【文献】
2 SPICY(トゥースパイシー),月刊アルカディア,株式会社エンターブレイン,2007年 5月 1日,第8巻,第5号,p.048−051
【文献】
なるっちょ,コナミ完璧攻略シリーズ▲76▼ メタルギア ソリッド2 サンズ オブ リバティ 公式ガイドブック 初版 METAL GEAR SOLID 2 SONS OF LIBERTY,コナミ株式会社 KONAMI CORPORATION,第1版
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ゲーム空間中に存在するオブジェクトをゲーム画面に表示させるゲーム装置において、プレイヤの操作に応じて、前記ゲーム空間中でキャラクターを第1動作状態あるいは前記第1動作状態と異なる第2動作状態となるように制御するキャラクター制御手段と、
前記ゲーム空間中のオブジェクトを指定するオブジェクト指定手段と、
前記キャラクターの前記第1動作状態中に前記オブジェクト指定手段により前記オブジェクトを指定している状態が第1時間を経過した場合に、前記オブジェクトに対して第1ズーム処理を実行し、前記キャラクターの前記第2動作状態中に前記オブジェクト指定手段により前記オブジェクトを指定している状態が前記第1時間と異なる予め設定された第2時間を経過した場合に、前記オブジェクトに対して前記第1ズーム処理とは異なる第2ズーム処理を実行するズーム処理手段とを具備したことを特徴とするゲーム装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるゲーム装置10の概略構成を示す図である。ゲーム装置10は、ゲームセンターなどの遊戯施設に設置される業務用として構成されているものとする。
【0012】
図1に示すように、ゲーム装置10は、電算装置12、攻撃用コントローラ14、移動用コントローラ16、及び表示装置17により構成されている。
【0013】
電算装置12は、ゲーム装置10全体の制御を行うもので、攻撃用コントローラ14及び移動用コントローラ16から入力される操作データに応じてゲーム処理を実行し、表示装置17においてゲーム空間を表現するゲーム画面を表示する。電算装置12の詳細な構成については後述する(
図5参照)。
【0014】
攻撃用コントローラ14と移動用コントローラ16は、ゲーム中にプレイヤによって並行して操作されるコントローラである。攻撃用コントローラ14と移動用コントローラ16は、プレイヤによる各種操作による指示を入力して電算装置12に出力する。攻撃用コントローラ14は、主に攻撃方向と攻撃の実行を指示するためのコントローラである。移動用コントローラ16は、ゲーム空間における移動を指示するためのコントローラである。電算装置12は、攻撃用コントローラ14と移動用コントローラ16からの指示に応じた処理を実行する。攻撃用コントローラ14と移動用コントローラ16の詳細については後述する(
図3、
図4参照)。
【0015】
表示装置17は、電算装置12の制御のもとでゲーム画面を表示する。本実施形態におけるゲーム装置10では、ゲーム空間に存在している、プレイヤによって動作が制御されるキャラクター(以下、プレイヤキャラクター)が見ている状況を表す一人称画面が表示されるものとする。
【0016】
図2は、表示装置17において表示されるゲーム画面17aの一例を示す図である。
本実施形態におけるゲーム装置10では、一人称画面を表示しており、ゲーム画面中に他のプレイヤによって制御されているキャラクターが表示されている。
図2に示すゲーム画面の例では、戦闘を行うゲームにおける兵士を表すキャラクターが表示されており、例えばチームメイトA,Bの2人のキャラクターが表示されている。
【0017】
また、ゲーム画面には、移動用コントローラ16のメッセージボタン16a(後述する)が押された場合にメッセージ選択ウィンドウCが表示される。メッセージ選択ウィンドウCには、ゲームに参加している他のプレイヤに対して送信可能なメッセージの一覧が表示されている。
【0018】
また、ゲーム画面には、攻撃用コントローラ14に対するプレイヤの操作によって指示される位置を示すサイトDが表示されている。サイトDは、プレイヤが銃で狙っている照準位置を表すポインタであり、攻撃用コントローラ14の向きを変更する操作に応じて追随するように表示位置(指示位置)が変更される。キャラクター情報ウィンドウEは、サイトDがキャラクターの表示位置(一定範囲内)に合わされている場合に表示されるもので、キャラクターに関する情報が表示される。
図2に示す例では、キャラクターBの名前と生命力(ライフ)を表す数値が表示されている。プレイヤは、キャラクター情報ウィンドウEが表示されることで、サイトDがキャラクターに重ね合わされている(特定のキャラクターを指定している)ことを確認することができる。
【0019】
なお、
図2に示すゲーム画面17aの一例では、兵士を表すキャラクターのみを示しているが、ゲーム空間中には様々なオブジェクト、例えば建物などの構造物、動物、自動車などの移動物体、モンスターなどの仮想的な物体、木や岩などの背景中の物体などが存在している。こうした各種オブジェクトについても、前述したように、サイトDを合わせることで指定することができる。
【0020】
本実施形態におけるゲーム装置10では、プレイヤによる攻撃用コントローラ14と移動用コントローラ16に対する操作によって、ゲーム空間中のキャラクターなどを含む各種オブジェクトを所定の固定条件を満たすように指定することで、このオブジェクト(目標物)に対するズーム処理を実行させることができる。オブジェクトを指定する方法として、前述したように、サイトDを目標物であるオブジェクトの位置に合わせて一定時間固定する方法の他、ゲーム画面中に表示させ続ける方法などがある。オブジェクトを指定する方法の詳細については後述する。
【0021】
オブジェクトに対してズーム処理を実行することにより、指定されたオブジェクトが拡大表示されて、ゲーム空間中のプレイヤキャラクターがオブジェクトに注目していく様子を表すような画面表示、すなわち集中力効果を発動した画面表示が行われる。
【0022】
図3は、攻撃用コントローラ14の構成を示す図である。
攻撃用コントローラ14は、例えば拳銃型に構成されており、前後左右方向に任意に傾斜させることによってコントローラが示す方向を任意に変更できると共に、トリガー14aに対する入力操作により攻撃実行や各種の処理の実行を指示することができる。攻撃用コントローラ14を操作することでゲーム画面中のサイトDを任意に移動させて、ゲーム画面中のキャラクターなどの各種オブジェクトに対して位置合わせすることができる。本実施形態の攻撃用コントローラ14には、さらにセカンダリーボタン14b、チェンジホイール14cが設けられている。セカンダリーボタン14bは、他の機能の実行に用いられるボタンである。チェンジホイール14cは、回転可能に構成されており、ゲーム画面中に表示されたメニュー、例えばメッセージ選択ウィンドウC中のメッセージの選択や、武器の種類の選択などに使用される入力デバイスである。
【0023】
図4は、移動用コントローラ16の構成を示す図である。
移動用コントローラ16は、片手で把持可能な形状をしており、前後左右方向に任意に傾斜させることができる。移動用コントローラ16を傾斜させる方向によって、ゲーム空間中におけるキャラクターの移動方向を指示することができる。また、移動用コントローラ16には、メッセージボタン16aが設けられている。メッセージボタン16aは、マルチプレイゲームの実行中に、同じゲームに参加している他のプレイヤに対してメッセージを送信するためにメッセージ機能を起動するためのボタンである。
【0024】
図5は、本実施形態におけるゲーム装置10のシステム構成を示すブロック図である。
図5に示すように、ゲーム装置10は、攻撃用コントローラ14、移動用コントローラ16、CPU20、RAM21、HDD(ハードディスク装置)22、画像処理部23、モニタ24(表示装置17)、音声処理部25、スピーカ26、カード読取書込装置27、ランプ28、硬貨認識装置29、スタートボタン30、及び通信装置31が設けられている。
【0025】
CPU20は、RAM21にロードされたプログラムを実行することにより各種機能を実現し、各部を制御することによりゲームを実行する。CPU20は、ゲームプログラムを実行することで、複数のプレイヤが同時に参加するマルチプレイゲームを実行する。本実施形態では、例えば通信装置31、ネットワーク18を通じて接続された他のゲーム装置でプレイされるゲームの状況を示すゲームデータを受信して、このゲームデータをもとにして複数のプレイヤに対応するキャラクターを含むゲーム画面を表示しながらゲームを進行させる。なお、ゲームデータには、ゲーム画面中に表示されるキャラクターに関するキャラクター情報が含まれているものとする。キャラクター情報には、例えば、キャラクター名、チーム名の他、キャラクター(兵士)の種類やゲーム中におけるキャラクターの状態(生命力を表すライフ値など)を示す属性情報などが含まれているものとする。
【0026】
また、CPU20は、ゲームプログラムを実行することにより、キャラクター制御機能、状態管理機能、オブジェクト指定機能、ズーム処理機能を実現する。CPU20は、キャラクター制御機能により、攻撃用コントローラ14及び移動用コントローラ16から入力されたプレイヤの操作に応じて、ゲーム空間中で動作するプレイヤキャラクターを制御する。CPU20は、状態管理機能により、キャラクター情報をもとにして、ゲーム中におけるプレイヤキャラクターの状態を管理しながらゲームを制御し、ゲームデータを通信装置31を介して出力する。なお、CPU20は、状態管理機能により、ゲーム実行中にキャラクターの状態としてライフ値などのゲームを制御するためのデータの他、ゲーム空間におけるキャラクターの動作状態(停止中、移動中)、キャラクターがゲーム中で経験した事項の回数(経験値)などを管理するものとする。経験値には、例えばゲーム空間中の特定のオブジェクトを指定してズーム処理(集中力効果)を実行した回数が含まれているものとする。
【0027】
また、CPU10は、オブジェクト指定機能により、攻撃用コントローラ14及び移動用コントローラ16から入力されたプレイヤの操作に応じて、ゲーム空間中のオブジェクトを指定する。そして、CPU10は、ズーム処理機能により、オブジェクト指定機構により指定されたゲーム空間に存在するオブジェクトに対して、オブジェクトが固定条件を満たすように指定されることで、状態管理機構によって管理されているキャラクターの状態に応じたズーム処理を実行する。キャラクターの状態はゲームの進行に合わせて変化するため、ズーム処理の方法も変化していく。
【0028】
なお、オブジェクトを指定する固定条件としては、例えばゲーム画面に表示された目標物とするオブジェクトに対してサイトDを合わせて一定時間以上固定させる、またゲーム画面中にオブジェクトを一定時間表示させ続ける、などがある。ゲーム画面中にオブジェクトを一定時間表示させ続ける固定条件では、ゲーム画面中の何れかに表示されていれば固定状態にあると見なしても良いし、例えばサイトDの周辺に円を描画し、その円と接触する位置にオブジェクトがある場合に固定状態にあると見なすようにしても良い。
【0029】
固定条件は、予め何れかに固定して設定されていても良いし、プレイヤが選択できるようにしても良い。複数の固定条件を用意しておくことで、プレイヤの操作感に合わせたオブジェクトの指定が可能となる。また、複数の固定条件により、ズーム処理(集中力効果を発動)させることができる難度を設定することもできる。
【0030】
サイトDをオブジェクトに合わせる、あるいは特定のオブジェクトをゲーム画面に表示させるということは、ゲーム空間中のプレイヤキャラクターの視点を、特定のオブジェクトに合わせることを意味する。この場合にオブジェクトを対象としてズーム処理を実行することで、プレイヤがオブジェクトに集中していく様子を表すような、集中力効果を発動した画面表示をすることができる。
【0031】
RAM21は、基本プログラムの他、ゲームを実行するためのゲームプログラムや、ゲームの実行に必要となる各種データが記憶される。RAM21には、ネットワーク18、通信装置31を通じて受信されるゲームデータ(キャラクターの状態を示す属性情報などを含む)や、自装置においてプレイヤによって制御されるキャラクターに関するゲームデータ(キャラクターの状態や各種の経験値を示すデータを含む)、ズーム処理を制御するためのズーム処理制御テーブル(
図6参照)などが記憶される。
【0032】
HDD22は、基本プログラムやゲームプログラムなどの各種プログラムや各種データが記録される。HDD22に記憶されるプログラムには、ゲーム画面中の特定のオブジェクトを対象として拡大表示させるズーム処理を実行するためのプログラムが含まれている。
【0033】
画像処理部23は、CPU20の制御のもとで、ゲーム画面を表示するための表示制御を行う。モニタ24(表示装置17)は、画像処理部23の制御によりゲーム画面を表示させる。
【0034】
音声処理部25は、CPU20の制御のもとで、ゲームの実行状況に応じた効果音、メッセージ、BGM(back ground music)等を出力するための音声処理を行う。スピーカ26は、音声処理部25の制御により、効果音、メッセージ、BGM等の音声を出力する。
【0035】
カード読取書込装置27は、記録媒体が設けられたカード(例えばICカード)に対するデータの書込みや読み取りを行う。カードに対しては、例えばゲーム装置10を利用するプレイヤに対して発行されたユーザIDなどプレイヤに関するデータやゲーム結果などのデータが記録される。
【0036】
ランプ28は、プレイヤにゲームの進行状況を伝えるため、ゲーム演出等のために点灯/点滅されるランプである。
硬貨認識装置29は、ゲームを利用するための対価とする硬貨(例えば100円)が筐体本体に設けられた硬貨投入口から投入されたことを認識してCPU20に通知する。スタートボタン30は、ゲーム開始の指示を入力するためのボタンである。
通信装置31は、ネットワーク18を介して接続される他のゲーム装置との通信を制御する。ネットワーク18は、例えばLANやインターネット等の公衆網などを含み、マルチプレイゲームを制御するサーバ40や、その他の複数のゲーム装置41…を相互に接続する。
【0037】
図6及び
図7は、ズーム処理制御テーブルのデータ構成例を示す図である。
本実施形態におけるゲーム装置10では、ゲーム画面中のオブジェクトを指定する、すなわちプレイヤキャラクターの視点を目標物とするオブジェクトに固定することで、このオブジェクトを拡大表示させるズーム処理を実行することができる。本実施形態におけるズーム処理では、ズーム処理制御テーブルを参照して、プレイヤキャラクターのゲームにおける状態、例えばプレイヤキャラクターのゲームにおける経験値、プレイヤキャラクターの動作状態(停止中、移動中)に応じてズーム処理を変化させる。
【0038】
図6に示すズーム処理制御テーブルには、キャラクターの経験値と、経験値に応じたズーム処理の内容(ズーム内容)を示すデータが対応付けて設定されている。
図6に示すズーム処理制御テーブルの例では、キャラクターの経験値として、過去にズーム処理を実行した回数を用いている。ズーム内容としては、目標物とするオブジェクトが指定されてからオブジェクトに対してズームを開始するまでの時間(発動時間)(ズーム内容1)、目標物とするオブジェクトが指定されてからオブジェクトに対するズーム処理を完了するまでの時間(ズーム内容2)、オブジェクトに対する倍率(ズームの度合い)(ズーム内容3)がそれぞれ設定されている。
【0039】
例えば、ズーム処理を実行した回数が1〜5回の場合には、オブジェクトに視線を固定している時間が3秒経過した場合にズーム処理を開始(発動)し、3秒間で2倍にオブジェクトを拡大表示するズーム処理をすることが設定されている。また、ズーム処理を実行した回数が21回以上の場合には、オブジェクトに視線を固定している時間が0.5秒経過した場合にズーム処理を開始(発動)し、1秒間で8倍にオブジェクトを拡大表示するズーム処理をすることが設定されている。すなわち、ズーム処理の経験(実行回数)が少なければ、オブジェクトに対してゆっくりとズーム処理を実行し、ズーム処理の経験が多くなるほどオブジェクトに対して素早くズーム処理が実行されるように設定されている。
【0040】
なお、キャラクターの経験値としては、例えばキャラクターのゲーム中における生命力(ライフ値)などの、ゲームの制御に用いられる各種パラメータ値など、他のゲームの進行に応じて更新される値を対象とすることができる。
【0041】
図7に示すズーム処理制御テーブルには、プレイヤキャラクターの動作状態と、動作状態に応じたズーム処理の内容(ズーム内容)を示すデータが対応付けて設定されている。
図7に示すズーム処理制御テーブルの例では、動作状態として、プレイヤキャラクターがゲーム空間中において停止した状態でオブジェクトに視点を固定している場合と、移動している状態でオブジェクトに視点を固定している場合を対象としている。
【0042】
例えば、
図7に示すズーム処理制御テーブルの例では、プレイヤキャラクターが停止中に、オブジェクトに視線を固定している時間が3秒経過した場合にズーム処理を開始(発動)し、3秒間で4倍にオブジェクトを拡大表示するズーム処理をすることが設定されている。
【0043】
なお、キャラクターの動作状態としては、停止中と移動中だけでなく、さらに攻撃中などの他の動作状態に対してズーム内容1〜3が設定されていても良い。
【0044】
また、ズーム処理制御テーブルでは、常に全てのゲーム内容1〜3を反映させるのではなく、例えば倍率を固定(例えば2倍)にして、発動時間とズーム完了までの時間の組み合わせによりズーム処理が制御されるようにするなど、ズーム内容を任意に組み合わせることができる。
【0045】
また、
図6に示すプレイヤキャラクターの経験値をもとにしたズーム処理制御テーブルと、
図7に示す動作状態をもとにしたズーム処理制御テーブルの何れを用いるかは、予め設定されていても良いし、プレイヤが選択できるようにしても良い。また、経験値と動作状態の組み合わせに対してズーム内容が設定されたズーム処理制御テーブルを用いるようにしても良い。
【0046】
次に、本実施形態におけるゲーム装置10のズーム処理の動作について、
図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。
ゲーム装置10は、ゲームプログラムを実行し、プレイヤの攻撃用コントローラ14及び移動用コントローラ16に対する操作に応じて、プレイヤキャラクターをゲーム空間中において動作させてゲームを進行させる。プレイヤは、ゲーム空間中の各種オブジェクトの詳細を確認したい場合、例えば敵キャラクターや進行方向にある建物の様子を確認したい場合などにおいて、目標物とするオブジェクトが視界に入るように移動して視線を合わせる。すなわち、一人称画面によりゲーム画面を表示しているので、画面中に目標物が表示されるように、プレイヤキャラクターをゲーム空間で移動させる。そして、固定条件を満たすように目標物を指定することで、ズーム処理(集中力効果)を発動することができる。
【0047】
以下の説明では、説明を簡単にするために、
図6に示すズーム処理制御テーブルを参照してズーム処理を制御するものとする。また、オブジェクトを指定する固定条件としては、サイトDをオブジェクトに一定時間固定するものとする。
【0048】
CPU20は、攻撃用コントローラ14と移動用コントローラ16に対するプレイヤの操作に応じて、ゲーム画面中に表示されたサイトDの位置と、ゲーム画面中表示される各種オブジェクトの位置のデータとの比較によって、サイトDがゲーム画面中のオブジェクトと重ね合わされたかを判別している。すなわち、CPU20は、プレイヤキャラクターの視線が目標物とするオブジェクト(例えば、敵キャラクー)に固定されたかを監視している。
【0049】
CPU20は、プレイヤキャラクターの視点が目標物に固定されたと判別すると(ステップA1、Yes)、プレイヤキャラクターの現在の経験値を、キャラクターの状態を示すゲームデータを参照して判別する(ステップA2)。ここでは、例えばゲーム中にズーム処理を実行した回数を経験値として参照する。
【0050】
CPU20は、ズーム処理制御テーブルを参照して、現在のプレイヤキャラクターのゲーム中における経験値に対して設定されたズーム内容1を取得する。すなわち、視点が目標物に固定されてからズーム処理を実行するまでの時間(発動時間)を取得する。
【0051】
図6に示すズーム処理制御テーブルの例では、プレイヤキャラクターの経験値(ズーム処理の実行回数)が6〜20回の間であった場合には、ズーム内容1として1秒が設定されている。CPU20は、ズーム処理を実行するまでの時間(発動時間)として1秒を設定する(ステップA3)。
【0052】
CPU20は、サイトDが目標物のオブジェクトに固定されている時間を計測する(ステップA4)。ここで、サイトDがオブジェクトを固定された状態が続いている場合、すなわちプレイヤキャラクターの視線が目標物に固定されたままにあれば(ステップA5)、CPU20は、計測中の視点の固定時間が先に設定したズームの発動時間(ここでは1秒)に到達しているかを判別する。ズームの発動時間に到達していなければ(ステップA6、No)、CPU20は、視点の固定時間の計測を継続する(ステップA4)。
【0053】
なお、視点の固定時間の計測中にサイトDがオブジェクトから外された場合には(ステップA5、No)、CPU20は、再度、目標物とするオブジェクトにサイトDが固定されたかを判別する(ステップA1)。
【0054】
一方、サイトDが目標物に固定されている時間がズームの発動時間に到達した場合(ステップA6、Yes)、CPU20は、ズーム処理制御テーブルを参照して、ズーム処理を開始してから完了するまでのズーム時間(ズーム内容2)とズーム倍率(ズーム内容3)を取得して設定する(ステップA7)。
【0055】
図6に示すズーム処理制御テーブルの例では、プレイヤキャラクターの経験値(ズーム処理の実行回数)が6〜20回の間であった場合には、ズーム時間として2秒、ズーム倍率として4倍が設定される。
【0056】
CPU20は、サイトDによって指定されている目標物(オブジェクト)を対象として、ゲーム画面を拡大するズーム処理を実行する(ステップA8)。ここでは、オブジェクトを4倍に拡大する処理を2秒かけて実行する。
【0057】
CPU20は、ズーム処理制御テーブルに設定されていたズーム時間とズーム倍率に応じたズーム処理を完了すると(ステップA9、Yes)、ズーム処理(集中力効果)を発動した回数(経験値)を、プレイヤキャラクターの状態を示すデータとして更新しておく(ステップA10)。こうして、経験値を更新しておくことで、ズーム処理制御テーブルから参照される
図2内容1〜3が変化し、目標物とするオブジェクトに対するズーム処理に変化を与えることができる。
【0058】
図9及び
図10は、ゲーム画面中のキャラクターをサイトDにより指定して、ズーム処理を実行させる具体例を示す図である。
図9に示すゲーム画面には、例えば二人の敵キャラクターが表示されている。ここで、中央の敵キャラクターに注目しようとした場合、攻撃用コントローラ14の操作によってサイトDを敵キャラクターの位置に合わせて位置を固定する。ここで、現在のプレイヤキャラクターの経験値(あるいは状態)に応じて、ズーム処理制御テーブルに設定された発動時間(ズーム内容1)まで固定状態が維持できた場合には、ズーム処理制御テーブルに設定されたズーム時間とズーム倍率に応じてズーム処理が実行され、例えば
図10に示すように、サイトDによって指定された敵キャラクターがゲーム画面中で表示される。
【0059】
図6に示すズーム処理制御テーブルに設定されたデータでは、経験値が高いほど(ズーム処理の実行回数が多いほど)、短い発動時間で高倍率のズーム処理を実行することができるようになっている。従って、経験値が低い状態では(例えば、発動回数1〜5回)、ズーム処理が発動されるまでに比較的長い時間を要し、またズームが完了するまでの時間も長い(低倍率)。一方、経験値が高くなると(例えば、発動回数21回以上)、同じようにサイトDを敵キャラクターの位置に合わせる操作をしても、経験値が低い場合よりも短時間でズーム処理が発動され、また短時間で高倍率に目標物が拡大表示されるようになる。
【0060】
なお、前述した説明では、ズーム処理によって目標物とするオブジェクトを単純に拡大する
ものとして説明しているが、オブジェクトを拡大する際に画像効果を付加するようにしても良い。例えば、経験値が低い場合には、ズーム処理中にオブジェクトがぼやける、あるいは揺れるような画像効果を付加し、経験値が高い場合には、ズーム処理中においてもオブジェクトがクリアに表示された状態のままとする。
【0061】
また、プレイヤキャラクターがゲーム空間で移動中の場合には、高倍率で拡大する場合にはオブジェクトを大きく振動させながらズーム処理を実行し、低倍率で拡大する場合にはオブジェクトの振動を小さくしてズーム処理を実行するようにする。
【0062】
こうした画像効果についても、ズーム処理制御テーブルの経験値あるいはキャラクターの状態と対応付けて、どのような画像効果を付加するかゲーム内容として設定されているものとする。
【0063】
このようにして、キャラクターの経験値や状態は、ゲームの進行に合わせて変化するため、同じ条件下でズーム処理を実行する場合であっても経験値や状態の違いによって異なるズーム処理が実行されることになり、ズーム処理によりゲームの興趣性を向上させることが可能となる。
【0064】
なお、前述した説明では、業務用に構成されたゲーム装置10により実現されるものとして説明しているが、家庭用のゲーム装置や携帯用の小型ゲーム装置、あるいは携帯電話機などのゲームプログラムをインストールしてゲームを実行できる各種電子機器によって実現することが可能である。
【0065】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0066】
また、実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることができるプログラム(ソフトウエア手段)として、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、コンピュータに実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)をコンピュータ内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、コンピュータ内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。