(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5768314
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】走行式スクリーン装置
(51)【国際特許分類】
E02B 5/08 20060101AFI20150806BHJP
B01D 33/29 20060101ALI20150806BHJP
B01D 33/333 20060101ALI20150806BHJP
E02B 8/02 20060101ALI20150806BHJP
【FI】
E02B5/08 104C
B01D33/32
E02B8/02
【請求項の数】15
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-506515(P2013-506515)
(86)(22)【出願日】2011年3月29日
(65)【公表番号】特表2013-529266(P2013-529266A)
(43)【公表日】2013年7月18日
(86)【国際出願番号】EP2011001557
(87)【国際公開番号】WO2011134579
(87)【国際公開日】20111103
【審査請求日】2014年3月31日
(31)【優先権主張番号】102010019133.7
(32)【優先日】2010年4月30日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】512276599
【氏名又は名称】ビルフィンガー・ウォーター・テクノロジーズ・ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】BILFINGER WATER TECHNOLOGIES GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120352
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100126930
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 隆司
(72)【発明者】
【氏名】ハイル,クラウス
【審査官】
砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−174941(JP,A)
【文献】
実開昭53−120831(JP,U)
【文献】
特開平4−333709(JP,A)
【文献】
特開昭56−16716(JP,A)
【文献】
特開2006−68703(JP,A)
【文献】
特開2006−70651(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0139692(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 5/00 −8/08
B01D 33/29
B01D 33/333
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水路を流れる液体流(5)から固体成分、固体又は固形物を物理的に分離、抽出するための走行式スクリーン装置(1)、特に処理、冷却又は排出流用、又は下水処理プラントや水力発電プラント用、又は発電プラントの冷却水取り入れ構造(3)の水搬送路(2)用のスクリーン又はフィルタレーキ(filter rake)であって、
前記液体流(5)中に浸されて、移動方向(7)に回転するとともに、前記液体流(5)内に配置されたエンドレススクリーンベルト(6)のアクティブスクリーン部分(10)において前記水路中にスクリーン領域を形成し、前記エンドレススクリーンベルト(6)の前記アクティブスクリーン部分(10)が前記水路における液体流(5)の流れ方向(4)に対して少なくとも近似的に、又は実質的に横断方向に配置されているエンドレススクリーンベルト(6)と、
前記エンドレススクリーンベルト(6)をその移動方向(7)に駆動するための駆動装置とを備え、
前記エンドレススクリーンベルト(6)は、その移動方向(7)を横断するように柔軟に折畳み、圧縮又は屈曲可能なエンドレススクリーンベルト(6)として形成され、
前記液体流(5)に配置された前記アクティブスクリーン部分(10)において展開され、
かつ、前記アクティブスクリーン部分(10)に対して、前記液体流(5)の上流側に配置された圧縮部分(11)においてその移動方向(7)を横断するように折畳み、圧縮又は屈曲状態にされることを特徴とする走行式スクリーン装置(1)。
【請求項2】
前記アクティブスクリーン部分(10)における前記流れ方向(4)は、前記エンドレススクリーンベルト(6)の内側(12)から当該エンドレススクリーンベルト(6)を通って前記エンドレススクリーンベルト(6)の外側(14)に向かう方向であることを特徴とする請求項1に記載の走行式スクリーン装置(1)。
【請求項3】
前記アクティブスクリーン部分(10)の前記移動方向(7)は上に向かう方向であり、前記圧縮部分(11)の前記移動方向は下に向かう方向であることを特徴とする請求項1又は2に記載の走行式スクリーン装置(1)。
【請求項4】
前記エンドレススクリーンベルト(6)の前記圧縮部分(11)は、実質的にスクリーンとしてアクティブではないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の走行式スクリーン装置(1)。
【請求項5】
前記圧縮部分(11)の上流側で前記液体流(5)中に配設されたデフレクタ(25)をさらに備え、前記エンドレススクリーンベルト(6)の前記圧縮部分(11)は、前記デフレクタ(25)の直後に配設されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の走行式スクリーン装置(1)。
【請求項6】
前記エンドレススクリーンベルト(6)の前記圧縮部分(11)と前記アクティブスクリーン部分(10)との間に流れ開口部(26)をさらに備え、これらを通って、前記液体流(5)が前記走行式スクリーン装置(1)の内側(12)へと流入可能であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の走行式スクリーン装置(1)。
【請求項7】
前記アクティブスクリーン部分(10)は、その両エッジに延出する案内手段(27)によってその下流側においてのみ保持されることにより、前記流れ方向(4)において湾曲、又は屈曲可能であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の走行式スクリーン装置(1)。
【請求項8】
前記エンドレススクリーンベルト(6)は、折畳み、屈曲、屈折運動を行うことによって、その移動方向(7)を横断するように折畳み、圧縮又は屈曲可能であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の走行式スクリーン装置(1)。
【請求項9】
前記アクティブスクリーン部分(10)における前記エンドレススクリーンベルト(6)の横方向延出と前記圧縮部分(11)におけるエンドレススクリーンベルト(6)の横方向延出との比率は3:1〜1.1:1、好ましくは2.5:1〜1.5:1であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の走行式スクリーン装置(1)。
【請求項10】
前記エンドレススクリーンベルト(6)は、織物ベルト又はチェーンリンクベルトとしての、フレキシブルな孔あきプラスチックベルトとして構成されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の走行式スクリーン装置(1)。
【請求項11】
移動方向(7)において前記エンドレススクリーンベルト(6)を駆動するための前記駆動装置は、エンドレススクリーンベルト(6)のいずれかの側に配置された二つの駆動ホイールを備え、前記駆動ホイールは、前記圧縮部分(11)におけるエンドレススクリーンベルト(6)の横断方向延出に対する前記アクティブスクリーン部分(10)におけるエンドレススクリーンベルト(6)の横断方向延出の比率によって予め決められた、互いになす角度で配置されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の走行式スクリーン装置(1)。
【請求項12】
前記エンドレススクリーンベルト(6)の底部下流側部分(9)の方向転換手段の頂部は、前記エンドレススクリーンベルト(6)の底部上流側部分(8)の方向転換手段の頂部よりも低く配置されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の走行式スクリーン装置(1)。
【請求項13】
前記エンドレススクリーンベルト(6)の外側(14)に配設されたスプレーノズル(22)又は圧縮空気ノズルと、前記スプレーノズル(22)又は前記圧縮空気ノズルの反対側で前記エンドレススクリーンベルト(6)の内側(12)に配設され前記エンドレススクリーンベルト(6)から吹き飛ばされた堆積物を収集する堆積物収集トラフ(23)とをさらに備えた請求項1乃至12のいずれか一項に記載の走行式スクリーン装置(1)。
【請求項14】
走行式スクリーン装置(1)、特に、処理、冷却又は排出流用、又は下水処理プラントや水力発電プラント用、又は発電プラントの冷却水取り入れ構造(3)の水搬送路(2)用のスクリーン又はフィルタレーキ(filter rake)によって水路を流れる液体流(5)から固体成分、固体又は固形物を物理的に分離、抽出する方法であって、
前記液体流(5)中に浸されて、移動方向(7)に回転するとともに、前記液体流(5)内に配置されたエンドレススクリーンベルト(6)のアクティブスクリーン部分(10)において前記水路中にスクリーン領域を形成し、前記エンドレススクリーンベルト(6)の前記アクティブスクリーン部分(10)が前記水路における液体流(5)の流れ方向(4)に対して少なくとも近似的に、又は実質的に横断方向に配置されているエンドレススクリーンベルト(6)と、
前記エンドレススクリーンベルト(6)をその移動方向(7)に駆動するための駆動装置とを備え、
前記エンドレススクリーンベルト(6)は、その移動方向(7)を横断するように柔軟に折畳み、圧縮又は屈曲可能なエンドレススクリーンベルト(6)として使用されており、
前記エンドレススクリーンベルト(6)は、前記液体流(5)に配置された前記アクティブスクリーン部分(10)において伸展され、
かつ、前記アクティブスクリーン部分(10)に対して、前記液体流(5)の上流側に配置された圧縮部分(11)においてその移動方向(7)を横断して折畳み、圧縮又は屈曲状態にされることを特徴とする方法。
【請求項15】
前記エンドレススクリーンベルト(6)の前記圧縮部分(11)と前記アクティブスクリーン部分(10)との間に流れ開口部(26)をさらに備え、これらを通って、流入する、分割された液体流(5)は前記圧縮部分(11)を通り過ぎ、前記走行式スクリーン装置(1)の内側(12)へ流入し、前記走行式スクリーン装置(1)の内側(12)で再合流し、その後前記アクティブスクリーン部分(10)へと流れることを特徴とする請求項6に記載の走行式スクリーン装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水路を流れる液体流から固体成分、固体又は固形物を物理的に分離、抽出するための走行式(traveling)スクリーン装置に関し、特に、処理、冷却又は排出流用、又は下水処理プラントや水力発電プラント用、又は発電プラントの冷却水取り入れ構造の水搬送路用のスクリーン又はフィルタレーキ(filter rake)に関する。それは、前記液体流中に浸されて、移動方向に回転するとともに、前記液体流中に配置されたエンドレススクリーンベルトのアクティブスクリーン部分において前記水路中にスクリーン領域を形成し、前記エンドレススクリーンベルトの前記アクティブスクリーン部分が前記水路における液体流の流れ方向に対して少なくとも近似的に又は実質的に横断方向に配置されるエンドレススクリーンベルトと、その移動方向に当該エンドレススクリーンベルトを駆動するための駆動装置、とを有する。更に、本発明は、走行式スクリーン装置によって、水路を流れる液体流から固体成分、固体又は固形物を物理的に分離、抽出するための方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
走行式スクリーン装置は、通常、エンドレススクリーンベルトの移動方向に連続し並置されるとともに、通常、互いに連結されて前記液体流に浸される回転エンドレススクリーンを形成する多数のスクリーンパネルと、前記エンドレススクリーンベルトのための駆動手段とを備え、好ましくは、液体流からの固形物の分離、抽出を連続的に行うことが可能に構成されている。前記スクリーンパネルは、液体流から固形物を分離するためのスクリーンインサートを有し、固形物は、その寸法がスクリーンのギャップ幅又はメッシュ寸法を
上回る限り、走行式スクリーン装置を通過することはできない。従って、固形物はスクリーンパネル上に堆積する。ファブリックスクリーン、孔あきスクリーンパネル、場合によっては必ずしも円形である必要はなく最適化されたプロファイルを有する個々のバーから成るスロットスクリーン、スクリーン格子、その他の濾過に適したスクリーン材料、などといった様々なスクリーンインサートを使用することが可能である。
【0003】
エンドレススクリーンベルトの回転移動によってスクリーンパネル上に堆積した固形物は液体流から上方に搬送され、水位よりも上方の排出位置にて排出又は除去される。スクリーンパネルが液流に再び浸される前に、水噴流をスクリーンパネルへ噴射することによって排出位置にて完全なスクリーンパネルの清浄を行うことができる。
【0004】
そのような走行式スクリーン装置としては、エンドレススクリーンベルトの上昇及び下降部分を通り流れ方向が異なる様々な実施例が知られている。選択されるオプションとしては、「外側から内へ」と「内側から外へ」の「貫通流」がある。この「貫通流」構成オプションを採用するには、スクリーンパネルを水路の流れ方向を横断するように配置し、下降側スクリーンパネル(底部に向かって移動する)を、上方側スクリーンパネル(上方に向かって移動する)の下流側に配置する。
【0005】
従来の「貫通流」構成の走行式スクリーン装置は、関節のように互いに接続された複数の矩形スクリーンパネルによって形成されるエンドレススクリーンベルトを含む。個々のスクリーンパネルは、水平軸芯まわりで互いに揺動可能である。エンドレススクリーンベルトを液流に浸すと、水流が流れるエンドレススクリーンの上流部分と下流部分とが形成される。これらエンドレススクリーンベルトの上流部分と下流部分は、上方及び下方方向転換手段を介して互いに接続され、スクリーンパネルのためのスプレー手段が、通常、上方方向転換手段に設けられる。
【0006】
前記貫通流式構成において、エンドレススクリーンベルトは、通常、固形物の寸法がスクリーンパネルのギャップ幅又はメッシュサイズよりも大きいものである限り、スクリーン装置を通過することができないように、液流の断面全体を覆っている。従って、固形物はスクリーンパネル上に堆積する。
【0007】
従来の貫通流式走行スクリーン装置において、堆積物はスクリーンベルトの外側に堆積するので、堆積物はスクリーンベルトによって抽出された後で、スクリーンベルトの内側で作動する清浄装置が内側からスクリーンベルトに噴射して除去される。従って、スプレーノズルはスクリーンベルトの上昇側部分と下降側部分との間、即ち、「内側」に配置され、「外側」に向けて堆積物に噴射する。
【0008】
貫通流式構成の従来技術の欠点は、液流の所望の清浄作用が、エンドレススクリーンベルトの上流側部分を通る液流によって実質的に既に達成されてしまっていることにある。しかしながら、液流はまだその後、エンドレススクリーンベルトの下流側部分を通過しなければならず、従って、エンドレススクリーンベルトを通って液体が流れる結果として常に圧力損失の倍増が生じる。貫通流式走行スクリーン装置においては、上流側、上昇側スクリーンパネルのみがスクリーン作用に寄与する。下流側、下降側スクリーンパネルは、それらは上昇側スクリーンパネルの下流側にあるのでスクリーン処理に寄与しない。しかし、液流はその後もまだスクリーンパネルの二つの連続する部分を通って流れなければならず、それによって液流の大きな圧力損失が生じる。
【0009】
この圧力損失による結果、通常、液位の不都合な低下が生じ、このため、ポンプなどを使用することによって再び液位を上昇させなければならない場合がある。そのような圧力損失の欠点は、本発明の好適利用分野であるところの、その埋め合わせがポンプやその他の手段によって提供される下水プラントと、冷却水システムの両方に当てはまる。冷却水システムにおいては、全量の水のために、大型の主冷却水ポンプが設けられる。追加の圧力損失はポンプチャンバ内の水位低下につながり、これは更に、冷却水ポンプによって解決しなければならない。これによってエネルギ消費、引いては運転コストの大幅な増大が生じる。必要とされる構造的な長さも特にコスト的には欠点となりうる。
【0010】
この問題を解決するために、本出願人のドイツ国出願DE19654132A1は、断面を通過する流れがその開放位置において大きく邪魔されることのないように、エンドレススクリーンベルトの下流側において展開可能なスクリーンパネルを備える「貫通流式態様」のスクリーン装置を提供することを提案している。これによって液流を方向転換するための構造的手段をなくすることが可能となる。前記スクリーンパネルは、圧力損失が全体として好適に低い状態に留まるように一度のみ通過される。しかしながら、これによってエンドレススクリーンベルトの構造が複雑化し、エンドレススクリーンベルトの前方上流側部分の閉じられたスクリーンパネルを漏れのないようにするために多大な努力が必要とされる。
【0011】
類似の「貫通流」式のスクリーン装置が特開2002−294666において知られている。これはスクリーンパネルフレームを備えたスクリーンパネルを含み、これらフレーム上にスクリーンネットが張設されるとともに、これらフレームは、それぞれ、その両側にて、互いに前後に配設された二つのチェーンによって案内される。これら二つのチェーン間の距離は、エンドレススクリーンベルトの周路に沿って変化する。スクリーンベルトの上流前方側部分では、両チェーン間の間隔は小さく、並置されたスクリーンパネル同士は、流れの中で共通の閉じられたスクリーン領域を形成している。スクリーンベルトの下流側後方部分では、両チェーン間の間隔は大きく、それによって、スクリーンパネルが開放位置へと揺動し、その結果、隣接するスクリーンパネル間に妨げられない貫通流断面が形成され、これを通して液体は揺動したスクリーンパネルを通過して流れることが可能である。この場合、前と同様、液流の方向転換のための構造的手段をなくすることができ、かつ、それでも全体の圧力損失が低い状態に留まるように液体は実質的にスクリーンパネルを一回だけ通過する。しかしながら、このエンドレススクリーンベルトの構造は複雑であり、エンドレススクリーンベルトの前方上流側部分で閉じられたスクリーンパネルが漏れのないようにするために多大な努力が必要とされる。
【0012】
更に、従来技術の貫通流式構造には、汚水の側から清浄水の側へと回転するスクリーンパネルによってそれらにまだ付着したままの堆積物の一部が汚水の側から清浄水の側に運ばれ、それによって清浄水の側が汚染されるという欠点がある。これは、前記「内側から外」及び「外側から内」の実施例においては防止される。
【0013】
「内側から外」及び「外側から内」式の従来のスクリーン装置では、清浄作用を達成するには不可避である圧力損失を、構造的手段と、約半分の流れをそれぞれ約90度左右に方向転換することとによって液流を分割することで一つのスクリーンパネルのみを通過する液体から生じる圧力損失に制限することができる。「内側から外」及び「外側から内」式の構成の変形例では、スクリーンパネルを水路の流れ方向に沿って配置する。この場合、エンドレススクリーンベルトは、スクリーンパネルが液流の元の流れ方向に沿って整列するように液流に浸される。その後、分割された液流の半分の一方は、エンドレススクリーンベルトの左側部分を通って左側に向けられ、液流の半分の他方は、エンドレススクリーンベルトの右側部分を通って右側に向けられることになる。エンドレススクリーンベルトを通って流れた後、これら二つの液流は方向変換され再び合流される。
【0014】
この方法では、液流をエンドレススクリーンベルトの内側からこれを通って外側へ、又は、その逆に向けることができる。これが、これらの実施例が「内側から外」又は「外側から内」とも称される理由である。「外側から内」式の構成では、汚水側は、上下に移動する両部分の外側であり、清浄水側はこれら二つの部分の内側である。「内側から外」の構成では、その逆になる。液流がエンドレススクリーンベルトを一回しか通過せず、圧力損失が低いことは利点ではあるが、他方、採られる構造的手段は複雑で高価である。更に、流れの方向転換によってかなりの流れの乱れが生じ、これによって、例えば、概して乱流のない領域に設置されるべきである下流側ポンプまでの距離を大きくする必要がある等から、装置のスループットの低下、又は装置の大型化につながる。更に、液流の二回の方向転換によって全体の流れ方向における構造体の長さが極めて大きなものとなるが、これは不可能であるか、もしくは、大幅なコスト増大を受け入れらない限り可能にならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】ドイツ公開19654132A1号公報
【特許文献2】特開2002−294666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
従来技術の前記「貫通流」式構成には、スクリーン配列間の領域における堆積過程により通路の底部に堆積物が堆積するという欠点があり、これは時間の経過に伴うスクリーンパネルの移動に対して悪影響を与えうる。
【0017】
これらから出発点として、本発明は、「貫通流」式構成、即ち、走行式スクリーン装置の構成を採用した。ここで、エンドレススクリーンベルトのアクティブスクリーン部分は、水路の液流の流れ方向に対して少なくとも近似的に、或いは実質的に、横断するように配置される。この従来技術に基づき、本発明の課題は、液流の圧力損失が可能な限り低いことと、流れ方向から見たときの装置の構造的長さが可能な限り小さいこと、とを併せ持つ最初に記載したタイプの走行式スクリーン装置を提供することであり、汚水側から清浄水側への堆積物の「搬送」を回避し、通路の底部での恒久的な堆積を低減し、かつエンドレススクリーンベルトからの簡便な堆積物の分離を可能にする単純な構造のエンドレススクリーンベルト、を提供することにある。
【0018】
本発明の前記課題は、添付の独立請求項に記載の特徴構成を備える走行式スクリーン装置によって達成される。本発明の好適実施例及びその他の発展構成は、従属請求項と、添付の図面を参照して下記の説明から導くことができる
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の、水路を流れる液体流から固体成分、固体又は固形物を物理的に分離、抽出するための走行式(traveling)スクリーン装置、特に、処理、冷却又は排出流用、又は下水処理プラントや水力発電プラント用、又は発電プラントの冷却水取り入れ構造の水搬送路用のスクリーン又はフィルタレーキ(filter rake)は、前記液体流中に浸されて、移動方向に回転するとともに、前記液体流内に配置されたエンドレススクリーンベルトのアクティブスクリーン部分において前記水路中にスクリーン領域を形成し、前記エンドレススクリーンベルトの前記アクティブスクリーン部分が前記水路における液体流の流れ方向に対して少なくとも近似的に、又は実質的に横断方向に配置されるエンドレススクリーンベルトと、その移動方向に前記エンドレススクリーンベルトを駆動するための駆動装置、とを有し、ここで、前記エンドレススクリーンベルトはその移動方向を横断するように柔軟に折畳み、圧縮又は屈曲可能なエンドレススクリーンベルトとして形成され、前記液体流に配置された前記アクティブスクリーン部において展開され、かつ、前記アクティブスクリーン部分に対して前記液体流の上流側に配置された圧縮部分においてその移動方向を横断するように折畳み、圧縮又は屈曲状態にされるという特徴構成を有する。
【0020】
本発明の、走行式スクリーン装置、特に、処理、冷却又は排出流用、又は下水処理プラントや水力発電プラント用、又は発電プラントの冷却水取り入れ構造の水搬送路用のスクリーン又はフィルタレーキ(filter rake)によって水路を流れる液体流から固体成分、固体又は固形物を物理的に分離、抽出する方法であって、前記スクリーン装置は、前記液体流中に浸されて、移動方向に回転するとともに、前記液体流内に配置されたエンドレススクリーンベルトのアクティブスクリーン部分において前記水路中にスクリーン領域を形成し、前記エンドレススクリーンベルトの前記アクティブスクリーン部分が前記水路における液体流の流れ方向に対して少なくとも近似的に、又は実質的に横断方向に配置されるエンドレススクリーンベルトと、その移動方向に前記エンドレススクリーンベルトを駆動するための駆動装置、とを有し、ここで、エンドレススクリーンベルトはその移動方向を横断するように柔軟に折畳み、圧縮又は屈曲可能なエンドレススクリーンベルトであるとして使用され、前記液体流に配置された前記アクティブスクリーン部において展開され、かつ、前記アクティブスクリーン部分に対して前記液体流の上流側に配置された圧縮部分においてその移動方向を横断するように折畳み、圧縮又は屈曲状態にされるという特徴構成を有する。
【0021】
前記エンドレススクリーンベルトは、その回転に伴い、液体流の流れ方向を横断するように折畳み、圧縮又は屈曲可能であって、ここで、その左右に延出するエッジ部は互いに接近することが可能であり、それにより、その移動方向を横断し流れ方向を横断する方向におけるエンドレススクリーンベルトの横方向延出が少なくなる。本発明において、この特徴構成は、前記「外側から内」又は「内側から外」式の構成、又は前記「貫通流式」構成の走行スクリーン装置の利点を、その欠点を受け入れることなく、有利に享受することが可能であることが判った。
【図面の簡単な説明】
【0022】
以下、図面に図示される実施例を参照して本発明についてより詳細に説明する。本発明の好適実施例を実現するために、ここに図示される特徴構成は、単独で、又は組み合わせて、使用することが可能である。
【
図1】本発明による走行式スクリーン装置の側面図である。
【
図2】
図1のB−B線に沿った水平方向断面図である。
【
図5】
図1のC−C線に沿った水平方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、水路を流れる液体流から固体成分、固体又は固形物を物理的に分離、抽出するための走行式スクリーン装置1を図示している。そのような走行式スクリーン装置1は、例えば、処理、冷却用又は排出流用、又は下水処理プラントや水力発電プラント用、又は発電所、石油化学又は海水淡水化プラント、鉄工所その他の工業施設の冷却水取り入れ構造3の水路2用のスクリーン又はフィルタレーキとして構成される。水取り入れにおける最終清浄段階として、スクリーニングが特に重要である。その理由は、ポンプや濃縮装置などの下流側のシステムを、走行式スクリーン装置1によって分離される、水中に含まれる固体成分によって引き起こされる障害から確実に保護する必要があるからである。
【0024】
上記走行式スクリーン装置1は、極めてコンパクトな構造体積をもつものでありながら100,000m
3/時もの高い水スループットを可能にする。典型的なパラメータは、装置長1.0−4.5m(流れ方向4において)、通路幅2.5−7.0m(流れ方向4に対する横断方向において)、チャンバ深さ20m以下、床線上構造高さ1.6−2.2m、スクリーンのメッシュサイズ0.2−10mmである。
【0025】
図1の側面図において、本発明による走行式スクリーン装置1は、従来技術の「貫通流」式構成の走行式スクリーン装置と類似している。しかしながら、液体流5に浸される回転エンドレススクリーンベルト6を形成する複数のスクリーンパネルの代わりに、エンドレススクリーンベルト6の移動方向7において互いに連続する複数の並置スクリーンパネルが、通路2において、又は、エンドレススクリーンベルト6の下降部分8とエンドレススクリーンベルト6の上昇部分9との両方の液体流5において、共通のスクリーン領域を形成する。それは、その移動方向を横断するように柔軟に折畳み、圧縮又は屈曲可能なエンドレススクリーンベルト6として形成され、液体流5に配置されたアクティブスクリーン部分10において展開され、かつ、アクティブスクリーン部分10に対して、圧縮部分においてその移動方向7を横断するように折畳み、圧縮又は屈曲状態にされる。
【0026】
エンドレススクリーンベルト6のアクティブスクリーン部分10は、液体流5に浸され、かつ、それを通って液体流5が流れて、それが走行式スクリーン装置1のフィルタリング作用に寄与するエンドレススクリーンベルト6の一部分として理解される。従って、アクティブスクリーン部分10は、エンドレススクリーンベルト6の下流側部分の一部である。これに対して、エンドレススクリーンベルト6の圧縮部分11は、好ましくは、実質的にスクリーンとして有効な部分ではない。即ち、液体流5はそれを通って流れないか、又は非常に僅かな割合でしか流れず、走行式スクリーン装置1のフィルタリング作用には全く寄与しないか、又は非常にわずかしか寄与しない。従って、スクリーン作用は、実質的に、又は完全に、アクティブスクリーン部分10によって達成される。このことについて以下
図2を参照して説明する。
【0027】
アクティブスクリーン部分10の移動方向7は、基本的に、上向き方向又は下向き方向とすることができる。
図1に図示された実施例が好適であり、ここでは、アクティブスクリーン部分10の移動方向7は上向き方向、即ち、液体流5から出る方向であり、圧縮部分11の方向は下向き方向、即ち、液体流5に入る方向である。このようにすることで、エンドレススクリーンベルト6がその移動方向に横断する方向で折畳み、圧縮又は屈曲されることなく、又は堆積物が落下することなく、或いはエンドレススクリーンベルト6が損傷することなく、アクティブスクリーン部分10において液体流5からエンドレススクリーンベルト6によって濾過除去された堆積物は、上方に搬送される。この目的のために、好適には、エンドレススクリーンベルト6は、その下流側上昇側部分9において、エンドレススクリーンベルト6がこの領域において移動方向7に対して横切るように折畳み、圧縮又は屈曲されることなく移動し、この部分9において実質的に均一な幅で案内されるように構成されている。
【0028】
エンドレススクリーンベルト6のアクティブスクリーン部分10を通る流れ方向4は、エンドレススクリーンベルト6の内側
12からエンドレススクリーンベルト6の外側
14への方向である。これに対応して、エンドレススクリーンベルト6の内側12は、汚水側13であり、エンドレススクリーンベルト6の外側14はエンドレススクリーンベルト6と走行式スクリーン装置1の清浄水側15である。
【0029】
清浄される水は汚水側13においてアクティブスクリーン部分10に向かって流れ、堆積物がアクティブスクリーン部分10においてエンドレススクリーンベルト6の内側に堆積し、スクリーニング又は濾過された水が清浄水側15から出る。有効スクリーニング部分10において収集された堆積物は、エンドレススクリーンベルト6の移動方向7における回転運動によって上昇側部分9によって液体流5から取り出され、清浄領域16へと運ばれ、そこでエンドレススクリーンベルト6から分離される。
【0030】
エンドレススクリーンベルト6の回転運動を容易にするために、エンドレススクリーンベルト6は引っ張り手段又は搬送手段に接続されている。これらの手段は、通常二つのメンテナンスフリーのピントルチェーン17として構成され、そのそれぞれがエンドレススクリーンベルト6の外縁に設けられる。これらのチェーン17は、構造体3に固定された案内手段で案内される。構造体3には、水がアクティブスクリーン部分10を通って流れそれを通過することがないように、必要な漏れ防止手段が設けられる。
【0031】
エンドレススクリーンベルト6をその移動方向7に駆動するために、少なくとも1つの駆動モータと少なくとも1つのスプロケット19とを備える駆動装置18が使用される。駆動モータは、チェーン17の片方又は両方を駆動することができる。エンドレススクリーンベルト6の速度を変化させることによって、水のスループットとスクリーンベルトの清浄とを最適状態に調節することができる。カソード腐食保護の一部としての特殊なアノードを、特に海水にさらされたときのチェーン17とチェーン案内手段の腐食保護のために組み込むことができる。エンドレススクリーンベルト6は、その上部位置において、スプロケット19によって提供される方向転換手段20によって反転される。その底部領域において、エンドレススクリーンベルト6は、例えば、方向転換アークによって提供される底部方向転換手段21によって反転される。
【0032】
上部方向転換手段20と底部方向転換手段21との方向転換半径は、互いに異なるものとすることができる。
図1に示されているように、好ましくは、底部方向転換手段21の半径は、上部方向転換手段20の半径よりも大きい。これら上方及び底部方向転換手段は、円弧として構成することができ、具体的には、上方方向転換手段20は、エンドレススクリーンベルト6を駆動するために単数又は複数のスプロケット19によって形成される。円弧と異なる方向転換弧も利用可能である。
【0033】
通路の底部に堆積物が堆積することを回避するために、又は可能な限り大きな、即ち、通路の底部に向けて可能なかぎり延出するアクティブスクリーン部分10を実現するために、エンドレススクリーンベルト6の底部下流側部分9の方向転換手段の頂部が、エンドレススクリーンベルト6の底部上流側部分8の方向転換手段の頂部よりも低く配置されるように構成することが有利である。従って、この実施例において、エンドレススクリーンベルト6の底部下流側及び底部上流側部分の方向転換手段の頂部は、通路底部の上方で異なった高さに位置することになる。
【0034】
本発明の走行式スクリーン装置1によれば、堆積物がエンドレススクリーンベルト6の外側14に堆積する従来技術の走行式スクリーン装置とは異なり、液体流5から分離された堆積物は、エンドレススクリーンベルト6の内側12に堆積し、その後、外側から作用する清浄装置によって外側から内側へと吹き飛ばされる。従って、本発明による走行式スクリーン装置1は、好ましくは、この走行式スクリーン装置1の清浄領域16において液体流5から持ち上げられたエンドレススクリーンベルト6の部分を清浄するための清浄装置と、エンドレススクリーンベルト6の外側14に配設されたスプレーノズル22又は圧縮空気ノズルと、スプレーノズル22又は圧縮空気ノズルの反対側でエンドレススクリーンベルト6の内側12に配設されエンドレススクリーンベルト6から吹き飛ばされた堆積物を収集する堆積物収集トラフ23とを有する。この清浄装置は、好ましくは、エンドレススクリーンベルト6の上方方向転換手段20の領域に配設される。
【0035】
エンドレススクリーンベルト6の上昇する下流側部分9の内側12に付着した堆積物は、サービスレベルの清浄領域16へと搬送される。比較的粗い片は、単に重力によって、廃水収集トラフとも称される堆積物収集トラフ23へと落下する。エンドレススクリーンベルト6は、スプレーノズル22による噴出によって完全に清浄される。
【0036】
もしもエンドレススクリーンベルト6の清浄中に頑固な汚れがエンドレススクリーンベルト6に付着したまま残る場合には、その汚れはエンドレススクリーンベルト6の内側12に残ることになるが、そこで、それはエンドレススクリーンベルト6の回転移動により清浄領域16にて噴出水を繰り返し通過することで最終的に確実に除去される。比較的粗い沈殿物、浮遊物も、走行式スクリーン装置1の内側領域12において必ず捕捉されそこから除去される。これにより、通路2の底部の汚れ、その他の流れパターンでよく見られる堆積物の清浄水側への持ち込み(carryover)作用が無くなる。
【0037】
スプレーノズル22を備える水噴出装置又は走行式スクリーン装置1の上部ヘッド全体は、カバー24によって覆われている。エンドレススクリーンベルト6の水噴出プロセスは、外側から制御することができる。手動式又は自動式のスプレーノズル清浄装置を提供することができる。
【0038】
図2は、
図1の走行式スクリーン装置1のB−B線に沿った水平方向断面図を示している。内側から外側への流れ方向4に流れる流れが通るエンドレススクリーンベルト6、又はそれを通って流れが流れるアクティブスクリーン部分10は、水の流れ方向4(通路2の流れ方向)に対して実質的に横断するように配置され、このとき走行式スクリーン装置1の開放側又は入口側は流入側に面した状態である。下流側のアクティブスクリーン部分10において、流れ方向は、エンドレススクリーンベルト6の内側12からこのエンドレススクリーンベルト6を通ってエンドレススクリーンベルト6の外側14へ向かう方向である。
【0039】
このやり方において、エンドレススクリーンベルト6の上流側圧縮部分11は、好ましくは、スクリーンとして有効な部分ではない、即ち、液体流5はそれを通って流れないか、又は走行式スクリーン装置1のフィルタリング作用には全く寄与しない。これは、例えば、エンドレススクリーンベルト6に、圧縮領域11においてその移動方向7に対して横断するように折り畳み、圧縮、又は屈曲する特殊な構成を設けることによって達成することができる。
図2に図示されている一好適実施例に拠れば、走行式スクリーン装置1は、圧縮領域11の上流側で液体流5中に配設されたデフレクタ25を有し、エンドレススクリーンベルト6の圧縮領域11はこのデフレクタ25の直後に配設されている。
【0040】
デフレクタ25は、流入する液体流5を分離するように作用し、液体流5は左側又は右側に向けてほぼ均等に方向転換されて圧縮領域11を迂回する。走行式スクリーン装置1は、エンドレススクリーンベルト6の圧縮領域11とアクティブスクリーン部分10との間に複数の流れ開口部26を有し、これらを介して、分割された液体流5が走行式スクリーン装置1の内側12へと流入することができる。流れ開口部26は、デフレクタ25とアクティブスクリーン部分10との間で走行式スクリーン装置1のいずれかの側に配置され、液体流は、それらを通って斜めに流れる。流れ開口部26を通って流れた後、液体流5の二つの流れは、走行式スクリーン装置1の内側12で再合流し、液体流5の元の方向に沿ってアクティブスクリーン部分10へと流れる。
【0041】
液体流5はエンドレススクリーンベルト6を一回だけ通って流れる結果、低い圧力損失という利点が得られる。この低い圧力損失に対する一つの寄与要因は、流れ開口部26の領域では、流れが約90度ではなく、わずかしか方向転換されないということである。更に、流れの方向転換が、アクティブスクリーン部分10の領域ではなく、それから上流側にかなりの距離を置いたところで行われるということも有利である。これによって、流れ抵抗を増大させるアクティブスクリーン部分10の表面での乱流の形成が防止される。デフレクタ25は、それが大きな力に耐える必要がないように流線型に構成することが可能である。そのような大きな力は圧縮部分11にも作用することはないので、構造コストの節約によって経済的な利点が達成される。
【0042】
しかしながら、走行式スクリーン装置1は低い圧力損失に関する利点を有するだけでなく、汚水側13から清浄水側15への堆積物の持込の問題を回避するものでもある。
【0043】
走行式スクリーン装置1の更に別の利点は、アクティブスクリーン部分10が、その両エッジに延出する案内手段27によってその下流側においてのみ保持されることにより、それが流れ方向4において湾曲、又は屈曲可能であることである。案内手段27は、好ましくは、垂直方向に延出する。エンドレススクリーンベルト6のアクティブスクリーン部分10又は下流側上昇部分9がこのエンドレススクリーンベルト6を流れ方向4において屈曲させることが可能なように案内される場合、従来技術のいくつかの実施例と違って、液体流5においてアクティブスクリーン部分10によって引き起こされる力を受けるためにアクティブスクリーン部分10の下流側に、U状プロファイルやスチールガーターなどといった、アクティブスクリーン部分10を支持するための支持構造体を設けることはもはや必要でなくなる。
【0044】
従って、走行式スクリーン装置1は、アクティブスクリーン部分10が屈曲可能とされるのであれば、コスト的に有利な構造を備えることができる。
【0045】
図2から明白にわかるように、エンドレススクリーンベルト6が上昇部分9に対してその移動方向7を横断するように下降部分8において、折畳み、圧縮又は屈曲されることにより、液体流5はそれを通過して流れることができる。この目的のために、エンドレススクリーンベルト6は、例えば、折畳み、圧縮又は屈曲移動を行うことができる。有利になるには、アクティブスクリーン部分10におけるエンドレススクリーンベルト6の横方向延出と圧縮部分11におけるエンドレススクリーンベルト6の横方向延出との比率を3:1〜1.1:1にすることができ、好ましくは2.5:1〜1.5:1とするのがよい。これらの範囲では、圧縮部分11の近傍において、エンドレススクリーンベルト6がその折畳み、圧縮又は屈曲作用によって過度な応力を受けることなく液体流5が流れ続けるだけの十分な空間が確保される。
【0046】
エンドレススクリーンベルト6は、任意の適当な材料から形成することができる。第1の好適実施例は、例えば、場合によってはケブラーのサンドイッチ補強を備えることが可能な、PUやPEといったフレキシブル孔あきプラスチックベルトとすることができる。エンドレススクリーンベルト6のもう一つの好適実施例は、金属やプラスチック、又はケブラー材から成る織物ベルトである。もう一つの可能な実施例は、リンクチェーンベルトである。連結された多数のスクリーンパネルを有する従来技術の走行式スクリーン装置の旧来のエンドレススクリーンベルトと違って、本発明の走行式スクリーン装置のエンドレススクリーンベルト6は、好ましくは、それらの間にスクリーンパネル又はスクリーンパネルインサートを配置する必要が無くスクリーニング又はフィルタリング作用が直接的に行われるバンド材から成る。
【0047】
図3は
図2の詳細図であって、構造体3におけるアクティブスクリーン部分10の案内手段27を図示している。それは、ピントル30を備えるピントルチェーン17のローラ29を案内するためのU状部分28と、ピントルチェーン17上に取り付けられたシーリングシート31とを有する。シーリングシート31は、U状部分28に取り付けられたシーリングレール32によって案内される。ピントルチェーン17とシーリングシート31とシーリングレール32とによって、チェーン案内手段27のU状部分28に対するシーリング手段が形成される。これは、液体が汚水側13から清浄水側15へとバイパスされることを防止するためのものである。エンドレススクリーンベルト6はその外側に肥厚化部分33を備え、これは、可動状態においてハウジング34内で案内され、ピントルチェーン17に接続されている。
【0048】
図4は、
図1のA−A線に沿った断面図である。この図はエンドレススクリーンベルト6の清浄水側15を表している。エンドレススクリーンベルト6は、堆積物の分離除去中に通って水が流れる孔あき領域35を有する。エンドレススクリーンベルト6のこれらの孔あき領域35の間には、非孔あきウェブ36が設けられ、これらは引っ張り力をチェーン17に伝達する作用を提供する。液体がアクティブスクリーン部分10を通って流れる時に、エンドレススクリーンベルト6の湾曲又は屈曲によりこの引っ張り力が生じる。
【0049】
図4において、流れ開口部26はエンドレススクリーンベルト6のアクティブスクリーン部分10の背後にあり、図中エンドレススクリーンベルト6によって隠されており、これら流れ開口部26を通って、液体5が走行式スクリーン装置1の内側12へと流入する。上方方向転換手段20の領域において、左右の二つの対応する駆動装置37に取り付けられたスプロケット19が見える。
【0050】
図5は、これらの駆動装置37を詳細に図示する、
図1のC−C線に沿った水平方向断面図である。エンドレススクリーンベルト6を駆動するための駆動装置18が、エンドレススクリーンベルト6のいずれかの側に配置された、その移動方向7に二つの駆動ホイールを有することが判り、ここで、これら駆動ホイールは、圧縮部分11におけるエンドレススクリーンベルト6の横断方向延出に対するアクティブスクリーン部分10におけるエンドレススクリーンベルト6の横断方向延出の比率によって予め決まる、互いになす角度で配置されている。これら二つの駆動ホイールは本実施例では、移動方向7においてエンドレススクリーンベルト6を搬送するためにこのエンドレススクリーンベルト6の左右のエッジのそれぞれに設けられた、二つのキャリアチェーンを駆動するための、スプロケット19として構成されている。
【0051】
二つの駆動装置37、又は二つのキャリアチェーンの同期を確保するために、カルダン自由継ぎ手による結合や、駆動装置37の電子的同期機能を有する周波数制御などの適当な手段を講じることができる。
【符号の説明】
【0052】
1 走行式スクリーン装置
2 通路
3 構造体
4 流れ方向
5 液体流
6 エンドレススクリーンベルト
7 6の移動方向
8 6の下降部分
9 6の上昇部分
10 アクティブスクリーン部分
11 圧縮部分
12 内側
13 汚水側
14 外側
15 清浄水側
16 清浄領域
17 チェーン
18 駆動装置
19 スプロケット
20 上方方向転換手段
21 下方方向転換手段
22 スプレーノズル
23 堆積物収集トラフ
24 カバー
25 デフレクタ
26 流れ開口部
27 案内手段
28 U状部分
29 ローラ
30 ピントル
31 シーリングシート
32 シーリングレール
33 肥厚化部分
34 ハウジング
35 孔あき領域
36 ウェブ
37 駆動装置