でなくとも下記式を満たすものであればよい。
【0078】
(90°−φ2)=−θ1y×2−(90°−θ2×2)
ここで、φ2は、光ファイバOFに入射するレーザビームの光軸(本実施形態においては、F軸集光レンズFL及びS軸集光SLに入射する前の光軸)と基板Bの上面の法線との成す角である。また、θangleは、LDチップLDiから出射するレーザビームの光軸(本実施形態においては、F軸コリメートレンズFACi及びS軸コリメートレンズSACiを透過した後の光軸)と光ファイバOFに入射するレーザビームの光軸(同上)との成す角である。また、θ1yは、2連ミラーMiにおける第1ミラーMi1の回転角である。なお、回転角θ1yは、より正確に言えば、反射面S1の法線ベクトルn1の基板上面への正射影がLDチップLDiから出射するレーザビームの光軸(同上)の基板上面への正射影と平行になる向きを基準の向きを基準の向きとして、第1ミラーMi1がy軸(基板上面に直交する軸)を回転軸として当該基準の向きからどれだけ回転したかを表す角度である。
【0079】
〔まとめ〕
以上のように、本実施形態に係る導光装置は、複数の入力ビームからなる入力ビーム束を複数の出力ビームからなる出力ビーム束に変換する導光装置において、各入力ビームに対応する2連ミラーであって、他の入力ビームに対応する2連ミラーから分離された2連ミラーを備えており、各入力ビームに対応する2連ミラーは、特定の平面上に載置された第1ミラーと、該第1ミラー上に載置された第2ミラーとにより構成されており、上記第1ミラーは、入力ビームを反射する第1反射面であって、その法線と上記特定の平面の法線との成す角が45°となる第1反射面を有しており、上記第2ミラーは、上記第第1反射面にて反射された入力ビームを反射する第2反射面であって、その法線と上記特定の平面の法線との成す角が135°となる第2反射面を有している、ことを特徴とする。
【0080】
上記の構成においては、各入力ビームを反射する第1反射面が特定の平面上に載置された第1ミラーに設けられ、第1反射面にて反射された入力ビームを反射する第2反射面が第1ミラー上に載置された第2ミラーに設けられている。このため、第1ミラー及び第2ミラーをそれぞれ回動させることによって、出力ビームの伝搬方向を自由に調整することができる。例えば、入力ビームの伝搬方向に傾きがあっても、出力ビームの伝搬方向を所定の方向に調整することができる。また、第1ミラー及び第2ミラーをそれぞれ摺動させることによって、出力ビームの光軸位置も自由に調整することができる。
【0081】
しかも、上記の構成においては、各入力ビームに対応する2連ミラーが他の入力ビームに対応する2連ミラーから分離されている。したがって、各出力ビームの伝搬方向の調整を互いに独立に行うことができる。したがって、入力ビームの伝搬方向にばらつきがあっても、出力ビームの伝搬方向を所定の方向に調整することができる。また、各出力ビームの光軸位置の調整も互いに独立に行うことができる。
【0082】
本実施形態に係る導光装置においては、各入力ビームに対応する2連ミラーについて、第1ミラー及び第2ミラーの向きが、上記出力ビーム束を構成する各出力ビームの伝搬方向が特定の方向に一致するように調整されている、ことが好ましい。
【0083】
上記の構成によれば、凸レンズなどによって精度良く集束することが可能な出力ビーム束を得ることができる。
【0084】
本実施形態に係る導光装置においては、各入力ビームに対応する2連ミラーについて、第1ミラー及び第2ミラーの位置が、上記出力ビーム束を構成する各出力ビームの光軸が特定の平面内に等間隔で並ぶように調整されている、ことが好ましい。
【0085】
上記の構成によれば、より精度良く集束することが可能な出力ビーム束を得ることができる。
【0086】
上記導光装置を製造する製造方法も本実施形態の範疇に含まれる。
【0087】
各入力ビームに対応する2連ミラーについて、第1ミラー及び第2ミラーの向きを、上記出力ビーム束を構成する各出力ビームの伝搬方向が特定の方向に一致するように調整する工程を含めることによって、或いは、各入力ビームに対応する2連ミラーについて、第1ミラー及び第2ミラーの位置を、上記出力ビーム束を構成する各出力ビームの光軸が特定の平面内に等間隔で並ぶように調整する工程を更に含めることによって、精度良く集束することが可能な出力ビーム束を生成する導光装置を製造することができる。
【0088】
上記導光装置を備えたLDモジュールも本実施形態の範疇に含まれる。
【0089】
上記導光装置を備えることによって、高出力化及び高効率化が可能なLDモジュールを実現することができる。
【0090】
〔付記事項〕
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。