特許第5768618号(P5768618)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5768618-ワイヤハーネスの端末防水構造 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5768618
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】ワイヤハーネスの端末防水構造
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/22 20060101AFI20150806BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20150806BHJP
【FI】
   H02G3/22
   B60R16/02 622
   B60R16/02 620Z
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-206174(P2011-206174)
(22)【出願日】2011年9月21日
(65)【公開番号】特開2013-70483(P2013-70483A)
(43)【公開日】2013年4月18日
【審査請求日】2014年2月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100072660
【弁理士】
【氏名又は名称】大和田 和美
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 諒
【審査官】 神田 太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−317485(JP,A)
【文献】 特開2010−166756(JP,A)
【文献】 特開2002−281654(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/22
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車またはハイブリッド自動車に配索する複数本の高圧電線からなるワイヤハーネスの端末防水構造であって、
前記ワイヤハーネスを被覆するシールド用筒状編組部材の先端側を、筒部先端にフランジ部を突設したシールドシェルの筒部に被せて第1カシメリングでカシメ固定し、
該シールド用筒状編組部材のカシメ固定部を覆うと共に該シールド用筒状編組部材の先端より突出する前記シールドシェルの筒部に弾性部材からなる筒状のグロメットを外嵌し、
前記グロメットの先端を前記シールドシェルのフランジ部に突き当てると共に該グロメットの先端側の外周を第2カシメリングでカシメ固定し、
前記第2カシメリングと前記第1カシメリングの固定位置に挟まれた位置には、前記グロメットの内周面から環状シールリブを突設すると共に前記シールドシェルの筒部の外周面に前記環状シールリブを圧入する凹部を設け、
前記第2カシメリング、前記環状シールリブおよび前記第1カシメリングからなる3段階で止水部を設けていることを特徴とするワイヤハーネスの端末防水構造。
【請求項2】
前記グロメットに設ける環状シールリブの両側外面が前記凹部の両側内面に接触すると共に突出端面に1または複数のリップを突設し、該リップを前記凹部の底面に押し当てている請求項1に記載のワイヤハーネスの端末防水構造。
【請求項3】
前記凹部と前記第1カシメリングの固定位置との間の前記シールドシェルの筒部の外周面に、前記グロメットの内周面に押し当てられる小環状リブを設けている請求項1または請求項2に記載のワイヤハーネスの端末防水構造。
【請求項4】
前記グロメットの他端は、前記ワイヤハーネスを挿通するコルゲートチューブまたは金属パイプの先端に被せ、テープ巻きで固定、締結バンドで締結あるいはカシメリングでカシメ固定している請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のワイヤハーネスの端末防水構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はワイヤハーネスの端末防水構造に関し、詳しくは、車両に配索するワイヤハーネスの端末に取り付けるグロメットが長時間高温状態に晒されても該グロメットのシール性能を低下させることなくワイヤハーネス端末の防水を行うものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ハイブリッド自動車や電気自動車のバッテリとインバータとの間やインバータとモータとの間などの機器間に配索される高圧電線からなるワイヤハーネスは、フロアパネル下面側の床下に配索されている場合が多い。この床下配索されるワイヤハーネスは、防水、飛び石等からの保護およびシールドを図る必要があるため、ワイヤハーネスを構成する電線群を例えば金属パイプからなる外装材に挿通し、該金属パイプをフロアパネルの下面に配管固定している(特開2010−215010号公報等参照)。
前記金属パイプに挿通するワイヤハーネスの両端部分は、金属パイプから引き出されてそのまま相手側機器に接続される場合もあるが、通常、金属パイプの端末に接続したコルゲートチューブ等の可撓性を有する外装材にワイヤハーネスの両端部分を挿通してエンジンルームや後部車室内の相手側機器まで配索する場合が多い。
【0003】
相手側機器に接続するワイヤハーネスの端末には、例えば、図3(A)、(B)に示すようなグロメット111を取り付けてワイヤハーネス100の端末の防水を行っている。
具体的には、複数本の高圧電線Wからなるワイヤハーネス100を被覆するシールド用筒状編組部材101の先端側を、相手側機器120のケースに取り付けられる金属製のシールドシェル115の筒部116に被せて第1カシメリング113でカシメ固定していると共に、該カシメ固定部を覆うようにシールドシェル115の筒部116にグロメット111の一端側である大径筒部111aを外嵌してその先端側の外周面を第2カシメリング114でカシメ固定している。また、前記ワイヤハーネス100が引き出されるコルゲートチューブ等の外装材110の端末には前記グロメット111の他端側である小径筒部111bを外嵌してテープ巻き(T)等で密着固定している。
【0004】
一方、シールドシェル115の筒部116の断面形状は、一般的に楕円または長円形状とされることが多いため、前記筒部116に被せたグロメット111の大径筒部111aを第2カシメリング114でカシメ固定しても均等に圧力を負荷することが難しく、シール性能を高めにくいという問題があった。そこで、図3(B)のように、第2カシメリング114の真下に位置する大径筒部111aの内周面に複数の環状のリップ112を突設し、第2カシメリング114のカシメ固定と共にリップ112がシールドシェル115の筒部116の外周面に押し当てられるようにしてシール性能の向上を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−215010号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、第2カシメリング114の真下に位置する大径筒部111aの内周面にリップ112を設けたグロメット111を用いてワイヤハーネス100端末の防水を行う場合、グロメット111が長時間高温状態に晒されると、カシメリング114による押圧力を直接的に受けるリップ112が熱変形しやすいという問題がある。リップ112が熱変形すると、グロメットの内部圧力ならびに第2カシメリング114の押圧力が低下した場合でもリップ112は元の形状に戻ることが難しいため、筒部116とリップ112との間に隙間が発生してシール性能が悪化するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、長時間高温状態に晒されてもグロメットのシール性能を低下させることなくワイヤハーネス端末の防水を行えることを課題としている。
【0008】
本発明は前記課題を解決するため、電気自動車またはハイブリッド自動車に配索する複数本の高圧電線からなるワイヤハーネスの端末防水構造であって、
前記ワイヤハーネスを被覆するシールド用筒状編組部材の先端側を、筒部先端にフランジ部を突設したシールドシェルの筒部に被せて第1カシメリングでカシメ固定し、
該シールド用筒状編組部材のカシメ固定部を覆うと共に該シールド用筒状編組部材の先端より突出する前記シールドシェルの筒部に弾性部材からなる筒状のグロメットを外嵌し、
前記グロメットの先端を前記シールドシェルのフランジ部に突き当てると共に該グロメットの先端側の外周を第2カシメリングでカシメ固定し、
前記第2カシメリングと前記第1カシメリングの固定位置に挟まれた位置には、前記グロメットの内周面から環状シールリブを突設すると共に前記シールドシェルの筒部の外周面に前記環状シールリブを圧入する凹部を設け、
前記第2カシメリング、前記環状シールリブおよび前記第1カシメリングからなる3段階で止水部を設けていることを特徴とするワイヤハーネスの端末防水構造を提供している。
【0009】
前記のように、シールド用筒状編組部材の先端側をシールドシェルの筒部にカシメ固定する第1カシメリングの固定位置と、グロメットの先端側を前記シールドシェルの筒部にカシメ固定する第2カシメリングの固定位置とに挟まれた位置には、グロメットの内周面に環状シールリブを突設すると共に、シールドシェルの筒部の外周面に前記環状シールリブを圧入する凹部を設けている。該構成によれば、グロメットの内周面に設けた環状シールリブを第2カシメリングの真下に位置させないため、第2カシメリングによる押圧力が環状シールリブに直接的に作用するのを抑えて、グロメットが長時間高温状態に晒されても環状シールリブが熱変形するのを防止することができる。また、環状シールリブを第1カシメリングと第2カシメリングの固定位置の間、即ち、押圧力を負荷する第2カシメリングの固定位置に近接して突設すると共に環状シールリブをシールドシェルの筒部に設けた凹部に圧入する構造として筒部との接触面積を増大させているため、環状シールリブとシールドシェルの筒部との密着性を高め、グロメットの筒部軸線方向への位置ズレも防止することができる。さらに、環状シールリブとシールドシェル筒部の凹部との密着嵌合により、第1カシメリングの外周面とグロメットの内周面との密着性も高められる。
よって、前記構成によれば、長時間高温状態に晒されてもグロメットのシール性能を低下させることなくワイヤハーネス端末の防水を確実に行うことが可能となる。
【0010】
前記グロメットに設ける環状シールリブの両側外面が前記凹部の両側内面に接触すると共に突出端面に1または複数のリップを突設し、該リップを前記凹部の底面に押し当てていることが好ましい。
【0011】
前記のように、第2カシメリングの真下に位置させない環状シールリブの突出端面に1または複数のリップを突設することにより、該リップを熱変形させることなく前記凹部の底面に押し当て可能となり、グロメットのシール性能をさらに高めることができる。
【0012】
さらに、前記凹部と前記第1カシメリングの固定位置との間の前記シールドシェルの筒部の外周面に、前記グロメットの内周面に押し当てられる小環状リブを設けていることが好ましい。該構成により、シールドシェルの筒部とグロメットとの密着性を一層高めることができる。
【0013】
前記グロメットの他端は、前記ワイヤハーネスを挿通するコルゲートチューブまたは金属パイプの先端に被せ、テープ巻きで固定、締結バンドで締結あるいはカシメリングでカシメ固定していることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
前述したように、本発明によれば、シールド用筒状編組部材の先端側をシールドシェルの筒部にカシメ固定する第1カシメリングの固定位置とグロメットの先端側を前記シールドシェルの筒部にカシメ固定する第2カシメリングの固定位置とに挟まれた前記グロメットの内周面に環状シールリブを突設すると共に、シールドシェルの筒部外周面の対応位置に前記環状シールリブを圧入する凹部を設けている。即ち、グロメットの内周面に設けた環状シールリブを第2カシメリングの真下に位置させないため、第2カシメリングによる押圧力が環状シールリブに直接的に作用するのを抑えて、グロメットが長時間高温状態に晒されても環状シールリブが熱変形するのを防止することができる。また、環状シールリブを第2カシメリングの固定位置に近接して突設すると共に環状シールリブをシールドシェルの筒部に設けた凹部に圧入する構造として筒部との接触面積を増大させているため、環状シールリブとシールドシェルの筒部との密着性を高め、グロメットの筒部軸線方向への位置ズレも防止することができる。よって、長時間高温状態に晒されてもグロメットのシール性能を低下させることなくワイヤハーネス端末の防水を確実に行うことが可能となる。
【0015】
また、環状シールリブの突出端面に1または複数のリップを突設することにより、該リップを熱変形させることなく前記凹部の底面に押し当て可能となり、グロメットのシール性能をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態のワイヤハーネスの端末防水構造を示し、(A)は接続相手側機器に接続されるワイヤハーネスの端末部分を示す斜視図、(B)はA−A線断面図である。
図2】シールドシェルの筒部にシールド用筒状編組部材の先端側を被せて第1カシメリングでカシメ固定した状態を示す斜視図である。
図3】従来例を示す図であり、(A)は接続相手側機器に接続されるワイヤハーネスの端末部分を示す斜視図、(B)はB−B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1および図2は本発明の実施形態を示す。
本実施形態では、ハイブリッド自動車のインバータとバッテリ(図示せず)との間に3本の絶縁被覆電線2からなるワイヤハーネス1を配索し、車体の床下配線領域(図示せず)ではアルミニウム系金属からなる金属パイプ(図示せず)に前記ワイヤハーネス1を挿通している。
【0018】
ワイヤハーネス1が床下配線領域から車両前部のエンジンルームおよび車両後部の車室内(図示せず)に引き込まれて接続相手側機器30であるインバータやバッテリに接続される両端領域では、まず金属パイプの端末開口から引き出したワイヤハーネス1を該金属パイプの端末に接続したコルゲートチューブ10に挿通した後、該コルゲートチューブ10の端末開口からワイヤハーネス1の端末部分を引き出して各電線2端末に圧着した端子3を接続相手側機器30の端子(図示せず)と電気接続している。コルゲートチューブ10の端末開口から引き出したワイヤハーネス1の端末部分には、図1に示すように止水用のグロメット11を取り付けている。
【0019】
グロメット11はゴムまたはエラストマー(本実施形態ではEPDM)の成形品からなる筒形状とし、一端側の小径筒部12と他端側の大径筒部14とを拡径筒部13を介して連続させている。コルゲートチューブ10の端末にはグロメット11の小径筒部12をシール状態で連結する一方、相手側機器30のケースには金属製のシールドシェル18を介してグロメット11の大径筒部14をシール状態で連結している。また、本実施形態のグロメット11には大径筒部14の後端から拡径筒部13の先端にかけての領域に蛇腹部15を設けてグロメット11に柔軟性を持たせている。
【0020】
シールドシェル18は、グロメット11の大径筒部14が外嵌固定される断面楕円形状の筒部19と、該筒部19の先端から径方向に突出したフランジ部20とからなり、フランジ部20はボルト締結により相手側機器30のケースにボルト締結される構造としている。シールドシェル18の筒部19には、図1(B)および図2に示すように、ワイヤハーネス1を被覆するシールド用筒状編組部材4(以下、編組部材4という)の先端側を被せて第1カシメリング23でカシメ固定している。また、前記第1カシメリング23の固定位置を覆うと共に編組部材4の先端から突出する筒部19に外嵌するグロメット11の大径筒部14の先端14aをシールドシェル18のフランジ部20に突き当てるようにし、大径筒部14先端側の外周面を第2カシメリング24でカシメ固定している。
【0021】
また、第2カシメリング24と第1カシメリング23の固定位置に挟まれた位置には、図1(B)に示すように、グロメット11の大径筒部14の内周面から断面矩形状の環状シールリブ16を突設していると共に、シールドシェル18の筒部19の外周面には前記環状シールリブ16を圧入する凹部21を設けている。環状シールリブ16の突出端面には複数(本実施形態では2つ)のリップ17を突設し、環状シールリブ16の両側外面を凹部21の両側内面に接触させると共に、環状シールリブ16のリップ17を凹部21の底面に押し当てる構造としている。
【0022】
さらに、前記凹部21と第1カシメリング23の固定位置との間のシールドシェル18の筒部19の外周面に、グロメット11の大径筒部14の内周面に押し当てられる小環状リブ22を設けている。
【0023】
ワイヤハーネス1の端末にグロメット11を取り付けるには、まず、図2のように、ワイヤハーネス1を被覆する編組部材4の先端側をシールドシェル18の筒部19の所定位置まで被せて第1カシメリング23でカシメ固定する。次いで、前記第1カシメリング23の固定位置を覆うと共に編組部材4の先端から突出する筒部19にグロメット11の大径筒部14を外嵌し、大径筒部14の先端14aをシールドシェル18のフランジ部20に突き当てて大径筒部14の先端側を第2カシメリング24でカシメ固定する一方、グロメット11他端側の小径筒部12をコルゲートチューブ10の端部に外嵌してテープ(T)巻きで密着固定する。この際、グロメット11の大径筒部14内周面の環状シールリブ16がシールドシェル18の筒部19外周面の凹部21に圧入され、環状シールリブ16の両側外面が凹部21の両側内面に接触すると共に、環状シールリブ16のリップ17が凹部21の底面に押し当てられる。また、シールドシェル18の筒部19外周面の小環状リブ22がグロメット11の大径筒部14内周面に押し当てられる。ワイヤハーネス1の電線2端末の端子3を接続相手側機器30の端子に接続すると共に、前記のようにグロメット11を筒部19に外嵌固定したシールドシェル18のフランジ部20を接続相手側機器30のケースにボルト締結で取り付けることにより、ワイヤハーネス1端末へのグロメット11の取り付けが完了する。
【0024】
前記のように、本実施形態では第1カシメリング23の固定位置と第2カシメリング24の固定位置とに挟まれたグロメット11の大径筒部14の内周面に環状シールリブ16を突設すると共に、シールドシェル18の筒部19外周面の対応位置に環状シールリブ16を圧入する凹部21を設けている。即ち、環状シールリブ16を第2カシメリング24の真下に位置させないため、第2カシメリング24による押圧力が環状シールリブ16に直接的に作用するのを抑えて、グロメット11が長時間高温状態に晒されても環状シールリブ16が熱変形するのを防止することができる。また、環状シールリブ16を第2カシメリング24の固定位置に近接して突設すると共に該環状シールリブ16をシールドシェル18の筒部19に設けた凹部21に圧入する構造として筒部19との接触面積を増大させているため、環状シールリブ16とシールドシェル18の筒部19との密着性を高め、グロメット11の筒部軸線方向への位置ズレも防止することができる。よって、長時間高温状態に晒されてもグロメット11のシール性能を低下させることなくワイヤハーネス1端末の防水を確実に行うことが可能となる。
【0025】
また、環状シールリブ16の突出端面に複数のリップ17を突設することにより、該リップを熱変形させることなく前記凹部21の底面に押し当て可能となり、グロメット11のシール性能をより高めることができる。
【0026】
さらに、前記凹部21と第1カシメリング23の固定位置との間のシールドシェル18の筒部19の外周面に小環状リブ22を設けることにより、小環状リブ22がグロメット11の大径筒部14内周面に押し付けられてシールドシェル18の筒部19とグロメット11の大径筒部14との密着性を一層高めることができる。
また、前記環状シールリブ16と凹部21との密着嵌合や、小環状リブ22のグロメット1の大径筒部14内周面への押し付けにより、第1カシメリング23の外周面とグロメット11の大径筒部14内周面との密着性も高められる。
前記のように、本実施形態によれば、第2カシメリングのカシメ固定、リップ17を設けた環状シールリブ16と凹部21との密着嵌合、小環状リブ22の大径筒部14内周面への押し付け、第1カシメリング23の外周面と大径筒部の内周面との密着により、ワイヤハーネス1端末の防水を確実に行うことができる。
【0027】
なお、本実施形態では、金属パイプに接続したコルゲートチューブ10の端末にグロメット11の小径筒部12を外嵌固定しているが、金属パイプの端末にグロメット11の小径筒部12を外嵌して締結バンドやカシメリングで固定してもよい。
【符号の説明】
【0028】
1 ワイヤハーネス
2 電線
4 シールド用筒状編組部材
11 グロメット
12 小径筒部
13 拡径筒部
14 大径筒部
16 環状シールリブ
17 リップ
18 シールドシェル
19 筒部
20 フランジ部
21 凹部
22 小環状リブ
23 第1カシメリング
24 第2カシメリング
図1
図2
図3