特許第5768779号(P5768779)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5768779
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】ホースレスガン
(51)【国際特許分類】
   B05C 5/00 20060101AFI20150806BHJP
   B05C 17/015 20060101ALI20150806BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20150806BHJP
【FI】
   B05C5/00 A
   B05C17/015
   B05C11/10
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-170095(P2012-170095)
(22)【出願日】2012年7月31日
(65)【公開番号】特開2014-28344(P2014-28344A)
(43)【公開日】2014年2月13日
【審査請求日】2014年10月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】特許業務法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】犬塚 友樹
(72)【発明者】
【氏名】山形 悠介
【審査官】 大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−033261(JP,A)
【文献】 実開昭61−048085(JP,U)
【文献】 米国特許第2818999(US,A)
【文献】 特開昭56−063174(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C5/00−21/00
F16K31/12−31/165,31/36−31/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピストンを摺動可能に収容し、該ピストンに対する前端側に、粘性流体を充填する前端側シリンダ室を有するとともに、上記ピストンに対する後端側に、作動気体が充填された後端側シリンダ室を有するシリンダタンクと、
上記粘性流体を吐出するためのノズルと、
上記ノズルの開度を調整するバルブと、
上記前端側シリンダ室から上記バルブの一端部まで形成され、該一端部に対して上記ノズルを開ける方向に上記粘性流体の圧力を加えるための流体圧力形成部と、
上記後端側シリンダ室から上記バルブの他端部まで形成され、該他端部に対して上記ノズルを閉じる方向に上記作動気体の圧力を加えるための気体圧力形成部と、
上記ノズルを開ける方向に上記バルブを付勢する付勢手段と、を備えており、
上記バルブの他端部における加圧断面積は、上記バルブの一端部における加圧断面積よりも大きくなっており、
上記流体圧力形成部から上記バルブの一端部に加わる力をP1、上記気体圧力形成部から上記バルブの他端部に加わる力をP2、上記付勢手段から上記バルブに加わる反力をP3としたとき、P3=P2−P1の関係を有しており、
上記粘性流体が上記ノズルから吐出されて上記作動気体の圧力が減少するに連れて、P2−P1が減少し、上記バルブが上記ノズルの開度を増加させるよう構成されていることを特徴とするホースレスガン。
【請求項2】
請求項1に記載のホースレスガンにおいて、上記作動気体は、上記後端側シリンダ室に密封されており、
上記前端側シリンダ室への上記粘性流体の充填は、該粘性流体の充填時圧力によって上記ピストンを後端側へ押し出すことによって、上記後端側シリンダ室に充填された上記作動気体を圧縮しながら行うよう構成されており、
上記粘性流体の充填と吐出とを繰り返し行うよう構成されていることを特徴とするホースレスガン。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のホースレスガンにおいて、上記バルブは、上記シリンダタンクに形成された収容部に摺動可能に配置され、上記一端部に円錐状のニードル部を有しており、
上記ノズルの端部には、上記ニードル部が挿入配置されて、上記ノズルに流入する上記粘性流体の流量を調整する流量制御隙間が形成されていることを特徴とするホースレスガン。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のホースレスガンにおいて、上記付勢手段は、上記収容部に設けられた壁部と上記バルブの上記他端部との間であって上記バルブの外周側に配置された圧縮コイルバネであり、
上記ノズルには、該ノズルの開閉を行う開閉用アクチュエータが配設されていることを特徴とするホースレスガン。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のホースレスガンにおいて、上記付勢手段は、上記収容部に設けられた壁部と上記バルブの上記他端部との間であって上記バルブの外周側に形成されたガススプリングであり、
該ガススプリングには、該ガススプリングへ供給する気体の圧力を変化させる気体供給手段が設けられており、
該気体供給手段による上記気体の供給を遮断又は減少させることによって上記ノズルを閉じ、上記気体供給手段による上記気体の供給を行うことによって上記ノズルを開けるよう構成されていることを特徴とするホースレスガン。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のホースレスガンにおいて、上記シリンダタンクは、上記後端側シリンダ室の側に、多関節ロボットの先端部に取り付け可能なベース部材を有しており、
上記多関節ロボットによって移動して、上記粘性流体を貯留する供給タンクから上記前端側シリンダ室への上記粘性流体の充填、及び上記ノズルからの吐出される上記粘性流体の被塗布対象への塗布を行うよう構成されていることを特徴とするホースレスガン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘性流体をノズルから吐出させて使用するホースレスガンに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の製造工場等においては、パネル同士の接着及び封止等を行うために、シーラーを用いている。このシーラーは、作業場から離れた位置にシーラータンクを設け、シーラータンクから圧送ポンプによって配管を通して作業場まで供給している。また、シーラーは、作業員又はロボットによって把持されるシーラーガンまでは、配管にホースを接続して供給している。そして、シーラー作業は、シーラーガンにホースを接続した状態で行っている。
このようなシーラーガンとしては、例えば、特許文献1に開示されたものがある。そこには、コーキング材の吐出及び充填の双方を、高圧空気を用いて自在に行うコーキングガンについて開示されている。
【0003】
また、シーラーのホースをなくしたホースレスガンとしては、例えば、特許文献2に開示されたものがある。特許文献2のコーキングガンにおいては、ガン本体に対して、圧縮気体充填用の気体チャンバーを設けることが開示されている。そこには、気体チャンバーに充填した圧縮エアによって、ガン本体に装着したカートリッジに充填したコーキング剤を押し出すことが開示されている。
なお、ホースレスガンの開発にあたり、作業性を損なわない軽量なガンとするために、動力源には圧縮気体が利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−232263号公報
【特許文献2】特開2002−332744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、引用文献1に示されるコーキングガン(シーラーガン)においては、高圧空気源に取り付けられる空気のホースが接続された状態でシーラー作業を行う必要がある。そのため、作業範囲に制約がかかるだけでなく、空気のホースが車両に接触することによって不具合が発生するおそれもある。
また、一般的に圧縮機から供給される圧縮エアの圧力は、概ね0.4〜0.7MPaである。特許文献2のコーキングガンにおいて、これ以上の圧力で気体チャンバーに圧縮エアを充填するためには、別の圧縮機を用いる必要がある。また、特許文献2においては、ガン本体に対して着脱するカートリッジを用いており、コーキング剤を再充填する際に、カートリッジの着脱に時間がかかる。
【0006】
また、シーラーガンを、シーラー又は空気のホースをなくしたホースレスガンとする場合には、シーラータンクからシーラーが多く吐出されるほど、ホースレスガンの空気タンクに充填された作動気体としての空気の圧力が低くなる。そのため、シーラーの吐出総量が増加するほど、その吐出圧力及び吐出流量が減少し、シーラーをできるだけ均一に吐出させることが困難になる。
【0007】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、作動気体の圧力が変化しても、粘性流体の吐出流量をできるだけ均一に保つことができるホースレスガンを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、ピストンを摺動可能に収容し、該ピストンに対する前端側に、粘性流体を充填する前端側シリンダ室を有するとともに、上記ピストンに対する後端側に、作動気体が充填された後端側シリンダ室を有するシリンダタンクと、
上記粘性流体を吐出するためのノズルと、
上記ノズルの開度を調整するバルブと、
上記前端側シリンダ室から上記バルブの一端部まで形成され、該一端部に対して上記ノズルを開ける方向に上記粘性流体の圧力を加えるための流体圧力形成部と、
上記後端側シリンダ室から上記バルブの他端部まで形成され、該他端部に対して上記ノズルを閉じる方向に上記作動気体の圧力を加えるための気体圧力形成部と、
上記ノズルを開ける方向に上記バルブを付勢する付勢手段と、を備えており、
上記バルブの他端部における加圧断面積は、上記バルブの一端部における加圧断面積よりも大きくなっており、
上記流体圧力形成部から上記バルブの一端部に加わる力をP1、上記気体圧力形成部から上記バルブの他端部に加わる力をP2、上記付勢手段から上記バルブに加わる反力をP3としたとき、P3=P2−P1の関係を有しており、
上記粘性流体が上記ノズルから吐出されて上記作動気体の圧力が減少するに連れて、P2−P1が減少し、上記バルブが上記ノズルの開度を増加させるよう構成されていることを特徴とするホースレスガンにある(請求項1)。
【発明の効果】
【0009】
上記ホースレスガンは、シリンダタンク内に、粘性流体を充填する前端側シリンダ室と、作動気体が充填された後端側シリンダ室とを有している。そして、被塗布対象に対して粘性流体を塗布する際には、ホースレスガンは、粘性流体のホース及び作動気体のホースを取り外して使用できるものである。
このホースレスガンにおいては、まず、後端側シリンダ室に作動気体を充填しておく。このとき、シリンダタンク内のピストンは、シリンダタンクの最も前端側に押し出される。次いで、作動気体の圧力よりも高い圧力で、粘性流体を前端側シリンダ室に充填する。このとき、粘性流体は、後端側シリンダ室における作動気体を圧縮しながら充填される。
【0010】
ところで、ホースレスガン内に充填された作動気体の圧力は、粘性流体が多く充填されているときには、後端側シリンダ室の容積減少によって高くなり、粘性流体の充填量が少なくなるに連れて、後端側シリンダ室の容積増加によって低くなる。このとき、バルブによるノズルの開度が常に同じであると、作動気体の圧力が低くなるほどノズルから吐出される粘性流体の流量が少なくなる。この場合、できるだけ均一な流量で、被塗布対象に対して粘性流体を塗布することが困難になる。
【0011】
そこで、上記ホースレスガンにおいては、ノズルの開度を調整するバルブに対して、ノズルを開ける方向に粘性流体の圧力を加えるための流体圧力形成部と、ノズルを閉じる方向に作動気体の圧力を加えるための気体圧力形成部と、ノズルを開ける方向に付勢する付勢手段とを設けている。また、バルブの他端部における加圧断面積を、バルブの一端部における加圧断面積よりも大きくしている。なお、加圧断面積とは、バルブが摺動する方向における投影面積のことである。
これらの構成により、気体圧力形成部からバルブの他端部に加わる力(作動気体によってノズルを閉じる方向にバルブに加わる力)P2から、流体圧力形成部からバルブの一端部に加わる力(粘性流体によってノズルを開ける方向にバルブに加わる力)P1を差し引いた力は、付勢手段からバルブに対してノズルを開ける方向に加わる反力P3と同じになる。そして、付勢手段の反力が作用していることにより、粘性流体の塗布をする際にノズルが開く状態が形成される。
【0012】
また、粘性流体がノズルから吐出されて、作動気体が膨張してその圧力が減少すると、作動気体によって直接又は間接的にバルブに加わる力P1,P2がともに減少する。なお、粘性流体は非圧縮性であるため、シリンダタンク内において粘性流体に加わる圧力は、圧縮気体による圧力とほぼ同じである。
また、力の差分であるP2−P1も減少し、反力であるP3も減少する。そして、作動気体の圧力が減少するに連れて、バルブがノズルを閉じようとする力が弱まり、バルブがノズルの開度を増加させることになる。
【0013】
これにより、粘性流体がノズルから吐出されて作動気体の圧力が減少するに伴って、バルブによるノズルの開度を増加させることができ、粘性流体の吐出流量が減少することを防止することができる。
そのため、上記ホースレスガンによれば、作動気体の圧力が変化しても、粘性流体の吐出流量をできるだけ均一に保つことができる。
【0014】
また、ホースレスガンにおいては、シリンダタンクの前端側シリンダ室に粘性流体を充填することにより、後端側シリンダ室内の作動気体を圧縮して、この作動気体の圧力を高めることができる。そのため、後端側シリンダ室に充填するときの作動気体の圧力を低くすることができ、充填時の圧力よりも高い圧力の作動気体を容易に作り出すことができる。
また、粘性流体をノズルから吐出させた後には、初期充填した作動気体を後端側シリンダ室内に維持したままで、再び前端側シリンダ室内に粘性流体を充填することができる。これにより、作動気体を再び充填することなく、前端側シリンダ室内に繰り返し粘性流体を充填することにより、繰り返し粘性流体をノズルから吐出させることができる。
【0015】
また、作動気体を初期充填するときだけ後端側シリンダ室内に作動気体のホースを接続すればよく、その後はこのホースを用いずに、繰り返しホースレスガンを使用することができる。
さらに、ホースレスガンにシリンダタンクを直接設けており、粘性流体を再充填する際にタンクとなるカートリッジを交換するような必要もない。これにより、カートリッジを廃止することができ、粘性流体の再充填を短時間に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施例にかかる、粘性流体が満タンに充填された状態のホースレスガンを示す断面説明図。
図2】実施例にかかる、粘性流体が吐出された状態のホースレスガンを示す断面説明図。
図3】実施例にかかる、ホースレスガンを拡大して示す断面説明図。
図4】実施例にかかる、ホースレスガンのバルブ周辺を拡大して示す断面説明図。
図5】実施例にかかる、ホースレスガンを取り付けた多関節ロボット、及びホースレスガンに粘性流体を供給する装置の周辺を示す説明図。
図6】実施例にかかる、バルブに作用する力の釣り合いを示す説明図。
図7】実施例にかかる、他のホースレスガンのバルブ周辺を拡大して示す断面説明図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
上述したホースレスガンにおける好ましい実施の形態につき説明する。
上記ホースレスガンにおいては、上記作動気体は、上記後端側シリンダ室に密封されており、上記前端側シリンダ室への上記粘性流体の充填は、該粘性流体の充填時圧力によって上記ピストンを後端側へ押し出すことによって、上記後端側シリンダ室に充填された上記作動気体を圧縮しながら行うよう構成されており、上記粘性流体の充填と吐出とを繰り返し行うよう構成されていてもよい(請求項2)。
この場合には、作動気体の再充填を行わずに、ホースレスガンを極めて簡単に繰り返し使用することができる。
【0018】
また、上記バルブは、上記シリンダタンクに形成された収容部に摺動可能に配置され、上記一端部に円錐状のニードル部を有しており、上記ノズルの端部には、上記ニードル部が挿入配置されて、上記ノズルに流入する上記粘性流体の流量を調整する流量制御隙間が形成されていてもよい(請求項3)。
この場合には、バルブのニードル部がノズルの端部に挿入配置される量を調整することにより、流量制御隙間の大きさを調整することができる。そのため、粘性流体の吐出流量の調整を容易に行うことができる。
【0019】
また、上記付勢手段は、上記収容部に設けられた壁部と上記バルブの上記他端部との間であって上記バルブの外周側に配置された圧縮コイルバネであり、上記ノズルには、該ノズルの開閉を行う開閉用アクチュエータが配設されていてもよい(請求項4)。
この場合には、圧縮コイルバネを用いることによって、粘性流体の吐出流量の調整を極めて容易に行うことができる。また、開閉用アクチュエータを用いてノズルの開閉を行うことにより、粘性流体の吐出の有無を容易に制御することができる。
【0020】
また、上記付勢手段は、上記収容部に設けられた壁部と上記バルブの上記他端部との間であって上記バルブの外周側に形成されたガススプリングであり、該ガススプリングには、該ガススプリングへ供給する気体の圧力を変化させる気体供給手段が設けられており、該気体供給手段による上記気体の供給を遮断又は減少させることによって上記ノズルを閉じ、上記気体供給手段による上記気体の供給を行うことによって上記ノズルを開けるよう構成されていてもよい(請求項5)。
この場合には、ガススプリング(ガスクッション)を用いることによって、粘性流体の吐出流量の調整を極めて容易に行うことができる。また、ガススプリングに気体を供給する気体供給手段を利用することにより、ノズルの開閉を容易に行うことができる。
なお、圧縮コイルバネの代わりにガススプリングを用い、ノズルの開閉は、開閉用アクチュエータによって行うことができる。
【0021】
また、上記シリンダタンクは、上記後端側シリンダ室の側に、多関節ロボットの先端部に取り付け可能なベース部材を有しており、上記多関節ロボットによって移動して、上記粘性流体を貯留する供給タンクから上記前端側シリンダ室への上記粘性流体の充填、及び上記ノズルから吐出される上記粘性流体の被塗布対象への塗布を行うよう構成されていてもよい(請求項6)。
この場合には、多関節ロボットによって、粘性流体を吐出するホースレスガンを移動させる際に、被塗布対象の各部位に塗布する粘性流体の量をできるだけ均一にすることができる。また、多関節ロボットによって、ホースレスガンに対する粘性流体の充填を容易に繰り返し行うことができる。
【実施例】
【0022】
以下に、ホースレスガンにかかる実施例につき、図面を参照して説明する。
本例のホースレスガン1は、図1図2図5に示すごとく、被塗布対象8に対する粘性流体Lの塗布を、粘性流体Lのホース及び作動気体Aのホースが取り付けられていない状態で行うことができるものである。ホースレスガン1は、次のシリンダタンク2、ノズル4、バルブ5、流体圧力形成部211、気体圧力形成部221及び付勢手段53を備えている。
シリンダタンク2は、ピストン3を摺動可能に収容し、ピストン3に対する前端側に、粘性流体Lを充填する前端側シリンダ室21を有するとともに、ピストン3に対する後端側に、作動気体Aが充填された後端側シリンダ室22を有している。ノズル4は、前端側シリンダ室21に対する前端側に設けられており、粘性流体Lを吐出するよう構成されている。バルブ5は、ノズル4と前端側シリンダ室21との間に設けられており、ノズル4の開度を調整するよう構成されている。
【0023】
図3に示すごとく、流体圧力形成部211は、バルブ5の前端部(一端部)501に対してノズル4を開ける方向に粘性流体Lの圧力を加えるために、前端側シリンダ室21からバルブ5の前端部501まで形成されている。気体圧力形成部221は、バルブ5の後端部(他端部)502に対してノズル4を閉じる方向に作動気体Aの圧力を加えるために、後端側シリンダ室22からバルブ5の後端部502まで形成されている。付勢手段53は、ノズル4を開ける方向にバルブ5を付勢するために、バルブ5の周囲に配置されている。バルブ5の後端部502における加圧断面積は、バルブ5の前端部501における加圧断面積よりも大きくなっている。
【0024】
ホースレスガン1は、流体圧力形成部211からバルブ5の前端部501に加わる力(前端側シリンダ室21に充填された粘性流体Lによってノズル4を開ける方向にバルブ5に加わる力)をP1、気体圧力形成部221からバルブ5の後端部502に加わる力(後端側シリンダ室22に充填された作動気体Aによってノズル4を閉じる方向にバルブ5に加わる力)をP2、付勢手段53からバルブ5に加わる反力(付勢手段53によってノズル4を開ける方向にバルブ5に加わる反力)をP3としたとき、P3=P2−P1の関係を有している。また、ホースレスガン1は、粘性流体Lがノズル4から吐出されて作動気体Aの圧力が減少するに連れて、P2−P1(及びP3)が減少し、バルブ5がノズル4の開度を増加させるよう構成されている。
【0025】
以下に、本例のホースレスガン1につき、図1図7を参照して詳説する。
図5に示すごとく、本例のホースレスガン1は、自動車の製造工場において、三次元に位置・姿勢を変更できる多関節ロボット6の先端部61に取り付けられ、この先端部61の移動によって、被塗布対象8に対して繰り返し粘性流体Lを塗布するよう構成されている。本例の粘性流体Lは、自動車のボディパネル、フレーム等を封止(シール)して接着するために用いるシーラー剤である。本例の作動気体Aは空気である。
【0026】
本例のバルブ5はシリンダタンク2と平行な方向に配置されており、本例のノズル4は、バルブ5と平行な方向に配置されている。そして、シリンダタンク2の前後方向(前端部)とバルブ5及びノズル4の前後方向(前端部)とは同じ方向になっている。
これ以外にも、バルブ5及びノズル4は、シリンダタンク2の前後方向に対して直交する方向又は傾斜する方向に向けて配置することもできる。
【0027】
図1図2に示すごとく、シリンダタンク2は、後端側シリンダ室22の側に、多関節ロボット6の先端部61に取り付け可能なベース部材11を有している。ベース部材11は、板形状を有しており、その一方面がビスによって多関節ロボット6の先端部61に取り付けられており、その他方面がビスによってシリンダタンク2に取り付けられている。
ホースレスガン1は、多関節ロボット6によって移動して、粘性流体Lを貯留する供給タンク71から前端側シリンダ室21への粘性流体Lの充填、及びノズル4からの吐出される粘性流体Lの被塗布対象8への塗布を行うよう構成されている。
【0028】
図5に示すごとく、供給タンク71には、粘性流体Lを加熱してその粘度を所定の範囲に保つための温度調整配管72が接続されており、温度調整配管72には、ホースレスガン1に粘性流体Lを充填する充填ユニット73が接続されている。また、供給タンク71には、温度調整配管72へ粘性流体Lを送り出すための供給ポンプ711が配設されている。また、温度調整配管72には、充填ユニット73へ供給する粘性流体Lの圧力を減圧する減圧装置721が配設されている。
充填ユニット73及び減圧装置721は、温度調整配管72に対して複数取り付けられており、いずれかの充填ユニット73からホースレスガン1へ粘性流体Lを充填している間に、他の充填ユニット73において供給タンク71から粘性流体Lを充填できるようになっている。
【0029】
図3に示すごとく、ホースレスガン1は、粘性流体Lを充填したカートリッジを用いないものであり、シリンダタンク2自体に粘性流体Lを充填するよう構成されている。シリンダタンク2内のピストン3は、シリンダタンク2の内周面を前後方向に自由に摺動可能になっている。ピストン3は、後端側シリンダ室22の側が凹形状に窪む器形状に形成されており、その外周に摺動用のパッキン31を有している。シリンダタンク2の内周面の中間位置には、ピストン3の後端部が当接する突起23が形成されている。シリンダタンク2の前端側シリンダ室21に粘性流体Lを充填するときには、後端側シリンダ室22内の作動気体Aを圧縮しながらピストン3が後方へ移動し、ピストン3が突起23に当接したときに、粘性流体Lが前端側シリンダ室21内に満タン状態に充填される。
【0030】
図3に示すごとく、シリンダタンク2の前端側の位置には、前端側シリンダ室21へ粘性流体Lを充填するための流体充填口212が設けられている。シリンダタンク2の後端側の位置には、後端側シリンダ室22へ作動気体Aを充填するための気体充填口222が設けられている。
流体充填口212は、流体用のカプラによって形成してある。流体用のカプラは、通常は流体充填口212を閉塞しており、流体充填口212が充填ユニット73の供給口に装着されたときに流体充填口212を開口させるよう構成されている。また、本例においては、多関節ロボット6によってホースレスガン1を移動させ、流体充填口212を充填ユニット73の供給口に接続して、前端側シリンダ室21へ粘性流体Lを充填することができる。
【0031】
気体充填口222は、気体用のカプラによって形成してある。気体用のカプラは、通常は気体充填口222を閉塞しており、気体供給配管(図示略)の供給口に装着されたときに気体充填口222を開口させるよう構成されている。ホースレスガン1を使用するに当たっては、予め、気体充填口222を気体供給配管の供給口に接続して、後端側シリンダ室22へ作動気体Aを充填しておく。作動気体Aは、粘性流体Lを繰り返し再充填する際に補充する必要はないが、例えば、メンテナンスの際に、粘性流体Lの吐出に必要とされる所定の規定圧力よりも低下したときには適宜補充することができる。
【0032】
図3に示すごとく、シリンダタンク2の前端側シリンダ室21が形成された前端側には、前端側シリンダ室21と隔離して、バルブ5を収容する収容部24が形成されている。前端側シリンダ室21における前端側部分には、バルブ5が収容されていない状態のときに収容部24に連通される吐出通路部25が形成されている。また、作動気体Aが充填される後端側シリンダ室22と収容部24の後端側との間は、気体配管26によって接続されている。
【0033】
図4に示すごとく、バルブ5は、円柱形状の細径部51と、細径部51よりも拡径した後端部502とによって形成されている。細径部51の外周と後端部502の外周とには、収容部24の内周面を摺動させるためのパッキン52が設けられている。バルブ5の細径部51の前端部501には、円錐状のニードル部511が形成されている。ニードル部511は、吐出通路部25内に配置されている。バルブ5の後端部502は、その後端側に、作動気体Aによる圧力を受ける後端面54を有している。
【0034】
本例の付勢手段53は、収容部24の内周面に設けられた壁部241とバルブ5の後端部502との間であってバルブ5の外周側に配置された圧縮コイルバネ53である。圧縮コイルバネ53は、壁部241に受け止められた状態で、作動気体Aの圧力を受ける後端部502によって圧縮されて配置される。
ノズル4の後端部402には、ノズル4の開閉を行う開閉用アクチュエータ42が配設されている。開閉用アクチュエータ42は、電動式のソレノイドバルブ5等として構成することができる。また、ノズル4の後端部402には、ニードル部511が挿入配置されて、ノズル4に流入する粘性流体Lの流量を調整する流量制御隙間41が形成されている。バルブ5が前端側へ移動すると、ニードル部511がノズル4の後端部402に挿入配置される量が多くなって、流量制御隙間41が小さくなり、粘性流体Lの吐出流量が減少する。これに対し、バルブ5が後端側へ移動すると、ニードル部511がノズル4の後端部402に挿入配置される量が少なくなって、流量制御隙間41が大きくなり、粘性流体Lの吐出流量が増加する。
【0035】
図3に示すごとく、気体圧力形成部221は、後端側シリンダ室22からバルブ5の後端部502まで繋がる気体配管26によって形成されている。バルブ5の後端部502には、気体圧力形成部221を介して後端側シリンダ室22内の作動気体Aの圧力とほぼ同じ圧力が加わる。流体圧力形成部211は、前端側シリンダ室21からバルブ5の前端部501まで繋がる吐出通路部25によって形成されている。
図4に示すごとく、気体圧力形成部221により、バルブ5の後端面54に対して、ノズル4を閉じる方向に作動気体Aの圧力が加わり、流体圧力形成部211により、バルブ5のニードル部511に対して、ノズル4を開ける方向に作動気体Aによる圧力が粘性流体Lを介して加わる。
【0036】
本例の作動気体Aは、気体充填口222から充填されて、後端側シリンダ室22及び気体配管26(気体圧力形成部221)に密封されている。前端側シリンダ室21への粘性流体Lの充填は、粘性流体Lの充填時圧力によってピストン3を後端側へ押し出すことによって、後端側シリンダ室22及び気体配管26(気体圧力形成部221)に充填された作動気体Aを圧縮しながら行う。そして、ホースレスガン1は、粘性流体Lの充填と吐出とを繰り返し行うよう構成されている。
【0037】
次に、本例のホースレスガン1の動作及び作用効果につき説明する。
ホースレスガン1は、シリンダタンク2内に、粘性流体Lを充填する前端側シリンダ室21と、作動気体Aが充填された後端側シリンダ室22とを有している。そして、被塗布対象8に対して粘性流体Lを塗布する際には、ホースレスガン1は、粘性流体Lのホース及び作動気体Aのホースを取り外して使用できるものである。
【0038】
このホースレスガン1においては、まず、後端側シリンダ室22へ気体充填口222から作動気体Aを充填しておく。このとき、シリンダタンク2内のピストン3は、シリンダタンク2の最も前端側に押し出される。次いで、多関節ロボット6によってホースレスガン1を充填ユニット73へ移動させ、充填ユニット73の供給口に流体充填口212を接続する。そして、作動気体Aの圧力よりも高い充填時圧力で、粘性流体Lを前端側シリンダ室21に充填する。このとき、粘性流体Lは、後端側シリンダ室22における作動気体Aを圧縮して充填される。
なお、粘性流体Lは非圧縮性であるため、粘性流体Lの充填が終わった後には、シリンダタンク2内において粘性流体Lに加わる圧力は、圧縮性の作動気体Aによる圧力とほぼ同じになる。
【0039】
ところで、ホースレスガン1内に充填された作動気体Aの圧力は、粘性流体Lが多く充填されているときには、後端側シリンダ室22の容積減少によって高くなり、粘性流体Lの充填量が少なくなるに連れて、後端側シリンダ室22の容積増加によって低くなる。このとき、バルブ5によるノズル4の開度が常に同じであると、作動気体Aの圧力が低くなるほどノズル4から吐出される粘性流体Lの流量が少なくなる。この場合、できるだけ均一な流量で、被塗布対象8に対して粘性流体Lを塗布することが困難になる。
【0040】
そこで、ホースレスガン1においては、ノズル4の開度を調整するバルブ5に対して、ノズル4を開ける方向に粘性流体Lの圧力を加えるための流体圧力形成部211と、ノズル4を閉じる方向に作動気体Aの圧力を加えるための気体圧力形成部221と、ノズル4を開ける方向に付勢する付勢手段53とを設けている。
また、図6に示すごとく、バルブ5の後端部502における後端面54の加圧断面積A2を、バルブ5の前端部501におけるニードル部511の加圧断面積A1よりも大きくしている。なお、加圧断面積A1は、バルブ5の摺動方向に投影されるニードル部511の面積となり、ニードル部511の断面積となる。加圧断面積A2は、後端面54の面積と同じである。
【0041】
これらの構成により、同図に示すごとく、気体圧力形成部221からバルブ5の後端部に加わる力(作動気体Aによってノズル4を閉じる方向にバルブ5に加わる力)P2から、流体圧力形成部211からバルブ5の前端部に加わる力(粘性流体Lによってノズル4を開ける方向にバルブ5に加わる力)P1を差し引いた力は、付勢手段53からバルブ5に対してノズル4を開ける方向に加わる反力P3と同じになる。そして、付勢手段53の反力P3がバルブ5に作用していることにより、粘性流体Lの塗布をする際にノズル4が開いた状態が形成される。
【0042】
また、粘性流体Lがノズル4から吐出されて、作動気体Aが膨張してその圧力が減少すると、作動気体Aによって直接又は間接的にバルブ5に加わる力P1,P2がともに減少する。また、このとき、力の差分であるP2−P1も減少し、反力であるP3も減少する。そして、作動気体Aの圧力が減少するに連れて、バルブ5がノズル4を閉じようとする力が弱まり、バルブ5がノズル4の開度を増加させることになる。
【0043】
これにより、粘性流体Lがノズル4から吐出されて作動気体Aの圧力が減少するに伴って、バルブ5によるノズル4の開度を増加させることができ、粘性流体Lの吐出流量が減少することを防止することができる。
そのため、本例のホースレスガン1によれば、作動気体Aの圧力が変化しても、粘性流体Lの吐出流量をできるだけ均一に保つことができる。
【0044】
また、ホースレスガン1においては、シリンダタンク2の前端側シリンダ室21に粘性流体Lを充填することにより、後端側シリンダ室22内の作動気体Aを圧縮して、この作動気体Aの圧力を高めることができる。そのため、後端側シリンダ室22に充填するときの作動気体Aの圧力を低くすることができ、充填時の圧力よりも高い圧力の作動気体Aを容易に作り出すことができる。
また、粘性流体Lをノズル4から吐出させた後には、初期充填した作動気体Aを後端側シリンダ室22内に維持したままで、再び前端側シリンダ室21内に粘性流体Lを充填することができる。これにより、作動気体Aを再び充填することなく、前端側シリンダ室21内に繰り返し粘性流体Lを充填することにより、繰り返し粘性流体Lをノズル4から吐出させることができる。
【0045】
また、作動気体Aを初期充填するときだけ後端側シリンダ室22内に作動気体Aのホースを接続すればよく、その後はこのホースを用いずに、繰り返しホースレスガン1を使用することができる。さらに、ホースレスガン1にシリンダタンク2を直接設けており、粘性流体Lを再充填する際にタンクとなるカートリッジを交換するような必要もない。これにより、カートリッジを廃止することができ、粘性流体Lの再充填を短時間に行うことができる。
【0046】
上記粘性流体Lの吐出流量をできるだけ均一にできる作用効果は、次のように説明できる。
図6に示すごとく、バルブ5に作用する力の釣り合いより、P2−P1=P3となり、P2−P1をΔPとして、ΔP=k×xとなる。そして、圧縮コイルバネ53の圧縮量xが小さくなるほど、流量制御隙間41が大きくなり(バルブ5のニードル部511がノズル4の後端部402に挿入配置される量が小さくなり)、粘性流体Lの吐出流量が増加する。
ここで、バルブ5の前端部501におけるニードル部511の断面積をA1、バルブ5の後端面54の断面積をA2、圧縮コイルバネ53のバネ定数をkとする。
【0047】
粘性流体Lの充填初期時(満タン充填時)101(図1参照)において、シリンダタンク2内の作動気体Aの圧力をpa、流体圧力形成部211からバルブ5の前端部501におけるニードル部511に加わる力をP1a、気体圧力形成部221からバルブ5の後端面54に加わる力をP2a、圧縮コイルバネ53の圧縮量をxa、圧縮コイルバネ53からバルブ5に加わる反力をP3a=k×xaとする。
また、粘性流体Lが所定量吐出された吐出時102(図2参照)において、シリンダタンク2内の作動気体Aの圧力をpb、流体圧力形成部211からバルブ5の前端部501におけるニードル部511に加わる力をP1b、気体圧力形成部221からバルブ5の後端面54に加わる力をP2b、圧縮コイルバネ53の圧縮量をxb、圧縮コイルバネ53からバルブ5に加わる力をP3b=k×xbとする。
【0048】
そして、説明を簡単にするため、充填初期時101においては、pa=1、A1=1、A2=2、k=1とすると、P1a=pa×A1=1×1=1、P2a=pa×A2=1×2=2となり、ΔPa=P2a−P1a=1となる。そして、このときの圧縮コイルバネ53に生じる反力P3aはP3a=1となり、その圧縮量はxa=1となる。充填初期時101においては、圧力差ΔPa及び圧縮コイルバネ53の圧縮量xaが大きく、バルブ5のニードル部511がノズル4の後端部402を多く閉じ、ノズル4の流量制御隙間41が小さい状態にある。こうして、充填初期時101においては、作動気体Aの圧力が高い一方、流量制御隙間41が小さいことによって、粘性流体Lの吐出流量を所定の流量にする状態が形成される。
【0049】
一方、粘性流体Lが所定量吐出された吐出時102においては、作動気体Aの圧力が減少して、pb=0.5になったとすると、P1b=pb×A1=0.5×1=0.5、P2b=pb×A2=0.5×2=1となり、ΔPb=P2b−P1b=0.5となる。そして、このときの圧縮コイルバネ53に生じる反力P3bはP3b=0.5となり、その圧縮量はxb=0.5となる。吐出時102においては、圧力差ΔPb及び圧縮コイルバネ53の圧縮量xbが小さくなり、バルブ5のニードル部511がノズル4の後端部402を閉じる量が少なくなり、ノズル4の流量制御隙間41が大きい状態になる。こうして、吐出時102においては、作動気体Aの圧力が低くなる一方、流量制御隙間41が大きいことによって、粘性流体Lの吐出流量を所定の流量に維持する状態が形成される。
【0050】
このように、ホースレスガン1における粘性流体Lの吐出流量は、圧縮コイルバネ53のバネ定数kを適切に決定することにより、作動気体Aの圧力が減少していく、粘性流体Lの充填初期時101から吐出時102に掛けて、粘性流体Lの吐出流量をできるだけ均一に保つことができる。
【0051】
また、図7に示すごとく、付勢手段53は、圧縮コイルバネ53とする以外にも、収容部24に設けられた壁部241とバルブ5の後端部502との間であってバルブ5の外周側に形成されたガススプリング53Aとすることもできる。同図においては、ガススプリング53Aを簡略化して示す。
ガススプリング53Aには、ガススプリング53Aへ供給する気体Bの圧力を変化させる気体供給手段55を設けることができる。そして、気体供給手段55による気体Bの供給を遮断又は減少させることによってノズル4を閉じ、気体供給手段55による気体Bの供給を行うことによってノズル4を開けることができる。この場合には、開閉用アクチュエータ42を用いることなく、ノズル4の開閉を行うことができる。
【符号の説明】
【0052】
1 ホースレスガン
11 ベース部材
2 シリンダタンク
21 前端側シリンダ室
211 流体圧力形成部
22 後端側シリンダ室
221 気体圧力形成部
24 収容部
241 壁部
3 ピストン
4 ノズル
41 流量制御隙間
42 開閉用アクチュエータ
5 バルブ
511 ニードル部
53 付勢手段(圧縮コイルバネ)
53A ガススプリング
55 気体供給手段
6 多関節ロボット
A 作動気体
L 粘性流体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7