特許第5768192号(P5768192)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5768192携帯型エアロゾル発生装置用の電源システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5768192
(24)【登録日】2015年6月26日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】携帯型エアロゾル発生装置用の電源システム
(51)【国際特許分類】
   A24F 47/00 20060101AFI20150806BHJP
   A61M 15/06 20060101ALI20150806BHJP
【FI】
   A24F47/00
   A61M15/06 C
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-550690(P2014-550690)
(86)(22)【出願日】2012年12月28日
(65)【公表番号】特表2015-504669(P2015-504669A)
(43)【公表日】2015年2月16日
(86)【国際出願番号】EP2012077085
(87)【国際公開番号】WO2013102612
(87)【国際公開日】20130711
【審査請求日】2015年1月15日
(31)【優先権主張番号】12150114.2
(32)【優先日】2012年1月3日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】12155241.8
(32)【優先日】2012年2月13日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】グレム オリヴィエ
【審査官】 宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/133342(WO,A1)
【文献】 特開2012−15590(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 47/00
A61M 15/06
H04M 1/21
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次装置及び二次装置を備える電気システムであって、該一次装置が、
電力源と、
前記二次装置を受け入れるように構成されたキャビティと、
前記二次装置がキャビティ内にある場合に前記電力源に電気接続されて前記二次装置の対応する接点に接触するように構成された前記キャビティ内の複数の電気接点と、
前記二次装置を前記少なくとも1つの電気接点に接触した状態に保持する第1の位置と、前記二次装置が少なくとも1つの電気接点に接触した状態から脱して自由に移動できる第2の位置と、の間を移動できる蓋と、
を含み、前記蓋が、前記二次装置が前記キャビティ内にあり前記蓋が前記第1の位置にある場合に前記キャビティから有機物質を放出することができる少なくとも1つのアパーチャを含む、電気システム。
【請求項2】
前記一次装置は、前記蓋が前記第1の位置に無い場合に前記複数の電気接点を経由した前記二次装置への電力供給を阻止するように構成される、請求項1に記載の電気システム。
【請求項3】
前記第1の位置において、前記蓋が、前記二次装置を前記複数の電気接点と接触するように付勢する、請求項1又は2に記載の電気システム。
【請求項4】
前記二次装置が前記キャビティ内に配置された場合に前記二次装置を前記蓋に向かって付勢するように構成された少なくとも1つの弾性要素を含む、請求項1〜3の何れかに記載の電気システム。
【請求項5】
前記複数の電気接点のうちの少なくとも1つが、前記少なくとも1つの弾性要素である、請求項4に記載の電気システム。
【請求項6】
電源装置が、前記二次装置の二次バッテリを再充電するのに適した方法で前記二次装置に電力を供給するように構成される、請求項1〜5の何れかに記載の電気システム。
【請求項7】
前記二次装置が、電気加熱式エアロゾル発生装置である、請求項1〜6の何れかに記載の電気システム。
【請求項8】
前記二次装置が電気加熱要素を含み、前記一次装置は、前記蓋が前記第1の位置にある場合に前記二次装置に電力を供給して、前記電気加熱要素を加熱して該加熱要素上に付着又は堆積した有機物質を熱的に遊離するように構成される、請求項7に記載の電気システム。
【請求項9】
前記二次装置が充電式バッテリを含み、前記一次装置が、前記二次装置が少なくとも1つの電気接点に接触する状態で前記二次装置の充電式バッテリを再充電するのに適した方法で前記二次装置に電力を供給するように構成される、請求項7又は8の何れかに記載の電気システム。
【請求項10】
エアロゾル形成基材と、請求項1〜9の何れかに記載の電気システムとを備えたエアロゾル発生システムであって、前記二次装置が、前記エアロゾル形成基材を受け入れるよう構成されたエアロゾル発生装置であり、前記蓋は、前記二次装置がキャビティ内にありかつ前記エアロゾル形成基材が前記二次装置内に収容されている場合に前記第1の位置に移動することが阻止される、エアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、充電式電力源を有する二次装置が一次装置により充電される電気システムに関する。詳細には、本開示は、一次電源装置に結合可能な携帯型エアロゾル発生装置を備えるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯型装置及び一次充電装置を有するこのような電気システムの一例は、電気作動式喫煙システムである。電気作動式喫煙システムは、消費者が喫煙体験の間に喫煙システムを選択的に作動させることを可能にするが着火端式喫煙装置に比べて副流煙を著しく低減する。一般に、電気作動式喫煙システムは、エアロゾル発生物品又は喫煙物品を受け入れるハウジングと、エアロゾルを発生させる加熱要素と、電源と、必要な電子回路とを有するエアロゾル発生装置を含む。例えば、電子回路は、エアロゾル発生装置の加熱及び充電を制御するための回路とすることができる。携帯型装置及び一次充電装置を有することで、保持及び使用が容易な携帯型装置である小型エアロゾル発生装置の利点をもたらすが、繰り返して使用するために迅速かつ好都合にエアロゾル発生装置を再充電する能力をもたらすこともできる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、このタイプの電気システムの改善された動作を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の第1の態様によれば、一次装置及び二次装置を備える電気システムが提供され、一次装置は、電力源と、二次装置を受け入れるように構成されたキャビティと、二次装置がキャビティ内にある場合に、電力源に電気接続されて該二次装置の対応する接点に接触するように構成されたキャビティ内の少なくとも1つの電気接点と、二次装置を少なくとも1つの電気接点に接触した状態に維持する第1の位置と二次装置が少なくとも1つの電気接点に接触した状態から脱して自由に移動できる第2の位置との間を移動できる蓋とを備える。
【0005】
好都合には、このようなシステムにより、一次装置と二次装置との間の確実な電気接触によって二次装置の信頼性のある効率的な充電が可能になる。
【0006】
一次装置は、好ましくは、蓋が第1の位置に無い場合、少なくとも1つの電気接点を経由した二次装置への電力供給を阻止するように構成される。蓋が第1の位置に無い場合に二次装置への電力供給を阻止することで、電力が二次装置に供給されている場合の二次装置の使用を阻止することができる。
【0007】
一次装置は、蓋が第1の位置に無い場合に、少なくとも1つの電気接点と二次装置との間の非常に高い抵抗を保証することで、二次装置への電力供給を阻止するように構成することができる。一次装置は、蓋が第1の位置に無い場合に、少なくとも1つの電気接点と二次装置との間の接触を阻止するように構成することができる。一次装置は、蓋が第1の位置に無い場合に、一次装置と二次装置との間で完全な電気接続が行われるのを阻止するように構成することができる。完全な電気接続とは、一次装置と二次装置との間に電気が流れることができることを意味する。
【0008】
1つの変形例において、好ましくは、蓋は、第1の位置に無い場合に、二次装置への電力供給を阻止する手段を備える。好ましくは、電力阻止手段は、スイッチを備える。スイッチは、蓋が第1の位置にある場合に閉じるようになった物理的な接触スイッチとすることができる。スイッチは電源と電気接続状態にあり、閉じた状態で二次装置に電力を供給することができる。スイッチはリードスイッチとすることができ、リードスイッチは、キャビティの開口に隣接して一次装置内に設けられ、蓋には起動用磁石が設けられている。磁石は蓋に設けられており、蓋が第1の位置にある場合に磁石がリードスイッチを起動して二次装置へ電力を供給できるようになっている。もしくは、ホール効果変換器を利用することができる。この変形例では、ホール効果変換器は、キャビティの開口に隣接して一次装置に設ける。磁石は蓋に設けられており、蓋が第1の位置にある場合に磁石がホール効果変換器を起動して二次装置へ電力を供給できるようになっている。
【0009】
好ましくは、第1の位置において、蓋は二次装置が少なくとも1つの電気接点と接触するように付勢する。二次装置を少なくとも1つの電気接点と接触するように付勢することで、接点と二次装置との間の電気抵抗を著しく低減することができ、結果的に二次装置への電力供給が可能になる。
【0010】
本明細書で用いる場合、用語「付勢する」又は「付勢」は、1つの構成要素から他の構成要素に力を付与することを意味する。
【0011】
本明細書で用いる場合、用語「弾性要素」は、力を付与することで変形又は撓むことができるが、付与した力を解除すると元の位置又は状態に戻ることができる要素に関連する。弾性要素が、該弾性要素に向かって移動する構成要素が付与する力によって変形するか又は撓む際に、弾性要素は、構成要素を付勢して弾性要素から離れる方向に移動させる反力を発生する。弾性要素の例としてはコイルバネ及び片持ちバネを挙げることができる。
【0012】
好ましくは、電気システは、二次装置がキャビティ内に配置された場合に二次装置を蓋に向かって付勢するように構成された少なくとも1つの弾性要素をさらに備えることができる。好ましくは、少なくとも1つの弾性要素は、蓋が第1の位置にある場合に二次装置を蓋に向かって付勢するように構成される。好ましくは、少なくとも1つの弾性要素は、蓋が第2の位置にある場合に蓋を二次装置に向かって付勢しないように構成される。弾性要素は、蓋が第2の位置にある場合に、二次装置を少なくとも部分的にキャビティから外に付勢するように構成することができる。二次装置を少なくとも部分的にキャビティから外に付勢することで、二次装置を一次装置から取り出すことをさらに容易にすることができる。好ましくは、少なくとも1つの電気接点は少なくとも1つの弾性要素である。
【0013】
好ましくは、キャビティは、一次装置の最上部から延びる細長いキャビティである。好ましくは、キャビティの開口端から閉口端までの距離は、少なくとも二次装置と同じ長さである。
【0014】
好ましくは、電気システムは、電力源に電気接続された複数の電気接点をさらに備える。電気システムは2つの電気接点を備えることができ、第1の電気接点は電源の正極に接続され、第2の電気接点は電源の負極に接続される。
【0015】
別の変形例において、電力供給は、1つの弾性可動電気接点及び1つの非可動電気接点を設けることで阻止される。可動電気接点は、蓋が第1の位置に無い場合に、第2の非可動電気部品が二次装置と係合するのを阻止するように構成される。これにより、蓋が閉鎖されるまで完全な電気接続の形成を阻止する。
【0016】
好ましくは、電気接点は金属製である。好ましくは、電気接点を形成する金属は銅ベリリウムである。好ましくは、電気接点の少なくとも一部は金めっきである。
【0017】
好ましくは、電力源は充電式バッテリである。好ましくは、一次装置は、外部電力を受け取って充電式バッテリを再充電する手段を備える。
【0018】
好ましくは、電源装置は、二次装置の二次バッテリを再充電するのに適した方法で二次装置に電力を供給するように構成される。
【0019】
蓋の第1の位置は好ましくは閉鎖位置であり、蓋の第2の位置は好ましくは開放位置である。蓋が閉鎖位置にある場合、好ましくは、二次装置へのアクセスが実質的に阻止される。更に、蓋が閉鎖位置にある場合、好ましくは、二次装置は一次装置から取り出すこといができない。
【0020】
好ましくは、一次装置はハウジングをさらに備え、蓋は第1の位置及び第2の位置の両方においてハウジングに取り付けられる。
【0021】
好ましくは、ハウジングは、前壁、後壁、底壁、上壁、第1の側壁、及び第2の側壁を備える。
【0022】
用語「前」、「後」、「上」、「下」、「側」、「頂上」、「底」、「右」、「左」、及び他の一次装置及び二次装置の構成要素の相対位置を説明するために用いる用語は、上端において二次装置を受け入れるように構成されたキャビティの開口を備えた直立位置の一次装置を参照する。
【0023】
用語「長手方向」は、底部から頂部までの又はその逆の方向を参照する。用語「横方向」は長手方向に直交する方向を参照する。
【0024】
一次装置は、実質的に矩形の平行六面体とすることができ、2つの狭い側壁、上壁及び底壁で相隔たる2つの幅広の壁を備えている。好ましくは、二次装置は細長い。
【0025】
好ましくは、蓋はヒンジ蓋である。好ましくは、ヒンジは、ハウジングの最上部を前壁から後壁に延びる。ヒンジは蓋を第1の位置に保持するようになったバネを備えることができる。また、ヒンジは、蓋が第2の位置から第1の位置に移動する際に蓋の動きを制動するようになったダンパーを備えることができる。もしくは、ヒンジは、蓋を第2の位置の位置に保持するようになったバネを備えることができる。この変形例において、蓋は、該蓋を第1の位置を保持する手段を備えることが好ましく、保持手段は、バネが蓋に及ぼす力に打ち勝つように十分な力を付与するようになっている。
【0026】
保持手段は、少なくとも1つの磁石と、対応する少なくとも1つの鉄部品を備えることができる。少なくとも1つの磁石は一次装置のハウジング内に設けられ、鉄部品は蓋内に設けられる。もしくは、保持手段はラッチ式装置とすることができる。
【0027】
ヒンジ蓋は、ハウジングの最上部の全てを形成することができる。この変形例において、ヒンジは蓋と一体とすることができ、さらにハウジングの側壁に隣接することができる。
【0028】
好ましくは、二次装置は電気加熱式エアロゾル発生装置である。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品を収容し、喫煙体験時にユーザが保持するようにデザインされる。好ましくは、電源は二次装置に設けられ、エアロゾルの生成が始まる前にエアロゾル形成基材を作動温度まで加熱するようになっている。また、二次装置の電源は、エアロゾル発生時にエアロゾル形成基材の温度を維持するようになっている。好ましくは、一次装置の電力源は、二次装置が使用されていない場合の充電モード時に二次電源を充電するのに使用される。
【0029】
電気加熱式エアロゾル発生装置の形態の二次装置は、好ましくは、着火端シガレットと同じか又はこれよりも僅かに大きなサイズである。従って、二次ユニットは、着火端シガレットと同じようにユーザの指の間に保持することができる。
【0030】
好ましくは、二次装置は電気加熱要素を備え、一次装置は、蓋が第1の位置にある場合に二次装置に電力を供給して、電気加熱要素を加熱して加熱要素上に付着又は堆積した有機物質を熱的に遊離できるように構成される。使用時、エアロゾル発生物品は二次装置内に設けられ、エアロゾル発生基材の形態である。エアロゾル発生物品を二次装置から取り出した場合、これは二次装置の加熱器上に残ったままとなる可能性があり、有機残留物を遊離させるのに十分な温度に電気加熱器を加熱することで、加熱器を清浄化することができる。この操作は、ユーザが一次装置のスイッチを作動させることで、又は所定回数の二次装置の充電の後で行うことができる。
【0031】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」は、エアロゾル形成基材と相互作用してエアロゾルを発生する装置に関する。エアロゾル形成基材は、エアロゾル発生物品の一部、例えば、喫煙物品の一部とすることができる。エアロゾル発生装置は、電源からエアロゾル形成基材にエネルギを供給してエアロゾルを発生させるのに使用される1又はそれ以上の構成要素を備えることができる。例えば、エアロゾル発生装置は、加熱式エアロゾル発生装置とすることができる。エアロゾル発生装置は、電気加熱式エアロゾル発生装置又はガス加熱式エアロゾル発生装置とすることができる。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材と相互作用して、ユーザの口腔を通ってユーザの肺に直接吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙物品とすることができる。
【0032】
本明細書で使用される用語「エアロゾル形成基材」は、エアロゾルを形成できる揮発性化合物を放出可能な基材に関する。このような揮発性化合物は、エアロゾル形成基材を加熱することにより放出することができる。加熱又は燃焼に対する変形例として、一部の事例では、揮発性化合物は、化学反応によって、又は超音波などの機械的刺激により放出することができる。エアロゾル形成基材はまた、固体又は液体であり、或いは、固体及び液体成分の両方を含むことができる。エアロゾル形成基材は、担体又は支持体に吸着、コーティング、含浸、又は他の方法で充填することができる。エアロゾル形成基材は、好都合には、エアロゾル発生物品又は喫煙物品の一部とすることができる。
【0033】
エアロゾル形成基材は、ニコチンを含むことができる。エアロゾル形成基材は、タバコを含むことができ、例えば、加熱時にエアロゾル形成基材から放出される揮発性タバコ香味化合物を含有するタバコ含有材料を含むことができる。好ましい実施形態において、エアロゾル形成基材は、均質タバコ材料、例えば、キャスト葉タバコを含むことができる。エアロゾル形成基材は、プロピレン・グリコール又はグリセリンなどの少なくとも1つのエアロゾルファーマを含むことができる。
【0034】
本明細書で使用される用語「エアロゾル発生物品」及び「喫煙物品」とは、エアロゾルを形成可能な揮発性化合物を放出できるエアロゾル形成基材を備えた物品を指す。例えば、エアロゾル発生物品は、ユーザの口腔を通ってユーザの肺に直接吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙物品とすることができる。エアロゾル発生物品は、使い捨て可能とすることができる。以後、用語「エアロゾル発生物品」が一般に使用される。
【0035】
好ましくは、エアロゾル発生物品は、加熱式エアロゾル発生物品であり、これは、エアロゾルを形成できる揮発性化合物を放出するために燃焼ではなく加熱することを意図したエアロゾル形成基材を含むエアロゾル発生物品である。エアロゾル形成基材を加熱することにより形成されるエアロゾルは、エアロゾル形成基材の燃焼又は熱分解により生成されることになる既知の有害成分をより少なく含むことができる。エアロゾル発生物品は、タバコスティックとすることができ、或いは、タバコスティックを含むことができる。
【0036】
加熱要素上に有機物質又は残留物が存在すると喫煙物品等のエアロゾル発生物品を消費する際にユーザ体験を損なう場合がある。従って、エアロゾル発生装置(つまり、二次装置)の加熱器又は加熱要素が定期的に清浄化されることが好ましいとすることができる。一次装置又はエアロゾル発生装置の何れかは、清掃サイクルになる予定であることをユーザに警報するインジケータを備えることができる。エアロゾル発生装置又は一次装置の何れかに設けられるコントローラは、清掃サイクルを行うことなく所定回数の喫煙サイクルが行われた場合を判定してインジケータを作動させることができる。ユーザがインジケータの作動後に所定回数の喫煙サイクルの範囲内で清掃サイクルを作動させない場合、ユーザは、清掃サイクルが実行される前に物品を更に消費することができない。このような清掃サイクルは、手動で作動させることを必要とする場合、又は清浄化が必要と判定された後にエアロゾル発生装置が一次装置内に装填された場合に自動的に発生する場合がある。清浄化が必要な場合にエアロゾル発生装置の作動を阻止することで、安定してより心地よいユーザ体験を提供することができる。
【0037】
好ましくは、蓋は、二次装置がキャビティ内にあり蓋が第1の位置にある場合に物質をキャビティから放出することができる、少なくとも1つのアパーチャを備える。好ましくは、アパーチャは、遊離した有機物質が外に出ることができるように構成される。好都合には、蓋に少なくとも1つのアパーチャを設けることで、一次装置内のキャビティの通気が可能になり、堆積物の堆積を低減することができる。
【0038】
好ましくは、二次装置は、少なくとも3つのモードで作動するようになっている。好ましくは、少なくとも3つのモードは、充電モード、清掃モード、及び作動モードである。好ましくは、充電モード及び清掃モードは、二次装置が一次装置の中にあり蓋が第1の位置にある場合にのみアクセス可能である。好ましくは、エアロゾルが発生する作動モードは、二次装置が一次装置の中に無い場合にのみ利用できる。
【0039】
好ましくは、二次装置は充電式バッテリを備え、一次装置は、二次装置が少なくとも1つの電気接点に接触する状態で二次装置の充電式バッテリを再充電するのに適した方法で、二次装置に電力を供給するように構成される。
【0040】
好ましくは、二次電源は、充電モードの間に一次電源によって充電することができ、二次電源は、喫煙モードの間にエアロゾル形成基材の温度を実質的に作動温度に維持するのに十分な充電量を有するようになっている。最適な温度に達しない場合、装置の作動時に発生するエアロゾルの量及び質が低下する可能性がある。例えば、基材が最適な温度に加熱される場合に比べて、加熱要素がエアロゾル形成基材を低い温度に加熱する場合には、異なる特性の揮発性成分が発生する可能性があり、結果的にエアロゾルの香味が変わる可能性がある。より最適かつ安定したユーザ体験を提供するために、二次装置は、完全に充電された場合のみ作動可能であることが好ましいであろう。完全に充電された状態では、二次電源は常にエアロゾル形成基材を最適温度に加熱できるはずである。二次装置のどの作動も二次電源からの電力を消費することになるので、好ましくは、二次装置は各作動の前に再充電する必要がある。例えば、エアロゾル発生装置は、他の喫煙物品を消費する前に、すべての作動の後に再充電する必要がある。
【0041】
形成される何らかのエアロゾルの基材を使い尽くすか又は実質的に使い果たすのに十分な期間にわたってエアロゾル形成基材を加熱するための十分な充電量を二次装置がもたない場合、不十分な充電は満足できないユーザ体験につながる場合がある。従って、1つの実施形態において、二次装置は、エアロゾル発生サイクルを完了するために十分な電力を利用できない場合には、ユーザが装置の作動を開始するのを阻止することになる。例えば、エアロゾルを形成するのがタバコベースのエアロゾル発生基材を含む喫煙物品である場合、二次装置は、少なくとも6分の作動温度に維持するための十分な電力が存在しない場合には喫煙体験を許可しない可能性がある。
【0042】
好ましくは、予加熱モードの間の一次電源から少なくとも1つの加熱要素への電力供給は、二次装置の二次回路によって制御される。充電モードの間の二次電源を充電するための一次電源からの電力供給は、二次装置の二次回路によって制御できる。
【0043】
二次装置は一次装置のキャビティにキー嵌合することができ、一次装置に適合する二次装置のみをキャビティに挿入できる。二次装置の一次装置のキャビティへのキー嵌合を行うために、キャビティは特定の不規則な形状を備えることができ、二次装置は対応する不規則な形状を備えることができる。更に、好ましくは、二次装置を正しい方向でキャビティ内に確実に挿入するために、不規則な形状は回転対称ではない。従って、二次装置は、1つの方向でのみキャビティに挿入することができる。
【0044】
一次装置は、一次装置と二次装置との間でデータを転送するようになった少なくとも1つの接点を更に備えることができる。好ましくは、一次装置は、一次装置と二次装置との間でデータを転送するようになった少なくとも2つの接点を更に備えることができる。一次装置は、好ましくは、蓋が第1の位置にある場合に二次装置にデータを転送するか又は二次装置からデータを受信するように構成される。
【0045】
少なくとも1つのデータ転送接点は、好ましくは弾性要素である。好ましくは、少なくとも1つのデータ転送接点は、蓋が第1の位置に無い場合に、二次装置への電力供給を阻止するように構成される。好ましくは、少なくとも1つの弾性データ転送接点は、蓋が第2の位置にある場合の、少なくとも1つの電源電気接点が二次装置と係合しない第1の中立位置から、蓋が第1の位置にある場合の、少なくとも1つのデータ電気接点及び少なくとも1つの電源電気接点の両方が二次装置と電気接触する第2の撓み位置に移動可能である。
【0046】
データは、二次装置と一次装置との間、並びに一次装置からコンピュータが読み取ることができるコンピュータインタフェースに、又はコンピュータ又はインターネットにデータを転送することができる他の電子装置に伝達することができる。好ましくは、データ接続はインタフェース規格の下で機能する。インタフェース規格は、1つ又はそれ以上のコード変換、ライン割り当て、又はプロトコル準拠等の機能特性、又は電気、機械、又は光学特性等の物理特性を表現する規格であり、2つ又はそれ以上のシステムの間、又は機器の各一部の間で情報交換を可能にするために必要である。通信リンクのための適切なインタフェース規格の例としては、限定されるものではないが、勧告基準232(RS−232)基準系列、USB、Bluetooth、FireWire(IEEE1394インタフェースに関するアップル社の商標)、IrDA(赤外線通信協会、赤外線による短距離のデータ交換のための通信基準)、Zigbee(無線パーソナルエリアネットワークに関するIEEE 802.15.4基準に基づく仕様)、及び他のWi−Fi基準を挙げることができる。
【0047】
本開示の他の態様によれば、一次装置及び二次装置を備える電気システムが提供され、一次装置は、電力源と、二次装置を受け入れるように構成されたキャビティと、二次装置がキャビティ内にある場合に二次装置上の対応する接点と接触するように構成され、電力源に電気接続される、キャビティ内の少なくとも1つの電気接点と、二次装置をキャビティ内に保持する第1の位置と、二次装置がキャビティから脱して自由に移動できる第2の位置との間を移動できる蓋と、を備え、蓋は、該蓋が第1の位置にある場合に物質がキャビティから放出されることを可能にする少なくとも1つのアパーチャを備える。
【0048】
蓋は、留め金等の機械的手段又は磁気ラッチ手段によって第1の位置に保持することができる。蓋は、バネの閉鎖力によって第1の位置に保持することができる。例えば、蓋は、ロック機構を組み込んだヒンジを有することができる。蓋は、第1の位置と第2の位置との間を移動する間に該蓋の損傷を防ぐのを助ける制動機構を組み込んだヒンジを有することが好ましい。従って、蓋は、ロータリーダンパー又はバレルダンパー機構を組み込んだヒンジを有することができる。
【0049】
本開示の更に他の態様によれば、本明細書で説明したエアロゾル形成基材及び電気システムを備えたエアロゾル発生システムが提供される。二次装置はエアロゾル発生装置であり、エアロゾル形成基材を収容するように構成される。蓋は、二次装置がキャビティ内にあり、エアロゾル形成基材が二次装置に収容されている場合は、第1の位置に移動することが阻止される。
【0050】
本開示の更に他の態様によれば、エアロゾル形成基材を加熱してエアロゾルを形成する加熱要素と、加熱要素に接続されて該加熱要素に電力を供給するように構成された充電式バッテリと、充電式バッテリに接続されたコントローラとを備えるエアロゾル発生装置が提供され、コントローラは、充電式バッテリが所定の閾値以上に充電されていない場合は加熱要素の作動を阻止するように構成されている。好ましくは、エアロゾル発生装置に設けられた加熱要素はハウジング内に保持され、また、ハウジングは、エアロゾル形成基材を加熱要素に隣接又は接触した状態で収容して位置決めするための基材収容チャンバを定める。好都合には、エアロゾル形成基材は、基材収容キャビティ内に収容されるようになったエアロゾル発生物品の構成要素とすることができる。
【0051】
エアロゾル発生装置の1つの実施形態において、コントローラは、加熱要素の以前の作動後の所定の期間は加熱要素の作動を阻止するように構成される。代替的に又は追加的に、コントローラは、充電式バッテリの充電レベルに基づいて、又は加熱要素の作動後の消費電力量に基づいて加熱要素の作動を阻止するように構成することができる。前述のように、作動時に発生するエアロゾルの量及び質は、充電式バッテリの充電レベルがエアロゾル形成基材に対して所定の熱サイクルを与えるのに十分でない場合に低下する可能性がある。
【0052】
一次装置は、ユーザに対して情報を表示するディスプレイ(例えば、デジタルディスプレイ)を含むことができる。例えば、ディスプレイは、喫煙物品の消費量、エネルギ消費量、又は他の情報を表示することができる。更に、ディスプレイは、二次電源が喫煙物品を消費するのに使用するだけ十分に充電された場合を示すことができる。
【0053】
本開示の更に他の態様によれば、加熱要素と、加熱要素に接続されて加熱要素に電力を供給するように構成された電源と、加熱要素に接続されたコントローラとを備えるエアロゾル発生装置が提供され、コントローラは、第1のモードにおいてエアロゾル発生サイクルを実行し、第2のモードにおいて清掃サイクルを実行するように加熱要素への電力供給を制御するように構成され、更にコントローラは、装置の作動を監視して、清掃サイクルを実行することなく連続した所定回数のエアロゾル発生サイクルの実行に続く第1のモードでは電力の供給を阻止するように構成される。好ましくは、エアロゾル発生装置に設けられた加熱要素はハウジング内に保持され、また、ハウジングは、エアロゾル形成基材を加熱要素に隣接又は接触した状態で収容して位置決めするための基材収容チャンバを定める。好都合には、エアロゾル形成基材は、基材収容キャビティ内に収容されるようになったエアロゾル発生物品の構成要素とすることができる。
【0054】
好ましくは、エアロゾル形成基材は、加熱持に基材から放出される揮発性タバコ香味成分を含有するタバコ含有材料を含む。或いは、エアロゾル形成基材は非タバコ材料を含むことができる。好ましくは、エアロゾル形成基材はエアロゾルフォーマを更に含む。適切なエアロゾルフォーマの例は、グリセリン及びプロピレン・グリコールである。
【0055】
エアロゾル形成基材は固体基材とすることができる。固体基材は、例えば、1つ又はそれ以上の粉体、粒体、粒体、ペレット、細断片、スパゲティ、ストリップ、又はシートを含みことができ、これらは1つ又はそれ以上のハーブ葉、タバコ葉、タバコ茎の断片、再構成タバコ、均質化タバコ、押し出しタバコ、及び膨張タバコを含むことができる。随意的に、固体エアロゾル形成基材は、基材の加熱時に放出されることになる追加のタバコ又は非タバコ揮発性香味化合物を含むことができる。随意的に、固体エアロゾル形成基材は、熱的に安定した担体上に設けること又はそれに組み込むことができる。担体は、粉体、粒体、ペレット、細断片、スパゲティ、ストリップ、又はシートの形態とすることができる。代替的に、担体は、その内面、外面、又は内面及び外面の両面に堆積された薄層の固体基材を有する管状担体とすることができる。このような管状担体は、例えば、紙又は紙状材料、不織布炭素繊維マット、低質量の目の荒いメッシュの金属スクリーン、又は有孔金属箔、又は耐熱性ポリマーマトリクスの形を成すことができる。固体エアロゾル形成基材は、例えば、シート、発泡体、ゲル、又はスラリーの形態で担体表面に堆積することができる。固形エアロゾル形成基材は、担体の全表面に堆積すること、又は代替的に使用時に不均一な香味送出をもたらすために所定のパターンで堆積することができる。代替的に、担体は、タバコ成分が組み込まれた不織布又は繊維束とすることができる。不織布又は繊維束は、例えば、炭素繊維、天然セルロース繊維、又はセルロース誘導体繊維を含むことができる。
【0056】
エアロゾル形成基材は液体基材とすることができ、喫煙物品は、液体基材を保管する手段を備えることができる。代替的に、エアロゾル形成基材は、気体基材又は種々の基材の任意の組み合わせ等の他の種類の基材とすることができる。
【0057】
一次ユニットは、タバコエアロゾル形成基材を含む喫煙物品等の少なくとも1つのエアロゾル発生物品のための収納手段を含むことができる。収納手段は、使用済み喫煙物品、未使用喫煙物品、又はその両方のための収納部を含むことができる。このことは、一次ユニット及び二次ユニットが協働して喫煙モードに必要な全ての構成要素を提供するので好都合である。
【0058】
1つの態様は、エアロゾル発生システムを提供することができ、該エアロゾル発生システムは、加熱要素及び該加熱要素に電力を供給する充電式電源を含む、エアロゾル発生物品を消費するためのエアロゾル発生装置と、エアロゾル発生装置に結合して電源を再充電すると共に加熱要素を清浄にするための充電装置とを備え、このシステムは、エアロゾル発生装置が充電装置に結合している場合にはエアロゾル発生物品の消費を防ぐように構成されている。エアロゾル発生装置は、任意のエアロゾル発生装置又は本明細書で説明した任意の二次装置とすることができる。充電装置は、任意の充電装置又は本明細書で説明した一次装置とすることができる。エアロゾル発生物品は、任意のエアロゾル発生物品又は本明細書で説明した喫煙物品とすることができる。本システムは、エアロゾル発生装置が充電装置に結合されている場合にエアロゾル発生物品の消費を阻止するための機械的手段を含むことができる。例えば、エアロゾル発生装置が充電装置の内部で蓋によって囲まれている場合を除いて、エアロゾル発生装置が充電装置に結合されている場合は、加熱要素を作動させることはできない。エアロゾル発生装置がエアロゾル発生物品に結合されている場合、蓋を閉じることはできない。本システムは、エアロゾル発生装置が充電装置に結合されている場合にエアロゾル発生物品の消費を阻止するための電気的手段又はソフトウェア手段を備えることができる。例えば、センサは、エアロゾル発生装置が充電装置に結合されている場合にエアロゾル発生物品の存在を検出することができ、次に、コントローラは、加熱要素の作動を阻止することができる。
【0059】
1つの態様は、加熱要素及び該加熱要素に電力を供給する電源を備えるエアロゾル発生装置を提供することができ、装置は、電源が加熱要素に電力を供給するために利用できる所定の充電レベルより大きな充電レベルである場合を除いて、加熱要素の作動を阻止するように構成されている。電源が完全に充電されている場合にのみ加熱要素の作動が起こることが好ましいであろう。エアロゾル発生装置は、任意のエアロゾル発生装置又は本明細書で説明した任意の二次装置とすることができる。
【0060】
1つの態様は、エアロゾル発生物品の消費者に対して安定したユーザ体験を与える方法を提供することができ、物品は、加熱要素及び該加熱要素に電力を供給するための電源を備えたエアロゾル発生装置を加熱することで消費することができ、本方法は、電源の充電レベルを判定する段階と、利用できる充電レベルが所定の閾値を超えた場合にのみ加熱要素を作動させる段階と、を含む。エアロゾル発生装置は、任意のエアロゾル発生装置とすること、又は本明細書で説明した任意の二次装置とすることができる。エアロゾル発生物品は、任意のエアロゾル発生物品とすること、又は本明細書で説明した喫煙物品とすることができる。
【0061】
1つの態様は、エアロゾル発生システムを提供することができ、該エアロゾル発生システムは、加熱要素及び該加熱要素に電力を供給する充電式電源を含む、エアロゾル発生物品を消費するためのエアロゾル発生装置と、エアロゾル発生装置に結合して電源を再充電すると共に加熱要素を清浄にするための充電装置とを備え、このシステムは、ユーザが、エアロゾル発生装置が充電装置に結合されている場合に加熱要素を清浄にすることなく、所定回数以上のエアロゾル発生物品を消費するのを阻止するように構成されている。
【0062】
本明細書で用いる場合、にミーンズ・プラス・ファンクションの特徴要素は、代替的に対応する構造を用いて表現することができる。
【0063】
1つの態様に関する何らかの特徴要素は、何らかの適切な組み合わせで他の態様に適用することができる。特に、方法の態様は、装置の態様に適用することができ、その逆も同様である。更に、1つの態様の任意の、いくつかの、又は全ての特徴要素は、何らかの適切な組み合わせで他の態様の任意の、いくつかの、又は全ての特徴要素に適用することができる。
【0064】
本発明の何らかの態様で説明され規定された種々の特徴要素の特定の組み合わせは、独立して実装、供給、又は使用することができることを理解されたい。
【0065】
本発明は、添付の図面を参照して例証として世羅に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0066】
図1a】電気システムの一次装置を示す図である。
図1b】電気システムの二次装置を示す図である。
図2図1aの一次装置内に収容される図1bの二次装置を示す図である。
図3図1a及び図2に示す一次ユニットの電気接点の詳細図を示す図である。
図4】一次装置の上面図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
図1(a)は一次装置100を示す。本実施例の一次装置100は、電気加熱式喫煙システムのための充電及び清掃ユニットである。図1(b)は二次装置102を示す。本実施例の二次装置102は、エアロゾル形成基材を備える喫煙物品104を収容するようになった電気加熱式エアロゾル発生装置である。一次装置100は、一次バッテリ106、制御電子機器108、及び電気接点110を備え、電気接点110は、二次装置が電気接点110と接続状態にある場合にバッテリ106から二次装置に電力を供給するように構成されている。一次装置は、バッテリ106を使用して二次装置を充電するように構成されている。電気接点110は、キャビティ112の底部の近くに設けられている。キャビティは、二次装置102を受け入れるように構成されている。蓋114が設けられており、蓋は、一次装置100のキャビティ112内に二次装置102を固定するように構成されている。一次装置100の構成要素は、ハウジング116内に収容される。蓋114は、ハウジング116にヒンジ118で結合される。蓋の作動は以下で詳細に説明する。
【0068】
加えて、一次装置100は、一連の3つのインジケータ120、122、及び124を備える。インジケータ120は、一次バッテリ106に残っている充電量を示すために設けられている。一次バッテリに残っている充電率を示すように構成されている。例えば、100%はバッテリ106が完全に充電されていることを示し、50%はバッテリ106が半分充電されていることを示すことになる。
【0069】
第2のインジケータ122は、二次装置102が完全に充電され、エアロゾルを発生させるために使用できることを示すために設けられている。インジケータ122は、例えば、エアロゾル形成基材104全体をエアロゾル化するために十分な電力又は所定回数の吸煙を生じるのに十分な電力である、二次装置がユーザに完全な喫煙体験を提供するための十分な電力を供給することが可能になるとすぐに、この準備ができた状態だけを示す。この特定の実施形態において、二次装置102は、充電式バッテリ126が完全に充電されていないと作動できない。
【0070】
第3のインジケータ124は、二次装置が清浄化されたことを示すために設けられている。清掃操作は以下に詳細に説明する。
【0071】
二次装置102は、充電式バッテリ126、二次制御電子機器128、及び電気接点130を備える。前述のように、二次装置102の充電式バッテリ126は、電気接点130が一次装置100の電気接点110と接続状態にあり蓋が閉鎖位置にある場合に、一次バッテリ106から電力供給を受けるように構成されている。更に、二次装置102は、エアロゾル発生物品104を受け入れるように構成されたキャビティ132を備える。例えば、ブレード加熱器の形態の加熱器134は、キャビティ132の底部に設けられている。使用時、ユーザは二次装置102を作動させ、電力はバッテリ126から制御電子機器128を経由して加熱器134に供給される。加熱器は、エアロゾル発生物品104のエアロゾル形成基材からエアロゾルを発生させるのに十分な標準動作温度に加熱される。二次装置102の構成要素は、ハウジング136内に収容される。
【0072】
一次装置は4つの電気接点110を備え、そのうちの2つは二次装置に電力を供給し、残りの2つは、一次装置と二次装置との間でデータを伝達するものである。データ接続は、二次装置から使用統計値及び作動状態情報等のデータをダウンロードするように構成されている。更に、データ接続は、一次装置から二次装置に動作プロトコル等のデータをアップロードするように構成されている。動作プロトコルは、二次電源から加熱器に電力を供給する際に用いる電源プロファイルを含むことができる。データは、二次装置102から一次装置100に伝達して、例えば、制御電子機器108内に記憶することができる。次に、データは、制御電子機器108に接続することができる通信ポート138を経由して一次装置100の外部に伝達することができる。
【0073】
図2は、一次装置100のキャビティ内に収容された二次装置102を示す。蓋114は閉鎖位置で示されている。この閉鎖位置において、蓋は、一次装置と二次装置との間の良好な電気接続が可能になるように二次装置102に作用するように構成される。図から分かるように、二次装置の電気接点130は、一次装置の電気接点110に係合する。一次装置の電気接点110は、蓋が閉鎖位置にある場合に二次装置に力を加えるように構成されている。電気接点110は弾性要素を形成し、二次装置からの反対向きの力がないときは中立位置にあり、キャビティ112の底面から変位している(図1a参照)。
【0074】
一次装置は、喫煙物品104が二次装置に収容された場合には蓋を閉じないような寸法である。従って、二次装置は、電力を二次装置に供給できる閉鎖位置に蓋が移動できないので、喫煙物品を収容しているときは充電又は清浄化することができない。これにより、二次装置が充電又は清浄化されている際に、ユーザが二次装置を用いてエアロゾルを発生させることを阻止できる。
【0075】
蓋114は、蓋を閉鎖位置に保持するための手段を備える。保持手段は、蓋が二次装置に作用して電気接点が図1aに示す位置から図2に示す係合位置に撓むように、十分な力を付与する。保持手段はヒンジ118内部のバネである。代替的に又は追加的に、蓋は、一次装置のハウジングに設けられた磁石と係合するようになった鉄部品である。
【0076】
図3は、一次ユニットの電気接点110の詳細図である。図で分かるように、電気接点110は、板バネの形態であり、蓋が閉鎖位置にある場合に二次装置に十分な力を与えて一次装置と二次装置との間の良好な電気接続を保証するために、電気接点110を弾力性のあるものにすることができる。電気接点110は、支持部300で一次装置に取り付けられる。支持部300は、二次装置が接触端部304において電気接点110と係合して図1aに示す中立位置から撓んだ際に、電気接点の後端部302が実質的に静止したままであるように構成される。後端部302は、電線により制御電子機器に接続されるので、使用時確実に後端部302を実質的に静止したままとすることで、接続部が疲労で故障する可能性が低くなる。前述のように、一次装置は4つのこのような電気接点を備え、2つは電力用で2つはデータ通信用である。4つの電気接点は、二次装置がキャビティ内にあり蓋が閉鎖位置にある場合に、合わせて約5Nの力を二次装置に付与する。従って、蓋保持手段は、ハウジングと蓋との間に約7.5Nの保持力を与えるように構成されている。付加的な力は、二次装置の充電又は清掃の間にユーザが蓋に偶発的にぶつかった場合に蓋が開く可能性を低減するために付与される。
【0077】
本明細書では電気接点の特定の実施形態が提供されたが、当業者には、電気接点の任意の適切な構成を利用できることが明らかである。
【0078】
前述のように、一次装置はまた、二次装置上で清掃動作を行うように構成されている。清掃動作は、二次装置に十分な電力を供給して、加熱器134を標準動作温度を超えて清掃温度まで加熱できるようにすることを含む。清掃温度は、喫煙物品104を二次装置102から取り外した後でブレード加熱器に付着したままとなる可能性のある何らかの残留エアロゾル形成基材を遊離させるのに十分な温度である。図4に示すように、蓋114は通気口400を備え、通気口は、遊離したエアロゾル形成基材が例えば煙のようなエアロゾルの形態でキャビティから外に出るのを可能にするように構成されている。清掃動作の間に、第3のインジケータ124が点灯してユーザに二次装置が清浄化されていることを知らせる。この清掃動作の間に、ユーザは、蓋を開けて二次装置を取り出すことが阻止される。
【0079】
勿論、本明細書は、例示目的でのみで説明された前述の実施形態の詳細内容に限定されることを意図していないことを理解されたい。
【符号の説明】
【0080】
100 一次装置
102二次装置
104 喫煙物品
106 一次バッテリ
108 制御電子機器
110 電気接点
112 キャビティ
114 蓋
116 ハウジング
118 ヒンジ
図1(a)】
図1(b)】
図2
図3
図4