【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、上記の目的は、請求項1の構成を備えた方法によって、および、請求項20の構成を備えたネットワークによって達成される。
【0009】
請求項1に記載の通り、本方法は、前記少なくとも1つのM2Mノードが少なくとも1つのマスタ端末と関連づけられ、該マスタ端末は、前記セルラネットワーク内で該マスタ端末を一意的に識別する一意的マスタ端末ID(識別子)を有し、前記M2Mノードの認証状態が、前記マスタ端末の認証データに基づいて初期化されることにより、前記M2Mノードは、前記マスタ端末IDを用いてアドレシング可能となり、初期化された認証状態に基づいて前記セルラネットワークと直接に通信することが可能となることを特徴とする。
【0010】
請求項20に記載の通り、本ネットワークは、前記少なくとも1つのM2Mノードを少なくとも1つのマスタ端末と関連づける手段であって、該マスタ端末は、前記セルラネットワーク内で該マスタ端末を一意的に識別する一意的マスタ端末IDを有する、関連づける手段と、前記M2Mノードの認証状態を初期化する手段とを備え、該初期化が前記マスタ端末の認証データに基づくことにより、前記M2Mノードは、前記マスタ端末IDを用いてアドレシング可能となり、初期化された認証状態に基づいて前記セルラネットワークと直接に通信することが可能となることを特徴とする。
【0011】
本発明によって認識されたこととして、少なくとも1つのM2Mノードを少なくとも1つのマスタ端末と関連づけることによって、M2Mノードの簡略なアドレシングが可能となる。マスタ端末は、セルラネットワーク内で該マスタ端末を一意的に識別する一意的マスタ端末IDを有する。これにより、マスタ端末IDに基づいてM2Mノードのアドレシングが可能となる。また、M2Mノードがセルラネットワークと通信するため、M2Mノードの認証状態が、マスタ端末の認証データに基づいて初期化される。これにより、M2Mノードは、マスタ端末IDを用いてアドレシング可能となり、初期化された認証状態に基づいてセルラネットワークと直接に通信することが可能となる。このような通信を実現するために、M2Mノードは、UICCやUSIMを必要としない。結果として、マシンタイプ通信を提供するためのM2Mノードの簡略な使用が可能となる。
【0012】
M2Mノードの簡略なアドレシングのために、同じM2Mサービスを提供および/または使用する複数のM2Mノードを1つのM2Mサービス固有グループにグループ化してもよい。このようなM2Mサービス固有グループは、マスタ端末によってアドレシングされるようにマスタ端末に割り当てられてもよい。
【0013】
さらに簡略なアドレシングに関して、M2Mサービス固有グループ内のM2Mノードが同時にアドレシングされてもよい。これにより、非常に簡単なアドレシング手続きが実現可能となる。
【0014】
好ましい実施形態において、M2Mサービス固有グループ内のM2MノードまたはM2Mサービス固有グループまたは各M2Mノードが、マスタ端末IDに加えて、M2Mサービス固有識別子を用いてアドレシングされてもよい。これにより、アドレシング手続きは、マスタ端末IDおよびM2Mサービス固有識別子に基づいて、相異なるM2Mサービスに使用されるM2Mノードを区別することが可能となる。別法として、またはこれに加えて、このようなアドレシング手続きは、マスタ端末IDに加えて、自己のIP(Internet Protocol)アドレスを用いて実行されてもよい。このような場合、M2Mノードの非常に簡単で確実なアドレシングが実現可能となる。
【0015】
さらに好ましい実施形態において、M2Mサービス固有グループ内のM2Mノードに対応する少なくとも1つのM2MサービスまたはM2Mサービス固有グループ内の少なくとも1つのM2Mノードが、位置識別子を用いてホームセルに割り当てられてもよい。この位置識別子は、M2Mノードがマスタ端末とコロケートされているか、または、位置不変であると仮定されるので、M2Mノードのページングを回避するために使用されてもよい。事業者のデータベースが、サポートされるサービスのエントリを管理してもよい。換言すれば、各M2Mサービスまたはこのサービスを提供するM2Mノードが、その位置を変更しないと想定されるホームセルに割り当てられてもよい。位置識別子は、LAC(Location Area Code, 位置エリアコード)であってもよい。
【0016】
さらに好ましい実施形態において、少なくとも1つのM2Mノードが、マスタ端末の現在の位置と同一であるかまたは対応する在圏セルに割り当てられてもよい。これにより、M2Mノードは、位置識別子によって規定されるエリアおよび/または在圏セル内にあるエリアでページングされてもよい。M2MサービスのM2Mノードを簡単にアドレシングするために、特定の位置可変サービスに対してはホームセルおよび在圏セルの両方がページングされてもよく、位置不変サービスに対してはホームセルのみがページングされてもよい。
【0017】
非常に確実なMTCに関して、M2Mノードは、アグリゲーションポイント経由でセルラネットワークと通信してもよい。アグリゲーションポイントは、セルラネットワークとM2Mノードとの間のプロキシ端末として作用する。このようなアグリゲーションポイントは、ネットワークの動作を簡略化するために、複数のM2Mノードのデータを収集し転送してもよい。
【0018】
個別の状況に応じて、少なくとも1つのM2Mサービス固有グループが、スケジュールされたアクセスまたはランダムなアクセスを用いて管理されてもよい。
【0019】
確実なリソース割当を行うため、媒体アクセス層でのリソース割当が、特に少なくとも1つのM2Mサービスのために実行されてもよい。一般的に、リソース割当は、リソース配分機能とM2Mサービスとの間の抽象インタフェースを用いて実行されてもよい。
【0020】
さらに具体的な実施形態において、物理リソースへの抽象論理アクセスを提供するインタフェースがレイヤL1またはレイヤL2とレイヤ3との間に提供されてもよい。これにより、高度のフレキシビリティと、テクノロジに依存しない本発明の方法の実施が可能となる。
【0021】
さらに好ましい実施形態において、M2MノードのM2MサービスおよびM2Mサービス固有グループが、物理・媒体アクセス層(PHY/MAC層)で、または、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等のネットワーク層のような、より上位の層で、識別されてもよい。
【0022】
M2MノードによるMTCの実施をさらに簡略化するため、同じSIMが複数のM2Mノードにインストールされてもよい。
【0023】
M2Mノードとマスタ端末との非常に簡単で確実な関連づけに関して、所定のペアリング鍵を使用してもよい。このような実施態様により、自己のSIMなしでM2Mノードを使用すること、または、マスタ端末SIMを使用することが可能となる。
【0024】
特に3GPP LTE(Long Term Evolution)において、初期アタッチメント手続き中に、マスタ端末のIMSIに関連づけられた少なくとも1つのRNTI(Radio Network Temporary Identifier)が生成され、M2Mノードに割り振られてもよい。
【0025】
本発明のさらなる理解のため、本発明の重要な側面について以下でさらに説明する。
【0026】
本明細書は、GSM、UMTS、IEEE802.16または3GPP LTEのようなセルラネットワークにおいてモバイル端末(M2Mノードおよび/またはマスタ端末)のアドレシング、管理および課金を行う新規な方法を開示する。すなわち、M2Mノードは、アグリゲーションポイントやマスタ端末と定期的に通信することを必要とせずに、セルラネットワークに直接にアクセスすることができる。すべてのM2Mノードは、セルラネットワークにアクセスするために使用される1つのインタフェースを備えればよい。各モバイル端末は、IMSIのようなIDによって識別される。各M2Mノードは、自己のIMSIを必要とせず、自己のIPアドレスによって、またはサービス識別子のような他の任意の種類のアドレスメカニズムによって識別可能である。USIMを含むマスタ端末は、M2Mノードのグループに割り当てられることが可能である。それぞれの一意的IDには、ただ1つのマスタ端末が割り当てられる。さらに、マスタ端末に関連づけられたM2Mノードは、ホームセルに割り当てられることが可能であり、このホームセルは、ノードの存続期間中に変化しないと想定される。
【0027】
本明細書は、MTCのために使用されるM2Mノードを組織化する新規な方法を導入する。各M2Mノードは、マスタ端末の同じ一意的IDをM2Mノードに割り当てることによって、少なくとも1つのマスタ端末に関連づけられる。マスタ端末は、関連づけられたM2Mノードとともに、物理的に分散したデバイスを構成し、このデバイスがそのまま、モバイルサービスを提供または使用する1つの論理デバイスとして扱われる。M2Mノードの認証状態は、その存続期間において1度初期化されることが可能であり、その後、M2Mノードは、この状態に基づいてセルラネットワークにアクセスする。
【0028】
本明細書において、M2Mノードが、ネットワーク全体で一意的なアドレスを有することを必要とせずにセルラメットワークに直接にアクセすることができるように自己の認証状態を設定するプロセスを、M2Mノードの初期化という。
【0029】
ネットワークは、マスタ端末とM2Mノードとを必ずしも区別しない。マスタ端末およびM2Mノードは、同じ認証の方法および状態を用いてネットワークにアクセスする。M2Mノードが提供または使用するサービスのみによって、またはL3「ネットワーク層」以上の、より上位の層で、M2Mノードを識別することが可能である。
【0030】
各M2Mサービス(したがってこのサービスを提供するM2Mノード)は、追加的な位置識別子、例えば、位置エリアコードLACを用いてホームセルに割り当てられることが可能である。このホームセルは、変化しないと想定される。この位置識別子は、M2Mノードがマスタ端末とコロケートされているか、または、位置不変であると仮定されるので、M2Mノードのページングを回避するために使用可能である。事業者のデータベースが、サポートされるサービスのエントリを管理することができる。各サービスは、在圏セルに割り当てられてもよい。在圏セルは、そのマスタ端末の現在割り当てられているセルと同じである。ここで、位置可変および位置不変の2種類のサービスを区別することができる。実施形態において、あるサービスのノードをアドレシングするには、特定の位置可変サービスに対してはホームセルおよび在圏セルの両方がページングされ、位置不変サービスに対してはホームセルのみがページングされる。
【0031】
M2Mノードは、提供されるサービスに従ってグループ化可能である。したがって、1グループ内の複数のM2Mノードが同じサービスを提供し、ネットワークによってグループとしてアドレシングされることが可能である。すなわち、それらは個別にアドレシングされる必要がない。グループあたりのノードの個数は、ネットワークおよび事業者に公開される必要はない。したがって、各M2Mノードが、そのM2Mノードによって提供されるコンテンツを用いて、L2またはL3以上のレイヤでサービスによって区別されることが可能である。1グループ内のM2Mノードは、スケジュールに基づく方法を用いて、または、ランダムなアクセスを用いて、無線リソースにアクセス可能である。したがって、レイヤL1/L2とネットワーク層L3との間のレイヤ間インタラクションの必要性および可能性があり得る。すなわち、実際のサービス(L3以上で規定される)に基づいて、L1/L2でのリソース割当が実行される。できるだけ高いフレキシビリティを提供するため、L1/L2とL3との間のインタフェースが存在すべきである。これは、物理リソースへの抽象論理アクセスを提供する。これにより、テクノロジに依存しない実施が可能となる。
【0032】
M2Mノードは、L1/L2でのアドレス指定子または実際のメッセージの一部のみを復号することによってサービスアドレシングを取得することができる。その場合、ノードあたりに要求されるオーバーヘッドが大幅に低減される。これに対して、L3以上では、各ノードは、マスタ端末宛のすべてのメッセージを復号し、アドレシングされたサービスを取得することが可能である。
【0033】
本発明のさらなる実施形態として、マシンタイプ通信サービスにアクセスする方法およびシステムが挙げられる。この実施形態において、M2Mノードが、MTCサービスを提供または使用し、マスタ端末と関連づけまたはペアリングされるように構成される。マスタ端末は、セルラネットワーク内で該マスタ端末を一意的に識別する一意的IDを有する。関連づけは、特定のMTCサービスを提供するM2Mノードのセットが、マスタ端末IDを用いて同時にアドレシングされるように行われる。各M2Mノードは、無線アクセス層では、割り当てられたマスタ端末から区別される必要はなく、セルラネットワークにとって透過的である。各ノードの認証状態が、マスタ端末の認証データに基づいて初期化された後、セルラネットワークに対して該ノードを認証するために使用される。その後、M2Mノードは、セルラネットワークと直接に通信することが可能である。
【0034】
このような方法およびシステムは、マスタ端末IDに加えてサービス固有識別子を用いてアドレシングされるM2Mノードのグループまたは個々のM2Mノードを含んでもよい。このサービス固有識別子は、1つのマスタ端末に割り当てられアドレシングされたサービスを提供するM2Mノードのグループを識別する。
【0035】
このような方法およびシステムにおいて、割り当てられたM2Mノードに対応する各M2Mサービスは、永続的な位置識別子を用いてホームセルに割り当てられてもよい。この位置識別子は、M2Mノードがマスタ端末と結合しているか、または、位置識別子によって与えられる位置において位置不変であると仮定されるので、M2Mノードのページングを回避するために使用される。さらに、各M2Mノードは、そのマスタ端末の現在の位置と同一であるかまたは対応する在圏セルに割り当てられることが可能である。M2Mノードは、位置識別子によって規定されるエリアおよび在圏セルのみでページングされる。
【0036】
M2Mノードは、アグリゲーションポイント経由でセルラネットワークと通信してもよい。アグリゲーションポイントは、モバイル通信ネットワークと複数のM2Mノードとの間のプロキシ端末として作用し、複数のM2Mノードのデータを収集し転送する。
【0037】
媒体アクセス層でのリソース割当が、特に、各サービスに対して、リソース配分機能とサービスとの間の抽象インタフェースを用いて実行されてもよい。
【0038】
本発明は、次のような解決手段を提供する。
・各M2Mノードに対して自己のUICC/USIMを必要としない。
・各M2Mノードによって提供されるサービスの簡略な課金が可能である。
・ユーザへのM2Mサービスの簡単な割当が可能である。
・各M2Mノードおよびサービスを管理するオーバーヘッドが低減される。
【0039】
本発明は、M2Mデータを集約する中央端末(M2Mプロキシ)を必要とせずに、提供されるM2Mサービスに基づいた暗黙的なアドレシングを提供する解決手段を導入し、この解決手段により次のことが可能となる。
・提供されるサービスに基づく簡略なノードアドレシング。
・提供されるサービスに基づくノードのグループ化。
・M2Mノードの管理およびM2Mサービスの課金の簡略化。
・コアネットワーク機能とRAN(Radio Access Network, 無線アクセスネットワーク)機能との融合への手段を提供すること。
【0040】
本発明を好ましい態様で実施するにはいくつもの可能性がある。このためには、一方で請求項1に従属する諸請求項を参照しつつ、他方で図面により例示された本発明の好ましい実施形態についての以下の説明を参照されたい。図面を用いて本発明の好ましい実施形態を説明する際には、本発明の教示による好ましい実施形態一般およびその変形例について説明する。