(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、先入れ物品と後入れ物品とでは、先入れ物品が後入れ物品より先に物品収納棚から受取箇所に出庫する場合が多い。しかしながら、従来の物品収納設備では、先入れ物品が後入れ物品より先に物品収納棚から受取箇所に出庫するため、手前側収納箇所に収納されている後入れ物品を、空いている収納部(仮置き部と称する)に搬送した後、奥側収納箇所に収納されている先入れ物品を搬出部に出庫するという手順で出庫している。
このように、手前側収納箇所に収納されている後入れ物品が邪魔になり、後入れ物品を仮置き部に搬送した後でしか先入れ物品を出庫することができないため、先入れ物品については、後入れ物品を仮置き部に搬送する搬送処理を行った後、受取箇所に出庫する搬送処理を行う必要があり、また、後入れ物品については、仮置き部に搬送する搬送処理を行った後、受取箇所に出庫する搬送処理を行う必要があり、仮置き部を用いることで入出庫用搬送装置の搬送処理が煩雑になっていた。
また、手前側物品を仮置きする仮置き部を設ける必要があり、物品収納棚の収納部を仮置き部として設けた場合では、物品収納棚の収納効率が低下する等の弊害があった。
【0005】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、物品収納棚の収納効率を低下させることなく入出庫搬送装置の搬送処理の簡素化を図ることができる物品収納設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる物品収納設備は、物品を収納する収納部を複数備えて構成された物品収納棚と、外部から搬入された物品を受渡箇所まで載置搬送する搬入用搬送装置と、外部に搬出する物品を受取箇所から載置搬送する搬出用搬送装置と、前記物品収納棚の手前側を移動して、物品を前記受渡箇所から前記収納部に入庫し且つ物品を前記収納部から前記受取箇所に出庫する入出庫用搬送装置と、前記搬入用搬送装置、前記搬出用搬送装置及び前記入出庫用搬送装置の作動を制御する制御手段とを備え、前記複数の収納部の夫々が、物品を収納する収納箇所として、奥側収納箇所と手前側収納箇所とを前記物品収納棚の奥行き方向に並べて備えるように構成されたものであって、
その第1特徴構成は、前記受渡箇所として、第1受渡箇所と、この第1受渡箇所より前記搬入用搬送装置の搬送方向上手側に位置する第2受渡箇所とが設定され、前記制御手段が、前記第1受渡箇所に物品が存在しない場合は外部から搬入された物品を前記搬入用搬送装置にて前記第1受渡箇所まで搬送し、前記第1受渡箇所に物品が存在する場合は外部から搬入された物品を前記搬入用搬送装置にて前記第2受渡箇所まで搬送する入庫搬送処理と、前記第2受渡箇所に位置する物品を前記入出庫用搬送装置にて前記収納部の前記奥側収納箇所に入庫した後、前記第1受渡箇所に位置する物品を前記入出庫用搬送装置にて前記収納部の前記手前側収納箇所に入庫する入替入庫処理とを実行するべく、前記搬入用搬送装置及び前記入出庫用搬送装置の作動を制御するように構成されている点にある。
【0007】
すなわち、入庫搬送処理を実行することで、先に搬入された物品は搬入用搬送装置にて第1受渡箇所まで搬送され、後に搬入された物品は搬入用搬送装置にて第2受渡箇所まで搬送される。そして、入替入庫処理を実行することで、まず、第2受渡箇所に位置する物品が入出庫用搬送装置にて第2受渡箇所から搬送されて収納部の奥側収納箇所に入庫され、その後、第1受渡箇所に位置する物品が入出庫用搬送装置にて第1授受箇所から搬送されて収納部の手前側収納箇所に収納される。
つまり、このように入庫搬送処理と入替入庫処理とを実行することで、先に搬入された物品を収納部の手前側収納箇所に入庫することができ、後に搬入された物品を収納部の奥側収納箇所に入庫することができる。
【0008】
そして、例えば、物品収納設備が物品を一定期間だけ保管する目的で使用される場合、搬入される物品の全てが、搬入されてから搬出されるまでの期間を同じにする必要があるが、その場合に、先に搬入された物品と後に搬入された物品とでは、先に搬入された物品の予定搬出時期が早く、後に搬入された物品の予定搬出時期が遅くなる。
つまり、上述のように先に搬入された物品の予定搬出時期が早く、後に搬入された物品の予定搬出時期が遅い場合、先に搬入された物品を収納部の手前側収納箇所に入庫し、後に搬入された物品を収納部の奥側収納箇所に入庫しておくことで、予定搬出時期が早い物品が収納部の手前側収納箇所に入庫され、予定搬出時期が遅い物品が収納部の奥側収納箇所に入庫されることになる。
【0009】
よって、予定搬出時期が早い物品は手前側収納箇所に収納され、予定搬出時期が遅い物品が収納部の奥側収納箇所に入庫されるため、予定搬出時期が早い物品を収納部から出庫するときに、予定搬出時期が遅い奥側収納箇所に収納されている物品が邪魔になることがなく、予定搬出時期が遅い物品を退避させるために当該物品を仮置き部に搬送する必要がないので、予定搬出時期が早い物品(手前側収納部に収納されている物品)を仮置き部を利用せずに出庫することができる。
従って、物品収納棚の収納効率を低下させることなく入出庫搬送装置の搬送処理の簡素化を図ることができる物品収納設備を提供することができるに至った。
【0022】
本発明にかかる物品収納設備の第
2特徴構成は、
前記受渡箇所として、第1受渡箇所と、この第1受渡箇所より前記搬入用搬送装置の搬送方向上手側に位置する第2受渡箇所とが設定され、前記制御手段が、前記第1受渡箇所に物品が存在しない場合は外部から搬入された物品を前記搬入用搬送装置にて前記第1受渡箇所まで搬送し、前記第1受渡箇所に物品が存在する場合は外部から搬入された物品を前記搬入用搬送装置にて前記第2受渡箇所まで搬送する入庫搬送処理と、前記第2受渡箇所に位置する物品を前記入出庫用搬送装置にて前記収納部の前記奥側収納箇所に入庫した後、前記第1受渡箇所に位置する物品を前記入出庫用搬送装置にて前記収納部の前記手前側収納箇所に入庫する入替入庫処理とを実行するべく、前記搬入用搬送装置及び前記入出庫用搬送装置の作動を制御するように構成され、
前記入出庫用搬送装置が、前記受渡箇所、前記受取箇所及び前記収納部と自己との間で物品を移載可能な移載装置を、前記搬出用搬送装置の搬送方向に沿って一対並設し、前記一対の移載装置の夫々にて物品を支持する状態で2つの物品を同時に搬送可能に構成され、前記制御手段が、前記入替出庫処理として、前記手前側収納箇所に収納されていた物品を前記搬出用搬送装置の搬送方向上手側に位置する前記移載装置にて支持し且つ前記奥側収納箇所に収納されていた物品を前記搬出用搬送装置の搬送方向下手側に位置する前記移載装置に支持する状態で2つの物品を前記入出庫用搬送装置にて同時に搬送して、前記手前側収納箇所に収納されていた物品の前記第2受取箇所への出庫と前記奥側収納箇所に収納されていた物品の前記第1受取箇所への出庫とを同時に行うべく、前記入出庫用搬送装置の作動を制御するように構成されている点にある。
【0023】
すなわち、入替出庫処理を実行することで、手前側収納箇所に収納されている物品が第2受取箇所に出庫され、奥側収納箇所に収納されている物品が第1受取箇所に出庫される。そして、第2受取箇所が、第1受取箇所より搬出用搬送装置の搬送方向上手側に位置しているため、出庫搬送処理を実行することで、奥側収納箇所に収納されていた物品、手前側収納箇所に収納されていた物品の順で外部に向けて搬送される。
よって、例えば、物品収納設備が物品を一定期間だけ保管する目的で使用される場合、搬入される物品の全てが、搬入されてから搬出されるまでの期間が同じにする必要があり、且つ、先に搬入された物品が奥側収納箇所に収納し、後に搬入された物品が手前側搬入箇所に収納するように、外部から搬入されてきた順序で収納部に入庫する場合等では、奥側収納箇所に収納されている物品の予定搬出時期が早く、手前側収納箇所に収納されている物品の予定搬出時期が遅いが、入替出庫処理及び出庫搬送処理を実行することで、仮置き部を利用することなく、奥側収納箇所に収納されていた物品、手前側収納箇所に収納されていた物品の順で外部に向けて搬送される。
そして、奥側収納箇所に収納されている物品を収納部から出庫するときに、手前側収納箇所に収納されている物品が邪魔になるが、予定搬出時期が遅い物品の退避先が仮置き部ではなく第2受取箇所であり、当該物品を出庫するために退避先から改めて移動させる必要がなく、仮置き部を利用せずに迅速に出庫することができる。
従って、物品収納棚の収納効率を低下させることなく入出庫搬送装置の搬送処理の簡素化を図ることができる物品収納設備を提供することができるに至った。
また、入替出庫処理を実行することで、手前側収納箇所に収納されていた物品を搬出用搬送装置の搬送方向上手側に位置する移載装置にて支持し且つ奥側収納箇所に収納されていた物品を搬出用搬送装置の搬送方向下手側に位置する移載装置に支持する状態で、2つの物品を入出庫用搬送装置にて同時に搬送できる。これにより、手前側収納箇所に収納されていた物品の第2受取箇所への出庫と奥側収納箇所に収納されていた物品の第1受取箇所への出庫とが同時に行われる。
このように、手前側収納箇所に収納されていた物品と奥側収納箇所に収納されていた物品との2つの物品を同時に搬送して受取箇所に同時に出庫することで、手前側収納箇所に収納されていた物品と奥側収納箇所に収納されていた物品とを順次受取箇所に出庫した場合に比べて、手前側収納箇所に収納されている物品と奥側収納箇所に収納されている物品とをより迅速に出庫することができる。
【0024】
本発明にかかる物品収納設備の第
3特徴構成は、前記入出庫用搬送装置が、前記受渡箇所、前記受取箇所及び前記収納部と自己との間で物品を移載可能な移載装置を一対設け、前記一対の移載装置の夫々にて物品を載置支持する状態で2つの物品を同時に搬送可能に構成され、前記制御手段が、前記手前側収納箇所に収納されていた物品を一方の前記移載装置にて支持し且つ前記奥側収納箇所に収納されていた物品を他方の前記移載装置に支持する状態で2つの物品を前記入出庫用搬送装置にて同時に搬送し、前記奥側収納箇所に収納されていた物品を前記入出庫用搬送装置にて前記受取箇所に出庫し、前記受取箇所に位置する当該物品を搬出用搬送装置にてその搬送方向下手側に搬送した後、前記手前側収納箇所に収納されていた物品を前記入出庫用搬送装置にて前記受取箇所に出庫するべく、前記入出庫用搬送装置及び前記搬出用搬送装置の作動を制御するように構成されている点にある。
【0025】
すなわち、手前側収納箇所に収納されている物品と奥側収納箇所に収納されている物品との2つの物品が同時に搬送され、まず、奥側収納箇所に収納されている物品を受取箇所に出庫され、当該出庫した物品を外部に向けて搬送した後、次に、手前側収納箇所に収納されている物品が受取箇所に出庫されるため、奥側収納箇所に収納されていた物品、手前側収納箇所に収納されていた物品の順で外部に向けて搬送される。
【0026】
よって、例えば、物品収納設備が物品を一定期間だけ保管する目的で使用される場合、搬入される物品の全てが、搬入されてから搬出されるまでの期間が同じにする必要があり、且つ、先に搬入された物品が奥側収納箇所に収納し、後に搬入された物品が手前側搬入箇所に収納するように、外部から搬入されてきた順序で収納部に入庫する場合等では、奥側収納箇所に収納されている物品の予定搬出時期が早く、手前側収納箇所に収納されている物品の予定搬出時期が遅いが、上述のごとく物品を出庫することで、仮置き部を利用することなく、奥側収納箇所に収納されていた物品、手前側収納箇所に収納されていた物品の順で外部に向けて搬送することができる。
【0027】
そして、手前側収納箇所に収納されていた物品と奥側収納箇所に収納されていた物品との2つの物品を同時に搬送して受取箇所に順次出庫することで、手前側収納箇所に収納されていた物品と奥側収納箇所に収納されていた物品とを順次受取箇所に出庫した場合に比べて、手前側収納箇所に収納されている物品と奥側収納箇所に収納されている物品とをより迅速に出庫することができるとともに、1箇所の受取箇所にて物品を所望の順番で出庫することができるので受取箇所を複数設定する必要がないため、搬出用搬送装置の構成の簡素化を図ることができる。
従って、搬出用搬送装置の構成の簡素化を図りながら、手前側収納箇所に収納されている物品と奥側収納箇所に収納されている物品とを仮置き部を利用せずに迅速に出庫することができる物品収納設備を提供することができるに至った。
【発明を実施するための形態】
【0029】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、物品収納設備には、物品Wを収納する収納部1を複数備えて構成された物品収納棚2と、外部から搬入された物品Wを受渡箇所としての入庫用受渡箇所27まで載置搬送する搬入用搬送装置としての搬入用コンベヤ3と、外部に搬出する物品Wを受取箇所としての出庫用受取箇所28から載置搬送する搬出用搬送装置としての搬出用コンベヤ4と、物品収納棚2の手前側を走行移動して、物品Wを入庫用受渡箇所27から収納部1に入庫し且つ物品Wを収納部1から出庫用受取箇所28に出庫する入出庫用搬送装置としてのスタッカークレーン6と、外部において物品Wを搬送するべく走行移動し且つ搬入用コンベヤ3及び搬出用コンベヤ4との間で物品Wを授受する外部側搬送装置としての物品搬送車7とが設けられている。
尚、
図1は物品収納設備の平面図を示しており、スタッカークレーン6の走行方向、搬入用コンベヤ3及び搬出用コンベヤ4の搬送方向、並びに、物品収納棚2の横幅方向に沿う方向を矢印Xで示し、物品収納棚2の奥行き方向及び物品搬送車7の走行方向に沿う方向を矢印Yで示している。以下、便宜上、矢印Xで示す方向を搬送方向と称し、矢印Yで示す方向を収納方向と称して説明する。
【0030】
物品収納設備は、物品搬送車7が走行移動する外部としての搬送エリアE1と、搬入用コンベヤ3、搬出用コンベヤ4、スタッカークレーン6及び物品収納棚2が設けられた収納エリアE2とに区分けされている。これら搬送エリアE1と収納エリアE2とは、物品搬送車7と搬入用コンベヤ3及び搬出用コンベヤ4との間で物品Wを授受可能に仕切り壁9にて仕切られており、搬送エリアE1と収納エリアE2とが異なる環境に設定されている。
ちなみに、本実施形態では、搬送エリアE1は常温(20℃前後)、収納エリアE2は搬送エリアE1より低温(−5℃前後)に設定されており、収納エリアE2を搬送エリアE1より低温とすることで、搬送エリアE1と収納エリアE2とが異なる環境に設定されている。
【0031】
物品Wは、物品搬送車7から搬入用コンベヤ3に受け渡されて搬送エリアE1から収納エリアE2に搬入された後、搬入用コンベヤ3及びスタッカークレーン6にて物品収納棚2に入庫される。また、物品Wは、スタッカークレーン6にて物品収納棚2の収納部1から搬出用コンベヤ4に出庫された後、搬出用コンベヤ4から物品搬送車7に受け渡されて収納エリアE2から搬送エリアE1に搬出される。
そして、物品Wが物品搬送車7から搬入用コンベヤ3に受け渡されて搬送エリアE1から収納エリアE2に搬入されたときを搬入時期、搬出用コンベヤ4から物品搬送車7に受け渡されて物品Wが収納エリアE2から搬送エリアE1に搬出されるときを予定搬出時期としている。また、搬入時期から予定搬出時期までの期間を予定収納時期としており、予定収納時期は物品Wの種類に応じて予め設定されている。つまり、予定搬出時期は、搬入用コンベヤ3に搬入された搬入時期と予め設定された予定収納時期とに基づいて定められており、物品Wは、外部から搬入用コンベヤ3に搬入されてから予定収納時期後に搬出用コンベヤ4から外部に搬出されるようになっている。
また、物品Wとして、予定収納時期が異なる複数種類の物品Wがある。尚、物品Wは、フィルム材や塗布材や加工食品等である。
【0032】
搬送エリアE1と収納エリアE2とを仕切る仕切り壁9には、搬入用コンベヤ3及び搬出用コンベヤ4の夫々に対応して開口部10が形成され、その開口部10の夫々に対して開閉扉11が設けられている。そして、物品搬送車7が搬入用コンベヤ3や搬出用コンベヤ4との間で物品Wを授受するときは、対応する開閉扉11を開き操作して開口部10を通して物品Wを授受するように構成されている。また、物品搬送車7が搬入用コンベヤ3や搬出用コンベヤ4との間で物品Wを授受しないときは、開閉扉11を閉じ操作して開口部10を閉じるように構成されている。
【0033】
物品収納棚2は、スタッカークレーン6の走行経路を挟む形態で一対設けられており、収納部1が上下方向及び搬送方向に複数並設されている。複数の収納部1の夫々は、物品Wを収納する収納箇所として、奥側収納箇所1bと手前側収納箇所1aとを物品収納棚2の収納方向に並べて備えるように構成されている。従って、収納部1は、奥側収納箇所1bと手前側収納箇所1aとの夫々に物品Wを収納することで、2個の物品Wを収納方向に並べた状態で収納できるように構成されている。
【0034】
搬入用コンベヤ3は、搬送方向における物品搬送車7が位置する搬送方向上手側の端部が物品搬送車7から物品Wを1つずつ受け取る搬入用受取箇所26に設定され、搬送方向における物品収納棚2が位置する搬送方向下手側の端部にスタッカークレーン6に物品Wを1つずつ受け渡す入庫用受渡箇所27に設定されている。そして、搬入用コンベヤ3は、搬入用受取箇所26から入庫用受渡箇所27に物品Wを載置搬送する搬入用チェーンコンベヤ12と、入庫用受渡箇所27に設けられて1つの物品Wを載置支持可能な搬入用昇降台13とを備えて構成されている。
【0035】
搬出用コンベヤ4は、搬送方向における物品収納棚2が位置する搬送方向上手側の端部がスタッカークレーン6から物品Wを1つずつ受け取る出庫用受取箇所28に設定され、搬送方向における物品搬送車7が位置する搬送方向下手側の端部が物品搬送車7に物品Wを1つずつ受け渡す搬出用受渡箇所29に設定されている。そして、搬出用コンベヤ4は、出庫用受取箇所28から搬出用受渡箇所29に物品Wを載置搬送する搬出用チェーンコンベヤ14と、出庫用受取箇所28に設けられて1つの物品Wを載置支持可能な搬出用昇降台15とを備えて構成されている。
【0036】
入庫用受渡箇所27として、第1受渡箇所としての第1入庫用受渡箇所27aと、この第1入庫用受渡箇所27aより搬入用コンベヤ3の搬送方向上手側に位置する第2受渡箇所としての第2入庫用受渡箇所27bとの2箇所が搬送方向に隣接する状態で設定されている。これら第1入庫用受渡箇所27aと第2入庫用受渡箇所27bとの夫々に搬入用昇降台13が備えられている。
ちなみに、上述の如く第1入庫用受渡箇所27aと第2入庫用受渡箇所27bとを設定することで、搬入用コンベヤ3にて物品Wを搬入用受取箇所26から第1入庫用受渡箇所27aに搬送するときは、物品Wが第2入庫用受渡箇所27bを通過し、搬入用コンベヤ3にて物品Wを搬入用受取箇所26から第2入庫用受渡箇所27bに搬送するときは、物品Wが第1入庫用受渡箇所27aを通過しないようになっている。
なお、出庫用受取箇所28は1箇所に設定されている。
【0037】
スタッカークレーン6は、搬送方向に沿って走行自在な走行台車17、走行台車17に立設された支柱に沿って昇降自在な昇降台18、及び、昇降台18に載置されたフォーク式の移載装置19を備えて構成されている。
そして、スタッカークレーン6は、走行台車17の走行移動と昇降台18の昇降移動とにより、第1入庫用受渡箇所27a、第2入庫用受渡箇所27b、出庫用受取箇所28又は収納部1の移載対象箇所に対応する箇所に移載装置19を移動させた後、昇降台18の昇降移動及び移載装置19の伸縮作動により、移載対象箇所との間で物品Wを授受するように構成されている。
【0038】
ちなみに、第1入庫用受渡箇所27aに対応する箇所と出庫用受取箇所28に対応する箇所とでは、走行台車17の停止位置が同じ位置に設定されており、第1入庫用受渡箇所27aに対応する箇所と第2入庫用受渡箇所27bに対応する箇所とでは、走行台車17の停止位置が搬送方向(走行方向)にずれて設定されている。第2入庫用受渡箇所27bに対応する箇所における走行台車17の停止位置は、第1入庫用受渡箇所27aに対応する箇所における走行台車17の停止位置よりも搬入用コンベヤ3の搬送方向上手側に位置している。
【0039】
また、スタッカークレーン6には、昇降台18に単一の移載装置19が備えられており、移載装置19に1つの物品Wを載置支持する形態で物品Wを1つずつ搬送するように構成されている。移載装置19は、収納部1の奥側収納箇所1bまで伸長可能なダブルリーチ式に構成されており、収納部1における手前側収納箇所1a及び奥側収納箇所1bのいずれとも物品Wを授受可能に構成されている。
【0040】
図6の制御ブロック図に示すように、物品収納設備には、スタッカークレーン6、搬入用コンベヤ3、搬出用コンベヤ4、開閉扉11及び物品搬送車7の作動を制御する制御手段Hが備えられている。この制御手段Hは、搬入用コンベヤ3に搬入された物品Wの予定搬出時期を管理するように構成されている。
制御手段Hは、搬入用コンベヤ3に搬入された物品Wの予定搬出時期を管理する管理用コントローラ21と、スタッカークレーン6の作動を制御する搬送用コントローラとしてのクレーンコントローラ22と、搬入用コンベヤ3及び搬出用コンベヤ4の作動を制御するコンベヤコントローラ23と、物品搬送車7及び開閉扉11の作動を制御する搬送車コントローラ24とを備えて構成されている。
【0041】
管理用コントローラ21は、物品Wを収納エリアE2に搬入して物品収納棚2に入庫する場合、搬送車コントローラ24に対して搬入指令情報を送信し、コンベヤコントローラ23に対して入庫搬送情報を送信し、クレーンコントローラ22に対して入庫指令情報を送信するように構成されている。
また、管理用コントローラ21は、物品Wを物品収納棚2から出庫して収納エリアE2から搬出する場合、搬送車コントローラ24に対して搬出指令情報を送信し、コンベヤコントローラ23に対して出庫搬送情報を送信し、クレーンコントローラ22に対して出庫指令情報を送信するように構成されている。
【0042】
搬送車コントローラ24は、管理用コントローラ21からの搬入指令情報に基づいて物品Wを収納エリアE2に搬入するべく物品搬送車7及び開閉扉11の作動を制御する搬入処理の実行を開始し、搬入処理の実行完了に伴って搬入完了情報を管理用コントローラ21に送信するように構成されている。
また、搬送車コントローラ24は、管理用コントローラ21からの搬出指令情報に基づいて物品Wを収納エリアE2から搬出するべく物品搬送車7及び開閉扉11の作動を制御する搬出処理の実行を開始し、搬出処理の実行完了に伴って搬出完了情報を管理用コントローラ21に送信するように構成されている。
【0043】
次に、物品Wを入庫するとき及び物品Wを出庫するときの制御手段H(コンベヤコントローラ23及びクレーンコントローラ22)の制御について説明する。
尚、制御手段Hの制御について説明するにあたり、同じ収納部1に収納する2つの物品Wのうち、先に搬入された物品Wに数字1を付し、後に搬入された物品Wに数字2を付して説明する。尚、
図4の縁取りがある物品W2は、物品W1とは異なる種類である。
【0044】
コンベヤコントローラ23は、管理用コントローラ21からの入庫搬送情報に基づいて、搬入用受取箇所26に位置する外部から搬入された物品Wを入庫用受渡箇所27に搬送するべく、搬入用コンベヤ3の作動を制御する入庫搬送処理の実行を開始し、入庫搬送処理の実行完了に伴って入庫搬送完了情報を管理用コントローラ21に送信するように構成されている。
【0045】
入庫搬送処理について
図2に基づいて説明すると、コンベヤコントローラ23は、搬入用受取箇所26に位置する外部から搬入された物品W1を入庫用受渡箇所27に搬送するとき、
図2(a)に示すように、第1入庫用受渡箇所27aに物品W1が存在しない場合は外部から搬入された物品W1を搬入用コンベヤ3にて第1入庫用受渡箇所27aまで搬送し、
図2(b)に示すように、第1入庫用受渡箇所27aに物品W1が存在する場合は外部から搬入された物品W2を搬入用コンベヤ3にて第2入庫用受渡箇所27bまで搬送するべく、搬入用コンベヤ3の作動を制御するように構成されている。
【0046】
物品Wを入庫するときのクレーンコントローラ22の制御について説明する。
クレーンコントローラ22は、管理用コントローラ21からの入庫指令情報に基づいて、第1入庫用受渡箇所27aに位置する物品W1と第2入庫用受渡箇所27bに位置する物品W2とを同じ収納部1に入庫する入庫処理の実行を開始し、入庫処理の実行完了に伴って入庫完了情報を管理用コントローラ21に送信するように構成されている。
【0047】
クレーンコントローラ22は、第1入庫用受渡箇所27aに位置する物品W1と第2入庫用受渡箇所27bに位置する物品W2とを同じ収納部1に入庫しようとするとき、第1入庫用受渡箇所27aに位置する物品W1の予定搬出時期と第2入庫用受渡箇所27bに位置する物品W2の予定搬出時期とを比較し、第1入庫用受渡箇所27aに位置する物品W1の予定搬出時期が第2入庫用受渡箇所27bに位置する物品W2の予定搬出時期より早い場合は、入庫処理として入替入庫処理を実行し、第2入庫用受渡箇所27bに位置する物品W2の予定搬出時期が第1入庫用受渡箇所27aに位置する物品W1の予定搬出時期より早い場合は、入庫処理として通常入庫処理を実行するように構成されている。
【0048】
入替入庫処理について
図3に基づいて説明すると、クレーンコントローラ22は、
図3(a)に示すように、第2入庫用受渡箇所27bに位置する物品W2をスタッカークレーン6にて収納部1の奥側収納箇所1bに搬送した後、
図3(b)に示すように、第1入庫用受渡箇所27aに位置する物品W1をスタッカークレーン6にて収納部1の手前側収納箇所1aに入庫するべく、スタッカークレーン6の作動を制御するように構成されている。
【0049】
通常入庫処理について
図4に基づいて説明すると、クレーンコントローラ22は、
図4(a)に示すように、第1入庫用受渡箇所27aに位置する物品W1をスタッカークレーン6にて収納部1の奥側収納箇所1bに入庫した後、
図4(b)に示すように、第2入庫用受渡箇所27bに位置する物品W2をスタッカークレーン6にて収納部1の手前側収納箇所1aに入庫するべく、スタッカークレーン6の作動を制御するように構成されている。
【0050】
物品Wを出庫するときのクレーンコントローラ22の制御について説明する。
クレーンコントローラ22は、管理用コントローラ21からの出庫指令情報に基づいて、収納部1に収納されている物品Wを出庫用受取箇所28に出庫する出庫処理の実行を開始し、出庫処理の実行完了に伴って出庫完了情報を管理用コントローラ21に送信するように構成されている。
出庫処理としては、収納部1の手前側収納箇所1aに収納されている物品Wを出庫用受取箇所28に出庫する手前側出庫処理と、収納部1の奥側収納箇所1bに収納されている物品Wを出庫用受取箇所28に出庫する奥側出庫処理とがある。
【0051】
クレーンコントローラ22は、管理用コントローラ21からの出庫指令情報に基づいて、収納部1に収納されている物品Wをスタッカークレーン6にて出庫しようとするとき、当該出庫指令情報により出庫する物品Wが収納部1の手前側収納箇所1aに収納されている場合は、
図5(a)に示すように、収納部1の手前側収納箇所1aに収納されている物品Wを搬出用コンベヤ4の第1搬出箇所4aに出庫する手前側出庫処理を実行するべく、スタッカークレーン6の作動を制御するように構成されている。
【0052】
また、クレーンコントローラ22は、管理用コントローラ21からの出庫指令情報に基づいて、収納部1に収納されている物品Wをスタッカークレーン6にて出庫しようとするとき、当該出庫指令情報により出庫する物品Wが収納部1の奥側収納箇所1bに収納されている場合は、
図5(b)に示すように、収納部1の奥側収納箇所1bに収納されている物品Wを搬出用コンベヤ4の第1搬出箇所4aに出庫する奥側出庫処理を実行するべく、スタッカークレーン6の作動を制御するように構成されている。
【0053】
コンベヤコントローラ23は、管理用コントローラ21からの出庫搬送情報に基づいて、物品Wを出庫用受取箇所28から搬出用受渡箇所29に搬送するべく搬出用コンベヤ4の作動を制御する出庫搬送処理の実行を開始し、出庫搬送処理の実行完了に伴って出庫搬送完了情報を管理用コントローラ21に送信するように構成されている。
【0054】
そして、制御手段Hは、スタッカークレーン6が物品収納棚2から第1搬出箇所4aに物品Wを出庫し、搬出用コンベヤ4が第1出庫箇所から第2出庫箇所に物品Wを搬送し、物品搬送車7が搬出用コンベヤ4から物品Wを受け取るのに必要な出庫必要時間を考慮して、予定搬出時期よりも出庫必要時間以上前に管理用コントローラ21がクレーンコントローラ22に対して出庫指令情報を送信するようになっており、予定搬出時期に物品搬送車7が搬出用コンベヤ4から物品Wを受け取れるように、予定搬出時期より前に物品Wを収納部1から搬出用コンベヤ4に出庫するべく、スタッカークレーン6の作動を制御するように構成されている。
【0055】
上述の如く、収納部1の手前側収納箇所1aと奥側収納箇所1bとに物品Wを入庫するとき、手前側収納箇所1aに予定搬出時期が早い物品Wを入庫し、奥側収納箇所1bに予定搬出時期が遅い物品Wを入庫することで、予定搬出時期が早い物品Wを出庫するときに予定搬出時期が遅い物品Wが邪魔にならず、迅速に出庫用受取箇所28に出庫することができるようになっている。
【0056】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
尚、第2実施形態は、搬入用コンベヤ3、搬出用コンベヤ4及び制御手段H以外の構成は第1実施形態と同様に構成されているため、説明は省略する。
【0057】
図7〜
図9に示すように、出庫用受取箇所28として、第1受取箇所としての第1出庫用受取箇所28aと、この第1出庫用受取箇所28aより搬出用コンベヤ4の搬送方向上手側に位置する第2受取箇所としての第2出庫用受取箇所28bとの2箇所が搬送方向に隣接する状態で設定されている。これら第1出庫用受取箇所28aと第2出庫用受取箇所28bとの夫々に搬出用昇降台15が備えられている。
ちなみに、上述の如く第1出庫用受取箇所28aと第2出庫用受取箇所28bとを設定することで、搬出用コンベヤ4にて物品Wを第2出庫用受取箇所28bから搬出用受渡箇所29に搬送するときは、物品Wが第1出庫用受取箇所28aを通過し、搬出用コンベヤ4にて物品Wを第1出庫用受取箇所28aから搬出用受渡箇所29に搬送するときは、物品Wが第2出庫用受取箇所28bを通過しないようになっている。
なお、入庫用受渡箇所27は1箇所に設定されている。
【0058】
次に、第2実施形態における物品Wを入庫するとき及び物品Wを出庫するときの制御手段H(コンベヤコントローラ23及びクレーンコントローラ22)の制御について説明する。
【0059】
コンベヤコントローラ23は、入庫搬送処理では、入庫用受渡箇所27に物品W1が存在しない場合は、外部から搬入された物品W1を搬入用コンベヤ3にて入庫用受渡箇所27まで搬送し、入庫用受渡箇所27に物品W1が存在する場合は、外部から搬入された物品W2を搬入用コンベヤ3にて入庫用受渡箇所27の手前の待機箇所に待機させておき、入庫用受渡箇所27に位置する物品W1がスタッカークレーン6に受け渡された後、物品W2を入庫用受渡箇所27まで搬送するべく搬入用コンベヤ3の作動を制御するように構成されている。
【0060】
物品Wを入庫するときのクレーンコントローラ22の制御について説明する。
クレーンコントローラ22は、管理用コントローラ21からの入庫指令情報に基づいて、第1入庫用受渡箇所27aに位置する物品W1と第2入庫用受渡箇所27bに位置する物品W2とを同じ収納部1に入庫する入庫処理の実行を開始し、入庫処理の実行完了に伴って入庫完了情報を管理用コントローラ21に送信するように構成されている。
そして、
図7に示すように、クレーンコントローラ22は、入庫処理では、入庫用受渡箇所27に位置する物品W1を収納部1の奥側収納箇所1bに入庫し、入庫用受渡箇所27に位置する物品W2を収納部1の手前側収納箇所1aに入庫するべく、スタッカークレーン6の作動が制御されるようになっている。
【0061】
物品Wを出庫するときのクレーンコントローラ22の制御について説明する。
クレーンコントローラ22は、管理用コントローラ21からの出庫指令情報に基づいて、手前側収納箇所1aに位置する物品W2と奥側収納箇所1bに位置する物品W1とを出庫用受取箇所28に出庫する出庫処理の実行を開始し、出庫処理の実行完了に伴って出庫完了情報を管理用コントローラ21に送信するように構成されている。
【0062】
クレーンコントローラ22は、手前側収納箇所1aに収納されている物品W2と奥側収納箇所1bに収納されている物品W1とを出庫しようとするとき、手前側収納箇所1aに収納されている物品W2の予定搬出時期と奥側収納箇所1bに収納されている物品W1の予定搬出時期とを比較して、奥側収納箇所1bに収納されている物品W1の予定搬出時期が手前側収納箇所1aに収納されている物品W2の予定搬出時期より早い場合は、出庫処理として入替出庫処理を実行し、手前側収納箇所1aに収納されている物品W2の予定搬出時期が奥側収納箇所1bに収納されている物品W1の予定搬出時期より早い場合は、出庫処理として通常出庫処理を実行するように構成されている。
【0063】
入替出庫処理について
図8に基づいて説明すると、クレーンコントローラ22は、奥側収納箇所1bに収納されている物品W1の予定搬出時期が手前側収納箇所1aに収納されている物品W2の予定搬出時期より早い場合は、
図8(a)に示すように、手前側収納箇所1aに収納されている物品W2をスタッカークレーン6にて第2出庫用受取箇所28bに出庫した後、
図8(b)に示すように、奥側収納箇所1bに収納されている物品W1をスタッカークレーン6にて第1出庫用受取箇所28aに出庫するべく、スタッカークレーン6の作動を制御するように構成されている。
【0064】
通常出庫処理について
図9に基づいて説明すると、クレーンコントローラ22は、手前側収納箇所1aに収納されている物品W2の予定搬出時期が奥側収納箇所1bに収納されている物品W1の予定搬出時期より早い場合は、
図9(a)に示すように、手前側収納箇所1aに収納されている物品W2をスタッカークレーン6にて第1出庫用受取箇所28aに出庫した後、
図9(b)に示すように、奥側収納箇所1bに収納されている物品W1をスタッカークレーン6にて第2出庫用受取箇所28bに出庫するべく、スタッカークレーン6の作動を制御するように構成されている。
【0065】
コンベヤコントローラ23は、管理用コントローラ21からの出庫搬送情報に基づいて、第1出庫用受取箇所28aに位置する物品W及び第2出庫用受取箇所28bに位置する物品Wを出庫用受取箇所28から搬出用受渡箇所29に搬送するべく搬出用コンベヤ4の作動を制御する出庫搬送処理の実行を開始し、出庫搬送処理の実行完了に伴って出庫搬送完了情報を管理用コントローラ21に送信するように構成されている。
【0066】
上述の如く、収納部1の手前側収納箇所1aと奥側収納箇所1bとの物品Wを出庫するとき、第1出庫用受取箇所28aに予定搬出時期が早い物品Wを出庫し、第2出庫用受取箇所28bに予定搬出時期が遅い物品Wを出庫することで、予定搬出時期が早い物品Wを出庫するときに予定搬出時期が遅い物品Wが邪魔にならず、迅速に出庫用受取箇所28に出庫することができるようになっている。
【0067】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
尚、第3実施形態は、搬入用コンベヤ3、搬出用コンベヤ4、スタッカークレーン6及び制御手段H以外の構成は第1実施形態と同様に構成されているため、説明は省略する。
【0068】
入庫用受渡箇所27として、第1入庫用受渡箇所27aと、この第1入庫用受渡箇所27aより搬入用コンベヤ3の搬送方向上手側に位置する第2入庫用受渡箇所27bとの2箇所が搬送方向に隣接する状態で設定されており、第1入庫用受渡箇所27aと第2入庫用受渡箇所27bとの夫々に搬入用昇降台13が備えられている。
また、出庫用受取箇所28として、第1出庫用受取箇所28aと、この第1出庫用受取箇所28aより搬出用コンベヤ4の搬送方向上手側に位置する第2出庫用受取箇所28bとの2箇所が搬送方向に隣接する状態で設定されており、第1出庫用受取箇所28aと第2出庫用受取箇所28bとの夫々に搬出用昇降台15が備えられている。
【0069】
スタッカークレーン6は、移載装置19を搬送方向に沿って一対並設して、移載装置19の夫々にて物品Wを支持する状態で2つの物品Wを同時に搬送可能に構成されている。
一対の移載装置19は、第1入庫用受渡箇所27aと第2入庫用受渡箇所27bとの間隔や、第1出庫用受取箇所28aと第2出庫用受取箇所28bとの間隔と同じ間隔で設けられており、一対の移載装置19を同時に作動させることで、第1入庫用受渡箇所27a及び第2入庫用受渡箇所27bの間で2つの物品Wを同時に移載できるとともに、第1出庫用受取箇所28a及び第2出庫用受取箇所28bの間で2つの物品Wを同時に移載できるように構成されている。
尚、以下、便宜上、搬出用コンベヤ4の搬送方向下手側に位置する移載装置19を第1移載装置19aと称し、搬出用コンベヤ4の搬送方向上手側に位置する移載装置19を第2移載装置19bと称して説明する。
【0070】
次に、第3実施形態における搬入された物品Wを入庫するとき及び搬出する物品Wを出庫するときの制御手段H(クレーンコントローラ22)の制御について説明する。尚、入庫搬送処理については第1実施形態と同様であり、出庫搬送処理については第2実施形態と同様であるため、コンベヤコントローラ23の制御については説明を省略する。
【0071】
物品Wを入庫するときのクレーンコントローラ22の制御について説明する。
クレーンコントローラ22は、管理用コントローラ21からの入庫指令情報に基づいて、第1入庫用受渡箇所27aに位置する物品W1と第2入庫用受渡箇所27bに位置する物品W2とを同じ収納部1に入庫する入庫処理の実行を開始し、入庫処理の実行完了に伴って入庫完了情報を管理用コントローラ21に送信するように構成されている。
【0072】
第3実施形態の入庫処理について説明すると、
図10(a)に示すように、第1移載装置19a及び第2移載装置19bが第1入庫用受渡箇所27a及び第2入庫用受渡箇所27bに対応する位置に移動させた後、第1入庫用受渡箇所27aに位置する物品W1を第2移載装置19bにて支持し、第2入庫用受渡箇所27bに位置する物品W2を第1移載装置19aにて支持するように、一対の移載装置19にて入庫用受渡箇所27に位置する2つの物品Wを同時に移載装置19に移載するべく、スタッカークレーン6の作動を制御する。その後、
図10(b)に示すように、第2移載装置19bが入庫対象の収納部1に対応する位置に移動するようにスタッカークレーン6を作動させて、第2移載装置19bにて支持していた物品W1を収納部1の奥側収納箇所1bに入庫させた後、
図10(c)に示すように、第1移載装置19aが入庫対象の収納部1に対応する位置に移動するようにスタッカークレーン6を作動させて、第1移載装置19aにて支持していた物品W2を収納部1の手前側収納箇所1aに入庫させるべく、スタッカークレーン6の作動を制御する。
【0073】
物品Wを出庫するときのクレーンコントローラ22の制御について説明する。
クレーンコントローラ22は、管理用コントローラ21からの出庫指令情報に基づいて、手前側収納箇所1aに位置する物品W2と奥側収納箇所1bに位置する物品W1とを出庫用受取箇所28に出庫する出庫処理の実行を開始し、出庫処理の実行完了に伴って出庫完了情報を管理用コントローラ21に送信するように構成されている。
【0074】
クレーンコントローラ22は、手前側収納箇所1aに収納されている物品W2と奥側収納箇所1bに収納されている物品W1とを出庫しようとするとき、手前側収納箇所1aに収納されている物品W2の予定搬出時期と奥側収納箇所1bに収納されている物品W1の予定搬出時期とを比較して、奥側収納箇所1bに収納されている物品W1の予定搬出時期が手前側収納箇所1aに収納されている物品W2の予定搬出時期より早い場合は、出庫処理として入替出庫処理を実行し、手前側収納箇所1aに収納されている物品W2の予定搬出時期が奥側収納箇所1bに収納されている物品W1の予定搬出時期より早い場合は、出庫処理として通常出庫処理を実行するように構成されている。
【0075】
クレーンコントローラ22は、入替出庫処理として、手前側収納箇所1aに収納されていた物品W2を第2移載装置19bにて支持し且つ奥側収納箇所1bに収納されていた物品W1を第1移載装置19aに支持する状態で2つの物品Wをスタッカークレーン6にて同時に搬送して、手前側収納箇所1aに収納されていた物品W2の第2出庫用受取箇所28bへの出庫と奥側収納箇所1bに収納されていた物品W1の第1出庫用受取箇所28aへの出庫とを同時に行うべく、スタッカークレーン6の作動を制御するように構成されている。
【0076】
具体的には、クレーンコントローラ22は、
図11(a)に示すように、第2移載装置19bが出庫対象の収納部1に対応する位置に移動するようにスタッカークレーン6を作動させて、手前側収納箇所1aに収納されていた物品W2を第2移載装置19bにて支持した後、
図11(b)に示すように、第1移載装置19aが出庫対象の収納部1に対応する位置に移動するようにスタッカークレーン6を作動させて、奥側収納箇所1bに収納されていた物品W1を第1移載装置19aにて支持するべく、スタッカークレーン6の作動を制御する。その後、第1移載装置19a及び第2移載装置19bが第1出庫用受取箇所28a及び第2出庫用受取箇所28bに対応する位置に移動するようにスタッカークレーン6を作動させて、第1移載装置19aにて支持している物品W1を第1出庫用受取箇所28aに移載し、第2移載装置19bにて支持している物品W2を第2出庫用受取箇所28bに移載するように、一対の移載装置19にて支持していた2つの物品Wを出庫用受取箇所28に同時に出庫するべく、スタッカークレーン6の作動を制御する。
【0077】
クレーンコントローラ22は、通常出庫処理として、手前側収納箇所1aに収納されていた物品W2を第1移載装置19aにて支持し且つ奥側収納箇所1bに収納されていた物品W1を第2移載装置19bに支持する状態で2つの物品Wをスタッカークレーン6にて同時に搬送して、奥側収納箇所1bに収納されていた物品W1の第2出庫用受取箇所28bへの出庫と手前側収納箇所1aに収納されていた物品W2の第1出庫用受取箇所28aへの出庫とを同時に行うべく、スタッカークレーン6の作動を制御するように構成されている。
【0078】
具体的には、クレーンコントローラ22は、
図12(a)に示すように、第1移載装置19aが出庫対象の収納部1に対応する位置に移動するようにスタッカークレーン6を作動させて、手前側収納箇所1aに収納されていた物品W2を第1移載装置19aにて支持した後、
図12(b)に示すように、第2移載装置19bが出庫対象の収納部1に対応する位置に移動するようにスタッカークレーン6を作動させて、奥側収納箇所1bに収納されていた物品W1を第2移載装置19bにて支持するべく、スタッカークレーン6の作動を制御する。その後、第1移載装置19a及び第2移載装置19bが第1出庫用受取箇所28a及び第2出庫用受取箇所28bに対応する位置に移動するようにスタッカークレーン6を作動させて、第1移載装置19aにて支持している物品W2を第1出庫用受取箇所28aに移載し、第2移載装置19bにて支持している物品W1を第2出庫用受取箇所28bに移載するように、一対の移載装置19にて支持していた2つの物品Wを出庫用受取箇所28に同時に出庫するべく、スタッカークレーン6の作動を制御する。
【0079】
上述の如く、第1移載装置19aにて予定搬出時期が早い物品Wを支持し、第2移載装置19bにて予定搬出時期が遅い物品Wを支持した状態で2つの物品Wを同時に搬送し、これらの2つの物品Wを同時に出庫用受取箇所28に出庫することで、予定搬出時期が早い物品Wと予定搬出時期が遅い物品Wとが互いに邪魔にならず、迅速に出庫用受取箇所28に出庫することができるようになっている。
【0080】
〔別実施形態〕
(1)上記第1実施形態では、制御手段Hが外部から搬入された物品Wの予定搬出時期を管理し、第1受渡箇所に位置する物品Wの予定搬出時期と第2受渡箇所に位置する物品Wの予定搬出時期とを比較して入替入庫処理又は通常入庫処理を実行したが、搬入する物品Wが一種類であるために搬入する物品Wの予定収納時期が全て同じである等により、先に搬入された物品Wが常に先に搬出される場合では、予定搬出時期の比較をせずに入替入庫処理のみを実行するようにしてもよい。
また、第2実施形態及び第3実施形態では、手前側収納箇所1aに収納されている物品Wの予定搬出時期と奥側収納箇所1bに収納されている物品Wの予定搬出時期とを比較して入替出庫処理又は通常出庫処理を実行したが、同様に、予定搬出時期の比較をせずに入替出庫処理のみを実行するようにしてもよい。
【0081】
(2)上記第3実施形態では、収納部1から受取箇所に物品Wを出庫するときに手前側収納箇所1aに位置する物品Wの予定搬出時期と奥側収納箇所1bに位置する物品Wの予定搬出時期とを比較して出庫するようにしたが、受渡箇所から収納部1に物品Wを入庫するときに第1受渡箇所に位置する物品Wの予定搬出時期と第2受渡箇所に位置する物品Wの予定搬出時期とを比較して入庫するようにしてもよい。
具体的には、受渡箇所から収納部1に物品Wを入庫するときに第1受渡箇所に位置する物品Wの予定搬出時期と第2受渡箇所に位置する物品Wの予定搬出時期とを比較し、予定搬出時期が早い物品Wを一方の移載装置19(例えば第1移載装置19a)に載置し、予定搬出時期が遅い物品Wを他方の移載装置19(例えば第2移載装置19b)に載置し、他方の移載装置19に載置されている出庫時期が遅い物品Wを奥側収納箇所1bに入庫し、一方の移載装置19に載置されている出庫時期が早い物品Wを手前側収納箇所1aに入庫する。
この場合、物品Wの予定収納時期が異なるものが存在する場合でも、収納部1から受取箇所28に物品Wを出庫するときに予定搬出時期を比較せずに通常出庫処理のみを実行するようにしても、先に搬出する物品Wを先に出庫することができる。
【0082】
(3)上記第3実施形態では、受渡箇所として第1受渡箇所と第2受渡箇所との2箇所の受渡箇所を設定したが、第2実施形態のように受渡箇所を1箇所にのみ設定してもよい。
具体的には、
図13(a)
(b)に示すように、物品W1を第2移載装置19bにて支持し、物品W2を第1移載装置19aにて支持する場合では、入庫用受渡箇所27に位置する物品W1を第2移載装置19bにて支持した後、スタッカークレーン6を搬送方向に移動させ、且つ、搬入用コンベヤ3にて物品W2を入庫用受渡箇所27に搬送することで、物品W2を第1移載装置19aにて支持することができる。
【0083】
また、上記第3実施形態では、受取箇所として第1受取箇所と第2受取箇所との2箇所の受取箇所を設定したが、第1実施形態のように受取箇所を1箇所にのみ設定してもよい。
具体的には、
図13(c)(d)に示すように、先に搬出する物品W1を第1移載装置19aにて支持し、後に搬出する物品W2を第2移載装置19bにて支持している場合では、第1移載装置19aにて支持している物品W1を出庫用受取箇所28に出庫した後、スタッカークレーン6を搬送方向に移動させ、且つ、搬出用コンベヤ4にて物品W1を出庫用受取箇所28から外部に向けて搬送することで、第2移載装置19bにて支持している物品W2を出庫用受取箇所28に出庫することができる。
【0084】
(4)上記第3実施形態では、入庫処理において、第2移載装置19bにて支持していた物品W1を収納部1の奥側収納箇所1bに入庫させた後、第1移載装置19aにて支持していた物品W2を収納部1の手前側収納箇所1aに入庫させるべく、スタッカークレーン6の作動を制御したが、入庫処理において、第1移載装置19aにて支持していた物品W2を収納部1の奥側収納箇所1bに入庫させた後、第2移載装置19bにて支持していた物品W2を収納部1の手前側収納箇所1aに入庫させるべく、スタッカークレーン6の作動を制御してもよい。