(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態に係る給送装置及び画像形成装置について図面を参照して説明する。なお、本発明は、例えばコピー機、プリンター、ファクシミリ、これらの機能を備える複合機等に適用することができる。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置である複合機の機械的構成を示す断面図である。本発明の一実施形態に係る画像形成装置である複合機1は、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、およびファクシミリ機能等の複数の機能を兼ね備えている。複合機1は、装置本体2と、装置本体2の側方(
図1においては
右方)に配設された給送装置3とを備える。装置本体2は、本体部20と、手差しトレイ4と、装置本体2の上部に配設された原稿読取部5と、原稿読取部5の上方に配設された原稿給送部6とを備えている。
【0017】
また、複合機1のフロント部には、操作部47が設けられている。操作部47は、スタートキー471、テンキー472、表示部473、リセットキー474、及びストップキー475等を備えている。
【0018】
表示部473は、複合機1が備える前記の各機能に関する操作ガイド情報等を表示する例えばLCD(LiquidCrystal Display)等からなる液晶ディスプレイであり、前記各機能を利用する際に必要な各種設定をユーザーが入力可能とするためにタッチパネル機能を有している。
【0019】
スタートキー471は、ユーザーが印刷実行指示を入力するためのキーである。テンキー472は、印刷部数等の数値を入力するためのキーである。リセットキー474は、表示部473で設定された設定内容をリセットするためのキーである。ストップキー475は、実行中の印刷動作を停止させるためのキーである。
【0020】
原稿読取部5は、CCD(ChargeCoupled Device)51b及び画像照射ランプ等からなるスキャナー部51と、ガラス等の透明部材により構成された原稿台52と、原稿読取スリット53とを備える。スキャナー部51は、図略の駆動部によって移動可能に構成されている。原稿台52に載置された原稿を読み取るときは、スキャナー部51は、原稿台52に対向する位置で原稿面に沿って移動され、当該原稿面を走査しつつ取得した前記原稿の画像データを後述する制御部10へ出力する。また、原稿給送部6により給送された原稿を読み取るときは、スキャナー部51は、原稿読取スリット53と対向する位置に移動され、原稿給送部6による前記原稿の搬送動作と同期して、当該搬送動作により搬送された当該原稿を、原稿読取スリット53を介して読取し、当該読み取った原稿の画像データを制御部10へ出力する。
【0021】
原稿給送部6は、原稿が載置される原稿載置部61と、画像読み取り済みの原稿が排出される原稿排出部62と、原稿搬送機構63と、を備える。原稿搬送機構63は、図略の給紙ローラー、搬送ローラー、及び用紙反転機構を備えている。原稿搬送機構63は、給紙ローラー及び搬送ローラーの駆動により、原稿載置部61に載置された原稿を1枚ずつ繰り出して原稿読取スリット53に対向する位置へ搬送し、原稿排出部62へと排出する。また、原稿搬送機構63は、用紙反転機構が原稿を表裏反転させて原稿読取スリット53と対向する位置へ再搬送することで、当該原稿の両面の画像を、原稿読取スリット53を介してスキャナー部51から読取可能にしている。
【0022】
さらに原稿給送部6は、その前面側が上方に移動可能となるように装置本体2に対して回動自在に設けられている。原稿給送部6の前面側を上方に移動させて原稿台52上面を開放することにより、原稿台52の上面に読み取り原稿、例えば見開き状態にされた書籍等をユーザーが載置できるようになっている。
【0023】
装置本体2は、それぞれサイズが異なる記録用紙(記録媒体の一例)を収納可能な複数の給紙カセット461と、給紙カセット461から記録用紙を1枚ずつ繰り出して画像形成部40へ搬送する給紙ローラー462と、給紙カセット461から搬送されてきた記録用紙に画像を形成して出力する画像形成部40とを備える。
【0024】
給送装置3は、複合機1にオプションで取り付けられる給紙機構である。給送装置3はその給紙部30が、装置本体2の側部に取り付けられ、記録用紙収容部31及び大容量収容部32に収容している記録用紙を1枚ずつピックアップして装置本体2の画像形成部40に向けて記録用紙を給送する。給送装置3は、装置本体2の制御部10(
図3)がプリントジョブ等を実行するときに、制御部10から送信されてくる記録用紙給送要求を受信し、当該記録用紙給送要求が示す枚数分の記録用紙を画像形成部40に向けて給送する。なお、記録用紙収容部31及び大容量収容部32の両方又は一方が特許請求の範囲における用紙収容部の一例となる。給送装置3の構成の詳細については後述する。
【0025】
画像形成部40は、画像形成機構12と、定着部45とを備える。画像形成機構12は、給紙カセット461、給送装置3、及び手差しトレイ4から給紙された記録用紙Pにトナー像を形成する画像形成動作を行う。画像形成機構12は、中間転写ベルト125と、この中間転写ベルト125に隣接して配設された、マゼンタ用、シアン用、イエロー用及びブラック用にそれぞれの画像形成ユニット12M,12C,12Y,12Bと、中間転写ベルト125を無担走行させる駆動ローラー125aと、二次転写ローラー41とを備えている。
【0026】
各画像形成ユニット12M,12C,12Y,12Bは、それぞれに、感光体ドラム121と、現像装置122と、トナーカートリッジ(図略)と、帯電装置123と、露光装置124と、一次転写ローラー126と、ドラムクリーニング装置127とを備えている。
【0027】
制御部10は、プリントジョブ等の実行時に、各色毎の画像形成ユニット12M,12C,12Y,12Bを駆動制御して、中間転写ベルト125の表面に、マゼンタ、シアン、イエロー、及びブラックのトナー像の転写を重なり合うように行わせ、カラーのトナー像を中間転写ベルト125の表面に形成させる(中間転写(一次転写))。
【0028】
二次転写ローラー41は、中間転写ベルト125の表面に形成されたカラーの上記トナー像を、用紙搬送部411から搬送されてきた記録用紙Pに転写させる。当該トナー像が転写された記録用紙Pは定着部45により当該トナー像が定着される。
【0029】
用紙搬送部411は、用紙搬送路L1と、用紙逆送路L2と、搬送ローラー463、464、及び465を備え、用紙搬送路Lに設けられた搬送ローラー463及び464の駆動により、トナー像が定着された記録紙をスタックトレイ7は排出トレイ48まで搬送する。
【0030】
画像形成部40が記録用紙の両面に画像を形成して出力する場合には、用紙搬送部441は、画像形成部40において一方の面に画像が形成された前記記録用紙を、排出トレイ48側の搬送ローラー463にニップされた状態とした後、当該記録用紙を搬送ローラー463の反転によりスイッチバックさせて用紙逆送路L2に送ることで画像形成部40の上流域に再度搬送する。これにより、画像形成部40により当該記録用紙の他方の面に画像が形成される。
【0031】
次に、給送装置3の内部構成を説明する。
図2は給送装置3の内部構成の概略を示す側断面図である。給送装置3は、記録用紙収容部31を内蔵する給紙部30と、大容量収容部32とを備える。給紙部30は、搬送部301と、記録用紙収容部31と、更に制御部320(
図3)とを備える。
【0032】
搬送部301は、記録用紙収容部31及び大容量収容部32から装置本体2の画像形成部40まで記録用紙を搬送する搬送機構である。搬送部301は、搬送路3011、ピックアップローラー3012、搬送ローラー3013、給紙ユニットセンサー3014、重送検知センサー3105、搬送路切換部3106、用紙センサー3107a,3107b,3107c、及び排出ローラー3108を備える。
【0033】
搬送路3011は、記録用紙収容部31のピックアップローラー3012付近から装置本体2の近傍に対向して配置される排出口305まで、内部に記録用紙搬送を可能にする用紙ガイド部材3011aを有して配設されている。
図2に示す搬送路3011の要所、例えば、ピックアップローラー3012に対して用紙搬送方向下流側の直後となる位置や、排出口305に対して用紙搬送方向上流側において直前となる位置を含む随所には、搬送ローラー3013が設けられている。
【0034】
ピックアップローラー3012は、記録用紙収容部31に収容されている記録用紙を1枚ずつ取り出して搬送路3011に向けて搬送する。ピックアップローラー3012によるピックアップで搬送路3011に進入した記録用紙は、搬送路3011の各搬送ローラー3013により、装置本体2に向けて開口する排出口305に向けて搬送され、更に当該排出口305から、装置本体2の画像形成部40に向けて排出される。
【0035】
用紙搬送方向におけるピックアップローラー3012直後の上記搬送ローラー3013付近には、給紙ユニットセンサー3014が設けられている。給紙ユニットセンサー3014は、例えば、アクチュエーター型フォトセンサー又は透過型フォトインタラプター(PI)等からなる。給紙ユニットセンサー3014がアクチュエーター型フォトセンサーである場合、給紙ユニットセンサー3014は、センサー本体に回動自在に支持されたアーム状のアクチュエーターが、用紙搬送方向において搬送ローラー3013の直後付近となる位置に搬送路3011に突出させて設けられ、搬送路3011を通過する記録用紙により当該アクチュエーターが押されて回動したときに、透過型フォトセンサーが作動して記録用紙の通過を検知する。給紙ユニットセンサー3014は、例えば、記録用紙によりアクチュエーターが回動されて透過型フォトセンサーが作動したときに、記録用紙有りを示すHigh信号を出力し、透過型フォトセンサーが作動していないときは、記録用紙無しを示すLow信号を出力する。これら各信号は、動作制御部324(
図3)に送られ、動作制御部324は、当該各信号に基づいて給紙ユニットセンサー3014の配設位置における記録用紙の有無を判定し、用紙ジャム及び用紙通過を検出する。
【0036】
重送検知センサー(重送検知部の一例)3105は、搬送路3011におけるピックアップローラー3012及び搬送ローラー3013の用紙搬送方向下流位置に設けられている。重送検知センサー3105は、超音波センサー(SSW)等を備えている。重送検知センサー3105は、超音波を送信する送信ユニットと、超音波を受信する受信ユニットからなり、送信ユニットと受信ユニットは搬送路3011を挟んで対面して配置される。すなわち、搬送ローラー3013により搬送される記録紙は送信ユニットと受信ユニットの間を通過する。
【0037】
例えば、重送検知センサー3105の送信ユニットは、超音波を原稿に照射する。照射された超音波は原稿を通過するときに減衰し、受信ユニットは原稿を通過した後の超音波信号を受信して電気信号に変換後、動作制御部324に出力する。そして、動作制御部324がこの電気信号を用いて透過率を算出する。動作制御部324は、透過率が所定値以上であれば重送なしと判断し、所定値未満であれば重送と判断する。尚、本実施の形態では、重送検知センサー3105を、超音波センサーを例にして説明するが、重送検知センサー3105は、超音波センサーに限定されず、原稿の重送を検知可能なセンサーであればよい。
【0038】
搬送路切換部3106は、搬送路3011における重送検知センサー3105の用紙搬送方向下流側に設けられた分岐路3110に配設されている。なお、当該搬送路切換部3106、分岐搬送路3107及び排出ローラー3108は特許請求の範囲における排出部の一例である。搬送路3011は、分岐路3110において分岐搬送路3107に分岐している。分岐搬送路3107は、給送装置3の上面部に設けられたエスケープトレイ307まで延びる。搬送路切換部3106は、分岐路3110において、図略のソレノイドの駆動により
図2に実線で示す位置と二点鎖線で示す位置との間で回動する。搬送路切換部3106は、記録用紙を分岐搬送路3107に案内する場合は実線で示す位置となり、記録用紙を分岐路3110から排出口305に続く搬送路3011に案内する場合には二点鎖線で示す位置となる。
【0039】
用紙センサー3107a,3107b,3107cは、例えば、アクチュエーター型フォトセンサー又は透過型フォトインタラプター(PI)等からなる。用紙センサー3107a,3107b,3107cがアクチュエーター型フォトセンサーである場合、用紙センサー3107a,3107b,3107cは、搬送路3011に突出させて設けられたアーム状のアクチュエーターが、搬送路3011を通過する記録用紙により押されて回動したときに、透過型フォトセンサーが作動して記録用紙の通過を検知する。用紙センサー3107a,3107b,3107cからは、例えば、記録用紙によりアクチュエーターが回動されて透過型フォトセンサーが作動したときに、記録用紙有りを示すHigh信号を出力し、透過型フォトセンサーが作動していないときは、記録用紙無しを示すLow信号を出力する。これら各信号は、動作制御部324(
図3)に送られ、動作制御部324は、当該各信号に基づいて用紙センサー3107a,3107b,3107cの配設位置における記録用紙の有無を判定し、用紙ジャム及び用紙通過を検出する。特に、動作制御部324は、用紙センサー3107cから出力されるHigh信号及びLow信号の変化に基づいて用紙搬送方向における記録用紙後端部を検知する。動作制御部324は、当該記録用紙の後端部を検知したとき、排出口305からの当該記録用紙の排出が完了されたと判断する。
【0040】
上記構成でなる給送部30は、動作制御部324が装置本体2の制御部10から記録用紙給送要求(記録媒体給送要求の一例)を受信すると、搬送路切換部3106を二点鎖線で示す状態とし、ピックアップローラー3012を駆動して、当該記録用紙給送要求が示す枚数分の記録用紙を1枚ずつ順次ピックアップさせ、当該ピックアップされた記録用紙を、搬送ローラー3013により、搬送路3011を通って排出口305まで搬送する。この記録用紙搬送時、給紙ユニットセンサー3014及び用紙センサー3107a,3107b,3107cからの信号に基づいて動作制御部324が用紙ジャムを検出すると、動作制御部324は搬送部301の駆動を停止させる。
【0041】
また、重送検知センサー3015からの信号に基づいて、動作制御部324が、搬送路3011を搬送される記録用紙について重送を検知すると、動作制御部324は、当該重送が検出された記録用紙の用紙搬送方向における先端部が搬送路切換部3106に到達するよりも前のタイミングで、搬送路切換部3106を回動させて実線で示す状態とし、当該重送が検知された記録用紙を分岐搬送路3107側に案内し、排出ローラー3108によりエスケープトレイ307上に排出させる。
【0042】
なお、
図2には図示していないが、給紙部30の下部には大容量収容部32が取り付けられている。給紙部30に大容量収容部32が取り付けられたとき、給紙部30の搬送路3011であって、記録用紙収容部31側とは分岐して延びる副搬送路3016が、図略の大容量収容部32内の搬送路と接続される。この大容量収容部32内の搬送路は、大容量収容部32内の用紙収容カセットに収容された状態の最上部の記録紙上面に接触するピックアップローラー付近に通じている。当該ピックアップローラーによりピックアップされた記録用紙は、大容量収容部32内の搬送路に配設された搬送ローラーにより当該搬送路内を給紙部30の副搬送路3016まで搬送される。副搬送路3016に進入した記録用紙は、副搬送路3016に設けられた搬送ローラー及び上記搬送ローラー3013により搬送される。動作制御部324は、給紙部30のピックアップローラー3012と、大容量収容部32のピックアップローラーのいずれかを選択的に駆動させることによって、給紙部30の記録用紙収容部31、又は大容量収容部32のいずれから記録用紙をピックアップして装置本体2へ給送するかを制御する。
【0043】
次に、複合機1の構成を説明する。
図3は複合機1の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。
【0044】
複合機1は、制御部10を備える。制御部10は、CPU(Central Processing Unit)、RAM、ROM及び専用のハードウェア回路等から構成され、複合機1の全体的な動作制御を司る。
【0045】
制御部10は、原稿読取部5、画像処理部310、画像形成部40、操作部47、ファクシミリ通信部71、HDD(ハードディスクドライブ)81、並びに、ネットワークインターフェース部91と接続されている。
【0046】
制御部10は、上述した複合機1の全体的な動作制御を司る。制御部10は、ユーザーから操作部47又はネットワーク接続されたPC7等を通じて入力されるジョブの実行指示に従って、スキャナー機能、プリンター機能、コピー機能及びプリンター機能の各機能についての動作制御を実行するために必要な各機構部の駆動及び処理を制御する。また、制御部10は、給送装置3が複合機1にオプションとして取り付けられた場合には、給送装置3の動作も制御する。例えば、制御部10は、プリントジョブを受け付けた場合、当該プリントジョブの示す枚数分の記録用紙の給送を要求する記録用紙給送指示を給送装置3に送信し、この後、給送装置3から、給送対象とされる各記録用紙に対して付されたそれぞれの給送IDを受信し、当該各給送ID毎に画像形成の対象とする画像を特定し、給送装置3から給送されてくる記録用紙毎に、各記録用紙の給送IDに対応する画像をそれぞれの記録用紙に対して画像形成する。
【0047】
給送装置3は、制御部10による動作制御の下で、内部に収容している記録用紙を装置本体2に給送する。給送装置3は、制御部320を備えている。制御部320は、ID設定部321、ID変更部322、追加部323、動作制御部324、及び通信部325を備えている。
【0048】
ID設定部321は、装置本体2側の制御部10から送信されてくる上記記録用紙給送要求に従って、搬送部301による搬送の対象とする各記録用紙にそれぞれ給送IDを設定する。ID設定部321により設定された各記録用紙の給送IDは、通信部325から装置本体2側の制御部10に送信される。
【0049】
ID変更部322は、重送検知センサー3015により重送が検知されたとき、当該重送が検知された記録用紙の次に搬送される記録用紙の給送IDを、当該重送が検知された記録用紙(重送が検知された記録用紙)の給送IDに変更して設定すると共に、当該給送IDが変更された記録用紙に続いて搬送される各記録用紙の給送IDを、当該重送が検知された記録用紙の給送IDに続くそれぞれの給送IDに順次繰り下げて再設定する。
【0050】
追加部323は、搬送部301に対して、上記重送が検知された記録用紙の枚数分だけ搬送部301に搬送させる記録用紙を追加して搬送させる信号を出力する。すなわち、ID変更部322により上記のように重送が検知された記録用紙に対応する給送IDが繰り下げられると、当該重送が検知された記録用紙に対応する給送IDが再度用いられることになるため、当該重送が検知された記録用紙に対応する枚数分、記録用紙の枚数が不足する。このため、追加部323は、上記重送が検知された記録用紙の枚数分だけ搬送部301に搬送させる記録用紙を追加させる信号を搬送部301に出力し、上記重送が検知された記録用紙の枚数分の記録用紙を追加搬送させるようにする。
【0051】
動作制御部(特許請求の範囲における搬送制御部の一例)324は、搬送部301を含む給送装置3全体の動作制御を司り、記録用紙の搬送動作を制御する。
【0052】
通信部325は、装置本体2との間で、記録用紙の給送制御に必要な情報を含む各種情報及び信号を送受信する。
【0053】
搬送部301、搬送路切換部3106、重送検知センサー3015、及び給紙ユニットセンサー3014は、制御部320に接続されている。搬送部301及び搬送路切換部3106は動作制御部324によって動作制御される。動作制御部324は、重送検知センサー3015から送信されてくる上記各信号を用いて記録用紙の重送を判定し、及び給紙ユニットセンサー3014から送信されてくる上記各信号を用いて用紙ジャム及び記録用紙の通過を判定する。
【0054】
原稿読取部5のスキャナー部51は、画像照射ランプ511及びCCDセンサー512を備える。スキャナー部51は、画像照射ランプ511により原稿を照射し、その反射光をCCDセンサー512で受光することにより、原稿から画像を読み取る。
【0055】
画像処理部310は、原稿読取部5で読み取られた画像の画像データを必要に応じて画像処理する。例えば、画像処理部310は、原稿読取部5により読み取られた画像が画像形成部40により画像形成された後の品質を向上させるために、予め定められた画像処理を行う。画像処理部310は、補正部311及び画像加工部312を備える。補正部311は、画像形成部40の画像出力プロセスデータとしての帯電装置123の出力電圧、露光装置124の露光光量、現像装置122の現像バイアス電圧、一次転写ローラー126の転写バイアス、二次転写ローラー41の転写バイアス等の値を調整する。画像加工部312は、例えば、原稿読取部5で読み取られた画像データに対してレベル補正、ガンマ補正等の所定の補正処理を行い、或いは、画像データの圧縮又は伸張処理、及び拡大又は縮小処理等の種々の加工処理を行う。画像処理部310により処理された画像データは、画像メモリー35に記憶され、又は、画像形成部40或いはファクシミリ通信部71等に出力される。
【0056】
画像メモリー35は、上記原稿読取部5で読み取られた画像データ等を記憶する。
【0057】
用紙搬送部411は、
図1に示した給紙カセット461、給紙ローラー462、及び搬送ローラー463,464,465等から構成され、給紙カセット461に収納されている記録用紙を画像形成部40及び排出トレイ48まで搬送する。
【0058】
画像形成部40は、上述したように、画像形成ユニット12M、12C、12Y、12Bと、駆動ローラー125aに張架された中間転写ベルト125と、二次転写ローラー41等を備えている。画像形成部40による画像形成対象となる画像データは、原稿読取部5で読み取られた画像データ、LAN及びネットワークインターフェース部91を介してローカルエリア内のクライアントコンピューター等から送信されてきた画像データ等から送信されてきた画像データ等である。
【0059】
操作部47は、表示部473等を備え、表示部473によるタッチパネル機能及び上述した各操作キー群により複合機1についてのユーザーからの指示を受け付ける。
【0060】
ファクシミリ通信部71は、図略の符号化/復号化部、変復調部及びNCU(NetworkControl Unit)を備え、公衆電話回線網を用いてのファクシミリの送信を行うものである。ファクシミリ通信部71は、例えば原稿読取部5によって読み取られた原稿の画像データを、電話回線を介してファクシミリ装置等へ送信したり、ファクシミリ装置等から送信された画像データを受信する。
【0061】
HDD(ハードディスクドライブ)81は、原稿読取部5によって読み取られた画像データ及び同画像データに設定されている出力形式等の種々のデータ等を記憶する。HDD81に記憶されている画像データは、複合機1及びこれに採用される各種プログラムで用いられる。
【0062】
ネットワークインターフェース部91は、LANボード等の通信モジュールから構成され、当該ネットワークインターフェース部91に接続されたLAN5等を介して、ローカルエリア内の装置(PC等)と種々のデータの送受信を行う。
【0063】
次に、複合機1における重送検知時における記録用紙の給送制御を説明する。
図4は装置本体2における重送検知時の記録用紙給送制御を示すフローチャートである。
図5は給送装置3における重送検知時の記録用紙給送制御を示すフローチャートである。
【0064】
図4を用いて、まず複合機1における重送検知時の記録用紙給送制御を説明する。複合機1の制御部10が、ユーザーによる操作部47の操作に基づくコピー動作実行指示に基づくプリントジョブの入力、又は、ネットワークインターフェース部91を介してネットワーク接続されたPCからのプリントジョブ送信等に基づいて、制御部10がプリントジョブを受け付けると(S1でYES)、制御部10は、当該プリントジョブが示す枚数分の記録用紙給送要求を給送装置3に送信する(S2)。この後、制御部10は、ネットワークインターフェース部91を介して、給送装置3において当該記録用紙給送要求に従って給送対象となる各記録用紙についてのそれぞれの給送IDを給送装置3から受信し(S3)、給送装置3から給送されてくる各記録用紙に画像形成部40により形成すべき画像を、当該給送IDを用いて管理する。
【0065】
この後、給送装置3が、上記記録用紙給送要求に従って、記録用紙の装置本体2側への給送を開始し、装置本体2の制御部10は、当該記録用紙が装置本体2側に到達するのを待機する(S4)。当該記録用紙が装置本体2側に到達すると(S4でYES)、制御部10は、当該記録用紙を用紙搬送部411により画像形成部40まで搬送させ、当該記録用紙の給送IDに対応する画像を、当該記録用紙に対して画像形成部40に画像形成させる(S5)。上記S4における記録用紙が装置本体2側に到達したかの判断は、装置本体2における給送装置3からの記録用紙搬入口付近に設けられた用紙センサー(上記給紙ユニットセンサー3014等と同様にアクチュエーター型フォトセンサー等からなる)からの用紙有無を示す信号に基づいて、制御部10が行う。画像形成が終了した記録用紙は、制御部10による制御の下、用紙搬送部411により排出トレイ48又はスタックトレイ7に排出される(S6)。当該S4乃至S6の処理は、給送装置3から給送されてくる各記録用紙毎に行われる。
【0066】
一方、制御部10が、給送装置3から次に搬送されてくる記録用紙が装置本体2側に到達するのを待機している間は(S4でNO)、給送装置3における重送検知が行われる(S7)。給送装置3から次に搬送されてくる記録用紙が装置本体2側に到達するまでに、給送装置3の重送検知センサー3015により、給送装置3で搬送中の記録用紙について重送が検知され、制御部10が、ネットワークインターフェース部91を介して、給送装置3の通信部325から、当該重送検知を示す重送検知信号を受信すると(S7でYES)、制御部10は、表示部473に、給送装置3において重送が発生した旨を示すメッセージを表示させる(S8)。後述するように、本実施形態に係る複合機1は、重送が生じた場合であっても、実行中のプリントジョブを中断又は中止することなく画像形成が続行されるため、ユーザーによる重送発生の認識を深めるべく、当該S8での表示が行われる。S8の処理後、及びS7でNOの場合、処理はS4に戻る。
【0067】
このようにして、装置本体2では、プリントジョブ等に基づく記録用紙搬送制御が行われる。
【0068】
図5を用いて、給送装置3における重送検知時の記録用紙給送制御を説明する。給送装置3の通信部325が、装置本体2側の制御部10から、上記プリントジョブに基づく記録用紙給送要求を受信すると(S11でYES)、ID設定部321は、当該記録用紙給送要求に基づいて、搬送部301により搬送される各記録用紙にそれぞれ給送IDを設定する(S12)。例えば、ID設定部321は、上記記録用紙給送要求がn枚の記録用紙の給送を求める場合、給送の対象とする第1枚目の記録用紙に、第1枚目であることを示す給送ID、例えば給送ID =rd(1)を設定し、以下同様に、第2枚目に第2枚目であることを示す給送ID =rd(2)、…第n-1枚目に給送ID =rd(n-1)、第n枚目に給送ID =rd(n)を設定する。ID設定部321により設定された各記録用紙の給送IDは、通信部325から装置本体2側の制御部10に送信される。装置本体2では、上記のように、給送装置3から送信されてくる当該IDを用いて、画像形成部40により各記録用紙に画像形成する画像を管理する。
【0069】
そして、動作制御部324は、搬送部301に記録用紙収容部31から記録用紙を1枚ピックアップさせ、当該第1枚目の記録用紙として、搬送路3011を通って排出口305から装置本体2側へ搬送させる(S13)。続いて、動作制御部324は、内蔵するカウンターが示す給紙枚数のカウント値を、当該搬送した記録用紙枚数を示す数値である1だけカウントアップする(S14)。
【0070】
この搬送開始後、動作制御部324は、重送検知センサー3015から出力されてくる上述した電気信号を用いて上記透過率を算出し、当該透過率に基づいて、この時点で搬送されている記録用紙が重送であるか否かを判断する(S15)。
【0071】
ここで、動作制御部324が、透過率が上述した所定値以上であり、重送なしと判断した場合には(S15でNO)、動作制御部324は、当該搬送されている記録用紙の後端部が検知されたことを示す検知信号を用紙センサー3107cから受信することにより、排出口305からの当該記録用紙の排出が完了されたと判断したときに(S23)、内蔵するカウンターによる、給送装置3から装置本体2側へ排出した記録用紙の枚数を示す排出カウント値を1(今回の搬送により排出された記録用紙の枚数を示す数値)だけカウントアップする(S24)。
【0072】
続いて、動作制御部324は、S11で受信した記録用紙給送要求が求める記録用紙の給送枚数=n枚と、この時点で上記排出カウント用のカウンターによりカウントされている排出カウント値との差が0であるかを判断する(S25)。動作制御部324によって、S11で受信した記録用紙給送要求の求める記録用紙の給送枚数=n枚と、この時点でカウントされている排出カウント値との差が0ではないと判断された場合は(S25でNO)、処理はS13に戻り、後続の各記録用紙に対して給送制御が続けられる。なお、動作制御部324が、S11で受信した記録用紙給送要求の求める記録用紙の給送枚数=n枚と、この時点でカウントされた排出カウント値との差が0に至ったと判断した場合は(S25でYES)、記録用紙給送要求の求める記録用紙の給送枚数=n枚の給送が終了しているため、処理を終了する。この終了後は、上記給紙カウント値及び排出カウント値はリセットされる。
【0073】
また、上記S15において、動作制御部324によって、上記透過率が上述した所定値未満であり、重送が発生していると判断された場合には(S15でYES)、通信部325は装置本体2の制御部10に対して、当該記録用紙に重送が発生したことを示す上記重送検知信号を送信する(S16)。装置本体2の制御部10は、当該重送検知を示す重送検知信号を受信すると、表示部473に、給送装置3において重送が発生した旨を示すメッセージを表示させる(
図4のS8)。
【0074】
そして、動作制御部324は、当該記録用紙の先端が分岐路3110に到達する前に、搬送路切換部3106を駆動して搬送路切換部3106の姿勢を
図2に実線で示す位置とし、この状態で搬送部301により当該記録用紙を搬送させることで、当該搬送中の記録用紙(重送が検知された記録用紙)を分岐搬送路3107からエスケープトレイ307上に排出させる(S17)。
【0075】
続いて、動作制御部324は、S14でカウントした給紙カウント値から、この時点でカウントされている排出カウント値を差し引いた差(=Loop)を算出する(S18)。動作制御部324は、当該差(=Loop)が0よりも大きいかを判断し(S19)、当該差(=Loop)が0よりも大きくない(例えば、差(=Loop)=0)と動作制御部324により判断された場合には(S19でNO)、処理はS13に戻り、後続の記録用紙に対して給送制御が続けられる。一方、当該差(=Loop)が0よりも大きいと動作制御部324により判断された場合には(S19でYES)、ID変更部322が、S15において当該重送が検知された記録用紙の次に搬送される記録用紙の給送IDを、当該重送が検知された記録用紙の給送IDに変更して設定し、更に、当該給送IDが変更された記録用紙(重送が検知された記録用紙の次に搬送される記録用紙)に続いて搬送される各記録用紙の給送IDを、当該重送が検知された記録用紙の給送IDに続くそれぞれの給送IDに順次繰り下げて再設定する(S20)。このとき、例えば、上記記録用紙給送要求がn枚の記録用紙の給送を求められており、ID設定部321により、第1枚目の記録用紙に給送ID =rd(1)が設定され、第2枚目に給送ID =rd(2)、第3枚目に給送ID =rd(3)、…第n-1枚目に給送ID =rd(n-1)、第n枚目に給送ID =rd(n)が設定されている場合に、第2枚目の記録用紙を給送しているときに、当該第2枚目の記録用紙に重送が検知された場合、これに続いて給送される第3枚目の記録用紙の給送IDを、当該第2枚目の記録用紙に設定されていた給送ID =rd(2)に変更し、更に、当該第3枚目の記録用紙に続く第4枚目以降の各記録用紙の給送IDを、それぞれ、第4枚目に給送ID =rd(3)、…第n-1枚目に給送ID =rd(n-2)、第n枚目に給送ID =rd(n-1)として設定し、更に、上記重送が検知されてエスケープトレイ307に排出された記録用紙の枚数分だけ、当該給送IDを設定すべき記録用紙が不足するため、ID変更部322は、第n枚目よりも更に後続の第n+1枚目に給送ID =rd(n)を設定する。
【0076】
上記のように設定すると、給送ID =rd(n)が設定される第n+1枚目は、上記記録用紙給送要求によっては給送が求められておらず、このままでは、動作制御部324は、第n+1枚目の記録用紙を搬送しないため、追加部323は、上記重送が検知された記録用紙の枚数分だけの記録用紙給送要求を作成する(S21)。
【0077】
続いて、動作制御部324は、上記S18で算出した差(=Loop)から数値1を差し引いた値を、新たな差(=Loop)とする(S22)。この後、処理はS19に戻り、動作制御部324は、この新たな差(=Loop)が0よりも大きいか否かに応じて、S13又はS20の処理を行う。すなわち、この場合、当該差(=Loop)が0よりも大きくない(例えば、差(=Loop)=0)と動作制御部324により判断された場合は、S20により新たな給送IDが付された記録用紙の給送が開始される。
【0078】
このようにして記録用紙給送要求が示す記録用紙の給送が行われ、上述したように、S11で受信した記録用紙給送要求の求める記録用紙の給送枚数=n枚と、この時点でカウントされた排出カウント値との差が0に至った時点で(S25でYES)、当該記録用紙給送制御が終了する。
【0079】
当該記録用紙給送制御によれば、装置本体2及び給送装置3において、上記給送IDを用いて各記録用紙毎に画像形成される画像を管理する制御を行う場合に、ID変更部322が、搬送中の記録用紙に重送検知センサー3015により重送が検知されたとき、当該重送が検知された記録用紙の次に搬送される記録用紙の給送IDを、当該重送が検知された記録用紙の給送IDに変更し、これに続いて搬送される各記録用紙の給送IDを、当該重送が検知された記録用紙の給送IDに続くそれぞれの給送IDに順次繰り下げるので、装置本体2で管理されている給送IDを変更することなく、装置本体2における画像形成を続行することができる。このため、重送検知された記録用紙がエスケープトレイ307に排出された後であっても、当該排出された記録用紙に続いて搬送される記録用紙を即座に装置本体2側での画像形成に用いることが可能になる。また、追加部323は、当該重送が検知された記録用紙の枚数分だけ搬送部301に搬送させる記録用紙を追加するので、記録用紙給送要求の示す記録用紙枚数を不足なく搬送部301に搬送させることができる。
【0080】
このため、記録用紙の重送が検知された場合に、当該重送が検知された記録用紙に続く記録用紙が搬送部301により既に記録用紙収容部31からピックアップされ、搬送路3011中での搬送が開始されていても、当該搬送が開始されている記録用紙を、装置本体2での画像形成に用いることができるので、記録用紙収容部31に収容されている用紙を効率よく利用できる。また、重送が検知された記録用紙に続く記録用紙を当該給送装置3外(エスケープトレイ307等)に排出せずに、即座に装置本体2での画像形成に用いることができるので、重送が検知されたプリントジョブの完了までに要する時間を従来よりも短縮できる。これにより、重送が検知されたプリントジョブであっても、効率よく残りの作業を遂行することができる。
【0081】
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、本発明に係る画像形成装置を複合機として説明しているが、本発明に係る画像形成装置はこれに限定されない。例えば、本発明に係る画像形成装置は、コピー機、ファクシミリ装置等であっても構わない。
【0082】
なお、
図1乃至
図5を用いて上記各実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。