特許第5768708号(P5768708)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5768708
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/41 20060101AFI20150806BHJP
【FI】
   H01R13/41
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-287237(P2011-287237)
(22)【出願日】2011年12月28日
(65)【公開番号】特開2013-137878(P2013-137878A)
(43)【公開日】2013年7月11日
【審査請求日】2014年4月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】篠田 耕至
【審査官】 出野 智之
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−069887(JP,U)
【文献】 特開平08−162218(JP,A)
【文献】 特開2008−018633(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/41
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント基板が装着される第1凹部と、相手側コネクタが嵌合される第2凹部とが、隔壁を介して互いに異なった面に開口した形態で形成されたコネクタハウジングと、
複数のタブ状端子と、
前記タブ状端子を所定の配列で装着した中子と、
前記隔壁に設けられ前記中子が嵌着される取付孔と、が具備され、
前記ブ状端子を装着した前記中子が前記両凹部のうち一方の凹部に挿入されたのち、前記タブ状端子の一端を他方の凹部に進入させつつ前記中子が前記隔壁の前記取付孔に嵌着される構成となっており、
前記タブ状端子を装着した前記中子が初めに挿入される側の前記凹部には、前記隔壁と直交した位置において前記中子が摺接可能な摺接面が設けられ、この摺接面と前記中子の対向面とには、互いに係合して前記中子を前記取付孔に向けて摺動案内するガイドが設けられていることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記タブ状端子がL字形に曲げ形成される一方、前記コネクタハウジングにおける前記第1凹部と前記第2凹部とが互いに直交した面に形成されていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記タブ状端子が前記中子に対して圧入により装着されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板と接続される形式のコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
プリント基板と接続されるコネクタの一例として、下記特許文献1に記載されたものが知られている。このものは、プリント基板が装着される基板装着部と、相手側コネクタが嵌合されるコネクタ嵌合部とが、コネクタハウジングにおける互いに直交した面に形成される一方、L字形をなす複数のタブ状端子が、それぞれの一端と他端とを基板装着部とコネクタ嵌合部とに臨ませた形態で埋設された構造となっている。
【0003】
この種のコネクタでは、真直なタブ状端子をハウジングに装着したのちL字形に曲げ形成するのは困難なことから、インサート成形により形成される場合が多い。一般的には、予めL字形に曲げ形成したタブ状端子をインサート部材とした一次インサート成形を行うことで、中子にタブ状端子が装着されたアッセンブリを形成し、さらに同アッセンブリをインサート部材とした二次インサート成形を行うことで、当該コネクタを形成するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−18633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところでインサート成形では、インサート部材を成形金型にセットする場合等、手作業に依存する場合が多く、そのまま製造コストの上昇に繋がるために、その解決策の出現が切望されていた。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、インサート成形を減じた形態で製造できるコネクタを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のコネクタは、プリント基板が装着される第1凹部と、相手側コネクタが嵌合される第2凹部とが、隔壁を介して互いに異なった面に開口した形態で形成されたコネクタハウジングと、複数のタブ状端子と、前記タブ状端子を所定の配列で装着した中子と、前記隔壁に設けられ前記中子が嵌着される取付孔と、が具備され、前記ブ状端子を装着した前記中子が前記両凹部のうち一方の凹部に挿入されたのち、前記タブ状端子の一端を他方の凹部に進入させつつ前記中子が前記隔壁の前記取付孔に嵌着される構成となっており、前記タブ状端子を装着した前記中子が初めに挿入される側の前記凹部には、前記隔壁と直交した位置において前記中子が摺接可能な摺接面が設けられ、この摺接面と前記中子の対向面とには、互いに係合して前記中子を前記取付孔に向けて摺動案内するガイドが設けられているところに特徴を有する。
【0007】
コネクタは以下のようにして製造される。まず、中子に対して複数のタブ状端子が所定の配列で装着される。次にタブ状端子が装着された中子が、コネクタハウジングにおける一方の凹部に挿入され、続いてタブ状端子の一端を隔壁の取付孔を貫通して他方の凹部に進入させつつ中子が同取付孔に嵌着され、これにより、タブ状端子の一端と他端とがそれぞれ対応する凹部に臨んだ形態のコネクタが製造される。
【0008】
例えば、タブ状端子を圧入等によって直接に隔壁を貫通した形態で装着すれば、インサート成形は不要となるが、この手段では、複数のタブ状端子を所定に整列して配することが難しい。その点本発明では、複数本のタブ状端子を予め中子に装着しておいて、同中子を嵌着によってコネクタハウジングに対して装着するようにしたから、複数のタブ状端子の所定の配列を確保した上で、少なくとも中子を装着する工程ではインサート成形を回避したことによって、製造コストの低減を図ることが可能となる。
タブ状端子を装着した中子を所定の凹部に挿入されたのち、同凹部の摺接面と中子の対向する面に設けられたガイドを係合させ、引き続きガイドに沿って中子を摺動させることで同中子が隔壁の取付孔に案内される。中子を隔壁の取付孔に嵌着する作業を正確にかつ迅速に行うことができる。
【0009】
また、以下のような構成としてもよい。
(1)前記タブ状端子がL字形に曲げ形成される一方、前記コネクタハウジングにおける前記第1凹部と前記第2凹部とが互いに直交した面に形成されている。第1凹部と第2凹部とがいわゆる背中合わせの形態で形成されている場合と比べると、コネクタハウジングの全長を短くしたコネクタを得ることができる。
(2)前記タブ状端子が前記中子に対して圧入により装着されている。コネクタを全くのインサート成形なしで製造することができ、製造コストのさらなる低減を図ることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のコネクタによれば、タブ状端子の所定の配列を確保した上で、安価に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態1に係るコネクタハウジングの平面図
図2】同正面図
図3】中子に対するタブ状端子の装着動作を示す縦断面図
図4】中子にタブ状端子が装着されたアッセンブリの縦断面図
図5】同側面図
図6】同平面図
図7】同正面図
図8】アッセンブリのコネクタハウジングに対する初期装着動作を示す縦断面図
図9】アッセンブリの装着完了時のコネクタの縦断面図
図10】同平面図
図11】同正面図
図12】本発明の実施形態2に係る中子にタブ状端子が装着されたアッセンブリの縦断面図
図13】アッセンブリのコネクタハウジングに対する初期装着動作を示す縦断面図
図14】アッセンブリの装着完了時のコネクタの縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図11によって説明する。この実施形態1のコネクタは、図9等に示すように、コネクタハウジング10と、2本のタブ状端子30と、両タブ状端子30を装着する中子40とを備えて構成されている。
【0014】
コネクタハウジング10(以下、単にハウジング10)は、合成樹脂材の射出成形によって形成されており、図1図2及び図8に示すように、全体としては前後方向に長い形状に形成され、後部側にプリント基板P(図9参照)が装着される基板装着部11が、前部側に相手側コネクタ(図示せず)が嵌合されるコネクタ嵌合部12が隔壁13を介して並んで形成されている。
【0015】
基板装着部11は上面開口の角箱状に形成されており、同基板装着部11の前壁が上記した隔壁13となっている。基板装着部11の内部が第1凹部15となっており、その周面は、深さ方向の下側領域が、上側領域と比べて断面形状が一回り小さくなった段差状に形成されている(段差部16)。ただし、段差部16の前壁部分の中央幅位置では、所定幅に亘って切除部17が形成されている。第1凹部15内にはプリント基板Pが緊密に嵌められ、その四縁辺が上記した段差面16Aに載置可能となっている。
【0016】
コネクタ嵌合部12は、隔壁13の外面から前方に開口した角筒状の形態で形成されており、このコネクタ嵌合部12の内部が第2凹部20となっている。コネクタ嵌合部12には、上記のように相手側コネクタが前方から嵌合されるようになっており、コネクタ嵌合部12の上面には、相手側コネクタに設けられたロックアームと係合して同相手側コネクタとの間を正規嵌合状態にロックするためのロック突部21が設けられている。
第2凹部20の奥面(隔壁13)には、図2に示すように、中心よりも少し下方位置において、正面視横長の長方形をなす取付孔23が、第1凹部15側に貫通した形態で形成されている。この取付孔23は、後記する中子40を圧入する圧入孔として機能する。
【0017】
タブ状端子30は、導電性に優れた金属板をプレス加工する等により形成されており、各コネクタについて2本ずつが準備されている。タブ状端子30は、図3に示すように、真直姿勢の端子素材が、長さ方向の中心よりも後端寄りの位置で直角曲げされることより、前側が水平部32で後側が上向きの垂直部31となったL字形に形成されている。
垂直部31の先端がプリント基板Pと接続される基板接続端33であり、一方水平部32の先端が、相手側コネクタに収容された相手側の雌端子(図示せず)と接続される端子接続端34となっている。
【0018】
上記した2本のタブ状端子30を装着する中子40は、合成樹脂材による射出成形によって形成され、図6図7にも示すように、上記した第1凹部15の下側領域の前面に形成された切除部17に緊密に嵌る本体部41の前面に、取付孔23に緊密に嵌る圧入部42が形成された形状である。
【0019】
より詳細には、図8に参照して示すように、基板装着部11における第1凹部15の底面上において、中子40の本体部41が切除部17の正面に対応して載せられた場合に、圧入部42は取付孔23と同一軸線上に位置するようになっている。第1凹部15の底面は、中子40の本体部41を載せて摺接させる摺接面18となる。
また、中子40の本体部41が切除部17に正規に嵌った場合には、図10に参照して示すように、本体部41の上面が段差面16Aと面一に位置し、本体部41の上面と段差面16Aとを合わせて方形枠状をなす載置面19が形成されるようになっている。
【0020】
中子40内には、前後面に開口した形態の左右2本の圧入溝43が、水平方向に所定間隔を開けて互いに平行に形成されている。
各圧入溝43には、図3に示すように、タブ状端子30が端子接続端34を前に向けた姿勢において後方から挿入(圧入)可能となっている。タブ状端子30の水平部32の根元側の所定位置には、圧入溝43の後面側の口縁に当たって同タブ状端子30の押し込みを停止するストッパ35が張り出し形成されている。
ここで、圧入溝43の後面側の口縁には、テーパ状の誘い込み口を形成してもよく、また、タブ状端子30の水平部32の途中位置には、圧入溝43の壁面に食い込む例えば楔部を設けてもよい。
【0021】
中子40の圧入部42における上下左右の4面には、それぞれ中央幅位置において、前後方向に延びた断面三角形をなすリブ45が奥行一杯に亘って形成されている。各リブ45の先端は、誘い込み用にテーパ状とされている。
【0022】
基板装着部11における第1凹部15の底面は、上記のように中子40を摺接させる摺接面18となっており、同摺接面18における上記した切除部17内の位置からその正面位置に亘り、断面三角形をなす前後方向に延びた左右一対のガイドレール25が、所定間隔を開けて互いに平行に形成されている。
一方、中子40の本体部41の底面には、上記したガイドレール25に嵌る同じく断面三角形をなす一対のガイド溝47が形成されている。
【0023】
続いて、コネクタの製造手順の一例を説明する。
所定のL字形に曲げ形成された2本のタブ状端子30が、図3に示すように、端子接続端34を前方に向けた姿勢において、中子40に形成された圧入溝43に対して後方から圧入される。図4に示すように、ストッパ35が圧入溝43の後面の口縁に当たったところで押し込みが停止され、図4ないし図7に示すように、中子40に対して2本のタブ状端子30が装着されたアッセンブリ49が形成される。このアッセンブリ49は、中子40における圧入部42の前面から両タブ状端子30の端子接続端34が左右に並んで前方に突出し、また、本体部41の後面から両タブ状端子30の基板接続端33が後方に突出したのち上向きに並んで立ち上がった形態となる。
【0024】
このようなアッセンブリ49が、図8の矢線aに示すように、ハウジング10における基板装着部11の第1凹部15内に上方から挿入され、中子40の本体部41の下面に形成されたガイド溝47をガイドレール25に嵌めつつ、第1凹部15の底面である摺接面18上に載せられる。そののちアッセンブリ49を、ガイドレール25に沿って同図の矢線bに示すように前方に移動させると、両タブ状端子30の端子接続端34側が取付孔23を貫通してコネクタ嵌合部12における第2凹部20の奥側に進入しつつ、中子40の圧入部42が取付孔23の後縁に整合して当たる。さらに中子40を押し込むと、4面に設けられたリブ45を潰しつつ圧入部42が取付孔23内に圧入され、図9に示すように本体部41が隔壁13に当たったところで押し込みが停止され、中子40の本体部41が切除部17にすっぽりと嵌りつつ、圧入部42が取付孔23に嵌着された状態で組み付けが完了する。
【0025】
このように組み付けが完了した状態では、図10及び図11にも示すように、コネクタ嵌合部12側では、第2凹部20の奥面から、両タブ状端子30の端子接続端34が左右に並んで手前側に所定寸法突出した状態となる。一方、基板装着部11側では、第1凹部15における隔壁13に寄った位置において、両タブ状端子30の基板接続端33が、左右に並んでプリント基板Pの載置面19よりも所定寸法上方位置まで上向きに突出した状態となる。
【0026】
そののち、基板装着部11側ではプリント基板Pが入れられて、載置面19に載せられる。これに伴い、両タブ状端子30の基板接続端33がプリント基板Pのスルーホールを貫通してその上面に突出するから、対応するランドに半田付けされて接続される。また必要に応じて、プリント基板Pの上面側にはポッティング剤が充填される。
以上のように製造されたコネクタは、機器等の固定部材に取り付けられ、コネクタ嵌合部12に相手側コネクタが嵌合される形態で使用される。
【0027】
以上のように本実施形態のコネクタは、中子40にタブ状端子30を圧入により装着したのち、中子40(圧入部42)をハウジング10の隔壁13の取付孔23に圧入により嵌着することで組み付けられ、すなわち全くのインサート成形なしで製造することができる。ここで例えば、タブ状端子30を圧入等によって直接に隔壁13を貫通した形態で装着すると、中子は不要にできるのであるが、この手段では、タブ状端子30を所定に整列して配することが難しい。それに対して本実施形態では、上記のように2本のタブ状端子30を予め中子40に圧入により装着しておいて、同中子40を改めて取付孔23に圧入してハウジング10に装着するようにしたから、両タブ状端子30を正規の配列で装着することができる。そのため、基板装着部11の載置面19にプリント基板Pを載置した場合に、両タブ状端子30の基板接続端33を対応するスルーホールにスムーズに挿入することができる等、製造時間の短縮が図られる。結果、製造コストの低減を図ることができる。
【0028】
アッセンブリ49(タブ状端子30と中子40)を隔壁13の取付孔23に嵌着する場合において、アッセンブリ49を第1凹部15に入れてガイド溝47とガイドレール25とを合わせ、引き続きガイドレール25に沿って摺接面18上を前方に移動させれば中子40の圧入部42が取付孔23に正確に案内されるから、直ちに中子40の圧入部42を取付孔23に圧入することができる。すなわち、中子40を隔壁13の取付孔23に嵌着する作業を正確にかつ迅速に行うことができる。
【0029】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図12ないし図14によって説明する。
この実施形態では、中子50をハウジング10の隔壁13の取付孔55に嵌着する工法に変更が加えられている。
この実施形態では、中子50の形状が、図12に示すように、実施形態1の中子40よりも幅広の本体部51の前面に嵌合部52が突出形成され、かつ本体部51の前面における嵌合部52の回りに突条53が形成された形状となっている。
【0030】
一方、ハウジング10における基板装着部11とコネクタ嵌合部12との間の隔壁13には、図13に示すように、中子50の本体部51の前側部分から嵌合部52が嵌る段差状の取付孔55が形成されている。
その他の構造については上記実施形態1と同様であって、実施形態1と同様の機能を有する部位、部材については、同一符号を付すことによって説明を省略または簡略化する。
【0031】
本実施形態のコネクタの組み付け手順は以下のようである。
2本のタブ状端子30を中子50に対して圧入により装着したアッセンブリ49Aが、図13の矢線cに示すように、基板装着部11の第1凹部15内に上方から挿入されて底面である摺接面18に載せられ、そののちアッセンブリ49Aを矢線dに示すように摺接面18上を前方に摺接させると、両タブ状端子30の端子接続端34が取付孔55を貫通してコネクタ嵌合部12の第2凹部20の奥側に進入しつつ、中子50の本体部51の前側部分から嵌合部52が取付孔55に嵌り、突条53が段差面55Aに押し付けられた形態で押し込みが停止される。
【0032】
そして、中子50を隔壁13に向けて押し付けた状態で加熱することにより、主に突条53の部分が溶着されることによって、図14に示すように、中子50の本体部51から嵌合部52が、切除部17から取付孔55にすっぽりと嵌着された状態で組み付けが完了する。
実施形態2のコネクタにおいても、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
なお、実施形態2でも、アッセンブリ49Aを隔壁13の取付孔55に向けて案内するガイド手段を設けてもよい。
【0033】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)中子をハウジングの隔壁の取付孔に嵌着する手段としては、上記実施形態に例示した圧入、溶着の他、接着によってもよい。
(2)上記実施形態では、タブ状端子を予めL字形に曲げ形成したのち中子に装着する場合を例示したが、タブ状端子を真直姿勢のままで中子に装着したのち後曲げでL字形に形成してもよい。
(3)中子にタブ状端子を装着してなるアッセンブリについては、インサート成形によって形成してもよい。
【0034】
(4)コネクタハウジングの形態として、プリント基板が装着される第1凹部と、相手側コネクタが嵌合される第2凹部とが背中合わせに設けられたものであってもよく、その場合はタブ状端子は真直姿勢のものが適用可能である
(5)上記実施形態では、アッセンブリを初めに第1凹部に挿入してから中子を隔壁の取付孔に嵌着する場合を例示したが、第1凹部と第2凹部の開口の向きや形状等の条件によっては、どちらの凹部にアッセンブリを初めに挿入するようにしてもよい。
(6)中子を案内するガイド手段としては、ガイドレールとガイド溝との形成位置が上記実施形態とは逆であってもよい。またガイドレールとガイド溝の断面形状も半円形等の他の形状であってもよい
【符号の説明】
【0035】
P…プリント基板
10…コネクタハウジング
11…基板装着部
12…コネクタ嵌合部
13…隔壁
15…第1凹部
18…摺接面
20…第2凹部
23…取付孔
25…ガイドレール(ガイド)
30…タブ状端子
33…基板接続端
34…端子接続端
40…中子
42…圧入部
43…圧入溝
47…ガイド溝(ガイド)
49,49A…アッセンブリ
50…中子
53…突条
55…取付孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図14