(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも1台の段階的な燃焼位置を有する段階制御ボイラと、少なくとも1台の蒸発量を連続して増減可能とされる比例制御ボイラとを備えたボイラ群を制御するプログラムであって、
前記比例制御ボイラにおいて発生させる蒸発量又は蒸発量と対応する物理量を制御する比例制御信号に基づいて前記ボイラ群の各ボイラを制御すると共に、前記段階制御ボイラに対しては、前記比例制御信号を段階制御信号に変換して出力するように構成され、
前記段階制御信号は、前記比例制御ボイラの蒸発量又は蒸発量と対応する物理量と、前記段階制御ボイラの各燃焼位置の蒸発量又は蒸発量と対応する物理量とが、対応するように変換されることを特徴とするプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、比例制御ボイラを制御する制御信号は、比率により定義されていて段階的に出力されないため、段階制御ボイラを制御することは困難であり、たとえ、段階的に定義されていても段階制御ボイラを制御するように構成されていないため、段階制御ボイラを制御することは困難である。そこで、比例制御ボイラの制御装置を用いて段階制御ボイラを制御する技術に対する強い要請がある。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、例えば、段階制御ボイラと比例制御ボイラとを備えたボイラ群を対象とする場合など、比例制御ボイラの制御装置を用いて段階制御ボイラを制御することが可能なプログラム、制御器及びボイラシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に記載の発明は、少なくとも1台の段階的な燃焼位置を有する段階制御ボイラと、少なくとも1台の蒸発量を連続して増減可能とされる比例制御ボイラとを備えたボイラ群を制御するプログラムであって、前記比例制御ボイラにおいて発生させる蒸発量又は蒸発量と対応する物理量を制御する
比例制御信号に基づいて前記ボイラ群の各ボイラを制御すると共に、前記段階制御ボイラに対しては、前記比例制御信号を段階制御信号に変換して出力するように構成さ
れ、前記段階制御信号は、前記比例制御ボイラの蒸発量又は蒸発量と対応する物理量と、前記段階制御ボイラの各燃焼位置の蒸発量又は蒸発量と対応する物理量とが、対応するように変換されることを特徴とする。
【0008】
請求項6に記載の発明は、制御器であって、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のプログラムを備えることを特徴とする。
【0009】
請求項7に記載の発明は、ボイラシステムであって、請求項6に記載の制御器を備えることを特徴とする。
【0010】
この発明に係るプログラム、制御器及びボイラシステムによれば、比例制御ボイラを制御するための
比例制御信号の出力によって、段階制御ボイラを含むボイラ群を容易かつ効率的に制御することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のプログラムであって、ボイラ群の要求負荷に対応して前記
比例制御信号が、前記段階制御ボイラの各燃焼位置の蒸発量又は蒸発量と対応する物理量に応じてあらかじめ設定された値に到達した場合に、前記段階制御ボイラ
に対して前記段階制御信号を出力するように構成されていることを特徴とする。
【0012】
この発明に係るプログラムによれば、比例制御ボイラを制御するための
比例制御信号出力を用いて、段階制御信号による場合と同様に段階制御ボイラを制御することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、
請求項1に記載のプログラムであって、前記
比例制御信号を、前記段階制御ボイラの各燃焼位置の蒸発量又は蒸発量と対応する物理量に対応する区分に変換
して前記段階制御信号を生成し、当該段階制御信号により前記段階制御ボイラを制御するように構成されていることを特徴とする。
【0014】
この発明に係るプログラムによれば、
比例制信号の出力を用いて、段階制御信号による場合と同様に段階制御ボイラを制御することができる。また、段階制御ボイラの各燃焼位置の蒸発量又は蒸発量と対応する物理量に対応する区分に変換
して段階制御信号を生成し、この段階制御信号により、各燃焼位置への移行条件(例えば、燃焼タイミング等)を容易かつ効率的に調整することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプログラムであって、前記
比例制御信号の出力を、蒸発量により定義するように構成されていることを特徴とする。
【0016】
この発明に係るプログラムによれば、
比例制御信号の出力を、蒸発量により定義するように構成されているので、要求負荷に対応した制御を容易に行なうことができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプログラムであって、前記
比例制御信号の出力を、定格蒸発量に対する比率により定義するように構成されていることを特徴とする。
【0018】
この発明に係るプログラムによれば、
比例制御信号の出力を、定格蒸発量に対する比率により定義するように構成されているので、容易かつ効率的に制御することができる。
【発明の効果】
【0019】
この発明に係るプログラム、制御器及びボイラシステムによれば、比例制御ボイラを制御するための信号出力によって、段階制御ボイラを含むボイラ群を容易かつ効率的に制御することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、
図1から
図7を参照し、この発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るボイラシステムを示す図であり、符号1はボイラシステムを示している。
ボイラシステム1は、
図1に示すように、例えば、3台のボイラから構成されるボイラ群2と、制御部(制御器)4と、スチームヘッダ6と、スチームヘッダ6内の蒸気の圧力(蒸発量と対応する物理量)を検出する圧力センサ7とを備え、蒸気使用設備18の要求負荷に応じて、ボイラ群2で発生させた蒸気を供給するようになっている。
この実施形態における要求負荷は、圧力センサ7が検出するスチームヘッダ6内の蒸気の圧力(物理量)により代用されており、この圧力に基づいて蒸気使用設備18の消費蒸気量と対応する必要蒸発量が算出されるようになっている。
【0022】
ボイラ群2は、
図2に示すように、第1ボイラ21、第2ボイラ22、第3ボイラ23を備えている。
第1ボイラ21は、例えば、制御部4から出力される比例制御信号により、燃料流量制御弁、燃焼用空気流量調節ダンパを制御して、バーナに供給する燃料や燃焼用空気の流量を制御することで、信号の大きさ(比率)に応じて蒸発量を連続的に増減する比例制御ボイラとされており、制御部4が出力する比例制御信号(比率ゼロ〜100%)により、例えば、燃焼停止状態(燃焼停止位置)(比率ゼロ)から定格蒸発量(2000(kg/h)(比率100%)までの蒸発量を出力するようになっている。
【0023】
第2ボイラ22、第3ボイラ23は、制御部4で算出した必要蒸発量に応じた比例制御信号(比率)を変換した段階制御信号により燃焼位置が移行されて、蒸発量が段階的に増減する段階制御ボイラとされ、それぞれ燃焼停止状態(燃焼停止位置)、低燃焼状態(第1燃焼位置)、中燃焼状態(第2燃焼位置)、高燃焼状態(第3燃焼位置)の4つの段階的な燃焼状態に制御することが可能とされている。また、各段階制御ボイラ22、23は、第1差分蒸発量は400(kg/h)、第2差分蒸発量は400(kg/h)、
第3差分蒸発量は1200(kg/h)、定格蒸発量は2000(kg/h)とされている。
【0024】
なお、
図2に示した枠は、ボイラ群2を構成する各ボイラ21、22、23を表しており、第2ボイラ22、第3ボイラ23を示す枠を仕切った区分は燃焼位置を表しており、第1ボイラ21を表す枠内に示した「ゼロ〜2000」は、第1ボイラ21が制御可能な蒸発量の範囲であり、第2ボイラ22、第3ボイラ23の各燃焼位置に記した数字400、400、1200は、各燃焼位置の差分蒸発量(kg/h)を示している。
また、各ボイラ21、22、23の差分蒸発量(kg/h)の横に示した( )内の数字は、蒸発量を増加する際における、制御部4がプログラムを実行することにより、蒸発量制御のために実際に制御する対象(以下、実制御対象という)優先順位を表している。
また、各枠の上方に< >で示した数字は各ボイラの定格蒸発量を示している。
【0025】
この実施形態において、各ボイラ21、22、23は、
図2に示すような優先順位が設定されており、総蒸発量を増加する場合に、第1ボイラ21が定格蒸発量に到達した後に、第2ボイラ22が第1燃焼位置、第2燃焼位置、第3燃焼位置に移行し、第2ボイラ22が第3燃焼位置に移行した後に、第3ボイラ23が第1燃焼位置、第2燃焼位置、第3燃焼位置に移行するようになっている。
【0026】
なお、この実施形態では、第2ボイラ22、第3ボイラ23において、順次燃焼位置の燃焼位置に移行するように構成されているが、いずれかのボイラが定格蒸発量を出力する前に、他のボイラが総蒸発量を増減するように優先順位を設定してもよい。また、優先順位を、自動、手動のいずれで設定するかは任意に設定可能な事項である。
ここで、実制御対象とは、蒸発量を増減(又は維持する)ために実際に制御する対象をいい、比例制御ボイラにおいては、比例制御信号より増減する蒸発量の上限と下限により定義される範囲を意味し、段階制御ボイラにおいては、蒸発量を維持又は増減するために用いる燃焼位置を意味する。
【0027】
例えば、比例制御ボイラにおいて、実制御対象が燃焼停止状態〜定格出力までの範囲である場合、比率ゼロ〜100%又はゼロ〜定格蒸発量の蒸発量(kg/h)の対応する比例制御信号により制御することとなる。なお、例えば、比例制御ボイラの実制御対象をゼロ〜100%(又は定格蒸発量)とせず、ゼロ〜100%(又は定格蒸発量)の間の任意の比率(又は蒸発量)(例えば、比率ゼロ〜50%及び50%超〜100%というように)設定して複数の実制御対象として制御してもよい。
【0028】
また、実制御対象が段階制御ボイラの燃焼位置である場合、蒸発量を増加する場合には上位に移行することが可能な燃焼位置が、蒸発量を減少する場合には燃焼を解除して下位の燃焼位置に移行することが可能な燃焼中の燃焼位置が実制御対象となる。また、蒸発量を維持する場合の実制御対象は、燃焼中の燃焼位置が実制御対象とされ、燃焼状態を維持することとなる。
【0029】
また、この明細書において、
1)蒸発量とは、単位時間当たりに発生する蒸気量であり、例えば、(kg/h)により表すことができる。
2)ボイラの蒸発量とは、燃焼中のボイラが出力する蒸発量を表している。
3)ボイラ群の総蒸発量とは、ボイラ群を構成するボイラが出力する蒸発量の合計である。
4)差分蒸発量とは、ボイラを一段階上位の燃焼位置に移行した場合に増加する蒸発量、すなわち、移行した後の燃焼位置の蒸発量と移行前の燃焼停止位置(又は燃焼位置)の蒸発量との差をいい、一段階上位に移行して第N燃焼位置(Nは、1以上の整数)となることで増加する蒸発量を、「第N燃焼位置の差分蒸発量」、又は「第N差分蒸発量」という。
なお、比例制御ボイラの蒸発量の所定範囲が実制御対象である場合、便宜上、実制御対象の上限蒸発量と下限蒸発量の差異を差分蒸発量というものとする。
【0030】
制御部4は、入力部41と、メモリ42と、演算部43と、ハードディスク44と、出力部46と、通信線47とを備え、入力部41、メモリ42、演算部43、ハードディスク44、出力部46は通信線47により相互にデータ等を通信可能に接続され、ハードディスク44にはデータベース45が格納されている。
【0031】
入力部41は、例えば、図示しないキーボード等のデータ入力機器を有していて設定等を演算部43に出力するとともに、圧力センサ7、各ボイラ21、22、23と信号線13、信号線16により接続され、圧力センサ7から入力された圧力信号及び第1ボイラ21から入力された信号(例えば、バルブ開度等の情報)及び第2ボイラ22、第3ボイラ23から入力された信号(例えば、燃焼位置等の情報)を演算部43に出力するようになっている。
出力部46は、各ボイラ21、22、23と信号線14により接続され、演算部43から出力された信号を各ボイラ21、22、23に出力するようになっている。
【0032】
演算部43は、メモリ42の記憶媒体(例えば、ROM)に格納されたプログラムを読み込んで実行し、例えば、要求負荷に対応する必要蒸発量の算出、入力部41から入力された各ボイラの運転状態に関する情報等に基づく総蒸発量JRの算出、実制御対象の設定、必要蒸発量に対応する比例制御信号の算出、比例制御信号に基づく段階制御信号の算出(変換)を行なうようになっている。また、演算部43は、優先順位にしたがって実制御対象を設定するようになっている。また、演算部43は、上記算出結果に基づいて、実制御対象が比例制御ボイラである場合には比例制御信号を、実制御対象が段階制御ボイラである場合には段階制御信号を、出力部46を介して各ボイラ21、22、23に制御信号を出力するようになっている。
【0033】
データベース45は、第1のデータベース45Aと、第2のデータベース45Bと、第3のデータベース45Cとを備えている。
第1のデータベース45Aは、圧力信号(VもしくはmA)と圧力(Pa)との関係を示すデータテーブルが数値データとして格納されており、演算部43は、圧力センサ7からの圧力信号(VもしくはmA)を第1のデータベース45Aに参照して必要蒸発量を算出するようになっている。なお、スチームヘッダ6内の圧力に基づく必要蒸発量の算出は、周知の燃焼位置制御技術によるものとし、説明を省略する。
【0034】
また、演算部43は、必要蒸発量に基づいて、比例制御信号を算出するようになっており、この実施形態において、比例制御信号は、ボイラ群2の定格蒸発量に対する必要蒸発量の比率により構成されている。
なお、演算部43は、比例制御ボイラを制御する場合に、
図3に示すように、例えば、比例制御ボイラが必要蒸発量と等しい蒸発量を出力するように、比例制御信号を出力するようになっている。
【0035】
また、第2のデータベース45Bは、
図4(A)に示すように、例えば、第2ボイラ22、第3ボイラ23について、それぞれの第1差分蒸発量、第2差分蒸発量、第3差分蒸発量、及び各燃焼位置における各ボイラ22、23の蒸発量がデータテーブルの形式で格納されている。この実施形態において、各ボイラ22、23の燃焼位置の構成、差分蒸発量は同一であるため、データテーブルは共通とされている。
演算部43は、第2のデータベース45Bを参照して、各実制御対象による蒸発量の増減量、総蒸発量を算出するとともに、実制御対象を設定するようになっている。
【0036】
第3のデータベース45Cには、
図4(B)に示すように、例えば、各段階制御ボイラ22、23の各燃焼位置と、演算部43が必要蒸発量に基づいて算出した比例制御信号の大きさ(比率)とを対応させたデータテーブルの形式で格納されており、例えば、比例制御信号の比率がゼロ〜20%未満では燃焼停止位置が、20%〜40%未満では第1燃焼位置が、40%〜100%未満では第2燃焼位置が、100%では第3燃焼停止位置が対応するように構成されている。
演算部43は、比例制御信号を第3のデータベース45Cに参照して、各段階制御ボイラ22、23に対応した信号に変換するようになっている。この実施形態において、各段階制御ボイラ22、23の燃焼位置の構成、差分蒸発量は同一であるため、データテーブルは共通している。
【0037】
図5は、各段階制御ボイラ22、23の定格出力に対する必要蒸発量に基づいて算出した比例制御信号を、第3データベース45Cに参照して変換した段階制御信号により各段階制御ボイラ22、23を制御する状態を示すものであり、必要蒸発量が各段階制御ボイラ22、23の各燃焼位置における蒸発量と等しくなった場合に、各段階制御ボイラ22、23を対応する燃焼位置に移行するようになっている。
なお、便宜のため、必要蒸発量については、各ボイラ21、22、23における必要蒸発量に基づいて示しているが、各ボイラ21、22、23とボイラ群2の必要蒸発量のいずれに基づくかは、任意に設定可能である。
【0038】
以下、
図6を参照して、プログラムの一例に係るフロー図について説明する。
図6は、第1の実施形態に係るプログラムの概略構成の一例を示している。
(1)まず、ボイラ群2の必要蒸発量JN、総蒸発量JRにそれぞれ初期値(=0)を、実制御対象の優先順位iに初期値(=1)を設定するとともに、優先順位iの実制御対象、優先順位iの実制御対象の最大蒸発量JT(i)、優先順位iの実制御対象の差分蒸発量J(i)を設定する(S1)。
(2)ボイラ群2が運転中かどうかを判断する(S2)。
ボイラ群2が運転中の場合にはS3に移行し、運転が停止している場合にはプログラムを終了する。
(3)演算部43は、入力部41を介して取得した圧力センサ7の圧力信号に基づいて、必要蒸発量JNを算出する(S3)。
(4)演算部43は、演算した必要蒸発量JNとメモリ42に格納された必要蒸発量JNとを比較して、必要蒸発量JNの変動の有無を判断する(S4)。
必要蒸発量JNの変動がある場合にはS5に移行し、変動がない場合にはS2に移行する。
(5)演算部43は、必要蒸発量JNが増加か減少かを判断する(S5)。
必要蒸発量JNが増加している場合にはS6に移行し、減少している場合にはS16に移行する。演算部43は、S3において算出した必要蒸発量JNをメモリ42に格納する。
(6)演算部43は、実制御対象が比例制御ボイラか、それとも段階制御ボイラであるかを判断する(S6)。
比例制御ボイラである場合はS7に移行し、段階制御ボイラである場合はS14に移行する。
(7)演算部43は、必要蒸発量JNと、優先順位iの実制御対象の最大蒸発量JT(i)とを比較する(S7)。
必要蒸発量JN>優先順位iの実制御対象の最大蒸発量JT(i)でない場合はS8に移行し、必蒸発量JN>優先順位iの実制御対象の最大蒸発量JT(i)である場合はS10に移行する。なお、第1ボイラ21に対する最後の信号は、必蒸発量JN=優先順位iの実制御対象の最大蒸発量JT(i)となるため、S10に移行する。
(8)演算部43は、比例制御信号を出力する(S8)。演算部43は、S8を実行したら、S9に移行する。
(9)演算部43は、ボイラ群2の総蒸発量JRを算出する(S9)。
演算部43は、S9を実行したらS2に移行する。
(10)演算部43は、総蒸発量JRを優先順位iの実制御対象の最大蒸発量JT(i)とするための比例制御信号を出力する(S10)。
S10を実行したらS11に移行する。
(11)演算部43は、(i+1)をiとする演算を実行する(S11)。
演算部43は、新たな優先順位iをメモリ42に格納する。S11を実行したらS12に移行する。
(12)演算部43は、データベース45Cを参照して、新たな優先順位iに対応する実制御対象を設定する(S12)。
S12を実行したらS13に移行する。
(13)演算部43は、データベース45Cを参照して、新たな優先順位iに対応する実制御対象の差分蒸発量J(i)を算出する(S13)。
S13を実行したらS9に移行する。
(14)演算部43は、必要蒸発量JNと優先順位iの実制御対象の最大蒸発量JT(i)とを比較する(S14)。
必蒸発量JN>優先順位iの実制御対象の最大蒸発量JT(i)でない場合はS9に移行し、必要蒸発量JN>優先順位iの実制御対象の最大蒸発量JT(i)である場合はS15に移行する。
(15)演算部43は、優先順位iの実制御対象である燃焼位置に移行する制御信号を出力して総蒸発量JRを増加させる(S15)。S15を実行したらS11に移行する。
(16)演算部43は、実制御対象が比例制御ボイラか、それとも段階制御ボイラであるかを判断する(S16)。
実制御対象が比例制御ボイラで増加である場合はS17に移行し、段階制御ボイラである場合はS23に移行する。
(17)演算部43は、必要蒸発量JNと優先順位(iー1)の実制御対象の最大蒸発量JT(i−1)とを比較する(S17)。
必要蒸発量JN≦優先順位(iー1)の実制御対象の最大蒸発量JT(i−1)でない場合はS18に移行し、必蒸発量JN≦優先順位(iー1)の実制御対象の最大蒸発量JT(i−1)である場合はS19に移行する。
(18)演算部43は、比例制御信号を出力する(S18)。S18を実行したら、S9に移行する。
(19)演算部43は、総蒸発量JRを優先順位(iー1)の実制御対象の最大蒸発量JT(i−1)とするための比例制御信号を出力する(S19)。S19を実行したら、S20に移行する。
(20)演算部43は、(i−1)をiとする演算を実行する(S20)。
演算部43は、新たな優先順位iをメモリ42に格納する。S20を実行したらS21に移行する。
(21)演算部43は、データベース45Cを参照して、優先順位iに対応する実制御対象を設定する(S21)。S21を実行したら、S22に移行する。
(22)演算部43は、データベース45Cを参照して、新たな優先順位iに対応する実制御対象の差分蒸発量J(i)を算出する(S22)。S22を実行したらS9に移行する。
(23)演算部43は、必要蒸発量JNと優先順位(iー1)の実制御対象の最大蒸発量JT(i−1)とを比較する(S23)。
必要蒸発量JN≦優先順位(iー1)の実制御対象の最大蒸発量JT(i−1)でない場合はS9に移行し、必要蒸発量JN≦優先順位(iー1)の実制御対象の最大蒸発量JT(i−1)である場合はS24に移行する。
(24)演算部43は、優先順位(i−1)の実制御対象である下位の燃焼位置に移行する制御信号を出力する(S24)。S24を実行したらS20に移行する。
上記(2)から(24)を繰り返して実行する。
なお、上記フロー図において、演算部43は、優先順位iの実制御対象の最大蒸発量JT(i)、JT(i−1)を、関係式JT(i)=JT(i−1)+J(i)により算出し、算出したJT(i)、JT(i−1)をメモリ42に格納するようになっている。
【0039】
次に、
図7を参照して、ボイラシステム1の作用について説明する。
図7(A)は、プログラムを用いて、必要蒸発量JNが常に増加する場合におけるボイラ群2の総蒸発量JRを増加する際の各ボイラ21、22、23の動作を示す概略図である。実制御対象の優先順位は、
図2に示すとおりである。
なお、
図7(A)に示す着色部は、実制御対象であるボイラ21、22、23又は実制御対象である燃焼位置が属するボイラを表している。
また、
図7(A)に示したグラフは総蒸発量JRを示しており、総蒸発量JR上の矢印は総蒸発量JRが増加する状態を表している。
また、
図7(B)に示す表は、優先順位iと、優先順位iと対応する実制御対象、各実制御対象と対応する段階制御信号(各ボイラごと)の比率、各実制御対象の差分蒸発量、各実制御対象の属するボイラの蒸発量、ボイラ群2の総蒸発量JRを、
図7(A)の動作に対応させて示している。
【0040】
(1)まず、ボイラシステム1を運転する。
(2)演算部43はS1を実行し、その後S2〜S9を繰り返して実行する。S2〜S9を繰り返す際に、S8を実行して、第1ボイラ21(優先順位i=1)の蒸発量をゼロから2000(kg/h)まで増加させる。なお、第1ボイラ21に対する比例制御信号出力はS10を実行することにより終了する。
(3)演算部43は、S10を実行した後、S11を実行して優先順位i=2とする。
次いで、S12を実行して、優先順位i=2に対応する実制御対象として、第2ボイラ22の第1燃焼位置を設定し、S13、S9を実行する。
(4)次に、演算部43は、S2〜S6を実行する。この場合、S6における判断がNoとなるためS14に移行する。S14における判断は、
図7(B)に示すように、比例制御信号が第2ボイラ22の定格蒸発量(2000(kg/h)の20%(=400(kg/h))となるまでNoであるため、比例制御信号が20%(=400(kg/h))となるまで、S2 〜S6、S14、S9を繰り返し実行する。
(5)比例制御信号が20%になったらS15を実行して第1燃焼位置に移行して、第2ボイラ22の蒸発量を400(kg/h)に増加する。
(6)S15を実行したら、S11を実行して、優先順位i=3とする。
次いで、S12を実行して、優先順位i=3に対応する実制御対象として、第2ボイラ22の第2燃焼位置を設定し、S13、S9を実行する。
同様に、S2〜S15を繰り返し実行することにより、
図7(B)に示すように、優先順位i=3〜7に対応する第2ボイラ22の第2燃焼位置、第3燃焼位置、第3ボイラ23の第1燃焼位置〜第3燃焼位置へと燃焼位置を移行させて、ボイラ群2の総蒸発量JRを6000(kg/h)に増加させる。なお、蒸発量を減少させる場合には、蒸発量を増加させる場合と反対の手順による(
図6参照)。
【0041】
ボイラシステム1によれば、比例制御ボイラを制御するための信号出力により、段階制御ボイラである第2ボイラ22、第3ボイラ23を容易かつ効率的に制御することができ、その結果、ボイラ群2の総蒸発量をスムースに制御することができる。
【0042】
次に、
図8〜
図10を参照して、この発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態が第1の実施形態と異なるのは、第1の実施形態において
図4(B)で示した第3のデータベース45Cに係るデータテーブルに代えて、
図8に示すデータテーブルを格納した点である。
図8に示したデータテーブルでは、必要蒸発量から算出した比例制御信号を所定の区分に基づいて変換した段階制御信号により、段階制御ボイラ(第2ボイラ22、第3ボイラ23)制御するようになっている。
【0043】
その結果、段階制御ボイラ(第2ボイラ22、第3ボイラ23)は、
図9に示すように、例えば、比例制御信号がゼロ〜10%未満では燃焼停止位置に、10%〜30%未満では第1燃焼位置と、30%〜50%未満では第2燃焼位置に、50%〜100%では第3燃焼停止位置に維持されるように段階制御信号を出力するようになっている。
【0044】
第2の実施形態に用いるプログラムは、
図6に示す第1の実施形態と同様のものを用いることが可能であり、かかる場合、例えば、優先順位i=2の実制御対象に対する第2ボイラ22を第1燃焼位置に移行するための段階制御信号は、第2ボイラ22の定格蒸発量に対する比率が10%(すなわち、第1蒸発量を維持する際の比例制御信号の区分の最小値)に到達した場合にS15を実行することにより行なわれる。第2の実施形態における段階制御信号による燃焼位置の上位への移行は、実制御対象である燃焼位置の蒸発量を維持するために設定された比例制御信号の区分の最小値により行なう。
【0045】
かかる手順を実行することにより、
図10に示すように、例えば、実制御対象が第2ボイラ22に属する場合、比例制御信号が第2ボイラ22のゼロ〜10%未満では燃焼停止位置に、10%〜30%未満では第1燃焼位置と、30%〜50%未満では第2燃焼位置に、50%〜100%では第3燃焼停止位置に維持される。また、第3ボイラ23に関しても同様である。なお、蒸発量を減少させる場合には、第1の実施形態と同様に、蒸発量を増加させる場合と反対の手順による(
図6参照)。
また、第2の実施形態に係るボイラシステム1によれば、比例制御信号に設定した区分に基づいて段階制御ボイラを各燃焼位置に維持するので、例えば、各燃焼位置への移行を容易かつ効率的に調整することができる。
【0046】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更をすることが可能である。
例えば、上記実施の形態においては、ボイラシステム1を構成するボイラ群2が、1台の比例制御ボイラと2台の段階制御ボイラから構成される場合について説明したが、ボイラ群2を構成するボイラの台数、各ボイラの構成(例えば、燃焼位置数、各燃焼位置の差分蒸発量等)は任意に設定することができる。
【0047】
また、上記実施の形態においては、段階制御ボイラに対して出力する段階制御信号を、段階制御ボイラの各燃焼位置の蒸発量と対応させる場合について説明したが、段階制御ボイラの定格出力に対する比率により定義した段階制御信号に変換して出力するように構成してもよい。
また、上記実施の形態においては、段階制御信号を、段階制御ボイラの各燃焼位置の蒸発量と対応させる場合について説明したが、各燃焼位置の蒸発量と対応する他の物理量と対応させるように構成してもよい。
【0048】
また、上記実施の形態において、ボイラ群2を構成するボイラ(又は燃焼位置)の一部を、故障、修理、計画停止等による予備缶としてもよいし、予備缶を設定変更する構成としてもよい。
また、第1の実施の形態においては、段階制御信号を出力して燃焼位置を移行した後に、総蒸発量JRが必要蒸発量と対応し、第2の実施の形態においては、比例制御信号に設定する区分を、総蒸発量JRが実制御対象の途中で必要蒸発量と対応するように段階制御信号を出力する場合について説明したが、段階制御ボイラにおける燃焼位置の移行又は各燃焼位置における蒸発量の維持を必要蒸発量とどのように対応させるかは任意に設定することができる。
また、第1の実施形態に係る段階制御信号と、第2の実施形態に係る段階制御信号を併せて出力するように構成してもよい。
【0049】
また、この発明に係るプログラムの概略構成の一例をフロー図として示したが、上記フロー図以外の方法(アルゴリズム)を用いてプログラムを構成してもよい。
また、上記実施の形態においては、プログラムを格納するための記憶媒体がROMである場合について説明したが、ROM以外にも、例えば、EP−ROM、 ハードディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカードなどを用いてもよい。また、演算部が読出したプログラムを実行することにより上記実施形態の作用が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、演算部で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上記実施形態の作用が実現される場合も含まれる。さらに、記憶媒体から読出されたプログラムが、演算部に挿入された機能拡張ボードや演算部に接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の作用が実現される場合も含まれることはいうまでもない。