特許第5767870号(P5767870)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5767870
(24)【登録日】2015年6月26日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】レバー式コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/629 20060101AFI20150806BHJP
【FI】
   H01R13/629
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2011-140331(P2011-140331)
(22)【出願日】2011年6月24日
(65)【公開番号】特開2013-8548(P2013-8548A)
(43)【公開日】2013年1月10日
【審査請求日】2014年5月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】杉山 修
(72)【発明者】
【氏名】望月 敬太
【審査官】 関 信之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−152063(JP,A)
【文献】 特開2001−167853(JP,A)
【文献】 特開2000−348819(JP,A)
【文献】 特表2002−532835(JP,A)
【文献】 米国特許第6540431(US,B1)
【文献】 米国特許第6332789(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/163062(US,A1)
【文献】 仏国特許出願公開第2786933(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/629
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コネクタハウジングと、この第1コネクタハウジングと嵌合可能な第2コネクタハウジングと、前記第1コネクタハウジングに回動可能に軸支されたレバーとを備え、前記第2コネクタハウジングに対して前記第1コネクタハウジングが半嵌合状態となる位置にあるときに前記レバーの回動操作により前記第2コネクタハウジングに対して前記第1コネクタハウジングを完全嵌合状態となる位置へ移動させるレバー式コネクタであって、
前記第1コネクタハウジングは、前記第2コネクタハウジングとの嵌合方向に対して直交する幅方向のうちの少なくとも一方に突設したガイドリブを有し、
前記第2コネクタハウジングは、前記第1コネクタハウジングが収容される収容部と、前記ガイドリブを案内するガイドリブ案内部とを有し、
前記ガイドリブ案内部は、前記収容部内において、前記第2コネクタハウジングに対する前記第1コネクタハウジングの嵌合方向に前記ガイドリブを案内するガイド溝と、前記収容部外において前記ガイドリブと係合し、係合したガイドリブを前記ガイド溝の開口へ案内するガイド斜面とを有し、
前記ガイド斜面は、前記幅方向の両端で前記収容部を形成している側壁部に設けられており、前記ガイド溝へ向かって傾斜しており、前記第1コネクタハウジングは、前記第2コネクタハウジングとの嵌合方向に対して直交する幅方向の一側と他側に前記ガイドリブを有していることを特徴とするレバー式コネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のレバー式コネクタにおいて、
前記ガイドリブは、前記第1コネクタハウジングに対する前記レバーの回動範囲の全体において干渉回避可能な位置に設けられていることを特徴とするレバー式コネクタ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のレバー式コネクタにおいて、
前記ガイド斜面は、前記収容部に収容された前記第1コネクタハウジングの一部を前記収容部の外部に露出させるように形成されていることを特徴とするレバー式コネクタ。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のレバー式コネクタにおいて、
前記ガイド斜面により前記ガイドリブは、該ガイドリブの突設方向及び前記嵌合方向の双方と交わる方向の2方向において、前記ガイド溝の開口に案内されることを特徴とするレバー式コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レバーの回動操作により、一方のコネクタハウジングと他方のコネクタハウジングとを嵌合させるレバー式コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、レバーの回動操作により、雄コネクタハウジングと雌コネクタハウジングとを嵌合させるコネクタとして、例えば、特開2009−152063号公報(特許文献1)に記載されたレバー式コネクタが提案されている。
【0003】
このレバー式コネクタは、雌コネクタハウジングと、この雌コネクタハウジングと嵌合可能な雄コネクタハウジングと、雄コネクタハウジングに回動可能に軸支されたレバーとから略構成されている。
【0004】
雌コネクタハウジングには、雄コネクタハウジングを収容する収容部に、雄コネクタハウジングの嵌合方向に沿ってガイド溝が設けられており、雄コネクタハウジングには、ガイド溝に挿入可能なガイドリブが突設されている。
【0005】
雌コネクタハウジングに雄コネクタハウジングを嵌合する際には、雌コネクタハウジングのガイド溝に雄コネクタハウジングのガイドリブを挿入することにより、雄コネクタハウジングを雌コネクタハウジングに対して半嵌合状態となる位置に案内する。
【0006】
そして、レバーの回動操作により、雌コネクタハウジングに対して雄コネクタハウジングを完全嵌合状態となる位置へ移動させることにより、雄コネクタハウジングを雌コネクタハウジングへ嵌合させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−152063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上述したレバー式コネクタでは、雌コネクタハウジングに設けられたガイド溝の開口と収容部の開口とが同一平面上に設けられている。このため、雄コネクタハウジングに設けられたガイドリブをガイド溝の開口に対して位置決めすることと、雌コネクタハウジングに設けられた収容部の開口に対して雄コネクタハウジングを位置決めすることとを、目視で確認しながら同時に達成しなければ、雄コネクタハウジングを雌コネクタハウジングへ挿入することができず、この挿入作業性を向上したいという要望があった。
【0009】
そこで、本発明は、一方のコネクタハウジングを他方のコネクタハウジングへ挿入する作業性を向上したレバー式コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本願請求項1に記載した本発明のレバー式コネクタは、第1コネクタハウジングと、この第1コネクタハウジングと嵌合可能な第2コネクタハウジングと、前記第1コネクタハウジングに回動可能に軸支されたレバーとを備え、前記第2コネクタハウジングに対して前記第1コネクタハウジングが半嵌合状態となる位置にあるときに前記レバーの回動操作により前記第2コネクタハウジングに対して前記第1コネクタハウジングを完全嵌合状態となる位置へ移動させるレバー式コネクタであって、前記第1コネクタハウジングは、前記第2コネクタハウジングとの嵌合方向に対して直交する幅方向のうちの少なくとも一方に突設したガイドリブを有し、前記第2コネクタハウジングは、前記第1コネクタハウジングが収容される収容部と、前記ガイドリブを案内するガイドリブ案内部とを有し、前記ガイドリブ案内部は、前記収容部内において、前記第2コネクタハウジングに対する前記第1コネクタハウジングの嵌合方向に前記ガイドリブを案内するガイド溝と、前記収容部外において前記ガイドリブと係合し、係合したガイドリブを前記ガイド溝の開口へ案内するガイド斜面とを有し、前記ガイド斜面は、前記幅方向の両端で前記収容部を形成している側壁部に設けられており、前記ガイド溝へ向かって傾斜しており、前記第1コネクタハウジングは、前記第2コネクタハウジングとの嵌合方向に対して直交する幅方向の一側と他側に前記ガイドリブを有していることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載した本発明のレバー式コネクタは、請求項1に記載のレバー式コネクタにおいて、前記ガイドリブは、前記第1コネクタハウジングに対する前記レバーの回動範囲の全体において干渉回避可能な位置に設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載した本発明のレバー式コネクタは、請求項1または請求項2に記載のレバー式コネクタにおいて、前記ガイド斜面は、前記収容部に収容された前記第1コネクタハウジングの一部を前記収容部の外部に露出させるように形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載した本発明のレバー式コネクタは、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のレバー式コネクタにおいて、前記ガイド斜面により前記ガイドリブは、該ガイドリブの突設方向及び前記嵌合方向の双方と交わる方向の2方向において、前記ガイド溝の開口に案内されることを特徴とする。
【0015】
本発明のレバー式コネクタによれば、第2コネクタハウジングには、第2コネクタハウジングに設けられた収容部の外でガイドリブと係合してガイドリブを収容部に形成したガイド溝の開口へ案内するガイド斜面が設けられている。このため、ガイドリブをガイド溝の開口へ案内することにより容易に第1コネクタハウジングを第2コネクタハウジングの収容部の開口に位置決めさせて、収容部へ挿入することができる。
【0016】
従って、一方のコネクタハウジングを他方のコネクタハウジングへ挿入する作業性を向上したレバー式コネクタを提供することができる。
【0017】
本発明のレバー式コネクタによれば、ガイドリブは、レバーと干渉回避可能な位置に設けられているため、レバーがガイドリブに干渉することがない。このため、第1コネクタハウジングを第2コネクタハウジングへ挿入した後、レバーを回動することにより第2コネクタハウジングに対して第1コネクタハウジングを完全嵌合状態となる位置へ移動させることができる。
【0018】
本発明のレバー式コネクタによれば、ガイドリブは、第2コネクタハウジングとの嵌合方向に対して直交する幅方向の一側と他側に設けられている。このため、より確実にガイドリブをガイド斜面からガイド溝の開口へ案内することができる。
【0019】
本発明のレバー式コネクタによれば、ガイド斜面を第2コネクタハウジングに形成することで収容部に収容した第1コネクタハウジングが収容部の外部に露出するので、第2コネクタハウジングへの嵌合後においても第1コネクタハウジングの嵌合状態を目視で確認できるようにすることができる。
【0020】
本発明のレバー式コネクタによれば、ガイド斜面によるガイドリブのガイド溝開口への案内と、ガイド溝へのガイドリブの挿入とによって、第1コネクタハウジングを収容部の開口に対して、ガイドリブの突設方向とガイド斜面によるガイドリブの案内方向との2方向において位置決めすることができる。したがって、第1コネクタハウジングの第2コネクタハウジング(やその収容部の開口)に対する位置合わせを容易にして、挿入作業性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、一方のコネクタハウジングを他方のコネクタハウジングへ挿入する作業性を向上したレバー式コネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】(a),(b)は本発明の実施形態に係るレバー式コネクタを構成する雄コネクタハウジング及び雌コネクタハウジングをそれぞれ示す斜視図である。
図2図1(a)に示す雄コネクタハウジングの側面図である。
図3】(a)は本発明の実施形態に係るレバー式コネクタの位置合わせ作業を示す斜視図、(b)はガイド斜面に係合するガイドリブの部分を拡大して示す斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係るレバー式コネクタの位置合わせ作業中の状態を示す側面図である。
図5】(a)は本発明の実施形態に係るレバー式コネクタの係合作業を示す斜視図、(b)はガイド溝に案内されるガイドリブの部分を拡大して示す斜視図である。
図6】本発明の実施形態に係るレバー式コネクタの係合作業中の状態を示す側面図である。
図7】雄コネクタハウジングと雌コネクタハウジングとを完全嵌合状態とした本発明の実施形態に係るレバー式コネクタを他のコネクタと並べて示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態に係るレバー式コネクタについて図面を参照して説明する。はじめに、図1及び図2を参照して、本発明の実施形態に係るレバー式コネクタについて説明する。
【0024】
図1(a)は、本発明の実施形態に係るレバー式コネクタの雄コネクタハウジングを示す斜視図である。図1(b)は、本発明の実施形態に係るレバー式コネクタの雌コネクタハウジングを示す斜視図である。図2は、図1(a)に示す雄コネクタハウジングの側面図である。
【0025】
本発明の実施形態に係るレバー式コネクタは、レバーの回動操作により雌雄のコネクタハウジング(後述する第1コネクタハウジング及び第2コネクタハウジング)を低挿入力(Low Insertion Force)で嵌合させるLIFコネクタに関するものである。
【0026】
本発明の実施形態に係るレバー式コネクタ1(図3,4参照)は、内部に複数の雄端子(図示省略)を収容した図1(a)の雄コネクタハウジング(第1コネクタハウジング)11と、この雄コネクタハウジングと嵌合可能な図1(b)の雌コネクタハウジング(第2コネクタハウジング)21と、雄コネクタハウジング11に回動可能に軸支された図1(b)のレバー31とから略構成されている。
【0027】
図1(a)に示すように、雄コネクタハウジング(第1コネクタハウジング)11は、複数の雄端子を収容する端子収容部12と、後述するレバー31の回動孔34a、34bに挿入する一対の回動突起部13a、13b(一側省略)と、後述するガイドリブ案内部23(図1(b)参照)により雌コネクタハウジング11内へ案内されるガイドリブ14とを有している。
【0028】
端子収容部12には、複数の雄端子(図示省略)が収容される。この端子収容部12に収容された複数の雄端子は、雄コネクタハウジング11が雌コネクタハウジング21と嵌合すると、雌コネクタハウジング21の内部に収容された雌端子(図示省略)と接続する。
【0029】
一対の回動突起部13a、13b(一側省略)は、雄コネクタハウジング11の外側面に設けられており、レバー31に形成された回動孔34a、34bにそれぞれ挿入することにより、レバー31が雄コネクタハウジング11に対して回動可能に軸支される。
【0030】
ガイドリブ14は、雄コネクタハウジング11と雌コネクタハウジング21との嵌合方向(矢印X方向)に直交する雄コネクタハウジング11の幅方向の一側及び他側(矢印Y及びY´方向)に突設して設けられている。
【0031】
このガイドリブ14は、後述するガイド溝24(図1(b)参照)により、端子収容部12内において、雌コネクタハウジング21に対する雄コネクタハウジング11の嵌合方向(矢印X方向)に案内される。
【0032】
ガイドリブ14が、後述するガイド溝24(図1(b)参照)により雌コネクタハウジング21に対する雄コネクタハウジング11の嵌合方向(矢印X方向)に案内されると、雄コネクタハウジング11は、雌コネクタハウジング21に対して半嵌合状態となる位置に保持される。
【0033】
また、このガイドリブ14は、雄コネクタハウジング11に対するレバー31の回動範囲の全体において干渉回避可能な位置に設けられている。つまり、ガイドリブ14は、雄コネクタハウジング11に軸支されたレバー31と対向する位置に設けられている。
【0034】
このように、ガイドリブ14は、レバー31と干渉回避可能な位置に設けられているため、レバー31がガイドリブ14に干渉することがない。このため、雄コネクタハウジング11を雌コネクタハウジング21へ挿入した後、レバー31を回動することにより雌コネクタハウジング21に対して雄コネクタハウジング11を完全嵌合状態となる位置へ移動させることができる。
【0035】
図1(b)に示すように、雌コネクタハウジング(第2コネクタハウジング)21は、雄コネクタハウジング11が収容されるコネクタハウジング収容部22と、雄コネクタハウジング11のガイドリブ14を案内するガイドリブ案内部23とを有している。
【0036】
コネクタハウジング収容部22の底面は、雄コネクタハウジング11の端子収容部12に収容された雄端子(図示省略)に接続される複数の雌端子(図示省略)が設けられている。
【0037】
このコネクタハウジング収容部22には、雄コネクタハウジング11のガイドリブ14がガイドリブ案内部23により案内されることにより、雄コネクタハウジング11が収容される。
【0038】
ガイドリブ案内部23は、コネクタハウジング収容部22内にガイドリブ14(図1(a)参照)を案内するガイド溝24と、ガイドリブ14をガイド溝24の開口へ案内するガイド斜面25を有している。
【0039】
ガイド溝24は、コネクタハウジング収容部22内において、雌コネクタハウジング21に対する雄コネクタハウジング11の嵌合方向(図1(a)の矢印X方向)にガイドリブ14(図1(a)参照)を案内する。
【0040】
ガイド斜面25は、コネクタハウジング収容部22の開口の縁部からガイド溝24の開口へ傾斜しており、コネクタハウジング収容部22外においてガイドリブ14(図1(a)参照)と係合し(後述する図3(b)参照)、係合したガイドリブ14をガイド溝24の開口へ案内する。
【0041】
このガイド斜面25は、コネクタハウジング収容部22内に雄コネクタハウジング11を収容した際、コネクタハウジング収容部22に収容された雄コネクタハウジング11の一部をコネクタハウジング収容部22の外部に露出させるように形成されている(後述する図7(a)参照)。
【0042】
このように、ガイド斜面25を雌コネクタハウジング21に形成することでコネクタハウジング収容部22に収容した雄コネクタハウジング11がコネクタハウジング収容部22の外部に露出するので、雌コネクタハウジング21への嵌合後においても雄コネクタハウジング11の嵌合状態を目視で確認できるようにすることができる。
【0043】
また、このガイド斜面25により、ガイドリブ14は、ガイドリブ14の突設方向(図1(a)の矢印Y及びY´方向)及び嵌合方向(図1(a)の矢印X方向)の双方と交わる方向において、ガイド溝24の開口に案内される(後述する図5(b)参照)。
【0044】
このため、ガイド斜面25によるガイドリブ14のガイド溝24開口への案内と、ガイド溝24へのガイドリブ14の挿入とによって、雄コネクタハウジング11をコネクタハウジング収容部22の開口に対して、ガイドリブ14の突設方向とガイド斜面25によるガイドリブ14の案内方向との2方向において位置決めすることができる。
【0045】
したがって、雄コネクタハウジング11の雌コネクタハウジング21(やそのコネクタハウジング収容部22の開口)に対する位置合わせを容易にして、挿入作業性を向上させることができる。
【0046】
図1及び図2に示すように、レバー31は、雄コネクタハウジング11の側面に位置する一対のレバー側板32と、一対のレバー側板32同士を連結する操作部33とを有している。
【0047】
このレバー31は、雄コネクタハウジング11に対して雌コネクタハウジング21が半嵌合状態となる位置にあるときに、レバー31の回動操作により雌コネクタハウジング21に対して雄コネクタハウジング11を完全嵌合状態となる位置へ移動させる。
【0048】
一対のレバー側板32には、レバー31の一側に向けて長く形成された長穴からなる回動孔34a、34bが形成されている。この回動孔34a、34bに雄コネクタハウジング11の回動突起部13a、13bをそれぞれ挿入することにより、レバー31が雄コネクタハウジング11に回動可能に軸支される。
【0049】
また、雄コネクタハウジング11が雌コネクタハウジング21に対して半嵌合状態となる位置にあるときに操作部33を操作することによりレバー31を回動すると、雄コネクタハウジング11が雌コネクタハウジング21に対して完全嵌合状態となる位置へ移動する。
【0050】
上述したように、雌コネクタハウジング21には、雌コネクタハウジング21に設けられたコネクタハウジング収容部22の外でガイドリブ14と係合してガイドリブ14をコネクタハウジング収容部22に形成したガイド溝24の開口へ案内するガイド斜面25が設けられている。
【0051】
このため、ガイドリブ14をガイド溝24の開口へ案内することにより容易に雄コネクタハウジング11を雌コネクタハウジング21のコネクタハウジング収容部22の開口に位置決めさせて、収容部へ挿入することができる。
【0052】
次に、図3から図7を参照して、本発明の実施形態に係る雄コネクタハウジングを雌コネクタハウジングへ挿入する作業について説明する。図3(a)は、本発明の実施形態に係るレバー式コネクタの位置合わせ作業中の状態を示す斜視図、(b)はガイド斜面に係合するガイドリブの部分を拡大して示す斜視図である。図4は、位置合わせ作業中のレバー式コネクタの側面図である。
【0053】
また、図5(a)は、本発明の実施形態に係るレバー式コネクタの係合作業中の状態を示す斜視図、(b)はガイド溝に案内されるガイドリブの部分を拡大して示す斜視図である。図6は、係合作業中のレバー式コネクタの側面図である。
【0054】
さらに、図7は、雄コネクタハウジングと雌コネクタハウジングとを完全嵌合状態とした本発明の実施形態に係るレバー式コネクタを他のコネクタと並べて示す側面図である。
【0055】
はじめに、図3(a)に示すように、レバー31の回動孔34a、34bに雄コネクタハウジング11の回動突起部13a、13bをそれぞれ挿入することにより、レバー31を雄コネクタハウジング11に回動可能に軸支する。
【0056】
次に、雄コネクタハウジング11を雌コネクタハウジング21のコネクタハウジング収容部22へ収容する際、図3(b)に示すように、雄コネクタハウジング11のガイドリブ14を雌コネクタハウジング21のガイドリブ案内部23により案内する。
【0057】
具体的には、図3及び図4に示すように、ガイドリブ14をコネクタハウジング収容部22(図1(b)参照)外の縁部からガイド斜面25に当接することによりガイド斜面25と係合する。
【0058】
次に、ガイドリブ14をガイド斜面25と係合させた状態で、ガイドリブ14を矢印A方向(図3(b)参照)にスライドすることにより、係合したガイドリブ14をガイド溝24の開口へ案内する(図5(b)参照)。
【0059】
ガイド溝24の開口へ案内されたガイドリブ14は、図5及び図6に示すように、ガイド溝24により、コネクタハウジング収容部22(図1(b)参照)において、雌コネクタハウジング21に対する雄コネクタハウジング11の嵌合方向(図1(a)の矢印X方向)に案内される。
【0060】
ガイドリブ14が雌コネクタハウジング21に対する雄コネクタハウジング11の嵌合方向(図1(a)の矢印X方向)に案内されると、雌コネクタハウジング21のコネクタハウジング収容部22(図1(b)参照)に雄コネクタハウジング11が収容される(図6参照)。
【0061】
上述したように、このガイド斜面25は、コネクタハウジング収容部22に収容された雄コネクタハウジング11の一部をコネクタハウジング収容部22の外部に露出させるように形成されている。
【0062】
このため、図7に示すように、コネクタハウジング収容部22内に雄コネクタハウジング11を収容した際、コネクタハウジング収容部22に収容した雄コネクタハウジング11がコネクタハウジング収容部22の外部に露出するので、雌コネクタハウジング21への嵌合後においても雄コネクタハウジング11の嵌合状態を目視で確認できるようにすることができる。
【0063】
特に、レバー式コネクタ1が他のコネクタ2と隣合わせに配置されている場合は、それらの実装対象の基板又はコネクタピン先端の位置L1から各コネクタ1,2の雄コネクタハウジング11,111の上端L2までの高さHがおおよそ一致していることを目安に、雌コネクタハウジング21への嵌合後においても雄コネクタハウジング11の嵌合状態を目視で確認できるようにすることができる。
【0064】
つまり、コネクタハウジング収容部22の外部に露出した雄コネクタハウジング11の高さと、他のコネクタ2の外部に露出した雄コネクタハウジング111の高さを比較することにより、雄コネクタハウジング11の嵌合状態を確認することができる。
【0065】
また、上述したように、コネクタハウジング収容部22外において、ガイドリブ14をガイド斜面25と係合してスライドさせて、係合したガイドリブ14をガイド溝24の開口へ案内する(図5(b)参照)。
【0066】
これにより、ガイドリブ14をガイド斜面25にスライドさせることにより、ガイド溝24の開口に対してガイドリブ14を位置決めすることと、雌コネクタハウジング21に設けられたコネクタハウジング収容部22の開口に対して雄コネクタハウジング11を位置決めすることとを、同時に達成することができる。
【0067】
このようにして、本発明の実施形態に係るレバー式コネクタ1は、雄コネクタハウジング(第1コネクタハウジング)11と、この雄コネクタハウジング11と嵌合可能な雌コネクタハウジング(第2コネクタハウジング)21と、雄コネクタハウジング11に回動可能に軸支されたレバー31とを備え、雌コネクタハウジング21に対して雄コネクタハウジング11が半嵌合状態となる位置にあるときにレバー31の回動操作により雌コネクタハウジング21に対して雄コネクタハウジング11を完全嵌合状態となる位置へ移動させるレバー式コネクタ1であって、雄コネクタハウジング11は、雌コネクタハウジング21との嵌合方向に対して直交する幅方向のうちの少なくとも一方に突設したガイドリブ14を有し、雌コネクタハウジング21は、雄コネクタハウジング11が収容される収容部(コネクタハウジング収容部)22と、ガイドリブ14を案内するガイドリブ案内部23とを有し、ガイドリブ案内部23は、収容部22内において、雌コネクタハウジング21に対する雄コネクタハウジング11の嵌合方向にガイドリブ14を案内するガイド溝24と、収容部22外においてガイドリブ14と係合し、係合したガイドリブ14をガイド溝24の開口へ案内するガイド斜面25とを有する。
【0068】
また、本発明の実施形態に係るレバー式コネクタ1は、ガイドリブ14は、雄コネクタハウジング11に対するレバー31の回動範囲の全体において干渉回避可能な位置に設けられている。
【0069】
さらに、本発明の実施形態に係るレバー式コネクタ1は、雄コネクタハウジング11は、雌コネクタハウジング21との嵌合方向に対して直交する幅方向の一側と他側にガイドリブ14を有している。
【0070】
また、本発明の実施形態に係るレバー式コネクタ1は、ガイド斜面25は、収容部22に収容された雄コネクタハウジング11の一部を収容部22の外部に露出させるように形成されている。
【0071】
さらに、本発明の実施形態に係るレバー式コネクタ1は、ガイド斜面25によりガイドリブ14は、ガイドリブ14の突設方向及び嵌合方向の双方と交わる方向において、ガイド溝24の開口に案内される。
【0072】
そして、本発明の実施形態に係るレバー式コネクタ1によれば、雌コネクタハウジング21には、雌コネクタハウジング21に設けられたコネクタハウジング収容部22の外でガイドリブ14と係合してガイドリブ14をコネクタハウジング収容部22に形成したガイド溝24の開口へ案内するガイド斜面25が設けられている。このため、ガイドリブ14をガイド溝24の開口へ案内することにより容易に雄コネクタハウジング11を雌コネクタハウジング21のコネクタハウジング収容部22の開口に位置決めさせて、収容部22へ挿入することができる。
【0073】
従って、雄コネクタハウジング11を雌コネクタハウジング21へ挿入する作業性を向上したレバー式コネクタ1を提供することができる。
【0074】
また、本発明の実施形態に係るレバー式コネクタ1によれば、ガイドリブは、レバーと干渉回避可能な位置に設けられているため、レバー31がガイドリブ14に干渉することがない。このため、雄コネクタハウジング11を雌コネクタハウジング21へ挿入した後、レバー31を回動することにより雌コネクタハウジング21に対して雄コネクタハウジング11を完全嵌合状態となる位置へ移動させることができる。
【0075】
さらに、本発明の実施形態に係るレバー式コネクタ1によれば、ガイドリブ14は、雌コネクタハウジング21との嵌合方向に対して直交する幅方向の一側と他側に設けられている。このため、より確実にガイドリブ14をガイド斜面25からガイド溝24の開口へ案内することができる。
【0076】
また、本発明の実施形態に係るレバー式コネクタ1によれば、ガイド斜面25を雌コネクタハウジング21に形成することでコネクタハウジング収容部22に収容した雄コネクタハウジング11がコネクタハウジング収容部22の外部に露出するので、雌コネクタハウジング21への嵌合後においても雄コネクタハウジング11の嵌合状態を目視で確認できるようにすることができる。
【0077】
さらに、本発明の実施形態に係るレバー式コネクタ1によれば、ガイド斜面25によるガイドリブ14のガイド溝24開口への案内と、ガイド溝24へのガイドリブ14の挿入とによって、雄コネクタハウジング11を収容部22の開口に対して、ガイドリブ14の突設方向とガイド斜面25によるガイドリブ14の案内方向との2方向において位置決めすることができる。したがって、雄コネクタハウジング11の雌コネクタハウジング21(やそのコネクタハウジング収容部22の開口)に対する位置合わせを容易にして、挿入作業性を向上させることができる。
【0078】
以上、本発明のレバー式コネクタを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
【0079】
例えば、本発明の実施形態では、ガイドリブ14は、雄コネクタハウジング11の幅方向(矢印Y及びY´方向)の一側及び他側に突設して設けられている場合について説明したが、一側又は他側のいずれか一方に設けられていても良い。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、レバーの回動操作により、一方のコネクタハウジングと他方のコネクタハウジングとを嵌合させるレバー式コネクタであって、一方のコネクタハウジングを他方のコネクタハウジングへ挿入する際に極めて有用である。
【符号の説明】
【0081】
1 レバー式コネクタ
2 他のコネクタ
11 雄コネクタハウジング(第1コネクタハウジング)
12 端子収容部
13a、13b 回動突起部
14 ガイドリブ
21 雌コネクタハウジング(第2コネクタハウジング)
22 コネクタハウジング収容部(収容部)
23 ガイドリブ案内部
24 ガイド溝
25 ガイド斜面
31 レバー
32 レバー側板
33 操作部
34a、34b 回動孔
111 雄コネクタハウジング
L1 コネクタの実装対象の基板又はコネクタピン先端の位置
L2 雄コネクタハウジング上端
H 高さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7