特許第5767768号(P5767768)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5767768-渦巻きばね式蝶番 図000002
  • 特許5767768-渦巻きばね式蝶番 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5767768
(24)【登録日】2015年6月26日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】渦巻きばね式蝶番
(51)【国際特許分類】
   E05F 1/12 20060101AFI20150730BHJP
【FI】
   E05F1/12
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2008-77672(P2008-77672)
(22)【出願日】2008年3月25日
(65)【公開番号】特開2009-228366(P2009-228366A)
(43)【公開日】2009年10月8日
【審査請求日】2009年11月13日
【審判番号】不服2013-22302(P2013-22302/J1)
【審判請求日】2013年11月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】308008764
【氏名又は名称】佐野 智哉
(74)【代理人】
【識別番号】100076369
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正治
(72)【発明者】
【氏名】橋本 勝
【合議体】
【審判長】 中川 真一
【審判官】 小野 忠悦
【審判官】 住田 秀弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−108110(JP,A)
【文献】 実開昭55−16378(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二枚の翼板の連結部が連結軸で開閉可能に連結され、連結軸の外周に設けたばねにより両翼板が開方向又は閉方向に付勢された蝶番において、
前記両翼板は長方形の板であり、夫々の翼板の横幅方向内側端部に翼板の表裏面のいずれか一方の面側から他方の面側に開口する切欠き部が形成され、夫々の切欠き部は翼板の縦長方向に細長であり、夫々の翼板であって前記切欠き部よりも縦軸方向両外側に筒状の連結部があり、両翼板は前記切欠き部が対向配置されて両翼板の前記連結部が同一軸線上に配置され、それら連結部に連結軸が挿入されて開閉可能に連結され、前記対向配置された両翼板の両切欠き部により配置空間が形成され、前記連結軸の軸方向一部の箇所の外周に渦巻きばねが巻かれ、渦巻きばねは薄いテープ状の平板材を端面視渦巻き状に巻いた渦巻きばねであり、当該連結軸の外周に巻かれた渦巻きばねの前記連結軸よりも下方部分は前記配置空間内に収容配置され、前記渦巻きばねの巻方向内側端部の全幅又は一部の幅である薄板状の内側係止部が前記連結軸に係止され、前記渦巻きばねの巻方向外側端部の全幅又は一部の幅である薄板状の外側係止部が前記一方の翼板の切欠き部から当該翼板の下を通してその翼板の外側まで突出し当該翼板の外周縁部においてその翼板の上に折り返されて当該翼板に係止された、
ことを特徴とする渦巻きばね式蝶番。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は産業用機械、他の工業用機器、建物、家具、事務機といった各種分野の開閉機構に使用される渦巻きばね式蝶番に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の蝶番の一例として図2に示すようなものがある。これら蝶番は翼板Aと翼板Bが筒状の連結部C内に挿入した連結軸Dで開閉可能に連結され、連結軸Dの外周に設けたコイルばねEの一端が一方の翼板Aに、他端が他方の翼板Bに係止されて、翼板Aと翼板Bに開方向又は閉方向の力が付勢されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のコイルばねを使用した蝶番には次のような課題があった。
(1)翼板の開方向又は閉方向の力が翼板に係止されているコイルばねの端部に集中するため、その端部が長年の使用で金属疲労して付勢力が劣化する。
(2)コイルばねの係止端部が著しく金属疲労したり、係止端部に強い衝撃力が加わったりするとその係止端部が折損することがある。この場合、蝶番が食品加工機械等に使用されていると折損した端部が食品に混入する場合があり安全上問題がある。自動車部品等に使用されている場合は事故の原因となるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願発明は、二枚の翼板の連結部が連結軸で開閉可能に連結され、連結軸の外周に設けたばねにより両翼板が開方向又は閉方向に付勢された蝶番において、前記両翼板は長方形の板であり、夫々の翼板の横幅方向内側端部に翼板の表裏面のいずれか一方の面側から他方の面側に開口する切欠き部が形成され、夫々の切欠き部は翼板の縦長方向に細長であり、夫々の翼板であって前記切欠き部よりも縦軸方向両外側に筒状の連結部があり、両翼板は前記切欠き部が対向配置されて両翼板の前記連結部が同一軸線上に配置され、それら連結部に連結軸が挿入されて開閉可能に連結され、前記対向配置された両翼板の両切欠き部により配置空間が形成され、前記連結軸の軸方向一部の箇所の外周に渦巻きばねが巻かれ、渦巻きばねは薄いテープ状の平板材を端面視渦巻き状に巻いた渦巻きばねであり、当該連結軸の外周に巻かれた渦巻きばねの前記連結軸よりも下方部分は前記配置空間内に収容配置され、前記渦巻きばねの巻方向内側端部の全幅又は一部の幅である薄板状の内側係止部が前記連結軸に係止され、前記渦巻きばねの巻方向外側端部の全幅又は一部の幅である薄板状の外側係止部が前記一方の翼板の切欠き部から当該翼板の下を通してその翼板の外側まで突出し当該翼板の外周縁部においてその翼板の上に折り返されて当該翼板に係止されたものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明の渦巻きばね式蝶番は、渦巻きばねの内側端部の全幅又は一部の幅の内側係止部が連結軸に、外側端部の全幅又は一部の幅の外側係止部が一方の翼板に係止されているので次のような効果がある。
(1)内側係止部、外側係止部の幅が広くなるので、それら係止部に加わる負荷が分散され、それら係止部が金属疲労しにくくなり、渦巻きばねの翼板への付勢力が長期間確保され耐久力が向上する。
(2)係止部が折損するおそれがなく、仮に折損しても両係止部が固定されているため食品内に脱落することがない。このため食品機械に使用しても食物へ混入する心配がなく、自動車などに使用しても交通事項の一因となる虞もない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
(実施形態1)
本発明の蝶番の実施形態の一例を図1に基づいて説明する。この実施形態の蝶番は、図1に示すように、二枚の翼板1、2の円筒状の連結部3、4を同一軸線上に配置し、その連結部3、4内に連結軸6を挿入して翼板1と翼板2を開閉可能に連結してある。この場合、連結軸6の外周に巻いた渦巻きばね7が両翼板1、2と連結部3、4との間の配置空間8内に配置される。
【0007】
前記翼板1、2は、既存の蝶番と同様に、連結軸6を挿入可能な筒状の連結部3、4を二つずつ備えている。また、翼板1、2の夫々の内面には切欠き部9、10が形成されており、両翼板1、2の切欠き部9、10を対向配置させると、当該切欠き部9、10間に渦巻きばね7を配置可能な配置空間8が形成されるようにしてある。
【0008】
前記連結軸6は前記筒状の連結部3、4に挿入可能な太さであり、その長さは両外側の連結部3まで挿入可能な寸法にしてある。
【0009】
前記渦巻きばね7は、一枚の板材を渦巻き状に巻いたものであり、巻き方向内側端部の係止部(内側係止部)11を前記連結軸3に係止し、巻き方向外側端部の係止部(外側係止部)12を一方の翼板に係止してある。図示した渦巻きばね7は巻き状態、係止状態を理解し易くするため幅Wを配置空間8の長さより狭くしてあるが、渦巻きばね7の幅W、直径、巻き数、板厚等は用途や必要な付勢力に合せて選択可能である。内側係止部11、外側係止部12の幅Wは、渦巻きばね7の内側端部、外側端部の幅Wの全部又は一部の幅とすることができる。内側係止部11、外側係止部12の係止手段は特に問わないが、少なくとも、内側係止部11は連結軸6の回転時に連結軸6から外れないように係止し、外側係止部12は両翼板1、2の開閉時に翼板1、2から外れず、翼板1、2の開閉を阻止しないようにしてある。
【産業上の利用可能性】
【0010】
本願発明の蝶番は、既存の蝶番の利用分野と同様の分野で使用可能であり、前述した効果もあるため、これまでは利用できなかった分野での利用も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】(a)は本願発明の渦巻きばね式蝶番の一例を示す斜視図、(b)はその端面図、(c)は平面図。
図2】従来のコイルスプリングを使用した蝶番の一例を示す斜視図。
【符号の説明】
【0012】
1、2 翼板
3、4 連結部
6 連結軸
7 渦巻きばね
8 配置空間
9、10 切欠き部
11 内側係止部
12 外側係止部
A、B 翼板
C 連結部
D 連結軸
E コイルばね
図1
図2