特許第5767853号(P5767853)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5767853
(24)【登録日】2015年6月26日
(45)【発行日】2015年8月19日
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/10 20060101AFI20150730BHJP
   F21Y 101/02 20060101ALN20150730BHJP
【FI】
   F21S8/10 381
   F21Y101:02
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-107265(P2011-107265)
(22)【出願日】2011年5月12日
(65)【公開番号】特開2012-238501(P2012-238501A)
(43)【公開日】2012年12月6日
【審査請求日】2014年4月3日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(72)【発明者】
【氏名】田中 秀忠
(72)【発明者】
【氏名】井上 貴司
(72)【発明者】
【氏名】八木 隆之
(72)【発明者】
【氏名】加藤 建
(72)【発明者】
【氏名】時田 主
(72)【発明者】
【氏名】曽根 秀倫
【審査官】 柿崎 拓
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−146841(JP,A)
【文献】 特開2005−209536(JP,A)
【文献】 特開2012−003999(JP,A)
【文献】 特開2010−198955(JP,A)
【文献】 特開2007−134340(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/10−8/12
F21V 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDを載置するためのLED載置部と、
前記LEDを前記LED載置部に固定するためのアタッチメントと、
前記LEDに給電するための給電部と、
前記LEDから出射された光を制御する第1光学部材と、
前記第1光学部材からの光を制御する第2光学部材と、
を備え、
前記給電部と、前記第1光学部材とが、前記アタッチメントに設けられ、
前記第1光学部材は、前記LEDから出射された光を反射して前記第2光学部材に向かわせるリフレクタであり、
前記第2光学部材は、前記リフレクタからの光を灯具前方に投影する投影レンズであり、
前記リフレクタと前記アタッチメントが一体成形され、
前記LEDは、長方形状の発光面を有し、
前記リフレクタは、前記アタッチメントの一部に設けられた開口部の内壁面を反射面に形成したものであり、
前記開口部の前記LED側の開口形状は、前記LEDの発光面と略同一の形状および大きさとされており、
前記開口部の前記投影レンズ側の開口形状は、所定のカットオフラインを有する配光パターンに対応した形状に形成されている、
ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
LEDを載置するためのLED載置部と、
前記LEDを前記LED載置部に固定するためのアタッチメントと、
前記LEDに給電するための給電部と、
前記LEDから出射された光を制御する第1光学部材と、
前記第1光学部材からの光を制御する第2光学部材と、
を備え、
前記給電部と、前記第1光学部材とが、前記アタッチメントに設けられ、
前記第1光学部材は、前記LEDから出射された光を反射して前記第2光学部材に向かわせるリフレクタであり、
前記リフレクタからの光の一部を遮蔽するシェードをさらに備え、
前記リフレクタと、前記アタッチメントと、前記シェードとが一体成形されたことを特徴とする車両用灯具。
【請求項3】
LEDを載置するためのLED載置部と、
前記LEDを前記LED載置部に固定するためのアタッチメントと、
前記LEDに給電するための給電部と、
前記LEDから出射された光を制御する第1光学部材と、
前記第1光学部材からの光を制御する第2光学部材と、
を備え、
前記給電部と、前記第1光学部材とが、前記アタッチメントに設けられ、
前記第1光学部材は、前記LEDから出射された光を反射して前記第2光学部材に向かわせるリフレクタであり、
前記アタッチメントは、前記LEDを前記LED載置部に付勢する付勢部材を備え、
前記付勢部材と、前記リフレクタとが一体に形成されたことを特徴とする車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関し、特にLED(Light Emitting Diode)を用いた車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、LEDを光源として使用した車両用灯具が知られている。例えば、特許文献1には、アタッチメントと呼ばれる樹脂成形部品を用いてLEDを固定した車両用灯具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−192139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような車両用灯具は、LED、LEDを取り付けるためのアタッチメント、リフレクタ、投影レンズなどの複数の部品から構成される。安価な車両用灯具を実現するためには、部品点数はできるだけ少ないことが望ましい。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、部品点数を低減できるできる車両用灯具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の車両用灯具は、LEDを載置するためのLED載置部と、LEDをLED載置部に固定するためのアタッチメントと、LEDに給電するための給電部と、LEDから出射された光を制御する第1光学部材と、第1光学部材からの光を制御する第2光学部材とを備える。給電部と、第1光学部材とがアタッチメントに設けられている。
【0007】
この態様によると、給電部と、第1光学部材と、アタッチメントとが一体に形成されているので、部品点数が低減され、安価な車両用灯具を実現できる。
【0008】
第1光学部材は、LEDから出射された光を反射して第2光学部材に向かわせるリフレクタであり、リフレクタとアタッチメントが一体成形されてもよい。
【0009】
リフレクタからの光の一部を遮蔽するシェードをさらに備え、リフレクタと、アタッチメントと、シェードとが一体成形されてもよい。
【0010】
第1光学部材は、LEDから出射された光を反射して第2光学部材に向かわせるリフレクタであり、給電部と、リフレクタとが一体に形成されてもよい。
【0011】
第1光学部材は、LEDから出射された光を反射して第2光学部材に向かわせるリフレクタであり、アタッチメントは、LEDをLED載置部に付勢する付勢部材を備え、付勢部材と、リフレクタとが一体に形成されてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、部品点数を低減できるできる車両用灯具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る車両用灯具の断面図である。
図2】本発明の実施形態に係るLEDモジュールの分解斜視図である。
図3】本発明の別の実施形態に係る車両用灯具の要部分解斜視図である。
図4】本発明のさらに別の実施形態に係る車両用灯具の要部平面図である。
図5図4に示す車両用灯具のX−X断面図である。
図6図4に示す車両用灯具のY−Y断面図である。
図7】本発明のさらに別の実施形態に係る車両用灯具の要部平面図である。
図8図7に示す車両用灯具のX−X断面図である。
図9図7に示す車両用灯具のY−Y断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係る車両用灯具の断面図である。車両用灯具100は、投影レンズを有する所謂プロジェクタ型の車両用前照灯である。
【0016】
車両用灯具100は、図1に示すように、灯具前方に開口された凹部を有するランプボディ12と、該ランプボディ12の開口面を閉塞するカバー14とを備え、ランプボディ12とカバー14によって形成された内部空間が灯室16として形成されている。
【0017】
灯室16内には、灯具ユニット10が配置されている。図1に示すように、灯具ユニット10は、アルミニウム等の金属で形成されたブラケット18の略中央部に取り付けられている。ブラケット18の上部には第1エイミングスクリュー21が取り付けられており、ブラケット18の下部には第2エイミングスクリュー22が取り付けられている。ブラケット18は、第1エイミングスクリュー21および第2エイミングスクリュー22によってランプボディ12に傾動自在に支持されている。下方の第2エイミングスクリュー22には、エイミングアクチュエータ24が設けられている。そして、エイミングアクチュエータ24が駆動されると、ブラケット18の傾動に伴って灯具ユニット10が傾動されて、照明光の光軸調整(エイミング調整)が行われる。
【0018】
灯具ユニット10は、LEDモジュール20と、投影レンズ30と、レンズ支持部32と、ヒートシンク26と、ファン28とを備える。
【0019】
LEDモジュール20は、ブラケット18の前面側に設けられている。LEDモジュール20は、白色LEDを備え、投影レンズ30に向けて白色光を出射する。LEDモジュール20の詳細な構造については後述する。
【0020】
投影レンズ30は、LEDモジュール20からの光を前方に投影する。投影レンズ30は、入射面が平面に形成され、出射面が凸面に形成された平凸非球面レンズである。投影レンズ30は、レンズ支持部32によりLEDモジュール20の前方に支持されている。投影レンズ30の光軸Axは、車両の前後方向と略平行となっている。
【0021】
ヒートシンク26は、ブラケット18の背面側に設けられている。ヒートシンク26は、アルミ等の高熱伝導率の金属によって形成され、LEDモジュール20で発生した熱を放熱する。ファン28は、ヒートシンク26の後方に設けられており、ヒートシンク26を強制空冷する。
【0022】
図2は、本発明の実施形態に係るLEDモジュールの分解斜視図である。図2に示すように、LEDモジュール20は、アルミダイキャストによりブラケット18と一体成形されたLED搭載部27の略中央部にLEDパッケージ23が載置され、その上にLEDパッケージ23をLED搭載部27に固定するためのアタッチメント44が設けられる構造になっている。アタッチメント44は、ねじ29によりLED搭載部27に固定される。
【0023】
LEDパッケージ23は、LED基板36と、LED37とを備える。LED37は、長方形状の発光面を有する白色LEDである。LED37は、1mm四方程度の大きさの4つの青色LEDチップがLED基板36上に一列に並べられ、その上に蛍光体層が設けられた構成となっている。蛍光体層は、青色光を黄色光に変換する黄色蛍光体をセラミック化して長方形板状にしたものである。または蛍光体層は、黄色蛍光体をガラスに封入することにより形成されてもよい。青色LEDチップを発光させると、蛍光体層を透過した青色光と、蛍光体層により変換された黄色光とが混合され、白色光が得られる。
【0024】
LED基板36は、窒化アルミ等で形成され、LED37に電流を供給する。LED基板36の左右両端には、面状電極48が設けられている。
【0025】
アタッチメント44は、L字状に成形された樹脂成形部品であり、第1基部44aと、第2基部44bとから構成されている。
【0026】
第1基部44aの略中央部には、LED37からの光を制御するためのリフレクタ49が形成されている。リフレクタ49は、LED37から出射された光を反射して、投影レンズ30に向かわせる機能を有する。このリフレクタ49は、第1基部44aの略中央部に開口部50を設け、該開口部50の内壁面に光反射性材料を塗布したものである。開口部50の内壁面には、断面放物線状の4つの反射面が形成されている。開口部50のLEDパッケージ23側の開口形状は、LED37の発光面と略同一の形状および大きさとされている。一方、開口部50の投影レンズ30側の開口形状は、所定のカットオフラインを有するロービーム配光パターンに対応した形状に形成されている。言い換えると、開口部50の投影レンズ30側の開口形状は、ロービーム配光パターンの反転形状に形成されている。従って、リフレクタ49から出射される光の像は、ロービーム配光パターンの反転形状となる。投影レンズ30によりこの像の反転像が投影されることで、ロービーム配光パターンが照射される。
【0027】
また、第1基部44aのLEDパッケージ23側には、2つのばね端子45が設けられている。アタッチメント44がLEDパッケージ23上に設けられると、ばね端子45はLED基板36の面状電極48と電気的に接続され、これによりLED37が給電される。また、ばね端子45は、LEDパッケージ23をLED搭載部27に付勢しており、この付勢力により、LEDパッケージ23がLED搭載部27上に固定される。
【0028】
ばね端子45には、アタッチメント44の第1基部44aおよび第2基部44b内に埋め込まれた導電部51の一方の端部に接続されている。導電部51は、第1基部44aから第2基部44bまで延設されており、導電部51の他方の端部はコネクタ端子46とされている。図2では、アタッチメント44内に埋め込まれた導電部51を破線で図示している。このコネクタ端子46には、給電用のコネクタ47が接続される。ばね端子45、導電部51、コネクタ端子46は、LED37に給電するための給電部を構成している。
【0029】
このように、本実施形態においては、LED37をLED搭載部27に固定するためのアタッチメント44に、LED37からの光を制御して投影レンズ30に向かわせるためのリフレクタ49と、LED37に給電するための給電部とを設けた。すなわち、アタッチメント44と、リフレクタ49と、給電部とを一体化した。これにより、部品点数を低減できるので、安価な車両用灯具を実現できる。
【0030】
また、本実施形態のようにLED37の直近に小型のリフレクタ49を設けることにより、LED37から出射された光の進行方向を好適に制御して、効率的に投影レンズ30に入射させることができる。すなわち、光利用効率を向上できる。
【0031】
図3は、本発明の別の実施形態に係る車両用灯具の要部分解斜視図である。なお、以下に示す実施形態において、図1および図2に示す車両用灯具と同一または対応する構成要素については同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0032】
図3に示すように、本実施形態に係る車両用灯具100の灯具ユニット10は、LEDパッケージ23と、LED搭載部27と、LEDパッケージ23をLED搭載部27に固定するためのアタッチメント44と、LED37からの光を灯具前方へ反射するリフレクタ49と、投影レンズ30とを備える。
【0033】
本実施形態において、LEDパッケージ23は、LED37の光出射面を上方に向けてLED搭載部27上に載置される。LEDパッケージ23上には、アタッチメント44が設けられる。アタッチメント44は、ねじ29によりLED搭載部27に固定される。
【0034】
アタッチメント44の基部55のLEDパッケージ23側(下面側)には、2つのばね端子45が設けられている。アタッチメント44がLEDパッケージ23上に設けられると、ばね端子45はLED基板36の面状電極48と電気的に接続され、これによりLED37が給電される。また、ばね端子45の付勢力により、LEDパッケージ23がLED搭載部27上に固定される。ばね端子45とコネクタ端子46とをつなぐ導電部51は、基部55内に埋め込まれている。
【0035】
また、基部55には、LED37からの光を灯具前方へ反射するリフレクタ49が設けられる。本実施形態において、リフレクタ49は、鉛直断面形状が略楕円形状であり、水平断面形状が楕円をベースとした自由曲面形状に形成されている。リフレクタ49は、その第1焦点がLED37の発光部近傍となるように配置されている。なお、図3では、基部55とリフレクタ49とを分解して図示しているが、基部55とリフレクタ49とを樹脂により一体に形成してもよい。
【0036】
また、基部55のリフレクタ49側(上面側)には、リフレクタ49で反射した光の一部を遮蔽して、ロービーム配光パターンの反転像を形成するためのシェード52が形成されている。このシェード52は、リフレクタ49の第2焦点近傍に位置するよう形成される。
【0037】
また、基部55の先端部には、投影レンズ30を支持するためのレンズ支持部32が形成されている。レンズ支持部32に支持された投影レンズ30の後方側焦点は、リフレクタ49の第2焦点と略一致している。投影レンズ30は、後方焦点面上に形成された像の反転像、すなわち、ロービーム配光パターンを車両用灯具100の前方に投影する。
【0038】
このように、本実施形態においては、LED37をLED搭載部27に固定するためのアタッチメント44に、LED37に給電するための給電部と、LED37からの光を灯具前方に反射するためのリフレクタ49と、リフレクタ49で反射した光の一部を遮蔽するためのシェード52と、投影レンズ30を支持するためのレンズ支持部32とを設けた。すなわち、アタッチメント44と、給電部と、リフレクタ49と、シェード52と、レンズ支持部32とを一体化した。これにより、部品点数を低減できるので、安価な車両用灯具を実現できる。
【0039】
また、本実施形態によれば、リフレクタ49と、シェード52と、レンズ支持部32とを一体化したことにより、これらの部品を位置合わせする作業が不要となる。これは、製造コストの低減をもたらす。
【0040】
図4は、本発明のさらに別の実施形態に係る車両用灯具の要部平面図である。また、図5は、図4に示す車両用灯具のX−X断面図である。また、図6は、図4に示す車両用灯具のY−Y断面図である。図4図6は、アタッチメント44の周辺部を図示している。本実施形態に係るアタッチメント44は、図1に示す車両用灯具のアタッチメントと置き換えることができる。
【0041】
図4図6に示すように、LED搭載部27上には、LEDパッケージ23が搭載されている。LEDパッケージ23は、LED基板36上に一列に配置された4つの青色LEDチップ53と、青色LEDチップ53の発光面上に設けられた蛍光体層54とを備える。LEDパッケージ23は、LED基板36に設けられた面状電極48を金属製のばね端子45により押さえつけることにより、LED搭載部27上に固定されている。
【0042】
また、LEDパッケージ23の上方には、LED37からの光を反射して投影レンズ(図示せず:図1参照)に向かわせるためのリフレクタ49が設けられている。本実施形態において、リフレクタ49は金属板により形成されている。
【0043】
ここで、本実施形態においては、ばね端子45、導電部51およびコネクタ端子46からなる給電部と、リフレクタ49とが金属板により形成されている。給電部およびリフレクタ49は、金属板をインサート成形した後、プレス加工することにより形成されている。給電部の導電部51と、リフレクタ49の支持部は、樹脂で形成されたアタッチメント44の基部55内に埋め込まれている。すなわち本実施形態において、アタッチメント、給電部およびリフレクタ49は、一体に形成されている。これにより、部品点数を低減できるので、安価な車両用灯具を実現できる。
【0044】
図7は、本発明のさらに別の実施形態に係る車両用灯具の要部平面図である。また、図8は、図7に示す車両用灯具のX−X断面図である。また、図9は、図7に示す車両用灯具のY−Y断面図である。図7図9は、アタッチメント44の周辺部を図示している。本実施形態に係るアタッチメント44は、図1に示す車両用灯具のアタッチメントと置き換えることができる。
【0045】
図7図9に示すように、LED搭載部27上には、LEDパッケージ23が搭載されている。LEDパッケージ23は、LED基板36上に一列に配置された4つの青色LEDチップ53と、青色LEDチップ53の発光面上に設けられた蛍光体層54とを備える。LEDパッケージ23は、LED基板36に設けられた面状電極48を金属製のばね端子45で押さえつけるとともに、LED基板36の短手方向の両端部を金属製の固定用ばね端子56で押さえつけることにより、LED搭載部27上に固定されている。ばね端子45、固定用ばね端子56、導電部51、およびコネクタ端子46は、金属板をインサート成形した後、プレス加工することにより一体に形成されている。
【0046】
また、LEDパッケージ23の上方には、LED37からの光を反射して投影レンズ(図示せず:図1参照)に向かわせるためのリフレクタ49が設けられている。本実施形態において、リフレクタ49は金属板により形成されている。
【0047】
ここで、本実施形態においては、ばね端子45および固定用ばね端子56と、リフレクタ49とが金属板により一体に形成されている。より具体的には、ばね端子45および固定用ばね端子56の端部が延長されて、リフレクタが形成されている。ばね端子45および固定用ばね端子56は、アタッチメント44の基部55により支持されている。
【0048】
このように、本実施形態においては、アタッチメント、給電部およびリフレクタ49が一体に形成されていることにより、部品点数を低減できるので、安価な車両用灯具を実現できる。
【0049】
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。これらの実施形態は例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0050】
例えば、上述の実施形態では、リフレクタから出射された光を制御して前方に出射する光学部材として、投影レンズを例示したが、該光学部材はこれに限定されず、例えばリフレクタ等であってもよい。
【符号の説明】
【0051】
10 灯具ユニット、 12 ランプボディ、 14 カバー、 16 灯室、 18 ブラケット、 20 LEDモジュール、 23 LEDパッケージ、 26 ヒートシンク、 27 LED搭載部、 28 ファン、 29 ねじ、 30 投影レンズ、 32 レンズ支持部、 36 LED基板、 37 LED、 44 アタッチメント、 45 ばね端子、 46 コネクタ端子、 48 面状電極、 49 リフレクタ、 50 開口部、 51 導電部、 52 シェード、 53 青色LEDチップ、 54 蛍光体層、 55 基部、 56 固定用ばね端子、 100 車両用灯具。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9