(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一つ以上の実施形態は、調理器具の上方に排気フードを配置した排気換気システムにおける排気流量を制御する方法を含んでいる。かかる方法は、排気フード付近の排気温度を測定し、調理器具付近の排出空気の輻射温度を測定し、測定した排気温度及び輻射温度に基づいて器具の状態を決定し、そして決定した器具の状態に応じて排気流量を制御することを含み得る。
【0006】
一つ以上の実施形態は、温度センサーを用いて排気フード付近の排気温度を測定することで、排気換気システムにおける排気流量を制御することを含み得る。複数の実施形態では、さらに、遠赤外線(IR)センサーを用いて調理器具付近の輻射温度を測定することで、排気換気システムにおける排気流量を制御することにより構成され得る。複数の実施形態では、さらに、器具の状態が調理状態、アイドル状態及びオフ状態を含む排気換気システムにおける排出流量を制御することにより構成され得る。調理状態において、輻射温度及び調理器具の平均輻射温度が変動しているか、或は排気温度が最低排気温度以上であるかを決めることができる。アイドル状態では、調理時間の継続中に輻射温度の変動がなく、しかも排気温度が所定の最低温度排気温度未満であることを決めることができる。オフ状態では、平均輻射温度が所定の最低輻射温度未満であり、しかも排気温度が調理器具付近の空間の平均雰囲気温度プラス所定の雰囲気温度未満であることを決めることができる。
【0007】
さらに、複数の実施形態では、調理器具の上方に配置した排気換気システムにおける排気流量を、決められた器具の状態に基づいてファンを作動したり止めたりして、或いはファンの速度やダンパー位置を変えることによって制御する構成とされる。
【0008】
さらに、複数の実施形態では、調理器具の上方に配置した排気換気システムにおける排気流量を、器具の状態の変化に基づいて変えることによって制御する構成とされる。
【0009】
さらに、複数の実施形態では、調理器具の上方に配置した排気換気システムにおける排気流量を、器具の状態の検出した変化に応じて、所定の計画(design)排気流量と、所定の待機(idle)排気流量と、オフ排気流量との間で変えることによって制御する構成とされる。
【0010】
さらに、複数の実施形態では、調理器具の上方に配置した排気換気システムにおける排気流量を、制御する前にシステムを校正してから制御する構成とされる。さらに、複数の実施形態では、調理器具の上方に配置した排気換気システムにおける排気流量を、換気システム付近の雰囲気空間の温度と排気温度との差を測定して器具の状態を決めることにより制御する構成とされる。
【0011】
さらに、複数の実施形態では、輻射温度が変動ししかも輻射温度が所定の最低輻射温度より高い時に調理器具が調理状態にあり、調輻射温度が変動しない時には調理器具がアイドル状態にあり、また輻射温度が変動せずしかも輻射温度が所定の最低輻射温度より低い時には調理器具がオフ状態にあるように、調理器具の上方に配置した排気換気システムにおける排気流量を制御する構成とされる。
【0012】
さらに、複数の実施形態では、排気温度が所定の最大雰囲気温度より高い又は所定の最大雰囲気温度に等しい場合に調理器具が調理状態にあり、排気温度が所定の最大雰囲気温度より低い場合に調理器具がアイドル状態にあり、また排気温度が所定の雰囲気温度より低い場合に、調理器具がオフ状態にあるように、調理器具の上方に配置した排気換気システムにおける排気流量を制御する構成とされる。さらに、複数の実施形態では、赤外線センサーを用いて輻射温度を測定する構成とされる。
【0013】
さらに、複数の実施形態では、調理器具の上方に取付けられ、調理器具で発生した排出空気を除去する排気ファンを備えた排気フードと、調理器具の輻射温度を測定するム少なくとも一つのセンサーと、排気フードに装着され、排気の温度を測定する少なくとも一つの温度センサーと、測定した輻射温度及び排出空気の温度に基づいて調理器具の状態を決定しそして上記器具の状態に基づいて排気流量を制御する制御モジュールとを備える排気換気システムから成り得る。
【0014】
さらに、複数の実施形態では、輻射温度を測定する赤外線センサーと、排気フード付近の排出空気の温度を測定する温度センサーと、調理器具の状態を決定しそして器具の状態に基づいて排気流量を制御するプロセッサを備え得る制御モジュールとを備えることができる。
【0015】
さらに、複数の実施形態では、排気ファンの速度を制御することで排気流量を制御する制御モジュールと、排気フードに取りけられ、フードダクトに入る排出空気の容量を制御する少なくとも一つのモーター駆動型平衡ダンパーとを備えることができる。
【0016】
種々の実施形態では、制御モジュールはさらに、少なくとも一つのモーター駆動型平衡ダンパーの位置を制御することで排気流量を制御できる。
【0017】
さらに、制御モジュールは、調理状態、アイドル状態及びオフ状態を含む器具の状態を決定できる。複数の実施形態では、さらに、器具の状態の変化に基づいて、計画排気流量(Q計画)と、アイドル排気流量(Qアイドル)と、オフ排気流量(0)との間で排気流量を変えることによって排気流量を制御する制御モジュールを備えることができる。
【0018】
さらに、複数の実施形態では、器具が調理状態にあると決定される場合には計画排気流量(Q計画)に、器具の状態がアイドル状態にあると決定される場合にはアイドル排気流量(Qアイドル)に、また器具がオフ状態にあると決定される場合にはオフ排気流量に排気流量を変える制御モジュールを備えることができる。
【0019】
さらに、複数の実施形態では、さらに輻射温度における変動を決定できる制御モジュールを備えることができる。
【0020】
さらに、複数の実施形態では、輻射温度に変動がありしかも輻射温度が所定の最低輻射温度より高い調理状態に調理器具があること、輻射温度に変動がないアイドル状態に調理器具があること、及び輻射温度に変動がなくしかも輻射温度が所定の最低輻射温度より低いオフ状態に調理器具があることを決定できる制御モジュールを備えることができる。
【0021】
さらに、複数の実施形態では、換気システム付近の空気の雰囲気温度を測定する温度センサー、及び排気フード付近の排気温度と換気システム付近の雰囲気温度との差をさらに決定できる制御モジュールを備えることができる。
【0022】
さらに、複数の実施形態では、排気温度が所定の最高雰囲気温度より高いか又は所定の最高雰囲気温度に等しい調理状態に調理器具があること、排気温度が所定の最高雰囲気温度より低いアイドル状態に調理器具があること、及び排気温度が所定の雰囲気温度より低いオフ状態に調理器具があることを決定する制御モジュールを備えることができる。複数の実施形態では、さらに、システムの校正後、排気流量を制御する制御モジュールを備えることができる。
【0023】
複数の実施形態では、調理器具の上方に配置した排気フードを備えた排気換気システムにおける排気流量を制御する制御モジュールを備えることができ、該制御モジュールは、調理器具の状態を決定し、そして器具の状態に基づいて排気流量を制御するプロセッサを備えている。
【0024】
種々の実施形態では、制御モジュールはさらに、器具の状態が調理状態、アイドル状態及びオフ状態の一つを含む場合に排気流量を制御する構成とされる。制御モジュールはさらに、排気流量が計画排気流量(Q計画)、アイドル排気流量(Qアイドル)、及びオフ排気流量の一つを含む場合に排気流量を制御する構成とされる。制御モジュールはさらに、計画排気流量からアイドル排気流量及びオフ排気流量に排気流量を変える機能を備え得る。制御モジュールはさらに、調理状態において制御モジュールが排気流量を計画気流量に変え、アイドル調理状態では制御モジュールが排気流量をアイドル排気流量に変え、またオフ状態では制御モジュールが排気流をオフ排気流量に変えるように、排気流量を制御する構成とされる。
【0025】
種々の実施形態では、制御モジュールはさらに、調理器具で発生した排出空気の雰囲気温度を測定することによって及び調理器具の輻射温度を測定することにより器具の状態をプロセッサが決定するように、排気流量を制御する構成とされる。
【0026】
制御モジュールはさらに、排気温度が所定の最高雰囲気温度より高いか又は所定の最高雰囲気温度に等しい調理状態、排気温度が所定の最高雰囲気温度より低いアイドル状態、及び排気温度が所定の雰囲気温度より低いオフ状態をプロセッサが決定するように、排気流量を制御する構成とされる。
【0027】
制御モジュールはさらに、輻射温度が変動ししかも輻射温度が所定の最低輻射温度より高い場合には調理状態を、輻射温度が変動しない場合にはアイドル状態を、また輻射温度が変動ししかも輻射温度が所定の最低輻射温度より高い場合に調理状態を、輻射温度が変動せずしかも輻射温度が所定の最低輻射温度より低い場合にはオフ状態をプロセッサが決定するように、排気流量を制御する構成とされる。
【0028】
制御モジュールはさらに、調理器具で発生した排出空気を除去するために排気フードに取付けられた排気ファンの速度を制御することで排気流量を制御すること、排気フードに取りけられた少なくとも一つの平衡ダンパーの位置を制御することで排気流量を制御すること、及び制御装置が排気流量を制御する前に制御モジュールがさらにシステムを校正するように排気流量を制御する構成とされる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1を参照すると、排気換気システム100が例示されており、この排気換気システム100は排気フード105を含み、排気フード105は複数の調理器具115の上方に配置され、そして排気ダクト110を介して排気組立体145に連通している。排気フード105の底部開口は通常長方形であり得るが、任意の他の所望の形でもよい。排気フード105の壁は内部容積185を画定し、調理器具115上に位置決めされる排気フード105の端部における下向きの底部開口190と連通している。内部容積185はまた排気ダクト110を介して排気組立体145にも連通できる。排気ダクト110は排気組立体145を介して外部換気環境に向って上方に延びることができる。
【0031】
排気組立体145はモーター駆動型排気ファン130を含めることができ、調理器具115で発生した排出空気は、モーター駆動型排気ファン130によって排気ダクト110内に引き込まれ、そして外部換気環境へ放出する。排気ファン130のモーターが作動すると、調理器具115と外部換気環境との間に排気流路165が形成される。空気が料理人(コック)の上部領域から引かれる際に、ヒューム、空気汚染物質及びその他の空気粒子は、排気ダクト110及び排気組立体145を通って外部換気環境へ排出される。
【0032】
排気換気システム100は、さらに、制御モジュール302を含めることができ、制御モジュール302は好ましくは、プログラム可能なプロセッサ304を含め、このプログラム可能なプロセッサ304は複数のセンサーに作動的に結合されかつ複数のセンサーからデータを受信し、そしてモーター駆動型排気ファン130の速度を制御するように構成され、排気ファン130はシステム100における排気流量を調整する。制御モジュール302は、排気ダクト110に又はその内部に配置した温度センサー125の出力及び各々調理器具115の表面に対向して配置した複数の赤外線(IR)輻射温度センサー120の出力に基づいて排気ファン130の速度を制御する。少なくとも一つの実施形態では、三つのIRセンサー120を設けることができ、各IRセンサー120はそれぞれの調理器具115の上方に配置され、それで各IRセンサー120はそれぞれの調理面115の表面に対向するように位置決めされている。しかし、各調理面の輻射温度を検出する限り、任意の数及び形式のIRセンサー120及び任意の数の調理器具115を用いることができる。制御モジュール302はセンサー125及び120と通信し、センサーの読み取り値に基づいて調理器具の状態を特定する。調理器具115の状態は、これらの複数の検出器を用いて検知した輻射温度及び排気温度に基づいて決定される。
【0033】
制御モジュール302は、排気ダクト110の近くに配置した一つ以上のモーター駆動型平衡ダンパー(BD)150と共に、モーターの速度を制御する可変周波数ドライブ(VFD)のような速度制御モジュールを備えるモーター駆動型排気ファン130と通信する。制御モジュール302は、排気温度センサー125及びIR輻射温度センサー120の出力に基づいて調理器具の状態(AS)を決定でき、そして決定した調理器具の状態(AS)に応じてモーター駆動型平衡ダンパー150の位置と共に排気ファン130の速度を変えることができる。例えば、調理器具115は、調理状態(AS=1)、アイドル状態(AS=2)、又はオフ状態(AS=0)となり得る。調理器具115の状態は、排気温度センサー125及びIRセンサー120で検出された温度に基づいて決定できる。種々の実施形態によれば、調理器具の状態(AS)を決定する方法は、
図4〜
図12に示され、以下に詳細に説明する。決定した器具の状態(AS)に基づいて、制御モジュール302は、システムにおけるファン速度及び/又は平衡ダンパーの位置を選択し、排気流量が特定の器具の状態(AS)と関連した所定の排気流量に相当するようにされる。
【0034】
図2を参照すると、排気換気システム200の第2の実施形態が示されており、排気換気システム200は複数の排気フード105’を備えており、これらの排気フード105’は一つ以上の調理器具115(調理設備のサイズに依存して)の上方に配置できる。排気換気システム200は、それぞれのフード105’の各々に対する少なくとも一つの排気温度センサー125及びそれぞれのフードタブポート(TAB)の各々に接続した少なくとも一つの圧力変換器155を含めることができる。排気フードダクト110の各々はモーター駆動型平衡ダンパー150を含めることができる。平衡ダンパー150は、それぞれのフードダクト110に配置でき、そしてダンパー位置をフィーバックするアクチュエータを含み得る。排気換気システム200はまた、それぞれの調理面の輻射温度を検知するように配置した少なくとも一つのIRセンサー312を含めることができる。排気ファン130は排気組立体145に接続されて、レンジ(台)上面から周囲の外部換気環境へ排出空気を移動させる。別の圧力変換器140は、フードダクト110に入る油分およびヒューム粒子を除去するため排気フード105の底部開口190に設けられた複数の油分除去フィルタ170と共に、排気組立体145の一部である主排気ダクトにおける静圧を測定するようにできる。
【0035】
図3には、上記で示したシステム(例えば100及び200)のいずれかと接続して使用できる排気流量制御システム300を概略ブロック線図で示している。
図3に示すように、排気流量制御システム300は制御モジュール302を含んでいる。制御モジュール302はプロセッサ304及びメモリー306を含んでいる。制御モジュール302は、複数のセンサーとIRセンサー312を備える複数の装置とに接続され、これら装置から入力を受け、前記複数の装置は、IRセンサー312が調理器具115の表面に対向しそして調理面から出てくる輻射温度を検知するように、排気フード天蓋105に位置決めでき、フードダクト110内へ吸引される排出空気の温度を検知する排気温度センサー125はフードダクト110の近くに設けられ、調理器具115を取巻く空気の温度を検知する雰囲気温度センサー160が換気システム(100、200)の近くに設けられ、フードダクト110に発生する圧力を検知する圧力センサー155はフードタブポート(TAB)の近くに設けられ、また任意のオペレータ制御装置311が設けられる。センサー308〜314及びオペレータ制御装置311からの入力は制御モジュール302に伝送され、制御モジュール302は入力信号を処理し、器具の状態(AS)又は状況を決定する。制御モジュールにおけるプロセッサ304は、器具の状態に基づいて、排気ファンモーター316の速度及び/又はモーター駆動型平衡ダンパー318(BD)の位置を制御できる。各調理状況は以下に説明するように特定の排気流量(Q)と組み合わされる。制御モジュール302が調理器具の状態を決定すると、制御モジュール302は排気ファン316の速度及び平衡ダンパー318の位置を調整して各器具の状態に関連した所定の気流量を達成できる。
【0036】
種々の実施形態では、センサー308〜314は、伝導線を用いてプロセッサ304に作動的に結合できる。センサーの出力はアナログ信号(例えば電圧、電流など)の形態で発生できる。代わりに、センサーはデジタルバスを介してプロセッサ304に結合でき、その場合にはセンサーの出力はデジタル情報の一つ以上のワードから成ることができる。排気温度センサー314及び輻射温度センサー(IRセンサー)312の数及び位置はシステム中に調理器具及び組合わさったフード、フードカラー及びフードダクトが幾つ存在しているか並びにフードの長さのようなその他の変数に関連して変えることができる。雰囲気温度センサー310の数及び位置もまた、換気システムを取り巻く雰囲気の温度が検知される限り、変えることができる。圧力センサー308の数及び位置もまた、主排気ダクト中の静圧(Pst)を測定するために排気ファン130に近接してフードダクトに設けられる限り、変えることができる。全てのセンサーは例示であり、従って所望の機能を満たすのに任意の公知の形式のセンサーを用いてもよい。一般に、制御モジュール302は、任意の適当な線又は無線リンクを介してセンサー308〜314、モーター316及びダンパー318に結合できる。
【0037】
種々の実施形態では、多数の制御モジュール302を設けることができる。制御モジュール302の形式及び数並びにシステムにおけるそれら制御モジュールの配置は、上記に列挙したセンサーの数及びシステム内の配置に関してシステムの複雑さ及び大きさに依存して変えてもよい。
【0038】
上述のように、制御モジュール302は好ましくは、プロセッサ304及びメモリー306を備え、本明細書に記載した機能を制御するように構成できる。種々の実施形態において、メモリー306は、適切な入力変数、プロセス変数、プロセス制御設定値並びに各フードに対する校正設定値のリストを記憶できる。これらの記憶した変数は、検査、校正及びスタートアップ関数の種々の段階中、並びにシステムの動作中にプロセッサ304で使用できる。
【0039】
種々の実施形態では、プロセッサ304は、コンピュータで読取り可能な媒体(例えば電子メモリー、光学又は磁気記憶装置など)に記憶された一連のプログラムされた指令を実施できる。プロセッサ304で実行される指令によって、プロセッサ304に記載した機能を実行させる。指令はメモリー306に記憶され得、又は指令は、別のプロセッサで読取り可能な媒体或いはそれらを結合したものにおいて実施され得る。プロセッサ304は、マイクロコントローラ、コンピュータ、特定用途向け集積回路(ASIC)、又はディスクリート論理構成要素、又はそれらを結合したものを用いて実施できる。
【0040】
種々の実施形態では、プロセッサ304はまた、ユーザーにアラーム及びエラーコード及びその他のメッセージを出力するために例えば液晶ディスプレイ(LCD)のような自動運転表示灯すなわちディスプレイ装置317に結合できる。表示灯317はまたブザー、ベル、アラームなどのような音響表示器を含むことができる。
【0041】
図4には、種々の実施形態による模範的方法400を例示している。方法400は、S405で開始し、そして排気温度入力又は圧力センサー入力を受信するためにS410又はS425に移り、そして雰囲気温度入力及び赤外線センサー入力を受信するためにS415及びS420に移る。制御はS430に続く。
【0042】
S430において、現在の排気流量(Q)が決定される。制御はS435に続く。
【0043】
S435において、現在の排気流量は所望の排気流量と比較される。S430において決定した排気流量が所望の排気流量である場合には、制御は再開する。S430において決定した排気流量が所望の排気流量でない場合には、制御は、システムの形態に基づいてS440又はS450へ移る(例えばモーター駆動型ダンパーが設けられている場合には制御はS450へ移り、しかしモーター駆動型ダンパーが設けられていない場合には制御はS440へ移る)。
【0044】
配置に基づいて、S450ではダンパーの位置が決定され、或いはS440では排気ファンの速度が決定される。S440及びS450における異なるオプションに基づいて、制御は、S455においてダンパーにダンパー位置コマンドを出力し、或いはS445において排気ファンに速度コマンドを出力するように処理する。その後、制御は、S460において調理器具の出力がオフ状態であるかどうかを決定するように処理でき、その場合には方法400はS465において終了し、或いはS460において調理器具の出力がまだオン状態であると決定される場合には方法は再び開始される。
【0045】
動作前に、システム100、200は、各フードを予め設定した計画及びアイドル排気流量に平衡させ、必要ならばセンサーを清浄及び再校正し、そして起こり得る機能障害や損傷についてシステムにおける各構成要素を評価するために、始動プロセス中に制御モジュール302によって検査及び校正できる。システム中に機能障害が存在する場合には適切なアラーム信号がLCDディスプレイに表示され、オペレータにその機能障害を伝え、そしてオプションであるがその機能障害を如何に修復するかについてオペレータへ伝えるようにできる。
【0046】
例えば、システム100が単一排気ファン130に接続した単一又は多数のフードを備えているが、モーター駆動型平衡ダンパー(BD)150を備えていない実施形態の例では、制御モジュール302は、表1〜4において以下に記載する各フードについての変数のリストを備え得る。
【0051】
例えば、システム100が単一排気ファン130に接続した多数のフードを含み、フードがモーター駆動型平衡ダンパー(BD)150を備えている実施形態の例では、制御モジュール302は、表5〜8において以下に記載する各フードについての変数のリストを含み得る。
各フードについての入力変数のリスト
【表5】
【0055】
種々の実施形態において、制御モジュールにおけるプロセッサ304は、以下の式を用いて排気温度Texにおける排気流(Q)を計算するように構成できる。
【0056】
【数1】
ここで、
K
fはフード例数である。
dpはフードTABポートで測定したインチWCにおける静圧である。
Dens
exhは排出空気の密度(lb質量/feet
3)である。
Dens
stdは排出空気(=0.07487 lb/ft
3、70°Fで及び原子圧力29.
921インチHgにおいて)の標準密度である。
【0057】
【数2】
ここで、
Texは排気温度、°Fである。
Patmは雰囲気圧力インチHgである。
【0058】
【数3】
ここで、
hはシールレベル上の高さftである。
kAirflowDesignをレポートする際に、DCVシステムを備えたキッチンにおける全ての
フードを介しての排出空気の質量流Mtot[1b/ft
3]は計算される必要があり、そしてこれらフードについて総計画質量気流Mtot_design[1b/ft
3]によって割り算される必要がある。
【0059】
【数4】
ここで、
Mtot及びMtot_designは式(4)で計算され、Dens
exh_iは、排出空気の実際の温度及び計画温度を用いて式(2)で計算される。
【0061】
図5には、単一排気ファンに接続された単一又は複数のフードを備え、フードレベルにモーター駆動型平衡ダンパーなしの実施形態の制御モジュール302で実施できる始動ルーチン500のフロー線図を示す。始動ルーチン500はS502で開始し、そして排気ファン316を始動させるために以下の三つのオプションの一つを含むことができる。
【0062】
1)自動的に、フードの下方の器具のいずれかが作動される場合(500)
【0063】
ブロックS505において、赤外線センサー120は、少なくとも一つの調理器具115のいずれかの調理面の輻射温度(IRT)を測定でき、雰囲気温度センサー160は調理器具の周りのスペース(Tspace)の温度を測定でき、また別の温度センサーは調理温度(Tcook)を測定できる。制御モジュール302におけるプロセッサ304で、輻射温度(IRT)が最低温度読取り値(IRTmin)(IRTmin=Tspace+dTcook)を越えていると決定される場合(ブロックS510)には、制御モジュール302は排気ファンを始動でき(ブロックS515)、排気流(Q)を(Qidle)に設定できる(ブロックS520)。プロセッサ304で、輻射温度(IRT)が最低温度(IRTmin)を越えてないと決定される場合(ブロックS510)には、制御モジュールは排気ファンを停止状態に維持する(ブロックS525)。
【0064】
制御モジュール302はまた、システムの動作が開始される前に第2の読取り値を分析できる。ブロックS530において、排気温度(Tex)は排気温度センサー125で測定できる。排気温度が予め設定した最低排気温度(Tex min)を超える場合(ブロックS535)には、制御モジュール302は排気ファンを始動でき、排気流(Q)を(Qidle)に設定する(ブロックS545)。排気温度(Tex)が最低排気温度(Tex min)を超えない場合には、制御モジュール302は排気ファンを停止状態にできる(ブロックS550)。始動ルーチンは、これらのステップの後に終了できる(ブロックS550)。
【0066】
排気フードを作動及び停止する予めプログラム可能な(例えば一週間)スケジュール。オンスケジュールではフード排気流(Q)は(Qidle)に設定される。
【0067】
3)手動で、フードのオーバーライドボタン
【0068】
種々の実施形態において、フードにおけるオーバーライドボタンを作動すると、予め設定した時間の間(TimeOR)フード排気流(Q)を(Qdesign)に設定できる。
【0069】
多数のフードを単一排気ファンに接続し、モーター駆動型平衡ダンパーをフードレベルに設けたシステム200の第2の実施形態の制御モジュール302によって実行される始動ルーチンのフロー線図は、各ステップにおいて平衡ダンパーBDが排気ファンと共に適切な排気流(Q)を維持できるように開放状態に維持されることを除いて、
図5に示すステップと実質的に同じステップを追従する。
【0070】
図6を参照すると、流れ制御動作の開始前に、システム100を検査するために制御モジュール302で実行されるルーチン600を示すフロー線図が示されている。ルーチン600はS602で始動でき、そして制御モジュール自己診断プロセスに続く(ブロックS605)。自己診断プロセスがOKである場合(ブロックS610)には、制御モジュール302は、排気ファン速度を制御する可変周波数ドライブ(VFD)を予め設定した周波数(VFDidle)に設定できる(ブロックS615)。その後、フードTABポートに配置した圧力変換器で静圧が測定でき(ブロックS620)、そして式(1)を用いて計算した(Q)に排気流を設定できる(ブロックS625)。自己診断プロセスが失敗である場合には、制御モジュール302は、(VFD)が予め設定した周波数(VFDidle)であるかどうか、及び排気流(Q)が閾値気流係数によって(Qidle)以上であるか以下であるかを確認できる(ブロックS630、S645)。排気流の読取り値に基づいて、制御モジュール302は、適切なエラーコードを発生し出力し、これらのエラーコードはLCDディスプレイ或いは排気フードに取付けられたすなわち制御モジュール302に結合された他の適切な表示装置317に示され又は表示できる。
【0071】
排気流(Q)がフィルタミシング係数(kFilter missing)によって(Qidle)未満である場合(ブロックS630)には、エラーコード“フィルタ及びファンの検査”が発生される(ブロックS635)。一方、排気流(Q)が目詰まりフィルタ係数(kFilter clogged)によって(Qidle)を超える場合(ブロックS645)には、“フィルタ清掃”アラームが発生される(ブロックS650)。排気流(Q)が事実上(Qidle)と同じである場合には、アラームは発生されず(ブロックS650、S655)、そしてルーチンは終了する(S660)。
【0072】
図7を参照すると、システム200を検査するために制御モジュール302で実行される別のルーチン700を示すフロー線図が示されている。ルーチン700はS702で始動でき、そして制御モジュール302の自己診断プロセスに続く(ブロックS705)。自己診断プロセスの結果がOKである場合(ブロックS710)には、制御モジュール302は、平衡ダンパーを最初の又は現在の位置に維持することで排気流(Q)を(Qidle)に維持できる(ブロックS715)。その後、フードTABポートに配置した圧力変換器で静圧(dp)が測定でき(ブロックS720)、そして式(1)を用いて計算した(Q)に排気流を設定できる(ブロックS725)。自己診断プロセスが失敗である場合には、制御モジュールは、平衡ダンパー(BD)を開放位置に設定でき、また(VFD)を(VFDdesign)に設定できる(ブロックS730)。
【0073】
そして、制御モジュール302は、平衡ダンパーが不調であるどうかを検査できる(ブロックS735)。平衡ダンパーが不調である場合には、制御モジュール302は平衡ダンパーを開放できる(ブロックS740)。平衡ダンパーが不調でない場合には、制御モジュール302は、システムに不調なセンサーがあるかどうかを検査できる(ブロックS745)。不調なセンサーが存在する場合には、制御モジュール302は、平衡ダンパーを(BDPdesign)に設定でき、(VFD)を(VFDdesign)に設定でき、そして排気流を(Qdesign)に設定できる(ブロックS750)。他方、制御モジュール302は、調理器具が停止されるまで(VFD)を(VFDidle)に設定できる(ブロックS755)。このステップはルーチンを終了する(ブロックS760)。
【0074】
種々の実施形態において、フード105は、計画気流(Qdesign)に自動的に校正される。校正処理ルーチン800は
図8に例示されている。このルーチンはS802で始動し、そして機能している全ての換気システム及びオフ状態の調理器具で作動され得る(ブロックS805、S810)。校正ルーチン800は停止したファンで開始できる(ブロックS810、S870)。ファンが停止される場合には、フードは計画気流(Qdesign)に平衡状態にされ得る(ブロックS830)。フードが平衡状態にされないと(ブロックS825)、制御モジュール302は、排気流が(Qdesign)に達する(ブロックS835)まで、VFDを調整できる(ブロックS830)。こうしてルーチン800は、システムが安定化されるまで待機する。そして、フード105は(VFD)の速度を低減することで(Qidle)に対して平衡状態にできる(ブロックS840、S845)。ルーチン800は、システム100が安定化されるまで再び待機する。
【0075】
次のステップはセンサーを校正することにある(ブロックS850)。センサーの校正は、最初の校正モード中に実行され、低温の調理器具に対してフードの下側に人が居ない時に行われる。輻射温度(IRT)は測定されサーモスタット読取り値(Tspace)と比較され、そしてその差は各センサーについて制御モジュール302のメモリー306に記憶され得る(ブロックS855)。その後の校正処理中又は排気システムが停止される時に、輻射温度の変化が再び測定され、そしてメモリー306に記憶された被校正値と比較される(ブロックS855)。読取り値が最大許容差より大きい場合には、制御モジュール302においてセンサーを清掃するようにとの警告が発生される(ブロックS860)。さもなければ、センサーは校正されたとみなされ(ブロックS865)、ルーチン800は終了される(ブロックS875)。
【0076】
図9には、多数のフード及び一つのファンを備え、モーター駆動型平衡ダンパーを備えていないシステム用の校正ルーチン900を例示している。ルーチン900は、上記の単一フード及び単一ファンを備え、モーター駆動型ダンパーを備えていないシステムの場合と実質的に同じステップで実施できるが、ルーチン900では各フードが校正される。ルーチン900はフード1で始動し、そして上記のフード平衡ステップ(ブロックS905〜S930及びS985)並びに上記のセンサー校正ステップ(ブロックS935〜S950)に追従する。
【0077】
最初のフードが校正されると、次のフードに対する気流が確認される(ブロックS955)。気流が設定値(Qdesign)にある場合には、センサーの校正は第2の(及び後続の)フードについて繰り返される(ブロックS960、S965)。気流が設定値(Qdesign)にない場合には、気流及びセンサーの校正は現在のフードについて繰り返され得る(ブロックS970)。ルーチン900は、システムにおける全てのフードが校正されるまで続けられ得る(ブロックS965)。全てのフードに対する新しい計画気流はメモリー306に記憶され(ブロックS975)、そして制御はS980で終了する。
【0078】
図10には、第2の実施形態200で実行され得る自動校正ルーチン1000を例示している。校正ルーチン1000の間に、全てのフードは、最低静圧で計画気流(Qdesign)に校正される。校正処理すなわちルーチン1000は、調理設備が適位置に全てのフードフィルターを備えて用いられる予定のない時間中に、実施でき、定期的に(例えば一週間に一度)繰り返され得る。ルーチン1000はブロックS1005で始動できる。排気ファンは、最大速度VFD=1(VFD=1−全速;VFD=0−ファンは停止)に設定でき、また全ての全ての平衡ダンパーは全開される(BDP=1−全開;BDP=0−全閉)(ブロックS1010)。排気流は、TABポート圧力変換器(PT)を用いて各フードについて測定され得る(ブロックS1015)。種々の実施形態において、各フードは、平衡ダンパーを用いて計画気流(Qdesign)となるように平衡状態にされ得る。この点において、各BDPは、1未満(全開未満)であり得る。またシステムが安定化する待ち期間も存在し得る。
【0079】
排気流が(Qdesign)にない場合には、VFD設定は、平衡ダンパーの一つが全開されるまで低減される(ブロックS1030)。少なくとも一つの実施形態においては、この処理は、ダンパーの一つが全開され、そして気流が(Q)=(Qdesign)となるまで、各反復時に10%だけVFD設定を徐々に低減することで複数のステップにおいて行われ得る(ブロックS1020、S1030)。他方、ブロックS1020において、気流がQ=(Qdesign)となる場合には、主排気ダクトにおける圧力変換器設定(Pstdesign)、ファン速度VFDdesign、及び平衡ダンパー位置BDPdesign設定は記憶され得る(ブロックS1025)。この時点で校正が行われる(ブロックS1035)。
【0080】
図11は、システム100による種々の実施形態において実施される排気流を制御する方法1100のフローチャートである。
図11に示すように、個々のフード排気流(Q)は、例えば対応した器具が調理状態にあることを表示するAS=1、対応した器具がアイドル状態にあることを表示するAS=2、及び対応した調理器具が停止状態にあることを表示するAS=0であり得る器具状態(AS)又は状況に基づいて制御できる。排気温度センサー125及び輻射IRセンサー120は器具の状態を検知でき、そして検知した状態をプロセッサ175へ伝送する。センサーによって行われる読取り値に基づいて、制御モジュール302は、システム100における排気流(Q)を、予定の気流(Qdesign)、測定した気流(Q)(以下参照)及び予定の(Qidle)気流に相応するように変更できる。検知した調理の状態がAS=1である場合には、制御モジュール302は気流(Q)を、予定の(Qdesign)気流に相応するように調整できる。調理の状態がAS=2である場合には、制御モジュール302は、次式に従って計算した気流(Q)を調整できる。
【0082】
さらに、検知した調理の状態がAS=0である場合には、制御モジュール302は気流(Q)を、Q=0になるように調整できる。
【0083】
特に、再び
図11を参照すると、制御はS1102で開始し、ブロックS1104へ続き、器具の状態は排気温度センサー125及びIR温度センサー120から受けた入力に基づいて決定され得る。排気温度(Tex)及び周囲空間温度(Tspace)の値は、システムにおける排気流(Q)を計算する(ブロックS1108)ために、読取られ、メモリー306に記憶され得る(ブロックS1106)。排気流(Q)は例えば式(6)を用いて計算され得る。計算した排気流(Q)が予定の(Qidle)より低い場合(ブロックS1110)には、調理の状態はAS=2であると決定され得(ブロックS1112)、排気流(Q)は(Qidle)に相応するように設定され得る(ブロックS1114)。この場合、ファン130は(Q)=(Qidle)を維持する速度(VFD)に保持され得る(ブロックS1116)。ブロックS1110において、気流(Q)が予め設定した(Qidle)値を超えていると決定される場合には、器具の状態はAS=1(調理状態)であると決定され得(ブロックS1118)、そして制御モジュール302は、気流(Q)を(Q)=(Qdesign)に維持する(ブロックS1122)ように、ファン速度(VFD)を(VFD)=(VFDdesign)に設定できる(ブロックS1120)。
【0084】
ブロックS1124において、平均輻射温度(IRT)及び器具の調理表面から放出する輻射温度の変動(FRT)はIR検知装置120を用いて測定され得る。輻射温度が予め決定した閾値より早く増減していることをプロセッサ304が決定し(ブロック1128)、そして調理表面が熱い(IRT>IRTmin)場合(ブロック1126)には、器具の状態はAS=1として報告され(ブロック1132)、そしてファン130の速度(VFD)は(VFDdesign)に設定できる(ブロック1134)。排気フード105が多数のIRセンサー120を備えている場合に、故障で、いずれか一つのセンサーが輻射温度の変動を検知する(ブロック1128)と、調理の状態(AS=1)が報告される。調理の状態が検知されると、フードの排気流(Q)は、予め設定した調理時間(TimeCook)(例えば7分)に対して計画気流(Q=Qdesign)に設定できる(ブロック1136)。少なくとも一つの実施形態において、これは、排気温度信号(Tex)によって制御をオーバーライド(取り消し)する(ブロック1130)。さらに、IRセンサー120が調理時間(TimeCook)内に別の温度変動を検知すると調理タイマーはリセットされる。
【0085】
一方、IRセンサー120が予め設定した調理時間(TimeCook)内に温度変動を検知しない場合には、器具の状態は、AS=2アイドルとして報告され(ブロック1138)、そしてファン130の速度は、式(6)に従って計算した(Q)=(Q)に排気流を維持する(ブロック1142)ように変調され得る(ブロック1140)。全てのIRセンサー120が(IRT<IRTmin)を検知し(ブロックS1126)、そして(Tex<Tspace+dTspace)を検知する(ブロックS1144)と、器具の状態はOFF(AS=0)であると決定され(ブロックS1146)、そして排気ファン130はVFD=0を設定すること(ブロックS1148)により停止(ブロックS1148)される。さもなければ、器具の状態は、調理状態(AS=
1)である(ブロックS1152)と決定され、そして排気ファン130の速度(VFD)は、変調され(ブロックS1154)、排気流(Q)を、式(6)(上記)により計算したレベルに維持する(ブロックS1156)ようにされる。動作1100はブロックS1158で終了し、制御モジュール302は、気流(Q)を、決定した器具の状態(AS)に基づいた気流レベルに設定する。
【0086】
図12A〜
図12Cには、各排気フード105に置けるモーター駆動型平衡ダンパーでシステム200における排気流を制御する模範的な方法1200を例示している。該方法1200は、輻射温度(FRT)の変動がIRセンサー120で検知される時(ブロックS1228)或いは排気温度(Tex)が最低値(Tmin)を超える時(ブロックS1230)に、器具の状態がAS=1であると決定される(ブロックS1232)ことを除いて、上記の方法1100と実質的に同じステップを追従し得、そして制御モジュール302は、平衡ダンパーが全開位置(BDP)=1にあるかどうか、そしてファン130の速度(VFD)が予定の計画ファン速度以下であるかどうか(ブロックS1234)を付加的に検査する。上記の状態通りである場合には、ファン130の速度(VFD)は、排気流Qが計画気流(Qdesign)に達するまで(ブロック1240)、増加される(ブロックS1236)。上記の状態通りでない場合には、ファン130の速度(VFD)は(VFDdesign)に維持され(ブロック1238)、気流(Q)は(Q)=(Qdesign)に維持される(ブロックS1240)。
【0087】
一方、輻射温度が変動しない(ブロックS1228)、或いは排気温度(Tex)が最高温度(Tmax)を超えない(ブロックS1230)場合には、器具の状態はアイドル状態AS=2であると決定される(ブロックS1242)。さらに、制御モジュール302は、平衡ダンパーが全開位置(BDP)=1にあるかどうか、そしてファン130の速度(VFD)が計画ファン速度以下であるかどうか(ブロックS1244)を検査できる。答えがYesである場合には、ファン130の速度(VFD)は増加され(ブロックS1246)、そして平衡ダンパーは変調され(ブロックS1250)、気流(Q)を(Q)=(Q)(式(6)により計算)に維持するようにしている(ブロックS1252)。
【0088】
輻射温度が検知されず(ブロックS1226)、そして排気温度が(Tex<Tspace+dTspace)である(ブロックS1254)である場合には、器具の状態はAS=0(停止)であると決定され(ブロックS1256)、平衡ダンパーの状態は全閉(BDP=0)され(ブロックS1258)、ファン130は停止される(S1260)。器具の状態は記憶され得、他方、排気温度が雰囲気温度を超える場合には、器具の状態はAS=2であると決定され(ブロックS1262)、そして平衡ダンパーは変調され(ブロックS1264)、ファン130を作動状態に維持して式(6)に基づいて計算される(Q)=(Q)の気流を維持するようにする(ブロックS1266)。そして動作は終了し、排気流は、決定した器具の状態に従って設定される(ブロックS1268)。
【0089】
図13は、本発明による排気流制御システムを例示するブロック線図である。特に、システム1300は、複数の制御モジュール(1302、1308、1314)を含み、各制御モジュールは、上記のように(例えば温度、圧力などの)センサーのそれぞれ一つ(それぞれ1304、1310及び1316)、及び上記のように(例えばモーター制御及びダンパー制御信号の)出力(それぞれ1306、1312及び1318)に接続されている。制御モジュールは互いに関連して又は独立してそれぞれの排気流システムを制御できる。さらに、制御モジュールは互いに通信できる。
【0090】
図14は、本発明による排気流制御システムを例示するブロック線図である。特に、システム1400は、複数のインターフェース1404〜1408に接続された単一制御モジュール1402を含み、インターフェース1404〜1408の各々は、それぞれのセンサー(1410〜1414)及び制御出力(1416〜1420)に接続されている。制御モジュール1402は、複数の器具に隣接した複数のフードについての排気流量をモニターし制御できる。各器具は、独立してモニターされ得、そして上記のように適切な排気流量が設定され得る。
図14に示す形態では、制御モジュール1402におけるソフトウエアを更新することは可能であり、それにより各フードについて排気流制御システムを有効に更新する。また、単一制御モジュール1402はコストを低減でき、排気流制御システムに対するメンテナンスを簡単化し、既存のシステムは上記の排気流制御方法を含むように改良できすなわち後付けできる。
【0091】
図15は、本発明による排気流制御システムを例示するブロック線図である。特に、システム1500は、センサー1504及び制御出力1506に接続された制御モジュール1502を含めている。制御モジュール1502は、また、アラームインターフェース1508、火災抑制インターフェース1512、及び器具通信インターフェース1516に結合される。火災抑制インターフェース1512は火災抑制システム1514に結合される。器具通信インターフェース1516は一つ以上の器具1518〜1520に結合される。
【0092】
動作において、制御モジュール1502は、アラームシステム1510、火災抑制システム1514、及び器具1518〜1520と通信し、これらシステム及び器具と情報交換し、器具の状態及び適当な排気流量を良好に決定する。また、制御モジュール1502は情報を種々のシステム(1510〜1520)に伝送し、それで機能は、一層有効な動作環境に調整され得る。例えば、排気流制御モジュール1502はセンサー1504を介して、火災やその他の危険な状態を検知し、そしてこの情報をアラームシステム1510、火災抑制システム1514、及び器具1518〜1520に伝送し、それにより各装置又はシステムは適切な作用を行い得る。また、器具1518〜1520からの情報は、器具の状態を一層正確に決定しそして一層正確な排気流制御を行うように、排気流制御システムによって用いられ得る。
【0093】
排気流量を制御する方法、システム及びコンピュータプログラム製品の実施形態は、汎用コンピュータ、特用コンピュータ、プログラム型マイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ及び周辺集積回路要素、ASIC又は他の集積回路、デジタル信号プロセッサ、ディスクリート素子回路のようなハードワイヤー型電子すなわち論理回路、及びPLD、PLA、FPGA、PALなどのようなプログラム型論理装置において実行され得る。一般に、本明細書に記載した機能又はステップを実行できるあらゆるプロセスは、排気流量を制御する方法、システム、又はコンピュータプログラム製品の実施形態を実行するのに用いられ得る。
【0094】
さらに、排気流量を制御する記載した方法、システム、及びコンピュータプログラム製品の実施形態は、種々のコンピュータプラットホームにおいて用いられ得る携帯可能なソースコードを提供する例えばオブジェクト又はオブジェクト指向ソフトウエア開発環境を用いたソフトウエアにおいて完全に又は部分的に容易に実行され得る。代わりに、排気流量を制御する記載した方法、システム及びコンピュータプログラム製品の実施形態は、例えば標準型論理回路又はVLSI計画を用いたハードウエアにおいて部分的に又は完全に実行され得る。利用されることになるシステムの速度及び/又は効率要件、特殊な機能、及び/又は特殊なソフトウエア又はハードウエアシステム、マイクロプロセッサ、又はマイクロコンピュータシステムに関連して実施形態を実施するのに他のハードウエア又はソフトウエアが利用され得る。排気流量を制御する方法、システム、及びコンピュータプログラム製品の実施形態は、本明細書に記載した機能及びコンピュータ、排気流及び/又は調理器具の分野の一般的な基礎知識に基づいて、任意公知の又は後で開発されたシステム又は構造体、装置及び/又はソフトウエアを用いてハードウエア及び又はソフトウエアは当業者によって実施され得る。
【0095】
さらに、排気流量を制御する記載した方法、システム、及びコンピュータプログラム製品の実施形態は、プログラム式汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサなどで実行されるソフトウエアにおいて実施され得る。また、本発明の排気流量制御方法は、JAVA(登録商標)又はCGIスクリプトのようなパーソナルコンピュータに組み込んだプログラムとして、サーバー又はグラフィックワークステーションに属するリソースとして、専用処理システムなどに組み込んだルーチンとして実施され得る。本方法及びシステムはまた、排気換気フード及び/又は器具のハードウエア及びソフトウエアシステムのようなソフトウエア及び/又はハードウエアシステムに排気流量を制御する方法を物理的に組み込むことで実施され得る。
【0096】
従って、本発明によれば、排気流量を制御する方法、システム、及びコンピュータプログラム製品が提供されることは明らかである。多数の実施形態に関して本発明を説明してきたが、多くの代替え、変更及び変形が当業者に明らかであろう又は明らかであることが分かる。従って、出願人は、本発明の精神及び範囲内のかかる全ての代替え、変更及び変形を包含しようとするものである。
【0097】
付録A 略語、頭字語及び用語
AS:器具の状態(例えば、AS=1;調理状態、AS=2;アイドル状態、AS=0;停止状態)
BD:平衡ダンパー
BDP:平衡ダンパー位置(例えばBDP=0;閉成;BDP=1;開放)
BDPdesign:フード計画気流Qdesignに相当する平衡ダンパー位置
VFD=VFDdesignで達成される
DCV:要求時制御換気
dTcook:器具がアイドル状態、AS=2にあるとIRセンサーが判断する時のTspace上方の予め設定した温度
dTIR:IRTとTspaceとの温度差(例えば、dTIR=IRT−Tspace)
dTIRcal:各IRセンサー対する最初の校正処理中にメモリーに記憶されたdTIR
dTIRmax:IRセンサーを清掃し校正し直す必要があることを表す絶対差|dTIR−dTIRcal|の予め設定した閾値
dTspace:フードの下方の“全ての器具”が停止状態にあると調理器具の状態が解釈する際のTexとTspaceとの予め設定した温度差(例えば、AS=0)。例としての省略時値(既定値)は9°Fである。
FRT:器具の調理面の輻射温度の変動
i:フード番号に相当するインデックス.
ITR:赤外線センサー温度読取り値 °F
IRTmin:最低温度読取り値、この値以上でIRセンサーは器具の状態をアイドル状態(例えば、AS=2)として検知する。IRTmin=Tspace+dTcook
kAirflowDesign:排気流の質量比。DCVを備えたフードに対する実際の総気流対総計画気流
Kf:フード排気流を計算するのに用いたフード係数
kFiltereClogged:目詰まりしたフィルタ検知する閾値気流係数、既定値1.1
kFiltereMissing:フィルタの不調(紛失)を検知する閾値気流係数、既定値1.1
Kidle:アイドル後退(セットバック)係数、Kidle=1;Qidle/Qdesign
M:フード排気流、lb/h
Mdesign_tot:DCVシステムを備えたキッチンにおける全てのフードについての総計画排気流、lb/h
n:フードにおけるIRセンサー番号に相当するインデックス
Patm:大気圧、インチHg
PsDesign、inchesWC:全てのフードを校正し、計画気流Qdesignで運転している主排気ダクト内の最低静圧
Q:フード排気流、cfm
Qdesign:フード計画気流、cfm
Qdesign tot:DCVシステムを備えたキッチンにおける全てのフードについての総計画排気流、cfm
Qdesigni:単一排気ファンに接続した多数のフードについての校正処理中に必要な新たなフード計画気流、cfm
Qidle:フード下方の全ての器具がアイドル状態にある時のアイドルにおける予め設定したフード気流(不調によりQidle=0.8・Qdesign)
Qtot:DCVシステムを備えたキッチンにおける全てのフードについての総排気流、cfm
TAB:フードにおけるテスト及び平衡操作ポート。圧力変換器は圧力差を測定しフード排気流を計算するTBAポートに接続される。
Tex:フード排気温度
Tex_min:器具の状態がアイドル状態、AS=2として検知される際の最低排気温度
Tfire:フューズリンク温度 °Fに近い排気温度の予め設定した限界。Tex≧Tfireの時には,火災警報が発令される。
TimeCook:予め設定した調理時間、不調によりTimeCook=7分
TimeOR:取消し時間、フードにおいて取消しボタンを押した時にフードの気流が計画レベルQ=Qdesignに維持される時間間隔、不調によりTimeOR=1分
Tmax:予め設定した最高フード排気温度、この温度ではフードは計画排気流で動作する。
Tspace:空間温度、°F
VFDdesign:Qdesignに相当するVFD設定値(VFD=1;ファン全速で運転;VFD=0;ファン停止)
VFDidle:Qidleに相当するVFD設定値