特許第5769032号(P5769032)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5769032
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】撮像装置、撮像方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/225 20060101AFI20150806BHJP
【FI】
   H04N5/225 F
【請求項の数】14
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-156962(P2013-156962)
(22)【出願日】2013年7月29日
(65)【公開番号】特開2015-27052(P2015-27052A)
(43)【公開日】2015年2月5日
【審査請求日】2014年10月17日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096699
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿嶋 英實
(72)【発明者】
【氏名】松田 英明
(72)【発明者】
【氏名】中村 光喜
(72)【発明者】
【氏名】小川 浩良
(72)【発明者】
【氏名】川原 和真
(72)【発明者】
【氏名】村木 淳
【審査官】 佐藤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−268127(JP,A)
【文献】 特開2012−151527(JP,A)
【文献】 特開2010−268128(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信が可能な撮像装置であって、
当該撮像装置の周辺に存在している他の複数台の周辺撮像装置の中からそのいずれかの撮像装置を撮影する撮像手段と、
前記撮像手段によって撮影された撮影フレーム内から前記周辺撮像装置を識別する識別情報を特定可能な所定情報を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された所定情報を解析して前記識別情報を特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定された前記識別情報を用いて、前記複数台の周辺撮像装置の中からデータ転送処理の対象となる周辺撮像装置を選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された周辺撮像装置との間で、この周辺撮像装置に対応する前記識別情報を用いた前記無線通信による前記データ転送処理を行う処理制御手段と、
を具備し、
前記特定手段は、前記検出手段によって撮影フレーム内の複数の位置で前記所定情報がそれぞれ検出された場合に、各所定情報の個々を解析することにより複数の識別情報を特定し、
前記選択手段は、前記特定手段によって複数の識別情報が特定された場合に、この複数の識別情報の中から任意に指定された識別情報で示される撮像装置を前記データ転送処理の対象として選択する、
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記データ転送処理は、その処理対象として選択された周辺撮像装置によって撮影された画像の転送を前記識別情報を用いて該周辺撮像装置に要求し、その要求に応じて送信される撮影画像を前記識別情報を用いて転送することにより取り込む処理である、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記データ転送処理は、前記識別情報を用いたデータ転送を行うことにより、前記選択された周辺撮像装置の撮影タイミングを自己の撮像装置の撮影タイミングと同期させる処理である、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記特定手段は、前記検出手段によって複数の所定情報が検出された場合に、この複数の所定情報の撮影フレーム内での位置関係に基づいて、いずれかの検出位置を有効としてその所定情報を解析して識別情報を特定する、
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
無線通信が可能な撮像装置であって、
当該撮像装置の周辺に存在している他の複数台の周辺撮像装置の中からそのいずれかの撮像装置を撮影する撮像手段と、
前記撮像手段によって撮影された撮影フレーム内から前記周辺撮像装置を識別する識別情報を特定可能な所定情報を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された所定情報を解析して前記識別情報を特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定された前記識別情報を用いた選択により、前記複数台の周辺撮像装置の中から所定処理の対象となる周辺撮像装置を選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された周辺撮像装置との間で、この周辺撮像装置に対応する前記識別情報を用いた前記無線通信による前記所定処理を行う処理制御手段と、
を具備し、
前記検出手段によって検出された所定情報の撮影フレーム内の位置に、前記特定手段によって特定された識別情報またはこの識別情報を用いて取得される情報を表示する表示制御手段を更に備えた
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項6】
前記特定手段は、前記検出手段によって撮影フレーム内の複数の位置で前記所定情報がそれぞれ検出された場合に、各所定情報の個々を解析することにより複数の識別情報を特定し、
前記表示制御手段は、前記特定手段によって特定された複数の識別情報を、前記検出手段によって検出された対応する所定情報の検出位置に表示し、
前記選択手段は、前記表示されている複数の識別情報のいずれかの検出位置が任意に指定された場合に、その指定された検出位置の識別情報で示される撮像装置を所定処理の対象として選択する、
ことを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記特定手段によって特定された識別情報を用いた画像の転送要求に応じて前記選択された周辺撮像装置より転送される撮影画像を、前記検出手段によって検出された所定情報の撮影フレーム内の検出位置に表示する、
ことを特徴とする請求項5または6に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記検出手段は、前記複数台の周辺撮像装置に予め割り振られている前記識別情報が可視光の発光パターンによって各周辺撮像装置から発信されている状態において、いずれかの周辺撮像装置から発信された発光パターンを前記所定情報として検出し、
前記特定手段は、前記検出手段によって検出された発光パターンを解析して前記識別情報を特定する、
ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記検出手段は、前記所定情報を逐次検出し、
前記特定手段は、前記検出手段によって逐次検出された所定情報を解析して前記識別情報を逐次特定し、
前記選択手段は、指定されたタイミングで前記特定手段によって特定された最新の識別情報で示される撮像装置を所定処理の対象として選択する、
ことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記検出手段は、前記所定情報を逐次検出し、
前記特定手段は、前記検出手段によって逐次検出された所定情報を解析して前記識別情報を逐次特定し、
前記特定手段によって特定された識別情報をライブビュー画面内に表示する表示手段を更に備える、
ことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項11】
周辺に存在している複数台の周辺撮像装置の中からそのいずれかの撮像装置が撮影された撮影フレーム内から前記周辺撮像装置を識別する識別情報を特定可能な所定情報を検出する検出ステップと、
前記検出された所定情報を解析して前記識別情報を特定する特定ステップと、
前記特定された識別情報を用いて、前記複数台の周辺撮像装置の中からデータ転送処理の対象となる撮像装置を選択する選択ステップと、
前記選択された周辺撮像装置との間で、この周辺撮像装置に対応する前記識別情報を用いた無線通信による前記データ転送処理を行うステップと、
を含み、
前記特定ステップは、前記検出ステップによって撮影フレーム内の複数の位置で前記所定情報がそれぞれ検出された場合に、各所定情報の個々を解析することにより複数の識別情報を特定し、
前記選択ステップは、前記特定ステップによって複数の識別情報が特定された場合に、この複数の識別情報の中から任意に指定された識別情報で示される撮像装置を前記データ転送処理の対象として選択する、
ことを特徴とする撮像方法。
【請求項12】
コンピュータに対して、
周辺に存在している複数台の周辺撮像装置の中からそのいずれかの撮像装置が撮影された撮影フレーム内から前記撮像装置を識別する識別情報を特定可能な所定情報を検出する検出機能と、
前記検出された所定情報を解析して前記識別情報を特定する特定機能と、
前記特定された識別情報を用いて、前記複数台の周辺撮像装置の中からデータ転送処理の対象となる撮像装置を選択する選択機能と、
前記選択された周辺撮像装置との間で、この周辺撮像装置に対応する前記識別情報を用いた無線通信による前記データ転送処理を行う機能と、
を実現させ、
前記特定機能は、前記検出機能によって撮影フレーム内の複数の位置で前記所定情報がそれぞれ検出された場合に、各所定情報の個々を解析することにより複数の識別情報を特定し、
前記選択機能は、前記特定機能によって複数の識別情報が特定された場合に、この複数の識別情報の中から任意に指定された識別情報で示される撮像装置を前記データ転送処理の対象として選択する、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項13】
周辺に存在している複数台の周辺撮像装置の中からそのいずれかの撮像装置が撮影された撮影フレーム内から前記周辺撮像装置を識別する識別情報を特定可能な所定情報を検出するステップと、
前記検出された所定情報を解析して前記識別情報を特定するステップと、
前記特定された識別情報を用いた選択により、前記複数台の周辺撮像装置の中から所定処理の対象となる撮像装置を選択するステップと、
前記選択された周辺撮像装置との間で、この周辺撮像装置に対応する前記識別情報を用いた無線通信による前記所定処理を行うステップと、
を含み、
前記検出された所定情報の撮影フレーム内の位置に、前記特定された識別情報またはこの識別情報を用いて取得される情報を表示するステップを更に備えた
ことを特徴とする撮像方法。
【請求項14】
コンピュータに対して、
周辺に存在している複数台の周辺撮像装置の中からそのいずれかの撮像装置が撮影された撮影フレーム内から前記撮像装置を識別する識別情報を特定可能な所定情報を検出する機能と、
前記検出された所定情報を解析して前記識別情報を特定する機能と、
前記特定された識別情報を用いた選択により、前記複数台の周辺撮像装置の中から所定処理の対象となる撮像装置を選択する機能と、
前記選択された周辺撮像装置との間で、この周辺撮像装置に対応する前記識別情報を用いた無線通信による前記所定処理を行う機能と、
を実現させ、
前記検出された所定情報の撮影フレーム内の位置に、前記特定された識別情報またはこの識別情報を用いて取得される情報を表示する機能を更に備えた
ことを特徴とするプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信が可能な撮像装置、撮像方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルスチルカメラやビデオカメラなどの撮像装置(カメラ)同士によるデータ通信を行う技術として、例えば、一方のカメラに備えられている発光部を他方のカメラで撮影することによって、一方のカメラの発光部から発せられた発光パターンを他方のカメラで撮影された画像内で検出することにより、カメラ同士でデータ通信(可視光通信)を行うようにした技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−19936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献の技術によれば、データ通信が可能な複数台のカメラが配置されている状況において、自己のカメラと所望の位置に配置されているカメラとの間でデータ通信を行いたい場合に、無線による通信(指向性の無い通信)のようにカメラの位置と識別情報(カメラID)との関係を予め調べておく必要がなく、データ通信を行いたい所望するカメラに自己のカメラの撮影方向を向けて撮影するだけで、そのカメラとの間でデータ通信が可能となるという効果を有しているが、データ通信中は相手先のカメラを常に撮影し続けなければならないという問題がある。
【0005】
本発明の課題は、自己の撮像装置とデータ通信が可能な他の撮像装置が複数存在する状況において、所望の撮像装置との間で選択的なデータ通信を行う場合の利便性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために本発明の撮像装置は、無線通信が可能な撮像装置であって、当該撮像装置の周辺に存在している他の複数台の周辺撮像装置の中からそのいずれかの撮像装置を撮影する撮像手段と、前記撮像手段によって撮影された撮影フレーム内から前記周辺撮像装置を識別する識別情報を特定可能な所定情報を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された所定情報を解析して前記識別情報を特定する特定手段と、前記特定手段によって特定された前記識別情報を用いて、前記複数台の周辺撮像装置の中からデータ転送処理の対象となる周辺撮像装置を選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された周辺撮像装置との間で、この周辺撮像装置に対応する前記識別情報を用いた前記無線通信による前記データ転送処理を行う処理制御手段と、を具備し、前記特定手段は、前記検出手段によって撮影フレーム内の複数の位置で前記所定情報がそれぞれ検出された場合に、各所定情報の個々を解析することにより複数の識別情報を特定し、前記選択手段は、前記特定手段によって複数の識別情報が特定された場合に、この複数の識別情報の中から任意に指定された識別情報で示される撮像装置を前記データ転送処理の対象として選択する、ことを特徴とする撮像装置である。
【0007】
また、他の態様による本発明の撮像装置は、無線通信が可能な撮像装置であって、当該撮像装置の周辺に存在している他の複数台の周辺撮像装置の中からそのいずれかの撮像装置を撮影する撮像手段と、前記撮像手段によって撮影された撮影フレーム内から前記周辺撮像装置を識別する識別情報を特定可能な所定情報を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された所定情報を解析して前記識別情報を特定する特定手段と、前記特定手段によって特定された前記識別情報を用いた選択により、前記複数台の周辺撮像装置の中から所定処理の対象となる周辺撮像装置を選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された周辺撮像装置との間で、この周辺撮像装置に対応する前記識別情報を用いた前記無線通信による前記所定処理を行う処理制御手段と、を具備し、前記検出手段によって検出された所定情報の撮影フレーム内の位置に、前記特定手段によって特定された識別情報またはこの識別情報を用いて取得される情報を表示する表示制御手段を更に備えたことを特徴とする撮像装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、自己の撮像装置とデータ通信が可能な他の撮像装置が複数存在する状況において、所望の撮像装置との間で選択的なデータ通信を行う場合の利便性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】被写体を中心としてその周辺に配置された複数台の周辺カメラ2の配置状態を示したブロック図。
図2】被写体所持カメラ1を、所望する位置に設置されている周辺カメラ2に向けて撮影を行った際に、そのライブビュー画像が表示されるモニタ画面(ライブビュー画面)を示した図。
図3】被写体所持カメラ1の基本的な構成要素を示したブロック図。
図4】第1実施形態において、被写体所持カメラ1の自分撮りモード時の動作を示したフローチャート。
図5】周辺カメラ2によって撮影された画像を取り込んでライブビュー画面の所定位置に重ね合わせて表示した状態を示した図。
図6】第2実施形態での自分撮りモード時の動作を示したフローチャート。
図7】第2実施形態において、複数の周辺カメラ2がライブビュー画面内に写された状態を示した図。
図8】第3実施形態での自分撮りモード時の動作を示したフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施形態1)
先ず、図1図5を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、被写体を中心としてその周辺に配置された複数台の撮像装置(カメラ)の配置状態を示したブロック図である。
被写体となる自分(ユーザ)をその周辺から撮影する自分撮りを行う場合にその被写体は、撮像装置(カメラ)1を所持し、自分撮りを行う位置(撮影位置)を中心として、その周辺に複数の他の撮像装置(カメラ)2を三脚使用などによって固定的に配置しておく。図示の例では、被写体(自分)所持のカメラ1を中心として、その周囲に“No.1〜No.5”によって示される5台の他のカメラ2を配置して、自分の姿(例えば、ダンスレッスン中の姿)を動画撮影又は静止画撮影する場合を示している。
【0012】
以下、被写体(自分)が所持しているカメラ1を被写体所持カメラ1と呼称し、また、その周辺に配置した複数の他のカメラ2を周辺カメラ(周辺撮像装置)2と呼称するものとする。なお、被写体所持カメラ1と周辺カメラ2とをその使用に応じて区別するようにしてもよい。すなわち、複数台の周辺カメラ2の中から任意に選んだ1台のカメラをユーザが使用(所持)するときには、そのカメラは被写体所持カメラ1となり、逆に、被写体所持カメラ1を被写体(ユーザ)の周辺に設置したときには、そのカメラは周辺カメラ2となるようにしてもよい。このように被写体所持カメラ1と周辺カメラ2とは相対的な関係であってもよい。
【0013】
被写体所持カメラ1及び周辺カメラ2の個々は、例えば、無線LAN(Local Area Network)又は通信可能距離が数十mほどのBluetooth(登録商標)などの短距離無線通信機能を備えている。被写体所持カメラ1は、その周辺に配置されている複数台(図示の例では5台)の周辺カメラ2のうち、ユーザ(被写体)によって任意に選択された周辺カメラ2との間で短距離無線通信を介して各種のコマンドや画像データの送受信が可能となっている。被写体所持カメラ1のユーザ(被写体)は、その周辺に配置した複数の周辺カメラ2の中から所望する周辺カメラ2に被写体所持カメラ1を向けると、被写体所持カメラ1とその位置の周辺カメラ2との無線通信の接続が確立されてデータの送受信が可能となり、その周辺カメラ2によって撮影された画像が被写体所持カメラ1に転送されてそのモニタ画面に表示される。このように周辺カメラ2によって撮影された画像が被写体所持カメラ1に転送されてそのモニタ画面に表示されるので、被写体としてのユーザは自分の姿をその場で確認することが可能となる。
【0014】
図2は、被写体所持カメラ1のユーザが自分の姿を確認するために、その被写体所持カメラ1を、所望する位置に設置されている周辺カメラ2に向けて撮影した際にそのライブビュー画像が表示されるライブビュー画面を示した図である。
図示の例は、被写体所持カメラ1のライブビュー画面の表示例を示した図で、このライブビュー画面の中央部に、“No.3”で示される周辺カメラ2が撮影フレーム内に含まれた状態を示し、このライブビュー画面(撮影フレーム)には、その周辺カメラ2による撮影画像に対応付けてその配置位置を示す“No.3”が合成表示される。
【0015】
各周辺カメラ2には、その表面側(撮影レンズ2a側)の上端中央部に可視光を発するための発光部2bが備えられている。この発光部2bは、LED(Light Emitting Diode)などの可視光素子を備え、自己の周辺カメラ2に予め割り振られている識別情報(カメラID)を可視光通信によって発信可能な構成となっている。例えば、発光部2bは、可視光素子を高速に点滅駆動させることによりカメラIDを示す発光パターン(点滅パターン)を発信するようにしている。カメラIDは、各周辺カメラ2に予め設定されたもので、例えば、日時+配置位置(“No.1〜No.5”)から成るユニークなIDを使用するようにしている。そして、このカメラIDは、各周辺カメラ2に予め設定されたもので、周辺カメラ2毎にキー操作によって個別に設定され、又は被写体所持カメラ1がカメラIDを生成して各周辺カメラ2に送信して割り振り設定されたものである。
【0016】
このように各周辺カメラ2から点滅パターン(カメラID)が発信されている状態において、所望する位置に設置されている周辺カメラ2に被写体所持カメラ1を向けると、被写体所持カメラ1は、ライブビュー画面の撮影フレーム内に写り込まれている周辺カメラ2の発光部分を輝度の強さや大きさなどから検出すると共に、その発光部分での発光パターン(点滅パターン)を逐次検出する。この点滅パターンは、カメラIDを特定可能な所定情報であり、被写体所持カメラ1は、点滅パターンを解析してそのカメラIDを特定するようにしている。そして、特定したカメラIDを用いて、周辺の複数台の周辺カメラ2の中から所定処理の対象となる周辺カメラ2を選択するようにしている。なお、可視光通信は、指向性が強く、混信がおきにくいために所望する周辺カメラ2に被写体所持カメラ1を向けるだけでそのカメラIDを特定することが可能となる。
【0017】
本実施形態において所定処理とは、その処理の対象として選択した周辺カメラ2と被写体所持カメラ1とが協調して撮影動作を行う処理である。例えば、処理対象として選択した周辺カメラ2に対して画像の転送を要求し、それに応答してその周辺カメラ2から無線通信によって送信されてきた撮影画像を取り込んで記録する転送処理である。すなわち、周辺カメラ2に対して自分撮りコマンド(動画撮影コマンド)を送信し、その送信タイミング(又は送信タイミングから所定時間後)でその周辺カメラ2で本撮影された動画像を受信して記録したり、周辺カメラ2に対して連続した複数枚の静止画撮影(マルチ連写)を指示する自分撮りコマンド(マルチ連写コマンド)を送信し、その周辺カメラ2でマルチ連写された画像(分解写真と呼ばれるように、連写された複数枚の画像を時系列的に埋め込んだ1枚の画像)を受信して記録したりする転送処理である。このように本実施形態においては、所定処理(協調撮影動作)として撮影画像の転送処理を示したが、これに限らず、例えば、被写体所持カメラ1と周辺カメラ2との撮影タイミングを同期させたり、静止画撮影/動画撮影を同期させたりしてもよく、その処理内容は問わない。
【0018】
図3は、被写体所持カメラ1の基本的な構成要素を示したブロック図である。なお、各周辺カメラ2の構成は、基本的に被写体所持カメラ1と同様であるため、その構成は図示省略したが、各周辺カメラ2には、上述したように予め自己に割り振られているカメラIDを可視光通信によって発信する発光部2bが備えられている。
被写体所持カメラ1は、静止画像のほかに動画像の撮影も可能なコンパクトカメラや一眼レフカメラであり、撮像機能、計時機能などの基本的な機能のほかに、無線通信機能を備えている。制御部11は、電源部(二次電池)12からの電力供給によって動作し、記憶部13内の各種のプログラムに応じてこの被写体所持カメラ1の全体動作を制御するもので、この制御部11には図示しないCPU(中央演算処理装置)やメモリなどが設けられている。
【0019】
記憶部13は、例えば、ROM、フラッシュメモリなどを有する構成で、後述する図4に示した動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションなどが格納されているプログラムメモリ13aと、この被写体所持カメラ1が動作するために必要となる各種の情報(例えば、フラグ、計測時間など)を一時的に記憶するワークメモリ13bなどを有している。なお、記憶部13は、例えば、SDカード、ICカードなど、着脱自在な可搬型メモリ(記録メディア)を含む構成であってもよく、図示しないが、通信機能を介してネットワークに接続されている状態においては所定のサーバ装置側の記憶領域を含むものであってもよい。
【0020】
操作部14は、押しボタン式のキーとして、電源のオン/オフを指示する電源キーと、自分撮りモードなどの各種の撮影モードと再生モードとを切り替えるモード変更キーと、撮影開始を指示するシャッタキーなどを備え、制御部11は、この操作部14から操作キーに対応して出力される入力操作信号に応じて、例えば、モード変更処理、撮影処理などを行う。自分撮りモードとは、被写体(自分)を中心として、その周辺に配置した各周辺カメラ2を使用して、自分撮りを行う撮影モードを示している。撮像部15は、図示省略したが、光学レンズからの被写体像が撮像素子(CCDやCMOSなど)に結像されることにより被写体を高精細に撮影可能なカメラ部を構成するもので、撮影レンズ(例えば、ズームレンズ)、撮像素子、ストロボ、各種のセンサ、アナログ処理部、デジタル処理部を有している。撮像素子によって光電変換された画像信号(アナログ値の信号)は、色分離やRGBの色成分毎のゲイン調整などが行われた後、デジタル値のデータに変換されると共に、色補間処理(デモザイク処理)が施されてタッチ表示部16にフルカラー表示される。
【0021】
タッチ表示部16は、表示パネル16aにタッチパネル16bを積層配設した構成で、表示パネル16aは、高精細液晶ディスプレイあるいは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイで、撮影画像(ライブビュー画像)を表示するモニタ画面(ライブビュー画面)となったり、撮影済み画像を再生する再生画面となったりする。タッチパネル16bは、撮影者の指などでタッチ操作された位置を検知してその座標データを入力するタッチスクリーンを構成する。無線通信部17は、周辺カメラ2との間で短距離無線通信を行うもので、例えば、無線LAN又はBluetooth(登録商標)通信機能を構成する。
【0022】
このように第1実施形態において被写体撮像装置(被写体所持カメラ)1は、当該カメラ1の周辺に存在している他の複数台の周辺撮像装置(周辺カメラ)2の中からそのいずれかのカメラを撮影する撮像手段(制御部11、撮像部15)と、前記撮像手段によって撮影された撮影フレーム内から複数台の周辺撮像装置を識別する識別情報(カメラID)を特定可能な所定情報を検出する検出手段(制御部11、記憶部13)と、前記検出手段によって検出された所定情報を解析して前記識別情報を特定する特定手段(制御部11、記憶部13)と、前記特定手段によって特定された前記識別情報を用いて、前記複数台の周辺撮像装置の中から所定処理(撮影画像の転送処理など)の対象となる撮像装置を選択する選択手段(制御部11、記憶部13)と、前記選択手段によって選択された周辺撮像装置との間で前記無線通信による前記所定処理を行う処理制御手段(制御部11、記憶部13、無線通信部17)と、を備える構成となっている。
【0023】
次に、第1実施形態における被写体所持カメラ1の動作概念を図4に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、このフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、ネットワークなどの伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。このことは後述する他の実施形態においても同様であり、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用して本実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0024】
図4は、被写体所持カメラ1での自分撮りモード時の動作を示したフローチャートであり、上述のモード切替キーによって自分撮りモードに切り替えられた際に実行開始される。なお、図4は、被写体所持カメラ1の全体動作のうち、本実施形態の特徴部分の動作概要を示したフローチャートであり、この図4のフローから抜けた際には、全体動作のメインフロー(図示省略)に戻る。
被写体所持カメラ1のユーザは、自分撮りモードへの切替えに先だって、被写体(自分)を中心として、その周辺の任意の位置に複数台の周辺カメラ2を配置しておく(この場合、三脚などに固定してもよいが、人に保持させるなど移動可能な状態で配置してもよい)。ここで、各周辺カメラ2は、予め割り振られた自己のカメラIDを読み出し、そのカメラIDを示す発光パターン(点滅パターン)をその発光部2bから繰り返し発信しているものとする。この状態においてユーザは、自分撮りモードに切り替えると共に、自分の姿(例えば、ダンスレッスンの様子)を所望する位置の周辺カメラ2に撮影させるために、被写体所持カメラ1をその位置にある周辺カメラ2に向けてそれを撮影する。
【0025】
先ず、被写体所持カメラ1の制御部11は、自分撮りモードに切り替えられると、撮像部15を構成する撮像素子に写し込まれた撮影フレーム内の画像をライブビュー画像としてモニタ画面に逐次表示するライブビュー表示動作を開始する(ステップA1)。そして、ライブビュー画像が表示されている撮影フレーム内に、周辺カメラ2の発光部2bから発せられた光が含まれているかを検出する処理を行う(ステップA2)。この場合、発光の検出は、その輝度、大きさ、色などを基に総合的に判断することによりその光の検出有無を調べる(ステップA3)。ここで、周辺カメラ2の発光部2bから発せられた光を検出しなければ(ステップA3でNO)、被写体所持カメラ1が周辺カメラ2に向けられていない状態であると判断して、ステップA15に移り、自分撮りモードが解除されたかを調べ、自分撮りモードが解除されるまで上述のステップA2に戻り、光の検出処理を継続する。
【0026】
いま、周辺カメラ2の発光部2bから発せられた発光を検出したときには(ステップA3でYES)、被写体所持カメラ1が周辺カメラ2に向けられて撮影している状態であると判断して、ステップA4に移り、時系列の各撮影フレーム内での光の変化を逐次検出し、その変化の発光パターンを解析することによりカメラIDを特定する。そして、特定したカメラIDから一部のデータ(例えば、配置位置を示す“No.1〜No.5”)を取得し、ライブビュー画面内の発光検出位置に合成表示させる(ステップA5)。図2は、被写体所持カメラ1を“No.3”の周辺カメラ2に向けて撮影した場合のライブビュー画面(撮影フレーム)を示した図である。この状態において、協調撮影動作の開始が指示されたかを調べる(ステップA6)。すなわち、周辺カメラ2と被写体所持カメラ1とが協調撮影動作を行うことを指示するユーザ操作が行われたかを調べる。なお、ユーザは、撮影動作の開始を指示する操作を行った後、被写体所持カメラ1を手放して被写体となり、ダンスレッスンを行えばよい。
【0027】
いま、撮影動作の開始が指示されなければ(ステップA6でNO)、上述のステップA15に移るが、撮影動作の開始が指示されたときには(ステップA6でYES)、その撮影動作開始が指示された際に特定している最新のカメラIDを用いて、複数台の周辺カメラ2の中から所定処理の対象となる周辺カメラ2を選択する(ステップA7)。そして、この処理対象として選択した周辺カメラ2と被写体所持カメラ1との間の無線通信を開始する(ステップA8)。ここで、本実施形態においては、各周辺カメラ2の配置位置を示す“No.1〜No.5”を、それらのカメラIDとしているために、このカメラIDと無線通信用ID(MACアドレスなど)とを予め対応付けて記憶する対応テーブル(図示省略)を参照し、特定したカメラIDを通信用IDに変換してから無線通信を開始するようにしている。なお、カメラIDのそのものが、無線通信時に相手先を特定する通信用ID(MACアドレスなど)を兼用しているような場合には、そのような変換を行わずに、無線通信を開始するようにしてもよい。
【0028】
次に、この周辺カメラ2と被写体所持カメラ1とが協調して行う撮影動作を開始する(ステップA9)。このような協調撮影動作を開始した後、周辺カメラ2と被写体所持カメラ1との間で協調撮影動作を制御するコマンドやデータを送受信すると共に(ステップA10)、その送受信されたコマンドやデータに応じて協調撮影動作を実行する(ステップA11)。例えば、上述したように、周辺カメラ2に対して自分撮りコマンド(動画撮影コマンド)を送信し、その送信タイミング(又は送信タイミングから所定時間後)でその周辺カメラ2で本撮影された撮影画像(動画像)を取り込んで記録する処理を行う。そして、この撮影画像をライブビュー画面の撮影フレーム内の発光検出位置に表示させる(ステップA12)。図5は、この場合のライブビュー画面を示し、周辺カメラ2撮影された画像(ダンスレッスン中の画像)がライブビュー画像の発光検出位置に重ね合わせて表示された状態を示している。
【0029】
そして、協調撮影動作の終了を指示するユーザ操作が行われたかを調べ(ステップA13)、終了が指示されるまで上述のステップA10に戻って、協調撮影動作を継続する。ここで、協調撮影動作の終了が指示されると(ステップA13でYES)、協調撮影動作を終了させると共に、無線通信を終了させる(ステップA14)。そして、自分撮りモードが解除されたかを調べ(ステップA15)、解除されるまで上述のステップA2に戻り、以下、上述の動作を繰り返す。
【0030】
ここで、被写体所持カメラ1は、自分撮りモードが解除されると(ステップA15でYES)、図4のフローから抜ける。このようにして所望する周辺カメラ24からその撮影画像を取り込んで記録された状態において、再生モードに切り替えられてその撮影画像の再生がユーザ操作により指示されると、再生画面にその撮影画像を表示させる。
【0031】
以上のように、第1実施形態において被写体所持カメラ1は、その周辺に存在している複数台の周辺カメラ2の中からそのいずれかのカメラ2を撮影した場合に、その撮影フレーム内から周辺カメラ2を識別するカメラIDを特定可能な所定情報を検出し、この所定情報を解析して通信用カメラIDを特定すると共に、この通信用カメラIDを用いて、複数台の周辺カメラ2の中から所定処理の対象となるカメラ2を選択するようにしたので、被写体所持カメラ1と無線によるデータ通信が可能な他の周辺カメラ2が複数存在する状況において、所望の周辺カメラ(例えば、被写体を撮影するのに適した方向に配置されたカメラ)2を撮影して指示を行うだけで、この周辺カメラ2との間での選択的なデータ通信を容易に行うことが可能となる。しかも、カメラIDの特定を行う通信媒体(光)とデータ通信を行う通信媒体(電波)とが異なっているため、カメラIDが特定された後に被写体所持カメラ1と周辺カメラ2との間でデータ通信を行う場合にその通信相手である周辺カメラ2を常に撮影し続けなくてもそのデータ通信を継続することができ、その通信中に被写体所持カメラ1を手放したりすることができ、ユーザの自由度を高めることが可能となる。
【0032】
被写体所持カメラ1は、複数台の周辺カメラ2に予め割り振られているカメラIDが可視光の発光パターンによって各周辺カメラから発信されている状態において、いずれかのカメラ2を撮影した撮影フレーム内の発光を検出すると共にその発光パターンを解析してカメラIDを特定するようにしたので、可視光通信によってカメラIDを発信することができ、複数台の周辺カメラ2が接近し合っていても、混信することなく、確実な通信が可能となる。
【0033】
被写体所持カメラ1は、周辺カメラ2のカメラIDを逐次特定している状態において、指定されたタイミングで特定した最新のカメラIDで示される周辺カメラ2を処理対象として選択するようにしたので、異なる位置の周辺カメラ2に被写体所持カメラ1を次々に向けたとしても最新の周辺カメラ2を処理対象として選択することができる。
【0034】
被写体所持カメラ1は、逐次特定した周辺カメラ2のカメラIDをライブビュー画面内に逐次表示するようにしたので、ライブビュー画面の表示内容から被写体所持カメラ1を向けている周辺カメラ2を逐次確認することができる。
【0035】
所定処理は、その処理対象として選択した周辺カメラ2によって撮影された画像の転送をその周辺カメラ2に対して要求し、その要求に応じてその周辺カメラ2から送信される撮影画像を取り込む転送処理であるので、所望する周辺カメラ2によって撮影された画像をリアルタイムに取得することができる。
【0036】
被写体所持カメラ1は、周辺カメラ2から画像の転送要求に応じて取り込んだ撮影画像を、撮影フレーム内の発光検出位置に表示するようにしたので、周辺カメラ2と撮影画像との対応関係が明確となる。
【0037】
(第2実施形態)
以下、この発明の第2実施形態について図6及び図7を参照して説明する。
なお、上述した第1実施形態においては、一台の周辺カメラ2からの発光を検出した場合、つまり、単一のカメラIDを特定した場合を例示したが、第2実施形態においては、複数台の周辺カメラ2からの発光を同時に検出した場合、つまり、複数のカメラIDを同時に特定した場合である。また、第2実施形態においては、強調撮影動作として、周辺カメラ2から送信される撮影画像を受信してライブビュー画面に表示させる処理に特化した場合を示している。ここで、第1・第2実施形態において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第2実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0038】
図6は、第2実施形態において、被写体所持カメラ1での自分撮りモード時の動作を示したフローチャートであり、自分撮りモードに切り替えられた際に実行開始される。
先ず、被写体所持カメラ1の制御部11は、自分撮りモードに切り替えられると、撮像素子に写し込まれた撮影フレーム内の画像をライブビュー画像としてモニタ画面に逐次表示するライブビュー表示動作を開始する(ステップB1)。そして、ライブビュー画像が表示されている撮影フレーム内に複数台の周辺カメラ2の発光部2bから発せられた各光を検出する処理を行う(ステップB2)。つまり、一つの撮影フレーム内に含まれている複数の発光を検出する処理を行う。
【0039】
そして、ライブビュー画面(撮影フレーム)内の各発光検出位置に所定大の枠(矩形枠)を表示させる(ステップB3)。図7は、隣り合う2台の周辺カメラ2を同時に撮影した場合のライブビュー画面を示した図で、例えば、所望する“No.3”の周辺カメラ2だけではなく、隣り合う“No.4”の周辺カメラ2も写り込んでしまった場合を例示した図で、この2台の周辺カメラ2に対応して2つの枠が表示された場合を示している。なお、各枠の大きさやその表示位置によっては、その枠の一部が撮影フレームからはみ出した状態となる。
【0040】
次に、被写体所持カメラ1は、各発光部分での発光パターン(点滅パターン)を解析することによって各カメラIDを特定し(ステップB4)、特定した各カメラIDの一部のデータ(配置位置を示す“No.1〜No.5”)をライブビュー画面内の枠表示に近接表示させる(ステップB5)。図7の表示例は、ライブビュー画面内に含まれている2台の周辺カメラ2に対応して、その枠にカメラIDの一部のデータ“No.3”及び“No.4”を近接表示された場合である。
【0041】
このようにライブビュー画面内に複数のカメラIDが表示されている状態において、いずれかのカメラIDの表示位置を任意に選択する操作が行われたか否かを調べる(ステップB6)。例えば、タッチ表示部16のライブビュー画面(タッチ画面)内に表示されているカメラIDの表示位置がタッチ操作されたかを調べる。ここで、カメラIDを選択するタッチ操作が行われなければ(ステップB6でNO)、上述のステップB2に戻るが、カメラIDを選択するタッチ操作が行われたときには(ステップB6でYES)、選択されたカメラIDで示される周辺カメラ2と被写体所持カメラ1との間の無線通信を開始すると共に(ステップB7)、協調撮影動作を開始し、その周辺カメラ2から送信される撮影画像を受信して(ステップB8)、ライブビュー画面に表示させる(ステップB9)。その後、自分撮りモードが解除されたかを調べ(ステップB10)、自分撮りモードが解除されるまで上述のステップB2に戻り、光の検出処理を継続する。以下、自分撮りモードが解除されるまで上述の動作を繰り返す。
【0042】
以上のように、第2実施形態において被写体所持カメラ1は、撮影フレーム内の複数の位置で発光がそれぞれ検出された場合に、各発光パターンの個々を解析することにより複数のカメラIDを特定し、この複数のカメラIDの中から任意に指定されたカメラIDで示される周辺カメラ2を処理対象として選択するようにしたので、被写体所持カメラ1を複数の周辺カメラ2に向けて撮影を行ったとしてもそのうちの一台の周辺カメラ2を処理対象として選択することができる。
【0043】
被写体所持カメラ1は、複数のカメラIDを特定した場合に、撮影フレーム内の複数の発光位置(検出位置)に対応するカメラIDを表示すると共に、そのいずれかの検出位置が任意に指定された場合に、その指定された位置のカメラIDで示される周辺カメラ2を処理対象として選択するようにしたので、ユーザの所望する周辺カメラ2を処理対象として選択することができる。
【0044】
(第3実施形態)
以下、この発明の第3実施形態について図8を参照して説明する。
なお、上述した第1実施形態においては、カメラIDを逐次特定している状態において、協調撮影動作を開始する指示操作が行われたタイミングで特定した最新のカメラIDで示される周辺カメラ2を処理対象として選択するようにしたが、この第3実施形態においては、所望する位置の周辺カメラ2に被写体所持カメラ1を向けるだけで、協調撮影動作を開始する指示操作を行わなくても、そのカメラIDで示される周辺カメラ2を処理対象として選択できるようにしたものである。また、第3実施形態においては、強調撮影動作として周辺カメラ2から送信される撮影画像を受信してライブビュー画面に表示させる処理に特化した場合を示している。ここで、第1・第3実施形態において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第3実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0045】
図8は、第3実施形態において、被写体所持カメラ1における自分撮りモード時の動作を示したフローチャートであり、自分撮りモードに切り替えられた際に実行開始される。
先ず、被写体所持カメラ1の制御部11は、自分撮りモードに切り替えられると、上述した第1実施形態と同様に、撮像素子に写し込まれた撮影フレーム内の画像をライブビュー画像としてモニタ画面に逐次表示するライブビュー表示動作を開始する(ステップC1)。そして、ライブビュー画像が表示されている撮影フレーム内に周辺カメラ2の発光部2bから発せられた光が含まれているかを検出して(ステップC2)、その検出有無を調べる(ステップC3)。ここで、周辺カメラ2の発光部2bから発せられた光を検出しなければ(ステップC3でNO)、ステップC11に移り、自分撮りモードが解除されたかを調べ、それが解除されるまで上述のステップC2に戻り、光検出処理を継続する。
【0046】
いま、周辺カメラ2の発光部2bから発せられた発光を検出したときには(ステップC3でYES)、時系列の各撮影フレーム内での光の変化を逐次検出し、その変化から発光パターンを解析して、カメラIDを特定する(ステップC4)。そして、いずれかの周辺カメラ2と無線通信の接続中であるかを調べ(ステップC5)、通信接続中でなければ(ステップC5でNO)、つまり、いずれの周辺カメラ2と無線接続していない状態でカメラIDを特定したときには、その特定したカメラIDで示される周辺カメラ2と被写体所持カメラ1との間の無線通信を開始すると共に(ステップC8)、協調撮影動作を開始し、その周辺カメラ2から送信される撮影画像を受信して(ステップC9)、ライブビュー画面に表示させる(ステップC10)。その後、自分撮りモードが解除されたかを調べ(ステップC11)、それが解除されるまで上述のステップC2に戻り、光検出処理を継続する。
【0047】
一方、カメラIDを特定した際に(ステップC4)、いずれかの周辺カメラ2と通信接続中であれば(ステップC5でYES)、カメラIDは、通信接続中の周辺カメラ2を示すか、つまり、通信接続中の周辺カメラ2のIDと異なるカメラIDを特定した場合であるかを調べる(ステップC6)。ここで、いずれかの周辺カメラ2と通信接続中にその周辺カメラ2とは異なる他のカメラIDを特定したときには(ステップC6でNO)、その周辺カメラ2との通信接続を終了させると共に(ステップC7)、今回特定したカメラIDで示される周辺カメラ2との無線通信を開始させることにより通信接続の切り替えを行う(ステップC8)。これによって切り替えた周辺カメラ2から送信される撮影画像を受信して(ステップC9)、ライブビュー画面に表示させる(ステップC10)。
【0048】
また、いずれかの周辺カメラ2と通信接続中において(ステップC5でYES)、特定したカメラIDが通信接続中の周辺カメラ2のIDであれば(ステップC6でNO)、つまり、通信接続中の周辺カメラ2に被写体所持カメラ1を向けたままの状態であれば、その周辺カメラ2との通信接続を継続させるためにステップC9に移り、その周辺カメラ2から送信される撮影画像を受信し、ライブビュー画面に表示させる(ステップC10)。他方、周辺カメラ2からの発光を検出しなかったときには(ステップC3でNO)、いずれかの周辺カメラ2と無線通信の接続中であるかを調べる(ステップC12)。
【0049】
いま、通信接続中でなければ(ステップC12でNO)、上述のステップC2に戻るが、通信接続中であれば(ステップC12でYES)、つまり、周辺カメラ2との通信接続中に被写体所持カメラ1の向きをその周辺カメラ2から外した場合には、その周辺カメラ2との強調撮影動作を継続させるためにステップC9に移り、その周辺カメラ2から送信される撮影画像を受信し、ライブビュー画面に表示させる(ステップC10)。その後、自分撮りモードが解除されたかを調べ(ステップC11)、それが解除されるまで上述のステップC2に戻り、以下、上述の動作を繰り返す。
【0050】
以上のように、第3実施形態において被写体所持カメラ1は、撮影フレーム内の発光パターンを解析してカメラIDを逐次特定している状態において、特定した最新のカメラIDで示される周辺カメラ2を処理対象として選択するようにしたので、被写体所持カメラ1を向ける方向の変化させた場合(いずれかの周辺カメラ2から他の周辺カメラ2に被写体所持カメラ1を向けた場合)、その変化に応じてリアルタイムに通信相手先を変化させて新たな相手先と強調撮影動作を開始させることができる。この場合、いずれかの周辺カメラ2との間で無線通信を開始してから他の周辺カメラ2に被写体所持カメラ1を向けなければ、通信接続中の周辺カメラ2から被写体所持カメラ1を向け続けなくても、その周辺カメラ2との通信を継続することができる。
【0051】
なお、上述した第3実施形態においては、複数台の周辺カメラ2からの発光をそれぞれ検出した場合については言及しなかったが、被写体所持カメラ1は、複数の発光を検出した場合に、この複数の発光の撮影フレーム内での位置関係に基づいて、いずれかの検出位置を有効としてその発光パターンからカメラIDを特定し、そのカメラIDで示される周辺カメラ2を処理対象として選択するようにしてもよい。例えば、撮影フレーム内に複数の発光を同時に検出した場合には、その複数の検出位置の中から撮影フレームの中心部(または他の所望の位置)に近い検出位置を有効としてそのカメラIDを特定するようにしてもよい。このように中心部に近い検出位置有効としてそのカメラIDを特定するようにすれば、複数台の周辺カメラ2が近接配置されていても所望する周辺カメラ2を中心に撮影するだけで処理対象を選択することが可能となる。
【0052】
一方、全ての位置にある発光部分に対してカメラIDの特定処理を行うことで、複数の位置と複数のカメラIDとの対応関係を特定した後、この対応関係が特定された複数の位置の中でより中心部に近い位置に対応するカメラIDを処理対象として選択するようにしてもよい。また、撮影フレーム内に複数の発光を同時に検出した場合のほか、撮影方向を変化させながら(同時ではなく)順次検出される発光部分に対して順次カメラIDの特定処理を行って、複数の撮影方向(位置)と複数のカメラIDとの対応関係を特定し、より中央の撮影方向に対応するカメラIDを処理対象として選択するようにしてもよい。
【0053】
また、撮影フレーム内の複数の検出位置を所定の順序(例えば、撮影フレームの一端から他端に向かう順序)で有効としてそのカメラIDを順次特定するようにしてもよい。このように複数の検出位置を所定の順序で有効としてそのカメラIDを順次特定するようにすれば、複数台の周辺カメラ2を処理対象として順次選択することができ、複数台の周辺カメラ2から画像を順次受信して、合成画像を生成することも可能となる。この場合、ユーザは、一つの撮影フレーム内に複数台の周辺カメラ2が撮影されるように画角を変更して撮影するようにしてもよいが、一つの撮影フレーム内に一台の周辺カメラ2が撮影されるようその都度、撮影方向を変えて撮影するようにしてもよい。
【0054】
一方、全ての位置にある発光部分に対してカメラIDの特定処理を行うことで、複数の位置と複数のカメラIDとの対応関係を特定(例えば、最も左の発光部分に対応するカメラIDが“No.3”、真ん中の発光部分に対応するカメラIDが“No.1”、最も右の発光部分に対応するカメラIDが“No.5”であることを特定)した後、各カメラIDの周辺カメラ2から撮影画像を取得し、この取得した複数の撮影画像を周辺カメラ2の並び(発光部分が検出された位置の並び)に合わせた位置関係で合成(並べて表示)する場合に、上述のように特定した複数の位置と複数のカメラIDとの対応関係に基づいて、取得した複数の撮影画像の並びを決定するようにしてもよい。例えば、“No.3”の周辺カメラ2から取得した撮影画像を最も左側に、“No.1”の周辺カメラ2から取得した撮影画像を真ん中に、“No.5”の周辺カメラ2から取得した撮影画像を最も右側にくるように各撮影画像の並びを決定して合成するようにしてもよい。
【0055】
上述した各実施形態において被写体所持カメラ1は、選択した処理対象の周辺カメラ2で撮影された画像の転送をその周辺カメラ2に対して要求し、その要求に応じて送信される撮影画像を取り込む転送処理を実行するようにしたが、所定処理は、このような転送処理に限らず、例えば、処理対象として選択した周辺カメラ2の撮影タイミングを被写体所持カメラ1の撮影タイミングと同期させる同期処理であってもよい。例えば、被写体所持カメラ1と周辺カメラ2との撮影タイミングを同期させたり、静止画撮影/動画撮影を同期させたりしてもよい。このような同期処理を行うことによってユーザは自己の撮影画像と相手先の撮影画像とをリアルタイムに送信し合うなど、色々な撮影を楽しむことが可能となる。
【0056】
上述した各実施形態においては、カメラIDとして、各周辺カメラ2の配置位置を示す“No.1〜No.5”を例示したが、カメラの配置位置に限らず、各周辺カメラ2が配置されている方位や方向、カメラの名称や略称などであってもよく、カメラIDからその配置位置を直感的に把握できるものであればよい。
【0057】
上述した各実施形態においては、カメラIDを撮影フレーム内の発光検出位置に表示するようにしたが、例えば、撮影フレーム内の周辺カメラ2の画像中心部分に重ね合わせて表示するようにしてもよく、周辺カメラ2との対応関係が容易に理解可能な位置に表示するようにすればよい。
【0058】
上述した各実施形態においては、周辺カメラ2を識別するカメラIDを特定可能な所定情報として、周辺カメラ2から発行される発光パターンを例示したが、所定情報としては、時間的に変化する発光パターンに限らず、空間的な変化のある発光パターン、カメラIDを示すバーコードが印刷されたラベル、カメラIDを示す数値列や文字列が印刷されたラベルであってもよい。この場合、被写体所持カメラ1は、撮影フレーム内の画像を解析してバーコード、数値列、文字列を認識して、その認識結果を表示するようにしてもよい。
【0059】
また、上述した各実施形態において撮像装置として、デジタルカメラに適用した場合を示したが、これに限らず、撮像機能付きのスマートフォン・PC(個人向け携帯型情報通信機器)・タブレット端末、電子腕時計などであってもよい。
【0060】
また、上述した各実施形態において示した“装置”や“部”とは、機能別に複数の筐体に分離されていてもよく、単一の筐体に限らない。また、上述したフローチャートに記述した各ステップは、時系列的な処理に限らず、複数のステップを並列的に処理したり、別個独立して処理したりするようにしてもよい。
【0061】
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は、これに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下、本願出願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、
無線通信が可能な撮像装置であって、
当該撮像装置の周辺に存在している他の複数台の周辺撮像装置の中からそのいずれかの撮像装置を撮影する撮像手段と、
前記撮像手段によって撮影された撮影フレーム内から前記周辺撮像装置を識別する識別情報を特定可能な所定情報を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された所定情報を解析して前記識別情報を特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定された前記識別情報を用いて、前記複数台の周辺撮像装置の中から所定処理の対象となる周辺撮像装置を選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された周辺撮像装置との間で前記無線通信による前記所定処理を行う処理制御手段と、
を具備したことを特徴とする撮像装置である。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の撮像装置において、
前記検出手段は、前記複数台の周辺撮像装置に予め割り振られている前記識別情報が可視光の発光パターンによって各周辺撮像装置から発信されている状態において、いずれかの周辺撮像装置から発信された発光パターンを前記所定情報として検出し、
前記特定手段は、前記検出手段によって検出された発光パターンを解析して前記識別情報を特定する、
ことを特徴とする撮像装置である。
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の撮像装置において、
前記検出手段は、前記所定情報を逐次検出し、
前記特定手段は、前記検出手段によって逐次検出された所定情報を解析して前記識別情報を逐次特定し、
前記選択手段は、指定されたタイミングで前記特定手段によって特定された最新の識別情報で示される撮像装置を所定処理の対象として選択する、
ことを特徴とする撮像装置である。
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の撮像装置において、
前記検出手段は、前記所定情報を逐次検出し、
前記特定手段は、前記検出手段によって逐次検出された所定情報を解析して前記識別情報を逐次特定し、
前記特定手段によって特定された識別情報をライブビュー画面内に表示する表示手段を更に備える、
ことを特徴とする撮像装置である。
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の撮像装置において、
前記特定手段は、前記検出手段によって撮影フレーム内の複数の位置で前記所定情報がそれぞれ検出された場合に、各所定情報の個々を解析することにより複数の識別情報を特定し、
前記選択手段は、前記特定手段によって複数の識別情報が特定された場合に、この複数の識別情報の中から任意に指定された識別情報で示される撮像装置を所定処理の対象として選択する、
ことを特徴とする撮像装置である。
(請求項6)
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の撮像装置において、
前記検出手段によって検出された所定情報の撮影フレーム内の位置に、前記特定手段によって特定された識別情報を表示する表示手段を更に備え、
前記表示手段は、前記特定手段によって特定された複数の識別情報を、前記検出手段によって検出された対応する所定情報の検出位置に表示し、
前記選択手段は、前記表示されている複数の識別情報のいずれかの検出位置が任意に指定された場合に、その指定された検出位置の識別情報で示される撮像装置を所定処理の対象として選択する、
ことを特徴とする撮像装置である。
(請求項7)
請求項7に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の撮像装置において、
前記検出手段は、前記所定情報を逐次検出し、
前記特定手段は、前記検出手段によって逐次検出された所定情報を解析して前記識別情報を逐次特定し、
前記選択手段は、前記特定手段によって特定された最新の識別情報で示される撮像装置を所定処理の対象として選択する、
ことを特徴とする撮像装置である。
(請求項8)
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の撮像装置において、
前記所定処理は、その処理対象として選択された周辺撮像装置によって撮影された画像の転送を該周辺撮像装置に要求し、その要求に応じて送信される撮影画像を取り込む処理である、
ことを特徴とする撮像装置である。
(請求項9)
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の撮像装置において、
前記所定処理は、前記画像の転送要求に応じて取り込んだ撮影画像を、前記検出手段によって検出された所定情報の撮影フレーム内の検出位置に表示する処理である、
ことを特徴とする撮像装置である。
(請求項10)
請求項10に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の撮像装置において、
前記所定処理は、その処理対象として選択された周辺撮像装置の撮影タイミングを自己の撮像装置の撮影タイミングと同期させる処理である、
ことを特徴とする撮像装置である。
(請求項11)
請求項11に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の撮像装置において、
前記特定手段は、前記検出手段によって複数の所定情報が検出された場合に、この複数の所定情報の撮影フレーム内での位置関係に基づいて、いずれかの検出位置を有効としてその所定情報を解析して識別情報を特定する、
ことを特徴とする撮像装置である。
(請求項12)
請求項12に記載の発明は、
周辺に存在している複数台の周辺撮像装置の中からそのいずれかの撮像装置が撮影された撮影フレーム内から前記周辺撮像装置を識別する識別情報を特定可能な所定情報を検出するステップと、
前記検出された所定情報を解析して前記識別情報を特定するステップと、
前記特定された識別情報を用いて、前記複数台の周辺撮像装置の中から所定処理の対象となる撮像装置を選択するステップと、
前記選択された周辺撮像装置との間で無線通信による前記所定処理を行うステップと、
を含むことを特徴とする撮像方法である。
(請求項13)
請求項13に記載の発明は、
コンピュータに対して、
周辺に存在している複数台の周辺撮像装置の中からそのいずれかの撮像装置が撮影された撮影フレーム内から前記撮像装置を識別する識別情報を特定可能な所定情報を検出する機能と、
前記検出された所定情報を解析して前記識別情報を特定する機能と、
前記特定された識別情報を用いて、前記複数台の周辺撮像装置の中から所定処理の対象となる撮像装置を選択する機能と、
前記選択された周辺撮像装置との間で無線通信による前記所定処理を行う機能と、
を実現させるためのプログラムである。
【符号の説明】
【0062】
1 被写体所持カメラ
2 周辺カメラ
2b 発光部
11 制御部
13 記憶部
15 撮像部
16 タッチ表示部
17 無線通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8