(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1実施形態]
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。ここでは、本発明に係る遊技機の適例としてのパチンコ遊技機について説明を行う。
本実施形態に係る遊技機は、始動入賞により発生する始動権利に基づいて、条件装置の作動を伴う大当たり又は条件装置の作動を伴わない小当たりに当選したか否かを判定し(特図当たり抽選)、この判定結果に応じて遊技者に利益を付与するように構成されている。特図当たり抽選では、特図当たり判定用乱数と大当たり判定値又は小当たり判定値を比較することにより大当たり又は小当たりの当否を判定する。
ここで、条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当たりが発生(大当たり抽選に当選)した場合に作動するものである。条件装置が作動するとは、例えば大当たり状態が発生して特別電動役物としての開閉扉(26a)又は可動部材(61a)を連続して作動させるための大当たりフラグがセットされることを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当たり抽選に当選した場合のように大当たりフラグはセットされないことを意味する。
なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であってもよいし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であってもよい。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則に定義されている。本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
【0011】
図1は本発明を適用した遊技機100の正面図であり、
図2は遊技機100に備わる遊技盤1を示す正面図である。
図1に示すように、遊技機100は、矩形枠状に構成された機枠110を備え、機枠110の前面側には、該機枠110に対して前方向へ扉状に回動可能に矩形枠状の前面枠120が軸着されている。
前面枠120は、当該前面枠120に備えられる各種部材等の取付用のベースとなる前面枠本体130と、当該前面枠本体130に対して、その前面側に回動可能に軸支されたクリア部材保持枠140と、前面枠本体130の前面のクリア部材保持枠140の下側に取り付けられた発射操作ユニット150と、を有する。
前面枠本体130は、矩形枠状の機枠110の前面側をちょうど覆うような概略矩形板状に構成されるとともに、その中央から上端部にわたる部分に、遊技盤1を嵌め込んで収容するための方形状の開口部が形成されている。そして、前面枠本体130に収容された遊技盤1の前面が前面枠本体130の開口部から前側に臨むようになっている。
すなわち、遊技盤1は、前面枠本体130に嵌め込まれることで前面枠120に取り付けられている。
【0012】
前面枠本体130の遊技盤1が嵌め込まれた開口部、すなわち、前面枠本体130の中央より少し下側から上端部にわたる部分には、前面枠本体130の前側を覆うクリア部材保持枠140が配置されている。遊技盤1の前面とクリア部材保持枠140に嵌め込まれたクリア部材としてのガラス板との間で、遊技盤1の前面に設けられたガイドレール2に囲まれた部分が、遊技球が発射されて流下する遊技領域1aとされている。
クリア部材保持枠140の一方の側部(遊技機100の前面側から見て左側の側部)は、前面枠本体130の一方の側部に回動可能に軸支されて、扉状に開閉自在とされ、クリア部材保持枠140を開くことにより、遊技盤1の前面側の遊技領域1aの前側を開放可能となっている。
クリア部材保持枠140には、前面枠本体130の開口部をほぼ閉塞するように、該開口部に嵌め込まれた遊技盤1との間に遊技球が流下可能な遊技領域1aとなる間隔を開けて二重のガラス板が固定されている。そして、クリア部材保持枠140において、遊技機100の前側からガラス板を介して遊技盤1の前面側の少なくとも遊技領域1aの部分が視認可能となっている。
【0013】
クリア部材保持枠140の前面であって、ガラス板が固定されて遊技領域1aを視認可能とする部分の周囲には、内部にLED161(
図3参照)を備える枠側連続予告表示装置(枠装飾装置)72、音声を出力するスピーカ145、145などが設けられている。なお、枠側連続予告表示装置72は、本物連続予告や擬似連続予告に関する演出を様々な発光態様により実現する。
【0014】
前面枠本体130に軸着されたクリア部材保持枠140の開放端側となる前面側から見て右側の端部の前面には、施錠装置の一部をなす鍵穴143が形成されている。
鍵穴143は、前面枠本体130の施錠装置の一部であるとともに、クリア部材保持枠140の施錠装置の一部でもあって、鍵穴143に鍵を入れて一方(例えば、左回り)に回すと前面枠本体130の施錠が解除され、他方(例えば、右回り)に回すとクリア部材保持枠140の施錠が解除されるようになっている。
【0015】
前面枠本体130の前面側のクリア部材保持枠140の下側には、発射操作ユニット150が取り付けられている。
発射操作ユニット150は、左右側部のうちの一側部となる左側部を前面枠本体130に軸着されて、左右方向に回動して開閉自在な開閉パネル151とその下の下部パネル152とからなる。
開閉パネル151は、排出された遊技球を貯留するとともに、遊技球を発射する発射装置(図示略)に遊技球を送る上皿153を有している。上皿153の周囲には、液晶表示装置50における演出に関連して遊技者が操作可能な演出用ボタン157が設けられている。
開閉パネル151の下側の下部パネル152には、上皿153に収容しきれない遊技球を収容する下皿154及び灰皿155と、遊技領域1aに向けての遊技球の発射操作を行うとともに、該遊技領域1aに遊技球を発射する際の発射勢を調節するための操作ハンドル156、音声を出力するスピーカ145などが設けられている。
【0016】
図2に示すように、遊技盤1の遊技領域1aには、センターケース200、普図始動ゲート21、特
図1始動口24、特
図2始動口25、第1大入賞口26、一般入賞口27、・・・、風車と呼ばれる打球方向変換部材(図示略)、多数の障害釘(図示略)などが配設されている。
また、遊技領域1aの最下端部中央にはアウト球を回収するためのアウト穴29が設けられており、センターケース200の右上方には遊技領域1aに発射された遊技球の発射勢を吸収する発射勢吸収部28がガイドレール2の内側面に沿って設けられている。
【0017】
遊技盤1の前面右下であってガイドレール2の外側には、遊技状態表示装置160が設けられている。
この遊技状態表示装置160には、普図変動表示ゲームを表示する普図表示器23、特
図1変動表示ゲームを表示する特
図1表示器22A、特
図2変動表示ゲームを表示する特
図2表示器22B、普図変動表示ゲームの未処理回数(普図始動記憶数)を表示する普図記憶表示器20、特
図1変動表示ゲームの未処理回数(特
図1始動記憶数)を表示する特
図1記憶表示器12、特
図2変動表示ゲームの未処理回数(特
図2始動記憶数)を表示する特
図2記憶表示器13、特
図1/特
図2変動表示ゲームにおける結果が2R当たりか15R当たりかを表示する決定ラウンド数表示器14が設けられている(
図3参照)。
なお、普図記憶表示器20、普図表示器23、特
図1表示器22A、特
図2表示器22B、特
図1記憶表示器12、特
図2記憶表示器13、決定ラウンド数表示器14は、セグメントLEDとして一体に設けられている。
【0018】
センターケース200は、遊技領域1aの略中央に取り付けられ、特図変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)の表示領域となる窓部10aを有している。このセンターケース200に形成された窓部10aの後方には、液晶表示装置50が配設されている。
液晶表示装置50は、例えば、液晶ディスプレイからなる表示部を備え、センターケース200の窓部10aを介して遊技盤1の前面側から表示内容を視認可能となっている。
なお、液晶表示装置50の代わりに、ELやCRT等のディスプレイを表示装置として
用いるようにしてもよい。
【0019】
センターケース200の上部には、前方に庇状に突出した鎧部230が設けられている。鎧部230は、その前端が遊技領域1aの前側を規制するガラス板の裏面近傍に配置され、これにより遊技球がセンターケース200の内側に流入するのを防止している。
鎧部230は、その上端部から左下側に傾斜して形成された傾斜面部231を具備し、その傾斜面部231の中途部に第2大入賞口61を開閉する可動部材(特別電動役物)61bが設けられている。第2大入賞口61の内部(入賞領域)には、当該第2大入賞口61に入った遊技球を検出する第2大入賞口センサ61a(
図3参照)が配設されている。
また、傾斜面部231の下端部に連続して左側面部232が形成され、その左側面部232の略中央やや下側部分に、ワープ入口を具備するワープ流路構成部材240が設けられている。
【0020】
後述する8種類の大当たりのうちの2R当たり(2R通常当たり、2R確変当たり)に当選したときと小当たりに当選したときに、可動部材61bの開閉動作により、第2大入賞口61が2R開放されるようになっている。可動部材61bの開閉時間は極めて短時間に設定されているため、賞球はほとんど期待できない。
【0021】
センターケース200の右部には、円形窓部から内部のLEDの発光を視認可能に構成された4つの発光部を有する盤側連続予告表示装置71が設けられている。この盤側連続予告表示装置71における様々な発光態様の演出により、液晶表示装置50で実行される変動表示ゲームの演出を装飾するとともに、本連予告演出(先読み予告演出)や擬似連予告演出を補助する。
例えば、4つの発光部71a〜71dは、本連予告演出が何ゲームにわたって実行されるかを示す本連予告演出に係る連続変動数に対応して点灯/消灯するようなっている。また、擬似連予告演出が何回の疑似変動で構成されているかを示す疑似連予告演出に係る連続変動数(擬似連数)に対応して点灯/消灯するようになっている。
【0022】
センターケース200の左側には、普図始動ゲート21が設けられている。
普図始動ゲート21内には、普図始動ゲート21を通過した遊技球を検出するための普図ゲートセンサ21a(
図3参照)が設けられている。遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート21を通過して普図ゲートセンサ21aにより検出されると、普図変動表示ゲームが普図表示器23で行われる。そして、普図変動表示ゲームにおいて所定の結果態様が導出されると、普図当たりとなり、後述する可動部材25bの開閉動作により、特
図2始動口25が開放される。
なお、普図変動表示ゲームは、液晶表示装置50の表示領域の一部に表示するようにしても良く、この場合は、識別図柄(識別情報)として、例えば、数字、記号、キャラクタ図柄などの飾り普通図柄を用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うようにする。
【0023】
センターケース200の下側には特
図1始動口24が設けられ、その内部には特
図1始動口センサ24a(
図3参照)が備えられている。特
図1始動口センサ24aによって遊技球を検出することに基づいて、特
図1変動表示ゲームを開始する特
図1始動権利が発生するようになっている。
特
図1始動口24の下部には特
図2始動口25が設けられ、その内部には特
図2始動口センサ25a(
図3参照)が備えられている。特
図2始動口センサ25aによって遊技球を検出することに基づいて、特
図2変動表示ゲームを開始する特
図2始動権利が発生するようになっている。
特
図2始動口25は、左右一対の可動部材(普通電動役物)25b,25bを具備している。この一対の可動部材25b,25bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいて閉じた状態を保持しており、特
図1始動口24により上部が閉塞されることで、特
図2始動口25に遊技球を受け入れ不可能な状態となっている。一方、普図当たりとなった場合には、駆動装置としての普電SOL25c(
図3参照)によって逆「ハ」の字状に所定時間(例えば、0.5秒間)開放され、遊技球を受け入れ可能な状態となる。これにより、特
図2始動口25に遊技球が入賞し易くなるので、特
図2変動表示ゲームの始動が容易となる。
【0024】
このように、遊技機100は、遊技領域に設けられた第1始動口(特
図1始動口24)と、普通電動役物としての可動部材(25b,25b)の開閉動作により遊技球が入賞しやすい状態と遊技球が入賞しにくい若しくは入賞しない状態とに変換される第2始動口(特
図2始動口25)を備えている。
また、遊技球が入賞又は通過することにより、特
図1始動権利又は特
図2始動権利と異なる普図始動権利を発生させる普図始動口(普図ゲート21)を備えている。
【0025】
特
図1変動表示ゲーム及び特
図2変動表示ゲームは、特
図1表示器22A及び特
図2表示器22Bで実行されるようになっており、複数の識別情報を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで、特
図1変動表示ゲーム及び特
図2変動表示ゲームが行われる。
液晶表示装置50では、各特図変動表示ゲームに対応させて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行される。すなわち、液晶表示装置50は、変動表示手段として、複数の図柄による変動表示ゲームを表示する。
【0026】
そして、特
図1表示器22A若しくは特
図2表示器22Bで実行される特図変動表示ゲームにおいて、特別結果態様(例えば、「7」)が導出されて特図当たり(いわゆる大当たり)となると、特別遊技状態(いわゆる大当たり状態)が発生する。これに対応して、液晶表示装置50で実行される飾り特図変動表示ゲームにおいても特別結果態様(例えば15R大当たりの場合は「777」等のゾロ目数字のいずれか)が導出される。
また、特図変動表示ゲームにおいて、小当たり結果態様(例えば、「8」)が導出されて小当たりとなると、小当たり状態が発生する。これに対応して、飾り特図変動表示ゲームにおいても小当たり結果態様(例えば「7小7」、“小”は小当たり図柄)が導出される。
なお、本実施形態では、飾り特図変動表示ゲームにおける特別結果態様の一部(2R当たりに対応する結果態様)と小当たり結果態様とを同じ図柄構成とし、飾り特図変動表示ゲームの結果態様からいずれの当たりに当選したのか認識できないようにしている。また、遊技機100に特
図1表示器22A及び特
図2表示器22Bを備えずに、液晶表示装置50のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしてもよい。
【0027】
特
図2始動口25の下側には、第1大入賞口26が設けられている。
第1大入賞口26は、上端側が手前側に倒れる方向に回動可能なアタッカー形式の開閉扉(特別電動役物)26aを具備している。開閉扉26bは、例えば、駆動装置としての第1大入賞口SOL26c(
図3参照)により駆動される。第1大入賞口26の内部(入賞領域)には、当該第1大入賞口26に入った遊技球を検出する第1大入賞口センサ26c(
図3参照)が配設されている。
特別遊技状態中は、開閉扉26bの開閉動作により、第1大入賞口26は閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)から開いた状態(遊技者にとって有利な状態)に変換され、遊技球の流入が容易となる。
【0028】
一般入賞口27には、当該一般入賞口27に入った遊技球を検出するための一般入賞口センサ27a(
図3参照)が配設されている。
遊技を開始することにより遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口27、・・・、特
図2始動口25、特
図1始動口24、第1大入賞口26、第2大入賞口61等の入賞口のいずれかに入賞すると、それぞれの入賞口に対応した賞球に関する情報が排出制御装置(図示略)に出力されるようになっている。排出制御装置は、排出装置を制御し、所定数の遊技球を排出する(払い出す)ようになっている。
【0029】
遊技機100では、特
図1/特
図2変動表示ゲームを始動するための特
図1始動権利又は特
図2始動権利は、それぞれ上限数(例えば、4個)の範囲内で特
図1始動記憶又は特
図2始動記憶として記憶可能となっている。また、普図変動表示ゲームを始動するための普図始動権利は、上限数(例えば、4個)の範囲内で普図始動記憶として記憶可能となっている。
また、特
図1変動表示ゲームと特
図2変動表示ゲームは同時に実行されることはなく、特
図2変動表示ゲームは特
図1変動表示ゲームに優先して実行されるようになっている。すなわち、特
図1始動記憶と特
図2始動記憶の両方がある場合に、特図変動表示ゲームの実行が可能になると、特
図2変動表示ゲームが実行されるようになっている。
【0030】
したがって、遊技開始時、すなわち特
図1/特
図2始動記憶数が0(保留0)で、特
図1/特
図2変動表示ゲームが実行されていない状態において、特
図1始動口24に遊技球が入賞すると、特
図1始動権利の発生に伴って特
図1始動記憶数が1加算される。そして、この特
図1始動記憶に係る特
図1始動権利に基づいて、直ちに特
図1変動表示ゲームが開始され、この際に特
図1始動記憶数が1減算される。
また、遊技開始時、すなわち特
図1/特
図2始動記憶数が0(保留0)で、特
図1/特
図2変動表示ゲームが実行されていない状態において、特
図2始動口25に遊技球が入賞すると、特
図2始動権利の発生に伴って特
図2始動記憶数が1加算される。そして、この特
図2始動記憶に係る特
図2始動権利に基づいて、直ちに特
図2変動表示ゲームが開始され、この際に特
図2始動記憶数が1減算される。
【0031】
一方、特
図1/特
図2変動表示ゲーム中や特別遊技状態中など特
図1変動表示ゲームが直ちに開始できない状態において、特
図1始動口24に遊技球が入賞した場合は、特
図1始動記憶数が上限数まで1ずつ加算されて特
図1始動権利が記憶されることになる。そして、特
図1始動記憶数が1以上となっている状態(特
図1の保留1〜4)で、特
図1変動表示ゲームが開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームが終了、又は特別遊技状態が終了し、特
図2始動記憶がない状態)となると、特
図1始動記憶数が1減算されるとともに、記憶されていた特
図1始動権利に基づいて特
図1変動表示ゲームが開始される。
また、特
図1/特
図2変動表示ゲーム中や特別遊技状態中など特
図2変動表示ゲームが直ちに開始できない状態において、特
図2始動口25に遊技球が入賞した場合は、特
図2始動記憶数が上限数まで1ずつ加算されて特
図2始動権利が記憶されることになる。そして、特
図2始動記憶数が1以上となっている状態(特
図2の保留1〜4)で、特
図2変動表示ゲームが開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームが終了、又は特別遊技状態が終了した状態)となると、特
図2始動記憶数が1減算されるとともに、記憶されていた特
図2始動権利に基づいて特
図2変動表示ゲームが開始される。
【0032】
なお、特
図1始動記憶数は、特
図1記憶表示器12にて表示されるとともに、液晶表示装置50に飾り特図始動記憶表示として表示される。また、特
図2始動記憶数は、特
図2記憶表示器13にて表示されるとともに、液晶表示装置50に飾り特図始動記憶表示として表示される。
普図変動表ゲームを始動するための始動権利についても、特図始動権利と同様に上限数(例えば、4個)の範囲内で普図始動記憶として記憶可能となっている。普図始動記憶数は、普図記憶表示器20にて表示されるようになっているが、液晶表示装置50に表示するようにしてもよい。
それぞれの始動記憶表示器12、13、20は、例えば上下2つのLEDを備えて構成される。そして、始動記憶数が「1」の場合には上のLEDを点灯し、始動記憶数が「2」の場合には下のLEDも点灯する。始動記憶数が「3」の場合には上のLEDを点滅し、始動記憶数が「4」の場合には下のLEDも点滅する。2つのLEDをこのように点灯/点滅させることにより、始動記憶数を判別可能としている。
【0033】
図3は、遊技機100の制御系の一部を示すブロック図である。
図3に示すように、遊技機100は、その制御系として遊技の進行を制御するメイン制御装置としての遊技制御装置30、この遊技制御装置30の制御下で各種の演出に関する制御を行うサブ制御装置としての演出制御装置40とを備えている。
【0034】
遊技制御装置30は、CPU31a、RAM31b、ROM31c等を有する遊技用マイクロコンピュータ31、クロック(発振器:CLK)32、入出力I/F33等を備え
ている。
このうち、CPU31aは、制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、特図や普図の変動表示ゲームに関連する各種乱数なども生成している。
各種乱数には、特図変動表示ゲームにおける特図当たり(大当たり)の当否を判定するための特図当たり判定用乱数、普図変動表示ゲームにおける普図当たりの当否を判定するための普図当たり判定用乱数、特図大当たり時の図柄決定(確変大当たり/通常大当たり)に用いられる図柄決定用乱数、特図変動表示ゲームにおける変動パターン(各種リーチ又はリーチなしに対応する変動時間等を含む)の決定に用いられる変動パターン決定用乱数などが含まれる。
【0035】
RAM31bは、特
図1始動口24に設けられた特
図1始動口センサ24a、特
図2始動口25に設けられた特
図2始動口センサ25aのオン信号などを記憶する記憶領域や、普図始動ゲート21に設けられた普図ゲートセンサ21aのオン信号を記憶する記憶領域、各種乱数の記憶領域、並びに、CPU31aの作業領域等を備えている。
ROM31cには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、特図変動表示ゲームの大当たり又は小当たりの当否を判定するための特図当たり判定値を有する特図判定テーブル、普図変動表示ゲームの普図当たりの当否を判定するための普図当たり判定値を有する普図判定テーブルなどが書き込まれている。
【0036】
入出力I/F33には、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、特
図1始動口センサ24a、特
図2始動口センサ25a、普図ゲートセンサ21a、一般入賞口センサ27a、第1大入賞口センサ26a、第2大入賞口センサ61a等からの各種信号が入力される。そして、これら各種信号は、入出力I/F33により中継されて、CPU31aに対し出力される。
また、CPU31aから出力される各種の制御信号は、入出力I/F33を介して、特
図1表示器22A、特
図2表示器22B、特
図1記憶表示器12、特
図2記憶表示器13、決定ラウンド数表示器14、普図表示器23、普図記憶表示器20、特
図2始動口25の可動部材25b,25bの駆動手段としての普電SOL25c、第1大入賞口26を開閉する駆動手段としての第1大入賞口SOL26c、第2第2大入賞口61を開閉する駆動手段としての第2大入賞口SOL61c、外部情報端子611、演出制御装置40などに出力される。
【0037】
遊技制御装置30には、電源供給装置(図示略)から電力が供給されており、その他の装置にも電源供給装置から電力が供給されるようになっている。さらに、電源供給装置には、停電時等の外部からの電力の供給が途絶えた場合でも電力を供給可能とするためのバックアップ電源が備えられ、停電時等に各制御装置の揮発性メモリに保存されたデータの消失を防止するようになっている。
【0038】
演出制御装置40は、CPU41a、RAM41b、ROM41c、クロック(発振器:CLK)43、入出力I/F44等を備えている。
CPU41aは、制御部、演算部を備え、遊技制御装置30から送信された演出制御コマンドを受信して、当該演出制御コマンドの振り分け、スピーカ145からの効果音の出力制御、装飾ランプ・LED161の発光制御、下桃用モータ441aの駆動制御、第1上桃用ソレノイド(SOL)431aの駆動制御、第2上桃用ソレノイド(SOL)431bの駆動制御、第1上桃用モータ433aの駆動制御、第2上桃用モータ433bの駆動制御、液晶表示装置50における画像の表示制御等を行う。
【0039】
RAM41bは、各種データの記憶領域や、CPU41aの作業領域等を備えている。
ROM41cは、CPU41aにより実行される各種制御プログラムや制御データを記憶している。また、音声ROMとして、スピーカ145から出力される効果音等に係る音データを記憶している。さらに、図柄ROMとして、液晶表示装置50に表示される画像等に係る画像データを記憶している。
なお、
図3では、RAM41bとROM41cを別部材として設けているが、一体的に第1メモリ(図示略)として設けるようにしてもよい。さらに、第1メモリとCPU41aを一体化したチップを設けるようにしてもよい。
【0040】
入出力I/F43には、スピーカ145、装飾ランプ・LED161、下桃用モータ441a、第1上桃用SOL431a、第2上桃用SOL431b、第1上桃用モータ433a、第2上桃用モータ433b、第1上桃位置検出センサ423a、第2上桃位置検出センサ423b、下桃位置検出センサ441q、演出用ボタンセンサ157a、SELECTボタンセンサ157b、液晶表示装置50、盤側連続予告表示装置71、枠側連続予
告表示装置72が接続されている。CPU41aから出力された制御信号は、入出力I/F43を介して、これらのブロックに出力される。
【0041】
次に、遊技制御装置30による遊技制御処理について説明する。この遊技制御処理は、遊技を統括的に制御するメイン処理と、所定時間ごと(例えば、2mSecごと)に行われるタイマ割込処理とからなる。
図4は、メイン処理を説明するためのフローチャートである。このメイン処理は、遊技制御装置30のCPU31aが、起動直後に、ROM31bに記憶されているメイン処理プログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0042】
図4に示すように、メイン処理では、はじめにプログラム開始時の処理として、電源投入時の初期化処理を行い(ステップS1)、停電復旧処理を行う(ステップS2)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、割込みタイマを起動する処理を行って、CTC(カウンタ・タイマ・サーキット)を起動する(ステップS3)。次に、割込みを禁止する処理を行い(ステップS4)、当たり判定用乱数などの乱数の初期値を更新して乱数の時間的な規則性を崩すための初期値乱数更新処理を行う(ステップS5)。その後、割込みを許可する処理を行う(ステップS6)。
【0043】
そして、RAM31bの停電検査領域をチェックし、停電が発生したか否かの判定を行う(ステップS7)。停電検査領域には、停電により遊技機の電源が遮断された場合に、チェックデータが設定されるようになっており、通常時はチェックデータが記憶されていない。よって、このチェックデータの有無を判定することで、停電が発生したか否かを判定することができる。
ステップS7において、停電が発生していないと判定した場合は、ステップS4に移行し、ステップS4〜S7の処理を繰り返す。
一方、ステップS7において、停電が発生したと判定した場合は、停電発生時の処理を行う(ステップS8)。停電発生の直後は、バックアップ電源により停電発生時の処理を実行可能な電力が供給されるようになっている。
【0044】
この停電発生時の処理では、まず、割込みを禁止する処理を行う。そして、全出力ポートをOFFにする処理を行い、停電検査領域をクリアする処理を行う。さらに、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理を行った後、RAM31bの電源遮断時のチェックサムを算出する処理を行い、RAM31bへのアクセスを禁止する処理を行って遊技機の電源遮断を待つ。
このように、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRAM31bに記憶されていた情報が正しくバックアップされているかを電源投入時に判断することができる。
【0045】
図5は、タイマ割込処理を説明するためのフローチャートである。このタイマ割込処理は、メイン処理のステップS6において割込み許可がなされたときに実行される。
図5に示すように、ステップS11では、タイマ割込要求が発生したとき(割込許可がなされたとき)に、レジスタに格納されているデータをRAM31bに待避する。
ステップS12では、各種センサ(特
図1始動口センサ24a、特
図2始動口センサ25a、普図ゲートセンサ21a、一般入賞口センサ27a、第1大入賞口センサ26a、第2大入賞口センサ61a等)からの検出信号を入力する。また、各種処理でセットされた出力データをソレノイド(第1大入賞口SOL26c、第2大入賞口SOL61c、普電SOL25c)や表示器22A、22B、23等に出力する。
【0046】
ステップS13では、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置40等に出力する(コマンド送信処理)。
ステップS14では、特図当たり判定用乱数、図柄決定用乱数、普図当たり判定用乱数を更新する(乱数更新処理1)。
ステップS15では、乱数の時間的な規則性を崩すために乱数の初期値を更新する(初期値乱数更新処理)。
【0047】
ステップS16では、特図変動表示ゲームに関連した飾り特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数、変動パターン決定用テーブルを設定するためテーブル判定用乱数を更新する(乱数更新処理2)。
ステップS17では、特
図1始動口センサ24a、特
図2始動口センサ25a、普図ゲートセンサ21a、一般入賞口センサ27a、第1大入賞口センサ26a、第2大入賞口センサ61a等から検出信号の入力があるか否かを監視する(入賞口SW監視処理)。
ステップS18では、各入賞口に対応して設けられたセンサ、球切れセンサ、払出球検出センサ、オーバーフローセンサ、枠開放検出センサ(何れも図示略)等からの検出信号に基づいて、異常状態が発生していないかを監視する(エラー監視処理)。
【0048】
ステップS19では、特図変動表示ゲームに関する処理を行う(特図ゲーム処理)。この特図ゲーム処理についての詳細は後述する。
ステップS20では、普図変動表示ゲームに関する処理を行う(普図ゲーム処理)。この普図ゲーム処理において普図当たり抽選が実行される。ステップS13において演出制御装置40等に送信される演出制御コマンドは、主としてステップS19の特図ゲーム処理又はステップS20の普図ゲーム処理により生成される。
ステップS21では、遊技に関する各種情報を表示する表示器(セグメントLED)に関する処理を行う(セグメントLED編集処理)。
【0049】
ステップS22では、外部の管理装置に出力する信号を出力バッファにセットする処理を行う(外部情報編集処理)。
ステップS23では、タイマ割込処理が終了したことを宣言する処理を行う。
ステップS24では、ステップS11でRAM31bに待避しておいたレジスタのデータを復帰する処理を行う。
ステップS25では、タイマ割込処理が完了し、割込要求を受け付け可能な状態となったことを設定する処理を行う。
【0050】
図6は、特図ゲーム処理(
図5のステップS19)の一例について示すフローチャートである。
図6のステップS101では、
図5のステップS17(入賞口SW監視処理)における監視結果(検出信号の有無)に基づいて、特
図1始動口24への入賞(特
図1始動入賞)があるか否かを判定する。そして、特
図1始動口24への入賞があると判定した場合はステップS102に移行し、特
図1始動口24への入賞がないと判定した場合はステップS107に移行する。
ステップS102では、現在の特
図1始動記憶数(保留数)を取得する。
ステップS103では、特
図1始動記憶数が4以上であるか否かを判定する。そして、特
図1始動記憶数が4以上であると判定した場合、すなわち、特
図1始動記憶の上限数を超えている場合(保留4)はステップS107に移行し、特
図1始動記憶数が4以上でない(保留0〜3)と判定した場合はステップS104に移行する。
ステップS104では、特
図1始動記憶数を1加算して更新する。
ステップS105では、更新した特
図1始動記憶に対応する各種乱数を抽出し、記憶する。ここで、特
図1始動記憶に対応する各種乱数とは、特図当たり判定用乱数、図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数などである。
【0051】
ステップS106では、液晶表示装置50において先読み予告を行うための先読み情報を設定する(先読み情報設定処理)。遊技機100は、先読み予告として、連続する複数ゲームにわたって実行される演出からなる本連予告演出と、飾り特図始動記憶表示(保留玉の表示)による先読み予告表示とを実行可能に構成されている。
本連予告演出では、保留された始動権利に基づく大当たり抽選の結果や変動パターンを先読みし、その始動記憶(保留玉)に係る変動表示ゲームにおいて大当たりとなる可能性を、その始動入賞前の始動記憶に係る変動表示ゲームにおいて報知する。例えば、本連予告演出の実行契機となった始動入賞時の始動記憶分の変動表示ゲームにおいて相互に関連性のある演出が連続して実行される。本連予告演出の実行契機となった始動入賞時の保留数が3(当該始動入賞により保留4が発生)である場合は、保留1〜4の4回にわたる変動表示ゲーム、又は変動中の変動表示ゲームを含めた5回にわたる変動表示ゲームにおいて本連予告演出が実行される。この本連予告演出によれば、保留内での大当たりに対する期待感を段階的に増幅させることができる。
【0052】
また、先読み予告表示では、例えば保留玉の表示色や表示模様により、その始動記憶に係る変動表示ゲームの変動パターン(例えば、リーチの発生やリーチ種類など)や大当たりとなる期待度を示唆する。遊技機100は、疑似連予告演出を実行可能に構成されており、先読み予告表示により疑似連数も報知できるようになっている。
疑似連予告演出とは、1回の変動表示ゲームにおいて、例えば特定の図柄の並びで一時的に停止した後、再び図柄変動と停止を行い、擬似的に複数回変動表示ゲームが行われているように見せる予告演出である。以下において、図柄変動の停止→再変動がn回行われる疑似連予告を疑似(n+1)連と称し、このときの疑似連数を(n+1)で表すこととする。例えば、図柄変動が1回停止して再変動した場合は疑似2連となり、このときの疑似連数は2となる。
【0053】
ステップS106に係る先読み情報設定処理では、具体的には、当該始動記憶に係る特図当たり判定用乱数が大当たり判定値又は小当たり判定値と一致するか否かを判定し、その結果(特図当たり抽選結果)を設定する。また、変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンを判定し、判定した変動パターンに関する情報を設定する。このようにして、当該始動記憶に対応付けられた特図当たり抽選結果と変動パターンが先読み情報として設定される。ここで、変動パターンの判定に際しては、
図13に示す変動パターン決定用テーブルを用いるようにしている。つまり、
図13に示す変動パターン決定用判定値と変動パターン決定用乱数を比較することにより、変動パターンを決定する。
【0054】
図13(a)は、確変状態(確変状態)において参照される変動パターン決定用テーブルである。すなわち、確変状態では、変動パターン決定用乱数が“0〜74”のときに変動時間の短い変動パターン(短変動、例えば変動時間3秒)となり、“87〜99”のときにはノーマルリーチやノーマルリーチに比較して変動時間が長く演出が派手なSPリーチを発生させる変動パターンとなる。
変動パターン決定用乱数が“75〜77”のときには変動開始時に1回の特殊演出(疑似連予告、例えば、後述する流れ星演出)を伴うSPリーチを発生させる変動パターンとなる。この変動パターンを便宜上疑似1連と呼ぶ。また、変動パターン決定用乱数が“78〜80”のときには2回の疑似連予告を伴ってSPリーチを発生させる変動パターン(疑似2連)となり、“81〜83”のときには3回の疑似連予告を伴ってSPリーチを発生させる変動パターン(疑似3連)となり、“84〜86”のときには4回の疑似連予告を伴ってSPリーチを発生させる変動パターン(疑似4連)となる。
【0055】
図13(b)は、通常状態(通常状態)において参照される変動パターン決定用テーブルである。すなわち、通常状態では、変動パターン決定用乱数が“0〜74”のときに短変動よりも変動時間の長い変動パターン(通常変動、例えば変動時間10秒)となり、“87〜99”のときにはノーマルリーチ又はSPリーチを発生させる変動パターンとなる。
変動パターン決定用乱数が“75〜77”のときには疑似1連の変動パターンとなり、“78〜80”のときには疑似2連の変動パターンとなり、“81〜83”のときには疑似3連の変動パターンとなり、“84〜86”のときには疑似4連の変動パターンとなる。
【0056】
図13に示すように、疑似連予告の変動パターンに対応する判定値は、確変状態と通常状態とで同じとなっている。つまり、本実施形態では、遊技状態が確変状態か通常状態かによって、変動パターン決定用乱数に基づいて決定される疑似連予告の変動パターンが変化しないようにしている。
なお、
図13に示す変動パターン決定用テーブルは、特図当たり抽選結果がハズレのときに参照されるもので、特図当たり抽選結果が当たりのときに参照される変動パターン決定用テーブルは別に設けられている。また、現在の保留数に応じて異なる変動パターン決定用テーブルを参照するようにしてもよい。
【0057】
ステップS107では、更新された保留数を示す保留数情報や、先読み予告を制御するための先読み情報を、特
図1始動記憶に係る演出制御コマンドとして設定する。この演出制御コマンドは、
図5のステップS13で演出制御装置40に送信される。
なお、遊技制御装置30は、演出制御装置40に演出制御コマンドを送信した後は、先読み情報を保持せず、後述する特図ゲーム分岐処理において改めて特図当たり抽選を行うとともに、変動パターンを決定する。
【0058】
ステップS108では、
図5のステップS17における監視結果に基づいて、特
図2始動口25への入賞(特
図2始動入賞)があるか否かを判定する。そして、特
図2始動口25への入賞があると判定した場合はステップS109に移行し、特
図2始動口25への入賞がないと判定した場合はステップS115に移行する。
ステップS109では、現在の特
図2始動記憶数を取得する。
ステップS110では、特
図2始動記憶数が4以上であるか否かを判定する。そして、特
図2始動記憶数が4以上であると判定した場合、すなわち、特
図2始動記憶の上限数を超えている場合はステップS115に移行し、特
図2始動記憶数が4以上でないと判定した場合はステップS111に移行する。
ステップS111では、特
図2始動記憶数を1加算して更新する。
【0059】
ステップS112では、更新した特
図2始動記憶に対応する各種乱数を抽出し、記憶する。ここで、特
図2始動記憶に対応する各種乱数とは、特図当たり判定用乱数、図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数などである。
ステップS113では、ステップS106と同様に、液晶表示装置50において先読み予告を行うための先読み情報を設定する(先読み情報設定処理)。
ステップS114では、更新された保留数を示す保留数情報や、先読み予告を制御するための先読み情報を、特
図2始動記憶に係る演出制御コマンドとして設定する。この演出制御コマンドは、
図5のステップS13で演出制御装置40に送信される。
【0060】
ステップS115では、特図ゲーム処理番号を取得する。
ステップS116では、ステップS113で取得した特図ゲーム処理番号に基づき特図ゲーム分岐処理を行う。この特図ゲーム分岐処理の詳細については後述する。
ステップS117では、後述する特図タイマの更新等を行うための特図変動制御処理を実行する。そして、特図ゲーム処理を終了する。
【0061】
図9は、特図ゲーム分岐処理(
図6のステップS116)の一例を示すフローチャートである。
この特図ゲーム分岐処理は、始動記憶に係る特図変動表示ゲームの実行を制御するための処理であり、特
図1変動表示ゲームおよび特
図2変動表示ゲームの両方に共通の処理である。
【0062】
ステップS121では、特図ゲーム処理番号が“0”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“0”であると判定した場合はステップS122に移行し、特図ゲーム処理番号が“0”でないと判定した場合はステップS123に移行する。
ステップS122では、特図当たり抽選などを行うための特図普段処理を実行する。遊技機100では、特
図2始動権利に基づく変動表示ゲームが特
図1始動権利に基づく変動表示ゲームに優先して実行されるようになっている。すなわち、特図普段処理では、まず特
図2始動記憶があるか否かを判定し、特
図2始動記憶があると判定した場合に、この特
図2始動記憶に係る特図当たり判定用乱数により特
図2当たり抽選を行う。そして、特図ゲーム処理番号を“1”に変更して、元の処理(
図6のステップS115)に復帰する。
また、特
図2始動記憶がない場合は特
図1始動記憶があるか否かを判定し、特
図1始動記憶があると判定した場合に、この特
図1始動記憶に係る特図当たり判定用乱数により特
図1当たり抽選を行う。そして、特図ゲーム処理番号を“2”に変更して、元の処理に復帰する。
なお、特
図1始動記憶又は特
図2始動記憶がない場合は、演出制御装置40に液晶表示装置50における客待ちデモ画像の表示制御を指示する客待ちデモコマンドを設定して、特図ゲーム処理番号は“0”のまま元の処理に復帰する。
【0063】
ステップS123では、特図ゲーム処理番号が“1”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“1”であると判定した場合はステップS124に移行し、特図ゲーム処理番号が“1”でないと判定した場合はステップS125に移行する。
ステップS124では、特
図2変動表示ゲームに係る情報を設定するための特
図2変動開始処理を実行する。この特
図2変動開始処理では、例えば、特
図2当たり抽選の結果が大当たりの場合に、
図6のステップS111で記憶した図柄決定用乱数に基づいて大当たり図柄(大当たり種類)を判定する。また、予め設定された変動パターン決定用テーブル(
図13)を参照し、
図6のステップS112で記憶した変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターン(変動時間)を決定する。
大当たり図柄及び変動パターンを判定した後、当該始動記憶に係る変動時間を特図タイマにセットし、演出制御装置40に送信する演出制御コマンド(変動開始情報、変動パターン情報、保留数情報など)を設定する。そして、特図ゲーム処理番号を“3”に変更して、元の処理に復帰する。
【0064】
ステップS125では、特図ゲーム処理番号が“2”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“2”であると判定した場合はステップS126に移行し、特図ゲーム処理番号が“2”でないと判定した場合はステップS127に移行する。
ステップS126では、特
図1変動表示ゲームに係る情報を設定するための特
図1変動開始処理を実行する。この特
図1変動開始処理では、例えば、特
図1当たり抽選の結果が大当たりの場合に、
図6のステップS105で記憶した図柄決定用乱数に基づいて大当たり図柄(大当たり種類)を判定する。また、予め設定された変動パターン決定用テーブル(
図13)を参照し、
図6のステップS105で記憶した変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターン(変動時間)を決定する。
大当たり図柄及び変動パターンを判定した後、当該始動記憶に係る変動時間を特図タイマにセットし、演出制御装置40に送信する演出制御コマンド(変動開始情報、変動パターン情報、保留数情報など)を設定する。そして、特図ゲーム処理番号を“3”に変更して、元の処理に復帰する。
【0065】
ステップS127では、特図ゲーム処理番号が“3”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“3”であると判定した場合はステップS128に移行し、特図ゲーム処理番号が“3”でないと判定した場合はステップS129に移行する。
ステップS128では、特図変動表示ゲームの変動時間を監視するための特図変動中処理を実行する。特図タイマ(変動時間)が0になると、特図変動表示ゲームの結果を停止表示させる時間(停止図柄表示時間)を特図タイマにセットする。そして、特図ゲーム処理番号を“4”に変更して、元の処理に復帰する。特図タイマ(変動時間)が0になるまでは、特図ゲーム処理番号を“3”としたまま元の処理に復帰する。
【0066】
ステップS129では、特図ゲーム処理番号が“4”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“4”であると判定した場合はステップS130に移行し、特図ゲーム処理番号が“4”でないと判定した場合はステップS131に移行する。
ステップS130では、図柄停止後の変動表示ゲームの制御などを行う特図表示中処理を実行する。特図タイマ(停止図柄表示時間)が0になると、特図当たり抽選結果が大当たり又は小当たりであるかを判定する。特図当たり抽選結果が大当たり又は小当たりであると判定した場合には、大当たり又は小当たりが開始されることを演出で報知する時間(大当たり/小当たり開始デモ時間)を特図タイマにセットし、演出制御装置40に送信する演出制御コマンド(大当たり/小当たり開始情報)を設定する。そして、特図ゲーム処理番号を“5”に変更して、元の処理に復帰する。一方、特図当たり抽選結果がハズレであると判定した場合には、特図ゲーム処理番号を“0”に変更して、元の処理に復帰する。特図タイマ(停止図柄表示時間)が0になるまでは、特図ゲーム処理番号を“4”としたまま元の処理に復帰する。
【0067】
ステップS131では、特図ゲーム処理番号が“5”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“5”であると判定した場合はステップS132に移行し、特図ゲーム処理番号が“5”でないと判定した場合はステップS133に移行する。
ステップS132では、大当たり又は小当たり発生時の初期化などを行うファンファーレ/インターバル中処理を実行する。特図タイマ(大当たり/小当たり開始デモ時間)が0になると、大当たり又は小当たりの種類に応じて規定ラウンド数(例えば、15R又は2R)をセットするとともに、大入賞口開放時間(例えば、25秒又は1秒)を特図タイマにセットする。また、ラウンド数及び大入賞口の入賞カウンタを初期化し、演出制御装置40に送信する演出制御コマンド(ラウンド開始情報など)を設定する。そして、特図ゲーム処理番号を“6”に変更して、元の処理に復帰する。特図タイマ(大当たり/小当たり開始デモ時間)が0になるまでは、特図ゲーム処理番号を“5”としたまま元の処理に復帰する。
【0068】
ステップS133では、特図ゲーム処理番号が“6”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“6”であると判定した場合はステップS134に移行し、特図ゲーム処理番号が“6”でないと判定した場合はステップS135に移行する。
ステップS134では、開閉扉26b又は可動部材61bを開閉動作させて、第1大入賞26又は第2大入賞口61を開放するための大入賞口開放中処理を実行する。大入賞口の入賞カウンタが10以上となるか、特図タイマ(大入賞口開放時間)が0になると、大入賞口閉鎖時間を特図タイマにセットする。そして、特図ゲーム処理番号を“7”に変更して、元の処理に復帰する。大入賞口の入賞カウンタが10以上又は特図タイマ(大入賞口開放時間)が0になるまでは、特図ゲーム処理番号を“6”としたまま元の処理に復帰する。
【0069】
ステップS135では、特図ゲーム処理番号が“7”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“7”であると判定した場合はステップS136に移行し、特図ゲーム処理番号が“7”でないと判定した場合はステップS137に移行する。
ステップS136では、第1大入賞口26又は第2大入賞口61を閉鎖した後に、第1大入賞口26又は第2大入賞口61内に残存するすべての遊技球を流下させるために一定時間待機する大入賞口残存球処理を実行する。特図タイマ(大入賞口閉鎖時間)が0になると、ラウンド数が規定ラウンド数に達しているか判定する。規定ラウンド数に達している場合は、大当たり又は小当たりが終了したことを演出で報知する時間(大当たり終了デモ時間)を特図タイマにセットするとともに、演出制御装置40に送信する演出制御コマンド(大当たり終了デモ情報など)を設定した後、特図ゲーム処理番号を“8”に変更して元の処理に復帰する。一方、規定ラウンド数に達していない場合は、大入賞口開放時間を特図タイマにセットする。そして、ラウンド数を1加算して更新するとともに、大入賞口の入賞カウンタを0に初期化し、演出制御装置40に送信する演出制御コマンド(ラウンド開始情報など)を設定した後、特図ゲーム処理番号を“6”に変更して元の処理に復帰する。特図タイマ(大入賞口閉鎖時間)が0になるまでは、特図ゲーム処理番号を“7”としたまま元の処理に復帰する。
【0070】
ステップS137では、特図ゲーム処理番号が“8”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“8”であると判定した場合はステップS138に移行し、特図ゲーム処理番号が“8”でないと判定した場合はそのまま元の処理に復帰する。
ステップS138では、大当たり又は小当たり終了後の確率状態などを大当たり又は小当たりの種類に応じて変更するための大当たり終了処理を実行する。特図タイマ(大当たり終了デモ時間)が0になると、大当たり抽選結果又は小当たり抽選結果に応じて確率状態を設定するとともに、次の特図変動表示ゲーム以降で参照する変動パターン決定用テーブルを設定する処理を行い、演出制御装置40に送信する演出制御コマンド(確率状態情報、移行先モード情報など)を設定する。そして、特図ゲーム処理番号を“0”に変更して、元の処理に復帰する。
特図ゲーム分岐処理は、以上のようにして実行される。
【0071】
上述したように、遊技制御装置30は、特図ゲーム処理(
図5のステップS19)において、始動入賞に基づいて変動表示ゲームの特図当たり判定用乱数及び変動パターン決定用乱数を抽出し、始動記憶に対応付けて記憶する。
そして、特図変動表示ゲームの開始時に、特図当たり判定用乱数値とROM31cに記憶されている大当たり判定値又は小当たり判定値を比較し、大当たり又は小当たりの当否を判定する(特図当たり抽選、特図普段処理)。また、当該始動記憶に係る変動表示ゲームの変動パターンを決定し、この変動パターンに従って特
図1表示器22A又は特
図2表示器22Bにおいて実行する。特図当たり抽選結果が大当たりの場合は、特
図1表示器22A又は特
図2表示器22Bに特別結果態様を表示させるとともに特別遊技状態を発生させる。特図当たり抽選結果が小当たりの場合は、特
図1表示器22A又は特
図2表示器22Bに小当たり結果態様を表示させるとともに小当たり状態を発生させる。一方、特図変動表示ゲームの結果がハズレの場合は、特
図1表示器22A又は特
図2表示器22Bにハズレの結果態様を表示させる。
【0072】
特別遊技状態では、例えば、第1大入賞口SOL26cにより開閉扉26bを開放させ、第1大入賞口26への遊技球の流入を可能とする。または、第2大入賞口SOL61cにより可動部材61bを回動させ、第2大入賞口61への遊技球の流入を可能とする。そして、第1大入賞口26又は第2大入賞口61に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、第1大入賞口26又は第2大入賞口61の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかのいずれかの条件が達成されるまでを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15Rまたは2R)継続する制御を行う(サイクル遊技)。
小当たり状態では、例えば、第2大入賞口SOL61cにより可動部材61bを回動させ、第2大入賞口61への遊技球の流入を可能とする。そして、第2大入賞口61の開放から所定時間(例えば、1秒)が経過するまでを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、2R)継続する制御を行う。
なお、特別遊技状態において、第1大入賞口26又は第2大入賞口61のうち、何れの大入賞口を開放状態とするかは、例えば、特図変動表示ゲームの結果態様(当選した大当たりの種類)に基づいて決定される。
【0073】
また、遊技制御装置30は、普図ゲーム処理(
図5のステップS20)において、普図始動ゲート21を遊技球が通過することに基づいて普図当たり判定用乱数を抽出し、この普図当たり判定用乱数値とROM31cに記憶されている普図当たり判定値を比較し、普図当たりの当否を判定する(普図当たり抽選)。そして、普図始動記憶に係る普図変動表示ゲームを、普図表示器23において実行する。
普図当たり抽選結果が当たりの場合は、普図表示器23に特別の結果態様を表示させるとともに、普電SOL25cにより可動部材25b,25bを所定時間開放し、普通変動入賞装置25への遊技球の流入を可能とする。一方、普図当たり抽選結果がハズレの場合は、普図表示器23にハズレの結果態様を表示させる。
【0074】
上述した特図ゲーム処理及び普図ゲーム処理では、特図変動表示ゲーム又は普図変動表示ゲームに応じて演出装置(例えば、液晶表示装置50等)を制御するための演出制御コマンドが生成され、演出制御装置40に出力される。
演出制御装置40は、遊技制御装置30からの演出制御コマンドに基づいて、例えば、液晶表示装置50で特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームを表示させたり、特図始動記憶数に対応する飾り特図始動記憶表示を表示させたりする処理を行う。また、スピーカ145からの音の出力、装飾ランプ・LED161の発光を制御する処理、下桃用モータ441aの回転駆動を制御する処理、第1上桃用ソレノイドの駆動を制御する処理、第2上桃用ソレノイドの駆動を制御する処理、第1上桃用モータ433aの回転駆動を制御する処理、第2上桃用モータ433bの回転駆動を制御する処理等を行う。
また、演出制御装置40は、演出制御コマンドに含まれる確率状態情報に基づいて、現在の確率状態を明確に又は不明瞭に報知するステージ・モード演出を制御する。
【0075】
このように、遊技機100は、始動入賞により発生する始動権利に基づいて、条件装置の作動を伴う大当たり又は条件装置の作動を伴わない小当たりに当選したか否かを判定する抽選手段(遊技制御装置30)、抽選手段による抽選結果が特定結果(大当たり又は小当たり)となる場合に、大入賞口(26,61)を所定の態様で開放することにより遊技者に利益を付与する利益付与手段(遊技制御装置30)を備えている。
また、始動権利に基づく抽選結果に対応する変動表示ゲームを実行させるための変動パターン(変動時間)を設定する変動パターン設定手段(遊技制御装置30)、変動パターン設定手段により設定された変動パターンに従って変動表示ゲームを実行する変動表示手段(演出制御装置40、液晶表示装置50等)、始動権利に基づいて取得された情報(当たり判定用乱数、変動パターン決定用乱数など)を所定の上限数まで始動記憶として記憶する保留手段(遊技制御装置30)、始動記憶に係る変動パターンによる変動表示ゲームの実行を変動表示手段に順次指示する変動表示制御手段(遊技制御装置30)を備えている。ここで、始動記憶に係る変動パターンとは、始動記憶に対応付けて記憶されている変動パターン決定用乱数に基づいて決定された変動パターンのことである。
【0076】
また、変動パターン設定手段は、図柄の変動開始から変動停止までが1回の変動サイクルで構成される単変動パターン(通常の変動パターン)と、複数回の変動サイクルで構成される複変動パターン(疑似連予告演出用の変動パターン)を設定可能に構成されている。
変動表示制御手段は、第2始動記憶(特
図2始動記憶)に係る第2変動パターンによる変動表示ゲームを、第1始動記憶(特
図1始動記憶)に係る第1変動パターンによる変動表示ゲームに優先して実行するように指示する優先指示手段(特図普段処理、
図7のS122)を有している。
【0077】
さらに、遊技機100は、保留手段により記憶された始動記憶に基づいて、抽選手段による抽選結果と変動パターン設定手段により決定される変動パターンを対応する変動表示ゲーム開始前に判定する先読み手段(遊技制御装置30,演出制御装置40)と、先読み手段による先読み情報に基づいて連続的な複数回の演出(本連予告演出)を実行可能な連続演出実行制御手段(演出制御装置40,液晶表示装置50)と、を備えている。
【0078】
図8は、遊技機100の稼働状態を説明するための状態遷移図である。
図8において、客待ち状態ST1は、特図変動表示ゲームが実行されず所定時間放置されている状態であり、始動入賞に基づいて始動権利が発生するのを待機している状態である。このとき、液晶表示装置50には客待ちデモ画像が表示される。この客待ち状態ST1において、特
図1始動口24や特
図2始動口25に遊技球が入賞して始動権利が発生すると、変動状態ST2に移行する。
【0079】
変動状態ST2は、特図変動表示ゲームを実行している状態である。変動状態ST2において特図当たり抽選に当選すると、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出され、大当たり状態ST3に移行する。変動状態ST2において特図当たり抽選に外れると、特図変動表示ゲームでハズレに対応する結果態様が導出される。その後、特図始動記憶があれば(特
図1始動記憶1〜4又は特
図2始動記憶1〜4)、次回の特図変動表示ゲームが開始される。一方、特図始動記憶がなければ(特
図1始動記憶、特
図2始動記憶ともに0)、所定時間の経過とともに客待ち状態ST1に移行する。
【0080】
大当たり状態ST3は、第1大入賞口26又は第2大入賞口61が所定回数(所定ラウンド数)だけ開放され、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態が発生している状態である。大当たり状態ST3が終了したときに、特図始動記憶があれば次回の特図変動表示ゲームが開始され、特図始動記憶がなければ所定時間の経過とともに客待ち状態ST1に移行する。
【0081】
図9は遊技機100における大当たり種類について示す説明図であり、
図10は大当たり当選時の内訳について示す説明図である。
図9において、2R通常当たりとは、大当たり発生時に可動部材61bの開閉動作により第2大入賞口61が1秒×2R開放され、大当たり終了後の大当たり確率が相対的に低い第1当選確率(例えば、1/316)に設定される大当たりである。
2R確変当たりとは、大当たり発生時に可動部材61bの開閉動作により第2大入賞口61が1秒×2R開放され、大当たり終了後の大当たり確率が第1当選確率より高い第2当選確率(例えば、第1当選確率の約10倍)に設定される大当たりである。
【0082】
15R通常当たりとは、大当たり発生時に開閉扉26bの開閉動作により第1大入賞口26が25秒又は10個入賞×15R開放され、大当たり終了後の大当たり確率が第1当選確率に設定される大当たりである。
15R確変当たりとは、大当たり発生時に開閉扉26bの開閉動作により第1大入賞口26が25秒又は10個入賞×15R開放され、大当たり終了後の大当たり確率が第2当選確率に設定される大当たりである。
【0083】
電サポとは、特図変動表示ゲームが所定回数消化されるまで、普図変動表示ゲームにおける普図当たりの当選確率を高くするとともに、普図変動表示ゲームの変動表示時間を短縮することにより、普通電動役物としての可動部材25b,25bの開閉動作を頻発させて特
図2始動口25に遊技球が入賞しやすくした電動役物サポート状態であり、時短とも呼ばれる。
【0084】
ここで、大当たり終了後、特図変動表示ゲームが100回消化されるまで継続される電サポを電サポ1、次回大当たりまで継続される電サポを電サポ2と区別して表すこととする。したがって、例えばNo.2の2R通常当たり後の遊技状態は通常状態(電サポ1)と表され、No.7の2R確変当たり後の遊技状態は確変状態(電サポ2)と表される。
【0085】
遊技機100では、電サポ無しの状態(例えば、通常状態)における普図変動表示ゲームの変動表示時間は比較的長時間(例えば、30秒)に設定されている。そして、普図変動表示ゲームにおいて普図当たりとなったときの特
図2始動口25の開放時間は短時間(例えば、0.3秒)に設定され、1回の普図当たりに対する特
図2始動口25の開放回数も少なく設定されている(例えば1R)。
これに対して、電サポありの状態(例えば、通常状態(電サポ1))における普図変動表示ゲームの変動表示時間は電サポ無しの場合に比較して短時間(例えば、2〜5秒)に設定されている。そして、普図変動表示ゲームにおいて普図当たりとなったときの特
図2始動口25の開放時間は電サポ無しの場合に比較して長時間(例えば、1秒)に設定され、1回の普図当たりに対する特
図2始動口25の開放回数も電サポ無しの場合に比較して多く設定されている(例えば3R)。
【0086】
このように、電サポありの状態(いわゆる電サポ中)は、電サポ無しの状態よりも特
図2始動口25の開放回数が増加され、特
図2始動口25に遊技球が入賞しやすくなっているので、特
図2始動記憶はほとんど途切れることなく、電サポありの状態が終了するまで特
図2変動表示ゲームが主として実行されることとなる。
【0087】
図9において、ST(Special Time)とは、規定された上限ゲーム数だけ確変状態に滞在すること(いわゆる確変状態の回数切り)である。例えば、
図9に示すNo.4の大当たり「2R確変当たり(電サポ無し,ST20)」に当選すると、大当たり終了後に20ゲームだけ確変状態に滞在し、21ゲーム目に通常状態に移行することとなる。したがって、20ゲームまでの特図変動表示ゲームの実行契機となる特図始動入賞に基づく特図当たり抽選や変動パターンの決定は確変状態用のテーブルに従って行われ、21ゲーム以降の特図変動表示ゲームの実行契機となる特図始動入賞に基づく特図当たり抽選や変動パターンの決定は通常状態用のテーブルに従って行われる。
なお、ST中は電サポありの状態としてもよいし、電サポ無しの状態としてもよい。本実施形態では、No.4の大当たり後のST中は電サポ無しとし、No.5,6の大当たり後のST中は電サポありとしている。
【0088】
本実施形態では、15Rよりも少ないラウンド数で大入賞口の開放時間を短くした(例えば、0.5秒や6秒)、いわゆる短時間開放当たりの一例として2R当たり(2R通常当たり、2R確変当たり)を採用しているが、大入賞口の開放ラウンドが2R以外となる短時間開放当たりを採用してもよい。
【0089】
図9に示す大当たりの内訳は
図10(a)、(b)に示す通りである。
図10(a)、(b)に示すように、特
図2変動表示ゲームにおける大当たり当選時は、特
図1変動表示ゲームにおける大当たり当選時に比較して、No.4の2R確変当たり(電サポ無し,ST20)に振り分けられる割合が低く設定され、その分No.8の15R確変当たり(次回大当たりまで電サポ付き)に振り分けられる割合が高く設定されている。
つまり、
図7のステップS124,S126で実行される大当たり図柄の判定処理では、特
図2始動権利に基づく特図当たり抽選において当選した方が、特
図1始動権利に基づく特図当たり抽選において当選したときより、15R大当たりとなる割合が大きくなる。電サポ中は特
図2変動表示ゲームが実行されやすくなるので、遊技者に付与される利益が最も大きいNo.8の大当たりが発生しやすくなる。
【0090】
また、遊技機100では、大当たり判定値とは別の小当たり判定値(小当たりの当選確率は、例えば、1/220)と特図当たり判定用乱数を比較することにより当否を判定される小当たりを発生可能に構成されている。小当たり発生時には、2R当たりと同様に、可動部材61bの開閉動作により第2大入賞口61が1秒×2R開放される。小当たり発生時の挙動は、厳密には2R当たり発生時の挙動と同一でなくてもよく、類似の挙動であっても構わない。大当たり当選時とは異なり、小当たり当選時には遊技状態の移行は一切行われない。
【0091】
図11は、当たり終了後に移行する遊技状態について示す説明図である。
図11における丸囲み数字は、
図9の大当たり種類を示す番号に対応している。なお、
図11では、通常状態Dにおいて特図当たり抽選に当選した場合について示しているが、遊技状態E〜Hにおいて特図当たり抽選に当選した場合もほぼ同様である。
大当たりに当選することを契機とする遊技状態の移行は、遊技制御装置30により制御される。具体的には、特図ゲーム処理(
図5のステップS19)内で行われる。
【0092】
通常状態DにおいてNo.1の2R通常当たり(電サポ無し)に当選すると、2R当たり状態Bが発生し、第2大入賞口61が1秒×2R開放される。そして、大当たり終了後に通常状態Dに移行する。
No.2の2R通常当たり(電サポ100回付き)に当選すると、2R当たり状態Bが発生し、第2大入賞口61が1秒×2R開放される。そして、大当たり終了後に通常状態(電サポ1)Fに移行する。特図変動表示ゲームが100回消化されると通常状態(電サポ1)Fから通常状態Dに移行する。
【0093】
No.3の15R通常当たり(電サポ100回付き)に当選すると、15R当たり状態Cが発生し、第1大入賞口26が25秒又は10個入賞×15R開放される。そして、大当たり終了後に通常状態(電サポ1)Fに移行する。特図変動表示ゲームが100回消化されると通常状態(電サポ1)Fから通常状態Dに移行する。
No.4の2R確変当たり(電サポ無し,ST20)に当選すると、2R当たり状態Bが発生し、第2大入賞口61が1秒×2R開放される。そして、大当たり終了後に確変状態Eに移行する。特図変動表示ゲームが20回消化されると確変状態Eから通常状態Dに移行する。
【0094】
No.5の2R確変当たり(電サポ100回付き,ST100)に当選すると、2R当たり状態Bが発生し、第2大入賞口61が1秒×2R開放される。そして、大当たり終了後に確変状態(電サポ1)Gに移行する。特図変動表示ゲームが100回消化されると確変状態(電サポ1)Gから通常状態Dに移行する。
No.6の15R確変当たり(電サポ100回付き,ST100)に当選すると、15R当たり状態Cが発生し、第1大入賞口26が25秒又は10個入賞×15R開放される。そして、大当たり終了後に確変状態(電サポ1)Gに移行する。特図変動表示ゲームが100回消化されると確変状態(電サポ1)Gから通常状態Dに移行する。
【0095】
No.7の2R確変当たり(次回大当たりまで電サポ付き)に当選すると、2R当たり状態Bが発生し、第2大入賞口61が1秒×2R開放される。そして、大当たり終了後に確変状態(電サポ2)Hに移行する。次回大当たりが発生するまでこの状態Hが継続される。
No.8の15R確変当たり(次回大当たりまで電サポ付き)に当選すると、15R当たり状態Cが発生し、第1大入賞口26が25秒又は10個入賞×15R開放される。そして、大当たり終了後に確変状態(電サポ2)Hに移行する。次回大当たりが発生するまでこの状態Hが継続される。
【0096】
また、通常状態Dにおいて小当たりに当選すると、小当たり状態Aが発生し、2R当たり状態Bと同様に第2大入賞口61が1秒×2R開放される。そして、小当たり終了後に通常状態Dに戻る。
なお、通常状態Dとは異なる遊技状態E〜Hのいずれかにおいて小当たり抽選に当選した場合は、小当たり終了後には元の遊技状態に戻ることとなる。つまり、例えば確変状態Eにおいて小当たり抽選に当選した場合は、小当たり終了後も確変状態Eは継続される。また、ST残り回数は小当たりによってリセットされない。
【0097】
このように、遊技機100は、大当たりの当選確率を相対的に低く設定した第1遊技状態(通常状態)と、この第1遊技状態よりも大当たりの当選確率を高く設定した第2遊技状態(確変状態)とを、大当たりに当選したことを条件に変更可能な確率状態設定手段(遊技制御装置30)を備えている。この確率状態設定手段は、大当たり終了後に所定回転数まで第2遊技状態(確変状態)で遊技を実行可能に構成されている(例えば、ST20,ST100)。
【0098】
また、遊技機100では、条件装置の作動を伴う大当たりを、
図9のNo.3,6,8に対応する第1当たり(15R当たり)と、
図9のNo.1,2,4,5,7に対応する第2当たり(2R当たり)とで構成している。
そして、遊技機100が備える利益付与手段(遊技制御装置30)は、当たり抽選において第1当たり(15R当たり)に当選した場合に、遊技球が容易に入賞可能な第1態様で大入賞口(第1大入賞口26)を開放することにより遊技者に第1の利益を付与する第1利益付与手段と、当たり抽選において第2当たり(2R当たり)に当選した場合に、第1態様よりも開放時間が短い第2態様で大入賞口(第2大入賞口61)を開放することにより遊技者に前記第1の利益よりも価値の低い第2の利益を付与する第2利益付与手段と、当たり抽選において小当たりに当選した場合に、第2態様と同一又は類似の態様で大入賞口(第2大入賞口61)を開放することにより遊技者に小利益を付与する小利益付与手段と、を有している。
【0099】
または、2R通常当たり(
図9のNo.1,2)と2R確変当たり(
図9のNo.4,5,7)を区別すると、以下のように表現される。
すなわち、遊技機100では、条件装置の作動を伴う大当たりを、
図9のNo.3,6,8に対応する第1当たり(15R当たり)と、
図9のNo.4,5,7に対応する第2当たり(2R確変当たり)と、
図9のNo.1,2に対応する第3当たり(2R通常当たり)とで構成している。
そして、遊技機100が備える利益付与手段(遊技制御装置30)は、当たり抽選において第1当たり(15R当たり)に当選した場合に、遊技球が容易に入賞可能な第1態様で大入賞口(第1大入賞口26)を開放することにより遊技者に第1の利益を付与する第1利益付与手段と、当たり抽選において第2当たり(2R確変当たり)に当選した場合に、確率状態設定手段(遊技制御装置30)により第2遊技状態(確変状態)への変更を行うとともに、第1態様よりも開放時間が短い第2態様で大入賞口(第2大入賞口61)を開放することにより遊技者に前記第1の利益よりも価値の低い第2の利益を付与する第2利益付与手段と、当たり抽選において第3当たり(2R通常当たり)に当選した場合に、確率状態設定手段により第1遊技状態(通常状態)への変更を行うとともに、第1態様よりも開放時間が短い第2態様で大入賞口(第2大入賞口61)を開放することにより遊技者に前記第1の利益よりも価値の低い第3の利益を付与する第3利益付与手段と、当たり抽選において小当たりに当選した場合に、確率状態設定手段により遊技状態の変更が行なわれることなく、第2態様と同一又は類似の態様で大入賞口(第2大入賞口61)を開放することにより遊技者に小利益を付与する小利益付与手段と、を有している。
【0100】
さらに、遊技機100が備える利益付与手段(遊技制御装置30)は、第1利益付与手段により第1の利益が付与され、又は第2利益付与手段により第2の利益が付与された場合に、可動部材(25b,25b)を通常状態よりも頻繁に作動させて第2始動口(特
図2始動口)に遊技球が入賞しやすくなる電サポ状態を発生させる電サポ制御手段を有している。
【0101】
上述したように、遊技機100では、大当たり又は小当たり終了後は、通常状態D、確変状態E、通常状態(電サポ1)F、確変状態(電サポ1)G、確変状態(電サポ2)Hのいずれかに滞在することとなる。そして、通常状態(D、F)と確変状態(E、G、H)の何れに滞在しているかを遊技者に認識させるために、遊技機100はステージ・モード演出を実行可能に構成されている。例えば、通常状態に対応するステージと確変状態に対応するステージが設けられ、液晶表示装置50における背景表示により滞在している遊技状態を遊技者が認識可能となっている。
なお、電サポのあり/なしは特
図2始動口25の挙動により明白なので、通常状態か確変状態かを報知されれば、遊技者は上述した遊技状態D〜Hを区別できることとなる。
【0102】
また、このステージ・モード演出において、通常状態(D、F)又は確変状態(E、G、H)の何れに滞在しているかを明確に報知しない、すなわち、1つのステージを複数の遊技状態に対応させることで、何れの遊技状態にも滞在している可能性があるように不明瞭に報知することも可能となっている。
例えば、
図11において点線で示す移行先の状態、すなわち小当たり終了後の通常状態D、2R通常当たり(電サポ無し)終了後の通常状態D、2R確変当たり(電サポ無し,ST20)終了後の確変状態Eは、当たり発生時の第2大入賞口61の挙動及び当たり終了後の特
図2始動口25の挙動から何れの状態となっているか判別できない。
そこで、これらの当たり終了後には、同じステージ・モード演出(不明瞭ステージ1,
図12(b))とすることにより、何れの遊技状態に滞在しているかを明確に報知しないようにしている。これにより、2R確変当たりであったことが完全に否定されないので、遊技者に確変状態Eに移行しているかもしれないと期待させることができる。
なお、これらの当たり終了後、特図変動表示ゲームが20回消化されると、いずれの場合も通常状態Dとなるので、その時点で通常状態を明確に報知するステージ・モード演出(通常確定ステージ,
図12(a))とする。
【0103】
また例えば、
図11おいて太線で示す移行先の状態、すなわち2R通常当たり(電サポ100回付き,ST100)終了後の通常状態(電サポ1)F、2R確変当たり(電サポ100回付き,ST100)終了後の確変状態(電サポ1)Gは、当たり発生時の第2大入賞口61の挙動及び当たり終了後の特
図2始動口25の挙動から何れの状態となっているか判別できない。
そこで、これらの当たり終了後には、同じステージ・モード演出(不明瞭ステージ2,
図12(c))とすることにより、何れの遊技状態に滞在しているかを明確に報知しないようにしている。これにより、2R確変当たりであったことが完全に否定されないので、遊技者に確変状態(電サポ1)Gに移行しているかもしれないと期待させることができる。
なお、これらの当たり終了後、特図変動表示ゲームが100回消化されると、いずれの場合も通常状態Dとなるので、その時点で通常確定ステージ(
図12(a))とする。
【0104】
一方、
図11において細線で示す移行先の状態、すなわち2R確変当たり(次回大当たりまで電サポ付き)終了後の確変状態(電サポ2)H、15R確変当たり(電サポ100回付き,ST100)終了後の確変状態(電サポ1)G、及び15R確変当たり(次回大当たりまで電サポ付き)終了後の確変状態(電サポ2)Hでは、それらの状態を明確に報知するステージ・モード演出(確変確定ステージ,
図12(d))が実行されるようになっている。
なお、15R確変当たり(電サポ100回付き,ST100)終了後、特図変動表示ゲームが100回消化されると通常状態Dとなるので、その時点で通常確定ステージ(
図12(a))とする。
また、15R通常当たり(電サポ100回付き)終了後の通常状態(電サポ1)F及びこの電サポ終了後の通常状態Dでは、それらの状態を明確に報知するステージ・モード演出(通常確定ステージ,
図12(a))が実行されるようになっている。
【0105】
このように、遊技機100は、第1遊技状態(通常状態)又は第2遊技状態(確変状態)の何れに滞在しているかを確定的に報知可能な遊技状態報知手段(遊技制御装置30、演出制御装置40)を備えている。この遊技状態報知手段は、第1遊技状態又は第2遊技状態の何れにも滞在している可能性があることを不明瞭ステージにより不明瞭に報知可能(遊技状態を明確に報知しない)に構成されている。
【0106】
本実施形態に係る遊技機100は先読み予告を実行可能に構成されており、液晶表示装置50における飾り特図始動記憶表示の表示態様により、先読み予告表示を行うようになっている。
【0107】
図14は、液晶表示装置50における表示内容の一例を示す説明図である。
図14に示すように、表示画面の略中央部には3つの識別図柄による飾り特図変動表示ゲームが表示され、下部には飾り特図始動記憶表示51〜53が表示される。飾り特図始動記憶表示51は、特
図1始動入賞に伴い発生する特
図1始動記憶の有無を示す表示であり、斜線ありの飾り特図始動記憶表示51aで特
図1始動記憶がある状態を示し、斜線なしの飾り特図始動記憶表示51bで特
図1始動記憶がない状態を示している。また、飾り特図始動記憶表示52は、特
図2始動入賞に伴い発生する特
図2始動記憶の有無を示す表示であり、斜線ありの飾り特図始動記憶表示52aで特
図2始動記憶がある状態を示し、斜線なしの飾り特図始動記憶表示52bで特
図2始動記憶がない状態を示している。つまり、
図14に示す状態は、特
図1始動記憶が3個、特
図2始動記憶が1個ある状態となる。
【0108】
本実施形態では、飾り特図始動記憶表示51,52の表示態様により、その飾り特図始動記憶表示51,52に対応する特図変動表示ゲームの内容などを報知する。例えば、飾り特図始動記憶表示51,52の表示色を変化させたり、飾り特図始動記憶表示51,52内に特定の文字・数字、図形、又は記号(これらの組合せを含む)を表示させたりすることで、その飾り特図始動記憶表示51,52に対応する特図変動表示ゲームで当たりとなる期待度(特図変動表示ゲームの信頼度)や、当該特図変動表示ゲームの変動パターン(例えば、リーチの発生、リーチ種類、疑似連予告演出の実行(疑似連数を含む)など)を報知する。
飾り特図始動記憶表示51,52の表示色は、例えば、通常は青色とされ、対応する特図変動表示ゲームの信頼度が高くなるに従って、青→黄→赤と変化する。そして、飾り特図始動記憶表示51,52の表示色が黄色又は赤色となったときは、当該特図始動記憶が発生したタイミング(特図始動入賞のタイミング)に応じて、当該特図変動表示ゲーム又は次の特図変動表示ゲームから本連予告演出が実行される。
【0109】
飾り特図始動記憶表示53は、当該変動表示ゲームに係る特図始動記憶に対応する表示である。特図変動表示ゲームの終了後、次に実行される特図変動表示ゲームに対応する飾り特図始動記憶表示51,52が飾り特図始動記憶表示53の表示領域にシフトされ、拡大表示される。遊技者は、飾り特図始動記憶表示53の表示態様により、当該変動表示ゲームが特
図1変動表示ゲーム又は特
図2変動表示ゲームのいずれなのか、当該変動表示ゲームにおいてリーチが発生するか否か、疑似連予告演出が実行されるか否か、また、疑似連が何変動継続するか、などを知得することができる。
図14では、飾り特図始動記憶表示53が特
図1始動記憶であることを示す表示態様(斜線入りの○)となっているので、特
図1変動表示ゲームで大当たりが発生したこととなる。
【0110】
遊技機100において先読み予告を実現するために、演出制御装置40は、遊技制御装置30から送信された演出制御コマンドに含まれる先読み情報に基づいて、先読み予告(先読み予告表示、本連予告演出)に関する処理を行う(先読み予告制御処理)。この先読み情報は、
図6のS106又はS113で設定され、
図5のステップS13で演出制御装置40に送信される。
【0111】
図15は、演出制御装置40で実行される先読み予告制御処理の一例について示すフローチャートである。
ステップS141では、受信した先読み情報に含まれる特図当たり抽選結果及び変動パターンに関する情報に基づいて、本連予告演出を実行するか否かを抽選(本連予告抽選)する。そして、本連予告演出を実行すると判定した場合はステップS142に移行し、本連予告演出を実行しないと判定した場合はステップS143に移行する。
この本連予告抽選では、特図当たり抽選結果が大当たり又は小当たりである場合の当選率が、ハズレである場合の当選率より高く設定されている。また、変動時間が長く信頼度の高い変動パターン(例えば、疑似連予告演出用の変動パターンやSPリーチ用の変動パターン)である場合の当選率が、変動時間が短い通常の変動パターンである場合の当選率より高く設定されている。したがって、本連予告演出が実行されたときには、大当たり又は小当たりとなる期待度が高くなる。
なお、この本連予告抽選を、演出制御装置40ではなく遊技制御装置30で実行するようにしてもよい。この場合、本連予告演出の実行を指示する情報が先読み情報に含まれることとなる。
ステップS142では、本連予告演出の実行を指示する本連予告フラグをセットする。
ステップS143では、当該始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示51,52の表示態様(例えば、表示色)を、本連予告演出の実行及び当たりとなる期待度を示す表示態様に変更する。例えば、期待度「中」であるときは飾り特図始動記憶表示51,52の表示色を「黄色」とし、期待度「高」のときは表示色を「赤色」とする。
【0112】
ステップS144では、受信した先読み情報に含まれる変動パターンに基づいて、疑似連予告演出を実行するか否かを判定する。例えば、変動パターンに関する情報として、疑似1連〜疑似4連に対応する変動パターンが設定されている場合に、疑似連予告演出を実行すると判定する。ステップS144において疑似連予告演出を実行すると判定した場合はステップS145に移行し、疑似連予告演出を実行しないと判定した場合は処理を終了する。
ステップS145では、変動パターンに関する情報から疑似連数を判別し、当該始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示51,52に疑似連数を示す情報(例えば、マークや数字)を付加する。
【0113】
図15に示す先読み予告制御処理において、ステップS142で本連予告フラグがセットされると、実行中の特図変動表示ゲームの途中から、又は次の特図変動表示ゲームから本連予告演出が実行される。また、ステップS143又はS145で設定された表示態様で飾り特図始動記憶表示51,52が表示されることとなる。
なお、
図15では省略しているが、受信した先読み情報に含まれる変動パターンに関する情報に基づいて、当該特図変動表示ゲームにおけるリーチ発生や発生するリーチ種類を判別し、飾り特図始動記憶表示51,52の表示態様によりリーチ予告を行うこともできる。
【0114】
図16は、疑似連数を付加した飾り特図記憶表示の一例を示す説明図である。
本実施形態では、疑似連数と同じ☆マークを飾り特図記憶表示51,52の中に表示するようにしている。
図16では、保留3に対応する飾り特図始動記憶表示51cの中に3つの☆マークが表示されているので、この保留3に係る特図変動表示ゲームにおいて疑似3連の疑似連予告演出が実行されることとなる。
【0115】
図17は、本連予告演出を伴う変動表示ゲームの一例について示す説明図である。
図17(a)に示すように、特
図1変動表示ゲームの実行中に特
図1始動記憶が2個ある状態(飾り特
図1始動記憶表示511,512)で特
図1始動口24に遊技球が入賞すると(特
図1始動入賞)、保留3の飾り特
図1始動記憶表示513が点灯する。
図17(a)では、保留3の飾り特図始動記憶表示513は、保留1,2の飾り特図始動記憶表示511,512とは別の表示態様(図では網掛け表示)となっており、保留3に係る特
図1変動表示ゲームは保留1,2に係る通常の特
図1変動表示ゲームよりも信頼度が高いことを示している。例えば、保留1,2の飾り特図始動記憶表示511,512を「青色」で表示し、保留3の飾り特図始動記憶表示513を「黄色」又は「赤色」で表示する。この保留3に係る特
図1変動表示ゲームでは本連予告演出が実行されることとなる。
これにより、遊技者は次ゲームから3回又は当該ゲームを含めて4回の本連予告演出が実行されることを認識でき、保留3に対応する特
図1変動表示ゲームで大当たりとなる期待度が高いことを知得できる。
図17では、次の特図変動表示ゲームから本連予告演出が実行される場合について示している。
【0116】
図17(b)に示すように、現在変動表示中の特
図1変動表示ゲームが終了すると、ハズレを示す結果態様(
図17では「689」)が表示される。そして、保留1〜3の飾り特
図1始動記憶表示511〜513がそれぞれ左にシフトし(特
図1始動記憶が1減算)、次の特
図1変動表示ゲームが開始される。
図17(c)に示すように、
図17(a)における保留1(飾り特図始動記憶表示511)に係る特
図1変動表示ゲームが開始されるときに、背景が全体的に青色でフラッシュする本連予告演出F1が表示される。本実施形態では、本連予告演出におけるフラッシュの色により大当たりとなる期待度が異なるようにしている(例えば、青→緑→黄→赤の順に期待度が高くなる)。そして、連続する複数のゲームにわたって、所定の割合でフラッシュする色が期待度の高い方へ変化し(ステップアップ本連予告演出)、最後のフラッシュの色で最終的な期待度を報知するようになっている。
また、本連予告演出を伴う飾り特図変動表示ゲームでは、例えば、プレイヤー側のキャラクタと敵のキャラクタが対決し、最終的に勝敗を決するようなストーリー性のあるバトル演出が展開される。
【0117】
図17(d)に示す2連目の本連予告演出(黄色のフラッシュ)F2を伴う特
図1変動表示ゲーム、
図17(e)に示す3連目の本連予告演出(赤色のフラッシュ)F3を伴う特
図1変動表示ゲームが実行され、特図当たり抽選に当選している場合には、
図17(f)に示すように大当たりを示す特定結果(
図17では「777」)が表示される。このとき、飾り特図変動表示ゲームにおけるバトル演出では、プレイヤー側のキャラクタが勝利する結果となる。
【0118】
図17に示すように、先読み予告制御処理において本連予告抽選に当選し、本連予告フラグが設定された場合には、その時点で記憶されている特図始動記憶に係る変動表示ゲームにおいて相互に関連性のある演出が連続して発生することとなる(本連予告演出)。ま
た、
図17(a)に示すように、本連予告演出の実行契機となる保留3の飾り特図始動記憶表示513が、通常の飾り特図始動記憶表示511,512とは別の表示態様に変更される。
このように、遊技機100は、保留手段により記憶された始動記憶に係る保留関連情報を表示する保留関連情報表示手段(演出制御装置40、液晶表示装置50、飾り特図始動記憶表示51〜53)を備えている。ここで、始動記憶に係る保留関連情報には、始動記憶の有無や大当たりとなる期待度を示す情報が含まれる。つまり、いわゆる飾り特図始動記憶表示によるリーチ予告(疑似連予告演出の予告を含む)や大当たり予告は、始動記憶に係る保留関連情報の1つとなる。
【0119】
図18は、疑似連予告演出の一例を示す説明図である。
図18(a)では、保留1の特
図1始動記憶表示511の中に☆マークが3つ表示され、この保留1に係る特
図1変動表示ゲームにおいて疑似3連の疑似連予告演出が実行されることが報知された場合を示している。
図18(a)に示すように、前の特
図1変動表示ゲームが終了すると保留1の飾り特
図1始動記憶表示511が左にシフトし、当該特図変動表示ゲームに係る飾り特図始動記憶表示53として拡大表示される(
図18(b))。
【0120】
そして、
図18(c)に示すように、飾り特図始動記憶表示53から☆が1つとび出し、画面内で流れ星の演出表示がなされ、疑似1連目の特
図1変動表示ゲームが開始されるとともに、飾り特図始動記憶表示53の☆マークは1減算されて2つとなる。つまり、飾り特図始動記憶表示53に表示されている☆マークの数は、残り何回疑似連が継続されるかを示している。
図18(d)に示すように、疑似1連目の特
図1変動表示ゲームではハズレ結果態様(
図18(d)では「334」)が導出され、変動表示が一旦停止される。その後、
図18(e)に示すように、飾り特図始動記憶表示53から☆が1つとび出し、画面内で流れ星の演出表示がなされ、疑似2連目の特
図1変動表示ゲームが開始されるとともに、飾り特図始動記憶表示53の☆マークは1減算されて1つとなる(残り疑似連数1)。遊技機100では、このような疑似連予告演出が実行される。
【0121】
なお、疑似連予告演出において実行される流れ星の演出表示と一緒に、本連予告演出と同様の背景フラッシュによる演出を実行するようにしてもよい。すなわち、本実施形態では、本連予告演出及び疑似連予告演出に同様の演出を利用できるようにしている。
本連予告演出を伴う最終の特図変動表示ゲームにおいて疑似連予告演出が実行される場合には、本連予告演出で実行された疑似連予告演出の内容に制約を受ける。例えば、本連予告演出において黄色フラッシュの演出表示がなされた場合、その後実行される疑似連予告演出では期待度が黄色フラッシュ以上となる演出表示、すなわち黄色フラッシュ又は赤色フラッシュとされ、期待度が降格することとなる演出表示は実行されないようにする。
【0122】
図19は、疑似連予告演出の他の一例を示す説明図である。
図19(a),(b)は
図18(a),(b)と同様である。すなわち、
図19では、前の特
図1変動表示ゲームが終了すると保留1の飾り特
図1始動記憶表示511が左にシフトし(
図19(a))、当該特図変動表示ゲームに係る飾り特図始動記憶表示53として拡大表示される(
図19(b))。その後、
図19(c)に示すように、疑似連数3を示す☆マークが3つとも画面左上の領域(疑似連数表示領域)54に移動する演出表示がなされる。
【0123】
図19(d)に示すように、疑似連数表示領域54から☆が1つとび出し、画面内で流れ星の演出表示がなされ、疑似1連目の特
図1変動表示ゲームが開始されるとともに、疑似連数表示領域54の☆マークは1減算されて2つとなる。つまり、疑似連数表示領域54に表示されている☆マークの数は、残り何回疑似連が継続されるかを示している。
図19(e)に示すように、疑似1連目の特
図1変動表示ゲームではハズレ結果態様(
図19(e)では「334」)が導出され、変動表示が一旦停止される。その後、
図19(f)に示すように、疑似連数表示領域54から☆が1つとび出し、画面内で流れ星の演出表示がなされ、疑似2連目の特
図1変動表示ゲームが開始される。このとき、疑似連数表示領域54の☆マークは1減算されて1つとなる(残り疑似連数1)。
遊技機100では、
図18に示す疑似連予告演出に代えて、このような疑似連予告演出が行われるようにしてもよい。この場合も、疑似連予告演出において実行される流れ星の演出表示と一緒に、本連予告演出と同様の背景フラッシュによる演出を実行するようにしてもよい。
【0124】
このように、遊技機100が備える保留関連情報表示手段(演出制御装置40、変動表示装置50、飾り特図始動記憶表示51〜53)は、複変動パターン(疑似連予告演出用の変動パターン)が設定された始動記憶(
図18では保留1)に係る保留関連情報として、当該複変動パターンを構成する変動サイクル数(疑似連数)を遊技者に認識可能に表示する。
また、抽選手段による抽選結果と変動パターン設定手段により決定される変動パターンを先読みして、当該始動記憶に係る保留関連情報に先読み情報を含めて表示可能に構成されている。
なお、
図18,19では、先読みにより保留1の特
図1始動記憶表示511においても、疑似連予告演出の疑似連数を表示するようにしているが、飾り特図始動記憶表示53にシフトされて始めて疑似連数を表示するようにしてもよい。この場合は、始動入賞時に抽選結果と変動パターンを先読みすることは必ずしも必要とならない。
【0125】
遊技機100によれば、遊技者は疑似連予告演出において実行される総疑似連数(疑似連が何変動継続するか)を遅くとも変動開始時に知得することができるので、当該変動表示ゲームに対する遊技者の期待感は様々に変化することとなる。また、特図始動入賞時に特図始動記憶に係る保留関連情報を先読みすることにより、この特図始動記憶に係る特図変動表示ゲームの実行前に疑似連予告演出の発生及び疑似連数を予告するので、連続する複数ゲームにわたって遊技者の期待感を持続させることができる。
すなわち、先読み予告(先読み予告表示、本連予告演出)と疑似連予告演出を関連させることにより演出表示が多様化され、遊技の興趣性が格段に向上する。
【0126】
また、保留関連情報表示手段は、複変動パターン(疑似連予告演出用の変動パターン)に従って変動表示ゲームが実行されるときに、当該変動表示ゲームに対応する保留関連情報として表示されている変動サイクル数(飾り特図始動記憶表示53又は疑似連数表示領域54の☆マーク)を、1回の変動サイクルごとに減算する(
図18,19参照)。
これにより、遊技者は疑似連予告演出において実行される総疑似連数(疑似連が何変動継続するか)を遅くとも変動開始時に知得することができるとともに、疑似連予告演出の実行中に残りの疑似連数を知得することができるので、安心して疑似連予告演出を堪能することができる。
【0127】
ところで、遊技機100では、ST中において特
図2始動記憶が優先的に消化されるために、ST回数の近傍(例えば、ST20の場合は17〜20ゲーム)においては、先読みした内容と変動開始時に実際に判定した内容とに食い違いが生じる虞がある。
しかしながら、変動パターンの判定に際して、
図13に示す変動パターン決定用テーブルを用いるので、疑似連予告演出の変動パターンに対応する判定値は、確変状態と通常状態とで同じとなる。つまり、遊技状態が確変状態か通常状態かによって、変動パターン決定用乱数に基づいて決定される疑似連予告の変動パターンは変化しない。
したがって、ST回数の近傍(例えば、ST20の場合は17〜20ゲーム)において、疑似連数の先読み予告表示を行っても何ら問題は生じない。
【0128】
第1実施形態では、疑似連予告演出の実行が決定されたときに、飾り特図始動記憶表示における疑似連数の表示(例えば☆マークの数)が特図変動表示ゲームの進行に伴い変化するようにしている。
図20には、例えば、保留4に係る特
図1始動記憶に係る変動パターンが、先読みにより疑似3連の変動パターンであると判定された場合について示している。
図20(a)では、保留4の飾り特
図1始動記憶表示514の中に☆マークが1つ表示され、この保留4に係る特
図1変動表示ゲームにおいて疑似1連の疑似連予告演出が実行されることが報知されている。
図20(b)に示すように、前の特
図1変動表示ゲームが終了すると保留4の飾り特
図1始動記憶表示514が左にシフトし保留3の飾り特
図1始動記憶表示513となる。このとき、保留3の飾り特
図1始動記憶表示513の中に☆マークが1つ加算され、この保留3に係る特
図1変動表示ゲームにおいて疑似2連の疑似連予告演出が実行されることが報知される。
【0129】
そして、
図20(c)に示すように、前の特
図1変動表示ゲームが終了すると保留3の飾り特
図1始動記憶表示513が左にシフトし保留2の飾り特
図1始動記憶表示512となる。このとき、保留2の飾り特
図1始動記憶表示512の中に☆マークがさらに1つ加算され、この保留2に係る特
図1変動表示ゲームにおいて疑似3連の疑似連予告演出が実行されることが報知される。その後、飾り特図始動記憶表示に表示された疑似連数が変化しなければ、最終的に疑似3連の疑似連予告演出が実行されることが報知されることとなる。
なお、飾り特図始動記憶表示に当初表示する☆マークの数又は飾り特図始動記憶表示がシフトするごとに加算する☆マークの数は特に制限されない。疑似連予告演出を構成する変動サイクル数(総疑似連数)は変動パターンによって予め決まっているので、この疑似連予告演出を伴う特図変動表示ゲームが実行されるまでに、最終的な疑似連数が示されるようにすればよい。
【0130】
このように、遊技機100が備える保留関連情報表示手段は、複変動パターン(疑似連予告演出用の変動パターン)が設定される始動記憶に係る保留関連情報として、当初は当該複変動パターンを構成する変動サイクル数(総疑似連数)よりも少ない変動サイクル数を表示し、変動表示ゲームが1ゲーム消化されるごとに変動サイクル数を加算し、最終的に当該複変動パターンを構成する変動サイクル数とする。
これにより、疑似連予告演出を伴う特図変動表示ゲームが実行されるまで疑似連数が変動するので、遊技者の期待感を持続させることができるとともに、段階的に増幅させることができる。
【0131】
第1実施形態では、大当たり終了後の所定回転数内の確変状態(いわゆるST中)において疑似連予告演出が実行されるときに、1つの飾り特図始動記憶表示により疑似連の1変動サイクルが示されるようにしている。
図21には、例えば、保留4に係る特
図1始動記憶に係る変動パターンが、先読みにより疑似2連の変動パターンであると判定された場合について示している。
図21(a)では、保留4の飾り特
図1始動記憶表示514の中に☆マークが2つ表示され、この保留4に係る特
図1変動表示ゲームにおいて疑似2連の疑似連予告演出が実行されることが報知されている。
図21(b)に示すように、前の特
図1変動表示ゲームが終了すると保留4の飾り特
図1始動記憶表示514が左にシフトする。通常状態であれば、
図21(c)に示すように、保留3の飾り特
図1始動記憶表示513が疑似連数2を示す表示となる。
【0132】
一方、確変状態(ST中)であれば、
図21(d)に示すように、保留3,4の飾り特図始動記憶表示513,514がそれぞれ疑似1連を示す表示となる。すなわち、表示上、疑似連予告演出を構成する1変動サイクルが特図変動表示ゲーム1回に相当して見えるようにしている。
なお、保留4に係る始動入賞が発生した場合には、保留3の飾り特
図1始動記憶表示513が疑似2連を示す表示となるようにしてもよいし、通常では表示されない保留5の飾り特
図1始動記憶表示を表示させるようにしてもよい。
【0133】
このように、遊技機100が備える保留関連情報表示手段は、所定回転数内(ST中)に実行される変動表示ゲームに対応する始動記憶に複変動パターンが設定された場合に、当該始動記憶に係る保留関連情報として、当該複変動パターンを構成する変動サイクル数分の保留関連情報を表示する。
これにより、ST中に実行される変動表示ゲーム数を見かけ上増加させることができ、遊技者に確変状態で当たり抽選された機会が通常のST中よりも増えたかのように感じさせることができる。画面上にST回数(又はST残り回数)を表示し、疑似連予告演出の1変動サイクルごとにカウントが加算(又は減算)されるようにすれば、確変状態が所定回転数(ST回数)以上まで継続したことを遊技者は明確に認識できるので、さらに効果的である。
また、ST中に特図始動記憶が発生せずに一方的に消化される場合でも、表示上は特図始動記憶が保留されて見えるので、特図始動口に遊技球が入賞しにくいことに対して遊技者が不快に感じるのを抑制できる。
【0134】
第1実施形態では、当該変動に係る飾り特図始動記憶表示53の中に、その特図始動記憶に係る変動表示ゲームの変動パターンを示唆する情報を表示するようにしている。
図22〜24には、変動パターンを示唆する飾り特図始動記憶表示の一例について示している。
図22では、飾り特図始動記憶表示53の中に、「ちょい熱」マーク、「カス」マーク、「?」マークが配置されており、疑似3連の疑似連予告演出が発生することと、その疑似連予告演出の1変動サイクルごとの内容が報知されている。例えば、「カス」<「?」<「ちょい熱」の順で期待度が高くなるように設定されている。なお、飾り特図始動記憶表示53の中に配置されるマークは上述したものに制限されず、リーチ種類を示唆するものや大当たりを示唆するものなど、一般的に大当たりとなる期待度を示唆できるものであればよい。
【0135】
図22(a)に示す状態において「カス」マークに対応する疑似1連目の変動サイクルが実行されると、飾り特図始動記憶表示53の態様は
図22(b)に示す状態に移行する。このときの変動サイクルでは、例えば比較的短い変動時間でリーチも発生することなくハズレの結果態様が導出される。
図22(b)に示す状態で「?」マークに対応する疑似2連目の変動サイクルが実行されると、
図22(c)に示す状態に移行する。このときの変動サイクルでは、例えばノーマルリーチを経てハズレの結果態様が導出される。
図22(c)に示す状態で「ちょい熱」マークに対応する疑似3連目の変動サイクルが実行されると、期待度の低いSPリーチが発生し、特図当たり抽選結果に基づく結果態様(例えば、ハズレの結果態様)が導出される。
【0136】
ここで、疑似連予告演出の1変動サイクルごとの内容を示す表示は、飾り特図始動記憶表示51〜53において報知される変動パターンや大当たりを予告するときの表示と同じとされている。つまり、飾り特図始動記憶表示51,52が
図22(c)に示す表示態様となっていれば、当該特図始動記憶に係る変動表示ゲームにおいて期待度の低いSPリーチが発生し、特図当たり抽選結果に基づく結果態様(例えば、ハズレの結果態様)が導出されることとなる。
これにより、疑似連予告演出自体の発生頻度は少なくても、通常の変動表示ゲームにおける飾り特図始動記憶表示51〜53から、疑似連予告演出を構成する1変動サイクルごとの内容を容易に把握することができる。
【0137】
図23では、飾り特図始動記憶表示53の中に扇形の斜線領域531が設けられ、その中に「カス」マークが配置され、斜線領域531の外に「ちょい熱」マークと「?」マークが配置されている。この例では、斜線領域531に配置されたマークにより、疑似連予告演出において実行される次の変動サイクルの内容を示している。つまり、
図23(a)に示す状態であれば、「カス」マークに対応する疑似1連目の変動サイクルが実行され、例えば比較的短い変動時間でリーチも発生することなくハズレの結果態様が導出される。
これにより、疑似連予告演出を構成する変動サイクルの内容だけでなく、消化される順番によって、疑似連予告演出を伴う特図変動表示ゲームに対する遊技者の期待感を様々に変化させることができる。例えば、期待度の低い内容から順番に変動サイクルが消化されることで、最終的に期待度の高い変動サイクルが実行されることとなるので、この場合が遊技者の期待感は最も高くなる。
【0138】
図24では、飾り特図始動記憶表示53の表示態様を、
図22(a)に示す表示態様と異ならせる(
図24では内部を斜線表示としている)ことにより、大当たりとなる期待度がさらに高いことを示している。
すなわち、飾り特図始動記憶表示53の全体としての表示態様を工夫することで、疑似連予告演出の発生とともに、その疑似連予告演出を伴う特図変動表示ゲームの信頼度を示唆することができる。
【0139】
図22〜24に示すように、遊技機100が備える保留関連情報表示手段は、複変動パターン(疑似連予告演出用の変動パターン)が設定されている始動記憶に係る保留関連情報として、当該複変動パターンによる変動表示ゲームの1変動サイクルごとの内容を示唆する情報を含んでいる。
これにより、遊技者は変動開始前に疑似連予告演出の内容を知得し、示唆された内容に相応の期待感を持って変動表示ゲームの進行を見守ることとなるので、疑似連予告演出を伴う特図変動表示ゲームに対して過度に期待してしまい、外れたときの失望感が増大するのを防止できる。
なお、当該変動に係る飾り始動記憶表示53だけなく、飾り始動記憶表示51,52においても先読みにより疑似連予告演出の内容を表示することができる。
【0140】
第1実施形態では、遊技状態(通常状態又は確変状態)を明確に報知されない不明瞭ステージにおいて、飾り特図始動記憶表示の中に表示される疑似連数を利用したミニゲーム(チャレンジモード)を実行可能としている。ここでは、2R大当たり又は小当たり終了後にチャレンジモードに突入し、所定ゲーム数の経過に伴い終了するようになっている。
【0141】
図25は、チャレンジモードの一例について示す説明図である。
図25に示すチャレンジモードでは、例えば、特図始動記憶が上限数(例えば4個)となったときに、確定ステージとするか否かを抽選する(確定報知抽選)。そして、この確定報知抽選の結果に応じて、飾り特図始動記憶表示を四則演算子で連結した等式又は不等式を生成して表示する。確定報知抽選に当選した(確定ステージとすることが決定された)場合には、飾り特図始動記憶表示を四則演算子により連結した等式又は不等式が成立するようになっている。
【0142】
図25(a)には、2R大当たり又は小当たり終了時に4つの特
図1始動記憶がある状態(特
図2始動記憶は0)を示している。また、飾り特
図1始動記憶表示の中に表示されている数字は、それぞれの特
図1始動記憶に係る特
図1変動表示ゲームにおける疑似連数を示している。つまり、保留1に係る特
図1変動表示ゲームでは疑似2連、保留2に係る特
図1変動表示ゲームでは疑似1連、保留3に係る特
図1変動表示ゲームでは疑似4連の予告演出が行われ、保留4に係る特
図1変動表示ゲームでは疑似連予告演出は行われない。
図25(b)に示すように、2R大当たり又は小当たり終了時に特
図1始動記憶数が4であれば、四則演算子によって飾り特
図1始動記憶表示を連結した等式又は不等式が生成される。
図25(b)では、「2+1−4=0」という等式が生成されるが、この等式は成立していない(確定報知抽選に当選していない)ので、不正解音が出力されるとともに、不明瞭ステージが継続される。また、
図25(b)において、飾り特図始動記憶表示は左方向にシフトされ、変動表示ゲームが開始される。
【0143】
図25(c)では、始動記憶数が4未満となっているので、飾り特図始動記憶表示を利用した等式又は不等式は表示されない。その後、
図25(d)に示すように、特
図1始動入賞により4個目の特図始動記憶が発生すると、その時点で四則演算子によって飾り特
図1始動記憶表示を連結した等式又は不等式が生成される。
図25(d)に示す「1−4=0×1」という等式も成立していないので、不正解音が出力されるとともに、不明瞭ステージが継続される。
一方、
図25(e)では「4=0×1+4」という等式が成立しているので、正解音が出力されるとともに、
図25(f)に示すように確変状態に滞在していることを示すメッセージ「高確率確定!」が表示される。そして、確変確定ステージ(
図12(d))に移行する。
【0144】
なお、確変状態に滞在している場合にだけ確定ステージに移行するようにしてもよい。つまり、通常状態に滞在している場合には飾り特図始動記憶表示を用いた等式又は不等式は常に成立しないようにしてもよい。
【0145】
このように、遊技機100では、不明瞭ステージにおいて、所定条件が成立(例えば特図始動記憶数が上限数となる)することに伴い、複変動パターン(疑似連予告演出用の変動パターン)が設定されている始動記憶に係る保留関連情報を四則演算子により連結した等式又は不等式を生成して表示する。等式又は不等式の成否は、予め行われた確定ステージとするか否かを抽選結果に応じて決定される。そして、この等式又は不等式が成立すると、確定ステージにより遊技状態を報知するようになっている。
これにより、先読み予告表示、疑似連予告演出、及びステージ・モード演出を関連させた演出表示となるので、遊技の興趣性が格段に向上する。
【0146】
図26は、チャレンジモードの他の一例について示す説明図である。
図26に示すチャレンジモードでは、例えば、10回疑似連予告演出が実行されたときに、確定ステージに移行するようになっている。
図26(a)には、2R大当たり又は小当たり終了時に4つの特
図1始動記憶がある状態(特
図2始動記憶は0)を示している。
図26(b)に示すように、2R大当たり又は小当たり終了時には、不明瞭ステージで特図変動表示ゲームが実行される。
図26(c)に示すように、特図変動表示ゲームにおいて疑似連予告演出が発生すると、そのときの疑似連数が加算されて画面右上に表示される。
そして、
図26(d)に示すように、総疑似連数が10回に到達すると、
図26(e)に示すように確変状態に滞在していることを示すメッセージ「高確率確定!」が表示される。そして、
図26(f)に示すように、確変確定ステージ(
図12(d))に移行する。
【0147】
なお、確変状態に滞在している場合にだけ確定ステージに移行するようにしてもよい。つまり、通常状態に滞在している場合には、総疑似連数が10回に到達する前にチャレンジモードを終了するようにしてもよい。
【0148】
このように、遊技機100では、不明瞭ステージにおいて実行された複変動パターンによる変動サイクル数(疑似連数)を加算し、累計数が所定数となった場合に確定ステージにより遊技状態を報知するようになっている。
これにより、従来のパチンコ遊技機では意味のなかった疑似連予告演出の累計数を利用して、ステージ・モード演出を制御するので、遊技の幅が広がり興趣性が格段に向上する。
【0149】
第1実施形態では、指定された条件(例えば、特定図柄によるリーチの発生)が成立したときに大当たりが発生するミッションモードを実行可能としている。このミッションモードでは、内部的に特図大当たり抽選に当選したときに、指定した条件が成立するようになっている。すなわち、大当たりの確定予告として利用される。
例えば「7でリーチをかけろ」という条件が指定されたときに、特図大当たり抽選に当選していなければ「7」図柄によるリーチ態様は形成されない。一方、特図大当たり抽選に当選していれば「7」図柄によるリーチ態様が形成され、その時点で大当たり確定となる。
【0150】
図27には、疑似連予告演出の実行回数(総疑似連数)が10回に到達することをミッション成立条件としたミッションモードについて示している。つまり、このミッションモードにおいて特図大当たり抽選に当選すると、その特図変動表示ゲームで実行された疑似連予告演出により、総疑似連数が10回以上となるように、変動パターンが決定されることとなる。ここでは、抽選や所定回転数の経過など所定条件の成立に伴いミッションモードに突入し、所定ゲーム数又は所定時間の経過に伴い終了するようになっている。
【0151】
ミッションモードが発生すると、
図27(a)に示すように、ミッションモードに突入したことが報知される。
図27(b)に示すように、特図変動表示ゲームにおいて疑似連予告演出が発生すると、そのときの疑似連数が加算されて画面右上に表示される。
このミッションモード中に特図当たり抽選に当選すると、
図27(c)に示すように総疑似連数が10回に到達するように疑似連予告演出が実行される。そして、
図27(d)に示すようにミッションが成立したこと、すなわち大当たり確定であることが報知された後、
図27(e)に示すように大当たり結果態様が導出される。
なお、ミッションモード中に特図当たり抽選に当選したときに、成立条件となる疑似連数と現時点までの累計数がかけ離れている場合(例えば、疑似連10回が成立条件であるのに対して累計数が疑似1連である場合)は、成立条件を引き下げるようにしてもよい。
【0152】
このように、遊技機100では、大当たり確定予告の1つであるミッションモードにおいて、複変動パターンによる変動サイクル数(疑似連数)を加算し、累計数が予め設定された所定数となった場合に大当たり確定となるようにしている。
これにより、従来のパチンコ遊技機では意味のなかった疑似連予告演出の累計数が大当たりの発生と密接に関わってくるため、以降の遊技が有利となったように感じさせることができ、疑似連予告演出を伴ってハズレとなったときの失望感を低減できる。
【0153】
図28には、疑似連予告演出の実行回数(総疑似連数)を終了条件としたミッションモードについて示している。ここでは、抽選や所定回転数の経過など所定条件の成立に伴いミッションモードに突入し、総疑似連数が10回に到達したときに終了するようになっている。なお、このミッションモードにおけるミッション成立条件は、特定図柄によるリーチ態様の発生や、特定種類のSPリーチの発生など様々なものを適用できる。
【0154】
ミッションモードが発生すると、
図28(a)に示すように、ミッションモードに突入したことが報知される。
図28(b)に示すように、特図変動表示ゲームにおいて疑似連予告演出が発生すると、そのときの疑似連数が加算されて画面右上に表示される。
このミッションモード中に特図当たり抽選に当選することなく総疑似連数が10回に到達すると、
図28(c)に示すようにミッションが失敗に終わったことが報知され、ミッションモードが終了となる。
【0155】
このように、遊技機100では、大当たり確定予告の1つであるミッションモードにおいて、複変動パターンによる変動サイクル数(疑似連数)を加算し、累計数が予め設定された所定数となった場合にミッションモードが終了するようになっている。
従来のミッションモードでは、所定ゲーム数若しくは所定時間の経過、又は抽選によりミッションモードは終了することとされていたため、ミッションモードの終了契機に対して遊技者が不満を感じることがある。例えば、抽選により終了条件の成立を判定する場合には、極めて短時間でミッションモードが終了することがある。また例えば、所定ゲーム数又は所定時間の経過を終了条件とする場合には、予定調和的過ぎてミッションモードが単調となってしまう。
【0156】
これに対して、疑似連予告演出の累計数をミッションモードの終了条件とすることで、終了時期を予測することは極めて困難となるので、遊技者はミッションモードが継続するか否かにも関心を持ちながら遊技を行うことができる。
例えば「あと疑似4連でミッションモード終了」となっていても次の特図変動表示ゲームで疑似4連が発生するかもしれないし、それから100ゲーム経過しても疑似連が発生しないこともありうる。また、所定数以上の疑似連数を終了条件とすれば、極めて短時間でミッションモードが終了してしまうのを回避できる。
なお、疑似連の累計数が所定数に到達することをミッションモードの終了条件とする場合について説明したが、ST終了条件として適用することもできる。すなわち、ST回数を予め設定せずに、疑似連の累計数が所定数に達した場合に確変状態から通常状態に移行するようにしてもよい。
【0157】
[第2実施形態]
第1実施形態では、変動パターンの判定に際して、
図13に示す変動パターン決定用テーブルを用いているので、ST回数の近傍(例えば、ST20の場合は17〜20ゲーム)において疑似連数の先読み予告表示を行ったときに矛盾が生じない。
第2実施形態では、さらに、飾り特図始動記憶表示によりリーチ予告や大当たり予告を行う場合に、先読み予告による内容と実際の内容が矛盾しないようにしている。すなわち、
図13に示す変動パターン決定用テーブルに従って変動パターンを判定すると、疑似連予告演出以外の変動パターンについては、確変状態と通常状態で必ずしも一致しない。例えば、ある変動パターン決定用乱数に従って変動パターンを判定した場合に、確変状態ではSPリーチと判定されるが、通常状態ではノーマルリーチと判定されることがある。そこで、第2実施形態では、ST回数の近傍(例えば、ST20の場合は17〜20ゲーム)では先読み予告表示を行わないようにしている。
なお、第2実施形態に係る遊技機の基本構成は第1実施形態に係る遊技機100と同様である。
【0158】
図29は、第2実施形態に係る発明の概要を示す説明図である。
図29に示すように、2R確変当たり(電サポ無し,ST20)に当選した場合には、大当たり終了後に20ゲームだけ確変状態に滞在し、21ゲーム目以降は通常状態に滞在することとなる。
ここで、特
図1始動記憶が17〜20ゲーム目に対応している場合、例えば、現在17ゲーム目の特図変動表示ゲームが実行されており、特
図1始動記憶が3、特
図2始動記憶が0となっている場合について考える。この時点では、保留1の特
図1始動記憶が18ゲーム目、保留2の特
図1始動記憶が19ゲーム目、保留3の特
図1始動記憶が20ゲーム目に対応している。したがって、それぞれの始動入賞時の先読みでは、確変状態用のテーブルにより特図当たり結果や変動パターンが判定される。
一方、20ゲーム目の特
図1変動表示ゲームが実行される前(例えば、17ゲーム目の特
図1変動表示ゲームの実行中)に特
図2始動記憶が発生すると、この特
図2始動記憶に係る特図変動表示ゲームが20ゲーム以内(例えば18ゲーム目)に実行されるため、保留3の特
図1始動記憶は21ゲーム目にずれ込む。そうすると、この保留3の特
図1始動記憶に係る特図変動表示ゲームの開始時には通常用のテーブルにより特図当たり結果及び変動パターンが判定されることとなる。
【0159】
始動入賞時に17ゲーム目に対応していた特
図1始動記憶は、特
図2始動記憶が4個(上限数)発生すると21ゲーム目にずれ込むため、少なくとも始動入賞時に17〜20ゲームに対応する特
図1始動記憶に関しては、先読み予告表示の内容と実際の内容に齟齬が生じる可能性が大きいと考えられる。そこで、第2実施形態では、ST回数の近傍である17〜20ゲーム(ST残り3〜0ゲーム)では、特
図1始動記憶についての先読み予告表示を行わないようにしている。
なお、始動入賞時に17ゲームより前に対応していた特
図1始動記憶であっても、特
図2始動記憶が連続して発生すれば、最終的に21ゲーム目以降にずれ込む可能性はある。ただし、電サポを伴わないST中は特
図2始動記憶が発生することは稀であるため、上述した制御で十分対応できる。
【0160】
図30は、第2実施形態に係る先読み情報設定処理の一例について示すフローチャートである。この先読み情報設定処理は、
図6のステップS106(特
図1始動入賞に基づく先読み)で行われる。
ステップS201では、当該始動記憶が、特
図1始動記憶の上限数分の変動表示ゲームを実行するとST回数となる特図変動表示ゲーム(ST回数−特
図1始動記憶上限数+1)からST回数目で実行される特図変動表示ゲームに対応するか否か、例えば、保留上限4,ST20の場合は17〜20ゲーム目の変動表示ゲームに対応するか否かを判定する。そして、当該始動記憶が17〜20ゲーム目に対応すると判定した場合は処理を終了し、当該始動記憶が17〜20ゲーム目に対応しないと判定した場合はステップS202に移行する。
ステップS202では特図当たり抽選結果を設定する。ステップS203では変動パターンに関する情報を設定する。
【0161】
すなわち、特
図1始動記憶が1〜16ゲーム目に対応する場合(ステップS201で“NO”)、当該始動記憶が発生した始動入賞時及び当該始動記憶による変動開始時の遊技状態はともに確変状態となるので、確変状態用のテーブルにより判定した特図当たり抽選結果と変動パターンを、先読み情報として設定する。
一方、特図始動記憶が17〜20ゲーム目に対応する場合(ステップS201で“YES”)、当該始動記憶が発生した始動入賞時の遊技状態と当該始動記憶による変動開始時の遊技状態は、特
図2始動記憶の発生状況により変化するので、先読み情報は設定されない。
なお、
図13に示す変動パターン決定用テーブルによれば、疑似連予告演出に対応する変動パターンは確変状態と通常状態で変化しないので、特図始動記憶が17〜20ゲーム目に対応する場合であっても、疑似連予告の発生及び疑似連数を先読み情報として設定することはできる。
【0162】
図30に示す先読み情報設定処理で設定された先読み情報は、演出制御コマンドとして演出制御装置40に送信される。演出制御装置40では、
図31に示すフローチャートに従って先読み予告制御処理が実行される。
図31のステップS211では、受信した演出制御コマンドに先読み情報が含まれているか否かを判定する。そして、演出制御コマンドに先読み情報が含まれている場合はステップS212に移行し、先読み情報が含まれていない場合は処理を終了する。
ステップS212では、先読み情報に基づく先読み予告表示を行う。具体的には、飾り特
図1始動記憶表示によりリーチ予告や大当たり予告を行う。
すなわち、特
図1始動記憶が1〜16ゲーム目に対応する場合には、受信した演出制御コマンドに先読み情報が含まれるため、それに基づいて飾り特図始動記憶表示による先読み予告表示が行われる。一方、特
図1始動記憶が17〜20ゲーム目に対応する場合には、受信した演出制御コマンドに先読み情報は含まれていないので、飾り特図始動記憶表示による先読み予告表示は行われない。
【0163】
図30,31に示す処理により、液晶表示装置50では
図32に示すような先読み予告表示がなされることとなる。
すなわち、
図32(a)に示すように、確変大当たり(電サポ無し,ST20)が終了すると、確変状態に20ゲームだけ滞在する(ST20)ことが報知される。
図32(b)に示すように、ST中はST残り回数が画面右上に表示されるとともに、飾り特図始動記憶表示による先読み予告表示がなされる。
図32(b)では、保留2の飾り特図始動記憶表示により、ノーマルリーチの発生が予告されている。
そして、
図32(c)に示すように、17〜20ゲーム目に対応することとなる特
図1始動記憶については、先読み予告表示は行われない。
図32(c)では、ST残り4回で特
図2始動記憶が1つあるので、特
図2始動記憶が17ゲーム目に対応し、特
図1始動記憶が18〜21ゲーム目に対応することとなる。したがって、これらの特
図1始動記憶については先読み予告表示はなされていない。
【0164】
図32(c)に示すように、17〜20ゲーム目に対応することとなる特
図1始動記憶については、積極的に先読み予告表示を行わないようにしているが、遊技者が知りたい場合には先読み予告表示を行うようにしてもよい。
例えば、
図32(d)に示すように、特
図1始動記憶について先読み予告表示が行われていない場合に、演出用ボタン157を押下すれば先読み予告表示がなされることを報知する。そして、
図32(e)に示すように、遊技者によって演出用ボタン157が操作されると、飾り特
図1始動記憶表示による先読み予告表示が行われる。一方、遊技者によって演出用ボタン157が操作されなければ、
図32(c)に示すように特
図1始動記憶の先読み予告表示は行われないままとされる。
【0165】
このように、遊技機100が備える保留関連情報表示手段は、先読み手段により判定された先読み情報を当該始動記憶に係る保留関連情報に含めて表示可能に構成されるとともに、第1始動記憶の上限数分の変動表示ゲームを実行すると所定回転数となる変動表示ゲームから所定回転数目の変動表示ゲーム(例えば、保留上限4,ST20の場合は17〜20ゲーム目の変動表示ゲーム)に対応する第1始動記憶については先読み情報を表示しない。
具体的には、保留関連情報表示手段は、遊技制御装置(30)と、この遊技制御装置からの演出制御コマンドに基づいて表示内容を制御する演出制御装置(40)と、を含んで構成され、遊技制御装置は、先読み情報を演出制御コマンドとして送信する先読み情報送信手段を有している。
そして、この先読み情報送信手段は、第1始動記憶の上限数分の変動表示ゲームを実行すると所定回転数となる変動表示ゲームから所定回転数目の変動表示ゲームに対応する第1始動記憶についての先読み情報については演出制御装置に送信しないようになっている。
これにより、遊技機100において特
図2変動表示ゲームが特
図1変動表示ゲームに割り込んで実行されても、先読み予告表示の内容と実際の変動表示ゲームの内容に齟齬が生じるのを防止できる。
【0166】
[第2実施形態の変形例]
第2実施形態では、遊技制御装置30における先読み情報設定処理(
図30参照)により、先読み情報を演出制御装置40に送信するか否かを決定し、先読み予告表示の齟齬を回避している。変形例では、遊技制御装置30ではなく演出制御装置40において先読み情報を表示するか否かを決定する。
図33は、第2実施形態の変形例に係る先読み情報設定処理の一例について示すフローチャートである。この先読み情報設定処理は、
図6のステップS106(特
図1始動入賞に基づく先読み)で行われる。
ステップS221では特図当たり抽選結果を設定する。ステップS222では変動パターンに関する情報を設定する。すなわち、変形例では、第1実施形態と同様、ST中の実行ゲーム数に関係なく、始動入賞時の遊技状態に従って判定した特図当たり抽選結果と変動パターンに関する情報を先読み情報として設定する。
【0167】
図33の先読み情報設定処理で設定された先読み情報は、演出制御コマンドとして演出制御装置40に送信される。演出制御装置40では、
図34に示すフローチャートに従って先読み予告制御処理が実行される。
すなわち、
図34のステップS231では、当該始動記憶が、特
図1始動記憶の上限数分の変動表示ゲームを実行するとST回数となる特図変動表示ゲーム(ST回数−特
図1始動記憶上限数+1)からST回数目で実行される特図変動表示ゲームに対応するか否か、例えば、保留上限4,ST20の場合は17〜20ゲーム目の変動表示ゲームに対応するか否かを判定する。そして、当該始動記憶が17〜20ゲーム目に対応すると判定した場合は処理を終了し、当該始動記憶が17〜20ゲーム目に対応しないと判定した場合はステップS232に移行する。
ステップS232では、先読み情報に基づく先読み予告表示を行う。具体的には、飾り特
図1始動記憶表示によりリーチ予告や大当たり予告を行う。
すなわち、特
図1始動記憶が1〜16ゲーム目に対応する場合には、受信した演出制御コマンドに含まれる先読み情報に基づいて、飾り特図始動記憶表示による先読み予告表示が行われる。一方、特
図1始動記憶が17〜20ゲーム目に対応する場合には、受信した演出制御コマンドに先読み情報が含まれていても、飾り特図始動記憶表示による先読み予告表示を行わない。
なお、
図13に示す変動パターン決定用テーブルによれば、疑似連予告演出に対応する変動パターンは確変状態と通常状態で変化しないので、特図始動記憶が17〜20ゲーム目に対応する場合であっても、疑似連予告の発生及び疑似連数に関する先読み予告表示を行うことはできる。
【0168】
このように、変形例に係る遊技機100が備える保留関連情報表示手段は、遊技制御装置(30)と、この遊技制御装置からの演出制御コマンドに基づいて表示内容を制御する演出制御装置(40)と、を含んで構成され、遊技制御装置は、先読み情報を演出制御コマンドとして送信する先読み情報送信手段を有している。
そして、演出制御装置は、受信した演出制御コマンドに先読み情報が含まれていても、第1始動記憶の上限数分の変動表示ゲームを実行すると所定回転数となる変動表示ゲームから所定回転数目の変動表示ゲームに対応する第1始動記憶についての先読み情報である場合には、この先読み情報を保留関連情報に含めて表示しないようになっている。
これにより、遊技機100において特
図2変動表示ゲームが特
図1変動表示ゲームに割り込んで実行されても、先読み予告表示の内容と実際の変動表示ゲームの内容に齟齬が生じるのを防止できる。
【0169】
第2実施形態及びその変形例では、特
図1始動記憶が17〜20ゲーム目に対応する場合には飾り特図始動記憶表示による先読み予告表示を行わないようになっている。この場合でも、特
図1始動記憶が21ゲーム目以降に対応することが確定した場合には、通常状態用のテーブルにより特図当たり結果及び変動パターンを判定し、これに基づいて先読み予告表示を行うようにしてもよい。例えば、20ゲーム目に対応する特
図1始動記憶は、特
図2始動記憶が1個発生した時点で21ゲーム目以降に対応することが確定する。
【0170】
このように、遊技機100が備える保留関連情報表示手段は、保留関連情報に先読み情報が含まれていない第1始動記憶(例えば、17〜20ゲーム目に対応する特
図1始動記憶)が、第2遊技状態で所定回転数実行された後の変動表示ゲーム(例えば21ゲーム目以降の変動表示ゲーム)となる場合に、この第1始動記憶について第1遊技状態で判定した抽選結果と変動パターンを改めて先読みし、この先読み情報を当該始動記憶に係る保留関連情報に含めて表示する。
これにより、齟齬を生じることなく可能な限り先読み予告表示を行うことができる。
【0171】
第2実施形態及びその変形例において、先読み予告表示しているときに特図当たり抽選に当選すると、この大当たりを発生させる特図始動記憶より後に保留された特図始動記憶についての先読み予告表示は、大当たり終了後の遊技状態によっては齟齬を生じる虞がある。
例えば、通常状態において保留4に係る特
図1始動記憶が発生すると、始動入賞時の先読みでは、通常状態用のテーブルにより特図当たり結果や変動パターンが判定される。ここで、保留1に係る特
図1始動記憶で確変当たりに当選していると、保留2〜4に係る特
図1始動記憶についての変動開始時の特図当たり抽選と変動パターンの決定は、確変状態用のテーブルにより行われることとなるため、先読み予告表示の内容と齟齬を生じる虞がある。
そこで、第2実施形態及びその変形例において、大当たり時に先読み予告表示の適否を判断して、先読み予告表示の内容と実際の内容が食い違わないようにする。
【0172】
図35は、演出制御装置40における大当たり時の先読み予告制御処理の一例について示すフローチャートである。この先読み予告制御処理は、例えば、大当たり終了時に遊技制御装置30から送信された演出制御コマンドが受信されることに伴い実行される。
ステップS241では、発生した大当たりが確変当たりであるか否かを判定する。大当たり終了時には確率状態情報が演出制御コマンドとして送信されるので、この確率状態情報に基づいて確変当たりか否かを判定できる。そして、確変当たりであると判定した場合はステップS242に移行する。
ステップS242では、この確変当たりが発生したときの遊技状態が確変状態(ST中を含む)であるか否かを判定する。そして、確変状態であると判定した場合はステップS243に移行し、確変状態でないと判定した場合はステップS244に移行する。
ステップS243では、大当たりの前後で遊技状態は変化しない(確変状態→確変状態)ことから、大当たり後に消化される特図始動記憶についての先読み予告表示は正しい内容となるので、飾り特図始動記憶表示による先読み予告表示をそのまま保持する。
ステップS244では、大当たりの前後で遊技状態が変化する(確変状態→通常状態)ことから、大当たり後に消化される特図始動記憶についての先読み予告表示が正しい内容とは限らないので、飾り特図始動記憶表示による先読み予告表示をクリアする。
【0173】
一方、ステップS241において、確変当たりでないと判定した場合はステップS245に移行する。
ステップS245では、この通常大当たりが発生したときの遊技状態が確変状態(ST中を含む)であるか否かを判定する。そして、確変状態であると判定した場合はステップS246に移行し、確変状態でないと判定した場合はステップS247に移行する。
ステップS246では、大当たりの前後で遊技状態が変化する(確変状態→通常状態)ことから、大当たり後に消化される特図始動記憶についての先読み予告表示が正しい内容とは限らないので、飾り特図始動記憶表示による先読み予告表示をクリアする。
ステップS247では、大当たりの前後で遊技状態は変化しない(通常状態→通常状態)ことから、大当たり後に消化される特図始動記憶についての先読み予告表示は正しい内容となるので、飾り特図始動記憶表示による先読み予告表示をそのまま保持する。
【0174】
図35のステップS244又はS246では、先読み予告表示をクリアするようにしているが、大当たり終了時に遊技制御装置30から先読み情報を送信するようにすれば、正しい先読み予告表示を改めて行うことができる。
すなわち、遊技機100が備える保留関連情報表示手段は、保留関連情報に先読み情報が含まれている第1始動記憶がある場合に大当たりが発生すると、この第1始動記憶について大当たり終了後の遊技状態で判定した抽選結果と変動パターンを改めて先読みし、この先読み情報を当該始動記憶に係る保留関連情報に含めて表示する。
これにより、大当たり終了後に滞在する遊技状態に応じて、正しい先読み予告表示を行うことができる。
【0175】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記実施形態では、大当たり終了後に確変状態に20ゲーム滞在する場合(ST20)について説明しているが、確変状態に滞在する所定ゲーム数を複数段階に設定可能としてもよい。例えばST回数として、10ゲーム(ST10)と20ゲーム(ST20)を設定可能とする。このST回数は、例えば、当選した大当たりの種類によって決まっていてもよいし、ST付大当たりに当選したときに抽選によりST回数が設定されるようにしてもよい。
【0176】
この場合、飾り特図始動記憶表示による先読み予告表示は、例えば、
図36に示すように制御される。すなわち、
図36(a)に示すように、確変大当たり(電サポ無し,ST10又は20)が終了すると、確変状態に10ゲームだけ滞在することが報知される。
図36(b)に示すように、ST中はST残り回数が画面右上に表示されるとともに、飾り特図始動記憶表示による先読み予告表示がなされる。
図36(b)では、保留2の飾り特図始動記憶表示により、ノーマルリーチの発生が予告されている。
図36(c)に示すように、7〜10ゲーム目に対応することとなる特
図1始動記憶については、先読み予告表示は行われない。
図36(c)では、ST残り4回で特
図2始動記憶が1つあるので、特
図2始動記憶が7ゲーム目に対応し、特
図1始動記憶が8〜11ゲーム目に対応することとなる。したがって、これらの特
図1始動記憶については先読み予告表示はなされていない。
図36(d)に示すように、ST残り回数が0回となると確変状態で10ゲーム消化されたことが報知される。このときの特
図1始動記憶についての先読み予告表示は行われない。したがって、遊技者は飾り特
図1始動記憶表示による先読み予告表示から、確変状態が継続するか、終了するかを判断できない。
そして、ST回数として実際には20ゲームが設定されていれば、
図36(e)に示すように確変状態が継続することが報知されるとともに、
図36(f)に示すように特
図1始動記憶についての先読み予告表示が行われる。一方、ST回数として10ゲームが設定されていれば、確変状態が終了して通常状態に移行するとともに、特
図1始動記憶についての先読み予告表示が行われる。
なお、内部的には11ゲーム以降の遊技状態は確定しているので、演出制御装置40にはその遊技状態に従って判定した正しい先読み情報を送信することができる。
【0177】
このように、遊技機100が備える確率状態設定手段は、所定回転数(ST回数)として、少なくとも第1回転数(ST10)と、この第1回転数よりも多い第2回転数(ST20)を設定可能に構成されている。
また、保留関連情報表示手段は、第1始動記憶の上限数分の変動表示ゲームを実行すると第1回転数となる変動表示ゲーム以降(保留上限4,第1回転数がST10の場合は7ゲーム目以降)に対応する第1始動記憶については先読み情報を保留関連情報に含めて表示しない。
そして、所定回転数として第1回転数が設定されている場合には、第1回転数目の変動表示ゲームの終了に伴い、その時点で記憶されている第1始動記憶について第1遊技状態(通常状態)で判定した先読み情報を当該始動記憶に係る保留関連情報に含めて表示し、所定回転数として第2回転数が設定されている場合には、第1回転数目の変動表示ゲームの終了に伴い、その時点で記憶されている第1始動記憶について第2遊技状態(確変状態)で判定した先読み情報を当該始動記憶に係る保留関連情報に含めて表示する。
これにより、遊技者は、確変状態が10ゲームで終了するか又は20ゲームまで継続するかを、10ゲーム終了時点における先読み予告表示から知得することはできないので、確変状態が継続するか否かが早々に判別され、確変状態の継続に対する期待感が失われるのを防止できる。
【0178】
上述した例では、大当たり終了後に発生する確変状態の滞在ゲーム数が予め設定されるようになっているが、所定ゲーム数(例えば10ゲーム)ごとに確変状態の継続抽選を行うようにしてもよい。
この場合、
図37(e)に示すように、確変状態の継続抽選に当選してST回数が延長されたことを明示するようにすれば、遊技者の満足感・達成感をさらに増幅することができる。なお、
図37(a)〜(d),(f)については
図36と同じなので説明を省略する。
【0179】
図17では、特図始動入賞に伴い本連予告演出の実行が決定されたときに、現在実行中の特図変動表示ゲームの次の特図変動表示ゲームから本連予告演出を行う場合について示しているが、現在実行中の特図変動表示ゲームから本連予告を開始するか、次回の特図変動表示ゲームから開始するかは、本連予告演出の実行が決定されたタイミング(本連予告演出の実行決定の契機となった特
図1始動入賞又は特
図2始動入賞の入賞タイミング)により決定される。
【0180】
図38は、特
図1/特
図2始動入賞の入賞タイミングと、本連予告演出を開始する特図変動表示ゲーム(今回又は次回)の関係を示す説明図である。
図38では、特図変動表示ゲームにおける前半の所定期間を区間A(t11からt12)とし、後半の所定期間と次回の特図変動表示ゲームの開始までの期間を区間B(t12からt21)として設定している。
本連予告演出の実行決定のタイミング(本連予告演出の実行決定の契機となった特
図1/特
図2始動入賞の入賞タイミング)が区間A(今回連続演出開始期間)であった場合は、実行中の特図変動表示ゲームから本連予告演出を開始し、本連予告演出の実行決定のタイミングが区間B(次回連続演出開始期間)であった場合は、次回の特図変動表示ゲームから本連予告演出を開始するようになっている。
【0181】
図39は、本連予告演出の実行が決定された場合に当該本連予告演出の実行開始のタイミングを決定するための本連予告演出開始判定処理の一例を示すフローチャートである。この本連予告演出開始判定処理は、例えば、演出制御装置40において先読み予告制御処理(
図15参照)に続けて実行される。
図39のステップS301では、本連予告フラグの状態に基づいて本連予告演出を実行するか否かを判定する。そして、本連予告フラグがセットされている(本連予告演出を実行する)と判定した場合はステップS302に移行し、本連予告フラグがセットされていない(本連予告演出を実行しない)と判定した場合は処理を終了する。
ステップS302では、本連予告演出の実行決定のタイミングが区間Aであるか否かを判定する。そして、本連予告演出の実行決定のタイミングが区間Aであると判定いた場合はステップS303に移行し、区間Aでない(すなわち区間Bである)と判定した場合はステップS304に移行する。
【0182】
ステップS303では、今回の特図変動表示ゲームからの本連予告演出の実行を指示する。この場合、現在実行中の特図変動表示ゲームの途中で、例えば、
図17(c)に示すような背景がフラッシュする演出表示が行われ、次ゲームから
図17(d)以降の演出表示が行われる。
ステップS304では、次回の特図変動表示ゲームからの本連予告演出の実行を指示する。この場合、
図17に示すとおりの演出表示が行われる。
なお、本連予告抽選を遊技制御装置30で実行し、この本連予告抽選とともに本連予告演出開始判定処理を遊技制御装置30で実行するようにしてもよい。この場合、本連予告演出の実行を指示する情報(実行開始のタイミングを含む)が先読み情報に含まれることとなる。
【0183】
このように、遊技機100が備える連続演出実行制御手段(遊技制御装置30、演出制御装置40)は、第1タイミングより後の第2タイミングから当該変動表示ゲームの停止までの次回連続演出開始期間に新たな始動記憶が記憶された場合であって、当該始動記憶が連続的な演出を実行する始動記憶であった場合には、次回の変動表示ゲームから連続的な演出(本連予告演出)の実行を開始する。
【0184】
なお、特図変動表示ゲームの変動時間に応じて区間A(今回連続演出開始期間)の長さを変更するようにしてもよい。例えば、
図40に示すように、予め特図変動表示ゲームの変動時間に応じて区間Aの時間を設定しておく。そして、各特図変動表示ゲームで選択された変動時間に応じて区間Aの時間が決定されるようにする。
図40に従うと、変動時間が12秒である特図変動表示ゲームの場合は区間Aとして5秒が設定される。また、変動時間が30秒である特図変動表示ゲームの場合は区間Aとして9秒が設定される。また、変動時間が60秒以上である特図変動表示ゲームの場合は区間Aとして12秒が設定される。
このように、特図変動表示ゲームの変動時間に応じて区間A(今回連続演出開始期間)の長さを変更可能とすることで、変動時間の長さに拘らず実行中の特図変動表示ゲームから本連予告演出を実行するための処理に必要な時間を確保できる。
したがって、様々なタイミングで新たな始動記憶が保留手段に記憶された場合であっても、確実に本連予告演出を実行可能となる。また、変動時間の長い特図変動表示ゲームにおいては区間Aの時間を十分に取ることができ、当該特図変動表示ゲームの実行中から本連予告演出が開始される機会を増やすことができる。
【0185】
また、実行中の特図変動表示ゲームから本連予告演出を開始するか否かを抽選により決定する期間を設定するようにしてもよい。例えば、本連予告演出の実行決定のタイミングが、
図38に示す区間Aの終点からの所定期間(選択連続演出開始期間,t12〜t14)であった場合は、実行中の特図変動表示ゲームから本連予告演出を開始するか否かを抽選により決定する。
このように、連続演出実行制御手段(遊技制御装置30、演出制御装置40)は、変動表示ゲームの実行中における所定期間(選択連続演出開始期間)に新たな始動記憶が保留手段に記憶された場合であって、当該始動記憶が本連予告演出を開始する始動記憶であった場合には、実行中の変動表示ゲームから連続的な演出の実行を開始するか、次回の変動表示ゲームから連続的な予告演出の実行を開始するかを所定の割合で選択する選択手段を備えている。
これにより、実行中の変動表示ゲームから本連予告演出の実行を開始したり、開始しなかったりすることが可能となり、興趣に富んだ本連予告演出をより好適に実行することができる。
【0186】
また、本連予告演出の実行契機となる特図始動入賞の入賞タイミングが今回連続演出開始期間、選択連続演出開始期間、次回連続演出開始期間の何れであったかを報知するようにしてもよい。
例えば、
図41に示すように、本連予告演出の実行の契機となる始動記憶の発生タイミングが、今回連続演出開始期間である場合は背景色を青色とし(
図41(a))、選択連続演出開始期間である場合は背景色を赤色とし(
図41(b))、次回連続演出開始期間である場合は背景色を黄色とする(
図41(c))。
このように、遊技機100は、本連予告演出の実行契機となる始動入賞タイミングが、今回連続演出開始期間、選択連続演出開始期間、次回連続演出開始期間の何れかであるかを報知する報知手段を備えている。
これにより、本連予告演出が、実行中の特図変動表示ゲームから開始されるのか、次回の特図変動表示ゲームから開始されるのかを遊技者に知らせることができ、遊技者を安心させることができる。
【0187】
図17に示す本連予告演出では、特図変動表示ゲームの実行ごとに背景フラッシュの色が期待度の高い方へ変化し、最後のフラッシュの色で最終的な期待度を報知するステップアップ形式の本連予告演出について説明しているが、本連予告演出の態様はこれに制限されない。
図42は、飾り特図始動記憶表示の表示領域の表示色による本連予告演出の一例について示す説明図である。
図42に示すように、飾り特図始動記憶表示の表示領域の表示色を通常時とは異なる色(通常時は例えば透明色)とすることで大当たりとなる期待度を報知することができる。例えば、
図42(a)に示すように飾り特図始動記憶表示の表示領域を黄色とすることで期待度が低いことを報知し、
図42(b)に示すように表示領域を赤色とすることで期待度が高いことを報知する。また、特図変動表示ゲームの実行ごとに期待度の高い表示色に段階的に変化させるようにしてもよい(例えば、青→緑→黄→赤→虹など)。なお、飾り特図始動記憶表示の表示領域の色ではなく、飾り特図始動記憶表示の着色や枠色による本連予告演出としてもよい。
【0188】
図43は、背景領域にキャラクタを表示させる本連予告演出の一例について示す説明図である。
図43に示すように、背景領域に表示されるキャラクタの種類又は数で大当たりとなる期待度を報知することができる。例えば、
図43(a)に示すように本連予告演出に係るキャラクタとして「太陽」だけを表示することで期待度が低いことを報知し、
図43(b)に示すように「太陽+波」を表示することで期待度が高いことを報知する。また、特図変動表示ゲームの実行ごとに期待度の高いキャラクタが段階的に追加されるようにしてもよい(例えば、太陽→波→山→鳥など)。
【0189】
図44は、遊技状態を示す背景(
図12参照)に対応する画像を表示させる本連予告演出の一例について示す説明図である。
図44に示すように、背景で示される春夏秋冬に対応する画像の出現量で大当たりとなる期待度を報知することができる。例えば、背景が「冬」の場合には、
図44(a)に示すように雪が舞い散る画像(出現量:小)により期待度が低いことを報知し、
図44(b)に示すように吹雪画像(出現量:大)により期待度が高いことを報知する。また、特図変動表示ゲームの実行ごとに対応画像の出現量が段階的に増加されるようにしてもよい。このように、
図44に示す本連予告演出は、遊技状態を示す背景に制約を受けた演出となっている。
【0190】
ここで、遊技状態を示す背景に対応する画像を出現させることで、大当たり予告やリーチ予告を演出することもできる。
図45に示すように、表示画面の右側から自動車が走行してきたときに、この自動車のドアに描かれている模様で大当たりを予告する。また、表示画面の左側から歩行してきた人の格好(春服、夏服、秋複、冬服)でリーチが発生することを予告する。
図46には、背景と背景に対応する演出表示の一例について示している。
図46に従うと、例えば背景が「冬」の場合に、自動車のドアに「雪ダルマ」が描かれていれば、大当たり確定となる。また例えば、背景が「冬」の場合に、コートを着た人が歩行してくれば、リーチ確定となる。
【0191】
図47は、所定の表示領域に被覆画像を順次表示させる本連予告演出の一例について示す説明図である。
図47に示す本連予告演出では、画面を被覆する被覆画像80の数により大当たりとなる期待度を報知する。
図47に示すように、それぞれの特図変動表示ゲームにおける本連予告演出では、前回の演出で表示された被覆画像が継続して表示されるとともに、特図変動表示ゲームの結果態様を表示する際に新たな被覆画像80が表示される(されない場合もある)。
図47(i)に示すように、被覆画像80は最大で六枚設定可能となっており、表示される被覆画像80が多いほど大当たりとなる期待度が高いことを示す。さらに、飾り特図変動表示ゲームの結果態様の表示において、最終停止図柄が新たに表示された被覆画像80の図柄と対応するようになっている。
このように、
図47に示す本連予告演出では、少なくとも前ゲームで実行された演出の内容が含まれているので、例えば、遊技者がよそ見をしていて見逃してしまっても、本連予告演出の進行状況を把握できる。したがって、この本連予告演出によって遊技者にもたらされる大当たりに対する期待感を確実に高めることができる。
【0192】
図48は、センターケース200の右部に設けられた盤側連続予告表示装置71を利用した本連予告演出の一例について示す説明図である。
図48には、本連予告演出の実行が決定されたとき、現在実行中の特図変動表示ゲームの次の特図変動表示ゲームから本連予告演出が実行される場合について示している。
図48(a)に示すように、前回の特図変動表示ゲームが終了すると、本連予告演出の実行が開始される際に、本連予告演出の実行回数分だけ盤側連続予告表示装置71の発光部が点灯する。この例では本連予告演出の実行回数が3回であり、3個の発光部を点灯することで、遊技者は3回の本連予告演出が実行されることを認識できる。
そして、
図48(b)に示すように本連予告演出の一回目を行う特図変動表示ゲームが開始されると、盤側連続予告表示装置71の1つ(発光部71c)が消灯するとともに、消灯した発光部71cから画面内に光が射すような演出が表示される。その後、
図23(c)に示すように結果態様が表示されて特図変動表示ゲームが終了し、本連予告演出の一回目が終了する。
図48では、本連予行演出が3ゲームにわたって実行される。すなわち、三回目の特図変動表示ゲームが本連予告演出の最終回となるゲームであり、特図当たり抽選に当選していれば、
図48(g)に示すように結果態様として大当たりの結果態様が表示される。
このように、遊技機100は、本連予告演出が実行されるゲーム数を報知する連続変動数表示装置(盤側連続予告表示装置71)を備えている。これにより、遊技者は何ゲーム先の変動表示ゲームが大当たりとなる可能性が高いのか容易に認識することができるので、落ち着いて遊技を行うことができる。
なお、盤側連続予告表示装置71は、本連予告演出が実行されるゲーム数を報知するほか、疑似連予告演出の疑似連数の報知にも利用することができる。
【0193】
図49は、ステージ・モード演出に関連する本連予告演出の一例について示す説明図である。
図49に示す本連予告演出では、現在滞在しているステージを示す背景画像(例えば、秋)が、移行先のステージを示す背景画像の対応する部分からなる被覆画像(例えば、冬)で覆われるようになっている。つまり、大当たりや小当たりの発生の他、これに基づくステージ移行の予告として、次に移行するもしくは移行する可能性のあるステージの背景画像における対応する部分を被覆画像80として用い、これを順次表示するようにしている。
この本連予告演出によりステージが移行することを予告する場合には、表示領域の全てが被覆画像80で覆われ、背景画像が被覆画像80で構成された背景画像に変更される。一方、ステージが移行しない場合には、表示領域の全てが覆われるように被覆画像80を表示しない。この場合は、本連予告演出の終了とともに元の背景画像に戻す。
このように、
図49に示す本連予告演出によれば、次に移行する可能性のある遊技状態の予告を効果的に行うことができる。すなわち、本連予告演出を伴うそれぞれの特図変動表示ゲームにおいて次に移行する可能性のある遊技状態(ステージ)に対応した背景の一部が徐々に見えるようになるため、その遊技状態への移行を期待しつつ、複数変動に亘って本連予告演出を楽しむことが出来る。
【0194】
図50は、本連予告演出を伴う最終の飾り特図変動表示ゲームで発生するリーチ態様を、段階的に形成する本連予告演出の一例について示す説明図である。
図50に示す本連予告演出では、5回の特図変動表示ゲームにわたって本連予告演出が実行される。なお、飾り特図変動表示ゲームでは、左、中、右の領域でそれぞれ上下に3つの識別情報を停止可能であり、上中下段と斜めの5本のラインのうちいずれかに特別結果態様(例えば、7、7、7)が停止表示されたときに特別遊技状態が発生するようになっている。
図50に示すように、それぞれの特図変動表示ゲームにおける本連予告演出では、前回の演出で表示された被覆画像が継続して表示されるとともに、最終の飾り特図変動表示ゲームで発生するリーチ態様が段階的に形成される。
すなわち、
図50(b)に示すように、本連予告演出を伴う1回目の変動表示ゲームでは、左上領域に被覆画像80が出現し、最終の飾り特図変動表示ゲームにおいて左上の停止位置に所定の識別図柄(ここでは「7」)が停止することを示唆している。また、
図50(e)に示すように、本連予告演出を伴う四回目の特図変動表示ゲームでは、前ゲームまでに出現した3枚の被覆画像80が継続して表示するとともに、左下領域に新たに被覆画像80が出現し、左下の停止位置に所定の識別図柄(ここでは「6」)が停止することを示唆している。つまり、本連予告演出を伴う最終の飾り特図変動表示ゲームにおいて、斜め2ラインのリーチ態様が形成されることを示唆している。さらに、
図50(f)に示すように、「激熱」と表示された被覆画像80が出現し、大当たりとなる期待度が高いことを示唆している。
このように、被覆画像80を利用した本連予告演出により、大当たりとなる期待度のほか、飾り特図変動表示ゲームにおけるリーチ発生の予告や大当たり図柄の予告を行うことができる。
【0195】
遊技機100では、
図17及び
図42〜
図50で説明した様々な本連予告演出を、それぞれ単独で適用することもできるし、一部又は全部を組み合わせて適用することもできる。なお、組み合わせて適用する場合には、相互に制約を受けることとなる。例えば、一方の本連予告演出が期待度の高い演出である場合には、他方の本連予告演出も期待度の高い演出とするのが望ましい。
また、本連予告演出を特図変動表示ゲームの途中から開始する場合、例えば、
図38の区間Aにおける特図始動入賞により本連予告演出を実行することが決定された場合には、本連予告演出の内容は実行中の特図変動表示ゲームに制約を受ける。
【0196】
本発明に係る遊技機は、実施形態で説明したパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
【0197】
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。