(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1導油溝が、前記取付孔の内周面において、前記オイルギャラリーから前記シリンダヘッドの外面にかけて延びる形態とされている請求項1ないし3のいずれか1項記載の動弁装置。
前記支持部材の外面に、この外面を周回する環状溝が含まれ、前記第1導油溝が、前記支持部材の外面において、前記環状溝とその複数位置で交差連結されている請求項1ないし4のいずれか1項記載の動弁装置。
【背景技術】
【0002】
従来の動弁装置が特許文献1に例示されている。動弁装置のシリンダヘッドには、開弁位置と閉弁位置とに変位可能なバルブが取り付けられ、かつバルブの近傍位置に形成された取付孔内に、支持部材としてのピボットが挿入されている。ピボットの頂部は、支承部とされ、シリンダヘッドの外部に配置されている。また、シリンダヘッドの外部にはロッカアームが配置されている。ロッカアームは、アーム本体と、アーム本体に組み込まれて、カムに従動可能に当接するローラとからなる。アーム本体の一端部は、ピボットの支承部に当接する支点部とされ、アーム本体の他端部は、バルブに当接するパッド部とされている。
カムが回転すると、アーム本体が支点部を略支点として揺動変位し、それに伴いパッド部が変位して、バルブの開閉動作が行われる。
【0003】
また、例えば、取付孔の内周面には、オイルギャラリーが開口して形成されており、さらに、ピボットは、中空とされていて、オイルギャラリーに連通する連通孔を有しているとともに、その頂点に、内外を貫通する給油孔を有している。オイルギャラリーを流通するオイルの一部は、ピボット内に流入された後、給油孔から流出されて支承部と支点部との間を潤滑するようになっている。
【0004】
さらに、水平対向エンジンやV型エンジン等においては、ピボットの長さ方向が水平方向又は水平方向に対してやや傾斜する方向に向けられ、アーム本体の長さ方向が垂直方向又は垂直方向に対してやや傾斜する方向に向けられるため、支承部と支点部との間を潤滑したオイルの一部が、自重によって滑落して、カムとローラとの間、及びパッド部とバルブとの間をも潤滑するようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記従来の動弁装置において、万一、給油孔が塵埃等で詰まったりすると、支承部と支点部との間にオイルを供給することができず、両者の摺動領域が磨耗するおそれがある。このため、摺動領域にオイルを確実に供給することが求められている。
【0007】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、摺動領域への給油の確実性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、外面に取付孔が開口するとともに、前記取付孔の内周面にオイルギャラリーが開口し、かつバルブが開閉可能に取り付けられたシリンダヘッドと、垂直方向に対して傾斜する方向に延び、又は水平方向に延び、前記取付孔内に挿入され、挿入状態において、前記シリンダヘッドの外部に臨む支承部を有する支持部材と、水平方向に対して傾斜する方向に延び、又は垂直方向に延び、上端部が、前記支承部に当接する支点部とされるとともに、下端部が、前記バルブに当接するパッド部とされ、かつ前記支点部と前記パッド部との間に、カムによって回転するローラが組み込まれ、前記ローラが回転するのに伴い、前記支点部を略支点として揺動変位し、前記パッド部を介して前記バルブの開閉を行うロッカアームと、前記支持部材が前記取付孔内に挿入された状態で前記支持部材の外面と前記取付孔の内周面との間に配置されて前記オイルギャラリーに連通する第1導油溝と、前記支承部の外面に配置されて前記第1導油溝に連通し、
始端から前記支承部と前記支点部との摺動領域へ向
かう終端にかけて水平軸に対して前下がりに傾斜して延びる第2導油溝とからなる導油路とを備え、前記オイルギャラリーを流動するオイルの一部が、その自重及び表面張力に助勢されて、前記第1導油溝内に流入し、前記第1導油溝から前記第2導油溝に沿って流れて、前記支承部と前記支点部との摺動領域に至るところに特徴を有する。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記支承部の外面に、前記支点部と摺動する摺動面が含まれ、前記第2導油溝の終端が、前記摺動面の手前に開口しているところに特徴を有する。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のものにおいて、前記第2導油溝が、前記支承部の外面に複数並列に配置されているところに特徴を有する。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のものにおいて、前記第1導油溝が、前記取付孔の内周面において、前記オイルギャラリーから前記シリンダヘッドの外面にかけて延びる形態とされているところに特徴を有する。
【0014】
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のものにおいて、前記支持部材の外面に、この外面を周回する環状溝が含まれ、前記第1導油溝が、前記支持部材の外面において、前記環状溝とその複数位置で交差連結されているところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0015】
<請求項1の発明>
オイルギャラリーを流通するオイルの一部が、その自重及び表面張力に助勢されて、第1導油溝内に流入し、第1導油溝から第2導油溝に沿って流れて、支承部と支点部との摺動領域に至る。このため、摺動領域への給油の確実性が高められる。
【0018】
<請求項
2の発明>
第2導油溝が、摺動面の手前で開口しているから、摺動面にオイルを確実に供給できるとともに、摺動面の円滑性が担保される。
【0019】
<請求項
3の発明>
オイルギャラリーからのオイルの流出に伴って支持部材が回転しても、いずれかの第2導油溝をオイルギャラリーと対応する位置に配置させることができる。
【0020】
<請求項
4の発明>
オイルギャラリーからのオイルの流出に伴って支持部材が回転しても、オイルギャラリーと第1導油溝が非連通となることがない。
【0021】
<請求項
5の発明>
オイルギャラリーからのオイルの流出に伴って支持部材が回転しても、環状溝を介することにより、オイルギャラリーと第1導油溝が非連通となるのを回避できる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を
図1ないし
図3によって説明する。実施形態1に係る動弁装置10は、水平対向エンジンに適用される場合を例示するものであって、シリンダヘッド20、支持部材としてのピボット30、及びロッカアーム40を備える。
【0024】
シリンダヘッド20の外面には、
図1に示すように、通気路21(吸気ポート又は排気ポート)と連通するガイド孔22が開口して形成されている。ガイド孔22には、バルブ23のバルブステム24が軸方向に移動可能に組み込まれている。バルブステム24は、シリンダヘッド20の外面から突出する位置に突端部25を有し、バルブステム24の周りには、バルブスプリング26が配置されている。バルブ23は、バルブスプリング26によって常には通気路21を閉止する方向(閉弁方向)に保持されている。
【0025】
また、シリンダヘッド20の外面には、有底の取付孔27が開口して形成されている。シリンダヘッド20の内部には、動弁装置10の潤滑等のためのオイルが流通するオイルギャラリー28が形成されている。オイルギャラリー28の周壁は、取付孔27の内周面に開口している。さらに、シリンダヘッド20の内部には、取付孔27と交差する方向に延びて、取付孔27の底部側の内周面に開口するとともに、シリンダヘッド20の外面に開口する空気孔29が形成されている。
【0026】
ピボット30は、金属製であって内部が詰まった中実の略円柱状をなし、シリンダヘッド20の取付孔27内に挿入されている。詳しくはピボット30は、底面から高さ方向に同径で延びる胴部31と、胴部31の延出端から高さ方向に次第に縮径しつつ延びるテーパ状の肩部32と、肩部32の延出端から高さ方向に同径で延びる首部33と、首部33の延出端から頂端にかけて次第に縮径しつつ延びる略半球状の頭部34とからなる。ピボット30が取付孔27内に挿入された状態で、肩部32、首部33、及び頭部34は、シリンダヘッド20の外部に臨むように配置されており、これらが、本発明の支承部を構成している。また、頭部34の外周面は、円滑な球面とされ、ここに、本発明の摺動面35が構成されている。
【0027】
ロッカアーム40は、金属製であって、アーム本体41と、アーム本体41に取り付けられたローラ42とからなる。アーム本体41は、前後方向に長い左右一対の側壁部43と、両側壁部43の後端部同士を連結する支点部44と、両側壁部43の前端部同士を連結するパッド部45とから一体に構成されている。支点部44は、ピボット30の頭部34に沿って膨出する略半球状の嵌合部46を有している。パッド部45は、バルブステム24の突端部25を押圧するものであって、前方へせり上がった形態のパッド面47を有している。
【0028】
両側壁部43間で、かつ支点部44とパッド部45との間には、ローラ42の収容空間が開口している。収容空間に収容されたローラ42は、左右方向の支持軸48を中心として、アーム本体41に回転可能に支持されている。ローラ42は、アーム本体41から突出する部分を有し、その突出部分の外周面に、ローラ42の回転中心と平行な回転軸91を有する略卵形のカム90が当接している。
【0029】
上記構成において、ピボット30の長さ方向(延び方向)、取付孔27の深さ方向、及びバルブステム24の長さ方向(延び方向)は、垂直軸に対して45度以上の傾斜角をもって傾斜する方向に向けられている。このため、ピボット30は、水平軸寄りの軸線に沿ってほぼ横置きされることとなる。この場合、頭部34が、ピボット30の上端部を構成し、突端部25が、バルブステム24の上端部を構成している。そして、ロッカアーム40の長さ方向は、水平軸に対して45度以上の傾斜角をもって傾斜する方向に向けられている。このため、ロッカアーム40は、垂直軸寄りの軸線に沿ってほぼ縦置きされることとなる。この場合、支点部44が、ロッカアーム40の上端部を構成し、パッド部45が、ロッカアーム40の下端部を構成している。また、カム90とローラ42は、それぞれ横方向に並列に配置されている。
【0030】
ここで、カム90が回転すると、ロッカアーム40がピボット30の頭部34及び嵌合部46を略支点として横方向に揺動変位し、このロッカアーム40の揺動に伴って、バルブ23が、バルブスプリング26のばね力に抗して開弁方向に変位する動作と、バルブスプリング26のばね力に従って閉弁方向に変位する動作とを交互に繰り返すようになっている。
【0031】
続いて、動弁装置10への給油構造について説明する。
シリンダヘッド20の取付孔27の内周面には、
図2に示すように、単一の第1導油溝60が開口して形成されている。第1導油溝60は、断面3角形状をなし、取付孔27の深さ方向に真直ぐ延びる形態とされている。第1導油溝60の始端は、オイルギャラリー28の周壁に連通して開口しており、第1導油溝60の終端は、シリンダヘッド20の外面に臨んでいる。そして、第1導油溝60は、その始端から終端にかけて、前上がりに傾斜して配置されている。
【0032】
また、ピボット30の外周面には、このピボット30が取付孔27内に挿入された状態で、肩部32の基端から首部33の延出端にかけて、水平軸80に対して前下がりに傾斜する複数の第2導油溝70が開口して形成されている。各第2導油溝70は、断面3角形状をなし(
図3を参照)、肩部32の基端から首部33の延出端にかけて真直ぐ延びる形態とされている。各第2導油溝70の終端は、頭部34の摺動面35の手前で開口している。また、各第2導油溝70は、肩部32の外周面及び首部33の外周面の全周に亘って互いにほぼ平行に並列配置されている。このため、ピボット30が取付孔27内に挿入された状態で、いずれかの第2導油溝70の始端が、第1導油溝60の途中位置に連通して配置されるようになっている。なお、第1、第2導油溝60、70によって本発明の導油路が構成されている。
【0033】
次に、動弁装置10への給油経路について説明する。
オイルギャラリー28を流動するオイルの一部は、第1導油溝60内に流入し、第1導油溝60に沿って流れて、第2導油溝70の始端に至る。そして、オイルは、第2導油溝70の始端から終端にかけて、第2導油溝70に沿って流れて、頭部34の摺動面35に至る(
図2の矢印を参照)。この場合、オイルは、その自重及び表面張力の助けを得て、第2導油溝70の終端側に至ることが可能となる。
【0034】
ロッカアーム40の揺動に伴い、嵌合部46が頭部34の摺動面35を摺動すると、オイルが摺動面35のほぼ全体に亘って展延される。次いで、オイルは、頭部34からアーム本体41の後部に沿って流れてローラ42の外周面に付着し、ローラ42の回転に伴い、ローラ42の外周面及びカム90の外周面のほぼ全体に亘って付着する。さらに、オイルは、ローラ42の外周面からアーム本体41の前部に沿って流れて、パッド部45のパッド面47及びバルブステム24の突端部25に付着する。この場合、オイルは、自重によって頭部34からパッド部45へと滑落することが可能となる。かくして、オイルギャラリー28から第1、第2導油溝60、70を経由して流れるオイルによって、頭部34と支点部44との間、ローラ42とカム90との間、及びパッド部45とバルブ23との間の各摺動領域が順次潤滑されることとなる。
【0035】
以上説明したように、実施形態1の動弁装置10は、ピボット30の外周面に沿って配置され、ピボット30が取付孔27内に挿入された状態で、オイルギャラリー28に連通するとともに、頭部34と支点部44との摺動領域(頭部34の摺動面35)へ向けて下向きに傾斜して延びる第1、第2導油溝60、70を有している。このため、オイルギャラリー28を流通するオイルが、第1、第2導油溝60、70を流れて、頭部34と支点部44との間、カム90とローラ42との間、及びパッド部45とバルブ23との間を順次潤滑することが可能となる。したがって、塵埃等の詰まりが回避され、各摺動領域への給油の確実性が高められる。
【0036】
また、仮に、ピボット30が無底の中空筒状をなしていると、ピボット30がその内部に流入するオイルによって取付孔27内から浮き上がり、ロッカアーム40の支点位置が変動して、バルブ23の開閉動作に支障をきたすおそれがある。しかるに実施形態1によれば、ピボット30内にオイルが流入することがなく、ピボット30の浮き上がりが防止される。
【0037】
また、オイルギャラリー28を流通するオイルの一部は、第1導油溝60から第2導油溝70を経て頭部34と支点部44との摺動領域に円滑に至ることができる。
【0038】
また、第2導油溝70が、摺動面35の手前で開口しているから、摺動面35にオイルを確実に供給できるとともに、摺動面35の円滑性が担保される。
【0039】
さらに、第2導油溝70が頭部34の外周面及び首部33の外周面に複数並列に配置されているから、オイルギャラリー28からのオイルの流出に伴ってピボット30が軸周りに回転しても、いずれかの第2導油溝70をオイルギャラリー28と対応する位置に配置させることができる。
【0040】
さらにまた、第1導油溝60が取付孔27の内周面に形成されているから、オイルギャラリー28からのオイルの流出に伴ってピボット30が軸周りに回転しても、オイルギャラリー28と第1導油溝60が互いに非連通となることがない。
【0041】
<実施形態2>
図4は、本発明の実施形態2を示す。実施形態2では、導油路の形態が実施形態1とは異なる。その他は、実施形態1と同様であり、実施形態1と同様の構成には同一符合を付し、重複する説明は省略する。
【0042】
ピボット30の胴部31の外周面には、オイルギャラリー28とほぼ同じ高さ位置に、この外周面を周回する環状溝38が開口して形成されている。
【0043】
第1導油溝60Aは、取付孔27の内周面には形成されず、胴部31の外周面の全周に亘って複数並列に、かつ互いにほぼ平行に、配置されている。そして、各第1導油溝60Aの始端は、環状溝38の上側縁の複数位置に交差連結されている。また、各第1導油溝60Aの終端は、胴部31の延出端(肩部32の基端)に臨み、ここで第2導油溝70Aの始端に連通している。第2導油溝70Aは、実施形態1と同様に、直線状に延びる複数の溝からなり、ピボット30が取付孔27内に挿入された状態で、頭部34の摺動面35へ向けて前下がりに傾斜する形態とされている。図示する場合、第1、第2導油溝60A、70Aは、周方向に間隔をあけて3つ配置されている。
【0044】
オイルギャラリー28から流出されたオイルは、環状溝38に沿って流れるとともに、環状溝38から各第1導油溝60Aに沿って流れ、さらに各第2導油溝70Aに沿って流れて、摺動面35に至り、頭部34と支点部44との間を潤滑する(
図4の矢印を参照)。その後、実施形態1と同様の経路で、ローラ42とカム90との間、及びパッド部45とバルブ23との間が潤滑される。
【0045】
実施形態2によれば、オイルギャラリー28からのオイルの流出に伴ってピボット30が回転しても、環状溝38を介することによって、オイルギャラリー28と第1導油溝60Aが非連通となるのを回避できる。また、取付孔27の内周面に、第1導油溝60Aを形成しなくて済む分、取付孔27の内面形状が簡素化される。
【0046】
<実施形態3>
図5は、本発明の実施形態3を示す。実施形態3では、ピボット30の上部の構造が実施形態1とは異なる。その他は、実施形態1と同様であり、実施形態1と同様の構成には同一符合を付し、重複する説明は省略する。
【0047】
ピボット30は、底面から高さ方向に同径で延びる胴部31と、胴部31の延出端から頂端にかけて次第に縮径しつつ延びる略ベル状の頭部34Aとからなる。つまり、ピボット30は、肩部32及び首部33を有していない。頭部34Aの外周面は、全体に亘って曲面状をなしている。また、頭部34Aの外周面と嵌合部46の内周面との摺動領域は、摺動面35とされている。ピボット30が取付孔27内に挿入された状態では、頭部34Aがシリンダヘッド20の外部に臨むように配置され、ここが、本発明の支承部を構成している。
【0048】
第2導油溝70Bは、実施形態と同様に、頭部34Aの外周面の全周に亘って複数並列に配置され、ピボット30が取付孔27内に挿入された状態で、摺動面35へ向けて前下がりに傾斜する形態とされている。
【0049】
実施形態2によれば、第2導油溝70Bが途中で形状を急変させることなく全長に亘って円滑に連続しているから、第2導油溝70Bを流れるオイルが途中で停滞することがなく、オイルの流動性が向上する。
【0050】
<実施形態4>
図6は、本発明の実施形態4を示す。実施形態4では、第2導油溝70Cの形状が実施形態1とは異なる。その他は、実施形態1と同様であり、実施形態1と同様の構成には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0051】
ピボット30の外周面には、このピボット30が取付孔27内に挿入された状態で、肩部32の基端から終端にかけて曲線状に延びる複数の第2導油溝70Cが開口して形成されている。各第2導油溝70Cは互いに平行に配置され、全体として平面視螺旋状を呈している。なお、図示する場合、第2導油溝70Cは、首部33の基端から延出端に亘る部分において、直線状に延びる形態とされているが、この部分も含めて曲線状の延びる形態として構わない。
【0052】
実施形態4によれば、オイルギャラリー28からのオイルの流出に伴ってピボット30が軸回りに回転した場合に、その回転方向に沿うようにして各第2導油溝70Cが形成されていることにより、オイルが各第2導油溝70Cに沿って円滑に流れて各摺動領域へとより確実に供給される。
【0053】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)ピボットの長さ方向は水平方向に向けられていてもよい。
(2)ロッカアームの長さ方向は垂直方向に向けられていてもよい。
(3)本発明は、けっして給油孔を有する中空筒状のピボットからなる支持部材の適用を否定するものではない。
(4)第2導油溝の終端部が、頭部の摺動面に少しは入り込む形態であってもよい。
(5)第1、第2導油溝の少なくとも一方は、曲線状に延びる形態であってもよい。
(6)第1、第2導油溝の少なくとも一方は、断面円弧形状又は断面4角形状をなすものであってもよい。