【実施例】
【0029】
以下、本発明の丁合装置の実施例を図面を参照して説明する。
図1は、本発明を適用した丁合装置の実施例の構造関係の説明図である。給紙部2は左
右に10段ずつ設けられており、左右の各段それぞれから1枚ずつ給紙された用紙は中央
の下降搬送路で先端(下端)が揃うように丁合され、折紙給紙部から給紙されて折ナイフ
5と折ローラ25で折目をつけられた折紙に挟み込まれた状態で折ローラ25から左の方
へ搬送されて行く。途中の分岐点10に搬送路切替えゲート7が設けられており、このゲ
ートが上に上っているときには、搬送されて来た丁合セットはスタッカトレイ13の方へ
搬送され排出される。これに対して、搬送路切替えゲート7が下がっているときは、丁合
セットはリジェクト収容部11の方へ搬送され排出される。この搬送路切替えゲート7の
上下切替えは切替えゲート駆動器8によって機械的に行われる。
【0030】
この切替えは、基本的には、給紙エラーが発生していない丁合セットが搬送されて来た
ときには、上がった状態となっており、丁合セットはスタッカトレイ13へ送られる。こ
れに対して給紙エラーが発生した丁合セットが搬送されて来たときには下がって、その丁
合セットをリジェクト収容部11へ送るようにする。
【0031】
このように、給紙エラーの有無によって切替えるようにするために各給紙台3には、給
紙エラー検知器4−1〜4−20が設けられている。
この給紙エラー検知器4−1〜4−20は各給紙部2が給紙する場合に、紙づまり、紙
なし、空送り、重送等の給紙エラーを生じたときこれを検知しどのエラーであるかが分か
る検知信号を出力する。また、エラーが給紙毎に連続して発生した場合にこれをカウント
する機能をも有している。そしてエラーが発生しなかったときには0にリセットする。
以上の他、リジェクト収容部11の近傍には、丁合セットが収容されているか否かを検
知するリジェクトセット検知手段12が設けられている。
【0032】
[実施例1]
図2は、実施例1の構成を示すブロック図である。
実施例1は、リジェクト収容部11に収容された給紙エラー発生の丁合セット(エラーセットとも言う)の部数が予め設定した所定数に達したときには丁合動作を停止させるというものである。各給紙エラー検知器4−1〜4−nからはエラー検知信号がCPU14の搬送路切替え信号発生部15へ送られる。搬送路切替え信号発生部15、エラー検知信号を受け、エラー発生セットに該当する丁合セット20がリジェクト収容部11の方へ搬送されるように搬送路切替えゲート7を点線で示すように下げるべく切替えゲート駆動器8へ切替え信号を送る。切替えゲート駆動器8と搬送路切替えゲート間の点線は機械的に連結していることを示している。
【0033】
これにより給紙エラーを生じた丁合セットはリジェクト収容部11に収容されることに
なる。前記切替え信号は、リジェクトセット数計数手段16へも送られる。該計数手段1
6の計数値は比較部17へ送られここで予め設定されている設定値と比較され計数値が設
定値に達したときに停止制御部18へ信号を送る。信号を受けた停止制御部18は丁合装
置駆動器19へ停止信号を送り丁合動作を停止させる。
【0034】
こうして、エラーを発生した丁合セットが予め設定した設定値に達すると丁合装置は稼
働を停止することになる。なお、給紙エラーを生じた丁合セットの計数は、リジェクト収
容部11への搬送路の途中にセンサとカウンタを設けたものであってもよいし丁合エラー
メモリの内容から計数してもよい。
【0035】
[実施例2]
図3は
実施例2の構成を示すブロック図である。
この構成は、丁合セットのエラー発生が、例えば
図1の最下段の給紙部で発生するなど遅い段階で発生すると、丁合セットの先端が既に分岐点10に掛かり、搬送路切替えゲート7の切替えが間に合わなかったり、搬送路切替えゲート7の先端に丁合セットが接触したりして不具合を生ずる恐れがあるので、エラー発生丁合セットの先端が分岐点10から予め定めた距離Aだけ上流の所定位置9を越えてから発生した給紙エラーによる搬送路切替えゲート7のリジェクト収容部側への切替えは行わず
図3で見るなら上げたままにして、エラー発生の丁合セットもスタッカトレイ13の方へ送り込み、且つエラー発生丁合セットの先端が所定位置9に達した時点で既に丁合動作が開始されている後続の丁合セットまでは、通常動作を行わせて丁合動作を停止させるというものである。所定位置9は、丁合セットが前進して来てもそこまでならば給紙エラーの発生による搬送路切替えゲート7の切替えが間に合うという位置である。
【0036】
各給紙部の給紙エラー検知器4−1〜4−nからのエラー検知信号は、CPU14の最
先タイミング比較部21へ送られるとともに、所定位置到達時点演算部22から、エラー
発生丁合セットの先端が所定位置に達する時点情報が入力されている。最先タイミング比
較部21では、各給紙エラー検知器4−1〜4−nからの給紙エラー信号のうち最先のも
のが所定位置到達時点演算部22からの時点より先(早い)か後(遅い)かを比較し、遅
い場合には、遅延部23の方へ信号を送り、遅延部23では、信号を受けた時から、前記
最先の給紙エラーが入力されて来た時点で既に丁合動作が始まっている後続の丁合セット
がスタッカトレイ13又はリジェクト収容部11へ収容されるのに要する時間だけ遅延し
た時点で信号を停止制御部18へ送る。信号を受けた停止制御部18は丁合装置駆動器1
9へ停止信号を送り丁合装置の動作は停止することになる。
【0037】
以上に対して、最先の給紙エラーの発生が所定位置到達時点よりも早ければ、搬送路切
替えゲート7の切替えが給紙エラー発生の丁合セットの到来に対して間に合うので、最先
タイミング比較部21から搬送路切替え信号発生部15へ信号を送り、給紙エラー発生の
丁合セットがリジェクト収容部11へ搬送されるように搬送路切替えゲート7を切り替え
る(
図3では点線の位置へ下げる)。
【0038】
[実施例3]
図4は、
実施例3の構成を示すブロック図である。
この構成は、同一の給紙部2で給紙毎に連続して給紙エラーが発生する場合、そのまま動作を続けると同じエラーが出続ける可能性が高いので、予め定めた所定回数連続する給紙エラーが発生した場合には丁合動作を停止させるというものである。
各給紙部2の給紙エラー検知器には、給紙エラーをカウントするカウンタが具備されており、このカウンタは、エラーが給紙毎に連続する場合には累積計数して行き、エラー発生のない給紙が行われるとゼロにリセットされるというものである。
【0039】
各給紙エラー検知カウンタ4−1〜4−nのエラー計数値信号はCPU14へ送られ、
各信号毎に回数比較器24−1〜24−nで予め定められた設定数と比較され、エラー計
数値が設定値に達した回数比較器から信号が停止制御部18へ送られ、それにより、停止
制御部18から停止信号が丁合装置駆動器19へ送られ丁合動作が停止することになる。
【0040】
[実施例4]
実施例4
の構成は、
実施例1の構成に対し、リジェクトセット検知手段12とゼロセット手段26を付加したものである(
図2参照)。
リジェクトセット検知手段12はリジェクト収容部11に丁合セットが収容されているかを検知する手段であり、リジェクト収容部11から丁合セットを全部取り出したときにそれを示す信号を出力してこれをゼロセット手段26へ送り、リジェクトセット数計数手段16をゼロセットする。
【0041】
これは、リジェクト収容部11から、給紙エラー丁合セットを取り出したときには、C
PU14内のリジェクトセット数計数手段16の計数値もゼロにリセットするというもの
であり、リジェクト収容部11に給紙エラーを有する丁合セットが収容されていても設定
数に達する前に取り出すとリジェクトセット数計数手段はゼロセットされるので停止制御
部18から停止信号は出ることがなく丁合動作は停止しないことになる。
即ち、丁合動作を停止させることなくエラーセットを取り出して、エラーセットに対す
る空送り補充、重送取り除き等のリカバリ作業を行うことができる。
【0042】
[実施例5]
図5は、実施例5の構成を示すブロック図である。
リジェクトセット検知手段12は(
図2参照)からエラーセットの取り出し信号が表示制御部28へ送られると丁合エラーメモリ27からエラー情報が読み出され表示画面29に表示される。
【0043】
図6は、丁合エラーメモリ27のメモリ内容を示す図である。
1つの丁合セットについて給紙部の番号である棚番とその棚番の給紙部におけるエラー
の内容(紙づまり、紙なし、空送り、重送等)およびそのセットの搬送先がリジェクトト
レイかスタッカトレイかが記憶され、それが丁合されたセットの順番で格納されている。
【0044】
従って、丁合開始後、リジェクト収容部11に収容されたエラーセットが例えば2セッ
トであれば、丁合エラーメモリ27のセット番号の1から順に見て行き、エラーの存在す
る最初の2セットのエラー内容がリジェクト収容部11に収容されたエラーセットのエラ
ー内容ということになり、リジェクト収容部11からこの2セットを取り出すことにより
リジェクトセット検知手段から取り出し検知信号が表示制御部28へ送られると上記2セ
ットのエラー内容が
図5の表示画面29のエラー表示部35に表示されることになる。リ
ジェクト収容部11に収容されたエラーセットは先に丁合されたものが下になるので
図5
のエラー表示部35でエラーセットの1セット目を下に、2セット目を上に表示するよう
になっている。
【0045】
図5のエラー表示部35では、1セット目のエラーセットには棚番9の給紙部で重送が
あったことを示し、2セット目のエラーセットでは棚番12の給紙部で空送りがあったこ
とを示している。
また、積載状態表示部30では、
図1と同じようにリジェクト収容部33を上に、スタ
ッカトレイ34を下に表示しており、エラーセットは1セットずつ識別できるように表示
し、エラーセットの無いスタッカトレイ34では丁合セットを一括で表示している。
【0046】
[実施例6]
なお、
図5のリジェクト収容部33で、エラーセット31が取り出しマーク32の上に浮いたように表示されているのは、エラーセットが取り出されたものであることを示している。これは、本発明
の実施例6の表示ということになる。
また、
図5のエラー表示部35に、丁合セットカウント手段で丁合動作開始後の丁合セット数を計数した計数値を示すようにしているので、丁合進行中であることや、丁合がどの程度進んだかが分かるようになっている
。
【0047】
[実施例7]
図7は
、実施例7における表示画面の図である。
実施例7では、リジェクト収容部11の収容セット数が設定値に達したり、エラー信号の発生が設定時より遅れたり、1つの給紙部での連続エラー数が設定値に達したりするなどして、丁合動作が停止したときに、丁合動作を開始してから停止するまでの間におけるエラーセットを丁合エラーメモリ27からセット番号順に探索し、更にその搬送先がリジェクトトレイであるかスタッカトレイであるかによって分けて読み出し、リジェクト収容部はリジェクト部としスタッカトレイは紙受部として表示したのが
図7のエラー表示部35である。
【0048】
同時に積載状態表示部30にリジェクト収容部33とスタッカトレイ34を表示し、そ
の上にエラーセット(36と37)が1部ずつ識別できる形で表示されている。
スタッカトレイ34上のエラーセット37の下は、エラーのない丁合セットを示してい
る。
リジェクト収容部33上のエラーセット36は、後に丁合されたものが上に積み重ねら
れていくので、下のものが先に丁合されたセットということになるので、エラー表示部3
5の表示でも早い順に下から1セット、2セット、3セットと表示してある。エラー欄の
数字は、エラーが発生した給紙部の棚番を示している。
【0049】
例えば、リジェクト部の3セット目では棚番号1、3、18の3つの給紙部に紙づまり
があったことが示されている。
図8は、エラーセットがリジェクトトレイのみに送られている状態で丁合動作が停止し
たときの表示画面を示す。
【0050】
[実施例8]
図9、
図10は
、実施例8における表示画面の図である。
図9は、リジェクト収容部33のエラーセット36のうち下から2セット目を指先タッチ、ペンタッチその他の方法により指定したときに、色付け等により指定されたこれを示すとともに、エラー表示部35ではその2セット目のエラー内容を表示するようにしたものである。
【0051】
図10は、スタッカトレイ34(紙受け部)上のエラーセット37のうち1セット目を
図9の場合と同様に指定し、エラー表示部35に紙受け部1セット目としてそのエラー内
容が表示された例である。
【0052】
以上、
図7〜
図10においては、
実施例9の構成の具体例として積載状態表示部30におけるリジェクト収容部33とスタッカトレイ34の配置の上下関係は実装置に対応させてあり、エラーセット36、37の表示も1セットずつが識別でき且つ実際の積載状態同様に上に行くにつれて後の丁合セットになるようにし、エラー表示部35のエラーセットの上下配置もこれに対応させた配置となっており、視覚的に理解がし易いようになっている。
【0053】
なお、
図5、7、8、9、10は最新のエラー情報を表示するものであるが、
図11で
は、遡及表示操作部38の左側の三角表示を予め定まっている回数の範囲内の回数だけ押
すことにより現画面よりその数の画面だけ遡った画面を表示させることができ、右側の三
角表示を同回数だけ押すことにより現画面に戻すことができるようになっている。これに
より現在より遡って丁合の経過を見ることができる。
なお、取り出しマーク32は
図2の場合と同様にリジェクト収容部から取り出されたエ
ラーセットであることを示している。