(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
発電装置の熱が得られる部分に当該部分よりも温度が低い冷却剤を供給すると共に、当該部分の熱を回収した冷却剤を取出して貯蔵し、貯蔵した冷却剤の熱を熱負荷へ供給することが可能な蓄熱部を備えたコジェネレーションシステムに適用される熱回収制御方法であって、
前記部分から取出した冷却剤の温度を示す取出し温度が目標値に達するように、前記部分への冷却剤の供給を制御し、
前記蓄熱部の蓄熱量に応じて、前記取出し温度の目標値を第1の値とする第1の制御モードと、前記取出し温度の目標値を前記第1の値よりも低い第2の値とする第2の制御モードとの間の切り替えを行い、
前記蓄熱部の蓄熱量の所定時間後の予測値が、第1の範囲に含まれる場合に、前記第1の制御モードを実施し、
前記蓄熱部の蓄熱量の所定時間後の予測値が、前記第1の範囲よりも値が低い第2の範囲に含まれる場合に、前記第2の制御モードを実施し、前記冷却剤による熱の回収効率を増加させることを特徴とする熱回収制御方法。
発電装置の熱が得られる部分に当該部分よりも温度が低い冷却剤を供給すると共に、当該部分の熱を回収した冷却剤を取出して貯蔵し、貯蔵した冷却剤の熱を熱負荷へ供給することが可能な蓄熱部を備えたコジェネレーションシステムに適用される熱回収制御方法であって、
前記部分から取出した冷却剤の温度を示す取出し温度が目標値に達するように、前記部分への冷却剤の供給を制御し、
風呂の湯張りの検出を示す信号に応じて、前記取出し温度の目標値を第1の値とする第1の制御モードから、前記取出し温度の目標値を前記第1の値よりも低い第2の値とする第2の制御モードへの切り替えを行い、前記冷却剤による熱の回収効率を増加させることを特徴とする熱回収制御方法。
前記第1の制御モードから前記第2の制御モードへの切り替えを行った後、所定時間、前記第2の制御モードを実施することを特徴とする請求項2に記載の熱回収制御方法。
発電装置の熱が得られる部分に当該部分よりも温度が低い冷却剤を供給すると共に、当該部分の熱を回収した冷却剤を取出して貯蔵し、貯蔵した冷却剤の熱を熱負荷へ供給することが可能な蓄熱部を備えたコジェネレーションシステムであって、
前記部分から取出した冷却剤の温度を示す取出し温度が目標値に達するように、前記部分への冷却剤の供給を制御し、風呂の湯張りの検出を示す信号に応じて、前記取出し温度の目標値を第1の値とする第1の制御モードから、前記取出し温度の目標値を前記第1の値よりも低い第2の値とする第2の制御モードへの切り替えを行い、前記冷却剤による熱の回収効率を増加させる制御装置を備えたことを特徴とするコジェネレーションシステム。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
(各実施形態に共通)
最初に、
図1を参照して、本発明の各実施形態に共通する事項について説明する。
【0020】
図1は、本発明の各実施形態に共通するコジェネレーションシステムの構成を示す図である。
【0021】
図1の例に示されるコジェネレーションシステムは、例えば家庭用燃料電池発電システムとして実現されるものである。
【0022】
同図に示されるように、都市ガスやLPガスなどの燃料が、燃料供給手段101によって燃料電池ユニット11内部に供給される。燃料供給手段101から供給された燃料は、改質手段102によって水素リッチな改質ガスに処理され、燃料電池本体103に供給される。また、空気供給手段107によって周囲の空気が燃料電池本体103に供給される。
【0023】
燃料電池本体103は、上記改質ガスと上記空気とで発電する。燃料電池本体103で発電されて生成された直流電気は、インバータ104により交流電気に変換され、商用電力系統と合わせて家庭の電力負荷106に供給される。
【0024】
燃料電池本体103には、冷却水供給手段116によって燃料電池冷却水が供給される。燃料電池本体103が発電の際に発する熱エネルギーを回収した燃料電池冷却水は、熱交換手段112で冷却され、冷却水供給手段116によって再び燃料電池本体103に供給される。
【0025】
また、燃料電池本体103から排出される燃料電池排ガスは、熱交換手段(凝縮熱交換器)111で冷却されたあと、排ガスとして燃料電池ユニット11外に排気される。
【0026】
一方、燃料電池ユニット11の熱が得られる部分(本例では、
図1中における熱交換手段111の下側部分および熱交換手段112の下側部分)に、当該部分よりも温度が低い排熱回収水(冷却剤)が、貯湯タンク(蓄熱部)108より供給されるようになっている。すなわち、貯湯タンク(蓄熱部)108から排出される排熱回収水(冷却剤)は、水供給手段110によって燃料電池ユニット11内部に供給され、上記熱交換手段111と上記熱交換手段112で熱を回収した後、温水として貯湯タンク108に戻る。このとき貯湯タンク108から燃料電池ユニット11に供給される排熱回収水の温度は、戻り水温度計測手段109で計測され、その計測値はプラント制御装置105に送信されている。
【0027】
家庭の熱負荷115には貯湯タンク108内の湯が市水と混合されて供給されており、このとき貯湯タンク108から供給された湯の分だけ、貯湯タンク108には下方から市水が補充される。貯湯タンク108内の湯の熱量が不足している場合や、湯の温度が給湯温度に対して不十分な場合は、市水をバックアップボイラ114により加熱し、熱負荷115に供給する。熱負荷115は、キッチンやシャワーで使う通常の給湯に加え、風呂の湯張り、床暖房も含んでいる。
【0028】
取出し温度計測手段113は、燃料電池ユニット11から貯湯ユニット12に供給される温水の温度、即ち、燃料電池ユニット11の熱が得られる部分から取出される温水の温度(以下、「取出し温度」と呼ぶ。)を計測しており、その計測値はプラント制御装置105に送信されている。
【0029】
プラント制御装置105は、取出し温度計測手段113の計測値が目標値に達するように、水供給手段110の出力を制御する。例えば、取出し温度計測手段113の計測値が目標値より高い場合には、水供給手段110の出力を上げて排熱回収水の流量を増加させ、逆に目標値より低い場合には水供給手段110の出力を下げて排熱回収水の流量を低下させる。
【0030】
取出し温度の目標値は、一般には80℃程度の固定値であるが、本発明の各実施形態では各種の状況に応じて当該目標値を変化させる(例えば、80℃未満の値とする場合がある)。
【0031】
取出し温度を下げると、燃料電池冷却水や排熱回収水の全体の温度が下がる。従って、一般には、放熱の低下、熱交換手段111の排ガス温度の低下により熱の回収効率(以下、「熱回収効率」と呼ぶ。)が上昇する。以下では、燃料電池発電システムにおけるこのような特性を、「熱回収特性」と呼ぶ。
【0032】
なお、プラント制御装置105は、一般には燃料電池ユニット11に設けられるが、プラント制御装置105の全ての機能もしくは一部の機能を、燃料電池ユニット11以外の場所に設けることも可能である。また、戻り水温度計測手段109も、燃料電池ユニット11内に設ける代わりに、貯湯ユニット12内や、燃料電池ユニット11と貯湯ユニット12の間に設けるようにしてもよい。
【0033】
(第1の実施形態)
最初に、
図2〜
図4を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0034】
図2は、本発明の第1の実施形態に係るコジェネレーションシステムの概略構成を示す図である。また、
図3は、同実施形態における取出し温度の目標値の制御動作の一例を示すグラフである。
図4は、同実施形態における取出し温度の目標値の制御動作の一例を示すフローチャートである。
【0035】
なお、
図2においては、
図1と共通する要素の図示を部分的に省略している。また、
図1と共通する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0036】
図2に示されるように、家庭内には、給湯利用に関する設定や貯湯状況を表示するリモコン(遠隔制御装置)201が設置されている。このリモコン201には、給湯温度や風呂の湯張り温度が設定されている。リモコン201に設定されている情報、あるいはユーザが入力操作により設定した情報は、適宜、プラント制御装置105に送信される。プラント制御装置105は、上記の給湯温度や湯張り温度(以下、「給湯設定温度等S2」と呼ぶ。)を読み込む。このような機能や動作は、後述する各実施形態においても適用される。
【0037】
本実施形態に係るプラント制御装置105は、戻り水温度計測手段109で計測された値(以下、「戻り水温度」と呼ぶ。)に応じて、取出し温度の目標値を第1の値とする第1の制御モードと、取出し温度の目標値を前記第1の値よりも低い第2の値とする第2の制御モードとの間の切り替えを行う。例えば
図3に示されるように、プラント制御装置105は、戻り水温度が基準値S1未満の場合には、取出し温度の目標値を、給湯設定温度等S2に一定の温度マージンS3を加えた温度であるS2+S3に設定して、水供給手段110を制御する。一方、戻り水温度が基準値S1以上の場合には、取出し温度の目標値を、通常の値S4に設定して、水供給手段110を制御する。
【0038】
図3の例では、始めは戻り水温度がS1未満であるが、貯湯タンク108に湯が貯まってきて、戻り水温度が上昇し、S1以上となったタイミングT1で、取出し温度の目標値をS4に変えている。例えば、S1が30℃で給湯設定温度等S2が40℃の場合、戻り水温度が30℃未満のときの取出し温度の目標値は給湯設定温度等S2の40℃に10℃のマージンを加えた50℃とし、戻り水温度が30℃以上のときの取出し温度の目標値は80℃として水供給手段110を制御する。なお、S2+S3がS4を超える場合は、戻り水温度がS1未満でも取出し温度の目標値をS4として制御する。
【0039】
図3の例によれば、タイミングT1までは、給湯に最低限必要な温度で温水を取出しており、熱回収特性から、S4で温水を取出す場合に比べ高効率な運転を行っているといえる。熱負荷115が熱を繰返し消費する場合は、戻り水温度がS1以上となるタイミングT1は遅くなり、その間は取出し温度の目標値をS2+S3として、貯湯した湯を家庭に供給していることとなる。タイミングT1以降は、取出し温度の目標値をS4として貯湯するため、貯湯タンク108に蓄熱できる量は、取出し温度の目標値を固定する従来の燃料電池発電システムに比べて低下はしていない。
【0040】
次に、
図4を参照して、本実施形態における取出し温度の目標値を制御する動作の一例について説明する。ここでは、
図3のグラフの例を参考にしつつ説明する。
【0041】
プラント制御装置105は、戻り水温度計測手段109で計測される戻り水温度を監視し、S1未満であるか否かを判定する(ステップS11)。戻り水温度がS1未満である場合、プラント制御装置105は、取出し温度の目標値をS2+S3として水供給手段110を制御する(ステップS12)。一方、戻り水温度がS1以上である場合、プラント制御装置105は、取出し温度の目標値をS4として水供給手段110を制御する(ステップS13)。
【0042】
この第1の実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
【0043】
・タイミングT1までは、熱負荷はS2+S3の温度で取出した温水のみを利用できるため、高効率である。
【0044】
・タイミングT1までは、S2に対応して取出し温度の目標値を決めているため、単純に取出し温度の目標値を下げる場合に比べ、排熱を給湯に有効に利用しやすい。
【0045】
・タイミングT1から取出し温度の目標値をS4として貯湯するため、通常と同じだけの貯湯可能量を維持でき、大きな熱負荷にも充分な湯の供給ができる。この場合、通常と同じだけの湯量を熱負荷に供給するが、その一部の熱量はタイミングT1まで高効率で蓄熱したものであるから、省エネの観点から有意である。
【0046】
(第1の実施形態の応用例)
次に、
図5〜
図8を参照して、第1の実施形態の応用例について説明する。
【0047】
図5は、貯湯ユニット12に設置される貯湯タンク108周辺の構造を示す図である。
【0048】
燃料電池ユニット11から供給される温水の配管や、家庭の熱負荷に湯を供給する配管は、貯湯タンク108の上側に設置されている。また、燃料電池ユニット11に供給する排熱回収水の配管や、市水が供給される配管は、貯湯タンク108の下側に設置されている。貯湯タンク108から熱負荷へ湯を供給すると同時に、市水が貯湯タンク108に補充されることにより、貯湯タンク108の下層温度が低下し、一時的に戻り水温度が低下する。
【0049】
熱負荷が小さく補充される市水の量も少ない場合、
図6に示されるように、S1以上となった戻り水温度はすぐにS1未満に低下する。このときの取出し温度の目標値は、何の措置もとられていない場合、例えば
図6中の符号Rで示される破線部のように、S4からS2+S3に切り替わった後、すぐにS2+S3からS4に切り替わる。しかし、燃料電池発電システムの取出し温度を上げるには一定の時間が必要であり、取出し温度の目標値を上記のように短時間だけS2+S3に下げることは、貯湯タンク108の貯湯量を維持する観点から望ましくない。そこで、戻り水温度がS1未満となってから、取出し温度の目標値をS2+S3に切り替えるまでに時間的猶予を与えるようにする。例えば、戻り水温度がS1未満となったとき、取出し温度の目標値をすぐに切り替えず、所定時間の経過を待ち、所定時間の経過後に戻り水温度がS1以上となっていれば取出し温度の目標値をS4のままとし、一方、所定時間の経過後に戻り水温度がS1未満であれば取出し温度の目標値をS2+S3に切り替えるようにする。
【0050】
また、基準値S1の代わりに、
図7に示されるように2つの基準値S5,S6を設けることにより、取出し温度の目標値の制御にヒステリシスを持たせるようにしてもよい。この場合、基準値S5は、取出し温度の目標値をS2+S3からS4に切り替えるための戻り水温度の基準値であり、基準値S6は、S4からS2+S3に切り替えるための戻り水温度の基準値である。
【0051】
次に、
図8を参照して、本応答例における取出し温度の目標値を制御する動作の一例について説明する。ここでは、
図6のグラフの例を参考にしつつ説明する。
【0052】
プラント制御装置105は、戻り水温度計測手段109で計測される戻り水温度を監視し、S1未満からS1以上に変化したか否かを判定する(ステップS21)。当該変化が無ければ、プラント制御装置105は、取出し温度の目標値をS2+S3として水供給手段110を制御する(ステップS22)。一方、当該変化があれば、プラント制御装置105は、取出し温度の目標値をS4として水供給手段110を制御する(ステップS23)。
【0053】
次に、プラント制御装置105は、戻り水温度計測手段109で計測される戻り水温度を監視し、S1以上からS1未満に変化したか否かを判定する(ステップS24)。当該変化が無ければ、プラント制御装置105は、取出し温度の目標値をS4として水供給手段110を制御する(ステップS22)。一方、当該変化があれば、プラント制御装置105は、所定時間、取出し温度の目標値をS4として水供給手段110を制御し続け(ステップS26)、所定時間が経過した後に、戻り水温度がS1以上からS1未満であるか否かを判定する(ステップS27)。戻り水温度がS1以上であれば、引き続き、取出し温度の目標値をS4として水供給手段110を制御し、(ステップS28)、一方、戻り水温度がS1未満であれば、取出し温度の目標値をS2+S3として水供給手段110を制御する(ステップS29)。
【0054】
この第1の実施形態の応用例によれば、戻り水温度が一時的に低下するような場合に、取出し温度の低下を抑え、貯湯タンクの貯湯量の維持を図ることができる。
【0055】
(第2の実施形態)
次に、
図9〜
図11を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0056】
図9は、本発明の第2の実施形態に係るコジェネレーションシステムの概略構成を示す図である。また、
図10は、同実施形態における取出し温度の目標値の制御動作の一例を示すグラフである。
図11は、同実施形態における取出し温度の目標値の制御動作の一例を示すフローチャートである。
【0057】
なお、
図9においては、
図1と共通する要素の図示を部分的に省略している。また、
図1,
図2等と共通する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0058】
図2に示されるように、貯湯ユニット12内には、貯湯タンク108に貯湯量(又は、蓄熱量)を計測する貯湯量計測手段(又は、蓄熱量計測手段)117が設けられている。この貯湯量計測手段117は、例えば貯湯タンク108に設けられた複数の温度計の値や市水温度の値などを用いて貯湯量(又は、蓄熱量)を計測しており、その計測値はプラント制御装置105に送信されている。
【0059】
前述の第1の実施形態では、プラント制御装置105は、戻り水温度計測手段109で計測される戻り水温度に応じて、取出し温度の目標値を変化させていたが、この第2の実施形態では、貯湯量計測手段117で計測される貯湯タンク108内の貯湯量(又は、蓄熱量)に応じて、取出し温度の目標値を第1の値とする第1の制御モードと、取出し温度の目標値を前記第1の値よりも低い第2の値とする第2の制御モードとの間の切り替えを行う。例えば
図10に示されるように、プラント制御装置105は、貯湯量が基準値U1未満の場合には、取出し温度の目標値をS2+S3に設定して水供給手段110を制御する。一方、貯湯量が基準値U1以上の場合には、取出し温度の目標値を通常の値S4に設定して水供給手段110を制御する。
図10の例では、始めは貯湯量がU1未満であるが、貯湯量が増加してきて、U1以上となったタイミングT2で、取出し温度の目標値をS4に変えている。
【0060】
次に、
図11を参照して、本実施形態における取出し温度の目標値を制御する動作の一例について説明する。ここでは、
図10のグラフの例を参考にしつつ説明する。
【0061】
プラント制御装置105は、貯湯量計測手段117で計測される貯湯量を監視し、U1未満であるか否かを判定する(ステップS31)。貯湯量がU1未満である場合、プラント制御装置105は、取出し温度の目標値をS2+S3として水供給手段110を制御する(ステップS32)。一方、貯湯量がU1以上である場合、プラント制御装置105は、取出し温度の目標値をS4として水供給手段110を制御する(ステップS33)。
【0062】
この第2の実施形態によれば、貯湯タンク内の貯湯量(又は、蓄熱量)に応じて、取出し温度の目標値を変化させることにより、前述の第1の実施形態の場合と同様の効果を得ることができる。
【0063】
(第2の実施形態の応用例)
次に、
図12および
図13を参照して、第2の実施形態の応用例について説明する。
【0064】
前述の第2の実施形態では、貯湯量計測手段117で計測される貯湯タンク108内の貯湯量(又は、蓄熱量)に応じて、取出し温度の目標値を変化させていたが、この第2の実施形態の応用例では、貯湯量計測手段117で計測される貯湯タンク108内の貯湯量(又は、蓄熱量)の所定時間後の予測値に応じて、取出し温度の目標値を第1の値とする第1の制御モードと、取出し温度の目標値を前記第1の値よりも低い第2の値とする第2の制御モードとの間の切り替えを行う。
【0065】
例えば
図12に示されるように、プラント制御装置105は、貯湯量の所定時間後の予測値Vが基準値V1以上の場合には、取出し温度の目標値を通常の値S4に設定して水供給手段110を制御する。一方、貯湯量の所定時間後の予測値Vが基準値V1未満の場合には、取出し温度の目標値をS2+S3に設定して水供給手段110を制御する。貯湯量の所定時間後の予測値Vは、例えば、貯湯量計測手段117で計測される貯湯タンク108内の「貯湯量」から「3時間先までの熱負荷予測の和」を引いた値とする。
【0066】
図12の例では、貯湯量と直近3時間の熱負荷予測の和との差が充分であるタイミングT3までは、通常の取出し温度の目標値S4で運転しているが、不十分となるタイミングT4以降は取出し温度の目標値をS2+S3に切り替え、熱回収効率を上げている。すなわち、近未来の熱負荷に対して貯湯量が充分であるときは取出し温度の目標値を通常の値S4に保つが、貯湯量が不十分なときは取出し温度の目標値をS2+S3に下げて、熱回収効率を上げている。これにより、3時間後の熱負荷に対して通常よりも多く湯を供給することができる。このような制御方法は、例えば、18時に大きな熱負荷があるにも関わらず、15時の時点で貯湯量が少ない場合などに有効である。
【0067】
次に、
図13を参照して、本応用例における取出し温度の目標値を制御する動作の一例について説明する。ここでは、
図12のグラフの例を参考にしつつ説明する。
【0068】
プラント制御装置105は、貯湯量計測手段117で計測される貯湯タンク108内の「貯湯量」から「3時間先までの熱負荷予測の和」を引いた値を、貯湯量の3時間後の予測値Vとして算出する(ステップS41)。次いでプラント制御装置105は、予測値VがV1未満であるか否かを判定する(ステップS42)。予測値VがV1以上である場合、プラント制御装置105は、取出し温度の目標値をS4として水供給手段110を制御する(ステップS43)。一方、予測値VがV1未満である場合、プラント制御装置105は、取出し温度の目標値をS2+S3として水供給手段110を制御する(ステップS44)。
【0069】
この第2の実施形態の応用例によれば、近未来の熱負荷に対して、より多くの湯を供給することができるという効果が得られる。
【0070】
(第3の実施形態)
次に、
図14および
図15を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0071】
図14は、本発明の第3の実施形態に係るコジェネレーションシステムの概略構成を示す図である。また、
図15は、同実施形態における取出し温度の目標値の制御動作の一例を示すグラフである。
図16は、同実施形態における取出し温度の目標値の制御動作の一例を示すフローチャートである。
【0072】
なお、
図14においては、
図1と共通する要素の図示を部分的に省略している。また、
図1,
図2等と共通する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0073】
図14に示されるように、貯湯ユニット12内には、風呂の湯張りを検出する湯張り検出手段118が設けられている。湯張りが検出されたときには、湯張りの検出を示す信号がプラント制御装置105に送信される。なお、湯張り検出手段118は、貯湯ユニット12以外の場所に設けてもよい。例えば、湯張り検出手段118を、前述のリモコン(遠隔制御装置)201の機能の一部として実現するようにしてもよい。この場合、リモコン201に対し、ユーザが入力操作を行って湯張りの開始を指示したり、あるいは風呂の水抜き(入浴の終了)を指示したりすることができる。これにより、リモコン201からは、湯張りの検出を示す信号のほか、風呂の水抜き(入浴の終了)の検出を示す信号なども、その都度、プラント制御装置105に送信される。
【0074】
この第3の実施形態に係るプラント制御装置105は、湯張り検出手段118で検出される風呂の湯張りの検出を示す信号(例えば、湯張りの開始を指示する信号)に応じて、取出し温度の目標値を第1の値とする第1の制御モードから、取出し温度の目標値を前記第1の値よりも低い第2の値とする第2の制御モードへの切り替えを行う。
【0075】
例えば、プラント制御装置105は、風呂の湯張りが検出される前までは、取出し温度の目標値をS4に設定して水供給手段110を制御する。そして、風呂の湯張りが検出された後は、取出し温度の目標値をS2+S3に設定して水供給手段110を制御する。その後、取出し温度の目標値は、例えば一定の時間が経過した後にS4に戻される。
【0076】
風呂の湯張りには、貯湯タンク108から多量の湯が供給されるため、湯張り直後は貯湯タンク108の貯湯量は非常に少なくなるか、またはゼロとなることもあり得る。本実施形態では、湯張りの検出を受けたタイミングで取出し温度の目標値をS2+S3に下げることにより、熱回収効率を上げ、多くの湯を貯湯する。例えば、入浴時には貯湯タンク108の貯湯量が少ない一方で、シャワーに湯を使うため、従来であれば湯切れが発生しやすいが、本実施形態では、湯張りの検出後に多くの湯を貯湯するため、通常より多くの湯を供給することができる。
【0077】
なお、取出し温度の目標値をS2+S3として制御する時間は、一定時間とする代わりに、湯張り以降に熱負荷で消費される熱の量(予測値)に応じて決定してもよい。風呂の水抜き(入浴の終了)を示す信号に応じて、取出し温度の目標値をS2+S3とする制御を終了する時点を決定するようにしてもよい。
【0078】
次に、
図15を参照して、本実施形態における取出し温度の目標値を制御する動作の一例について説明する。
【0079】
プラント制御装置105は、湯張り検出手段118から送られる信号を監視し、風呂の湯張りが検出されたか否かを判定する(ステップS51)。風呂の湯張りが検出されていなければ、プラント制御装置105は、取出し温度の目標値をS4として水供給手段110を制御する(ステップS52)。一方、風呂の湯張りが検出された場合、プラント制御装置105は、所定時間、取出し温度の目標値をS2+S3として水供給手段110を制御する(ステップS53)。なお、所定時間が経過した後は、取出し温度の目標値はS4に戻される。
【0080】
この第3の実施形態によれば、湯張りの検出後に多くの湯を貯湯するため、入浴時の湯切れなどを防ぐことができる。
【0081】
(第4の実施形態)
次に、
図16〜
図18を参照して、本発明の第4の実施形態について説明する。
【0082】
なお、本発明の第4の実施形態に係るコジェネレーションシステムの概略構成は、
図2等に示される構成と同様となる。
【0083】
図16は、本発明の第4の実施形態における取出し温度の目標値の制御動作の一例を示すグラフである。
図17は、同実施形態における取出し温度の目標値の制御動作の一例を示すフローチャートである。
図18は、発電出力と熱回収効率との関係を示すフラグである。
【0084】
この第4の実施形態に係るプラント制御装置105は、当該燃料電池ユニット11(もしくは燃料電池本体103)の発電出力の値を自ら算出する機能を備えており、当該発電出力の値に応じて、取出し温度の目標値を変化させる。その場合、取出し温度の目標値は、高出力のときに総じて高く、低出力のときに総じて低く設定する。例えば
図16に示されるように、プラント制御装置105は、例えば所定の演算式B=f(A)に従い、発電出力の値「A」が小さくなる場合に、取出し温度の目標値「B」を下げ、発電出力の値「A」が大きくなる場合に、取出し温度の目標値「B」を上げる。
【0085】
なお、演算式B=f(A)を用いる代わりに、前述の第1,第2の実施形態の場合のように取出し温度の目標値を切り替えるため基準値を、発電出力に対して設定しておき、発電出力の値が基準値未満の場合には、取出し温度の目標値をS2+S3に設定して水供給手段110を制御し、発電出力の値が基準値以上の場合には、取出し温度の目標値を通常の値S4に設定して水供給手段110を制御するようにしてもよい。例えば500W以上の発電時には、取出し温度の目標値を80℃に設定し、500W未満の発電時には、取出し温度の目標値を50℃に設定するようにしてもよい。
【0086】
また、演算式B=f(A)を採用しつつ、当該演算式から算出されるBの値と、S2+S3のうち、大きい方の高い方の値を、取出し温度の目標値とするようにしてもよい。これにより、熱負荷に対して有効に湯を供給することができる。
【0087】
また、熱回収効率は燃料電池本体103の発熱量の大小、つまり電流値の大小に影響を受けるため、「発電出力の値」の代わりに、「電流値」など、燃料電池本体103の発熱量と相関のある物理量に応じて、取出し温度の目標値を変えるようにしてもよい。例えば「排熱回収水の流量」や、当該流量を直接計測していない場合には当該流量を推定する「水供給手段110の出力値」なども、利用することが可能である。
【0088】
次に、
図17を参照して、本実施形態における取出し温度の目標値を制御する動作の一例について説明する。ここでは、
図14のグラフの例を参考にしつつ説明する。
【0089】
プラント制御装置105は、発電出力の値「A」を取得する(ステップS61)。次に、プラント制御装置105は、発電出力の値「A」に基づき、B=f(A)の演算を行う(ステップS62)。そして、プラント制御装置105は、取出し温度の目標値を、演算により求められた「B」として、水供給手段110を制御する(ステップS63)。
【0090】
ここで、
図18に、発電出力と熱回収効率との関係を示す。
【0091】
同図からわかるように、もし、発電出力にかかわらず取出し温度の目標値を一定とした場合、一般に熱回収効率は、低出力のときほど大きく低下する。これは、(1)燃料電池本体103の発熱量が低下する、(2)熱交換手段111や熱交換手段112で回収できる量が低下する、(3)排熱回収水の流量が低下する、(4)熱交換手段111の熱交換特性が低下し、排ガス温度が上昇する、という理由や、(5)燃料電池本体103の温度は出力によらずほぼ一定である、(6)燃料電池本体103放熱量が出力によらずほぼ一定で、固定損としてみなせる、(7)低出力では上記固定損の影響が総じて大きく、熱回収効率が低くなる、という理由による。これに対し、本実施形態のように、熱回収効率が低い低負荷ほど取出し温度の目標値を下げるようにすると、取出し温度を一定とした場合に比べ、熱回収効率を向上させることができる。通常、発電出力が低出力であるほど、熱回収効率を向上させる効果が大きくはなるが、発電出力が低出力でない場合であっても、ある出力帯で熱回収効率が低い燃料電池発電システムの場合は、当該出力帯で取出し温度の目標値を下げるようにしてもよい。
【0092】
この第4の実施形態によれば、例えば家庭での電力負荷が小さく、低出力運転が続くような場合であっても、従来よりも高効率な運転を実現することができる。
【0093】
(第5の実施形態)
次に、
図19〜
図21を参照して、本発明の第5の実施形態について説明する。
【0094】
図19は、本発明の第5の実施形態に係るコジェネレーションシステムの概略構成を示す図である。また、
図20は、同実施形態における取出し温度の目標値の制御動作の一例を示すグラフである。
図21は、同実施形態における取出し温度の目標値の制御動作の一例を示すフローチャートである。
【0095】
なお、
図19においては、
図1と共通する要素の図示を部分的に省略している。また、
図1,
図2等と共通する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0096】
図19に示されるように、燃料電池ユニット11内には、外気温度を計測する外気温度計測手段119が設けられている。外気温度計測手段119は、燃料電池ユニット11の外気温度を計測しており、その計測値はプラント制御装置105に送信されている。なお、この外気温度計測手段119は、燃料電池ユニット11以外の場所に設けてもよい。
【0097】
この第5の実施形態に係るプラント制御装置105は、外気温度に応じて、取出し温度の目標値を第1の値とする第1の制御モードと、取出し温度の目標値を前記第1の値よりも低い第2の値とする第2の制御モードとの間の切り替えを行う。例えば
図20に示されるように、プラント制御装置105は、外気温度が基準値W1未満の場合には、取出し温度の目標値をS2+S3に設定して水供給手段110を制御する。一方、外気温度が基準値W1以上の場合には、取出し温度の目標値を通常の値S4に設定して水供給手段110を制御する。
図20の例では、始めは外気温度がW1未満であるが、外気温度が上がってきて、W1以上となったタイミングT4で、取出し温度の目標値をS4に変えている。
【0098】
もし、取出し温度を固定値とすると、外気温度が低いときには一般的に放熱量が増加し、熱回収効率が低下するが、本実施形態では、外気温度が低いときには取出し温度を低くしているため、熱回収効率の低下を抑制することができる。
【0099】
なお、取出し温度の目標値を切り替えた際の時定数は比較的大きいため、外気温度計測手段119の計測値の瞬時値ではなく、過去の計測値から近未来の外気温度を予測し、その予測値に応じて、取出し温度の目標値を変化させるようにしてもよい。例えば、プラント制御装置105は、外気温度の所定時間後の予測値が基準値W1未満の場合には、取出し温度の目標値をS2+S3に設定して水供給手段110を制御し、一方、外気温度の所定時間後の予測値が基準値W1以上の場合には、取出し温度の目標値を通常の値S4に設定して水供給手段110を制御する。
【0100】
次に、
図21を参照して、本実施形態における取出し温度の目標値を制御する動作の一例について説明する。ここでは、
図20のグラフの例を参考にしつつ説明する。
【0101】
プラント制御装置105は、外気温度計測手段119で計測される外気温度を監視し、W1未満であるか否かを判定する(ステップS71)。外気温度がW1未満である場合、プラント制御装置105は、取出し温度の目標値をS2+S3として水供給手段110を制御する(ステップS72)。一方、外気温度がW1以上である場合、プラント制御装置105は、取出し温度の目標値をS4として水供給手段110を制御する(ステップS73)。
【0102】
この第5の実施形態によれば、外気温度が低いときには取出し温度を低くしているため、熱回収効率の低下を抑制することができる。
【0103】
(各実施形態に共通する応用例)
・応用例1
各実施形態では、リモコン201から給湯設定温度等S2を読み込み、取出し温度の目標値をS2+S3に低下させることを特徴としていた。しかし、その時点でリモコン201に給湯設定温度等S2が設定されていても、実際には1日の中でこのS2を様々に変化させる家庭もある。そこでリモコン201で設定されている給湯設定温度等S2に替えて、過去の給湯設定温度等S2の変化の中から得られる最大値S2’を適用するようにしてもよい。
【0104】
また、各実施形態において取出し温度の目標値を決定するに際し、更に、リモコン201に設定された、給湯に使用される湯の温度、風呂の湯張りに使用される湯の温度、及び、床暖房に使用される湯の温度、のうちの少なくとも1つに応じて、取出し温度の目標値を変えるようにしてもよい。また、過去に給湯に使用された湯の温度、過去に風呂の湯張りに使用された湯の温度、及び、過去に床暖房に使用された湯の温度、のうちの少なくとも1つに応じて、取出し温度の目標値を変えるようにしてもよい。
【0105】
・応用例2
取出し温度の目標値をS2+S3もしくはS2’+S3に下げた場合、貯湯タンク108での放熱や、同じく貯湯タンク108内での熱拡散により、給湯に必要なS2の湯を供給できない場合が考えられる。この場合、熱負荷115にはバックアップボイラ114から湯が供給される。貯湯量が充分であるにも関わらずバックアップボイラ114が作動する場合は、温度マージンS3を増加させることにより、取出し温度の目標値を上げることが望ましい。また、バックアップボイラ114の作動状態ではなく、貯湯タンク108に入る温水の温度(蓄熱温度)や貯湯タンク108に設置されている温度計の指示値に応じて、S3を増加させるようにしてもよい。
【0106】
上で述べた各実施形態で例示した具体例は、本発明を何ら限定するものではない。例えば、各実施形態では、コジェネレーションシステムの一例として、燃料電池発電システムを取り上げたが、燃料電池発電システム以外のシステムに適用することも可能である。また、例えば、第1の実施形態では戻り水温度が「S1未満かS1以上か」に応じて取出し温度の目標値の切り替えを行う場合を例示したが、勿論、「S1以下かS1より大きいか」に応じて取出し温度の目標値の切り替えを行うようにしてもよい。
【0107】
また、例えば、第1の実施形態では取出し温度の目標値を切り替える際に、時間的猶予や基準となる戻り水温度のヒステリシス制御を適用してもよい旨を説明したが、第1の実施形態の場合に限らず、第2〜第5の実施形態においても、取出し温度の目標値を切り替える際に、時間的猶予やヒステリシス制御を適用してもよい。
【0108】
本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。