(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の貝殻で二枚貝軟体動物を保持するためのホルダであって、前記軟体動物は、前記第1の貝殻および第2の貝殻を含む一対の貝殻、ならびに前記貝殻に付着した閉殻筋を有する、ホルダと、
切刃であって、前記第2の貝殻から前記閉殻筋を切断するために、前記軟体動物と接触状態にない第1の位置から、前記切刃の少なくとも一部分が前記貝殻同士の間に位置する第2の位置へと移動可能である、切刃と、
前記第1の貝殻から前記第2の貝殻を取り外すための貝殻取外し機構と、
前記切刃の移動および前記貝殻取外し機構の作動を制御するための制御装置であって、前記制御装置は、前記切刃を前記第2の位置に留まらせることにより、前記第2の貝殻から切断された前記閉殻筋を前記貝殻取外し機構による損傷から保護する、制御装置とを備える、装置。
前記切刃の前記部分は、前記切刃が前記第1の位置から前記第2の位置に移動される際に、前記第2の貝殻の内部表面に接触し、この内部表面伝いに移動する、請求項1に記載の装置。
前記切刃の前記部分は、前記切刃が前記第1の位置から前記第2の位置に移動される際に、前記第2の貝殻の前記内部表面と接触状態で、前記貝殻の一方または両方の中に切断により形成された開口を通して挿入される、請求項8に記載の装置。
前記貝殻は、蝶番でさらに連結され、前記打撃要素は、前記打撃要素が前記第1の位置から前記第2の位置に移動される際に、前記蝶番の長手方向軸に対して斜め方向に前記第2の貝殻を打撃する、請求項2に記載の装置。
前記ホルダは、前記切刃が前記第1の位置に戻った後に、前記切刃により前記第2の貝殻から前記閉殻筋を切断し、前記貝殻取外し機構により前記第1の貝殻から前記第2の貝殻を取り外すように、前記軟体動物が前記切刃および前記貝殻取外し機構に対して配置される第1の位置から、前記切刃および前記貝殻取外し機構から離れた第2の位置に移動可能である、請求項1に記載の装置。
前記制御装置は、金属プレートおよび近接センサを備え、前記金属プレートおよび前記センサは、前記ホルダが第1の位置に位置する際に前記センサが作動されるように、前記ホルダに対して配置される、請求項14に記載の装置。
一方の貝殻が取外し済みの二枚貝軟体動物を保持するためのホルダであって、前記軟体動物は、前記ホルダにより保持されることとなる残りの貝殻、ならびに前記残りの貝殻に付着する閉殻筋および内臓を有する、ホルダと、
前記内臓の方向に空気流を向けるように前記ホルダに対して配置された空気出口と、
前記空気出口を介して前記内臓の方向に空気噴射を供給するための、前記出口に結合された空気供給源と、
前記残りの貝殻から前記内臓を引っ張るための真空吸入口であって、初めに第1の方向におよびその後第2の異なる方向に前記残りの貝殻から前記内臓を引っ張るように、前記ホルダに対して配置された、真空吸入口と
を備え、
前記ホルダは、前記真空吸入口の上方において前記内臓を反転位置に保持する、装置。
前記空気出口は、前記残りの貝殻の内部表面上に前記空気流を向けることにより前記空気流を前記内臓の方向に向けるように、前記ホルダに対して配置される、請求項16に記載の装置。
前記ホルダは、前記空気噴射後に、前記軟体動物が前記空気出口の近位に配置される第1の位置から、前記空気出口から離れた第2の位置に、および前記真空吸入口の方向に移動可能である、請求項16に記載の装置。
前記空気供給源を制御するための制御装置であって、金属プレートおよび近接センサを備え、前記金属プレートおよび前記センサは、前記ホルダが第1の位置に位置する際に前記センサが作動されるように、前記ホルダに対して配置される、請求項21に記載の装置。
第1の貝殻で二枚貝軟体動物を保持するための複数のホルダであって、前記軟体動物はそれぞれ、ホルダ上に供給される際には、前記第1の貝殻および第2の貝殻を含む一対の貝殻、ならびに前記貝殻に付着した閉殻筋を有する、複数のホルダと、
前記軟体動物を加工するために加工ステーション同士の間で前記複数のホルダを移動させるための駆動構成部であって、前記加工ステーションは、
前記貝殻の一方または両方の中に開口を切断により形成するための貝殻切断ステーション、
請求項1から15のいずれか一項に記載の前記装置を備える第1の筋切断/貝殻取外しステーション、
請求項16から25のいずれか一項に記載の前記装置を備える空気噴射ステーションおよび真空ステーション、および
前記第1の貝殻から前記閉殻筋を切断するための第2の筋切断ステーション
を含む、駆動構成部と
を備える、装置。
前記制御構成部は、前記ホルダに対して配置された複数の金属プレートと、前記ホルダが前記第1の筋切断/貝殻取外しステーション、前記空気噴射ステーション、および前記第2の筋切断ステーションにより軟体動物を加工するための各位置に位置する際に作動されるように、前記第1の筋切断/貝殻取外しステーション、前記空気噴射ステーション、および前記第2の筋切断ステーションのそれぞれに対して配置された、複数の近接センサとを備える、請求項28に記載の装置。
前記ホルダおよび前記加工ステーションは、前記ホルダが、前記加工ステーションにより実質的に同時に加工するための各位置に軟体動物を保持するように、互いに対して配置され、
前記制御構成部は、複数の金属プレートおよび近接センサを備え、
前記複数の金属プレートは、前記ホルダおよび軟体動物が、前記加工ステーションにより実質的に同時に加工するための各位置に位置する際に、前記プレートのそれぞれにより前記センサを作動させるように、前記ホルダおよび前記センサに対して配置される、請求項28に記載の装置。
第1の貝殻で二枚貝軟体動物を保持する複数のホルダの上に前記軟体動物を供給するステップであって、前記軟体動物はそれぞれ、ホルダの上に供給される際には、前記第1の貝殻および第2の貝殻を含む一対の貝殻、ならびに前記貝殻に付着した閉殻筋を有する、ステップと、
加工ステーション同士の間で前記複数のホルダを移動させるステップと、
前記加工ステーションにて前記軟体動物を加工するステップであって、前記加工ステーションは、
前記貝殻の一方または両方の中に開口を切断により形成するための貝殻切断ステーション、
請求項1から15のいずれか一項に記載の前記装置を備える第1の筋切断/貝殻取外しステーション、
請求項16から25のいずれか一項に記載の前記装置を備える空気噴射ステーションおよび真空ステーション、および
前記第1の貝殻から前記閉殻筋を切断するための第2の筋切断ステーション
を含む、ステップと
を含む、方法。
第1の貝殻で二枚貝軟体動物を保持するための複数のホルダを用意するステップであって、前記軟体動物はそれぞれ、ホルダ上に供給される際には、前記第1の貝殻および第2の貝殻を含む一対の貝殻、ならびに前記貝殻に付着した閉殻筋を有する、ステップと、
前記軟体動物を加工するための加工ステーションを用意するステップであって、前記加工ステーションは、
前記貝殻の一方または両方の中に開口を切断により形成するための貝殻切断ステーション、
請求項1から15のいずれか一項に記載の前記装置を備える第1の筋切断/貝殻取外しステーション、
請求項16から25のいずれか一項に記載の前記装置を備える空気噴射ステーションおよび真空ステーション、および
前記第1の貝殻から前記閉殻筋を切断するための第2の筋切断ステーション
を含む、ステップと、
前記加工ステーション同士の間で前記複数のホルダを移動させるために駆動装置を用意するステップと
を含む、方法。
少なくとも前記第1の筋切断/貝殻取外しステーション、前記空気噴射ステーション、および前記第2の筋切断ステーションを制御するために制御構成部を用意するステップ
をさらに含む、請求項36に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1〜
図25は、一例のホタテガイ加工マシンおよびその種々の構成要素を図示する。
図27および
図28は、
図29〜
図32に示すようなフロート弁を備え得る一例の廃棄物処理構成部を示す。
図33は、関連する方法の一例を示す。しかし、これらの図面に記載される内容は、専ら例示を目的とするものであり、本発明は、図面に明示され本明細書で説明される特定の例の実施形態には全く限定されない点を理解されたい。マシンが、図示されるものと同様のまたは異なる態様で構成された、さらに多数の、さらに少数の、および/または異なる構成要素を備えてもよく、それと同様に、方法が、同様のまたは異なる順序におけるさらに多数の、さらに少数の、および/または異なる作業の実施を伴ってもよい。
【0038】
図1〜
図6を参照すると、これらの図面は、一例のホタテガイ加工マシン10の正面図、背面図、上面図、底面図、右側面図、および左側面図をそれぞれ示す。この例のマシン10は、ホルダ構成部12および加工ステーションを備える。図示する例の加工ステーションには、貝殻切断ステーション14、第1の筋切断/貝殻取外しステーション16、2つの空気噴射ステーション18、20、真空ステーション22、および第2の筋切断ステーション24が含まれる。ホルダ構成部12、加工ステーション14、16、18、20、22、24、ならびに種々のシールドおよびガイドが、フレーム30の上に支持される。
【0039】
作動時に、ホタテガイは、ホルダ構成部12内のホルダの上に送られる。ホルダは、第1の貝殻、例示的には下部貝殻でホタテガイを保持する。例えば吸引グリップが、この下部貝殻を比較的効果的に保持することができる。その理由は、下部貝殻は、一般的には海藻およびフジツボ目の類い等々の異物を事実上全く有さず、それにより、この吸引グリップは、貝殻に対して比較的良好なシールを確立することが可能となり、したがって比較的強力な保持力を確立することが可能となるからである。ホタテガイが、ホルダの上に送られる際には、各ホタテガイは、ホルダにより保持される第1の(例示的には上部の)貝殻および第2の(例示的には下部の)貝殻からなる一対の貝殻と、貝殻に付着した閉殻筋および内臓とを有する。駆動構成部が、加工ステーション同士の間で、ホルダ構成部12を、したがってそのホルダおよびホルダ内のホタテガイを移動させる。この例のマシン10における回転方向は、
図1に示す正面図の視点から見て時計周り方向となる。
【0040】
次に、他の図面を参照として、ホルダ構成部12および各加工ステーション14、16、18、20、22、24をさらに詳細に説明する。
【0041】
図7および
図8は、この例のホルダ構成部12の正面図および背面図である。ホルダ構成部12は、駆動構成部により車軸またはスピンドル42を中心として回転され、図示する例においては吸引グリップの形態の複数のホルダ44と、割り出しピン43とを担持する。割り出しピン43は、ホルダ44上へのホタテガイの適切な配置を容易にし、さらに、以下で説明するような加工の際にホルダ内でホタテガイが回転するのを防ぐための停止部を形成する。
【0042】
図8においてさらに明瞭に示すように、この例のホルダ構成要素12における各吸引グリップ44は、ベンチュリ構成部46を備え、このベンチュリ構成部46は、結合部48、52および空気チューブ50を備え、ベンチュリノズルを収容するハウジング56が、この空気チューブ50を介して空気源または真空源に結合される。それぞれ個別の空気源または真空源を、これらの吸引グリップ44に対して設けることが場合によっては可能であるが、全てのベンチュリ構成部46が、単一の圧縮機などの1つの空気源から圧縮空気を供給されることも場合によっては可能であり、または、最終的に同一の真空源に結合されることも可能である。一実施形態においては、全てのベンチュリ構成部46が、ホルダ構成部12内の中央空洞部および車軸またはスピンドル42中のボアを介して、空気源または真空源に結合される。
【0043】
1つの可能な実装形態においては、標準的なスイベルエアコネクタを用いて連結された被動スピンドル42に対して、単一の中圧(約60psi)空気供給がなされる。中空スピンドル42は、圧力が中空ハブ内に逃げることが可能となるように、ハブ41の区域の内部に横ボア穴を有する。ハブ41は、二重の標準的なOリングシールによりスピンドル42に対してシールされる。したがって、ハブ41は、ベンチュリ構成部46への供給を行う空気送出チャンバとなる。このようにすることで、各ベンチュリ構成部46にかかる空気圧は、実質的に継続的なものとなり、また、ホタテガイの貝殻によってホルダ44の1つまたは複数または全ての中のいずれが塞がれるかに関わらず、ベンチュリ構成部46にほぼ同一の空気流が供給されるという意味において、個別的なものともなる。重要な作動上の成果は、真空力または吸引力が、各ホルダ44の手前においてではなく、各ホルダ44のまさにその位置である使用箇所にて生成される点である。
【0044】
この例の実装形態においては、圧縮空気のみが、作動流体として、スピンドル42を経由してホルダ構成部12へと送られる。このタイプの「流れ設計」は、貝殻とホルダ44との間における幾分かの漏れを想定しており、ホルダの中の1つまたは複数が貝殻を保持していない場合であっても作動することが可能となる。
【0045】
参照番号54は、ベンチュリ構成部46の入口または出口を指す。ベンチュリ構成部46が真空源に結合される場合には、開口54は入口として機能し、ベンチュリ構成部が圧縮空気源に結合される場合には、開口54は出口として機能する。いくつかの実施形態においては、ハウジング56内のベンチュリノズルは、指向性のものであり、この例においては、ベンチュリノズルは、真空源実装体および圧縮空気源実装体に対して逆方向に配向されることとなる。いずれの例においても、開口54と結合部48との間の空気流が、吸引グリップ44にて吸引力を生成する。吸引グリップ44は、図示する例における空気流に対して実質的に垂直である方向の空気流経路へと結合される。開口54は、ベンチュリ構成部46内の空気流を変更させることが可能な制御箇所をもたらす。例えば、開口54が出口として機能する場合に、開口54を塞ぐかもしくは開口内に空気噴射を注入することにより、または、開口54が入口として機能する場合に、この開口に真空力を印加することにより、ベンチュリ構成部46を通過する空気流量が低減され、したがってホルダ44により保持されるホタテガイの貝殻に対する吸引力が低下する。このタイプの空気流制御は、加工の完了時には、貝殻を保持解除する機構を形成する。
【0046】
この例の加工マシン10のいくつかの加工ステーションは、連続的に作動することができる一方で、他の加工ステーションには、1つまたは複数の制御装置を設けることが可能である。例えば、貝殻切断ステーション14および真空ステーション22は、貝殻切断ステーションの切断機構および真空ステーションが結合される真空源が速度に追いつく際のサイクル時間の遅延を回避するように、連続的に作動され得る。いくつかの実施形態においては、少なくとも第1の筋切断/貝殻取外しステーション16、空気噴射ステーション18、20、および第2の筋切断ステーション24は、ホタテガイが各ステーションに適切に位置決めされる際には、断続的に作動される。
【0047】
また、これらの連続的なまたは断続的な作動のコンテクストにおいては、全プロセスを、連続的にまたは断続的に回転するホルダ構成部12を用いて実施することも可能である。しかし、ホルダ構成部12を連続回転させることにより、ホタテガイのスループットをさらに高め、例えば機械的割り出し装置または電気的割り出し装置などを用いた断続作動駆動装置ではなく連続駆動モータを使用する結果としてマシン全体の複雑さを低下させ、断続駆動装置に伴う始動/停止の加速および衝撃が回避されることによって磨滅を低下させることが可能となる。
【0048】
いくつかの可能な制御装置構成部は、例えば、磁石および1つまたは複数の磁気作動スイッチ、または近接センサおよび金属プレートを伴う。磁石、例示的には永久磁石は、制御されたステーションによりホタテガイを加工するための各位置にホルダが位置する際に、磁石が磁気作動スイッチを作動させるように、第1の筋切断/貝殻取外しステーション16、空気噴射ステーション18、20、および第2の筋切断ステーション24のそれぞれに対して配置された磁気作動スイッチと相互作用するようなホルダ44に対する位置にて、ホルダ構成部12に対して装着され得る。このようにすることで、ホタテガイが、制御されたステーションにより加工するための位置に来ると、そのステーションのスイッチが、ホルダ構成部12上の磁石により作動される。これらのスイッチは、フレーム30(
図1)に対して、または制御されるステーションの構成要素に対して取り付けることが可能である。これらのスイッチはいずれも、代替的にホルダ構成部12に取り付けることが可能であり、これらの磁石はいずれも、フレーム30または他の構成要素に取り付けることが可能である点を理解されたい。
【0049】
ホルダ44および少なくとも制御される加工ステーション16,18、20、24が、ホルダがこれらの加工ステーションにより実質的に同時に加工するための各位置にホタテガイを保持するように、互いに対して配置される場合に、適したものとなり得る別の可能なオプションは、複数の磁石と、1つのみの磁気作動スイッチとを有し、それにより、制御される全てのステーションにおいて加工動作を作動させる。例えばホルダ44および制御される加工ステーション16,18、20、24の間の間隔が均等であることにより、1つのホルダおよびそのホタテガイが、制御される加工ステーションの1つによって加工するための位置にある場合には常に、他の3つのホルダもまた、それらの他の3つの制御される加工ステーションによって加工するための位置にホタテガイをやはり保持している。このタイプの構成により、4つの全ての制御される加工ステーションを同時に作動させることが可能となり、したがって単一のスイッチを使用することが可能となる。
【0050】
より一般的には、単一のスイッチまたは複数のスイッチもしくはセンサ(近接センサなど)を設け、ホルダ構成部12上の磁石またはプレートによって適時(または複数の適時)に作動させることが可能である。
【0051】
図1を参照すると、ホルダ構成部12は、回転されることにより、加工ステーション16,18、20、22、24間においてホタテガイを移動させる。この例の加工マシン10および
図1に示す図においては、回転方向は、時計周り方向であり、ホタテガイは、ホルダが12時位置すなわち頂部中心位置を通過する際に下部貝殻がホルダ上に位置する状態で、ホルダの上に送られる。一実施形態においては、手動送りが用いられ、割り出しピン43(
図7および
図8)が、ホルダ上へのホタテガイの適切な配置を補助する。
【0052】
一実施形態においては、ホタテガイは、ピン43が蝶番と貝殻曲線輪郭部との間の角に位置するように配置される。このピン位置決め特徴は、
図9において比較的明瞭に示される。ヒンジのこちらの側のこのV字切れ込み部の位置および特性は、貝殻45の内部の閉殻筋の位置の目印となり得る。ホルダ構成部12に配置されるものとしてピン43を使用することにより、他の構成要素を、ホルダ44に対して、したがって装填されたホタテガイに対して位置決めすることが可能となり、それにより閉殻筋に損傷を与えることなく効果的に切断および内臓摘出を行うことが可能となる。また、
図9は、第1の筋切断/貝殻取外しステーションにおける切刃の移動経路が、蝶番47に対して必ずしも真逆の方向である必要がないことを示す。この特徴は、閉殻筋が貝殻内で対称的に位置しない種の加工において、有用となり得る。
【0053】
さらに、自動送りが予期され、これは、加工のためにホタテガイを適切に装填するための補助としてピン43を同様に用いることが可能である。
【0054】
ホタテガイが通過する第1の加工ステーションは、貝殻切断ステーション14である。このステーションの図は、
図10に示す。視認性を高めるために、ホルダ構成部12は、
図10には図示しない。それにより、第1の筋切断/貝殻取外しステーション16、第1の空気噴射ステーション18、および真空ステーション22の視認性もまた比較的良好となっている。
【0055】
貝殻切断ステーション14では、刃62が、モータ60に結合されたスピンドル上に取り付けられる。刃62は、モータにより回転され、ホタテガイが貝殻切断ステーション14を通過する際に、切断によって各ホタテガイ中に開口を形成する。研磨切刃および歯付き切刃が、刃62として使用し得る刃のタイプの例である。歯付き刃は、一般的に、研磨刃よりも高速で切断することが可能であり、したがって、加工速度を最大限に高めるために使用することができる。一実施形態においては、刃62は、その歯が上部貝殻に衝突し、ホタテガイの下部貝殻を貫通するように回転される。これにより、貝殻が切断されるだけでなく、ホタテガイを吸引グリップから引き離す傾向をもたらすのではなく、ホタテガイを吸引グリップ44に押し付ける。
【0056】
刃62は、上部貝殻中に部分的にまたは全体的に、および場合によっては下部貝殻中にも部分的にまたは全体的に開口を切り込むことが可能である。いくつかの実施形態においては、上部貝殻および下部貝殻の両方への完全な切断がなされるが、かかる切込みが、第1の筋切断/貝殻取外しステーション16の切刃が貝殻の非切断部分により妨げられることなく開口を通り引き戻されるのに十分な大きさでさえあれば、部分的切断も実施可能となり得る。
【0057】
開口は、ホタテガイの貝殻同士の間の合わせ目に対して実質的に垂直に、またはこの合わせ目に対してある角度を成して、切断によって形成される。実質的に垂直な切断は、貝殻上の同一箇所における有角切断よりも、より少ない貝殻材質の切断を伴う。しかし、有角切断により、上部貝殻が下部貝殻に重なった状態において開口を得ることが可能となり、これは、以下に説明する第1の筋切断/貝殻取外しステーション16における切刃の案内において有用となり得る。
【0058】
モータ60は、任意の様々な様式で実装され得る。一実施形態においては、回転刃駆動システムは、完全洗浄適合性の(受動冷却された高速回転ラビリンスシールシャフト)三相ベクトル被動スピンドルの形態をとる。洗浄適合性は、船上の加工ラインなどにおいては、いくつかの設定環境においては特に重要となり得る。また、所望の刃速度および/または刃ホルダアーバおよびガード装置などの他の要素が、貝殻切刃駆動システムの選択または設計において考慮の対象となり得る。
【0059】
貝殻切断ステーション14の通過後に、各ホタテガイは、第1の筋切断/貝殻取外しステーション16に移動する。この第1の筋切断/貝殻取外しステーション16の図は、
図11〜
図15に示す。第1の筋切断/貝殻取外しステーション16は、空気シリンダ72により駆動される切刃70を備え、この空気シリンダ72は、いくつかの実施形態においては、吸引グリップベンチュリ構成部46(
図8)と同一の空気源、例示的には同一の圧縮機に最終的に結合される。切刃70は、一実施形態においてはばね鋼から作製される。打撃要素74が、同様に空気シリンダ76によって駆動され、切刃70と同様の材料から作製され得る。図示する例においては、打撃要素74は、2つの歯を有する。切刃70および打撃要素74は共に、ガイドアセンブリをさらに有する。
【0060】
例えば、この例のマシン10の多数の構成要素を
図11に図示しないことにより、第1の筋切断/貝殻取外しステーション16の視認がより容易となることが、
図1から明らかとなろう。また、モータ78およびベルト79の形態をとる一例の駆動構成部も視認可能となる。
【0061】
作動時には、切刃70は、ホタテガイと非接触状態にある第1の位置(
図11)から、上部貝殻から閉殻筋を切断するために切刃70の少なくとも一部分が貝殻同士の間に位置する第2の位置(
図12、
図13)へと移動可能である。切刃のこの部分は、上述のように貝殻切断ステーション14にて一方または両方の貝殻の中に切り込まれて形成された開口を通して挿入される。閉殻筋が上部貝殻から切断されると、打撃要素74が作動される。打撃要素74は、同様に、ホタテガイと非接触状態にある第1の位置(
図11〜
図13)から、第2の位置(
図14)へと移動可能である。この移動の際に、打撃要素74は、上部貝殻の外部表面を打撃し、下部貝殻から上部貝殻を剥ぎ取る/取り外す。下部貝殻は、ホルダ内に保持された状態に留まる。
【0062】
図12は、閉殻筋を切断すべきホタテガイが存在しない状態における切刃70の第2の位置を示す。しかし、ホタテガイの加工中には、可撓性切刃70は、上部貝殻により、
図13に示すような位置へと拘束および変形される。
【0063】
制御装置が、切刃70および打撃要素74の移動を制御して、切刃が第2の位置にある間に、打撃要素を第1の位置から第2の位置へと移動させる。したがって、切刃70は、第2の位置に留まり、それにより、上部貝殻が払い除けられる際に、打撃要素74による損傷から上部貝殻から切断された閉殻筋を保護する。
【0064】
本明細書においては、制御装置に言及したが、これは、「高度処理」制御が必要であることを示唆するものではない点を理解されたい。例えば、一実施形態においては、切刃70および打撃要素74の開ループ制御が、磁気作動スイッチおよび受動空気流制御弁を介して行われる。この場合には、切刃70および打撃要素74の作動タイミングは、ホルダ構成部12上の1つまたは複数の磁石と、磁気作動スイッチとの間の相対位置によって決定され得るものであり、さらにこの磁気作動スイッチによって、空気シリンダ72、76に対応する空気流制御弁が作動される。このタイプの実装形態は、またはホタテガイ加工マシンの他の構成要素のための制御装置構成部は、必須性を必ずしも伴うものではない。したがって、制御装置は、閉ループ制御機構、より高い高度処理制御機構、および/または電子制御機構を伴ってもよいが、必須ではない。
【0065】
いくつかの実施形態においては、切刃70は、
図12および
図13の比較から明らかなように、可撓性を有する。この場合に、上部貝殻から閉殻筋を切断する切刃70の部分は、切刃が第1の位置から第2の位置に移動される際に、上部貝殻の内部表面に接触しこの内部伝いに移動することが可能である。切刃70のこのタイプの「ワイピング」動作は、上部貝殻からの閉殻筋の取り残しの少ない切取りを可能にし、これによって、手作業による殻剥き技術よりも可食製品(または閉殻筋)の生産高を高めることが可能となる。
【0066】
切刃70は、上部貝殻の内部表面に沿って移動される際に、閉殻筋に接触し、閉殻筋の切断を開始する。平坦であるが可撓性を有する刃は、閉殻筋を切断する際に、貝殻表面から離れて進みがちになり得る。切刃70のフレア型前縁部は、切刃のこの望ましくない迷走を相殺することが可能であり、閉殻筋が切断されつつある際に上部貝殻の内部表面の方向に刃のこの縁部を押しやることが可能である。第1の閉殻筋切断が行われつつある際の上部貝殻のこの表面に向かう方向となる方向に向けて、切刃70のこの前縁部をフレア状にすることにより、切刃に対して力を印加する閉殻筋の傾向が効果的に利用されて、切刃が、上部貝殻から離れる方向にではなく上部貝殻の方向に押しやられる。
【0067】
一実施形態においては、ホタテガイは、それらの蝶番が、ホルダ構成部12の前方の方向に向き、このホルダ構成部の前方縁部と実質的に一列となるように、ホルダ構成部12の上に装填される。この例においては、切刃70は、蝶番の長手方向軸に対して実質的に垂直である方向におよび蝶番の方向に移動して、閉殻筋を切断し、打撃要素74は、第1の位置から第2の位置に移動される際に、蝶番の長手方向軸に対して斜め方向に上部貝殻を打撃する。
【0068】
上述のように、切刃70は、第2の位置において、切断された閉殻筋を打撃要素による損傷から保護する。いくつかの実施形態においては、打撃要素74は、第1の位置から第2の位置に移動される際に、切刃70の表面に実際に接触する。
【0069】
閉殻筋が切断され、上部貝殻が取り外された後には、打撃要素74および切刃70は、
図11に示すそれぞれの第1の位置へと移動されて戻ることが可能である。打撃要素74および切刃70の順序で打撃要素74および切刃70が引き戻されることにより、打撃要素が引き戻される際の打撃要素による損傷からこの筋が切刃によって引き続き保護されるため、切断された閉殻筋に対する保護がさらに得られる。
【0070】
ホルダ構成部が回転することにより、現に加工されつつあるホタテガイを保持しているホルダは、切刃により上部貝殻から閉殻筋を切断し、打撃要素により第1の貝殻から上部貝殻を取り外すために、切刃および打撃要素がそれぞれの第1の位置へと戻された後に、ホタテガイが切刃70および打撃要素74に対して配置される第1の位置から切刃および打撃要素から離れる第2の位置へと移動する。
【0071】
切刃70および打撃要素74の「作動」の全制御は、上述のように、例えば磁石およびスイッチ/ソレノイド機構、または金属プレートおよび近接センサ機構を介したものであってもよい。ホルダ構成部12が回転すると、その磁石が、磁気作動スイッチ(または複数の磁気作動スイッチ)から離れるように移動し、打撃要素74および切刃70が、戻り位置へと移動される。
【0072】
この時点における制御が、磁石およびスイッチまたは近接センサなどの他のセンサタイプによって同様に誘起されてもよい。一実施形態においては、シリンダ72、76は、切刃70および打撃要素74を作動させ、引き戻すように、両方向へと駆動される。切刃70および打撃要素74の両方向における速度は、シリンダ72、76へと続く空気送出ラインと直列状態にある手動調節式ニードル弁によって制御することが可能である。ホルダ構成部12上の磁石および空気送出ラインに結合された空気流弁を作動させるスイッチの位置は、上述の順序のように、任意の所望の順序で作動および引戻りが行われるように決定することが可能である。他の実施形態においては、さらに複雑な制御方法および機構を用いることが可能である。
【0073】
上述のように、切刃70は、第1の切断ステーション14にて切断により形成される開口を通りホタテガイの中に少なくとも部分的に挿入される。いくつかの実施形態においては、切刃70は、この開口の中に実際に案内される。
図15は、2つの要素を伴うある可能なガイド構成部を示す。一方の要素は、一実施形態においては45°で傾けられた、ホルダ構成部12の主ホイール上の斜角縁部表面71である。引き戻された切刃70は、実際に、このホイールの回転を実質的に妨げることなくこの表面71に沿って軽快に進むことが可能である。
図15に示す例における他のガイド要素は、切刃アセンブリの一部である、いくつかの実施形態においてはプラスチックから作製され得るガイドブロック73である。これらの2つのガイド要素71、73により、切刃70は、各ストロークの後に、次のホタテガイの中に切断により形成された開口の中に正確に進入するように位置決めされるようになる。
【0074】
図16および
図17は、空気噴射ステーション18、20の図である。視認性を高めるために、この例の加工マシンのいくつかの構成要素は、取り除かれている。また、
図16においては真空ステーション22が視認可能であり、
図17においては追加の構成要素が視認可能である。
【0075】
空気噴射ステーション18、20へと移動されるホタテガイは、既にその貝殻の一方が取り除かれている。したがって、このホタテガイは、残りの貝殻、具体的には下部貝殻を有しており、下部貝殻が下方に位置し、閉殻筋および内臓がこの貝殻に付着した状態で、ホルダの上に装填されている。各空気噴射ステーション18、20は、内臓の方向に空気流を向けるようにホルダに対して位置決めされた空気出口80、82を備える。図示する例においては、空気出口80、82は、この出口を介して内臓の方向に空気噴射を供給する空気供給源に結合された2つの空気ラインを保持するためのブロックの形態をとる。ノズルが、空気流をさらに向けるために、空気ラインの端部に設けられてもよい。これらの空気ライン自体は、この例示的な図をさらに複雑にするのを避けるために、図面には図示しない。
【0076】
空気出口80、82が最終的に結合される空気供給源は、吸引グリップベンチュリ構成部のために使用される同一の空気供給源であることが可能である。共用される空気供給源構成部は、あらゆる構成要素が同一の空気ラインに直接的に結合されることを示唆するものではない。様々な圧力が、例えば単一の圧縮機により異なるマニホルドまたは流量調整器を経由して様々な空気ラインに供給され得る。一実施形態においては、ベンチュリ構成部46(
図8)は、60psiで作動し、空気噴射ステーション18、20ならびに切刃70および打撃要素74を駆動する空気シリンダ72、76は、125psiで作動し、別個のマニホルドから供給を受ける。シリンダ72、76は、24vdcソレノイド弁を用いて直接的に制御し得るが、空気噴射ステーション18、20は、例えば、内臓を少なくとも緩めるのに有効な十分な高さの流量を維持するために、全流量式パイロット操作弁を用いることが可能である。
【0077】
空気出口80、82は、内臓に対して空気噴射を必ずしも向ける必要はない点を理解されたい。例えば、一実施形態においては、空気出口80、82は、残りの貝殻の内部表面上に空気流を向けることにより空気流を内蔵の方向に向けるように、ホルダに対して位置決めされる。蝶番から最遠の、および各ホタテガイの閉殻筋から離れた箇所に、空気出口80、82を位置決めすることにより、空気噴射による筋の損傷が回避される傾向がある。また、2つの空気噴射ステーション18、20は、同一箇所で内臓または貝殻に必ずしも関与するものではない点に留意されたい。2つの空気噴射ステーション18、20の一方が、単一箇所を緩め始めるために使用されてもよく、この場合には他方は、その箇所をさらに押すことが可能となり、または、空気噴射ステーション18、20は、内臓の周囲の2つの異なる箇所を緩めるために使用されてもよい。空気噴射ステーション18、20は、貝ひも/内臓の効果的な分離および閉殻筋への最小限の侵害を実現し得るように位置決めされる。
【0078】
空気流は、ホルダ内の残りの貝殻から内臓を緩める。内臓は、この空気流により膨張され、および/または貝殻から吹き飛ばされ得る。内臓の膨張は、例えば空気噴射ステーション18、20の一方または両方にて、ホタテガイの水噴射管内に1つまたは複数の空気噴射を向けることにより、達成することが可能である。このような内臓の膨張により、内臓自体を残りの貝殻から取り外すことができるか、あるいは、その後の空気噴射および/または真空ステーション22による内臓の取外しが少なくとも容易となり得る。
【0079】
空気流が、各ステーション18、20にて印加された後に、ホルダは、空気出口80、82から離れて、別の空気噴射ステーションまたは真空ステーション22であり得る次のステーションへと移動される。
図16および
図17に示す例においては、2つの空気噴射ステーション18、20が用意されるが、これは、内臓を緩めるのに有効であることが判明している。この例のマシン10における空気噴射ステーション18、20および真空ステーション22は、重力によって、保持された貝殻の表面から離れる方向に内臓が自然と引っ張られ、内臓が「ぶら下がる」ように、ホルダ構成部12の底部付近に位置決めされる。したがって、円形ホルダ構成部12は、これらの加工ステーションにて貝殻を反転させることにより、内臓除去の際に重力を利用する。
【0080】
空気噴射ステーション18、20における空気噴射の断続的放出は、上述のように、磁石およびスイッチまたは他のセンサ構成部を用いて制御されてもよい。
【0081】
空気噴射ステーション18、20では、内臓の一部および/または他の物体が、貝殻から完全に外され得る。あらゆるかかる加工残余物が、シュート84(
図17)上へと落下し、水ノズル86、88によってこのシュートから除去される。これらの水ノズルは、水源に結合されることとなり、連続水流または間欠水流を送給することによりシュート84を洗浄するために使用することが可能である。また、他の同様のまたは異なる洗浄構成部を用意してもよい。
【0082】
図18は、加工マシンのいくつかの構成要素が除去された、真空ステーション22の図である。また、第2の筋切断ステーション24も視認可能である。
【0083】
この例の真空ステーション22は、真空チューブ90、ホタテガイ残りの貝殻から内臓を引っ張る真空吸入口92、および真空源に真空チューブを結合するための結合部94を備える。真空ステーション22による加工のために位置決めされたホタテガイは、残りの貝殻に付着した閉殻筋と、空気噴射ステーション18、20にて空気流が印加されたことにより残りの貝殻から少なくとも部分的に取り外された内臓とを有する。
【0084】
真空吸入口92は、初めは第1の方向に、例示的にはホルダに対して垂直方向に、およびその後は第2の異なる方向に、残りの貝殻から引き離す方向に内臓を引っ張るように、ホルダに対して位置決めされる。図示する例においては、真空吸入口92は、真空チューブ90の側壁部中の開口として形成される。したがって、第1の方向は、この開口を通るものであり、第2の方向は、真空チューブ90の長手方向に沿って結合部94の方向に向かうものである。
【0085】
真空ステーション22の真空吸入口92は、ホルダの下方にて真空ステーション22に位置決めされることが、
図1から明らかになろう。したがって、内臓除去は、重力により支援される。残りの貝殻から緩められた内臓は、この貝殻から離れる方向に垂下し、真空吸入口92内へと引っ張られる。内臓は、真空チューブ90に進入すると、真空チューブに沿って引っ張られる。これにより、残りの貝殻から離れる方向におよび貝殻の蝶番の方向に、内臓がこの貝殻から効果的に引き剥がされる。したがって、保持構成部12内の各ホルダは、真空吸入口92の上方においてホタテガイを反転位置に保持する。図示のように、この反転位置は、ホルダの移動経路の下部にて、貝殻を水平方向に配向する必要はない。重力は、貝殻が水平方向ではない反転位置に保持される場合であっても、内臓除去を支援する。
【0086】
図19〜
図21に示すように、ホタテガイが、第2の筋切断ステーション24に到着するときには、上部貝殻および内臓は、前段の加工ステーションで既に除去されている。閉殻筋は、残りの貝殻に依然として付着している。この例の第2の筋切断ステーション24は、切刃100と、空気シリンダ/ガイド構成部102とを備える。第2の筋切断ステーション24は、第1の筋切断ステーション16の切刃アセンブリと構造的に類似のものであってもよい。
【0087】
図20および
図21に示すように、切刃100は、作動されると、ホルダ内のホタテガイの残りの貝殻の内部表面に接触し、この貝殻から閉殻筋を切断する。この時点でホタテガイの両貝殻から完全に切断された閉殻筋は、残りの貝殻から離れる方向に落下し、例えばコンテナ内に収集されるか、またはシュートもしくはコンベヤにより移動され得る。
【0088】
検出器が、ホタテガイの存在を検出するために、第2の筋切断ステーションに設けられてもよい。この場合には、切刃100は、ホタテガイが存在する場合にのみ作動させることが可能となる。これにより、切刃100は、ホタテガイが第2の筋切断ステーション24に到着するまでにホルダから落下した場合には、作動が回避される。
【0089】
図22〜
図24は、ホタテガイの貝殻を検出するためにトリップ機構を用いる一例の検出器の図を示す。これは、例えば、ホタテガイが存在しない場合に、切刃100による吸引グリップに対する損傷を防ぐのに有用となり得る。例えば、ホタテガイは、前の加工時に吸引グリップから落下している場合がある。
【0090】
図22〜
図24に示す検出器110は、ホルダ構成部12の縁部に沿って溝またはラベット表面114の中を進む単一のトリップレバー112を備える。ホタテガイが、存在し、ホルダによって保持される場合には、その貝殻は、この溝の縁部から張り出し、通過する際にレバー112をトリップ作動させる。このレバー112は、シャフト116を回転させ、シャフト116はハウジング118に進入する。このハウジング118の内部には、同シャフト116に装着された、一実施形態においては永久磁石が中に埋め込まれた別のレバーが存在する。この内部レバーは、ハウジング118の内部にやはり存在する磁気スイッチの付近において押されると、ソレノイド弁にトリガ信号を送って開かせ、第2の切刃100を作動させる。
【0091】
タイマまたは同様のラッチ/アンラッチ回路が、第2の切刃100に与えられる休止時間を制御するために用意されてもよい。代わりに、貝殻がトリップレバー112を通過し、トリップレバーが休止位置に戻る際に、第2の切刃の引戻りが、引戻り信号またはトリガ信号の喪失に対して応答することも可能である。さらに複雑な制御装置が設けられる場合には、これは、その出力関数の中の1つとなり得る。
【0092】
スクレーパ刃および洗浄流のための水ノズルなどの構成要素が、トリップレバー112のための溝または表面114を清浄に維持し、それによりこの溝または表面上の加工残余物による第2の切刃100の誤作動を回避するために、用意されてもよい。誤作動は、ホルダ、ホルダを運搬するホイールなどのホルダ構成部の他の構成要素、および場合によっては第2の切刃100に損傷を与える恐れがある。この例のマシン10においては、貝殻が排出された直後に(以下において説明するように)、および次のホタテガイがホルダ上に装填される前に、スクレーパおよび洗浄期を組み入れるための十分な余裕がある。
【0093】
第2の筋切断ステーションのためのもう1つの可能な制御機構は、磁気作動スイッチおよび検出器の両方を伴う。一実施形態においては、第2の筋切断ステーション24における磁気作動スイッチからの信号は、トリップアーム機構110からのトリガ信号と共に「AND」演算される。これは、貝殻が存在し、ホルダが刃100を過ぎた直後の位置に位置決めされる場合にのみ、第2の切刃100を作動させる。このようにすることにより、この例のマシン10のホルダ構成部が回転すると、磁気作動スイッチからの信号は下がり「AND」信号もまた下がる。この信号遷移は、第2の筋切断の後に切刃100を引き戻すために利用することが可能である。
【0094】
第2の筋切断の後に、切刃100は、引き戻される。また、加工のために別のホタテガイをホルダに装填することができるように、残りの貝殻がホルダから外されるべきである。貝殻の取外しは、第2の筋切断ステーション24または別個の貝殻取外しステーションにて行うことが可能である。ベンチュリ吸引グリップが、ホタテガイの保持のために使用される場合には、吸引グリップから空の貝殻を外すために、第2の筋切断後のある時点にて各ベンチュリ構成部内の空気流を変更することが可能である。例えば、第2の筋切断ステーション24の後のホルダ構成部12の移動経路中のある位置に位置するフレーム30上のベンチュリ出口閉塞器または圧縮空気出口(
図1)を用いて、貝殻を外すことが可能である。この場合に、吸引グリップベンチュリ構成部は、圧縮空気によって送られ、開口54(
図8)は、出口として機能する。
【0095】
このタイプの構成部120が、
図25に示される。この
図25では、連続空気流または間欠空気流を供給し得る空気ノズル122は、ホルダ構成部12が回転する際に、および各ホルダが第2の筋切断ステーション24を通過した後に、各開口54がこの空気ノズルを通過するように位置決めされる。ノズル122により供給される空気流は、各ベンチュリ構成部が通過する際に各ベンチュリ構成部内の空気流に作用し、それにより残りのホタテガイの貝殻を保持する吸引力を低下させ、貝殻がホルダから落下し得るようにする。
【0096】
開口54が入口として機能する場合には、このように構成された真空入口により、吸引力を生成する空気流が変更され、貝殻が外される。
【0097】
図26は、この例の加工マシン10による加工の様々な段階におけるホタテガイの画像を示し、このマシンおよびその様々な段階がどのような作用を及ぼすかをさらに明確にする役割を果たす。これらの画像はそれぞれ、未加工のホタテガイ(
図26A)、貝殻切断ステーション14により加工された後のホタテガイ(
図26B)、第1の筋切断/貝殻取外しステーション16により加工された後のホタテガイ(
図26C)、第1の空気噴射ステーション18により加工された後のホタテガイ(
図26D)、第2の空気噴射ステーション20により加工された後のホタテガイ(
図26E)、真空ステーション22により加工された後のホタテガイ(
図26F)、および第2の筋切断ステーション24により加工された後のホタテガイ(
図26G)を示す。
【0098】
ホタテガイを加工する際に、貝殻および内臓を含む加工廃棄物が生じる。船上に実装される場合には、貝殻は、シュート、コンベヤ、および/または他の手段を用いて船外に送ることが可能である。内臓は、さらなる難問をもたらす場合がある。
【0099】
1つの可能なオプションは、真空ステーション22にて内臓を収集し、収集コンテナを定期的に空にすることである。
図27および
図28は、真空ステーション22に結合させ得る別の可能な加工廃棄物処理構成部を示す。
【0100】
この例の加工廃棄物処理構成部150は、立て管154の頂部にブロワ152を備え、立て管154は、真空チューブ156に結合される。立て管154は、その底部にて、径違い継手および弁構成部を介して流体ライン158に結合される。真空チューブ156は、残りの貝殻から引っ張られた内臓を受けるために、
図18に示す例における結合部94を介して真空ステーションに結合される。
【0101】
作動時には、ブロワ152により、真空チューブ156を介して空気が引き込まれる。内臓は、真空チューブ156から立て管154に進入し、立て管の底部方向に、および立て管中に維持される流体コラム内へと落下する。ホタテガイ加工システムが設置されている船の既存の水ポンプシステムまたは廃水処理システムの一部であることが可能な流体ライン158が、立て管154から廃水ライン中の流体流内へとこの内臓を引き込む。この廃水ラインは、船外へと誘導される。この流体流は、さらなる廃棄物などの他の物質をさらに含んでもよい。このタイプの構成により、内臓用の収集コンテナ、ならびにこれらのコンテナに付随する中を空ける作業および他のメンテナンスの必要性が回避され、加工船上に汲み上げられた既存の水供給源が活用され得る。
【0102】
図28においてさらに明瞭に示すように、立て管154は、流体ライン158と同一サイズである必要はない。一実施形態においては、立て管は、直径が4インチであり、径違い継手151、弁153、およびT字型管継手159を介して2.5インチ径流体ライン158に結合される。また、図示する例においては、さらなる弁155、157が設けられる。弁153、155、157は、平常時には作動中に開いているが、例えばメンテナンス中にまたは廃棄物処理システムを停止するためなどに、これらの弁の1つまたは複数を閉じることも可能である。
【0103】
この例の廃棄物処理システム150においては、垂直保持チューブすなわち立て管154が、定常状態の作動真空条件下においてある特定の高さの静水頭(水柱高さ)が現れるのを可能にする機械抵抗を有する。真空チューブ156が、真空チューブ自体の中において、またはこのチューブが結合される真空ステーションの入口にて、内臓の存在により瞬間的に塞がれた場合には、真空チューブを介して引き込むことが可能な空気の量が低下し、立て管154の内部の空気圧が低下し、静水頭の高さが上昇する。殆どの実装形態においては水となり得る補給流体は、流体ライン158内の定常流から立て管154内に取り込まれる。
【0104】
真空チューブ156が、このチューブを通って移動し立て管154内に付着した内臓による閉塞を解消されると、立て管154は、真空チューブを通る空気流のために再び開き、立て管の内部の空気圧が、上昇し(真空度が下がり)、立て管内における水頭が、ブロワ152により維持し得るレベルを上回り、再度下がる。これにより、径違い継手151を介した流体ラン158内の流れの中への水後退のサージが収まる。内臓は、水よりも重く、ライン158内の流体流内へと下方方向に強制的に排出されるため、径違い継手151の絞りを通り流体流中へと容易にかつ迅速に押し流されて、船外に、またはこの副産物もまた採取すべき場合には捕獲層へと放出される。
【0105】
垂直立て管154と158における流体流との間の絞りは、この事象の力学を制御するように、すなわち内臓除去の閉塞および開放のパターンの下において立て管の内部のサージが過度に小さなまたは過度に大きなものとなるのを防ぐように、サイズ設定される。また、流体ライン158内の流体圧力および流体ライン158と立て管154との間のサイズの違いは、少なくとも最小深度の頭柱が定常状態条件下において立て管内にもたらされるように、決定することが可能である。
【0106】
図29〜
図32は、システム150(
図27)などの廃棄物処理システム内に実装し得る一例のフロート弁160を示す。このフロート弁160は、
図29および
図31においては閉位置にて示され、
図30および
図32においては開位置において示される。フロート弁160は、立て管164に取り付けられる取付けプレート165を備える。真空チューブに結合される真空入口166が、図示の例においては取付けプレート165中に形成されるが、いくつかの実施形態においては、これは、例えば立て管164の一部として、フロート弁160とは別個に設けることが可能である。弁カバーアセンブリ168が、取付けプレート165の上に取り付けられ、
図29および
図30においてそれぞれ示される閉位置と開位置との間で枢動し得る。閉位置においては、弁カバー168は、取付けプレート165中の弁開口170を覆う。
【0107】
この例のフロート弁160の内部詳細が、
図31および
図32に図示される。弁カバー168は、アーム172に結合され、図示する例においては、アーム172は、次いで2つのブラケット174、176を介してフロートアセンブリに結合される。フロートアセンブリは、2つの構成要素、すなわち、図示する例においては、細長構成要素175と、立て管164の内部形状と合致し、細長構成要素を立て管内において垂直方向に維持するのを支援する形状を有する装着構成要素177とを備える。
【0108】
この例のフロート弁160は、真空チューブが長期間にわたり塞がれた場合に、立て管164内の流体柱の立位高さが最大高さを越えて上昇するのを防ぐ。この流体柱が、上述のように立て管164内において上昇すると、フロートアセンブリ175/177もまた上昇し、これにより弁が作動され、弁カバー168が
図29および
図31の閉位置から
図30および
図32の開位置へと移動する。これにより、弁開口170のカバーが除かれ、これにより、立て管164内の空気圧が上昇し(真空度を低下させることにより)、したがって流体柱のさらなる上昇が防がれる。
【0109】
フロート弁160を作動させる流体柱の最大高さは、
図31および
図32に示す内部構成要素の総重量、フロートアセンブリ構成要素175、177の浮力、弁カバー168を移動させるのに必要な力、ならびにアーム172および細長フロートアセンブリ構成要素175の長さを含む、複数の要素による影響を受ける。この最大流体柱の高さが廃棄物処理システムの平常作動時に予期される高さを上回るように設定することにより、平常作動に影響を及ぼすことなく流体柱の高さを制限することが可能となる。
【0110】
主にマシンおよびその構成要素のコンテクストにおいて上述したが、本発明の態様は、方法などの他の形態で具現化されてもよい。
図33は、本発明の一実施形態による一方法を示す流れ図である。
【0111】
この例の方法180は、ホタテガイ加工マシンの構成要素を用意し設置するタスク182を含む。これは、ホタテガイを保持するためのホルダ、ホタテガイを加工するためのステーション、および加工ステーション同士の間でホルダを移動させるための駆動構成部などの構成要素を用意することを伴ってもよい。加工ステーションは、例のマシン10(
図1)の貝殻切断ステーション、第1の筋切断/貝殻取外しステーション、空気噴射ステーションまたは複数の空気噴射ステーション、真空ステーション、および第2の筋切断ステーションなどの、上述の1つまたは複数のステーションを含むことが可能である。また、いくつかの実施形態においては、少なくとも第1の筋切断/貝殻取外しステーション、空気噴射ステーション、および第2の筋切断ステーションを制御するための制御構成部が用意される。
【0112】
上述のように、ホタテガイの存在を検出するために、第2の筋切断ステーションに検出器を設けることが可能であり、第2の筋切断ステーションに、または別個のステーションとして、貝殻取外しステーションを設けることが可能である。
【0113】
マシン構成要素の設置は、電源に電気構成要素を接続することを伴ってもよい。いくつかの実施形態においては、複数のマシン構成要素が、空気動力または真空動力を供給される。吸引グリップ実装体における各ホルダのベンチュリ構成部は、設置の際に圧縮空気源に結合させることが可能であり、少なくとも空気噴射ステーション(または複数の空気噴射ステーション)および/または真空ステーションは、同一の圧縮空気源に結合させることが可能である。
【0114】
同様に、他の実施形態においては、真空源を真空ステーションのみならず空気噴射ステーションおよび/または各ホルダのベンチュリ構成部にも結合することにより、真空源を共用することが可能である。
【0115】
マシンの設置が完了すると、184で、ホタテガイがホルダの上に供給される。184におけるマシンの実際の使用開始は、マシンの設置直後である必要はない。マシンの設置とマシンの使用との間に時間がおかれてもよい。また、マシンの構築と設置との間に遅延があってもよい。より一般的に言えば、マシンの構築、設置、および使用は、場合によってはそれぞれ異なる実施者および/またはそれぞれ異なる時期に実施され得る。
【0116】
186では、ホルダが、加工ステーション同士の間で移動されて、ホルダの上に供給されたホタテガイが加工される。
図20において186〜184への戻り経路によって示すように、ホタテガイの供給および加工は、継続的なプロセスであってもよい。
【0117】
この例の方法180は、本発明の一実施形態を例示するものである。様々な変更が可能である。例えば、それぞれ異なる集団が、マシン構成要素の供給、これらの構成要素のマシンへの組立、マシンの設置、および/またはマシンの使用を担当することが可能である。したがって、一方法の一部のみが、ある特定の集団により任意の時期に実施されてもよい。
【0118】
本発明のいくつかの実施形態は、洗浄およびメンテナンスも容易にするマシンモジュール設計を利用することにより、ホタテガイの自動加工を実現する。
【0119】
本明細書において開示するタイプのマシンは、場合によっては、1人または2人によって船上の定位置に引き上げられるかまたは車移動され、数分以内に設置され、既存の殻剥きアプローチよりも高い生産高(品質)および量で即時に作動され得る。既設の船上設備の邪魔になることも最低限に抑えられており、このマシンは、エネルギーフットプリントおよび物理的フットプリントが非常に小さい。この設計は、全体および下位部分の構造においてモジュール式であり、それによりトラブルシューティング、メンテナンス、ならびに部品の在庫および交換が容易である。
【0120】
また、モジュール設計により、実質的に同一のベースマシンを他のタイプの製品の加工に適合化することも可能となり得る。例えば、ホタテガイ、カキ、イガイ、二枚貝、等々の二枚貝軟体動物に対して様々な形状の吸引グリップを使用することにより、ホタテガイに加えて、またはホタテガイの代わりに、他の種の自動殻剥きが可能となる。船または加工設備が、例えば種々の製品を加工するために種々のタイプのホルダを有する複数のマシンを備えることも可能である。また、加工される製品に応じて、種々の加工ステーション集合体を用意することも可能である。例えば、イガイの例においては、内臓は、実際には可食製品の一部であり、したがって空気噴射ステーションおよび真空ステーションは、イガイ加工マシンには設置されなくてもよい。イガイは、調理されると、それらの貝殻が開くので、したがって調理済みイガイを加工するためのマシンは、貝殻切断ステーションを備えなくてもよい。これらのオプションは、種々の種を加工するためにモジュール加工マシンをどのように適合化させ得るかを例示として示すこと目的とするものである。ナイフ刃の形状およびサイズは、やはり、それぞれ異なるタイプの製品について異なることが可能である。他のタイプの適合化が、当業者には明らかであろう、または明らかになろう。
【0121】
設備エンベロープ全体は、加工船が、複数の完全に使用可能な予備のマシンを搬送し、故障、プロセスの増減、メンテナンス上の問題等々に対処するために拡張可能な生産ラインでまたは拡張可能な生産ラインから外れてそれらのマシンを交換することが可能となるのに十分な小ささのものである。また、マシンは、平行に配置することも、または鉛直方向に積み重ねることも可能であり、生産高を上昇させるために同時に作動させることが可能である。
【0122】
既説の内容は、本発明の実施形態の原理の適用例を単に例示するものに過ぎない。当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の構成および方法を実装することが可能である。
【0123】
例えば、この例のマシン10は、垂直方向に配向されたホイールの形態のホルダ構成部12を備えて実装される。別の実施形態においては、水平方向のホイールを使用することが可能であり、これにより、ホタテガイのより容易かつより確実な自動装填が可能となり、したがってさらに高いスループットを得ることが可能となる場合がある。また、水平方向の配向は、サイズ制限が低く、垂直方向の配向よりも広範囲のホタテガイサイズに対応することが可能となり得る。
【0124】
また、比較的小さな(または比較的好都合な)全体的形態という要素において同一の目的を達成する線形チェーンコンベヤ式駆動を用いることにより、本発明の実施形態を実装することも可能となり得る。
【0125】
この例のマシン10は、当業者にはおそらく明らかであるかまたは明らかになり得る追加の特徴を備えてもよい。例えば、「機械的ヒューズ」またはクラッチ機能により、ホルダを担持するホイールが比較的低い圧力下において回転を停止することが可能になるようにしてもよい。これは、例えば、何かが詰まった場合に製品、マシン、もしくはオペレータに対する損傷を防ぐのに、または、一方の手でホルダにホタテガイを装填する際にオペレータが他方の手でホイールを即座に停止することを可能にするのに、有用となり得る。この例のマシン10においては、この機能は、駆動ベルト79(
図11)を滑動させることにより本来的に備わったものとなり得る。この滑動圧力は、ベルト張力およびベルト79によりスピンドル42(
図8)が駆動され得るようにするために使用される駆動継手のタイプなどのパラメータにより決定される。また、磁気スリップクラッチなどの他のタイプのクラッチ構成部も予期される。
【0126】
他の予期される変更は、第1の筋切断/貝殻取外しステーションにおける打撃要素のサイズ、ガイド、および移動角度または移動経路に関するものである。
【0127】
例えば、このステーションの切刃は、上述のようにホタテガイの貝殻の内部表面伝いに移動することが可能となるように、ばね鋼から作製されてもよく、その一方で、打撃刃は、さらに剛性の材料から作製することが可能である。切刃用のガイドブロックは、一実施形態においてはプラスチック製であるとして上述した。このガイドブロックは、別の実施形態においては、ばねステンレス鋼片である。
【0128】
打撃要素の移動角度または移動経路に関しては、第1の筋切断/貝殻取外しステーションの切刃および打撃要素は、詳細に上述した実施形態においては、異なる移動経路を有する。他の一実施形態によれば、打撃要素は、切刃と同一のガイドスロットをそのまま通って移動する。これにより、打撃要素の前縁部が、ホタテガイの貝殻中に切断により形成された開口の縁部に進入するか、または少なくとも係合することが可能となる傾向が得られる。打撃要素は、初めの接触後に貝殻の外部および上でたわめられるのではなく、より高い制御が可能な態様で貝殻に接触するので、貝殻取外し動作の確実性が上昇する。
【0129】
第1の貝殻を完全に取り外すのを支援するために、水噴射ノズルが、第1の筋切断ステーションと空気噴射ステーションとの間に加えられてもよい。このノズルは、例示的には上述の実施形態におけるホルダ構成部の軸に対して実質的に平行な方向に、連続水流を供給することができる。連続流は、ホタテガイの貝殻が保持された貝殻から少なくとも部分的に外された場合にのみ前者の貝殻に接触するように、および前者の貝殻が完全に外された場合には保持された貝殻および閉殻筋を取り除くように向けられ、それにより、閉殻筋に対して損傷が加えられるのを、またはホルダから保持された貝殻が叩き落されるのを回避させる。代替として、間欠噴射を使用することも可能である。水噴射は、例えば第1の筋切断後に打撃要素によって上部貝殻が完全にではなく部分的に外される場合には有用である。
【0130】
打撃要素および貝殻の叩き落しに関する変更例が、
図34〜
図36に示される。これらは、別の例の第1の筋切断/貝殻取外しステーションの図を含む。この例においては、切刃202および打撃要素204は、同一のガイドスロットを通り移動するものとして図示される。
図34および
図35においては、切刃202および打撃要素204は共に、引戻り位置にあり、
図36においては、これらは共に、延伸されている。切刃202は、
図36においては、この刃が第1の筋切断後に貝殻の内部にとる位置を反映した屈曲位置において図示される。上述のように、切刃202は、打撃要素204が作動される間に、切断された閉殻筋を打撃要素による損傷から保護するために延伸状態に留まる。
【0131】
また、
図34〜
図36は、打撃要素204に隣接するが、ホルダ構成部の軸に対して実質的に平行な、水噴射ライン206を示す。明示しないが、この水噴射ライン206は、ノズルを取り付けることが可能である。また、水噴射ライン206および/またはノズルの位置が、例えば加工すべきホタテガイのサイズに応じてなど、水噴射方向を変更することが可能となるように調節可能であってもよいことが予期される。
【0132】
定置バーは、ほぼ完全に外されてはいるが保持された貝殻から内臓で垂下する叩き落された貝殻を取り除くために、第1の筋切断/貝殻取外しステーションの後に加えることの可能な要素のもう1つの例である。上述のホルダ構成部の軸に対して平行な方向に延在するが、例えばホルダからラジアル方向に偏倚されたバーを使用して、垂下している貝殻を捕獲することが可能であり、この貝殻は、ホルダ構成部が移動すると、保持された貝殻から引っ張られる。これにより、垂下している貝殻が後続の加工ステーションを妨害するのが回避される。このようなバーは、ホルダが真空ステーションの方向に移動するまでに部分的に外れた貝殻を捕獲するように、例えばマシンの底部付近などに位置決めすることが可能である。このバーは、部分的に外れた貝殻の捕獲および取外しを支援するように、鋸刃縁部輪郭形状または他の縁部輪郭形状を有することが可能である。
【0133】
図27に示す例の廃棄物処理構成部においては、水が、底部から立て管154内に供給される。別の実施形態は、上述の流体柱の最大高さなどの比較的高い位置から立て管154内に水を供給するための給水構成部を備える。これにより、大量の内臓が立て管内に収集された場合でも、立て管154のより確実なフラッシングが実現され得る。
【0134】
また、
図29〜
図32に示す例のフロート弁が、設計上の変更を受けることが可能である。例えば、さらに大きな真空入口166により、さらに高速におよびさらに大量に真空圧を「解消する」ことが可能となる。これにより、立て管154内部の空気圧がさらに高くさらに高速で上昇し、したがって、真空入口166が開いた際の立て管のより確実なフラッシングが得られる。フロート弁自体は、内臓の存在に対する許容性を高めるために、図示する設計から変更することが可能である。例えば、フロートアセンブリ構成要素177の、立て管154の内部表面からの隙間がさらに大きくなった場合には、内臓は、この構成要素をより良好に通過することが可能となる。
【0135】
立て管154またはフロート弁内に大量の内臓が開固着状態になると、真空ステーションの作動に影響を及ぼす恐れがある。弁が詰まることにより、吸引力が低下し、第2の筋切断ステーションの前での内臓除去効果が低下する。これらの状況をオペレータに知らせるために、視覚的インジケータを加えることが予期される。その場合には、オペレータは、実際に廃棄物処理に関する作動上の問題を悪化させるおよび/または最終生産物の低品質化を招く恐れのある、加工するためのホタテガイの装填を継続する代わりに、廃棄物処理システムを確認することが可能となる。
【0136】
さらに単純な廃棄物処理システムもまた予期される点を理解されたい。内臓、および場合によっては他の廃棄物を、例えば1つまたは複数のホッパまたは保持タンク内に収取することが可能であり、これらのホッパまたは保持タンクは、オペレータの交代時など定期的に空にされ得る、および/または洗浄され得る。
【0137】
真空ステーションにおいては、ホルダ構成部、したがって加工されることとなるホタテガイに対する真空入口の位置の調整を可能にすることが、有用となり得る。調節可能な取付けシステムにより、真空チューブは、加工すべきホタテガイのサイズに応じて、オペレータによりホルダ構成部のさらに近くにまたはさらに遠くに移動させることが可能となる。
【0138】
ホタテガイの加工後の貝殻の保持解除については、例えば、貝殻の保持解除の確実性を向上させるために、空気流をさらに大きな度合いでおよび/またはさらに長い期間にわたり変更することにより、例示的には、保持解除ステーションの空気ノズルのサイズおよび/または形状を変更することにより、ベンチュリ構成部における空気流が変更される態様を変えることが可能である。
【0139】
追加的な変更もまた予期される。上述のように、この例のベンチュリホイール12は、ホルダ構成部の可能な一実施形態を示す。他の実施形態においては、ホイールタイプのホルダ構成部が、例えば
図1において示す8つよりも多いまたは少ないホルダを備えることが可能である。
図37は、本発明の別の実施形態によるホタテガイ加工装置210を示す、
図38は、ホルダ構成部212を詳細に示す。この例のホルダ構成部212は、先の例のホルダ構成部12における8つのホルダの代わりに16個のホルダを備える。16ホルダ構成部212は、8ホルダ構成部12よりもさらに低速で回転させつつ、依然として同一個数のホタテガイの加工を行うことが可能である。これにより、ホルダが比較的低速で移動していることによって、各ホルダ上へのホタテガイの装填が幾分か楽になり得る。この例のホルダ構成部212における異なる個数のホルダに対応するために、空気供給圧力および/または空気供給流などの他のパラメータを調節することが可能である。
【0140】
また、
図7と
図38との比較から、この例のホルダ構成部212は、先の例のホルダ構成部12の割り出しピン43を備えないことが明らかになろう。割り出しピン43は、いくつかの実施形態においては設けられるが、これらのピンは、オプションである。ホタテガイが、割り出しピン43によって設定されるより正確な配向ではなく、ほぼ同一の配向に配置させることが可能である場合には、各ホルダ上へのホタテガイの装填は、さらに高速になり得る。
【0141】
また、この例のホタテガイ加工装置210は、真空ステーション222に衝撃センサを備える。
図39〜
図41は、真空ステーション222の図を示し、追加の要素は、真空入口92と真空源との間に設けられる
【0142】
図示のように、T字型管228が、チューブまたはホース230を介して真空源に真空ステーション222を結合させるために使用される。T字型管228(
図40および
図41を参照)の内部には、磁石232を担持する刃226が存在する。刃226は、キャップ224に固定される。キャップ224は、刃アンカまたは刃取付け部へのアクセスを与えるために、開口を備える。作動中には、この開口は、空気漏れを回避するために覆うことが可能であり、これにより、真空ステーション222の作動に影響を及ぼすことが可能である。
【0143】
T字型管228は、
図39においては図示されるが、この例の衝撃センサの内部構成要素をより明確に示すために、
図40および
図41においては図示されない。この要素は、例えば変性白色ポリ塩化ビニルT字型管などとして実装することが可能であり、
図39に示すように、真空ステーション222の作動中には定位置に位置する。
【0144】
この例の衝撃センサの作動は、
図40および
図41においておそらく最良に示される。これらの図面内のリング形状(トロイド状)物体は、真空ステーション222から真空源の方向に引き込まれた内臓を表す。ホタテガイの貝殻から除去された内臓は、刃226、例示的には金属刃に衝突し、T字型管228の壁部の方向にこの刃および磁石232を押す。これにより、磁石232は、T字型管228の外部に、例示的にはT字型管228の外壁部の上に取り付けられたリードスイッチにさらに近づけられ、このスイッチを作動させる。次いで、内臓が、刃226から離れて落下し、真空源および廃棄物管理システムの方に移動し続ける。
【0145】
このようにして、信号が、リードスイッチからラッチ継電器に送られて、内臓が真空ステーション222のホタテガイの貝殻から除去されたこと、および貝殻および肉が存在する可能性があることが示唆され得る。次いで、第2の筋切断ステーションの切刃が、上述のように、ホルダ構成部212の外周部の周囲のタイミング磁石により作動され得る。衝撃が全く感知されない(すなわち内臓流がない)場合には、ラッチングは生じず、第2の筋切断ステーションの切刃は作動しない。また、いくつかの実施形態においては、衝撃センサからの信号は、貝殻ならびにその内臓および肉がある場合に、それらがホルダ内に留まり、オペレータの視野に入るように、貝殻取外しステーションを制御することも可能である。これにより、オペレータは、加工中に潜在的問題の視覚的フィードバックを受け、第2の加工ラウンドのためのホタテガイが保留される。多くの場合は、この加工マシンによる第2のサイクルによって、頑固にこびりついた内臓が除去されるが、除去されない場合には、オペレータは、異常が存在する可能性の明確な示唆を受ける。また、内臓および肉の両方が真空ステーション222の前に貝殻から外れている場合などには、ホルダ内に残った一連の空の貝殻が、加工サイクルにおいて問題が存在することをさらに容易に示唆するものともなり得る。
【0146】
また、真空ステーション222における正常な内臓除去に基づく第2の筋切断ステーションの制御により、内臓を依然として含む保持された貝殻から切断される閉殻筋の個数を実質的に低減させ、それにより、製品流に内臓が入り込むことに関連する潜在的な品質上の問題に対処することが可能となる。
【0147】
真空ステーション222の衝撃センサは、トリガアセンブリまたは検出器110(
図22〜
図24)に対する可能な1つの代替形態を表す。したがって、かかる衝撃センサは、貝殻のサイズおよび/または配向の変動、ホルダ構成要素またはトリガアセンブリ要素の上における加工副産物の蓄積、等々の結果として確実性に関する問題を比較的生じさせがちとなり得るトリガアセンブリまたは検出器の代わりに実装することが可能である。
【0148】
上述のようなリードスイッチおよびラッチ継電器の実装は、衝撃センサベースの制御構成部の一例を表す。リードスイッチが、流れているホタテガイを感知すると、信号が、ラッチ継電器に送られて、このラッチ継電器により、アクティブ(ハイまたはロー)信号レベルに信号がラッチングされる。次いで、このラッチングされた衝撃センサ信号は、ホルダ位置検出信号と共にAND関数で論理結合され得る。ここでは、アクティブハイ信号は、例えば第2の筋切断ステーションの切刃の作動を制御するために使用される。次いで、ラッチ継電器は、真空ステーション222にて次のホタテガイのためにリセットされ得る。貝殻保持解除ステーションを内臓除去に基づきやはり制御すべき場合には、第2のラッチが、衝撃センサにより設定され得るか、または、例えば第2の筋切断ステーションの切刃が作動する際に、次のホタテガイが真空ステーション222による加工が可能な状態にある場合に衝撃感知信号がラッチングされた状態に留まらないように設定され得る。
【0149】
衝撃センサベースの制御は、例えば電子制御装置を用いて、他の様式で実施することが可能である。
【0150】
図46〜
図52は、本発明の他の一実施形態によるホタテガイ加工装置310の図である。ホルダ構成部312、貝殻切断ステーション314、および空気噴射ステーション318、320は、上述の他の実施形態におけるものと実質的に同一である。
【0151】
例えばステーション16のような第1の筋切断/貝殻取外しステーション316は、空気シリンダ372により駆動される刃370を備える。しかし、打撃要素の代わりに、第1の筋切断/貝殻取外しステーション316は、刃370により内臓が切断された貝殻の方に水流または水噴射を向けて、その貝殻をホルダ構成部312により保持された貝殻から取り外すための、水ノズル374、375を備える。
【0152】
刃370は、切断された内臓を、この図示の例においては刃に隣接して位置するノズル374による第1の水流または水噴射から保護するために、延伸位置すなわち作動位置に留まることができる。一実施形態においては、ノズル374は、水流または水噴射を、内臓が切断された貝殻の内部表面を捉える方向に向け、刃370は、水流と貝殻とが接触する際に切断された内臓を保護するために、延伸位置すなわち作動位置に留まる。水流のこの配向は、例えばナイフシリンダ372のシャフトの移動軸に対して実質的に平行であってもよく、または、より大まかには、ノズル374からの水流または水噴射により貝殻を開くことが可能となる方向であってもよい。
【0153】
この例の装置310においては、第2の水ノズル375は、ノズル374の「下流」に配置される。この箇所においては、内臓が切断済みの貝殻は、保持された貝殻から少なくとも部分的に取り外されるべきである。ノズル375からの水流または水噴射は、一実施形態においてはホルダ構成部312の面の実質的に全域にわたり向けられ、保持されていない貝殻が保持された貝殻から依然として取り外されていない場合には、保持されていない貝殻を捉え、保持された貝殻からの保持されていない貝殻の取外しを完了させるように、保持されていない貝殻の予想位置の方向へと向けられる。
【0154】
ノズル374、375からの水噴射は、実質的に同一のまたは異なる圧力であることが可能である。
【0155】
図面には明示しないが、第1の筋切断/貝殻取外しステーション316における水噴射または水流から装置310のオペレータを遮蔽するために、シールドを設けることが可能である。
【0156】
打撃要素74(
図11〜
図14)および204(
図34〜
図36)、ならびにノズル374、375(
図43)は、第1の筋切断の後に保持された貝殻から保持されていない貝殻を取り外すための貝殻取外し機構の例を表す。
【0157】
各空気噴射ステーション318、320は、第1の筋切断/貝殻取外しステーション316による加工後に保持された貝殻の上に留まる内臓の方向に空気流または空気噴射を向けるためのノズル380、382を備える。
【0158】
また、真空ステーション322は、他の実施形態におけるものと実質的に同一であってもよく、内臓は、真空吸入口392内に引き込まれる。しかし、この例の装置310においては、真空チューブは、ホルダ構成部の正面側から離れる方向に曲げられ、オペレータは、加工するためのホタテガイを装填するために、このホルダ構成部の正面側に立つことが可能となる。
【0159】
また、この例の装置310は、他の実施形態におけるものとは異なるタイプの検出器410を備える。検出器410は、リンク414によりシャフト416に結合されたホイール412を備える。駆動/感知構成部418が、シャフト416を駆動させてホイール412をホルダ構成部312の方向に移動させ、ホタテガイが加工ステーションによって加工済みでありホルダから取り除かれていない場合にはホルダ内の貝殻となるような邪魔な物を、ホイールがかかえているか否かを感知する。
【0160】
一実施形態においては、駆動/感知構成部418は、2つのシリンダを備える。一方のシリンダは、シャフト416の駆動を制御し、したがってホルダ構成部312に向かうおよびホルダ構成部312から離れる方向に向かうホイール412の移動を制御する。他方のシリンダは、リードスイッチを有し、このスイッチは、駆動シリンダが、ホルダ構成部312に向かう移動経路内のホイールの正面に何かが存在することにより、その完全なサイクル移動を完了できない場合に作動する。2つのシリンダは、
図48および
図49に示される。機能的には、どの順序でシリンダが配置されるかは重要ではない。一方が空気ばねまたはセンサとして機能し、他方が駆動シリンダとして機能する。一実施形態においては、
図48および
図49における右手側(比較的短い)シリンダは、駆動装置として使用され、左手側(比較的長い)シリンダは、ばねとして使用される。この駆動および感知は、一実施形態においては、他のステーションのオペレータによって、または以下に説明する制御装置などのより複雑な制御装置によってタイミングを調節され得る。
【0161】
ホイール412が、ホルダ内の貝殻により、ホルダ構成部312の方向への運動を妨げられた場合には、リンク414を介してシャフト416に対して力を加えることになり、これは、駆動/感知構成部418により、例示的には上述の第2のシリンダおよびリードスイッチにより感知されることとなる。ホルダ内に貝殻が存在しない場合には、ホイール412は、ホルダ構成部312の方向への移動経路を完全に移動し、背圧は存在せず、したがって貝殻は感知されない。次いで、第2の筋切断ステーション324の切刃400が、ホルダに対して作動されて、この切刃および/またはホルダ構成部312への損傷を回避させる。
【0162】
いくつかの例においては、保持されていない貝殻は、第1の加工サイクルにおいて保持された貝殻から取り外されなくてもよい。保持されていない貝殻が依然として定位置に存在する場合に第2の筋切断ステーション324の切刃400が作動するのを回避するために、ホイール412が少なくとも最低移動距離を移動し終えた場合にのみ保持された貝殻を感知するように、駆動/感知構成部418の感知箇所を設定することが可能である。これにより、保持されていない貝殻が取り外されていない場合には、第2の筋切断の誘起が回避される。
【0163】
検出器駆動/感知構成部の別の実施形態が、
図53に示される。上述の構成部418は、2つのピストンを備える。
図53の構成部422は、ホイール412、リンク414、およびシャフト416を備える構成部418と同一タイプの検出器に結合させることが可能であるが、空気圧回転デバイスを用いてシャフト416を回転させる。ホルダ内に貝殻が存在することにより、空気圧デバイスが回転する際のホイール412の、したがってシャフト416の第1の角度位置が変更され、第2の筋切断ステーション324の切刃を始動させることとなる。角度位置は、図示する例においては、2つの近接センサ424、426によって検出される。
【0164】
第2の筋切断ステーション324においては、切刃400およびその空気シリンダならびにガイド構成部402は、上述の実施形態におけるものとは別様に位置合わせされる。空気シリンダおよびガイド構成部402は、ホルダ構成部312と装置310の他の構成要素とを隔離するバルクヘッドの背後に配置され、延伸位置においては第2の切刃400の下方に位置することとなる収集トラフ404が、第2の筋切断の完了時に各閉殻筋を収集する。
【0165】
この例の装置310は、他の場合には、他の実施形態と構造的に類似の外観を有してもよい。しかし、
図48は、マシン310のフレームに固定された近接センサ420、および様々な制御オペレーションにおいて検出および使用され得る、ホルダ構成部312上の感知金属スラグまたは感知金属プレート421(
図47)を図示する。近接センサ420は、調節スロット423に沿って摺動することで、図示する例におけるマシン310上のトリガ箇所の微調整を可能にする。金属プレート421は、ホルダ構成部312の外周部に沿って固定される。センサは、例えば渦電流ベースセンサであることが可能である。いくつかの実施形態においては、スラグまたはプレート412により、センサは、前縁部および後縁部の両方を感知し、それに応じて装置310の作動を制御することが可能となる。421で示すような感知スラグもしくは感知プレート、またはスラグもしくはプレートのセットが、各ホルダに設けられてもよい。
【0166】
いくつかの実施形態においては、ハードワイヤード制御システムが用意される。また、マイクロプロセッサプログラマブル論理制御装置(PLC)ベースシステムなどの他のタイプの制御システムも予期される。
【0167】
マイクロプロセッサPLCベース制御システムは、加工装置の様々な側面の高度な制御を可能にし得る。例えば、遅延開始タイマおよびオンタイマが、各ステーションに設けられてもよい。これにより、ホルダ構成部312の周囲に特定の間隔で各ステーションを位置決めすること、およびホタテガイが加工のために各ステーションにおいて適切な位置に位置しているという仮定に基づき同時に各ステーションを作動させることが必要となる代わりに、各ステーションは、可能な限り最善の切断および作動へと微調整され得るようになる。
【0168】
オペレータインターフェースは、オペレータまたはメンテナンス人員に対してPLCへの「ウィンドウ」を与え得る。人員は、各ステーションに対して開始タイマおよび/またはオンタイマを見て変更するためのアクセスを有することができる。貝殻切断ステーション314におけるモータに関する実行時間、ホルダアセンブリ312用の主要駆動モータに関する実行時間、および各ナイフアセンブリに関するサイクル時間などの情報を、オペレータインターフェースにおいて表示させることが可能である。さらに、または代替的に、オペレータに対してアラームが用意されて、例えば真空圧が平常作動範囲を下回るかまたは上回る場合などに、内臓除去システムの詰まりをオペレータに知らせることが可能である。
【0169】
図54は、制御装置432に作動的に結合されるオペレータインターフェース434を備える制御システム430のブロック図である。オペレータインターフェース434は、オペレータから入力を受けオペレータに出力を与えるための様々な入/出力デバイスの中の任意のものを備えることが可能である。
図54においては直接接続されたものとして示されるが、制御装置432は、実際には、オペレータインターフェース434から離れて配置させることが可能である。オペレータインターフェース434は、例えば、装置のオペレータに対して警告および/または他の情報を表示するためのローカル構成要素と、遠隔のまたは中央のモニタリング位置に位置するリモート構成要素との両方を備えることが可能である。
【0170】
いくつかの実施形態においては、近接センサが、スラグまたはプレート420を感知するために各ステーションに設けられることにより、各タイミングサイクルを各ステーションにて正確な開始時間に調整することが可能となる。また、これらのセンサ、または追加のセンサを使用して、マシンRPMを表示するための、および/またはホルダ構成部312の回転方向を検出するためのタコメータを得ることも可能である。回転方向のこの検出は、前方回転方向のみにおけるステーションの始動を可能にするために使用することが可能である。
【0171】
いくつかの実施形態においては、ステーション316、324の各ナイフアセンブリの上において、および検出器410のための駆動/感知構成部418内において、リードスイッチが、空気シリンダ上に設置される。これにより、制御システムが、各シリンダの完全延伸位置をモニタリングすることが可能となる。完全に延伸された場合には、制御システムは、シリンダをそのホーム位置へと戻す。これらのリードスイッチを追加することにより、シリンダが、ある一定の期間後にではなく感知した条件に基づきホーム位置に戻ることが可能になることによって、各ステーションの速度が上昇する。
【0172】
制御に関するもう1つの可能な変更は、制御部を追加してステーション318、320における空気噴射を個別化することである。これにより、空気噴射は、それぞれ異なる時点に作動される、および/またはそれぞれ異なる期間にわたってオン状態に留まることが可能となる。
【0173】
いくつかの実施形態においては、それぞれ異なる空気圧が、圧縮空気を利用する各ステーションにおいて実現され得る。これは、各ステーションのための各ソレノイド弁の上の流量調整器を使用することにより実現することが可能である。これにより、各ステーションは、そのステーションでの作業に必要な量の力のみを使用するように制御され得るようになり、また、作動上の自由度が得られ、シリンダが故障する前にマシンサイクル数を上昇させるようにシリンダに対して適切な空気圧調節を行うことが可能となり得る。
【0174】
加工マシンを全体的に考慮した場合には、いくつかの他の変更には、例えば、以下のことが含まれる。
加工副産物が集まることによってマシンの作動に影響が及ぶ可能性を回避するために、ホルダ構成部の下方の空間を洗浄すること。
マシンのウェット側とドライ側との間にバルクヘッドを設けること。例えば
図6を参照すると、ウェット側は正面側すなわちホイール12側となり、ドライ側はモータおよびベルト駆動装置が配置される後方側となる。
(
図53における駆動/感知構成部422の左側に示されるようにホルダ構成部用のモータ駆動装置を収容するため、密封モータマウントを使用すること。かかる密封マウントは、過酷な環境に対するモータの露出を最小限に抑えるために空気で加圧され得る。この例においては、ベルト張力は、例えばマシンフレームに溶接されたピンを中心として密封された全体を枢動させることにより調節することが可能である。
第2の筋切断後に切刃から遠くに移動しがちではない比較的大きな閉殻筋を捕獲するために、捕獲チューブまたは他の構成部の代わりに、第2の筋切断ステーションにおいて屈曲ステンレスプレートを使用すること。
肉ナイフトリガアセンブリまたは検出器110(
図22〜
図24)上の摩擦区域を開放すること。障害物は、トリガアセンブリにおける摩擦を低減させる。従来の単純な軸受の中には、摩擦生成材料(例えば海水、ホタテガイの貝殻、内臓片、等々)が詰まる恐れがある。例えば、シャフト116に対するフィット部分の外側に関する厳格な公差を維持するが、トリガユニットシャフト用のハウジング118上の外方シールの内部に内方空洞部を開口することによって、シャフトに対して摩擦が生じ得る区域が減少する。
互換性のために、第1の切刃アセンブリと同一のアセンブリとして、第2の切刃アセンブリを用意すること。第1の筋切断/貝殻取外しステーションおよび第2の筋切断ステーションの切刃のためのアセンブリが同一であることにより、異なる部品要件が減少し、設計のモジュール性が上昇する。
ダスト制御のために貝殻切刃の両面に水流を供給すること。
オペレータに対して邪魔になるのを避けるように、電気供給源、水供給源、空気供給源、および/または吸引源を経路設定すること。
貝殻が取り外された場合の貝殻の移動を阻止するようにガード/ガイド構造部を設けること。
【0175】
他の変更が、当業者には明らかであろう、または明らかになろう。