特許 5768156 室外機用遮熱シートの取付構造

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B1)

(11)【特許番号】5768156

(24)【登録日】2015年6月26日

(45)【発行日】2015年8月26日

(54)【発明の名称】室外機用遮熱シートの取付構造

(51)【国際特許分類】

   F24F 1/58 20110101AFI20150806BHJP

   F24F 1/68 20110101ALI20150806BHJP

   F24F 1/60 20110101ALI20150806BHJP

【ＦＩ】

   F24F1/58

   F24F1/68

   F24F1/60

【請求項の数】2

【全頁数】10

(21)【出願番号】特願2014-38195(P2014-38195)

(22)【出願日】2014年2月28日

【審査請求日】2014年2月28日

(73)【特許権者】

【識別番号】593178409

【氏名又は名称】株式会社オーティス

(74)【代理人】

【識別番号】100087664

【弁理士】

【氏名又は名称】中井 宏行

(72)【発明者】

【氏名】岩田 充智

【審査官】 久保田 信也

(56)【参考文献】

【文献】 特開２０１４−０３７９２０（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開昭５８−０３９１００（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）

Ｆ２４Ｆ １／５８

Ｆ２４Ｆ １／６０

Ｆ２４Ｆ １／６８

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

背面部同士が向き合うように設置された室外機間に、シート固定具を用いて遮熱シートを取り付けるようにした室外機用遮熱シートの取付構造であって、
前記室外機間は、それらの間に架け渡し固定された棒状体で連結される構造とされ、
前記室外機の背面部に前記棒状体を固定、支持する支持部材が固着され、該支持部材にはさらに前記シート固定具が固定されており、
前記支持部材は、対向する前記室外機に向けて板状に突出する固定板部を有した構造とされ、該固定板部は前記室外機の幅方向に沿って複数のボルト挿通孔を有しており、
前記シート固定具は、一対の脚部を有し、該脚部間に前記遮熱シートを固定したレール体を挟み込み、緊締ボルトを用いて前記脚部を緊締して、前記遮熱シートを前記シート固定具間に架け渡すようにして固定する構造とされ、
前記固定板部の一方の面側に、その反対の面から前記ボルト挿通孔を通じて挿通された前記緊締ボルトを用いて前記シート固定具が固定される一方、前記固定板部の他方の面側に、２本のねじ付き足部を有したＵボルトを用いて前記棒状体が固定される構成となっていることを特徴とする室外機用遮熱シートの取付構造。

【請求項2】

請求項１において、
前記Ｕボルトの一方の足部は、他方の足部よりも長く形成され、前記緊締ボルトとして用いられる構成となっている、室外機用遮熱シートの取付構造。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、直射日光を避けるために室外機に取り付ける室外機用遮熱シートの取付構造に関する。

【背景技術】

【0002】

空調装置の室外機（以下、室外機という）は屋外に設置されるものであるから、少なからず直射日光の照射を受けて熱せられて、熱交換効率が低下したり、周辺環境に悪影響を及ぼしたりするおそれがある。そのため従来では、吸気口を設けた背面部にカバー（遮熱シート）を取り付けて直射日光の照射を防止できるようにしたものが種々提案されている（たとえば、特許文献１参照）。

【0003】

特許文献１の例は、室外機を横方向に複数並べ、それに対応した共通のカバーが取り付けたものである。このカバーは背面部の吸気口を覆うように設置してあり、カバー内にはノズルが配されており、そのノズルからの噴霧により吸気口近傍の空気を冷却できるようになっている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【特許文献1】特開２０１３−１５２５６号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

しかしながら、特許文献１のようにカバーを取り付けた場合、カバーが風で煽られ、室外機がぐらついたり、転倒したりするおそれがある。特に、複数の室外機に対応してカバーが取り付けてあるため、共倒れのおそれもある。

【0006】

従来には、ビルなどの屋上で、遮熱（冷却）効率をよくするために、背面部同士が向き合うように室外機を並べ、その背面部間の空間を覆うように遮熱シートを取り付けることが試行されているが、そのような室外機の設置構造では風による転倒の危険性はさらに高くなる。

【0007】

本発明は、このような事情を考慮して提案されたもので、その目的は、複数の室外機間に取り付けた遮熱シートが風に煽られて室外機が転倒することを防止できる室外機用遮熱シートの取付構造を提供することにある。

【課題を解決するための手段】

【0008】

上記目的を達成するために、請求項１に記載の室外機用遮熱シートの取付構造は、背面部同士が向き合うように設置された室外機間に、シート固定具を用いて遮熱シートを取り付けるようにした室外機用遮熱シートの取付構造であって、室外機間は、それらの間に架け渡し固定された棒状体で連結される構造とされ、室外機の背面部に棒状体を固定、支持する支持部材が固着され、支持部材にはさらにシート固定具が固定されており、支持部材は、対向する室外機に向けて板状に突出する固定板部を有した構造とされ、固定板部は前記室外機の幅方向に沿って複数のボルト挿通孔を有しており、シート固定具は、一対の脚部を有し、脚部間に遮熱シートを固定したレール体を挟み込み、緊締ボルトを用いて脚部を緊締して、遮熱シートをシート固定具間に架け渡すようにして固定する構造とされ、固定板部の一方の面側に、その反対の面からボルト挿通孔を通じて挿通された緊締ボルトを用いてシート固定具が固定される一方、固定板部の他方の面側に、２本のねじ付き足部を有したＵボルトを用いて棒状体が固定される構成となっていることを特徴とする。

【0009】

（削除）

【0010】

（削除）

【0011】

請求項２に記載の室外機用遮熱シートの取付構造は、Ｕボルトの一方の足部は、他方の足部よりも長く形成され、緊締ボルトとして用いられる構成となっている。

【0012】

（削除）

【発明の効果】

【0013】

請求項１に記載の室外機用遮熱シートの取付構造によれば、向き合う両室外機が棒状体で連結された構成となっているので、複数の室外機間に取り付けた遮熱シートが風に煽られた際に室外機が転倒することを防止することができる。また、室外機の背面部に取り付けた支持部材に遮熱シート設置用のシート固定具と、転倒防止用の棒状体とを固定する構造となっているため、簡易な構成で遮熱シートの取付構造と転倒防止構造の両方を実現することができる。

【0014】

また、支持部材に対し棒状体をＵボルトを用いて取り付ける構成となっているため、背面部同士が向き合う両室外機を簡単に連結することができる。また、支持部材には複数のボルト挿通孔が設けてあるので、所望の位置に棒状体を取り付けることができる。

【0015】

さらに、支持部材の固定板部の一方の面側にシート固定具が固定され、固定板部の他方の面側に棒状体が固定されるようになっているので、支持部材を有効に活用でき、遮熱シートの取付構造と転倒防止構造とを設けるための背面部の構造を簡易な構造とすることができる。また、レール体をシート固定具に固定するための緊締ボルトを用いてシート固定具自体を支持部材に固定する構造となっているため、シート固定具を溶接などによらず簡易に取り付けることができる。

【0016】

請求項２に記載の室外機用遮熱シートの取付構造によれば、Ｕボルトの一方の足部が緊締ボルトとして用いられる構成となっているので、部材を共通化して部材点数を少なくでき、取付構造をシンプルにできる。

【0017】

（削除）

【図面の簡単な説明】

【0018】

【図1】（ａ）は、本発明の一実施形態に係る室外機用遮熱シートの取付構造を示す概略斜視図である。（ｂ）は、室外機の背面部の部分拡大斜視図である。

【図2】（ａ）は棒状体の取付状態を示す正面図、（ｂ）は棒状体の取付手順を示す要部斜視図である。

【図3】シート固定具の分解斜視図である。

【図4】（ａ）、（ｂ）は、シート固定具による遮熱シート取付用のレール体の取付構造を示す正面図である。

【図5】遮熱シートの取付状態を示す正面図である。

【図6】（ａ）、（ｂ）は棒状体およびシート固定具の取付態様の２例を示す側面図であり、（ｃ）は（ｂ）の取付態様で用いられるＵボルトの正面図である。

【発明を実施するための形態】

【0019】

以下に、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。

【0020】

図１〜図６をもとに以下に説明する室外機用遮熱シートの取付構造（以下、シート取付構造という）は、背面部１ａ同士が向き合うように設置された室外機１、１間に、シート固定具３０を用いて遮熱シート５を取り付けるようにしたシート取付構造であって、室外機１、１間は、それらの間に架け渡し固定された棒状体２０で連結される構造とされる。具体的には、室外機１の背面部１ａに棒状体２０を固定、支持する支持部材１０が固着され、支持部材１０にはさらにシート固定具３０が固定されており、遮熱シート５は、室外機１のそれぞれに設けたシート固定具３０、３０間に架け渡されるようになっている。

【0021】

また、上記棒状体２０で室外機１、１間を連結する構造は、遮熱シート５の設置の有無にかかわらず、向き合うよう並設された室外機１、１が転倒することを防止する室外機の設置構造にも用いられる。すなわち、この室外機の設置構造は、背面部１ａ同士が向き合うように設置される室外機の設置構造であって、室外機１、１間は、それらの間に架け渡された棒状体２０で連結される構造となっている。具体的には、室外機１の背面部１ａに、対向する室外機１に向けて板状に突出し、複数のボルト挿通孔１３、１３を室外機１の幅方向に沿って設けた固定板部１２を備えた支持部材１０が取り付けられており、固定板部１２に対し、棒状体２０が２本のねじ付き足部２１ａを有したＵボルト２１を用いて固定される構造となっている。

【0022】

以下、シート取付構造および室外機の設置構造について詳細に説明する。

【0023】

図１（ａ）に示すように、本シート取付構造は、ビルの屋上などで背面部１ａが向き合うように並設される、つまり相互に後ろ向きに対向並設される複数の室外機１、１に適用される。図例に示したものは、後ろ向きに並設された室外機１、１のそれぞれの横方向にも、同様に背面部同士が向き合うようにさらなる室外機１、１が並設されている。

【0024】

これらの室外機１、１は同一形状、同一寸法とされ、略直方体形状をなし、その前面部に熱風を吹き出す排気口１ｂが形成され、背面部１ａに吸気口１ｃが形成された構造となっている。

【0025】

向き合う室外機１、１は空間２を介し離間して設置されており、各室外機１、１の横方向にもさらなる室外機１、１を並設することで向き合う室外機１、１間の空間２は横方向に連なり、連なった空間２は室外機１、１が吸気口１ｃに吸気する空気の流通空間となる。

【0026】

この空間２の上側には、図１（ａ）、（ｂ）に示すように、背面部１ａの上端間に架け渡すように、遮熱シート５が張設されている。この遮熱シート５は、シート固定具３０を介して室外機１、１間に取り付けられている。

【0027】

図１（ａ）に示すように、遮熱シート５の少し下方には、棒状体２０が両室外機１、１を連結するように固定されている。このような棒状体２０は対向する両室外機１、１に対して２本以上取り付けることが望ましいが、１本であってもよい。なお、図１（ａ）において奥方に図示した対向する両室外機１、１も棒状体（不図示）で連結されている。

【0028】

この棒状体２０と、遮熱シート５を取り付けるためのシート固定具３０とは、図１（ｂ）の拡大図に示すように、室外機１の背面部１ａにねじ止めなどにより固着された支持部材１０に取り付けられるようになっている。

【0029】

この支持部材１０は、断面がＬ字状の板状材であり、固着板部１１と固定板部１２とよりなり、固定板部１２には等間隔に複数のボルト挿通孔１３、１３（長孔）が開設されている。支持部材１０の長手方向の寸法は、室外機１の背面部１ａの横（幅）寸法とほぼ同じである。この支持部材１０は、室外機１の背面部１ａに逆Ｌ字状となるよう固着板部１１が固着されており、取付状態では固定板部１２が対向する室外機１に向けて設置面に平行となるように突出している。

【0030】

支持部材１０の取付位置は特に限定されないが、シート固定具３０に取り付ける遮熱シート５の取り付け高さが概ね室外機１の高さとなるようにすることが、遮熱シート５の下方空間（空冷できる空間２）を広くとるうえで望ましい。

【0031】

このような支持部材１０に対して、固定板部１２の上面側にはシート固定具３０が取り付けられ、下面側には棒状体２０が取り付けられている。

【0032】

シート固定具３０は、１台の室外機１に対して支持部材１０の１〜数箇所の適宜な位置に取り付けてあればよい。対向する室外機１にも同種のシート固定具３０が取り付けてある。また、棒状体２０は、その一方の端部が一方の室外機１の支持部材１０に固定され、他方の端部が対向する室外機１の支持部材１０に固定されている。

【0033】

このように、シート固定具３０と棒状体２０の両方を支持部材１０を用いて支持、固定するようになっているため、取付構造をシンプルにでき、遮熱シート５の取付構造と転倒防止構造とを設けるための背面部１ａをすっきりとした簡易なものとすることができる。

【0034】

シート固定具３０および棒状体２０はいずれも、支持部材１０の固定板部１２に設けたボルト挿通孔１３、１３を介して緊締ボルト３５、Ｕボルト２１を用いて固定されるようになっている。以下、具体的に説明する。

【0035】

まず、棒状体２０の取付構造について説明する。図２（ａ）、（ｂ）は棒状体２０の取付構造の説明図である。図２（ａ）は棒状体２０の取付状態を示す正面図、図２（ｂ）は棒状体２０の取付手順を示す要部斜視図である。

【0036】

棒状体２０は中実または中空の円柱体よりなり、その長さ寸法は室外機１の背面部１ａに取り付けられてた支持部材１０の固着板部１１の外面間寸法と一致しているか、固着板部１１の外面間よりもやや短い寸法とすることが望ましい。なお、棒状体２０は円柱体には限定されない。

【0037】

この棒状体２０は、２本のねじ付き足部２１ａ、２１ａを有したＵボルト２１により支持部材１０に固定される。具体的には、棒状体２０は、固定板部１２と、固定板部１２の下方から装着したＵボルト２１の基底部２１ｂとの間に挿入され、２つのナット２２、２２でしっかりと締め付けることで固定される。棒状体２０が固着板部１１の外面間寸法よりも短い場合には、棒状体２０のずれや外れを防止するために、棒状体２０のＵボルト２１よりも室外機１側に突出した端部部位を変形させるか折り曲げるなどして、移動不可の状態にしてもよい。

【0038】

このように、向き合う室外機１、１間は棒状体２０で連結されているので、室外機１が１台ずつ単独で設置されている状態よりも設置状態が安定し、両室外機１、１のそれぞれの転倒を防止することができる。特に、両室外機１、１間に取り付けた遮熱シート５が風に煽られた際に両室外機１、１が対向する方向にともに転倒することを防止することができる。また、将棋倒しとなることも防止できる。

【0039】

また、支持部材１０を用いてシート固定具３０と、転倒防止用の棒状体２０とを設置する構造となっているため、簡易な構成で遮熱シート５の取付構造と転倒防止構造の両方を実現することができる。

【0040】

つぎに、シート固定具３０の取付構造について説明する。図３はシート固定具３０の分解斜視図である。図４（ａ）、（ｂ）は、シート固定具３０による遮熱シート取付用のレール体７の取付構造を示す正面図である。図５は、遮熱シート５の取付状態を示す正面図である。

【0041】

遮熱シート５は、その両端部がそれぞれレール体７に固定されている。レール体７は開口部７ａを狭める方向に傾斜した側壁部７ｂ、７ｂを有した凹溝体よりなり、その長さ寸法は遮熱シート５の幅方向の端部の長さにほぼ合致した寸法とされる。遮熱シート５はレール体７の凹溝部７ｃに装着され、遮熱シート５を押さえ部材８でレール体７の凹溝部７ｃの内面に押圧することで固定されるようになっている。なお、固定構造についてはこれには限定されない。

【0042】

シート固定具３０は、遮熱シート５の端部を固定したレール体７を、緊締ボルト３５とナット３６の螺合により挟着固定する挟着構造となっている。

【0043】

具体的には、シート固定具３０は、基板部３１の両端よりそれぞれ延び、開放端側が相互にやや開いた２片の脚部３２、３２を有したコ字形体とされる。それぞれの脚部３２、３２には、図３に示すように、緊締ボルト３５を挿通させるボルト挿通孔３２ａ、３２ａが開設されている。脚部３２、３２の開放端側には、レール体７を挟着固定するための挟着部３３、３３が形成されている。この挟着部３３、３３は、レール体７を嵌合可能とした形状となっており、脚部３２、３２の幅方向の両端には、レール体７の傾斜した側壁部７ｂ、７ｂを押圧できるようにしたＬ字状の押圧片３３ａ、３３ａが形成され、それらは脚部３２、３２の開口部３４側の補強片３３ｂ、３３ｂでつながっている。

【0044】

シート固定具３０は、その開口部３４を対向する室外機１方向に向けた状態で支持部材１０の固定板部１２の上面側に配され、緊締ボルト３５が固定板部１２のボルト挿通孔１３を介して両脚部３２、３２のボルト挿通孔３２ａ、３２ａに挿通され、ナット３６で螺合して仮止め状態に取り付けられ、レール体７の底部７ｄが挿通状態にある緊締ボルト３５の軸部に接するようにレール体７が装着される（図４（ａ）、（ｂ）参照）。

【0045】

ついで、上方の脚部３２の上でナット３６を締め付けることで両脚部３２、３２が緊締され、それと同時にレール体７が上下の挟着部３３、３３の押圧片３３ａ、３３ａにより挟み込み固定され、それとともにシート固定具３０も支持部材１０に固定される（図４（ｂ）参照）。

【0046】

このように両室外機１、１の支持部材１０、１０に遮熱シート５が取り付けられたレール体７が挟着されたシート固定具３０を固定することで、遮熱シート５は室外機１、１間に架け渡し張設されることとなる（図５参照）。

【0047】

このように、遮熱シート５は室外機１、１間の空間２を上方より覆い、直射日光を避けるように取り付けられるため、室外機１、１間の空間２および背面部１ａの温度が上昇することを防止することができる。室外機１の背面部１ａには吸気口１ｃ（図１（ａ）参照）が設けられているため、遮熱シート５の下方の空間２を流通し、吸気口１ｃより入り込む空気を冷却することができ、そのような空冷効果により室外機１の熱交換効率が低下することを防止することができる。なお、吸気口１ｃが背面部１ａに形成されていない場合でも、室外機１自体が冷却されるため熱交換効率の低下を防止できる。また、室外機１、１の設置面や周辺部の温度上昇も緩和することができる。

【0048】

また、棒状体２０およびシート固定具３０は、図２に示したＵボルト２１および図３に示した緊締ボルト３５を用いることで、図１（ｂ）のＡ方向から見た場合、図６（ａ）に示すように間隔をおいて隣り合うように配することができる。このように近接した部位に両部材を取り付けることができるので、取付作業を迅速に行える。

【0049】

また、上述したようなＵボルト２１、緊締ボルト３５に代えて、図６（ｃ）に示したような長さの異なるねじ付き足部２１ａ、２１ａを有した１つのＵボルト２１Ａを用いて、図６（ｂ）に示すように、棒状体２０とシート固定具３０の両方を固定するようにしてもよい。

【0050】

すなわち、このＵボルト２１Ａを用いれば、棒状体２０を固定板部１２と、固定板部１２の下方から装着したＵボルト２１Ａの基底部２１ｂとの間に挿入した状態で、長いほうのねじ付き足部２１ａを緊締ボルト３５として用いてシート固定具３０を固定することで、シート固定具３０と棒状体２０の両方を１つの固定部材で支持部材１０に取り付けることができる。

【0051】

また、このようなＵボルト２１Ａを用いれば、棒状体２０とシート固定具３０を固定するための固定部材を共通化でき、部材点数を少なくでき、取付構造をシンプルにすることもできる。また、シート固定具３０の上部側のナット３６を締め付ければ、棒状体２０とシート固定具３０の両方が同時に固定されるから、短いほうのねじ付き足部２１ａにナット止めしなくてもよく、さらに部品点数を減らせられる。

【0052】

以上に示したように、棒状体２０とシート固定具３０とは、支持部材１０の適宜な位置に離間した位置に取り付けることができ、または図６（ｃ）のＵボルト２１Ａを用いて同位置に取り付けることができる。

【0053】

また、支持部材１０の固定板部１２には複数のボルト挿通孔１３、１３が開設されているため、それらのうちの適切なものを選んで棒状体２０やシート固定具３０を取り付ければよい。なお、図１（ｂ）に示したようにボルト挿通孔１３、１３を長孔とすれば、棒状体２０やシート固定具３０の取り付けの調整がしやすく効率よく取付作業をすることができる。

【0054】

また、棒状体２０およびシート固定具３０を図６（ｃ）のＵボルト２１Ａを用いて図６（ｂ）のごとく組み合わせて取り付ける場合、１台の室外機１に対して２組の組み合わせ体を取り付けられるように、固定板部１２の両端などに２つずつボルト挿通孔１３を設けた支持部材１０を用いてもよい。ボルト挿通孔１３が少なくてもよいため、現場で遮熱シート５などの寸法に合わせてボルト挿通孔１３を開設するようにしてもよい。

【0055】

以上には、同種の室外機１、１間に遮熱シート５および棒状体２０を架け渡す構造を示したが、高さの異なる室外機１、１間に架け渡すような構造であってもよい。また、棒状体２０を支持部材１０の固定板部１２の上面側に取り付け、シート固定具３０を固定板部１２の下面側に取り付ける構造であってもよい。

【符号の説明】

【0056】

１ 室外機
１ａ 背面部
５ （室外機用）遮熱シート
７ レール体
１０ 支持部材
１１ 固着板部
１２ 固定板部
１３ ボルト挿通孔
２０ 棒状体
２１、２１Ａ Ｕボルト
２１ａ ねじ付き足部
２２ ナット
３０ シート固定具
３１ 基板部
３２ 脚部
３２ａ ボルト挿通孔
３３ 挟着部
３５ 緊締ボルト
３６ ナット

【要約】

【課題】複数の室外機間に取り付けた遮熱シートが風に煽られて室外機が転倒することを防止できる室外機用遮熱シートの取付構造を提供する。
【解決手段】室外機用遮熱シートの取付構造は、背面部１ａ同士が向き合うように設置された室外機１、１間に、シート固定具３０を用いて遮熱シート５を取り付けるようにした室外機用遮熱シートの取付構造であって、室外機１、１間は、それらの間に架け渡し固定された棒状体２０で連結される構造とされる。室外機１の背面部１ａに棒状体２０を固定、支持する支持部材１０が固着され、支持部材１０にはさらにシート固定具３０が固定されており、遮熱シート５は、室外機１のそれぞれに設けたシート固定具３０間に架け渡されている。
【選択図】図１

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】