(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5769017
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】電動工具
(51)【国際特許分類】
B25F 5/02 20060101AFI20150806BHJP
B25B 23/18 20060101ALI20150806BHJP
【FI】
B25F5/02
B25B23/18
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-210104(P2011-210104)
(22)【出願日】2011年9月27日
(65)【公開番号】特開2013-71188(P2013-71188A)
(43)【公開日】2013年4月22日
【審査請求日】2014年5月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094983
【弁理士】
【氏名又は名称】北澤 一浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095946
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 伸
(74)【代理人】
【識別番号】100099829
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 朗子
(74)【代理人】
【識別番号】100135356
【弁理士】
【氏名又は名称】若林 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】谷口 武史
【審査官】
亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−028840(JP,A)
【文献】
特開2009−172719(JP,A)
【文献】
特開2009−028839(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25F 5/02
B25B 23/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端工具を保持する先端工具保持部を駆動するモータと、
該モータを保持するハウジングと、
該ハウジングに装着されて該先端工具及び該先端工具近傍を照射する照明部と、を備え、
該ハウジングは、該先端工具保持部近傍に配置されて該照明部を保持する延設部を有すると共に、少なくとも該延設部の一部を覆う軟質樹脂被覆を有し、
該延設部には、該先端工具の先端側に開口すると共に反先端側に向けて穿孔された開口部が形成され、該開口部の底部には該照明部が配置され、該延設部表面において該開口部には該先端側に向けて突出する立壁が該開口部周囲を取り囲むように設けられ、
該軟質樹脂被覆は、該延設部の表面における該開口部以外の部分を覆い、
該軟質樹脂被覆と該開口部とは、該立壁により区切られていることを特徴とする電動工具。
【請求項2】
該モータと該先端工具保持部との間に介在する動力伝達部を内蔵すると共に、該先端工具保持部を支承し、該ハウジングに覆われたケースを更に有し、
該ハウジングは、該先端工具保持部近傍にネジボスを有すると共に該ケースの先端工具保持部支承箇所近傍まで覆い、
該軟質樹脂被覆は、該先端工具保持部支承箇所近傍まで覆うように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電動工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電動工具に関し、特に小型化を図った電動工具に関する。
【背景技術】
【0002】
電動工具、例えばインパクトドライバ等の打撃工具においては、特許文献1に示されるように、本体ハウジングにモータと打撃機構を備えたハンマケースを内蔵し、そのハンマケースの前方に突出させたアンビルに工具を装着可能としている。本体ハウジングにおけるハンマケースの下方位置には、モータを駆動させるスイッチトリガを設けてあり、このスイッチトリガ近傍には、アンビルに装着された先端工具及び先端工具で作業を行う被加工材を照射可能なLEDライトが設けられている。
【0003】
LEDライトは、先端工具及び先端工具近傍に向けて拡散するように光を照射するため、先端工具及び先端工具近傍を照射するには、先端工具から離間する必要がある。よってハウジングに穿孔を形成し、穿孔の底部にLEDライトを配置することによってLEDライトから先端工具までの距離を稼ぐことが可能となる。
【0004】
またハウジングの表面は、工具が被加工材に接触した時に被加工材を傷つけないため、及び工具本体への衝撃吸収のためにエラストマ等の軟質樹脂被覆で覆われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−30126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
エラストマは、上述のように被加工材保護のために設けられるため、LEDライトが配置された穿孔の開口周辺に位置する表面もエラストマで被覆される。この場合に、穿孔の開口周辺からエラストマが捲れて剥がれたり、破損するおそれがあった。よって本発明は、軟質樹脂被覆の保護を図った電動工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明は先端工具を保持する先端工具保持部を駆動するモータと、該モータを保持するハウジングと
、該ハウジングに装着されて該先端工具及び該先端工具近傍を照射する照明部と、を備え、該ハウジングは、該先端工具保持部近傍に配置されて該照明部を保持する延設部を有すると共に、少なくとも該延設部
の一部を覆う軟質樹脂被覆を有し、該延設部には、該先端工具の先端側に開口すると共に反先端側に向けて穿孔された開口部が形成され、該開口部の底部には該照明部が配置され、該延設部表面において該開口部には該先端側に向けて突出する立壁が該開口
部周囲を取り囲むように設けられ、
該軟質樹脂被覆は、該延設部の表面における該開口部以外の部分を覆い、該軟質樹脂被覆と該開口部とは、該立壁により区切られていることを特徴とする電動工具を提供する。
【0008】
このような構成によると、穿孔である開口部が立壁で囲われ、この立壁まで軟質樹脂被覆が被覆されるため、軟質樹脂被覆の開口部側端部が立壁で覆われる。これにより、軟質樹脂被覆の開口部側端部が剥がれることが抑制される。またハウジングに軟質樹脂被覆を施工する際にも、立壁により遮られることにより開口部内に軟質樹脂被覆が施工されることが抑制され、電動工具の生産性を高めることができる。
【0009】
上記構成の電動工具において、
該モータと該先端工具保持部との間に介在する動力伝達部を内蔵すると共に、該先端工具保持部を支承し、該ハウジングに覆われたケースを更に有し、該ハウジングは、
該先端工具保持部近傍にネジボスを有すると共に該ケースの先端工具保持部支承箇所近傍まで覆い、該軟質樹脂被覆は、該先端工具保持部支承箇所近傍まで覆うように設けられていることが好ましい。
【0010】
このような構成によると、部品点数を減じて生産性を高めると共に、より確実に軟質樹脂被覆で被加工材への保護を図ることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の電動工具によれば、軟質樹脂被覆の剥離を抑制しつつ生産性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施の形態に係るインパクトドライバの側面断面図。
【
図2】本発明の実施の形態に係るインパクトドライバの要部断面図。
【
図3】本発明の実施の形態に係るインパクトドライバの要部斜視図。
【
図4】インパクトドライバにおいて、(a)立壁がある構成と(b)立壁がない構成とを比較した図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を
図1乃至
図4に基づき説明する。
図1に示される打撃工具であるインパクトドライバ1は、ビット1A(
図2)や図示せぬソケット等の先端工具により、ボルトやナット、ねじを締結すると共にモータの正転・反転を繰り返して回転打撃力を加える工具であり、主に、ハウジング2と、モータ3と、動力伝達部であるギヤ機構4及びインパクト機構5と、から構成され、充電式の電池6を電源として駆動される小型化された工具である。
【0014】
ハウジング2は、6ナイロンから構成されている樹脂ハウジングであり、モータ3等が収容される胴体部2Aと、胴体部2Aから延出されるハンドル2Bとを備えており、胴体部2A及びハンドル2B内部に収容空間が画成され、後述の上下方向及び前後方向に延びる平面で二分割され略対称な分割ハウジングで構成されている。収容空間において胴体部2A内に該当する箇所には、上述のモータ3とギヤ機構4とインパクト機構5とが同軸上に一端側から他端側に向かって並んで配置されている。このモータ3とギヤ機構4とインパクト機構5とが並んでいる軸方向においてモータ3側を後側として前後方向と定義する。また前後方向と直交する方向であって胴体部2Aからハンドル2Bが延出される方向を下方向として上下方向を定義し、前後方向及び上下方向と直交し
図1紙面上方を右方向として左右方向を定義する。
【0015】
胴体部2Aにおいて、モータ3の前後位置かつ胴体部2Aの左右側面位置には、それぞれ排気口2a、吸気口2b(
図3)が形成されている。ハウジング2において、ハンドル2Bの下端位置には、電池6が装着されて電気的に接続される端子部21が配置されている。端子部21の上部にはモータ3の回転及び後述のライトユニット25の光照射を制御する制御回路部100が配置されている。ハンドル2Bの根元部分には、作業者が操作するトリガ23Aが設けられると共に、トリガ23A及び制御回路部100に接続されモータ3への導通を制御するスイッチ部23B及びモータ3の回転方向を切り替える正逆切換レバー23C(
図3)が設けられている。また胴体部2Aは、後述のハンマケース51を、その前端近傍まで覆うように前方へと延出されている。
【0016】
ハンドル2Bの根元であってトリガ23Aの上方には、胴体部2Aから下方に延出する共にハンドル2Bから前方へと延出する延設部2Cが設けられている。延設部2Cも、胴体部2A及びハンドル2Bと同様に左右に二分割される分割ハウジングの一部を成している。
【0017】
図2に示されるように、延設部2Cには、前方側であるビット1A先端側に開口すると共に反先端側である後方側に向けて穿孔されてすり鉢状を成す開口部2cが形成されており、開口部2cの底に該当する位置に、制御回路部100に接続され前側に向けて照射する照明部であるLEDライトユニット25が設けられている。この位置にLEDライトユニット25を配置することにより、LEDライトユニット25からビット1A先端までの距離を確保することができ、LEDライトユニット25により照射される領域を広く確保することができる。
【0018】
LEDライトユニット25は、LED素子25Aを基板25B上に配置して構成されており、制御回路部100に接続される導線25Cを有し、これらLED素子25A等が透明の保護カバー25Dに覆われて保護されている。
【0019】
図2及び
図3に示されるように、延設部2Cの表面において開口部2cには、前側に向けて突出する立壁2Dが開口部2cを取り囲むように延設部2Cと一体に設けられている。よって開口部2cは、立壁2Dによって延設部2C表面と区切られている。
【0020】
ハウジング2表面において、胴体部2Aの前方側、ハンドル2B、及び延設部2Cそれぞれの表面は、エラストマ2Eによって覆われている。このエラストマ2Eは、ポリウレタンエラストマ樹脂を基材とする軟質樹脂被覆であり、一様に覆うように上述の表面を覆っている。より具体的には、延設部2C表面では、立壁2Dで囲われた開口部2c内にエラストマ2Eが侵入しないように、立壁2D位置までエラストマ2Eが施工されている。
【0021】
また胴体部2Aにおいては、
図1に示されるように、後述のハンマケース51の前端位置かつハンマケース51の上部及び下部、ギヤ機構4近傍であってギヤ機構4の上部及び下部、モータ3の後方位置かつモータ3の上部及び下部にそれぞれネジボス2Fが設けられ、ハンドル2Bにおいては、スイッチ部23Bの下方に二箇所及び、電池6の接続箇所の上方に二箇所のネジボス2Fが設けられている。
【0022】
モータ3は、DCブラシレスモータであり、ステータ31と、ロータ32と、モータ駆動回路装置33とを主に備えている。ステータ31は、筒状に構成されてモータ3の外殻をなし、外周面がハウジング2に保持されている。
【0023】
ロータ32は、ステータ31内に回転可能に配置され、その回転軸位置に前後方向に延びるロータシャフト32Aが同軸一体回転するように設けられている。ロータシャフト32Aおいて前端には、ファン32Bとピニオンギヤ32Cとが同軸一体回転するように装着されると共にベアリング32Dが装着されて胴体部2Aに支承されている。またロータシャフト32Aにおいて後端には、ベアリング32Eが装着されて胴体部2Aに支承されている。これらベアリング32D、32Eによりロータシャフト32Aは回転可能に支持されている。ロータシャフト32Aと一体にファン32Bが回転することにより、吸気口2bから胴体部2A内空間を通り、排気口2aへと抜ける気流が形成される。
【0024】
回路基板であるモータ駆動回路装置33は、ステータ31の後方に配置されてステータ31に固定されており、複数のスイッチング素子を備え、制御回路部100からの信号に基づきロータ32を正転・逆転させている。
【0025】
胴体部2A内においてモータ3の前側にはギヤ機構4が配置されている。ギヤ機構4は、ピニオンギヤ32Cを太陽ギヤとする遊星歯車機構であり、後述のケース51を外殻としてハウジング2に装着されており、スピンドル41と、リングギヤ42と、複数の遊星ギヤ43とから構成されている。スピンドル41は、遊星ギヤ43を複数支承する遊星キャリアであり、遊星ギヤ43を支承する鍔部41Aを主体として構成されている。鍔部41Aの前端かつ回転中心位置に後述のアンビル52の穿孔52aと係合してアンビル52に前後方向を回転軸方向として回転可能に支承される略円柱状の前側被支持部41Bが設けられ、鍔部41Aの後端かつ回転中心位置に胴体部2Aにベアリング4Bを介して回転可能に支承される後側被支持部41Cが設けられている。後側被支持部41Cは筒状に構成されており、内部にピニオンギヤ32Cが挿通されている。また鍔部41Aにおいて、前側被支持部41Bの半径方向外方位置には、前側に向けて突出する一対のハンマである爪部53A、53Aが設けられている。爪部53A、53Aは、それぞれ軸周りに180°離れた位置に配置されており、軸周りに対称な形状に形成されている。
【0026】
リングギヤ42は、スピンドル41外周に同軸上に位置するように配置されて後述のケース51に回転不能に固定されている。複数の遊星ギヤ43はそれぞれ鍔部41Aに回転可能に支承され、リングギヤ42に噛合すると共にピニオンギヤ32Cに噛合している。上記構成により、ピニオンギヤ32Cの回転が減速されてスピンドル41に伝達される。
【0027】
インパクト機構5は主に、ハンマケース51と、アンビル52と、前述の爪部53A、53Aとから主に構成されている。
【0028】
ハンマケース51は、前端が窄まった円筒状を成しておりハウジング2の胴体部2Aに覆われて保持され、前端部分にアンビル52を回転可能に支承する軸受51Aを有している。
【0029】
アンビル52は、前後方向に延びる円柱状に構成され、軸受51Aによってハンマケース51に回転可能に支承されると共に、後端に形成された穿孔52a内にスピンドル41の先端部分が隙間嵌めされてスピンドル41に回転可能に支承されている。アンビル52において円柱状部分が先端工具保持部に該当する。アンビル52の前端部分には、図示せぬソケットが装着される先端工具装着部52Aが設けられている。先端工具装着部52Aは、アンビル52の前端に形成された装着孔52b内に突出可能な複数のボール52Cと、バネにより後方に付勢されると共に、後方に付勢された状態でボール52Cと当接してボール52Cを装着孔52b内に突出させる操作部52Dとから主に構成されている。またアンビル52の後端には、半径方向かつ相反する方向にそれぞれ延びる一対の被係合部である羽根部52E、52Eが一体に設けられている。この羽根部52E、52Eに爪部53A、53Aが強接触することにより、アンビル52に回転打撃力が与えられる。制御回路部100によりモータ3が正転し続ける制御が行われている場合には、爪部53Aが羽根部52Eに当接し続けるため、アンビル52に打撃力が加えられることはない。これに対して、モータ3を正転させる際に、僅かにモータ3を逆転させる制御を行う場合には、モータの逆転により羽根部52Eと、爪部53Aとが離間し、その後にモータ3を正転させることにより、爪部53Aが羽根部52Eに強接触し、打撃力が加えられる。
【0030】
上記構成のインパクトドライバ1において、ハウジング2の表面、特に被加工部材に対向する位置である胴体部2Aの前端近傍位置と延設部2Cとにエラストマ2Eが施工されていることにより、インパクトドライバ1が被加工部材に当接しても、被加工部材が傷つくことが抑制される。延設部2Cにおいては、開口部2cが立壁2Dによって囲まれ遮られる構成であるため、製造時において開口部2c内にエラストマ2Eが侵入することが無く、その生産性が高められている。
【0031】
また
図4(a)に示されるように、立壁2Dにより、開口部2c周囲に位置するエラストマ2Eが区切られているため、開口部2c周辺に位置するエラストマ2Eの端部Eが捲れることが抑制されている。仮に
図4(b)のように立壁2Dが無い構成であれば、開口部2c位置で、エラストマ2Eの端部Eが開口部2c内に開放されるため、この開口部2c位置から端部Eが捲れ、剥がれることが懸念される。これに対して
図4(a)に示される本実施の形態の構成であれば、立壁2Dで区切られることにより、エラストマ2Eの端部Eが開口部2C内に開放されることはなく、故に端部Eが捲れて剥がれることも抑制される。
【0032】
またハウジング2は、複数のネジボス2Fで2分割の分割ハウジングが一体に構成されている。特にハンマケース51の前端位置かつハンマケース51の上部及び下部にネジボス2Fを配置することにより、ハンマケース51を覆うように延出された胴体部2Aを容易にかつ確実にネジ止めして固定することができ、生産性を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の電動工具は、上述のインパクトドライバに限定されず、エラストマを被覆すると共に、照明部が配置される開口部が形成された電動工具に広く一般に利用することができる。
【符号の説明】
【0034】
1:インパクトドライバ 1A:ビット 2:ハウジング 2A:胴体部
2B:ハンドル 2C:延設部 2D:立壁 2E:エラストマ 2F:ネジボス
2a:排気口 2b:吸気口 2c:開口部 3:モータ 4:ギヤ機構
4B:ベアリング 5:インパクト機構 6:電池 21:端子部 23A:トリガ
23B:スイッチ部 23C:正逆切換レバー 25:ライトユニット
25A:LED素子 25B:基板 25C:導線 26:照明部 31:ステータ
32:ロータ 32A:ロータシャフト 32B:ファン 32C:ピニオンギヤ
32D:ベアリング 32E:ベアリング 33:モータ駆動回路装置
41:スピンドル 41A:鍔部 41B:前側被支持部 41C:後側被支持部
42:リングギヤ 43:遊星ギヤ 51:ハンマケース 51A:軸受
52:アンビル 52A:先端工具装着部 52C:ボール 52D:操作部
52E:羽根部 52a:穿孔 52b:装着孔 53A:爪部 100:制御回路部