特許第5769061号(P5769061)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5769061
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】コンプレッサ羽根車
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/28 20060101AFI20150806BHJP
【FI】
   F04D29/28 N
   F04D29/28 C
   F04D29/28 L
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2011-86895(P2011-86895)
(22)【出願日】2011年4月11日
(65)【公開番号】特開2012-219723(P2012-219723A)
(43)【公開日】2012年11月12日
【審査請求日】2014年2月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100097515
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 実
(74)【代理人】
【識別番号】100136700
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 俊博
(72)【発明者】
【氏名】村野 隆麻
(72)【発明者】
【氏名】中野 健
【審査官】 所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−249070(JP,A)
【文献】 特開2009−208138(JP,A)
【文献】 実開平06−022598(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転機械の回転シャフトに結合される基部と、該基部の軸回りに間隔を置いて基部に結合されている複数のコンプレッサ翼と、を有するコンプレッサ羽根車であって、
前記基部は、軸方向一端側に位置する先端面と、該先端面と反対側に位置する後端面を有し、
前記基部には、前記後端面から軸方向に延びるシャフト挿入孔が形成されており、シャフト挿入孔は、回転シャフトが挿入される孔であり、
前記基部には、その中心軸位置において、前記先端面から軸方向に延びた中心孔が形成されていることにより、前記後端面側に重心がずらされており、前記中心孔の内周面は閉じている、ことを特徴とするコンプレッサ羽根車。
【請求項2】
前記基部は、中心軸に対する半径方向の最も外側に位置する最外径部分を有し、
前記中心孔により、前記最外径部分と同じ軸方向位置に重心がずらされている、ことを特徴とする請求項1に記載のコンプレッサ羽根車。
【請求項3】
前記基部の前記先端面には、中心軸位置から、中心軸に対する半径方向外側にずれた位置において工具係合部が設けられており、
前記中心孔と工具係合部のうち工具係合部のみに、中心軸回りの周方向に工具が係合した状態で、工具を中心軸回りに回転させて、シャフト挿入孔の内周面に形成された雌ネジ部と、回転シャフトの外周面に形成された雄ネジ部を螺合させることにより、回転シャフトと前記基部が結合可能となっている、ことを特徴とする請求項1または2に記載のコンプレッサ羽根車。
【請求項4】
先端面及び前記先端面とは反対の後端面を有する基部と、
前記基部に結合されたコンプレッサ翼と、
前記基部の前記後端面から前記基部の前記先端面に向かって、前記基部の中心軸方向に延びるシャフト挿入孔と、
前記中心軸の位置において、前記基部の前記先端面から前記基部の前記シャフト挿入孔の側に向かって延びる中心孔と、
を有する、コンプレッサ羽根車。
【請求項5】
前記基部には、前記中心孔よりも、前記中心軸に直交する方向であって前記中心軸を中心とする円の半径方向外側に、前記先端面から前記後端面側へ前記中心軸に沿って延びる工具挿入孔がさらに設けられている、請求項4に記載のコンプレッサ羽根車。
【請求項6】
前記基部は、前記後端面の側に位置する後端側部分の材料が、前記先端面の側に位置する先端側部分の材料よりも密度が高い、請求項4または5に記載のコンプレッサ羽根車。
【請求項7】
前記後端側部分の材料は鋼または鋼合金であり、前記先端側部分の材料はアルミ合金である、請求項6に記載のコンプレッサ羽根車。
【請求項8】
前記基部には、前記基部の最外径部分よりも前記後端面の側において、前記中心軸に直交する方向であって前記中心軸を中心とする円の半径方向外側に拡大された拡径部分をさらに有する、請求項4ないし6のいずれか一項に記載のコンプレッサ羽根車。
【請求項9】
前記シャフト挿入孔は、前記先端面まで貫通せず、前記先端面に向かう途中において底部を有する、請求項4に記載のコンプレッサ羽根車。
【請求項10】
前記中心孔は円筒形である、請求項4に記載のコンプレッサ羽根車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンプレッサ羽根車に関する。
【背景技術】
【0002】
コンプレッサ羽根車は、回転機械の回転シャフトに結合される基部と、該基部の軸回りに間隔を置いて基部に結合されている複数のコンプレッサ翼と、を有する。
【0003】
前記基部には、その後端面から軸方向に延びるシャフト挿入孔が形成されている。シャフト挿入孔に、回転機械の回転シャフトが挿入されることにより、コンプレッサ羽根車の基部と回転シャフトが結合される
【0004】
基部に回転シャフトを結合する前に、コンプレッサ羽根車のアンバランス計測とアンバランス修正を行っている。アンバランス計測時には、シャフト挿入孔に、マンドレルを挿入し、この状態で、コンプレッサ羽根車を、マンドレルの軸回りに回転させる。この回転時において、コンプレッサ羽根車についての振動強度と回転角との関係をアンバランスデータとして取得する。アンバランス修正時には、アンバランスデータに基づいて、コンプレッサ羽根車の軸回りのアンバランス位置において、コンプレッサ羽根車の一部を除去(切削)する。これにより、コンプレッサ羽根車のアンバランスを修正する。
【0005】
上述したコンプレッサ羽根車は、例えば、特許文献1に記載されており、上述したアンバランス計測は、例えば、下記の特許文献2に記載されている。また、本発明に関連する他の先行技術文献として下記の特許文献3がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−174358号公報
【特許文献2】特開2005−172538号公報
【特許文献3】特開2009−208138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、コンプレッサ羽根車の重心は、シャフト挿入孔の底面よりも前記基部の先端面側(シャフト挿入孔と反対側)に離れているので、アンバランス計測時において、コンプレッサ羽根車の重心が、シャフト挿入孔内のマンドレルから基部の先端面側へ離れている。そのため、アンバランス計測時において、コンプレッサ羽根車の回転が、不安定になる可能性がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、コンプレッサ羽根車のアンバランス計測時に、その回転の安定性を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達成するため、本発明によると、回転機械の回転シャフトに結合される基部と、該基部の軸回りに間隔を置いて基部に結合されている複数のコンプレッサ翼と、を有するコンプレッサ羽根車であって、
前記基部は、軸方向一端側に位置する先端面と、該先端面と反対側に位置する後端面を有し、
前記基部には、前記後端面から軸方向に延びるシャフト挿入孔が形成されており、シャフト挿入孔は、回転シャフトが挿入される孔であり、
前記基部には、その中心軸位置において、前記先端面から軸方向に延びた中心孔が形成されていることにより、前記後端面側に重心がずらされており、前記中心孔の内周面は閉じている、ことを特徴とするコンプレッサ羽根車が提供される。
【0010】
好ましくは、前記基部は、中心軸に対する半径方向の最も外側に位置する最外径部分を有し、
前記中心孔により、前記最外径部分と同じ軸方向位置に重心がずらされている。
【0011】
本発明の好ましい実施形態によると、前記基部の前記後端面には、中心軸位置から、中心軸に対する半径方向外側にずれた位置において工具係合部が設けられており、
前記中心孔と工具係合部のうち工具係合部のみに、中心軸回りの周方向に工具が係合した状態で、工具を中心軸回りに回転させて、シャフト挿入孔の内周面に形成された雌ネジ部と、回転シャフトの外周面に形成された雄ネジ部を螺合させることにより、回転シャフトと前記基部が結合可能となっている。
【発明の効果】
【0012】
上述した本発明によると、コンプレッサ羽根車の前記基部には、その中心軸位置において、前記先端面から軸方向に延びる中心孔が形成されていることにより、コンプレッサ羽根車の重心を前記後端面側にずらしているので、アンバランス計測時に、コンプレッサ羽根車の重心を、シャフト挿入孔内のマンドレル側に寄せることができる。従って、アンバランス計測時において、コンプレッサ羽根車の回転安定性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態によるコンプレッサ羽根車を示す。
図2】(A)は、図1のA−A線矢視図であり、(B)は、図1のB−B線矢視図である。
図3】コンプレッサ羽根車と回転シャフトの結合手順を示す。
図4】コンプレッサ羽根車のアンバランス計測時の状態を示す。
図5】本発明の第2実施形態によるコンプレッサ羽根車を示す。
図6】本発明の第3実施形態によるコンプレッサ羽根車を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0015】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態によるコンプレッサ羽根車10を示す。
【0016】
コンプレッサ羽根車10は、回転機械の回転シャフト3に結合され、回転駆動される回転シャフト3と一体で回転することにより、吸入流体(気体または液体)を圧縮する。回転機械は、ターボ機械であってよい。本実施形態では、ターボ機械は、コンプレッサ羽根車10によって、流体と機械との間で連続的にエネルギーを変換する機械である。すなわち、ターボ機械では、回転駆動されているコンプレッサ羽根車10の運動エネルギーを流体に連続的に与える。
【0017】
コンプレッサ羽根車10は、回転機械の回転シャフト3に結合される基部5と、該基部5の中心軸C回りに間隔を置いて基部5に結合されている複数のコンプレッサ翼7と、を有する。基部5は、軸方向一端側に位置する先端面9と、該先端面9と反対側に位置する後端面11を有する。基部5には、後端面11から軸方向に延びるシャフト挿入孔13が形成されている。シャフト挿入孔13には、回転シャフト3が挿入される。本実施形態では、回転シャフト3の一端部には、ターボ機械(例えば、船舶用過給機または車両用過給機)のタービン羽根車が結合されており、回転シャフト3の他端部がシャフト挿入孔13に挿入されてよい。タービン羽根車は、エンジンの排ガスにより回転駆動される。
なお、本願において、軸方向とは、コンプレッサ羽根車10の中心軸Cと平行な方向を意味し、半径方向とは、中心軸Cに直交する方向であって中心軸Cを中心とする円の半径方向を意味し、周方向とは、中心軸Cを回る方向を意味する。
【0018】
コンプレッサ羽根車10は、中実に形成されている。すなわち、シャフト挿入孔13は、先端面9まで貫通することなく、先端面9側に向かう途中において底部を有している。
【0019】
本実施形態によると、基部5には、その中心軸Cの位置において、先端面9から軸方向に延びる中心孔15が形成されている。これにより、コンプレッサ羽根車10の重心Gを後端面11側にずらしている。基部5の中心軸Cは、コンプレッサ羽根車10の中心軸Cでもある。
【0020】
中心孔15の内周面は閉じている。すなわち、中心孔15の内周面は、連続的に1周して閉じている。好ましくは、中心孔15は、円筒形であり、軸方向から見た形状が、閉じた円形である。従って、中心孔15は、コンプレッサ羽根車10と回転シャフト3の結合時に使用されない。言い換えると、中心孔15には、当該結合に使用される後述の工具19または他の工具が周方向に係合しない。
【0021】
コンプレッサ羽根車10と回転シャフト3の結合は、基部5の先端面9に設けられた工具係合部17を用いて行われる。図2(A)は、図1のA−A線矢視図であり、先端面9を示し、図2(B)は、図1のB−B線矢視図であり、工具19を示す。
【0022】
工具係合部17は、中心軸Cの位置から半径方向外側にずれた位置に設けられている。工具係合部17は、図1図2(A)では、周方向に間隔をおいて形成された複数(図2(A)の例では、6つ)の工具挿入孔17aからなる。各工具挿入孔17aは、先端面9から軸方向に延びるように形成されている。
【0023】
工具19は、図1図2(B)では、複数の工具挿入孔17aにそれぞれ挿入される複数の挿入部19aと、これらの挿入部が結合され、図2(B)において多角形(例えば、六角形)の形状を有する頭部19bを有する。
【0024】
コンプレッサ羽根車10と回転シャフト3の結合は、次の手順で行われる。
まず、図3(A)のように、シャフト挿入孔13内に回転シャフト3の先端部を挿入する。
次に、図3(B)のように、工具係合部17に工具19を周方向に係合させる。この例では、複数の工具挿入孔17aにそれぞれ複数の挿入部19aを挿入することにより、工具係合部17に工具19を周方向に係合させる。
この状態で、工具19を中心軸C回りに回転させて、シャフト挿入孔13の内周面に形成された雌ネジ部13aに、回転シャフト3の外周面に形成された雄ネジ部3aを螺合させる。これにより、図3(C)のように、コンプレッサ羽根車10を回転シャフト3に締結して両者を結合する。なお、工具19の回転は、例えば、レンチを用いて頭部19bを回転させることにより行われてよい。
【0025】
コンプレッサ羽根車10のアンバランス計測とアンバランス修正は、コンプレッサ羽根車10と回転シャフト3を結合する前に行う。
【0026】
コンプレッサ羽根車10のアンバランス計測では、図4のように、シャフト挿入孔13に、マンドレル21を挿入し、この状態で、コンプレッサ羽根車10を、マンドレル21の軸回りに回転させる(詳しくは、特許文献2を参照)。この回転時において、コンプレッサ羽根車10について振動強度と回転角との関係をアンバランスデータとして取得する。
【0027】
なお、この回転時において、マンドレル21の先端部21aと、これの反対側にある根元部21bとが、それぞれ、シャフト挿入孔13の内周面において雌ネジ部13aが形成されていない部分を半径方向に支持する。この時、先端部21aおよび根元部21bとシャフト挿入孔13の内周面との間には、潤滑用流体(例えば、潤滑油)が供給される。また、前記回転時において、マンドレル21のベース上面21cが後端面11を鉛直方向(軸方向)に支持する。この時、上面21cと後端面11との間には、潤滑用流体(例えば、潤滑油)が供給される。
【0028】
第1実施形態によると、コンプレッサ羽根車10の重心Gは、中心孔15により、軸方向に関してマンドレル21側にずらされているので、アンバランス計測時において、コンプレッサ羽根車10の回転安定性が高くなる。
【0029】
コンプレッサ羽根車10のアンバランス修正時には、アンバランスデータに基づいて、アンバランスが存在する周方向位置において、コンプレッサ羽根車10の一部を除去(切削)する。これにより、コンプレッサ羽根車10のアンバランスを修正する。ここで、除去する部分は、軸方向における2箇所である。この2箇所は、図1に示すように、基部5の最外径部分5a(図1の破線で囲んだ部分)と、基部5の先端部分5b(図1の破線で囲んだ部分)である。最外径部分5aは、基部5において、半径方向の最も外側に位置する部分である。
【0030】
好ましくは、中心孔15により、基部5の最外径部分5aと同じ軸方向位置に重心Gが位置している。これにより、最外径部分5aと先端部分5bのうち、最外径部分5aのみを除去することにより、コンプレッサ羽根車10のアンバランスを修正することができる。
【0031】
次の[表1]は、中心孔15による重心Gのずれを示す実施例を示す。
【0032】
【表1】
【0033】
この表において、1段目の孔の深さは、先端面9から後端面11までの軸方向距離に対するパーセンテージで示されている。
2段目の各欄内の数値は、中心孔15と6つの工具挿入孔17aのうち中心孔15のみを設けた場合において、重心Gが移動した距離を比率で示している。すなわち、中心孔15の深さが、10%、20%、30%、40%の場合には、重心Gの移動距離(比率)は、それぞれ、2、4、5、17である。
3段目の各欄内の数値は、中心孔15と6つの工具挿入孔17aのうち6つの工具挿入孔17aのみを設けた場合において、重心Gが移動した距離を比率で示している。
4段目の各欄内の数値は、中心孔15と6つの工具挿入孔17aの両方を設けた場合において、重心Gが移動した距離を比率で示している。
なお、2〜4段目における各欄内の重心Gの移動距離は、同じ基準値に対する比率で示されている。
【0034】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態によるコンプレッサ羽根車10を説明する。第2実施形態によるコンプレッサ羽根車10は、以下において説明する点で、第1実施形態によるコンプレッサ羽根車10と異なるが、他の点は、第1実施形態によるコンプレッサ羽根車10と同じである。
【0035】
図5は、本発明の第2実施形態によるコンプレッサ羽根車10を示す。
【0036】
第2実施形態では、基部5は、先端面9側に位置する先端側部分23と、後端面11側に位置する後端側部分25と、を有する。後端側部分25の材料は、先端側部分23の材料よりも密度が高い。好ましくは、後端側部分25の材料は鋼または鋼合金であり、先端側部分23の材料はアルミ合金である。図5において、後端側部分25と先端側部分23との接合面を破線で示している。なお、後端側部分25と先端側部分23の接合方法は、例えば、特許文献3に記載されている。
【0037】
この第2実施形態により、コンプレッサ羽根車10の重心Gを、さらに後端面11側へずらすことができる。
【0038】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態によるコンプレッサ羽根車10を説明する。第3実施形態によるコンプレッサ羽根車10は、以下において説明する点で、第1実施形態によるコンプレッサ羽根車10と異なるが、他の点は、第1実施形態によるコンプレッサ羽根車10と同じである。
【0039】
図6は、本発明の第3実施形態によるコンプレッサ羽根車10を示す。
【0040】
第3実施形態では、基部5は、最外径部分5aよりも後端面11側において、半径方向外側へ(例えば、先端面9の半径方向寸法の2倍以上の寸法に)拡大された拡径部分27(図6において破線で囲んだ部分)を有する。これにより、コンプレッサ羽根車10の重心Gを、さらに後端面11側へずらすことができる。
【0041】
[実施形態の組み合わせ]
第1実施形態で述べたように、好ましくは、コンプレッサ羽根車10の重心Gを、軸方向位置に関して最外径部分5aと一致させる。そのための手段として、第1実施形態の中心孔15で不十分である場合には、上述の第2実施形態と第3実施形態の一方または両方をさらに採用してもよい。すなわち、中心孔15に加えて、後端側部分25の材料を先端側部分23の材料よりも密度を高くすることと、最外径部分5aよりも後端面11側の部分を、半径方向外側に拡大することの一方または両方を採用することにより、コンプレッサ羽根車10の重心Gを、軸方向に関して最外径部分5aの位置と一致させてもよい。
【0042】
本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0043】
3 回転シャフト、3a 雄ネジ部、5 基部、5a 基部の最外径部分、5b 基部の先端部分、7 コンプレッサ翼、9 先端面、10 コンプレッサ羽根車、11 後端面、13 シャフト挿入孔、13a 雌ネジ部、15 中心孔、17 工具係合部、17a 工具挿入孔、19 工具、19a 挿入部、19b 頭部、21 マンドレル、21a マンドレルの先端部、21b マンドレルの根元部、21c マンドレルのベース上面、23 基部の先端側部分、25 基部の後端側部分、27 基部の拡径部分、C 中心軸、G 重心
図1
図2
図3
図4
図5
図6