特許第5768152号(P5768152)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5768152複数個の端末と同時に通信する無線パケット通信システムにおけるデータ送/受信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5768152
(24)【登録日】2015年6月26日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】複数個の端末と同時に通信する無線パケット通信システムにおけるデータ送/受信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/06 20090101AFI20150806BHJP
【FI】
   H04W28/06 110
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-21284(P2014-21284)
(22)【出願日】2014年2月6日
(62)【分割の表示】特願2012-544391(P2012-544391)の分割
【原出願日】2010年12月16日
(65)【公開番号】特開2014-79024(P2014-79024A)
(43)【公開日】2014年5月1日
【審査請求日】2014年3月10日
(31)【優先権主張番号】10-2009-0127310
(32)【優先日】2009年12月18日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2010-0010590
(32)【優先日】2010年2月4日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2010-0066465
(32)【優先日】2010年7月9日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】596099882
【氏名又は名称】エレクトロニクス アンド テレコミュニケーションズ リサーチ インスチチュート
【氏名又は名称原語表記】ELECTRONICS AND TELECOMMUNICATIONS RESEARCH INSTITUTE
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100096921
【弁理士】
【氏名又は名称】吉元 弘
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ジェヨン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ソク‐キュ
【審査官】 遠山 敬彦
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/109894(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/072164(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおいてデータを受信する方法であって、前記方法は、
第1のシグナルフィールド、複数の第2のシグナルフィールド及び複数のデータパケットを含む、送信器からの物理階層プロトコルデータ単位(PPDU)を、受信器によって、受信する過程を備え、
前記複数の第2のシグナルフィールドの一つに基づいて、前記複数のデータパケットの一つの長さを決定し、
時間領域内の前記PPDUの長さは、複数のデータ長のうちの最大データ長に基づいて決定され、
前記複数のデータ長のそれぞれは、前記複数のデータパケットのそれぞれの長さを示し、
前記複数のデータパケットのそれぞれは、複数の受信器のそれぞれに向けられており、
前記第1のシグナルフィールドは前記PPDUの前記長さを示し、前記複数の第2のシグナルフィールドのそれぞれは、前記複数のデータ長のそれぞれを示す、データ受信方法。
【請求項2】
前記第1のシグナルフィールドは、レガシー信号(L−SIG)フィールドである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のシグナルフィールドは、前記第1のシグナルフィールドの終端及び前記PPDUの終端との間の長さを示す、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
無線通信システムにおけるデータを受信するために構成された装置であって、前記装置は、
送信器からの物理階層プロトコルデータ単位(PPDU)を受信するように構成された受信回路と、前記PPDUは、第1のシグナルフィールド、複数の第2のシグナルフィールド及び複数のデータパケットを含み、
前記複数の第2のシグナルフィールドの一つに基づいて、前記複数のデータパケットの一つの長さを決定するように構成された処理回路と、
を備え、
時間領域内の前記PPDUの長さは、複数のデータ長のうちの最大データ長に基づいて決定され、
前記複数のデータ長のそれぞれは、前記複数のデータパケットのそれぞれの長さを示し、
前記複数のデータパケットのそれぞれは、複数の受信器のそれぞれに向けられており、
前記第1のシグナルフィールドは前記PPDUの前記長さを示し、前記複数の第2のシグナルフィールドのそれぞれは、前記複数のデータ長のそれぞれを示す、装置。
【請求項5】
前記第1のシグナルフィールドは、レガシー信号(L−SIG)フィールドである、請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記第1のシグナルフィールドは、前記第1のシグナルフィールドの終端及び前記PPDUの終端との間の長さを示す、請求項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線パケット通信、特に、近距離無線通信システムにおいて、一つの端末が複数個の端末と同時に通信しようとする時、データを送信及び受信する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線LANは、基本的に分散システム(以下、DSという)の接続点役割をするアクセスポイント(以下、APという)と、APでない複数個の無線端末(以下、STAという)からなるサービスセット(以下、BSSという)をサポートする。以下、APとAPでないSTAを通称して“端末”と呼ぶ。
【0003】
IEEE802.11n規格によると、ある端末がデータフレームを受信すると、該当データフレームが要求する応答(Ack)に対する政策によって異なるが、MAC階層での送信効率を上げるために短い時間間隔後に応答(ACK)を送信する方法をよく使用している。
【0004】
図1は、IEEE802.11規格でMAC階層のデータ送信を説明するためのタイミング例示図である。
【0005】
端末1が宛先を端末2にしてデータフレーム101を送信すると、端末2は該当するデータフレームを受信した後、予め決定されている時間である短い時間間隔(SIFS;short inter frame space)121後に応答(Ack)111を送信する。図1に示すような方法が無線LANのMAC階層でよく使用している方式である。
【0006】
一方、最近、無線LANを使用するユーザの急激な増加によって、一つのBSSが提供するデータ処理率(throughput)を増加させようとする要求が増えている。既存の無線LANでは一つの端末がある瞬間に通信することができる端末は、一つだけであるが、ギガ級以上の処理率(throughput)を提供するために、一つの端末が同時に複数個の端末と通信することができるようにする技術が研究されている。その代表的な技術が多重ユーザMIMO(以下、MU-MIMOという)技術及び多重周波数チャネル技術である。
【0007】
これらの技術を使用すると、一つの端末が独立的な複数個の通信経路を介して各通信経路別に一つずつである複数個の端末とフレームを送受信しているように動作するようになるため、一つの端末が複数個の端末に同時にデータを送ることができるようになり、結果的にBSSの処理率(throughput)を画期的に増加させることができる。
【0008】
然しながら、複数個の通信経路を同時に使用する端末の場合、使用する全ての通信経路に対して送信と受信を同時にすることができないという制約を有する。例えば、ある端末が通信経路1と通信経路2を同時に使用する場合、通信経路1では送信をし、通信経路2では受信をするのは不可である。
【0009】
無線LANで使用する全てのデータフレームは、可変長さであり、これに対する応答(Ack)、又はブロック応答(Block Ack)は、前述したように、一般的にデータフレームの受信が終わった後、一定時間後に送信するようになっている。従って、複数個の通信経路を使用して複数個の端末に同時にデータフレームを送信する場合、各端末は、互いに異なる長さのデータフレームに対する受信が終わった後、一定時間後に応答(Ack)を送信するようになる。即ち、最も短い長さのデータフレームを受信した端末が応答(Ack)を送信する時点が、他の端末に送るデータフレームに対する送信が終わる以前である場合があり、該当応答(Ack)の受信が不可な状況が発生することができる。
【0010】
これに対し、図2を参照して説明する。
【0011】
端末1と端末2が存在し、端末1から端末2に互いに異なる経路を介してデータを送信すると仮定する。即ち、端末1で互いに異なる長さを有するデータフレーム2(201)とデータフレーム3(202)を送信する場合、短い長さのデータフレーム2(201)の送信が先に完了されることができる。このような場合、データフレーム2(201)の長さがデータフレーム3(202)の長さよりSIFS221ほど短い場合、端末2はデータフレーム2(201)の受信が終わった後、SIFS221後に応答(Ack)211を送信するようになる。
【0012】
然しながら、端末2が応答(Ack)211を送信する時点に、端末1はデータフレーム3(202)を送信中であるため、端末2が送信した応答(Ack)212を受信することができない受信不可区域230が発生するようになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、本発明は、前述した従来技術の問題点を解決するために、複数個の通信経路を使用する場合、各端末に送るデータフレームの長さのうち最も長いデータフレームの長さを各々の端末に知らせることができる方法を提供する。
【0014】
また、本発明は、受信端末が最も長いデータフレームの長さほどの時間が経過した後、一定時間後に応答(Ack)を送信するようにして受信不可区域が発生しないようにする方法を提供する。
【0015】
本発明の目的は、以上から言及した目的に制限されるものではなく、言及されない本発明の他の目的及び長所は、下記の説明により理解されることができ、本発明の実施例により一層明らかに理解されることができる。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に開示する手段及びその組合せにより実現可能であることを知ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一実施例に係る方法は、送信端末が互いに異なるデータを同時に送信するための方法であって、前記互いに異なるデータのうち最大長さを有するデータの長さ情報を獲得する過程;前記最大長さを有するデータの前記長さ情報を含む第1のシグナルフィールドを生成する過程;及び、前記第1のシグナルフィールドを全ての端末が受信可能に送信する過程;を含む。
【0017】
本発明の他の実施例に係る方法は、複数個の受信端末に互いに異なるデータを同時に送信する送信端末から受信端末がデータを受信する方法であって、前記各受信端末に同時に送信されるデータのうち最大データ長さを有する長さ情報が含まれている第1のシグナルフィールドを受信する過程;前記データを受信する過程;及び、前記データ受信後、前記第1のシグナルフィールドに含まれている長さの情報に基づいて前記長さ情報が指示した時間後、予め決定されている時間ほど待機した後、前記受信されたデータの応答を送信する過程;を含む。
【発明の効果】
【0018】
前述したような本発明によると、一つの端末が複数個の通信経路を用いて複数個の端末に同時にデータを送信し、それに対する応答(Ack)を受信する時、受信不可区域が発生しないようにして円滑な通信が可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】IEEE802.11規格でMAC階層のデータ送信を説明するためのタイミング例示図である。
図2】無線通信システムで複数個の通信経路を使用する場合、各通信経路別データ長さによって応答信号の重畳のため問題が発生する場合の例示図である。
図3】無線通信システムで使われる一般的なPPDUの構造の例示図である。
図4】無線LANで使用するシグナルフィールド(Signal field)の構成例示図である。
図5】本発明の第1の実施例によってPHYオーバーヘッド(overhead)全体を全ての端末が受信可能な通信経路を使用して送る場合のタイミング図である。
図6】本発明の第2の実施例によってPHYオーバーヘッドの一部は、全ての端末が受信可能な通信経路を使用して送り、残りは、互いに独立的な通信経路を使用して送る場合のタイミング図である。
図7】本発明の第3の実施例によってPHYオーバーヘッド全体を互いに独立的な通信経路を使用して送る場合のタイミング図である。
図8】本発明の第4の実施例によってシグナルフィールドを2個に分けた場合の送信タイミング図である。
図9】本発明の実施例によってL-SIG長さ(Length)を使用する場合の例示図である。
図10】本発明の実施例によってL-SIG長さとSIGのデータフレームのデータ量の長さ情報を示す場合の例示図である。
図11】本発明の実施例によってL-SIG長さとSIG Bを用いる場合の例示図である。
図12図10のような方式に各々の長さを示し、MPDU又はA-MPDUの直後にテール(Tail)をもう一回追加した構造の例示図である。
図13図11のような方式に各々の長さを示し、MPDU又はA-MPDUの直後にテールをもう一回追加した構造の例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
前述した目的、特徴及び長所は、添付図面を参照して詳細に後述され、これによって本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が本発明の技術的思想を容易に実施することができる。本発明を説明するにあたって、本発明と関連する公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要にすると判断される場合には詳細な説明を省略する。以下、添付図面を参照して本発明による好ましい実施例を詳細に説明する。図面での同じ参照符号は、同一又は類似の構成要素を示す。
【0021】
無線通信システムは、MAC階層と物理(PHY)階層からなり、各々の階層は、データの処理のために必要なオーバーヘッド情報を付加するようになる。従って、PHY階層の送信部は、MAC階層で伝達を受けたデータにPHY階層のデータ処理のための情報を付加して無線チャネルを介して送信し、PHY階層の受信部は、この情報を用いてMAC階層に送るデータを抽出する。
【0022】
この時、PHY階層で無線チャネルに出力するPPDU(PHY Protocol Data Unit)の構造は、一般的に図3の通りである。
【0023】
PHY階層で使用するオーバーヘッド情報は、大きく、シグナルフィールド(Signal field)301及びトレーニングフィールド(Training field)302に分けることができる。このうちトレーニングフィールド(Training field)302は、同期検出と無線チャネルを推定するために使われ、シグナルフィールド(Signal field)301は、MACデータ(MPDU又はA-MPDU)303を抽出するために使われる。
【0024】
現在、無線LAN規格のうち最も速いデータ率(Data rate)を提供するIEEE802.11n規格で定義しているシグナルフィールド(Signal field)の構成は、図4の通りである。
【0025】
シグナルフィールドを構成する要素のうち長さ401情報は、該当PPDUに含まれているMACデータの長さを示す情報であり、PHY階層は、抽出したMACデータと共に、この長さ情報をMAC階層に伝達するようになっている。
【0026】
本発明では、この長さ情報を用いて複数個の端末に同時に送るデータフレームの時間的な長さのうち最も長い値を各々の端末に知らせる。これを用いた通信方法に対する簡略な説明は、以下の通りである。
【0027】
複数個の通信チャネルを同時に使用して複数個の端末に同時にデータを送信しようとする端末は、各々の端末に送るデータフレームの前にPHY階層オーバーヘッドを付加する。この時、シグナルフィールドに含まれる長さ情報は、各々の端末に同時に送るデータフレームの時間的な長さのうち最も大きい値を示すようにして送信する。従って、データを受信した端末は、データフレームの受信が終わったとしても、シグナルフィールドの長さ情報ほどの時間が経過した後に応答(Ack)を送信するようにする。
【0028】
このようにすると、同時にデータフレームを受信した複数個の端末が全部同じ時間に応答(Ack)を送信することができるようになるため、既存技術を使用する時に発生する受信不可区域が発生しなくなる。
【0029】
ここで、時間的な長さを示す方法は、全ての変調及び符号化方法(MCS)に対して同じ時間単位に計算可能でなければならないため、データフレームを構成するシンボルの個数、又はマイクロ秒のような時間単位の長さを使用することができる。
【0030】
以下、本発明が適用されるPHYオーバーヘッドを付加する方法に対して説明する。
【0031】
<第1の実施例>
本発明の第1の実施例では、PHYオーバーヘッド全体を全ての端末が受信可能な通信経路を使用して送る方法を使用する。以下、図5を参照して説明する。
【0032】
図5は、本発明の第1の実施例によってPHYオーバーヘッド全体を全ての端末が受信可能な通信経路を使用して送る場合のタイミング図である。
【0033】
図5でも、前述したように、端末1が端末2及び端末3に互いに異なる長さのデータフレーム503、504を送信する場合を仮定する。
【0034】
端末1は、PHYオーバーヘッド全体を全ての端末に送信するために、シグナルフィールド501及びトレーニングフィールド502をデータフレーム2(503)及びデータフレーム3(504)の帯域又は経路を介して送信する。この時、シグナルフィールド501に含まれている長さ(Length)情報(図5に図示せず)は、データフレーム3(504)の長さが最も長いため、データフレーム3(504)の長さを指示する。即ち、シグナルフィールド501での矢印500のように長さを指示するようになる。
【0035】
その後、端末2及び端末3は、シグナルフィールド501の長さ情報を用いてデータフレーム2(503)及びデータフレーム3(504)を受信し、予め決定されているSIFS521ほど待機した後、各々のデータフレーム503、504に対応する応答信号511、512を送信することができる。
【0036】
<第2の実施例>
次に、本発明の第2の実施例に対して説明する。本発明の第2の実施例では、PHYオーバーヘッドの一部は、全ての端末が受信可能な通信経路を使用して送り、残りは、互いに独立的な通信経路を使用して送る方法を使用する。以下、図6を参照して説明する。
【0037】
図6は、本発明の第2の実施例によってPHYオーバーヘッドの一部は、全ての端末が受信可能な通信経路を使用して送り、残りは、互いに独立的な通信経路を使用して送る場合のタイミング図である。
【0038】
図6でも、前述したように、端末1が端末2及び端末3に互いに異なる長さのデータフレーム604、605を送信する場合を仮定する。
【0039】
端末1は、シグナルフィールド601を全ての端末が受信可能な通信経路を使用して送信する。また、トレーニングフィールド602、603は、各々のデータフレーム604、605のための経路を介してのみ送信される。即ち、データフレーム2(604)の検出のためのトレーニングフィールド602は、データフレーム2(604)を送信する経路を介してのみ送信される。また、データフレーム3(605)の検出のためのトレーニングフィールド603は、データフレーム3(605)を送信する経路を介してのみ送信される。
【0040】
このように送信されるとしても、シグナルフィールド601は、データフレーム2(604)とデータフレーム3(605)のうち最も長いフレームであるデータフレーム3(605)の長さ値を参照符号600のように指示しているため、端末2及び端末3は、データフレーム3(605)の長さを確認することができる。
【0041】
従って、端末2及び端末3は、長さ情報が指示する値以後に予め決定されている時間であるSIFS621ほど待機した後、各データフレーム604、605に対応する応答611、612を送信することができる。
【0042】
<第3の実施例>
本発明の第3の実施例では、PHYオーバーヘッド全体を互いに独立的な通信経路を使用して送る方法である。以下、図7を参照して説明する。
【0043】
図7は、本発明の第3の実施例によってPHYオーバーヘッド全体を互いに独立的な通信経路を使用して送る場合のタイミング図である。
【0044】
図7でも、前述したように、端末1が端末2及び端末3に互いに異なる長さのデータフレーム705、706を送信する場合を仮定する。
【0045】
図7において、トレーニングフィールド701、702及びシグナルフィールド703、704の全ては、データフレーム705、706に対応して送信される。即ち、データフレーム2(705)の経路を介しては、トレーニングフィールド701及びシグナルフィールド703が送信され、データフレーム3(706)の経路を介しては、トレーニングフィールド702及びシグナルフィールド704が送信される。
【0046】
この時、シグナルフィールド703、704は、データフレーム705、706のうち最も長いフレームであるデータフレーム3(706)の長さを参照符号700のように指示する。即ち、互いに独立的な通信経路を使用してシグナルフィールド703、704を送る場合にも、シグナルフィールド703、704に含まれている長さ情報は同じでなければならない。
【0047】
従って、端末2及び端末3は、データフレーム2(705)を受信する場合及びデータフレーム3(706)を受信する場合、データフレーム3(706)を受信し、予め決定されている時間であるSIFS721ほど待機した後、各々のデータフレーム705、706に対応する応答711、712を送信する。
【0048】
<第4の実施例>
本発明の第4の実施例では、シグナルフィールドの一部は、全ての端末が受信可能な通信経路を使用して送り、残りは、互いに独立的な通信経路を使用して送る場合のタイミング図である。以下、図8を参照して説明する。
【0049】
図8は、本発明の第4の実施例によってシグナルフィールドを2個に分け、一つのシグナルフィールドは全体に送信し、他のシグナルフィールドは各経路に分けて送信する場合のタイミング図である。
【0050】
図8でも、前述したように、端末1が端末2及び端末3に互いに異なる長さのデータフレーム806、807を送信する場合を仮定する。
【0051】
図8に示したように、全体経路を介して送信されるシグナルフィールド801は、各データフレーム806、807のうち最も長いデータフレーム807に対応する長さを指示する。これによって、前述したように、互いに異なるフレームの応答時間を確認することができるようにすることである。
【0052】
次に、トレーニングフィールド802、803は、各々、該当するデータフレーム806、807の経路を介して送信され、その以後、各データフレーム806、807の長さを指示するためのシグナルフィールド804、805が含まれる。即ち、全体経路を介して送信されるシグナルフィールド801は、最も長いデータフレームの長さを示す長さ1(810)を指示し、データフレーム2(806)に対応するシグナルフィールド804は、長さ2(811)を指示し、データフレーム3(807)に対応するシグナルフィールド805は、長さ3(812)を指示する。従って、実際データフレームの長さ810と各データフレーム806、807を各々のシグナルフィールドを用いて送信することができる。この時、シグナルフィールド2(804)に含まれる長さ情報は、時間的な長さになることもあり、データ量を示す長さ(例えば、バイト単位の長さ)になることもある。
【0053】
その後、データフレームを受信した端末2及び端末3は、データフレーム806、807のうち最も長いフレームであるデータフレーム3(807)の送信が完了された時点から予め決定されている時間であるSIFS831ほど待機した後、各々のデータフレーム806、807に対する応答(Ack)821、822を送信する。
【0054】
以上で説明した四つの実施例では、データフレームを同時に受信した端末がこれに対する応答(Ack)又はブロック応答(Block Ack)フレームを同時に送信することを例示したが、プロトコルによって、応答(Ack)又はブロック応答(Block Ack)を順次送るのも可能である。このような場合、最優先に送信する応答(Ack)又はブロック応答(Block Ack)の送信時刻は、本発明により決定され、その以後に送信される応答(Ack)又はブロック応答(Block Ack)の送信時刻は、他の方法により決定されなければならない。
【0055】
また、以上で説明した図面を用いて説明した四つの実施例で使用した送信フレームの構造は、概念的な構造である。これを実際に適用する場合には、多様な具体的形態を有することができる。
【0056】
無線LANでは、既存技術との後方互換性(backward compatibility)を非常に重要に判断するため、より発展された方法を使用する場合にも、以前の方法を使用する端末に不利益を与えてはならない。このために、新たな方法を使用するフレームの前部分に、既存の方法を使用する端末が新たな構造のフレームの長さを知ることができるように、既存方式のPHY階層オーバーヘッドを追加しなければならない。このような場合、既存方式のPHY階層オーバーヘッドのうち一つであるL-SIGに含まれている長さ情報を使用し、各々の端末に同時に送るデータフレームの時間的な長さのうち最も大きい値を示すことができる。
【0057】
フレームの長さ情報を示す方法は、何マイクロ秒又は何シンボル長さなどのように時間を基準にする方法又は、何バイト又は何ワードなどのようにデータ量を基準にする方法がある。このうちいずれの方法を使用するかによって、物理階層のコーディングとデコーディングに使用するためのテールの位置が変わらなければならない。
【0058】
これに基づき、具体的な送信フレーム構造の実施例に対し、以下の図9乃至図13のような例示図を参照して説明する。この時、LTFは、図5のように全ての端末が受信可能な通信経路を使用して伝達することもでき、図6乃至図8のように各々の端末のみが受信可能な通信経路を使用して伝達することもできる。
【0059】
図9は、本発明の実施例によってL-SIG長さを使用して最も長いデータフレームの時間的な長さのみを示す場合の例示図である。
【0060】
図9を参照すると、互いに異なるMPDU又はA-MPDU902、912が送信される場合であり、以下の説明ではMPDUと仮定して説明し、各MPDU902、912は、互いに異なる長さを有すると仮定する。
【0061】
このように互いに異なる長さを有するMPDU902、912を複数個の端末に同時に送るフレームの終端位置を合わせなければならないため、差のある部分をMAC階層とPHY階層でパッド(Pad)を挿入しなければならない。即ち、MPDU1(902)の後にMACパッド1(903)を挿入し、以後にPHYパッド1(904)を挿入し、最後にテール1(905)が付加される。ここで、サービス(Service)1フィールド901は、PHY階層のスクランブルシード(Seed)を知らせるためのフィールドである。また、MPDU2(912)の後にはMACパッド2(913)を挿入し、以後にPHYパッド2(914)を挿入し、最後にテール2(915)が付加される。ここで、サービス2フィールド911は、PHY階層のスクランブルシードを知らせるためのフィールドである。
【0062】
また、前述したように互いに異なるMPDU902、912のうち最も長い長さによって全体長さ情報を知らせるための情報は、L-SIG900で長さ値を用いて参照符号910のように送信することができる。この時、L-SIG長さ値をそのまま時間的な長さに使用することもでき、ある付加的な方法によりL-SIG長さ値を時間的な長さに換算することもできる。
【0063】
図10は、本発明の実施例によってL-SIG長さを使用して最も長いデータフレームの時間的な長さを示し、SIGに各々の端末に送るデータフレームのデータ量の長さ情報を含ませた場合の例示図である。
【0064】
図10を参照すると、互いに異なるMPDU又はA-MPDU1012、1022が送信される場合であり、以下の説明ではMPDUと仮定して説明し、各MPDU1012、1022は、互いに異なる長さを有すると仮定する。
【0065】
このように互いに異なる長さを有するMPDU1012、1022を複数個の端末に同時に送るフレームの終端位置を合わせなければならないため、差のある部分をMAC階層とPHY階層でパッドを挿入しなければならない。即ち、MPDU1(1012)の後にMACパッド1(1013)を挿入し、以後にPHYパッド1(1014)を挿入し、最後にテール1(1015)が付加される。ここでサービス1フィールド1011は、PHY階層のスクランブルシードを知らせるためのフィールドである。また、MPDU2(1022)の後にはMACパッド2(1023)を挿入し、以後にPHYパッド2(1024)を挿入し、最後にテール2(1025)が付加される。ここで、サービス2フィールド1021は、PHY階層のスクランブルシードを知らせるためのフィールドである。
【0066】
また、前述したように互いに異なるMPDU1012、1022のうち最も長い長さによって全体長さ情報を知らせるための情報は、L-SIG1000で長さ値を用いて参照符号1030のように送信することができる。また、各MPDUの情報は、SIGフィールド1001で各々のMPDU1012、1022をSIG長さ1、SIG長さ2のように指示することができる。
【0067】
このように図10の構造を有する場合、受信端末のPHY階層は、受信されるフレームの長さほどのデータのデコーディングが終わった後、端末の受信機能をオフ(OFF)させることができるため、使用電力を節減する効果を付随的に有することができる。
【0068】
図11は、本発明の実施例によってL-SIG長さを使用して最も長いデータフレームの時間的な長さを示し、各々の通信経路に含まれるSIG Bに各々の端末に送るデータフレームのデータ量の長さ情報を含ませた場合である。
【0069】
図11を参照すると、互いに異なるMPDU又はA-MPDU1112、1122が送信される場合であり、以下の説明ではMPDUと仮定して説明し、各MPDU1112、1122は、互いに異なる長さを有すると仮定する。
【0070】
このように互いに異なる長さを有するMPDU1112、1122を複数個の端末に同時に送るフレームの終端位置を合わせなければならないため、差のある部分をMAC階層とPHY階層でパッドを挿入しなければならない。即ち、MPDU1(1112)の後にMACパッド1(1113)を挿入し、以後にPHYパッド1(1114)を挿入し、最後にテール1(1115)が付加される。ここでサービス1フィールド1111は、PHY階層のスクランブルシードを知らせるためのフィールドであり、SIG B1(1110)は、MPDU1(1112)の長さを指示するためのフィールドである。
【0071】
また、MPDU2(1122)の後にはMACパッド2(1123)を挿入し、以後にPHYパッド2(1124)を挿入し、最後にテール2(1125)が付加される。ここで、サービス2フィールド1121は、PHY階層のスクランブルシードを知らせるためのフィールドであり、SIG B2(1120)は、MPDU2(1122)の長さを指示するためのフィールドである。
【0072】
また、前述したように互いに異なるMPDU1112、1122のうち最も長い長さによって全体長さ情報を知らせるための情報は、L-SIG1101で長さ値を用いて参照符号1180のように送信することができる。また、各MPDUの情報は、SIG B1フィールド1110及びSIG B2フィールド1120で各々のMPDU1112、1122をSIG長さ1、SIG長さ2のように指示することができる。
【0073】
図11の構造も、受信端末のPHY階層は、受信されるフレームの長さほどのデータのデコーディングが終わった後、端末の受信機能をオフ(OFF)させることができるため、使用電力を節減する効果を付随的に有することができる。
【0074】
図12及び図13は、各々、図10及び図11のような方式に各々の長さを示し、MPDU又はA-MPDUの直後にテールをもう一回追加した構造である。この構造を使用すると、MPDU又はA-MPDUのデコーディングがテールA後に終わることができるため、図10及び図11の構造より受信端での電力節減効果がさらに大きい。
【0075】
以上で説明した本発明は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が本発明の技術的思想を外れない範囲内で多様な置換、変形、及び変更が可能であるため、前述した実施例及び添付図面により限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0076】
無線通信システム、特に、多重ユーザ多重接続方式を使用する無線通信システム分野に使われることができる。
図1
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