特許第5768869号(P5768869)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5768869
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】画像表示装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20150806BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20150806BHJP
   G06F 3/0485 20130101ALI20150806BHJP
【FI】
   G09G5/00 530T
   G06F3/048 620
   G06F3/048 656D
   G09G5/00 510H
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-264953(P2013-264953)
(22)【出願日】2013年12月24日
(62)【分割の表示】特願2013-163652(P2013-163652)の分割
【原出願日】2013年8月6日
(65)【公開番号】特開2015-31949(P2015-31949A)
(43)【公開日】2015年2月16日
【審査請求日】2013年12月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】嶋立 紀世子
【審査官】 中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−045457(JP,A)
【文献】 特開2012−015619(JP,A)
【文献】 特開2013−137614(JP,A)
【文献】 特開2012−033061(JP,A)
【文献】 特開2010−134801(JP,A)
【文献】 特開2008−071256(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 − 5/42
G06F 3/0485
G06F 3/0488
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示画面への指定を検知する検知手段と、
前記表示画面への指定位置が移動した場合に、前記指定位置の移動方向の角度に応じて、前記表示画面に表示されている画像を別の画像に切り替えるページ切替動作、前記表示画面に表示されている画像の表示内容を移動させる移動動作と、を切り替えて実行する制御手段と、
を有する画像表示装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記表示画面に表示されている画像の端部が、前記表示画面の表示領域の端部に接している場合に、前記指定位置の移動方向の角度に応じて前記ページ切替動作又は前記移動動作を行う、
請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
コンピュータを、
表示画面への指定を検知する検知手段から検知結果を受ける手段と、
前記表示画面への指定位置が移動した場合に、前記指定位置の移動方向の角度に応じて、前記表示画面に表示されている画像を別の画像に切り替えるページ切替動作、前記表示画面に表示されている画像の表示内容を移動させる移動動作と、を切り替えて実行する制御手段と、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルが搭載された画像表示装置においては、表示画面への画像の表示に際して、ドラッグ操作(ユーザが、指やポインティングデバイス等によってタッチパネルを押下した状態で、指やポインティングデバイス等を移動させる操作)に連動した様々な制御が行われる。例えば、表示画面に表示された画像を別の画像に切り替える場合や、拡大表示された画像の表示位置を移動させる場合等に、ドラッグ操作が行われる。
【0003】
特許文献1には、表示画面への接触が検知された場合に表示画面に表示された操作部への操作を受け付ける第1の状態、及び、操作部への操作を受け付けずに表示画面の表示内容の一部又は全部を移動させる操作を受け付ける第2の状態を切り替える入力装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、タッチパネル上のユーザによる押下位置の移動距離が、ディスプレイに表示された画像の表示サイズに応じて設定された距離閾値を超えた場合、他の画像をディスプレイに表示させる画像表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−293511号公報
【特許文献2】特開2010−113459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、画像表示装置において表示画面に表示された画像を別の画像に切り替える動作や表示位置を移動させる動作として共にドラッグ操作を採用している場合、ユーザの意図に反して画像の切り替えや表示位置の移動が行われ、操作性が低下してしまうおそれがある。
【0007】
本発明の目的は、表示画面に表示された画像に対する操作性の低下を軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、画像を表示する表示画面への指定を検知する検知手段と、前記表示画面への指定位置が移動した場合に、前記指定位置の移動方向の角度に応じて、前記表示画面に表示されている画像を別の画像に切り替えるページ切替動作、前記表示画面に表示されている画像の表示内容を移動させる移動動作と、を切り替えて実行する制御手段と、を有する画像表示装置である。
【0009】
請求項2に係る発明は、前記制御手段は、前記表示画面に表示されている画像の端部が、前記表示画面の表示領域の端部に接している場合に、前記指定位置の移動方向の角度に応じて前記ページ切替動作又は前記移動動作を行う、請求項1に記載の画像表示装置である。
【0010】
請求項3に係る発明は、コンピュータを、表示画面への指定を検知する検知手段から検知結果を受ける手段と、前記表示画面への指定位置が移動した場合に、前記指定位置の移動方向の角度に応じて、前記表示画面に表示されている画像を別の画像に切り替えるページ切替動作、前記表示画面に表示されている画像の表示内容を移動させる移動動作と、を切り替えて実行する制御手段と、として機能させるプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1,3に係る発明によると、指定位置の移動方向の角度に応じて動作を変更しない場合と比べて、表示画面に表示された画像に対する操作性の低下が軽減される。
【0012】
請求項2に係る発明によると、画像の端部が表示画面の表示領域の端部に接していない場合にも指定位置の移動方向の角度に応じて動作を変更する場合と比べて、表示画面に表示された画像に対する操作性の低下が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態に係る画像表示装置の一例を示すブロック図である。
図2】タッチパネルの表示例を示す模式図である。
図3】複数ページの構成を示す模式図である。
図4】複数ページの構成を示す模式図である。
図5】操作モードの判定処理を説明するための模式図である。
図6】スクロールモードを説明するための模式図である。
図7】ページ切替モードを説明するための模式図である。
図8】操作モードの判定処理を説明するための模式図である。
図9】操作モードの判定処理を説明するための模式図である。
図10】実施形態に係る画像表示装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図11】スクロールモードを説明するための模式図である。
図12】ページ切替モードを説明するための模式図である。
図13】変形例1に係る処理を説明するための模式図である。
図14】ドラッグ操作の軌跡を説明するための模式図である。
図15】変形例2に係る処理を説明するための模式図である。
図16】変形例2に係る処理を説明するための模式図である。
図17】変形例2に係る処理を説明するための模式図である。
図18】変形例2に係る処理を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1に、本発明の実施形態に係る画像表示装置を示す。本実施形態に係る画像表示装置10は、表示操作部としてのタッチパネル12と、制御部18と、画像記憶部20とを含む。
【0015】
画像表示装置10は、一例として画像形成装置に設けられる。この画像形成装置は、例えば、原稿を読み取って画像データを生成するスキャン機能、原稿を読み取って当該原稿に基づく画像を用紙に形成するコピー機能、及び、画像データを受けて当該画像データに基づく画像を用紙に形成するプリント機能のうちの少なくとも1つの機能を備えている。なお、画像表示装置10は、例えば携帯端末装置やパーソナルコンピュータ等のように、画像形成装置以外の装置に設置されてもよい。このように、本実施形態は、タッチパネルが用いられる装置であれば、どのような装置に適用されてもよい。
【0016】
タッチパネル12は、液晶パネル等の表示部14と、表示部14の表示画面上に配置されたタッチセンサ16とを備え、画像を表示するとともに、ユーザが表示部14の表示画面に接触したことをタッチセンサ16によって検知することで、ユーザによる操作を受け付ける。例えば、タッチセンサ16は、表示部14の表示画面上においてユーザによって押下された位置を検知し、その押下された位置に関する位置情報を制御部18に出力する。
【0017】
制御部18は、画像記憶部20に記憶された画像データに基づく画像を表示部14に表示させる。また、制御部18は、位置情報をタッチセンサ16から受け、当該位置情報に基づいて表示部14を制御する。
【0018】
画像記憶部20には、一例として、複数のページで構成された画像データ(例えば文書データ)が記憶されている。画像表示装置10が画像形成装置に設けられている場合、画像記憶部20には、スキャン機能によって生成された画像データや、プリント機能の対象となる画像データ等が記憶される。例えば、スキャン機能によって生成された画像データに基づく画像や、プリント機能の対象となる画像データに基づく画像が、表示部14に表示される。
【0019】
図2に、タッチパネル12の表示例を示す。タッチパネル12には、画像が表示される表示エリア30と、画像の表示倍率(拡大又は縮小)を指定するための表示倍率スライダ32と、画像の表示位置を横方向に移動させるための横スクロールバー34と、画像の表示位置を縦方向に移動させるための縦スクロールバー36とが表示される。制御部18は、表示倍率スライダ32によって指定された表示倍率に従って、表示対象の画像である表示ページ画像40を拡大又は縮小させて表示部14に表示させる。
【0020】
次に、タッチパネル12に対するユーザの操作について説明する。タッチパネル12に対するユーザの操作には、例えば、タッチ操作、ドラッグ操作及びリリース操作がある。タッチセンサ16は、ユーザの指やポインティングデバイスが表示部14の表示画面に触れたときに「タッチ操作」を検知し、表示画面への接触位置が移動したときに「ドラッグ操作」を検知し、表示画面からユーザの指やポインティングデバイスが離れたときに「リリース操作」を検知する。
【0021】
タッチセンサ16が出力する位置情報には、ドラッグ操作における接触位置の移動方向(ドラッグ方向)を示す情報と接触位置の移動距離(ドラッグ距離)を示す情報とが含まれていてもよいし、押下された位置の座標情報のみが含まれていてもよい。位置情報に座標情報のみが含まれている場合、制御部18は、座標情報に基づいてドラッグ方向及びドラッグ長を求める。
【0022】
本実施形態では、表示画面に表示された画像に対する操作モードとして、スクロールモードとページ切替モードとがある。スクロールモードでは、制御部18は、ドラッグ操作におけるドラッグ方向及びドラッグ距離を検出し、ドラッグ方向及びドラッグ距離に応じて、表示エリア30に拡大表示された画像の表示位置を移動させる。ページ切替モードでは、制御部18は、ドラッグ操作に応じて、表示エリア30に表示されているページの画像を別のページの画像に切り替える。
【0023】
制御部18は、ドラッグ操作のドラッグ方向に基づき、スクロールモード及びページ切替モードの中から操作モードを決定する。具体的には、表示ページ画像40の端部が表示エリア30の端部に接している状況下でドラッグ操作が行われた場合、制御部18は、ドラッグ方向に応じた操作モードを決定する。
【0024】
以下、制御部18による制御について詳しく説明する。例えば、複数のページで構成された画像データをタッチパネル12に表示する場合に、表示対象の画像を拡大して表示するものする。
【0025】
まず、複数ページの配置関係について説明する。複数ページの配置には、一例として、表示エリアを基準にして、左右方向の配置と上下方向の配置とがある。図3に左右方向の配置例を示す。図3に示す例では、表示対象の画像である表示ページ画像40が、拡大されて表示エリア30に表示されており、表示ページ画像40の前のページとして前ページ画像42が存在し、表示ページ画像40の次のページとして次ページ画像44が存在する。表示エリア30内には、表示ページ画像40の一部が表示されている。一例として、表示ページ画像40を基準にして左側に前ページ画像42が配置されており、右側に次ページ画像44が配置されている。このように、左右方向に複数のページが配置されている場合、制御部18は、左右方向の端部を対象にして、表示ページ画像40の端部と表示エリア30の端部との接触を検出する。
【0026】
また、図4に上下方向の配置例を示す。図4に示す例では、表示ページ画像40を基準にして上側に前ページ画像42が配置されており、下側に次ページ画像44が配置されている。このように、上下方向に複数のページが配置されている場合、制御部18は、上下方向の端部を対象にして、表示ページ画像40の端部と表示エリア30の端部との接触を検出する。
【0027】
以下では、図5を参照し、左右方向にページが配置されている画像データを例にとって、制御部18による制御について説明する。図5に示す例では、表示ページ画像40の端部のうち次ページ画像44が配置されている方向の端部(画像端部40a)が、表示エリア30の右端部(表示エリア端部30a)に接している。この状況下で、ドラッグ方向の角度が、表示エリア端部30aに直交する方向(表示エリア端部30aに直交する仮想線52)から予め設定された閾値角度θt以下となり、ドラッグ方向が、表示エリア端部30aから離れる方向を向いている場合、制御部18は、ページ切替モードを選択し、それ以外の条件では、スクロールモードを選択する。図5に示す例では、接触位置50を起点として、ページ切替モード範囲54(2θt以下の範囲)にドラッグ方向が含まれる場合、制御部18は、ページ切替モードを選択する。一方、スクロールモード範囲56(2θt以外の範囲)にドラッグ方向が含まれる場合、制御部18は、スクロールモードを選択する。表示ページ画像40の右端部(画像端部40a)が表示エリア30の右端部(表示エリア端部30a)に接している状況下では、右側から左側にスクロール操作を行っても表示ページ画像40の表示内容は右側から左側に移動し得ないので、ドラッグ方向がページ切替モード範囲54に含まれる場合(左側にドラッグされた場合)には、制御部18は、スクロールモードを選択せずにページ切替モードを選択する。閾値角度θtは、一例として45°である。従って、ページ切替モード範囲54は、±45°(90°)の範囲となる。但し、閾値角度θtとして他の値が用いられてもよいし、ユーザによって閾値角度θtが設定されてもよい。
【0028】
なお、ドラッグ方向の角度の判定は、ある程度のドラッグ距離(ドラッグ量)がないと誤差が生じ得るため、制御部18は、ドラッグ距離が予め設定された距離閾値Lt以上になった時点で、操作モードを判定してもよい。
【0029】
上記の処理により、スクロールモードが選択された場合、図6に示すように、制御部18は、ドラッグ方向及びドラッグ距離に応じて、表示エリア30に拡大表示された表示ページ画像40の表示位置を移動させる。一方、ページ切替モードが選択された場合、図7に示すように、制御部18は、ドラッグ距離に応じてページをスクロールさせ、次ページ画像44を表示エリア30内に表示させる。このようにページスクロールが行われると、ドラッグ距離に応じた範囲の次ページ画像44が徐々に引き出されて表示エリア30内に表示される。図5及び図7に示す例では、左側にドラッグされた場合、制御部18は、ドラッグ距離に応じて次ページ画像44を徐々に表示エリア30内に表示させることになる。なお、表示エリア30に表示されている表示ページ画像40が、最後尾ページの画像の場合、制御部18は、ページスクロールを行わない。
【0030】
また、図8に示すように、表示ページ画像40の端部のうち前ページ画像42が配置されている方向の端部(画像端部40b)が、表示エリア30の左端部(表示エリア端部30b)に接している場合、ドラッグ方向の角度が、表示エリア端部30bに直交する方向(仮想線52)から閾値角度θt以下となり、ドラッグ方向が、表示エリア端部30bから離れる方向を向いている場合、制御部18は、ページ切替モードを選択し、それ以外の条件では、スクロールモードを選択する。ページ切替モードが選択された場合、制御部18は、ドラッグ距離に応じてページをスクロールさせ、前ページ画像42を表示エリア30内に表示させる。図8に示す例では、右側にドラッグされた場合、制御部18は、ドラッグ距離に応じて前ページ画像42を徐々に表示エリア30内に表示させることになる。表示ページ画像40の左端部(画像端部40b)が表示エリア30の左端部(表示エリア端部30b)に接している状況下では、左側から右側にスクロール操作を行っても表示ページ画像40の表示内容は左側から右側に移動し得ないので、ドラッグ方向がページ切替モード範囲54に含まれる場合(右側にドラッグされた場合)には、制御部18は、スクロールモードを選択せずにページ切替モードを選択する。なお、表示エリア30に表示されている表示ページ画像40が先頭ページの画像の場合、制御部18は、ページスクロールを行わない。
【0031】
以上のように、表示ページ画像40の端部のうち切り替え先のページが配置されている方向の端部が表示エリア30の端部に接している状況下で、ドラッグ操作が行われてページ切替モードが選択されると、制御部18は、切り替え先のページの画像を表示エリア30内に表示させる。例えば、ユーザがページを切り替えたい場合、スクロール操作によって、切り替え先のページが配置されている方向の表示エリア30の端部に表示ページ画像40の端部を接触させ、その状態で、ページ切替モードが選択されるようにドラッグ操作を行えばよい。例えば、次ページ画像44にページを切り替えたい場合、ユーザはスクロール操作によって、図5に示すように、表示ページ画像40の右端部(画像端部40a)を表示エリア30の右端部(表示エリア端部30a)に接触させ、その状態で、ページ切替モードが選択されるようにドラッグ操作を行えばよい。同様に、前ページ画像42にページを切り替えたい場合、ユーザはスクロール操作によって、図8に示すように、表示ページ画像40の左端部(画像端部40b)を表示エリア30の左端部(表示エリア端部30b)に接触させ、その状態で、ページ切替モードが選択されるようにドラッグ操作を行えばよい。
【0032】
別の例として、図9に示すように、表示ページ画像40の上下方向に別のページの画像が配置されている場合も、左右方向に別のページの画像が配置されている場合と同様に、ページ切替モードとスクロールモードとが切り替えられる。例えば、表示ページ画像40を基準にして上側に前ページ画像42が配置されており、下側に次ページ画像44が配置されているものとする。このとき、表示ページ画像40の上端部(画像端部40c)が、表示エリア30の上端部(表示エリア端部30c)に接している状況下で、ドラッグ方向の角度が、表示エリア端部30cに直交する方向(仮想線52)から閾値角度θt以下となり、ドラッグ方向が、表示エリア端部30cから離れる方向を向いている場合、制御部18は、ページ切替モードを選択し、それ以外の条件では、スクロールモードを選択する。図9に示す例では、下側にドラッグされた場合、制御部18は、前ページ画像42を表示エリア30内に表示させることになる。表示ページ画像40の上端部(画像端部40c)が表示エリア30の上端部(表示エリア端部30c)に接している状況下では、上側から下側にスクロール操作を行っても表示ページ画像40の表示内容は上側から下側に移動し得ないので、ドラッグ方向がページ切替モード範囲54に含まれる場合(下側にドラッグされた場合)には、制御部18は、スクロールモードを選択せずにページ切替モードを選択する。また、表示ページ画像40の下端部が、表示エリア30の下端部に接している状況下で、ドラッグ方向の角度が、表示エリア30の下端部に直交する方向から閾値角度θt以下となり、ドラッグ方向が、表示エリア30の下端部から離れる方向を向いている場合、制御部18は、ページ切替モードを選択し、次ページ画像44を表示エリア30内に表示させる。
【0033】
次に、図10に示すフローチャートを参照して、画像表示装置10の動作を説明する。例えば図5に示すように、左右方向にページが配置され、表示ページ画像40が、表示エリア30内に拡大表示されているものとする。まず、ユーザによってタッチパネル12が操作されると、制御部18は、タッチパネル12の検知結果に基づいてユーザの操作を検知し(S01)、その操作に応じた制御を行う(S02)。
【0034】
検知された操作が「タッチ操作」に該当する場合、制御部18は、操作モードを初期状態(操作モードの指定がない状態)に設定する(S03)。そして、処理はステップS01に戻る。
【0035】
検知された操作が「ドラッグ操作」に該当する場合、制御部18は、操作モードに応じた制御を行う(S04)。操作モードとしてスクロールモードが既に指定されている場合(S04:スクロール)、制御部18は、ドラッグ方向及びドラッグ距離に応じて、図5に示す表示ページ画像40の表示位置を移動させる(S07)。そして、処理はステップS01に戻る。一方、操作モードとしてページ切替モードが既に指定されている場合(S04:ページ切替)、制御部18は、ドラッグ距離に応じてページをスクロールさせ、別のページの画像を表示エリア30内に表示させる(S10)。そして、処理はステップS01に戻る。
【0036】
スクロールモード及びページ切替モードのいずれも指定されていない場合(S04:指定なし)、制御部18は、表示ページ画像40の端部が表示エリア30の端部に接しているか否かに応じて、操作モードを決定する(S05)。例えば、表示ページ画像40の端部が表示エリア30の端部に接していない場合(S05,No)、制御部18は、操作モードをスクロールモードに設定する(S06)。この場合、制御部18は、ドラッグ方向及びドラッグ距離に応じて、表示ページ画像40の表示位置を移動させる(S07)。そして、処理はステップS01に戻る。
【0037】
表示ページ画像40の端部が表示エリア30の端部に接している場合(S05,Yes)、制御部18は、ドラッグ方向の角度に応じて操作モードを決定する(S08)。例えば図11(a)に示すように、矢印60で示すドラッグ方向の角度が閾値角度θtよりも大きくなり、スクロールモード範囲56(2θt以外の範囲)に含まれる場合、制御部18は、操作モードをスクロールモードに設定する(S06)。この場合、例えば図11(b)に示すように、制御部18は、ドラッグ方向及びドラッグ距離に応じて、表示ページ画像40の表示位置を移動させる(S07)。例えば図11(a)に示すように、矢印60で示す上方向にドラッグ操作が行われた場合、制御部18は、図11(b)に示すように、矢印62で示す下方向に表示ページ画像40の表示位置を移動させる(下方向にスクロールする)。そして、処理はステップS01に戻る。
【0038】
一方、例えば図12(a)に示すように、矢印70で示すドラッグ方向の角度が閾値角度θt以下となり、ページ切替モード範囲54(2θt以下の範囲)に含まれる場合、制御部18は、操作モードをページ切替モードに設定する(S09)。この場合、例えば図12(b)に示すように、制御部18は、ドラッグ距離に応じてページをスクロールさせ、別のページの画像(例えば次ページ画像44)を表示エリア30内に表示させる(S10)。例えば図12(a)に示すように、矢印70で示す左方向にドラッグ操作が行われた場合、制御部18は、図12(b)に示すように、矢印72で示す左方向にページをスクロールさせ、次ページ画像44を表示エリア30内に表示させる。例えば、制御部18は、ページをスクロールすることで、次ページ画像44を徐々に表示エリア30内に表示させる。そして、処理はステップS01に戻る。
【0039】
また、ステップS02にて「リリース操作」が検出された場合、制御部18は、操作モードに応じた制御を行う(S11)。操作モードとしてページ切替モードが指定されている場合(S11:ページ切替)、制御部18は、リリース直前のドラッグ操作に基づいてページを切り替える(S12)。ページスクロールが行われている場合、制御部18は、そのページスクロールを中止してページを切り替える。また、ページスクロールによるページ切替が途中の場合、制御部18は、ページ切替中に表示エリア30内に表示されている表示ページ画像40のサイズと、ページスクロールによって引き出されて表示エリア30内に表示されている別ページの画像(前ページ画像42又は次ページ画像44)のサイズとを比較し、表示ページ画像40のサイズが別ページ画像のサイズよりも大きい場合、表示ページ画像40を表示エリア30内に戻して表示させ、別ページ画像のサイズが表示ページ画像40のサイズよりも大きい場合、ページを切り替えて別ページ画像を表示エリア30内に表示させてもよい。また、制御部18は、リリースされたときのドラッグ操作の速度や距離によって、その操作がフリック操作か否かを判定してもよい。フリック操作が検知された場合、制御部18は、ページスクロールの位置に関わらず、ページ切替を実行してもよい。
【0040】
一方、ステップS11にて、操作モードが指定されていない場合又はスクロールモードが指定されている場合(S11:指定なし又はスクロール)、制御部18は、処理を終了する。例えばスクロールモードが指定されている場合、制御部18は、スクロールを停止させる。また、スクロールモードにおいてフリック操作が検知された場合、制御部18は、フリックした方向にスクロールを続け、時間の経過とともに徐々にスクロールを停止させてもよい。
【0041】
上記の画像表示装置10によると、表示ページ画像40の端部が表示エリア30の端部に接している状況下で、ドラッグ方向に基づいてページ切替モード及びスクロールモードの中から操作モードを決定することで、ユーザの意図に反してページ切替やスクロールが実行されることが防止又は低減され、タッチパネルの操作性が向上する。本実施形態では、切り替え先のページが配置されている方向の表示エリア30の端部に表示ページ画像40の端部を接触させ、その状態でドラッグ操作を行えば、ページ切替モード及びスクロールモードの中から操作モードが選択されるので、簡単な操作でユーザの意図した操作モードが選択される。
【0042】
また、ページ切替モード範囲54(2θt以下の範囲)を基準に操作モードが決定されるので、ユーザが曖昧なドラッグ操作を行った場合であっても、ユーザの意図に反した操作が防止又は低減される。また、タッチパネルによる座標検知の性能の影響が軽減され、ユーザの意図に反した操作が防止又は軽減される。
【0043】
次に、図13を参照して、変形例1について説明する。変形例1では、表示ページ画像40の左右方向に別ページの画像90,92が配置され、上下方向に別ページの画像94,96が配置されている。表示ページ画像40の左右のいずれかの端部が表示エリア30の左右のいずれかの端部に接している状況下でドラッグ操作が行われた場合、制御部18は、左右方向へのページ切替モード及びスクロールモードの中から操作モードを選択する。一方、表示ページ画像40の上下のいずれかの端部が表示エリア30の上下のいずれかの端部に接している状況以下でドラッグ操作が行われた場合、制御部18は、上下方向へのページ切替モード及びスクロールモードの中から操作モードを選択する。このように、左右方向及び上下方向にページが配置されている場合であっても、左右方向又は上下方向にページが配置されている場合と同様に、タッチパネルの操作性が向上する。
【0044】
なお、上述した閾値角度θtは、ユーザによって変更されてもよい。これにより、ユーザに応じた条件が設定される。また、左右方向にページが配置されている場合と上下方向にページが配置されている場合とで、それぞれ別々の閾値角度θtを採用してもよい。これにより、タッチパネル12の設置条件等に応じた条件が設定される。また、表示エリア30の左側と右側とで異なる閾値角度θtを用いてもよい。同様に、表示エリア30の上側と下側とで異なる閾値角度θtを用いてもよい。
【0045】
次に、図14から図18を参照して、変形例2について説明する。図14には、ユーザの指100,110,120の移動の軌跡が示されている。例えばユーザがドラッグ操作を行った場合、矢印A,B,Cで示すように、ドラッグ操作の軌跡は弧を描くようになる。特に、立てられたタッチパネル12を操作する場合、ユーザは手首を固定してドラッグ操作しがちなので、ドラッグ操作の軌跡は弧を描くようになる。変形例2では、ドラッグ操作の軌跡に対応して、閾値角度を設定する。なお、以下に示す変形例2では、ユーザは、右手の指によってドラッグ操作するものとする。
【0046】
例えば図15に示すように、表示ページ画像40の右側の端部(画像端部40a)が、表示エリア30の右端部(表示エリア端部30a)に接している場合に、ユーザが、表示エリア30に対して右側に配置されたページの画像を引き出して表示させようとするものとする。この場合、ユーザの指の軌跡は、下方向を向きやすい。従って、仮想線52に対して、下側の閾値角度θt1を、上側の閾値角度θt2よりも大きくする(θt1>θt2)。これにより、右側の画像を引き出そうとしてユーザがドラッグ操作を行った場合に、ドラッグ操作の軌跡が下方向を向いた場合であっても、ドラッグ方向の角度が閾値角度θt1以下となりやすいので、ユーザの意図通りにページ切替が行われる。
【0047】
また、図16に示すように、表示ページ画像40の左側の端部(画像端部40b)が、表示エリア30の左端部(表示エリア端部30b)に接している場合に、ユーザが、表示エリア30に対して左側に配置されたページの画像を引き出して表示させようとするものとする。この場合、ユーザの指の軌跡は、上方向を向きやすい。従って、仮想線52に対して、上側の閾値角度θt2を、下側の閾値角度θt1よりも大きくする(θt2>θt1)。これにより、左側の画像を引き出そうとしてユーザがドラッグ操作を行った場合に、ドラッグ操作の軌跡が上方向を向いた場合であっても、ドラッグ方向の角度が閾値角度θt2以下となりやすいので、ユーザの意図通りにページ切替が行われる。
【0048】
また、図17に示すように、表示ページ画像40の上側の端部(画像端部40c)が、表示エリア30の上端部(表示エリア端部30c)に接している場合に、ユーザが、表示エリア30に対して上側に配置されたページの画像を引き出して表示させようとするものとする。この場合、ユーザの指の軌跡は、左方向を向きやすい。従って、仮想線52に対して、左側の閾値角度θt3を、右側の閾値角度θt4よりも大きくする(θt3>θt4)。これにより、上側の画像を引き出そうとしてユーザがドラッグ操作を行った場合に、ドラッグ操作の軌跡が左方向を向いた場合であっても、ドラッグ方向の角度が閾値角度θt3以下となりやすいので、ユーザの意図通りにページ切替が行われる。
【0049】
また、図18に示すように、表示ページ画像40の下側の端部(画像端部40d)が、表示エリア30の下端部(表示エリア端部30d)に接している場合に、ユーザが、表示エリア30に対して下側に配置されたページの画像を引き出して表示させようとするものとする。この場合、ユーザの指の軌跡は、右方向を向きやすい。従って、仮想線52に対して、右側の閾値角度θt4を、左側の閾値角度θt3よりも大きくする(θt4>θt3)。これにより、下側の画像を引き出そうとしてユーザがドラッグ操作を行った場合に、ドラッグ操作の軌跡が右方向を向いた場合であっても、ドラッグ方向の角度が閾値角度θt4以下となりやすいので、ユーザの意図通りにページ切替が行われる。
【0050】
上記の変形例2における閾値角度の関係をまとめると、以下のようになる。
右側の画像を引き出す場合、下側の閾値角度θt1>上側の閾値角度θt2
左側の画像を引き出す場合、上側の閾値角度θt2>下側の閾値角度θt1
上側の画像を引き出す場合、左側の閾値角度θt3>右側の閾値角度θt4
下側の画像を引き出す場合、右側の閾値角度θt4>左側の閾値角度θt3
【0051】
なお、ユーザが左手の指でドラッグ操作を行う場合、上記の不等号の向きはそれぞれ逆になる。例えば、ドラッグ操作を行う手を示す情報が、画像表示装置10に設定されてもよい。この設定は、例えばユーザによって行われる。制御部18は、ドラッグ操作が右手で行われる設定になっている場合、上記の不等号の向きに従って処理を行い、ドラッグ操作が左手で行われる設定になっている場合、上記の不等号の向きを逆にして処理を行う。
【0052】
以上のように、仮想線52の上下又は左右で同じ閾値角度を用いずに、ページ切替が行われる方向に応じて、上下又は左右の閾値角度を変えることで、ユーザの意図通りにページ切替が行われやすくなり、ユーザの操作性の低下が防止又は軽減される。
【0053】
また、タッチパネル12が傾いて設置されている場合、ドラッグ方向の軌跡は下方向を向きやすいので、下側の閾値角度θt1>上側の閾値角度θt2としてもよい。
【0054】
なお、上記の実施形態及び変形例1,2では、タッチパネルを使用する場合について説明したが、ユーザによる操作を受け付ける装置は、タッチパネルに限らず、マウスであってもよい。マウスが用いられる場合であっても、制御部18は、マウスによる指定位置の移動方向に基づき、ページ切替モード又はスクロールモードを実行する。
【0055】
また、上記の実施形態及び変形例1,2では、一例として複数のページで構成される画像データを表示する場合について説明したが、本実施形態はこの例に限定されるものではない。例えば、写真閲覧用のアプリケーション等を実行する場合に、本実施形態が適用されてもよい。この場合、制御部18は、複数の写真(画像)を対象にして、表示部14に表示される個々の写真を切り替える写真切替モード(ページ切替モード)、又は、表示部14に表示されている写真の表示内容を移動させるスクロールモードを実行してもよい。
【0056】
上述した画像表示装置10は、一例としてハードウェア資源とソフトウェアとの協働により実現される。具体的には、画像表示装置10は、図示しないCPU等のプロセッサを備えている。当該プロセッサが、図示しない記憶装置に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、制御部18の機能が実現される。上記プログラムは、CDやDVD等の記憶媒体を経由して、又は、ネットワーク等の通信手段を経由して、記憶装置に記憶される。
【符号の説明】
【0057】
10 画像表示装置、12 タッチパネル、14 表示部、16 タッチセンサ、18 制御部、20 画像記憶部、30 表示エリア、40 表示ページ画像、42 前ページ画像、44 次ページ画像、54 ページ切替モード範囲、56 スクロールモード範囲。
図1
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図5
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