特許第5767705号(P5767705)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5767705
(24)【登録日】2015年6月26日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】ヘッドアップディスプレイ
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20150730BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20150730BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20150730BHJP
【FI】
   B60R16/02 640K
   B60K35/00 A
   B60R11/02 C
【請求項の数】23
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-524331(P2013-524331)
(86)(22)【出願日】2010年8月27日
(65)【公表番号】特表2013-535376(P2013-535376A)
(43)【公表日】2013年9月12日
(86)【国際出願番号】CN2010076398
(87)【国際公開番号】WO2012024840
(87)【国際公開日】20120301
【審査請求日】2013年2月19日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】509348786
【氏名又は名称】エンパイア テクノロジー ディベロップメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109586
【弁理士】
【氏名又は名称】土屋 徹雄
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ユツァオ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ブキン
(72)【発明者】
【氏名】スン,ルイカン
【審査官】 加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−128000(JP,A)
【文献】 実開平01−123730(JP,U)
【文献】 特開2003−295105(JP,A)
【文献】 特開2005−241288(JP,A)
【文献】 特開2005−193713(JP,A)
【文献】 特開2008−030518(JP,A)
【文献】 国際公開第2001/068416(WO,A1)
【文献】 特開2001−050771(JP,A)
【文献】 特開2009−014692(JP,A)
【文献】 特開2007−108326(JP,A)
【文献】 特開平10−100739(JP,A)
【文献】 特開2007−030673(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/02
B60K 35/00
B60R 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用のヘッドアップディスプレイ装置であって、
情報表示ユニットと、
前記情報表示ユニットに結合された情報取得ユニットであって、前記情報取得ユニットは、
前記自動車に関連した少なくとも加速度センサ及び磁気センサからデータを取得するように構成され、
前記磁気センサから取得した前記自動車の走行データに基づいて走行方向情報を決定するように構成され、
少なくとも前記加速度センサから取得した前記データ及び前記走行方向情報に基づいて少なくとも水平方向の表示座標位置を含む表示位置を決定するように構成され、
前記情報表示ユニットを制御して前記決定した表示位置に情報を表示するようにさらに構成される、
装置。
【請求項2】
前記情報取得ユニットが、表示用の情報を取得するように前記データを処理することができるマイクロコントローラを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記情報表示ユニットが、前記決定した表示位置に前記情報を表示するのを容易にするために2つ以上の走査ミラーを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記情報表示ユニットが、所望の色スペクトルを供給するために異なる色の発光ダイオードを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記情報取得ユニットは、前記加速度センサから取得した前記自動車の速度データと、前記情報取得ユニットの事前設定された閾値速度との比較に基づいて前記表示位置を決定するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記情報取得ユニットは、前記自動車の前記速度データと、前記情報取得ユニットの事前設定された速度制限との比較に基づいて、前記自動車が速度制限を超えて走行しているかどうかを判定するように構成された、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記情報取得ユニットは、前記自動車が前記速度制限を超えて走行していると判定されると、デフォルト色と異なる色で前記情報を表示するように前記情報表示ユニットを制御するように構成された、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記情報取得ユニットは、前記決定した表示位置に前記走行方向情報を表示するように前記情報表示ユニットを制御するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記情報取得ユニットは光センサからデータを取得するようにさらに構成され、前記情報取得ユニットは、前記光センサから取得した光データに基づいて、前記自動車が昼間にまたは夜間に走行しているかを判定するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記情報取得ユニットが、前記光データに基づいて、前記決定した表示位置に表示される前記情報の明るさを変化させるように前記情報表示ユニットを制御するように構成される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
自動車内のヘッドアップ情報表示の方法であって、
前記自動車に関連した少なくとも加速度センサ及び磁気センサからデータを取得すること、
前記磁気センサから取得した前記自動車の走行データに基づいて走行方向情報を決定すること、
少なくとも前記加速度センサから取得した前記データ及び前記走行方向情報に基づいて少なくとも水平方向の表示座標位置を含む表示位置を決定すること、および
前記決定した表示位置に情報を表示すること
を含む方法。
【請求項12】
表示用の前記情報を取得するために前記データを処理することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記決定した表示位置に前記情報を表示するのを容易にするために2つ以上の走査ミラーを用いることをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記情報を表示するために所望の色スペクトルを供給するように異なる色の発光ダイオードを用いることをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記加速度センサから取得した前記自動車の速度データと、事前設定された閾値速度との比較に基づいて前記表示位置を決定することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記自動車の前記速度データと、事前設定された速度制限との比較に基づいて、前記自動車が速度制限を超えて走行しているかどうかを判定することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記自動車が前記速度制限を超えて走行していると判定すると、デフォルト色と異なる色で前記情報を表示することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記決定した表示位置に前記走行方向情報を表示することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記取得することは、光センサからデータを取得することをさらに含み、前記方法は、前記光センサから取得した光データに基づいて前記自動車が昼間にまたは夜間に走行しているかを判定することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記光データに基づいて前記決定した表示位置に表示される前記情報の明るさを変化させることをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
コンピュータ可読媒体であって、実行された場合に自動車用のヘッドアップディスプレイ装置のプロセッサに、
前記自動車に関連した少なくとも加速度センサ及び磁気センサからデータを取得させ、
前記磁気センサから取得した前記自動車の走行データに基づいて走行方向情報を決定させ、
少なくとも前記加速度センサから取得した前記データ及び前記走行方向情報に基づいて少なくとも水平方向の表示座標位置を含む表示位置を決定させ、
前記決定した表示位置に情報を表示させる
コンピュータ実行可能命令をその上に記憶した、コンピュータ可読媒体。
【請求項22】
実行された場合に前記プロセッサにデータを取得させる前記コンピュータ実行可能命令は、プロセッサにさらに、走行方向情報を決定するために磁気センサからデータ取得させる、請求項21に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項23】
実行された場合に前記プロセッサにデータを取得させる前記コンピュータ実行可能命令は、プロセッサにさらに、前記自動車が昼間にまたは夜間に走行しているかを判定するために光センサからデータ取得させる、請求項21に記載のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般にヘッドアップディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッドアップディスプレイ(Head Up Display:HUD)は、ユーザが自動車を運転しているときに、たとえば速度計を見下ろすなど視線がそらされないように、ユーザの通常の視線にて情報を提示するディスプレイである。従来型のHUDは通常は、所定の固定的なやり方で表示領域上に光を投影するように構成されたプロジェクタを用いる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
実時間および動的な応用では、所定の固定的なディスプレイはHUDから情報を取得するためには依然としてユーザの視線からの移動を必要とすることが認識される。典型的にはこれはユーザの注意散漫を生じ、運転の安全を損なう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの例示的実施形態では、自動車用のヘッドアップディスプレイ装置が提供される。装置は、情報表示ユニットと、情報表示ユニットに結合された情報取得ユニットとを含む。情報取得ユニットは、自動車に関連した1つまたは複数のセンサからデータを取得するように構成され、さらに1つまたは複数のセンサから取得したデータに基づいて表示位置を決定し、情報表示ユニットを制御して、決定した表示位置に情報を表示するように構成される。
【0005】
一部の例示的実施形態では情報取得ユニットは、表示用の情報を取得するようにデータを処理することができるマイクロコントローラを含む。
【0006】
一部の例示的実施形態では情報表示ユニットは、決定した表示位置に情報を表示するのを容易にするために2つ以上の走査ミラーを含む。
【0007】
一部の例示的実施形態では情報表示ユニットは、所望の色スペクトルを供給するために異なる色の発光ダイオードを含む。
【0008】
一部の例示的実施形態では装置はさらに、1つまたは複数のセンサを含む。
【0009】
一部の例示的実施形態では1つまたは複数のセンサは、加速度センサを含む。情報取得ユニットは、加速度センサから取得した自動車の速度データと、情報取得ユニットの事前設定された閾値速度との比較に基づいて表示位置を決定するように構成することができる。
【0010】
一部の例示的実施形態では情報取得ユニットは、自動車の速度データと、情報取得ユニットの事前設定された速度制限との比較に基づいて、自動車が速度制限を超えて走行しているかどうかを判定するように構成される。
【0011】
一部の例示的実施形態では情報取得ユニットは、自動車が速度制限を超えて走行していると判定されると、デフォルト色と異なる色で情報を表示するように情報表示ユニットを制御するように構成される。
【0012】
一部の例示的実施形態では1つまたは複数のセンサは、磁気センサを含む。情報取得ユニットは、磁気センサから取得した自動車の走行データに基づいて走行方向情報を決定するように構成することができる。
【0013】
一部の例示的実施形態では情報取得ユニットは、決定した表示位置に走行方向情報を表示するように情報表示ユニットを制御するように構成される。
【0014】
一部の例示的実施形態では1つまたは複数のセンサは、光センサを含む。情報取得ユニットは、光センサから取得した光データに基づいて、自動車が昼間にまたは夜間に走行しているかを判定するように構成することができる。
【0015】
一部の例示的実施形態では情報取得ユニットは、光データに基づいて、決定した表示位置に表示される情報の明るさを変化させるように情報表示ユニットを制御するように構成される。
【0016】
1つの例示的実施形態では、自動車内のヘッドアップ情報表示の方法が提供される。方法は、自動車に関連した1つまたは複数のセンサからデータを取得することを含む。方法はまた、1つまたは複数のセンサから取得したデータに基づいて表示位置を決定することを含む。方法はさらに、決定した表示位置に情報を表示することを含む。
【0017】
一部の例示的実施形態では方法はさらに、表示用の情報を取得するためにデータを処理することを含む。
【0018】
一部の例示的実施形態では方法はさらに、決定した表示位置に情報を表示するのを容易にするために2つ以上の走査ミラーを用いることを含む。
【0019】
一部の例示的実施形態では方法はさらに、情報を表示するために所望の色スペクトルを供給するように異なる色の発光ダイオードを用いることを含む。
【0020】
一部の例示的実施形態では1つまたは複数のセンサは、加速度センサを含む。方法は、加速度センサから取得した自動車の速度データと、事前設定された閾値速度との比較に基づいて表示位置を決定することを含むことができる。
【0021】
一部の例示的実施形態では方法はさらに、自動車の速度データと、事前設定された速度制限との比較に基づいて、自動車が速度制限を超えて走行しているかどうかを判定することを含む。
【0022】
一部の例示的実施形態では方法はさらに、自動車が速度制限を超えて走行していると判定すると、デフォルト色と異なる色で情報を表示することを含む。
【0023】
一部の例示的実施形態では1つまたは複数のセンサは、磁気センサを含む。方法は、磁気センサから取得した自動車の走行データに基づいて走行方向情報を決定することを含むことができる。
【0024】
一部の例示的実施形態では方法はさらに、決定した表示位置に走行方向情報を表示することを含む。
【0025】
一部の例示的実施形態では1つまたは複数のセンサは、光センサを含む。方法は、光センサから取得した光データに基づいて自動車が昼間にまたは夜間に走行しているかを判定することを含むことができる。
【0026】
一部の例示的実施形態では方法はさらに、光データに基づいて、決定した表示位置に表示される情報の明るさを変化することを含む。
【0027】
1つの例示的実施形態では、実行された場合に、自動車用のヘッドアップディスプレイ装置のプロセッサに、自動車に関連した1つまたは複数のセンサからデータを取得させることができるコンピュータ実行可能命令を記憶したコンピュータ可読媒体が提供される。プロセッサはまた、1つまたは複数のセンサから取得したデータに基づいて表示位置を決定する。さらにプロセッサは、決定した表示位置に情報を表示する。
【0028】
上記の概要は例示のみであり、何ら限定するものではない。図面を参照することによりおよび以下の詳細な説明により、上述の例示の態様、実施形態、および特徴に加えて、他の態様、実施形態、および特徴が明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】1つの例示的実施形態でのヘッドアップディスプレイ装置を示す概略図である。
図2(a)】1つの例示的実施形態での、自動車内に据え付けられたヘッドアップディスプレイ装置の概略図である。
図2(b)】上記例示的実施形態での自動車内部の概略図である。
図3(a)】1つの例示的実施形態における、約80km/hの速度でのヘッドアップディスプレイ装置の表示を示す概略図である。
図3(b)】1つの例示的実施形態における、約180km/hの速度でのヘッドアップディスプレイ装置の表示を示す概略図である。
図4】1つの例示的実施形態での画像表示制御ユニットを示す概略図である。
図5】1つの例示的実施形態での自動車内のヘッドアップ情報表示の方法を示す概略フローチャートである。
図6】1つの例示的実施形態での自動車内のヘッドアップ情報表示の方法を実現するためのコントローラユニットの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部となる添付の図面を参照する。図面においては特に言及されない限り通常は、同様な記号は同様な構成要素を識別する。詳細な説明、図面、および特許請求の範囲において述べられる例示的実施形態は、限定を意味するものではない。本明細書に示された本主題の趣旨および範囲から逸脱せずに、他の実施形態を利用することができ、他の変更を行うことができる。本明細書で全体的に述べられ、図に示される本開示の態様は、多様な異なる構成にて配置、置換、組み合わせ、分離、および設計を行えることは容易に理解され、それらのすべては本明細書において明示的に企図される。
【0031】
例示的実施形態では、本明細書で述べられる動作、プロセスなどのいずれも、コンピュータ可読媒体上に記憶されたコンピュータ可読命令として実現することができる。コンピュータ可読命令は、自動車のプロセッサ、ネットワーク要素、および/または他のコンピューティングデバイスによって実行することができる。
【0032】
システムの側面でのハードウェアの実装形態とソフトウェアの実装形態との間には、ほとんど相違が残されていない。ハードウェアまたはソフトウェアの使用は、一般に(いつもそうではないが、ある状況ではハードウェアとソフトウェアの間の選択が重要になり得るという点で)コスト対効果のトレードオフを表す設計上の選択である。本明細書に記載された、プロセスおよび/またはシステムおよび/または他の技術をもたらすことができるさまざまな達成手段があり(たとえば、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェア)、好ましい達成手段は、プロセスおよび/またはシステムおよび/または他の技術が導入される状況によって異なる。たとえば、実装者が速度と正確性が最も重要であると決定すると、実装者は主にハードウェアおよび/またはファームウェアの達成手段を選択することができる。フレキシビリティが最も重要なら、実装者は主にソフトウェアの実装形態を選択することができる。または、さらに別の代替案として、実装者は、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアのなんらかの組み合わせを選択することができる。
【0033】
1つの例示的実施形態では、表示領域上の可変位置に情報を表示するためのヘッドアップディスプレイ(HUD)が提供される。情報を表示する位置は、1つまたは複数のセンサから取得したデータから決定することができる。たとえば自動車内でHUD装置が用いられ、自動車が閾値速度を超えて移動していることが検出された場合は、情報を表示する位置は自動車のダッシュボードに対して、より高いレベルに調整することができる。これにより実時間および動的な応用での、例示として自動車の運転者などのユーザの視線の調整を最小にすることができる。
【0034】
図1は1つの例示的実施形態でのHUD装置100を示す概略図である。例示的実施形態ではHUD装置100は、情報取得ユニット102と、画像表示制御ユニット104とを含む。画像表示制御ユニット104は、光源106、および可動反射素子108を含む。光源106は光ビーム110を出力するように設けられる。HUD装置100は、表示情報114を表示するために、自動車のウィンドスクリーン112上に光ビーム110を投影するように構成される。ユーザの眼は概略的に116に示される。情報取得ユニット102は1つまたは複数のセンサ、たとえば118に結合される。
【0035】
例示的実施形態では使用時は、情報取得ユニット102は、1つまたは複数のセンサたとえば118によって検出されたデータを取得し、取得したデータを情報に、たとえば選択されたモードに基づいて事前設定された記号に処理する。次いで情報取得ユニット102は、非限定的に画像またはテキストを用いて画像表示制御ユニット104に処理された情報を出力する。さらに情報取得ユニット102はまた、データに基づいて表示制御信号を画像表示制御ユニット104に供給する。画像表示制御ユニット104は処理された情報を受け取り、処理された情報をウィンドスクリーン112上に投影して表示情報114を表示する。さらに画像表示制御ユニット104は、情報取得ユニット102から表示制御信号を受け取ってウィンドスクリーン112上の表示情報114の位置を調整し、それによりユーザの眼116がその初期の視線120から、調整されるまたは大幅に調整される必要がなくなる。位置の調整は、画像表示制御ユニット104の可動反射素子108を制御することによってもたらされる。したがって表示情報114の位置が可変であることにより、視線120はウィンドスクリーン112の先の周囲の情報を受け取るように集中することができ、一方では依然として表示情報114を見ることができるので有利である。
【0036】
例示的実施形態ではHUD装置100は、非限定的に、光ビーム110の反射の2次元方向を独立に制御するために、可動反射素子108内に2つの1次元走査装置を用いる。これにより表示領域112上の表示情報114の列および行走査を制御することが可能になる。
【0037】
当業者には、本明細書で開示される上記その他のプロセスおよび方法に対して、プロセスおよび方法において行われる機能は異なる順序で実施できることが理解されるであろう。さらに概説されたステップおよび動作は例示としてのみ示され、ステップおよび動作のいくつかは任意選択とすることができ、開示される実施形態の本質から逸脱せずに、より少ないステップおよび動作に組み合わせる、または追加のステップおよび動作に拡張することができる。
【0038】
図2(a)は、1つの例示的実施形態での自動車内に据え付けられたHUD装置200の概略図である。図2(b)は、例示的実施形態での自動車内部の概略図である。
【0039】
例示的実施形態ではHUD装置200は、自動車201内に設けられる。HUD装置200は、情報取得ユニットを実装したマイクロコントローラユニット(MCU)202と、表示ユニット204とを含む。表示ユニット204は、図1の画像表示制御ユニット104とほぼ同様に機能する。MCU202は自動車201内の適当なドッキングベイ内に配置される。MCU202は表示ユニット204に結合される。MCU202はまた、磁気センサ206、温度センサ208、加速度計210、および光センサ216などの1つまたは複数のセンサに結合される。さらにMCU202は、ユーザ入力を受け取るために自動車内部に据え付けられた制御パネル211にも結合される。表示ユニット204は、自動車の内部に運転席(212にて概略的に示される)とウィンドシールド214の間に据え付けることができる。表示ユニット204は、MCU202から情報を受け取ってウィンドシールド214上に情報を投影するように構成される。表示ユニット204はまた、MCU202から制御信号を受け取ってウィンドシールド214上に投影される情報の位置を調整するように構成される。表示ユニット204はさらに、MCU202から制御信号を受け取って、非限定的に、投影される情報の明るさなどの特性を制御するように構成される。HUD装置200のためのウィンドシールド214上の表示領域218は、図2(b)に示される。例示的実施形態では表示領域218は、ユーザへの情報の反射を強めるために追加的に反射材料の層で被覆することができる。
【0040】
例示的実施形態では制御パネル211は、ユーザが表示用の情報のモードおよび/またはフォーマットを選択するのを可能にすることができる。たとえばユーザは、表示領域218上に自動車201の現在の速度を表示するように選択することができる。速度は数字またはカラーバーの形で表示することができる。制御パネル211はまた、事前設定される速度制限をユーザが入力するのを可能にすることができ、それによりHUD装置200は事前設定された速度制限を超えた場合に警報を出力(たとえば発生)することができる。制御パネル211はまた、表示領域218上の情報の位置を決定するのに用いるための事前設定された閾値速度を、ユーザがリセット、較正、およびプログラムするのを可能にする。
【0041】
例示的実施形態では、表示領域218上に投影される情報の位置は、表示ユニット204の制御により自動車201の速度に応じて、表示領域218の2つの端部220、222の間で変化することができる。1つの実施例として事前設定された閾値速度は、MCU202に事前に記憶することができる。自動車201の速度が事前設定された閾値速度を超えた場合は、表示領域218上に投影される情報の位置は端部220に向かって調整される。自動車201の速度が事前設定された閾値速度より低い場合は、表示領域218上に投影される情報の位置は端部222に向かって調整される。自動車201の速度が事前設定された閾値速度内に留まる場合は、表示領域218上に投影される情報の位置は表示領域218のほぼ中央に維持される。
【0042】
表示領域218の中央からの情報の位置の動きの範囲は、事前設定された閾値速度からの速度ずれに対して較正される。たとえば事前設定された閾値速度が約50km/hであると仮定すると、MCU202は、表示領域218上に投影される情報の位置を事前設定された閾値速度からの5km/hのステップサイズごとに表示領域218の中央から約2cmずつ調整するように、表示ユニット204に命令するように構成することができる。述べられたように制御パネル211は、事前設定された閾値速度をユーザがリセット、較正、またはプログラムできるようにする。代替として、単一の速度を用いる代わりに事前設定された閾値速度範囲を用い得ることが理解されよう。
【0043】
したがって例示的実施形態ではMCU202は、3つの機能を制御することができる。MCU202はたとえば、磁気センサ206、温度センサ208、加速度計210、および光センサ216からのセンサ信号/データの受け取りを制御することができる。MCU202は、表示ユニット204を制御して表示領域218上の情報表示の位置を決定するために、自動車201の速度を得ることができる。MCU202はまた、所望の情報表示を提供するために表示ユニット204の光強度およびRGB色を制御することができる。
【0044】
例示的実施形態ではMCU202は、自動車の加速度(加速度計210からのデータを用いて)、周囲温度(温度センサ208からのデータを用いて)、および移動の方向(磁気センサ206からのデータを用いて)などの、自動車201の動作情報を取得することができる。MCU202は、たとえば加速度計信号を積分して自動車201の速度を得るなど、センサ信号/データを処理して情報を取得することができる。代替としてMCU202は、自動車201の速度計から自動車201の速度を得ることができる。温度または速度などの処理された情報は、運転者に見えるように、表示ユニット204を通じて表示領域218に表示することができる。MCU202はまた、表示ユニット204を制御して表示領域218上の可変の表示位置に情報を表示させる。表示位置は非限定的に、自動車201の速度に基づいて決定される。
【0045】
表示ユニット204を制御するために、MCU202は、自動車201の速度に基づいて、表示ユニット204による使用のためのミラー面角度制御信号を発生する。これらの制御信号は、表示領域218上の情報の表示位置を調整するために用いることができる。さらにMCU202はまた、光強度に基づいて画像表示のための制御信号を発生することができる。たとえばMCU202は、光センサ216からの検出された外部光強度に基づいて、表示情報の表示画像および明るさを制御することができる。したがって表示は環境に対する自己適応型とすることができる。たとえば文字および画像の明るさは、約200:1のコントラスト比を保って、昼間は増加し夜間は減少することができ、それにより運転者はまぶしさを経験せずに明瞭に表示を見ることができる。
【0046】
述べられた例示的実施形態では自動車201の速度は、画像表示位置に対する基準点として用いられる。高い速度では運転者は、遠くの対象物に視界を集中する傾向があることが認識される。したがって事前設定された閾値速度より高い速度では、MCU202は、ダッシュボードに対してウィンドシールド214上の高い位置に情報を表示するように構成される。低い速度では運転者は近くの交通に注意を集中する傾向が認められる。したがって事前設定された閾値速度より低い遅い速度では、MCU202は、ダッシュボードに対してウィンドシールド214上の低い位置に情報を表示するように構成される。これは表示情報が運転者の視線内にあることを確実にし、それにより不適切な位置での表示による運転者の注意散漫を防止し、安全性が改善される。
【0047】
図3(a)は1つの例示的実施形態における約80km/hの速度でのHUD装置の表示を示す概略図である。図3(b)は1つの例示的実施形態における約180km/hの速度でのHUD装置の表示を示す概略図である。80km/hでのダッシュボード304に対する表示位置302(図3(a)に示される)は、180km/hでの表示位置306(図3(b)に示される)に比べて相対的に低くなる。
【0048】
図4は、1つの例示的実施形態での画像表示制御ユニット400を示す概略図である。画像表示制御ユニット400は、図2の表示ユニット204とほぼ同様に機能する。例示的実施形態では画像表示制御ユニット400は、レーザプロジェクタとして機能する。画像表示制御ユニット400は、レーザ/発光ダイオードアレイ404に結合されたMCU接続部402、コリメータレンズアレイ406、二色性プリズムアレイ408、および走査装置410を含む。発光ダイオードアレイ404は、赤色発光ダイオード(LED)412、緑色LED414、および青色LED416を含むことができる。MCU接続部402は、図2のMCU202とほぼ同様なMCUへの接続を容易にする。
【0049】
例示的実施形態ではコリメータレンズアレイ406は、コリメータレンズ418、420、422を含み、それぞれはダイオードアレイ404内のLEDに対応し、それぞれのLED412、414、または416からのダイオード光を焦点合わせし、それぞれのレーザ光ビーム内に向ける。二色性プリズムアレイ408は、二色性プリズム424、426、428を含み、それぞれがコリメータレンズアレイ406内のコリメータレンズに対応する。二色性プリズム424、426、428は、それぞれのコリメータレンズ418、420、422からのレーザ光ビームを集め、光を混合して所望の色スペクトルのレーザビーム430を得る。
【0050】
例示的実施形態ではMCU接続部402はまた、走査装置410に結合される。走査装置410は、1次元走査のために1つずつ、2つの共振ミラー431、432を含む微小電気機械システムの形のものである。ミラー431はほぼ水平な軸434に沿って振動し、ミラー432はほぼ垂直な軸436に沿って振動する。ミラー431、432は、MCU(図示せず)から受け取ったミラー面角度制御信号に基づいて、ほぼ水平な軸434およびほぼ垂直な軸436のそれぞれに沿って調整する/傾けることができる。
【0051】
例示的実施形態ではMCU接続部402は、所望の色スペクトルを得るために、MCU(図示せず)から制御信号を受け取って、赤色レーザ発生器412、緑色レーザ発生器414、および青色レーザ発生器416の出力を制御する。MCU接続部402はまた、MCU(図示せず)からミラー面角度制御信号を受け取って、たとえば自動車の速度に基づいて、ミラー431、432の調整/傾きを制御する。したがって所望の色スペクトルのレーザビーム430は、投影される画像/テキスト438を表示する所望の位置を決定するように2つの軸434、436に沿って2次元方向に制御することができる。
【0052】
使用時はミラー431、432は、ラスタ走査、すなわち軸434に沿った水平方向の共振型駆動、軸436に沿った垂直方向の非共振型駆動によって駆動される。発光ダイオードアレイ404、および走査装置410は、投影される画像/テキスト438を形成するために、レーザビーム430が高い周波数で変調され一時に1つのピクセルにて画像/テキスト信号を出力するように、MCUによって制御される。ミラー431はレーザビーム430に水平リフレッシュ変調を与え、レーザビーム430は、垂直リフレッシュをもたらすミラー432上に反射される。画像/テキストコマンドは、たとえば自動車の現在の速度の画像の発生など、MCUによって行われる画像処理に基づく。MCUはまた、それぞれの軸434、436に沿ってミラー431、432のミラー角度を制御して、投影される画像/テキスト438を所望の位置に表示する。
【0053】
たとえば自動車内では、MCUが自動車が事前設定された閾値速度と比べて高い速度で走行していると判定したときは、自動車のダッシュボードに対して高い位置に画像/テキスト438を表示するためにミラー431、432を調整する/傾けるようにミラー面角度制御信号を出力することができる。
【0054】
2つの共振ミラーの使用の代替として画像表示制御ユニットは、レーザビームを光学的に拡げて、次いで変調するように変更できることが理解されよう。次いでレーザビームは、一時に1つのラインで画像/テキストを走査するために用いられ、ライン自体はデジタル光処理技術と同様の技術を用いて変調される。またレーザプロジェクタについて述べられたが、たとえば液晶ディスプレイプロジェクタなどの他の表示システムも用い得ることが理解されよう。
【0055】
図5は1つの例示的実施形態での自動車内のヘッドアップ情報表示の方法500を示す概略フローチャートである。図5の方法は、たとえば上述のHUD装置100を用いて実現することができる。例示の方法は、1つまたは複数のブロック502、504、および/または506によって示されるように、1つまたは複数の動作、作用、または機能を含むことができる。個別のブロックとして示されるが、所望の実装形態に応じてさまざまなブロックは、追加のブロックに分割する、より少ないブロックに組み合わせる、または削除することができる。処理はブロック502にて開始することができる。
【0056】
ブロック502では、自動車に関連した1つまたは複数のセンサからデータが得られる。処理はブロック502からブロック504に続くことができる。
【0057】
ブロック504では、1つまたは複数のセンサから取得したデータに基づいて表示位置が決定される。処理はブロック502からブロック504に続くことができる。
【0058】
ブロック506では、決定した表示位置に情報が表示される。
【0059】
上記の例示的実施形態に関連して、異なるセンサは異なる情報を供給できることが理解されよう。
【0060】
加速度センサまたは加速度計は、二軸加速度センサの形とすることができる。加速度センサは、それぞれの軸が互いに直角である2つの軸にて自動車の加速度の大きさと方向を収集するように構成することができる。MCUは、加速度センサから加速度情報を受け取り、および時計から時間情報を受け取って、一定の期間にわたって自動車の加速度を捕捉したグラフ(加速度対時間のグラフとも呼ばれる)をプロットするように構成することができる。速度情報を取得するためには、加速度対時間のグラフに基づいて第1の時点から第2の時点までの加速度関数の積分を計算することにより、MCUによって積分を行うことができる。速度は、事前設定された速度制限と比較して速度超過を検出する、または事前設定された閾値速度と比較してHUD装置の表示位置を決定するなどさまざまな目的に用いることができる。
【0061】
磁気センサは、磁気センサ内の磁石と地球の磁界の間の相互作用に基づいて、動いている自動車の方向情報(たとえば北、東、北東など)を収集するように構成することができる。一部の実施形態では磁気センサは、一般にその空間的方向に対する特定の方向での磁界の成分を測定するために用いられる、知られているベクトル磁力計に対応するものとすることができる。磁気センサは、多次元平面内のX軸上で増加する正の値が自動車の前進に対応するように、二軸加速度センサと一体化されるように自動車上に配置することができる。このような例示の相関関係を基準として、自動車が異なる方向に移動するのに従って、磁気センサは多次元平面内の異なる軸上の異なる値を発生し、このような値はさらに自動車が動いている方向にマップすることができ、自動車の向きの情報をもたらす。一部の例示的実施形態では磁気センサは、正確さを高めるために、自動車の底部を規定する平面に平行に配置することができる。
【0062】
光センサは、自動車の周囲の環境の照度(以下では「照度情報」)を収集するように構成することができる。MCUは光センサから照度情報を受け取り、収集した照度情報を所定の値と比較して、現在が昼間であるか夜間であるかを判定することができる。昼間の場合はMCUは、視認性をより良くするためにHUD装置の表示の明るさを増加させる制御コマンドを発行することができる。一方、夜間の場合はMCUは、表示の明るさを減少させる制御コマンドを発行することができる。
【0063】
また位置データを収集して処理するためのセンサとして、全地球測位システム(GPS)ユニットを含むことができる。MCUは位置データを受け取ることができ、たとえば運転方向などをもたらすために位置データを表示するように構成することができる。
【0064】
上記の例示的実施形態に関連してHUD装置は、走行時に自動車の事前設定された速度制限を超えた場合に、警報を出力するまたは発生するように構成できることが理解されよう。たとえばHUD装置によって表示される情報は、速度制限を超えていない場合はデフォルト色たとえば青色とすることができる。MCUが事前設定された速度制限を超えたと判定した場合は、表示される情報はデフォルト色から警告色たとえば赤色に変化させることができる。さらにMCUは、自動車のスピーカを通じて音声警報を発するように構成することができる。
【0065】
HUD装置はまた、インターネットからの情報をユーザが見るために表示することができるように、インターネットに接続できるように構成することができる。
【0066】
図6は1つの例示的実施形態での、自動車内のヘッドアップ情報表示の方法を実施するためのコントローラユニット600の概略図である。本明細書で述べられる例示的実施形態は、コントローラユニット600を用いて実施することができる。例示として、本明細書で述べられる例示的実施形態の技術は、本明細書で述べられる例示的実施形態の方法を行うようにコントローラユニット600に構成されまたはプログラムされた、コントローラユニット600内で実行されるコンピュータプログラムなどのソフトウェアとして実現することができる。
【0067】
図示のようにコントローラユニット600は、コンピュータモジュール602(図1の情報取得ユニット102と比較されたい)、加速度センサ604および磁気センサ606などのセンサモジュール、および表示ユニット608を含む。コントローラユニット600はまた全地球測位システムユニット628を含むことができる。
【0068】
コンピュータモジュール602は、たとえばインターネット、またはローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)などの他のネットワークシステムへのアクセスを可能にするように、適当なトランシーバ装置612を通じてコンピュータネットワーク610に結合される。
【0069】
実施例でのコンピュータモジュール602は、プロセッサ614、ランダムアクセスメモリ(RAM)616、およびリードオンリメモリ(ROM)618を含む。コンピュータモジュール602はまた、いくつかの入力/出力(I/O)インターフェース、たとえば表示ユニット608へのI/Oインターフェース620、および加速度センサ604へのI/Oインターフェース622を含む。
【0070】
コンピュータモジュール602の構成要素は典型的には、相互接続されたバス624を通じて、当業者には知られているやり方で通信する。
【0071】
アプリケーションプログラムはフラッシュメモリ保持体などのデータ記憶媒体上にコード化されてコントローラユニット600に供給され、データ記憶装置626のユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェースポートなど、対応するデータ記憶媒体駆動装置を使用して読み出される。アプリケーションプログラムは、プロセッサ614によってその実行時に読み出され、制御される。プログラムデータの中間的な記憶はRAM616を用いて達成することができる。
【0072】
上述の例示的実施形態では、提供することができる交通情報または道路状況を表示するために、HUD装置のためにマイクロミラー仮想イメージングが用いられる。これにより自動車の運転者は、ダッシュボードまたは計器パネルを見るために視線を調整する必要なしに自動車を運転することが可能になる。HUD装置はまた、より良い安全性を得るために、自動車の速度に従って投影される画像の位置を調整することができる。HUD装置はまた、環境に応じて、および人間の眼に許容される明るさに応じて、背面光、画像の明るさ、および文字を調整することができる。さらに自動車が事前設定された速度を超えたときにHUD装置が警告を発することができるように、HUD装置に警報装置を備えることが可能である。
【0073】
上記から、本明細書において説明のために本開示のさまざまな実施形態について述べられ、本開示の範囲および趣旨から逸脱せずにさまざまな変更をなし得ることが理解されるであろう。したがって本明細書で開示されたさまざまな実施形態は限定するものではなく、本質的な範囲および趣旨は添付の特許請求の範囲によって示される。
【0074】
表示位置は、自動車のダッシュボードに対して上方向にまたは下方向に調整されることに限定されないことが理解されよう。表示位置は、たとえば自動車が方向転換しておりユーザが転換する方向を見ていると判定された場合は、左または右の位置の間で調整できるように構成することもできる。
【0075】
前述の詳細な説明では、ブロック図、フローチャート、および/または例の使用によって、装置および/またはプロセスのさまざまな実施形態を説明してきた。そのようなブロック図、フローチャート、および/または例が1つまたは複数の機能および/または動作を含む限りにおいて、そのようなブロック図、フローチャート、または例の中のそれぞれの機能および/または動作は、広範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または実質上それらのすべての組み合わせにより、個別におよび/または集合的に実装可能であることが、当業者には理解されるであろう。ある実施形態では、本明細書に記載された主題のいくつかの部分は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、または他の集積化方式によって実装することができる。しかし、本明細書で開示された実施形態のいくつかの態様が、全体においてまたは一部において、1つまたは複数のコンピュータ上で動作する1つまたは複数のコンピュータプログラムとして(たとえば、1つまたは複数のコンピュータシステム上で動作する1つまたは複数のプログラムとして)、1つまたは複数のプロセッサ上で動作する1つまたは複数のプログラムとして(たとえば、1つまたは複数のマイクロプロセッサ上で動作する1つまたは複数のプログラムとして)、ファームウェアとして、あるいは実質上それらの任意の組み合わせとして、等価に集積回路に実装することができることを、当業者は認識するであろうし、電気回路の設計ならびに/またはソフトウェアおよび/もしくはファームウェアのコーディングが、本開示に照らして十分当業者の技能の範囲内であることを、当業者は認識するであろう。さらに、本明細書に記載された主題のメカニズムをさまざまな形式のプログラム製品として配布することができることを、当業者は理解するであろうし、本明細書に記載された主題の例示的な実施形態が、実際に配布を実行するために使用される信号伝達媒体の特定のタイプにかかわらず適用されることを、当業者は理解するであろう。信号伝達媒体の例には、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ、CD、DVD、デジタルテープ、コンピュータメモリ、などの記録可能なタイプの媒体、ならびに、デジタル通信媒体および/またはアナログ通信媒体(たとえば、光ファイバケーブル、導波管、有線通信リンク、無線通信リンクなど)の通信タイプの媒体が含まれるが、それらには限定されない。
【0076】
本明細書で説明したやり方で装置および/またはプロセスを記載し、その後そのように記載された装置および/またはプロセスを、データ処理システムに統合するためにエンジニアリング方式を使用することは、当技術分野で一般的であることを当業者は認識するであろう。すなわち、本明細書に記載された装置および/またはプロセスの少なくとも一部を、妥当な数の実験によってデータ処理システムに統合することができる。通常のデータ処理システムは、一般に、システムユニットハウジング、ビデオディスプレイ装置、揮発性メモリおよび不揮発性メモリなどのメモリ、マイクロプロセッサおよびデジタル信号プロセッサなどのプロセッサ、オペレーティングシステムなどの計算実体、ドライバ、グラフィカルユーザインターフェース、およびアプリケーションプログラムのうちの1つもしくは複数、タッチパッドもしくはスクリーンなどの1つもしくは複数の相互作用装置、ならびに/またはフィードバックループおよびコントロールモータを含むコントロールシステム(たとえば、位置検知用および/もしくは速度検知用フィードバック、コンポーネントの移動用および/もしくは数量の調整用コントロールモータ)を含むことを、当業者は理解するであろう。通常のデータ処理システムは、データコンピューティング/通信システムおよび/またはネットワークコンピューティング/通信システムの中に通常見られるコンポーネントなどの、市販の適切なコンポーネントを利用して実装することができる。
【0077】
本明細書に記載された主題は、さまざまなコンポーネントをしばしば例示しており、これらのコンポーネントは、他のさまざまなコンポーネントに包含されるか、または他のさまざまなコンポーネントに接続される。そのように図示されたアーキテクチャは、単に例にすぎず、実際には、同じ機能を実現する多くの他のアーキテクチャが実装可能であることが理解されよう。概念的な意味で、同じ機能を実現するコンポーネントの任意の構成は、所望の機能が実現されるように効果的に「関連付け」される。したがって、特定の機能を実現するために組み合わされた、本明細書における任意の2つのコンポーネントは、アーキテクチャまたは中間のコンポーネントにかかわらず、所望の機能が実現されるように、お互いに「関連付け」されていると見ることができる。同様に、そのように関連付けされた任意の2つのコンポーネントは、所望の機能を実現するために、互いに「動作可能に接続」または「動作可能に結合」されていると見なすこともでき、そのように関連付け可能な任意の2つのコンポーネントは、所望の機能を実現するために、互いに「動作可能に結合できる」と見なすこともできる。動作可能に結合できる場合の具体例には、物理的にかみ合わせ可能な、および/もしくは物理的に相互作用するコンポーネント、ならびに/またはワイヤレスに相互作用可能な、および/もしくはワイヤレスに相互作用するコンポーネント、ならびに/または論理的に相互作用する、および/もしくは論理的に相互作用可能なコンポーネントが含まれるが、それらに限定されない。
【0078】
本明細書における実質的にすべての複数形および/または単数形の用語の使用に対して、当業者は、状況および/または用途に適切なように、複数形から単数形に、および/または単数形から複数形に変換することができる。さまざまな単数形/複数形の置き換えは、理解しやすいように、本明細書で明確に説明することができる。
【0079】
通常、本明細書において、特に添付の特許請求の範囲(たとえば、添付の特許請求の範囲の本体部)において使用される用語は、全体を通じて「オープンな(open)」用語として意図されていることが、当業者には理解されよう(たとえば、用語「含む(including)」は、「含むがそれに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、用語「有する(having)」は、「少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、用語「含む(includes)」は、「含むがそれに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきである、など)。導入される請求項で具体的な数の記載が意図される場合、そのような意図は、当該請求項において明示的に記載されることになり、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者にはさらに理解されよう。たとえば、理解の一助として、添付の特許請求の範囲は、導入句「少なくとも1つの(at least one)」および「1つまたは複数の(one or more)」を使用して請求項の記載を導くことを含む場合がある。しかし、そのような句の使用は、同一の請求項が、導入句「1つまたは複数の」または「少なくとも1つの」および「a」または「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記載の導入が、そのように導入される請求項の記載を含む任意の特定の請求項を、単に1つのそのような記載を含む実施形態に限定する、ということを示唆していると解釈されるべきではない(たとえば、「a」および/または「an」は、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味すると解釈されるべきである)。同じことが、請求項の記載を導入するのに使用される定冠詞の使用にも当てはまる。また、導入される請求項の記載で具体的な数が明示的に記載されている場合でも、そのような記載は、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることが、当業者には理解されよう(たとえば、他の修飾語なしでの「2つの記載(two recitations)」の単なる記載は、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。さらに、「A、BおよびC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(たとえば、「A、B、およびCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。「A、B、またはC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(たとえば、「A、B、またはCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。2つ以上の代替用語を提示する事実上いかなる離接する語および/または句も、明細書、特許請求の範囲、または図面のどこにあっても、当該用語の一方(one of the terms)、当該用語のいずれか(either of the terms)、または両方の用語(both terms)を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが、当業者にはさらに理解されよう。たとえば、句「AまたはB」は、「A」または「B」あるいは「AおよびB」の可能性を含むことが理解されよう。
【0080】
本明細書においてさまざまな態様および実施形態が開示されたが、当業者には他の態様および実施形態が明らかとなるであろう。本明細書で開示されたさまざまな態様および実施形態は、説明のためであり限定するものではなく、本質的な範囲および趣旨は添付の特許請求の範囲によって示される。
図1
図2(a)】
図2(b)】
図3(a)】
図3(b)】
図4
図5
図6