特許第5768407号(P5768407)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5768407一方向クラッチおよび一方向クラッチ付きプーリ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5768407
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】一方向クラッチおよび一方向クラッチ付きプーリ装置
(51)【国際特許分類】
   F16D 41/06 20060101AFI20150806BHJP
   F16H 55/36 20060101ALI20150806BHJP
【FI】
   F16D41/06 D
   F16H55/36 E
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-44949(P2011-44949)
(22)【出願日】2011年3月2日
(65)【公開番号】特開2012-180911(P2012-180911A)
(43)【公開日】2012年9月20日
【審査請求日】2014年2月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(72)【発明者】
【氏名】合田 憲和
【審査官】 久島 弘太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−287671(JP,A)
【文献】 特開2009−024832(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 41/06
F16H 55/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1回転部と第2回転部を互いに同軸回りに回転可能に軸承し、前記第1回転部と前記第2回転部間に周方向に空間が漸減するくさび空間を形成し、このくさび空間に係合子を介挿し、この係合子を前記くさび空間が漸減する方向に付勢するバネを設けてなる一方向クラッチにおいて、前記係合子を前記くさび空間が漸増する方向に押し、この押し量が高温になるにつれて増加する温度感応部材を設けたことを特徴とする一方向クラッチ。
【請求項2】
請求項1に記載の一方向クラッチにおいて、
前記係合子は、前記くさび空間を転動する円筒状の円筒ころであり、前記温度感応部材は、高温時に弓状に湾曲する板状のバイメタルであり、前記円筒ころの軸方向中間を弓状に湾曲したバイメタルの長手方向の中間で押すようにしたことを特徴とする一方向クラッチ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の一方向クラッチを適用した一方向クラッチ付きプーリ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンの回転動力をオルタネータに伝達する一方向クラッチおよび一方向クラッチ付きプーリ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の一方向クラッチ付きプーリ装置を交流発電器(オルタネータ)に取付けた例として、図6(特許文献1)に示すものがある。
【0003】
このものは、自動車のエンジンの回転動力を、図略のベルト、一方向クラッチ付きプーリ装置100を介して交流発電機(オルタネータ)110の発電軸111に伝え、発電軸111とともに界磁巻線112が回転することにより、回転磁界が発生する。この回転磁界により固定子巻線113に交流電圧が発生し、この交流電圧は整流子114によって直流に整流される。この交流発電機110は前記界磁巻線112に励磁電流を流すレギュレータ120を有し、前記励磁電流を制御することによって固定子巻線113から発生する交流電圧を制御できる。
【0004】
前記発電軸111の回転数が上がるにつれて、頻繁に磁界が発生し、頻繁に電流が流れ、頻繁に制御する関係上、固定子巻線113、界磁巻線112、レギュレータ120の温度が上昇する傾向にある。前記レギュレータ120が制御不能になると、固定子巻線113、界磁巻線112の温度がより一層上昇し、固定子巻線113、界磁巻線112に焼付きが発生しないように交流発電機110を保護する観点から、固定子巻線113、界磁巻線112、レギュレータ120の熱を、発電軸111を介して一方向クラッチ101へ伝え、この一方向クラッチ101でプーリ部102から回転軸103への回転を遮断することが考えられる。
【0005】
回転を遮断する装置として、図7(特許文献2)に示すようなものがあり、このものは、高温時に温度変位部材130によってバネ支持体131を円筒ころ132から遠ざかる方向へ移動させ、バネ133で円筒ころ132を付勢する力を低下させ、内輪134に対して外輪135をフリー回転させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4449263号
【特許文献2】特開2009−287671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
外輪135をフリー回転させると、円筒ころ132は自転しながら外輪135の回転方向と同方向へ移動し、外輪135と内輪134間に形成されたくさび空間136に喰い込んで内輪134が外輪135とともに回転する恐れがあった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、高温時に円筒ころをくさび空間に喰い込まない位置へ確実に移動させることによって、フリー回転時に回転を確実に遮断する一方向クラッチを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、第1回転部と第2回転部を互いに同軸回りに回転可能に軸承し、前記第1回転部と前記第2回転部間に周方向に空間が漸減するくさび空間を形成し、このくさび空間に係合子を介挿し、この係合子を前記くさび空間が漸減する方向に付勢するバネを設けてなる一方向クラッチにおいて、前記係合子を前記くさび空間が漸増する方向に押し、この押し量が高温になるにつれて増加する温度感応部材を設けたものである。
【0009】
この構成によれば、高温時に係合子をくさび空間に喰い込まない位置へ確実に移動させることができるので、第1回転部と第2回転部間で回転を確実に遮断できる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の一方向クラッチにおいて、前記係合子は、前記くさび空間を転動する円筒状の円筒ころであり、前記温度感応部材は、高温時に弓状に湾曲する板状のバイメタルであり、前記円筒ころの軸方向中間を弓状に湾曲したバイメタルの長手方向の中間で押すようにしたものである。
【0011】
この構成によれば、円筒ころの軸方向中間で円筒ころを押すため、円筒ころの傾きがなくなり、高温時に第1回転部と第2回転部間で回転を確実に遮断できる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の一方向クラッチをプーリ装置に適用したものである。
【0013】
この構成によれば、高温時にプーリ装置で回転を確実に遮断できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、高温時に係合子(円筒ころ)をくさび空間が漸増する位置へ確実に移動させることができるので、フリー回転時に回転を確実に遮断できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態における一方向クラッチ付きプーリ装置をオルタネータに適用した断面図である。
図2】本発明の実施形態における図1の一方向クラッチ付きプーリ装置を拡大した図1の一部拡大断面図である。
図3】本発明の実施形態における図2のD−D線断面図である。
図4】本発明の実施形態における保持器を円周方向に展開した低温時の作動図である。
図5】本発明の実施形態における保持器を円周方向に展開した高温時の作動図である。
図6】従来の一方向クラッチ付きプーリ装置をオルタネータに適用した断面図である。
図7】温度変位部材を適用した従来の一方向クラッチの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態について、図1乃至図5を参酌しつつ説明する。図1は一方向クラッチ付きプーリ装置をオルタネータに適用した断面図であり、図2図1の一方向クラッチ付きプーリ装置を拡大した図1の一部拡大断面図であり、図3図2のD−D線断面図であり、図4は保持器を円周方向に展開した低温時の作動図であり、図5は保持器を円周方向に展開した高温時の作動図である。
【0017】
自動車の図略のエンジンに、図1に示すような交流発電機(オルタネータ)10が取り付けられ、この交流発電機10から出力された直流電流は、図略のバッテリィに貯えられるようになっている。前記交流発電機10には、一方向クラッチ付きプーリ装置50が取付けられ、前記エンジンの回転動力は、ベルト90、一方向クラッチ付きプーリ装置50を介して交流発電機10に伝えられるようになっている。
【0018】
前記交流発電機10は、エンジンの回転動力を利用して直流電流を発生させるものである。前記交流発電機10は、ケーシング11、このケーシング11に取付けられた一対の転がり軸受12、この一対の転がり軸受12を介して前記ケーシング11に回転可能に軸承された発電軸13、この発電軸13に取付けられた回転子14、この回転子14の外周側で前記ケーシング11に取付けられた固定子15、この固定子15の固定子巻線15aからの交流電圧を整流する整流子16、前記回転子14の界磁巻線14aに励磁電流を供給できるように前記発電軸13の一端に電気的に接触するブラシ装置17、前記界磁巻線14aに供給する励磁電流を制御するレギュレータ18とからなっている。
【0019】
前記回転子14は、前記発電軸13回りに円筒状に巻き付けた界磁巻線14aと、界磁巻線14aを保持する回転子鉄心14bとからなっている。前記固定子は、円周方向に所定の間隔を持って配置した三相の固定子巻線15aと、この固定子巻線15aが巻き付けられた固定子鉄心15bとからなっている。
【0020】
前記レギュレータ18は、前記界磁巻線14aに供給する励磁電流を制御するもので、前記交流発電機10からの出力電圧が一定となるように前記励磁電流を制御している。詳細に説明すると、前記発電軸13の回転数が上がるにつれて前記交流発電機10の出力電圧が上がる傾向にあり、また自動車のライト等の電気的な負荷が減ると前記交流発電機10の出力電圧が上がる。前記励磁電流を減らすと、前記交流発電機10の出力電圧が下がることから、前記交流発電機10の出力電圧を検知しながら励磁電流を制御している。
【0021】
前記一方向クラッチ付きプーリ装置50は、前記交流発電機10の発電軸13の一端に取付けられている。図2にも示すように、前記一方向クラッチ付きプーリ装置50は、前記発電軸13にネジ結合された回転軸51、この回転軸51の外周に配置されたコロ軸受52と玉軸受53、コロ軸受52と玉軸受53を介して前記回転軸51に回転可能に軸承されるプーリ部54、軸方向において前記コロ軸受52と前記玉軸受53間でしかも半径方向において前記回転軸51と前記プーリ部54間で介挿された一方向クラッチ60とからなっている。
【0022】
前記回転軸51の内周には、軸方向中間にネジ部51aが形成され、一端に六角穴51bが形成されている。前記六角穴51bには、前記回転軸51を回すために六角レンチ等の図略の工具が挿入されるようになっている。前記発電軸13の一端外周にはネジ部13aが形成され、このネジ部13aに前記回転軸51のネジ部51aが螺合している。
【0023】
図3乃至図5に示すように、前記一方向クラッチ60は、円周方向に等間隔に複数の窓61aを有する保持器61と、各窓61aに周方向に移動可能に案内される円筒状の円筒コロ62と、前記窓61aと前記円筒コロ62間に配置され前記円筒コロ62を周方向の一方向に付勢するコイルバネ63と、前記円筒コロ62を挟んで前記コイルバネ63と反対側で前記窓61aと前記円筒コロ62間に配置された温度感応部材64とからなっている。前記プーリ部54は、前記一方向クラッチ60の外輪を兼ねており、前記プーリ部54の内周には、前記円筒コロ62が転動する外輪側軌道面54aが形成されている。この外輪側軌道面54aは、図3に示すように、断面円形に形成されている。前記回転軸51は、前記一方向クラッチ60の内輪を兼ねており、前記回転軸51の外周には、前記一方向クラッチ60に対応する軸方向位置において、前記円筒コロ62が転動する内輪側軌道面51cが形成されている。内輪側軌道面51cは、断面8角形状に形成されている。前記外輪側軌道面54aと前記内輪側軌道面51cとで周方向に半径方向の空間が漸減するくさび空間70が形成される。
【0024】
前記保持器61は、外周が断面円形に形成され、内周が断面8角形状に形成されている。前記保持器61は前記回転軸51の内輪側軌道面51cに円周方向に相対移動不能に嵌合され、また前記保持器61は前記プーリ部54に円周方向に相対移動可能に遊嵌されている。
【0025】
前記温度感応部材64は、板状のバイメタルである。即ち、前記温度感応部材64は、線膨張係数の異なる2つの部材を貼り合わせたものである。図4に示すように、前記温度感応部材64は、低温時に両端が前記円筒コロ62に接触し、長手方向中間が前記保持器61の窓61aに接触するように弓状に湾曲している。図5に示すように、前記温度感応部材64は、高温時に両端が前記保持器61の窓61aに接触し、長手方向中間が前記円筒コロ62に接触するように弓状に湾曲している。低温から高温へ温度変化していくに従って、前記温度感応部材64の湾曲が少なくなり、途中から前記温度感応部材64が低温時と反対方向に湾曲する。このため、前記温度感応部材64が前記円筒コロ62を前記コイルバネ63側へ押す量が減少し、途中から前記温度感応部材64が前記円筒コロ62を前記コイルバネ63側へ押す量が増加し始める。
【0026】
前記高温は、前記温度感応部材64自体が摂氏約100度になることを想定しており、この温度になると、前記温度感応部材64によって前記円筒コロ62は、前記くさび空間70へ喰い込み不能な位置まで前記コイルバネ63側へ押されている。即ち、前記高温よりも低い温度においては、前記温度感応部材64によって前記円筒コロ62は前記くさび空間70へ喰い込むことを阻害されないようになっている。
【0027】
前記くさび空間70は、図3の円筒コロ62の位置から前記円筒コロ62が時計方向に移動すると、半径方向の空間が漸減する。また、前記くさび空間70は、図3の円筒コロ62の位置から前記円筒コロ62が反時計方向に移動すると、半径方向の空間が増加し、途中から漸減する。図3図4は、摂氏−30度の低温状態の温度感応部材64の状態図である。
【0028】
前記温度感応部材64が高温に達していない状態で、前記プーリ部54が、図3の時計方向に回転すると、前記円筒コロ62は前記回転軸51に対し時計方向、即ちくさび空間70の半径方向の空間が漸減する方向へ移動し、前記円筒コロ62がくさび空間70へ喰い込んで、前記プーリ部54の時計方向の回転が前記円筒コロ62を介して前記回転軸51に伝達されるようになっている。前記プーリ部54の回転停止状態で、前記回転軸51が図4の時計方向に回転すると、前記円筒コロ62はコイルバネ63に打ち勝って前記回転軸51に対して反時計方向、即ちくさび空間70の半径方向の空間が漸増する方向へ移動し、前記回転軸51の回転は前記プーリ部54に伝達されないようになっている。
【0029】
図2に示すように、前記回転軸51と前記プーリ部54間には、前記交流発電機10と反対側の前側で第1のシール部71と第2のシール部72が設けられ、前記交流発電機10と同側の後側で第3のシール部73が設けられている。前記第1のシール部71は内周側が前記回転軸51の外周に嵌合固定され、外周側が前記プーリ部54に摺接している。前記第2のシール部72は外周側が前記プーリ部54の内周に嵌合固定され、内周側が前記回転軸51に摺接している。前記第3のシール部73は外周側が前記プーリ部54の内周に嵌合固定され、内周側が前記回転軸51に摺接している。軸方向の前記第2のシール部72と前記第3のシール部73間で半径方向の前記プーリ部54と前記回転軸51間でグリースが充填されている。前記プーリ部54の外周には断面V字形状のV溝54bが軸方向に等間隔に多数形成され、前記V溝54bにベルト90が係合している。
【0030】
次に上述した構成に基づいて動作を説明する。
自動車のエンジンの回転動力は、図1に示すように、ベルト90、プーリ部54、一方向クラッチ60、回転軸51を介して発電軸13に伝えられる。このとき、一方向クラッチ60の円筒コロ62は、くさび空間70に喰い込んでおり、プーリ部54とともに回転軸51が回転する。界磁巻線14aにレギュレータ18より励磁電流が供給され、この界磁巻線14aが回転することにより、回転磁界が発生する。この回転磁界により、固定子巻線15aに交流電圧が発生し、この交流電圧は整流子16によって直流に整流され、バッテリィに電気が貯えられる。交流発電機10の出力電圧が一定となるように、界磁巻線14aに供給される励磁電流を制御する。
【0031】
発電軸13の回転数が上がるにつれて、固定子巻線15a、界磁巻線14a、レギュレータ18の温度が上昇する傾向にある。前記レギュレータ18が制御不能になると、固定子巻線15a、界磁巻線14aの温度がより一層上昇する。固定子巻線15a、界磁巻線14a、レギュレータ18の熱は、発電軸13、回転軸51を介して温度感応部材64に伝えられる。温度感応部材64が高温(この場合、摂氏100度)になると、温度感応部材64が図5の示す状態に湾曲し、円筒コロ62はくさび空間70へ喰い込み不能な位置へ温度感応部材64によって押圧移動される。プーリ部54の回転は、一方向クラッチ60で遮断され、回転軸51、発電軸13に伝達されない。このように、温度感応部材64によって、円筒コロを押す構造となっているので、プーリ部54の回転により円筒コロ62がくさび空間70に喰い込むことが無く、プーリ部54の回転を確実に遮断できるメリットがある。しかも、円筒コロ62の軸方向中間で温度感応部材64の湾曲した長手方向の中間が当接して円筒コロ62を押すので、押す際に円筒コロ62が傾くことが無く、プーリ部54の回転を確実に遮断できるメリットがある。
【0032】
本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0033】
上述した実施形態は、温度感応部材64として板状のバイメタルを用いた例を述べた。他の実施形態として、温度感応部材64としてコイルバネ状の形状記憶合金を用いても良い。この場合、高温になると、形状記憶合金からなるコイルバネの自然長さが伸びて、円筒コロをくさび空間に喰い込み不能な位置へ押す。
【0034】
また上述した実施形態は、周方向に半径方向の空間が漸減するくさび空間について述べた。他の実施形態として、周方向に軸方向の空間が漸減するくさび空間にも適用できる。この場合、プーリ部と回転軸に互いに向かい合う側面を形成し、一方の側面に軸方向に接近離間するカム面を形成する。
【符号の説明】
【0035】
50:一方向クラッチ付きプーリ装置、51:回転軸(第1回転部)、54:プーリ部(第2回転部)、60:一方向クラッチ、62:円筒コロ(係合子)、63:コイルバネ(バネ)、64:温度感応部材、70:くさび空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7